JPH0378104B2 - - Google Patents

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JPH0378104B2
JPH0378104B2 JP5365083A JP5365083A JPH0378104B2 JP H0378104 B2 JPH0378104 B2 JP H0378104B2 JP 5365083 A JP5365083 A JP 5365083A JP 5365083 A JP5365083 A JP 5365083A JP H0378104 B2 JPH0378104 B2 JP H0378104B2
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JP5365083A
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JPS6047677A (ja
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Shigeo Inoe
Yoshiharu Kimura
Tomokazu Sato
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National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Original Assignee
Agency of Industrial Science and Technology
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明はノカルデイア属に属する新規な微生物
に関する。 ジカルボン酸は合成樹脂、高級潤滑油、可塑
剤、香料等の製造原料として有用な物質である
が、合成法により製造されていたジカルボン酸は
炭素数にも限度があり、炭素数12個以上のジカル
ボン酸を製造することは困難であつた。そこで近
年、微生物を利用した発酵法によるジカルボン酸
の製造法が注目されてきた。 従来、微生物によるジカルボン酸の製造法とし
てはキヤンデイダ(Candida)属(特公昭50−
19630号等)、ピキア(Pichia)属(特公昭45−
24392号等)等の酵母によるものが多く、細菌に
よるものではコリネバクテリウム
(Corynebacterium)属(特公昭56−17075号等)
しか見出されていなかつた。 そこで、本発明者らは、斯かる現状に鑑み、ノ
ルマルパラフイン、脂肪酸又は脂肪酸誘導体を対
応するジカルボン酸に変換する能力を有する菌を
自然界より広く検索した結果、ノカルデイア
(Nocardia)属に属する微生物の中に斯かる能力
を有するものがあることを見出し、本発明を完成
した。 すなわち、本発明はノカルデイア属に属し、ノ
ルマルパラフイン、脂肪酸又は脂肪酸誘導体を資
化してジカルボン酸を生産する能力を有する新規
なノカルデイア・エスピー・KSM−B−21(微工
研菌寄第7006号)に関するものである。 次に、本発明者らが分離、採取した本菌株の菌
学的性質を詳述する。 (a) 形態 若い細胞は、菌糸状に育成し分枝が観察され
る。菌糸は培養の進行に従つて球菌状あるいは
桿菌状に分断する。菌糸の直径は1.5μ (b) 各培地における生育状態 (1) シユクロース.硝酸塩寒天培地: 生育は中程度であり、コロニーの色は白色
ないしクリーム色である。にぶい光沢があ
る。 (2) グルコース・アスパラギン寒天培地: 生育は中程度であり、コロニーの色は白色
ないしクリーム色である。にぶい光沢があ
る。 (3) グリセリン・アスパラギン寒天培地: 生育は中程度であり、コロニーの色は白色
ないしクリーム色である。但し、光沢はな
い。 (4) スターチ寒天培地:: 生育は貧弱であり、コロニーの色は白色で
ある。光沢がなく、乾いた感じのコロニーで
ある。 (5) チロシン寒天培地: 育成は中程度であり、コロニーの色は肌色
ないし淡オレンジ色である。にぶい光沢があ
る。 (6) 栄養寒天培地: 生育は豊富であり、コロニーの色は肌色な
いしうすピンク色である。光沢がある。 (7) イースト・麦芽寒天培地: 生育は最も豊富であり、コロニーの色はピ
ンク色ないしうすオレンジ色である。光沢は
にぶい。 (8) オートミール寒天培地: 育成は中程度であり、コロニーの色は白
色。コロニーは、光沢がある。 (c) 生理学的性質 (1) 生育範囲: 温度16〜38℃(最適27〜34℃) PH5.0〜9.2(最適6.0〜8.3) (2) ゼラチンの液化(グルコース・ペプトンゼ
ラチン培地):陰性 (3) スターチの加水分解(スターチ寒天培
地):陰性 (4) 脱脂牛乳の凝固、ペプトン化:ともに陰性 (5) メラニン様色素の生成:陰性 (d) 炭素源の同化性 L−アラビノース :− D−キシロース :− D−グルコース :+ D−フラクトース :+ シユクロース :+ イノシトール :+ L−ラムノース :− ラフイノース :− D−マンニツト :+ (e) 糖からの酸、ガスの生成 フラクトース :− (ガスは生成しない) ソルビトール :− (ガスは生成しない) (f) 細胞壁組成 ジアミノピメリン酸:meso−DAP 糖:アラビノース、ガラクトース (g) 5−フルオロウラシル耐性(40mg/18):耐
性あり (h) 分離源:土壌 以上の菌学的性質を有する菌についてバージエ
イのマニユアル(Bergey′s Manual of
Determinative Bacteriology)第8版(1975年)
に基づいて検索した結果、本菌株はノカルデイア
(Nocardia)属に属する新菌株と認め、ノカルデ
イア・エスピー・KSM−B−21(Nocardiasp.
KSM−B−20)と命名した。なお、本菌株は、
微工研菌寄第7006号として工業技術院微生物工業
技術研究所に寄託されている。 分離源の土壌からの本菌株の分離はノルマルパ
ラフイン含有培地を用い常法で行なつた。 本菌株の培養に使用する培地の組成は、使用す
る菌株が良好に生育し、ノルマルパラフイン、脂
肪酸又は脂肪酸誘導体からのジカルボン酸の生産
を順調に行なわしめるために適当な炭素源、窒素
源あるいは有機栄養源、無機塩などからなる。炭
素源としては、炭水化物(例えば、グルコース、
フラクトース、シユクロース、マンニトール等)、
有機酸(例えば、クエン酸、コハク酸、脂肪酸及
びそのエステル等)、炭化水素(例えば、n−ド
デカン、n−ヘキサデカン等)など資化されるも
のならばいずれも使用できる。また、窒素源ある
いは有機栄養源としては、例えば、硝酸ナトリウ
ム、硝酸カリウム、硝酸アンモニウム等の硝酸塩
類、酵母エキス、肉エキス、ペプトンが挙げられ
る。また、無機塩としては各種リン酸塩、硫酸マ
グネシウムなどが使用できる。さらに微量の重金
属塩類が使用されるが、天然物を含む培地では必
ずしも添加を必要としない。また栄養要求を必要
とする変異株を用いる場合には、その栄養要求を
満たす物質を培地に添加しなければならない。 培養は培地を加熱等により殺菌後、菌を接種
し、28〜35℃で3〜5日振盪又は通気撹拌すれば
良い。PHは6.5〜8程度に調整すると良い結果が
得られる。水に難溶性の炭素源等を使用する場合
には、ポリオキシエチレンソルビタン等の各種界
面活性剤を培地に添加することも可能である。 叙上の如く得られた培養物は、そのまま酵素源
として用いることもできるが、菌体を培養液より
分離する場合は、通常の固液分離手段が用いられ
る。このように分離された生菌体及びその処理物
(凍結乾燥菌体等)も酵素源としてもちいること
ができる。 ノルマルパラフイン、脂肪酸又は脂肪酸誘導体
を反応基質として本菌株を上記の如く培養すると
ジカルボン酸が生産される。該基質は炭素数6〜
22のものが適当であり、脂肪酸誘導体としては脂
肪酸の低級アルキルエステルが好ましい。 これらの培養液から目的物質であるジカルボン
酸の採取および精製は、一般の有機化合物の採取
および精製の手段に準じて行うことができる。た
とえば培養液から菌体等を除去したろ液もしくは
培養液そのものを酸性とし、エチルエーテル、酢
酸エチル又はクロロホルム−メタノール混液等の
有機溶媒で抽出する。この抽出物をカラムクロマ
トグラフイーあるいは再結晶などの方法を用いて
ジカルボン酸を単離することができる。 以下、実施例により本発明を更に詳しく説明す
る。 実施例 1 採取した土壌サンプル約0.5gを滅菌水10mlに
懸濁し充分撹拌後、この土壌懸濁液0.2mlを下記
組成の液体培地()10ml(50ml容試験管にて)
接種し、30℃にて4日間振盪培養を行なう。
【表】 上記培養により増殖を示した培養液は、滅菌水
により適度に希釈した後、肉汁寒天培地(栄研化
学製;普通寒天培地)に移し、30℃にて2日間培
養し、生じた複数のコロニーが相互間に相異しな
いことを肉眼的及び顕微鏡的に確認できるまで、
肉汁寒天培地への移植を繰り返す。 上記コロニーのうち10個のコロニーをそれぞれ
下記組成の斜面寒天培地()に接種し、30℃で
3日間培養し、10本の斜面培地上の菌株が肉眼的
及び顕微鏡的に同一菌株であることを確認し、ま
た、これら10菌株の各培地上の性状及び生理学的
性質が同一であることを確認した。
【表】
【表】 上記菌株の培地上の性状及び生理学的性質は前
述した通りである。上記試験の結果、各10本の培
養菌はすべて自然界より純粋に分離された単一菌
株であることが判る。 次いで、上記で純粋培養された斜面培地上の菌
株から一白金耳を、滅菌した10%グリセリン水溶
液(2ml)の入つた凍結保存用バイアルに懸濁
し、−80℃にて凍結保存する。かくして3ケ月凍
結保存後、迅速に解凍し得られる懸濁液の一白金
耳を肉汁寒天培地に蘇生後、前記と同条件下に各
培地上での性状及び生理学的性質を調べた結果、
凍結前とは変化が認められなかつた。 また、上記凍結及び解凍を1ケ月毎に5度繰り
返した菌株について同様に、各培地上での性状及
び生理学的性質を調べた結果、変化は認められな
かつた。 次いで、本菌株を利用してジカルボン酸を製造
した例を参考例として挙げる。 参考例 1 パルミチン酸メチル50g、リン酸二アンモニウ
ム10g、リン酸一カリウム2g、硫酸マグネシウ
ム(7水塩)0.2g、硫酸第一鉄(7水塩)0.02
g、硫酸亜鉛(7水塩)0.016g、硫酸マンガン
(4〜6水塩)0.016g、酵母エキス2gを水道水
1に溶かしPHを7.0に調製した。この液体培地
5mlを50ml容振盪試験官に仕込み、120℃で15分
間蒸気滅菌した後、ノカルデイア・エスピー・
KSM−B−21(Nocardia・sp.KSM−B−21)
を一白金耳接種し、30℃で96時間振盪培養した。 培養終了後、この培養液に9N硫酸1mlを加え
PHを強酸性として、クロロホルム−メタノール
(2:1)混液20mlで抽出した。この抽出液を減
圧下濃縮した後メタノール−BF3触媒でメチル化
し、ガスクロマトグラフイーにて生成物の定量を
行なつた。その結果を第1表に示す。 なお生成物はガス−マス(GC−MS)により
α、ω−テトラデカンジカルボン酸であることが
確認された。図1にα、ω−テトラデカンジカル
ボン酸のジメチルエステル(測定にあたつてエス
テル化したもの)のマスパターンを示した。
【表】 【図面の簡単な説明】
図1は本発明の参考例1の生成物および標準物
質のマスパターンの概略図である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 以下の性質を有する微工研菌寄第7006号とし
    て寄託された新規なノカルデイア・エスピー・
    KSM−B−21株。 (a) 形態 若い細胞は、菌糸状に育成し分枝が観察され
    る。菌糸は培養の進行に従つて球菌状あるいは
    桿菌状に分断する。菌糸の直径は1.5μ (b) 各培地における生育状態 (1) シユクロース.硝酸塩寒天培地: 生育は中程度であり、コロニーの色は白色
    ないしクリーム色である。にぶい光沢があ
    る。 (2) グルコース・アスパラギン寒天培地: 生育は中程度であり、コロニーの色は白色
    ないしクリーム色である。にぶい光沢があ
    る。 (3) グリセリン・アスパラギン寒天培地: 生育は中程度であり、コロニーの色は白色
    ないしクリーム色である。但し、光沢はな
    い。 (4) スターチ寒天培地:: 生育は貧弱であり、コロニーの色は白色で
    ある。光沢がなく、乾いた感じのコロニーで
    ある。 (5) チロシン寒天培地: 育成は中程度であり、コロニーの色は肌色
    ないし淡オレンジ色である。にぶい光沢があ
    る。 (6) 栄養寒天培地: 生育は豊富であり、コロニーの色は肌色な
    いしうすピンク色である。光沢がある。 (7) イースト・麦芽寒天培地: 生育は最も豊富であり、コロニーの色はピ
    ンク色ないしうすオレンジ色である。光沢は
    にぶい。 (8) オートミール寒天培地: 育成は中程度であり、コロニーの色は白
    色。コロニーは、光沢がある。 (c) 生理学的性質 (1) 生育範囲: 温度16〜38℃(最適27〜34℃) PH5.0〜9.2(最適6.0〜8.3) (2) ゼラチンの液化(グルコース・ペプトンゼ
    ラチン培地):陰性 (3) スターチの加水分解(スターチ寒天培
    地):陰性 (4) 脱脂牛乳の凝固、ペプトン化:ともに陰性 (5) メラニン様色素の生成:陰性 (d) 炭素源の同化性 L−アラビノース :− D−キシロース :− D−グルコース :+ D−フラクトース :+ シユクロース :+ イノシトール :+ L−ラムノース :− ラフイノース :− D−マンニツト :+ (e) 糖からの酸、ガスの生成 フラクトース :− (ガスは生成しない) ソルビトール :− (ガスは生成しない) (f) 細胞壁組成 ジアミノピメリン酸:meso−DAP 糖:アラビノース、ガラクトース (g) 5−フルオロウラシル耐性(40mg/18):耐
    性あり
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