JPH0377478A - 色カブリのない複製画像を製作するための画像の階調変換法 - Google Patents

色カブリのない複製画像を製作するための画像の階調変換法

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JPH0377478A
JPH0377478A JP1212118A JP21211889A JPH0377478A JP H0377478 A JPH0377478 A JP H0377478A JP 1212118 A JP1212118 A JP 1212118A JP 21211889 A JP21211889 A JP 21211889A JP H0377478 A JPH0377478 A JP H0377478A
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  • Image Processing (AREA)
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) 本発明は、連続階調のカラー原稿画像から網点階調の印
刷画像、デジタル複写画像などの各種の複製画像を複製
するときに不可欠な画像の階調変換法に関する。
更に詳しくは、本発明は主として、電子製版分野におけ
るカラースキャナによる色分解作業及びその他の分野に
おける画像情報の処理作業において、カラー原稿に大な
り小なり存在する色カブリを効果的に取除くことができ
る、所謂色カブリ除去技術を各種の複製画像の作成過程
に組込んだ画像の階調変換法に関するものである。
(従来の技術とその問題点) 連続階調のカラー原稿画像から、印刷にみられる網点階
調表示(多値面積階調表示)、インクジェット記録にみ
られる2値面積階調表示、昇華色素感熱転写記録にみら
れる直接濃度階調表示などの各種の階調変換により複製
画像を製作していることは周知のことである。これら、
従来の画像の階調変換技術において共通した問題点、共
通した要求課題があり、ここではこれらの点を複製画像
の代表的産業分野をなしている印刷を例にとって説明す
る。
電子製版において、高度にメカトロニクス化されたカラ
ースキャナやトータルスキャナなどを用いて色分解作業
(以下、単にスキャナ分解という。)がなされているが
、連続階調であるカラー原稿画像を網点階調の印刷画像
に変換するための合理的な画像の階調変換理論が確立さ
れていないのが現状である。即ち、作業手段として前記
したように高度にメカトロニクス化されかつ高価なカラ
ースキャナを使用しているが、日常の色分解実務におい
ては、依然として作業者の経験と勘に大きく依存してス
キャナ分解を行なっているのが実情である。このことは
、カラー原稿画像が標準的画質のものでなく、露光オー
バやアンダーなど濃淡の差がある場合、また、色カブリ
がある場合において然りである。特に後者においては、
現実のカラー原稿画像には大なり小なりの色カブリが存
在するが、合理的な色カブリの除去技術が確立されてい
ないため、スキャナ分解により色カブリを除去しようと
する場合、作業者は闇量的に対応せざるをえないという
のが現状である。
前記したような理由から、多額の投資を要するカラース
キャナの実質的稼動率は、高度化されているために高能
率であると思われているが依然として平均約30〜40
%という低水準に留まっており、これがため長時間に及
ぶ時間外労働、あるいは深夜作業を常態とする労働環境
の改善(短納期化、瞬発力の強化)、及び企業の経営力
や競争力の強化を阻んでいる。
(発明が解決しようとする課題) 本発明者らは、各種のカラー原稿画像から画像の調子(
階調と色調)の再現性はもとより、更1こ進んで所望の
調子をもつ複製画像を製作するためには、従来技術にお
いて重視されている色補正(修正)技術より画像の各画
素の濃度階調fgradationl を合理的に変換
する技術が重視されなければならないと考えている。即
ち、この考え方は、カラー印刷画像の製作において、画
像の濃度階調の変換技術より科学的な解析が比較的容易
である色補正(修正)技術を重視している従来技術に大
きく反省をせまるものである。
前記した認識のもとで、本発明者らは、先に、前記画像
の階調変換技術を科学的、合理的なものとするために特
定の階調変換式のもとで階調変換を行なうことを提案し
た(特開昭64−7770号公報、特願昭63−207
326号、米国特許筒4.811.108号、米国特許
筒4.833,546号など)。
更に、本発明者らは、複製画像の真の対象となるべきも
のは被写体(実体画像、実景)であるべきことから、従
来の画像処理のほとんどが被写体から入手される画像情
報をある記録媒体(写真感光乳剤、光電体、光学電体な
と)に蓄積し、そこから得られる画像情報を処理してい
ること、即ち媒体画像の画像情報を利用しており、被写
体からの真の画像情報と=liしていることを指摘し、
そのための対応策を提案した。
即ち、印刷画像の場合、縦軸(D軸)を濃度値、横軸(
X軸)を露光量の対数値とするD−X直交座標系で表示
される感光乳剤の濃度特性曲線に基づいて決定される濃
度値を画像情報の出発点としているのである。従って、
被写体(実体画像、実景)からの−次的な(生の、原初
的な)画像情報である、露光量、光量などの真の画像情
報値を利用していない。
本発明者らは、この不合理を解消するために、D軸の濃
度情報値を感光乳剤の濃度特性曲線を介して、露光量、
光量を示すX軸の値に置きかえ、その情報に基づき、か
つ特定の階調変換式のもとで、画像の階調変換を行なう
という方法を提案した(特願平1−35825号)。し
かしながら、前記した複製の対象となる被写体の画像情
報を重視した新しい複製画像の製作技術は、従来の媒体
画像の画像情報に依存する技術より優れたものであるが
、カラー原稿画像が大なり小なり有する色カブリの合理
的な除去技術を組込んでいないものである。本発明は前
記した新しい画像の階調変換法を基礎とするものである
ことはいうまでもないことである。
本発明は、カラーフィルム感材のR,G、B各社剤層の
濃度特性曲線を使い、かつ画像情報をD軸の濃度値にか
えてX軸の画像情報値(wl写体からの1次の、生の、
原初的な画像情報)を使うことによって、前記した色カ
ブリのある原稿からでも合理的、科学的に色カブリを除
去する方法、ならびに該色カブリの除去技術を組込んで
なる画像の階調変換法を提供することを目的とするもの
である。
〔発明の構成1 (問題点を解決するための手段) 本発明を概説すれば、本発明は、色カブリのある連続階
調のカラー原稿画像から1色カブリのない網点階調など
の複製画像を製作するときの画像の階調変換法において
、 (i)、カラー原稿画像の撮影に使用したカラーフィル
ム感材の赤(R)、緑(G)、青(B)の各色感光乳剤
層の夫々の濃度特性曲線〔縦軸(D軸)が濃度値、横軸
(X軸)が露光量などの画像情報値である、D/X直交
座標系のもの〕を準備すること、 (ii) 、カラー原稿画像上で指定した最明部(H部
)と、最暗部(S部)における各色感光乳剤層毎の濃度
値り、とD9を、R〔シアン版(C)用〕、GEマゼン
タ版f&41用]、B〔イエロー版fYj用]の各色フ
ィルターを用いて測定し、D軸上に規定すること、 (IIIl各色フィルターを用いて測定した各乳剤層毎
のD軸上のり、−D、の濃度値(Dn)から、各色感光
乳剤層の濃度特性曲線を介してカラー原稿画像を製作す
るための対応するX軸上の各色版用のX□〜Xsの画像
情報値fX、、lを求めること、 (ivl、  X軸上の各色版用の各XH〜XSに至る
画像情報値(xo)において、階調変換を管理するため
の所望する数の管理点における画像情報値を求めるとと
もに、各管理点のX、4〜Xgにおける相対的関係を規
定すること、(V)、前記X軸−Lにおける階調変換を
管理するための所望する数の管理点の画像情報値から、
前記濃度特性曲線を介してD軸上に対応する濃度値を求
めるとともに、D軸上の各管理点のD8〜D、における
相対的関係を規定すること、 (VIl  前記X軸上の各管理点の各色版用のX、4
〜Xgにおける相対的関係と、対応するD軸上の各管理
点のDH〜DSにおける相対的関係を比較し、両者間の
差異により色カブリの客観的資料を入手すること、 (VIil、@記(IIIlで求めた各色版用の画像情
報値fXn)を、下記〈階調変換式〉を用いて網点面積
%などの階調強度値(y)に変換するに際し、下記〈階
調変換式〉中のγ値として、前記(VIlで入手した色
カブリの客観的資料に基づいて設定した所望の値を採用
して下記〈階調変換式〉を運用すること、 以上よりなる、色カブリのある連続階調のカラー原稿画
像の各色フィルター濃度である濃度値(Dn)から、対
応する各色版の画素の画像情報値(xo)を求めるとと
もに、該画像情N値(Xn)を階調強度値(y)に変換
することを特徴とした、色カブリのある連続階調のカラ
ー原稿から色カブリのない網点階調の複製画像を製作す
るときの画像の階調変換法に関するものである。
〈階調変換式〉 但し、上記〈階調変換式〉において、 X +  (Xn−X、)を示す。このx値(基礎濃度
値)は次のようにして求める。
色カブリのあるカラー原稿画像を各色フィルターにより
測定した任意の画素のD軸上の濃度値(D、lを、各色
感光乳剤層の濃度特性曲線を介してX軸上に撮影して各
色版を製作するための画像情報値(Xn)を求める。同
様にしてカラー原稿画像上のH部のD軸上の濃度値io
、lに対応するX軸上の画像情報値fX、lを求める。
そしてX値は前記X、、値からXH値を差し引いて求め
る。
y:各色版における色カブリのあるカラー原稿画像上の
任意の画素に対応した色カブリのない複製画像上におけ
る網点面積%などの階調強度値。
yl、:カラー原稿画像上の任意の画素により測定した
ときに、D軸上のH部の濃度値DHまたは対応するX軸
上の画像情報値x、4に予め設定される網点面積%など
の階調強度値。
y3:カラー原稿画像上の任意の画素により測定したと
きに、D軸上の8部(a度値り、)または対応するX軸
上のxsに予め設定される網点面積%などの階調強度値
α:複製画像を表現するために用いる基材の表面反射率
β:β=10−”により決められる数値。
但し、れはカラー原稿画像を各色フィルターにより測定
したD軸上の8部の濃度値り。
に対応するX軸上の画像情報値を示す。
γ:任意の係数。
をそれぞれ表わす。
以下、本発明の構成を詳しく説明する。
なお、引きつづいて、本発明を連続階調のカラー原稿画
像、特に大なり小なり色カブリ(co−1or cas
t、foglをもつカラー原稿画像から網点階調の印刷
画像を製作する技術を例にして説明する。
カラー原稿画像に色カブリが生じる原因は種々のものが
あり、これが統一的に色カブリを除去する技術の確立を
阻止している大きな要因である。そして、前述したよう
に高度化されたカラースキャナを用いてスキャナ分解す
る場合、辛くオペレーターの闇曇的対応で処理されてい
るのが現状である。
現在、色カブリの主な発生原因として、次のことが挙げ
られている。
ill写真撮影時の照明光源の光質(色温度)が不適切
であること、 (2)現像処理作業の条件が標準条件からはずれている
こと、 (S)写真撮影時の露光量が適切でないこと。
まず、本発明は、前記したように各色感光乳剤の濃度特
性曲線を利用して、濃度情報値(D軸)から画像情報値
(X軸)を求め、この画像情報に基づいて前記く階調変
換式〉により階調変換を行なうものである。なお、前記
〈階調変換式〉は一般に認められている濃度公式(写真
濃度、光学濃度)、 D=log I o / I =log1 /T但し、
Io=入射光量 ■=反射光量または透過光量 1/T = I/Io=反射率または透過率から誘導し
たものである。即ち、前記濃度りに間する一般公式を製
版・印刷に適用すると次のようになる。
製版・印刷における濃度 fD’)=logIo/I= 但し、A=単位面積 d、=単位面積内にあるそれぞれの網点の面積 d=印刷用紙の反射率 β=印刷インキの表面反射率 以上の濃度(D゛)を基本にし、かつ原稿画像上の任意
の標本点(画素)の基礎濃度値(X)(即ち、画素の実
測濃度値から原稿画像上の最明部の濃度値を差し引いた
もの)と該標本点(画素)の網点面積%の数値(y)と
の関連が実測データと合致するようにすると、次のよう
な式を求めることができる。
”/s=印刷画像の最明部fH)に予め設定される網点
面積%値 y5=印刷画像の最暗部(Slに予め設定される網点面
積%値 本発明は、このようにして求めた基本式の新たな運用に
係るもので、各パラメーターのもつ意味は前記した通り
である。
そこで、色カブリのあるカラー原稿画像がどのような性
格をもつものであるか、そして、それが本発明によりど
のように階調変換されるかを説明する。
〈色カブリ原稿の客観的資料の入手〉 まず、色カブリ原稿がどのような客観的データ(資料)
により位置づけられるものか゛を調べる。そのためにカ
ラー原稿画像の撮影に使用された濃度特性曲線を用いて
説明する。
+1)第1図にEK社コダックエクタクローム64(露
光:デーライト、]150秒、処理:プロセスE−6,
a度測定:ステータスA)のR,G、B各色感光乳剤層
の濃度特性曲線が示されている。第1図は縦軸(D軸)
が濃度を、横軸(X軸)が露光量の対数値を表示するも
のである。
(2)カラー原稿上に指定したHとSにおけるR〔シア
ン版(C1用J、G[マゼンタ版(Ml用1、B[イエ
ロー版fYl用]各色のフィルター濃度値DHとDSを
測定する。次に、該測定値を該濃度特性曲線上にプロッ
トする。
これにより、各色毎の濃度特性曲線のレンジが規定され
る。この過程は、第2図に示される。なお、Rフィルタ
ーから6版用の、GフィルターからM版用の、Bフィル
ターがらY飯田の画像情報を得ることは周知のことであ
る。なお、第2図において、後述する実施例1のデータ
が書き込まれている。
(S)次に、各色毎に規定された濃度特性曲線のレンジ
をX軸に投影して、画像情報の域値を求める。これによ
り、D軸の濃度値(従来の階調変換技術においてベース
とした情報値)から濃度特性曲線を介してX軸の画像情
報値(本発明の階調変換技術においてベースとする情報
値)を得ることができる。X軸上の画像情報値は、被写
体(実体画像、実景)から入手される光量という物理量
に関連づけられた歪のない情報値であり、一方、D軸上
の濃度情報値は濃度特性曲線により1本質的には各乳剤
層の感度特性により歪められてしまったものである。本
発明の画像の階調変換処理においては、前者のX軸の歪
のない画像情報値を用いるものであり、従来技術と大き
な相違をなす。
そして、R,G、B各色フィルター濃度値に対応するX
軸上のC,M、Yの各色版を製作するための画像情報値
の域値[X、 −4X、l においで、画像の階調変換
を適切に管理するために、次のようにして管理点を設定
する。
例えば、XH(これはD軸上のH(7)D、に対応)、
X、点寄り(7)(XI −xH) /4 =mz点、
中間点(’) fXs −Xs) / 2 = m +
点、X。
点(これはD軸上のSのり、に対応)の4点を管理点と
する。なお、管理点の設定数は所望のものでよいことは
いうまでもないことである。
X軸上の各色版を製作するために使用される画像情報値
の域値fX、l−X、)に設定された前記4点の相対的
関係はいうまでもなく、定である。そこで、これらの管
理点を逆に各乳剤層(R,G、B)の濃度特性曲線を介
してD軸上に投影し、各管理点の対応する濃度値(DH
,Dfff、Dml、Dllを求め、その相対的関係を
調べる。
これらの事情は第3図に示されている。
本発明δらは、第3図を考察することにより色カブリの
発生原因を客観的にとらえることができると考えている
。即ち、各色版を製作するために使用されるX軸上の画
像情報値(これは前記したように被写体から入手される
歪のない情報値である)、これが濃度特性曲線(R,G
、B)によりどのような歪み方をしてカラーフィルム感
材上にカラー画像として固定され、D軸上の歪みをもっ
た濃度情報値に至るのかを追跡し、色カブリの発生原因
や色カブリの内容を相関づけることができると考えてい
る。
(4)次に、更に詳しく色カブリの内容や色カブ1の除
去対策を考えることにする。
多くの実験結果に基づき、各色版(C1M、Y)を製作
するためにX軸上の歪みのない画像・清報値の域値、第
3図によればX jl + m I +ni2.xsの
4点の相対的関係と、D軸上の対応する各点(Dn、1
1111i、Dslの相対的関係とが、同じに維持され
ていれば、そのカラー原稿に色カブリがなく、それ以外
の場合は大なり小なりの色カブリを生じていることが判
明した。そして、色カブリの生じている原因や内容に関
する客観的資料(データ)を、X軸とD軸上の管理点の
配列状態、各色乳剤(RlG、E)の濃度特性曲線の形
式を調べることによって合理的かつ科学的に入手するこ
とができる。
第4図に色カブリを除去するための調査結果を示す。
X軸の画像情報値は当該カラー原稿画像を撮影するとき
に、カラーフィルム感材に到達する光量(露光M)その
ものを表わしており、歪みのない画像情報値であり、階
調変換の管理のために設定した4つの管理点の相対的関
係は全て同じである。第4図の■は、この状況を示して
いる。即ち、第4図の■はX軸上の各色版用(C,M、
Y)画像情報値において、X)IとXsを一致させたと
きの各管理点の配列状況を示す図である。注意すべきは
mlとm2は各版において同じ配列状況を示している。
第4図の■は、X軸上の各色版用(C1M、Y)の画像
情報値に対応するD軸上の濃度値(これは、従来の色分
解において利用する歪みのある情報値である)で、かつ
DHとDS3を一致させたときの各管理点の配列状況を
示す図である。
第4図の■は、色カブリの除去を定量化するための極め
て重要な図である。
前記第4図の■において、従来の色分解で各色版を製作
するために使用している各管理点の濃度値(歪みのある
D軸上の濃度情報値)、即ちX軸上の管理点に対応する
管理点iDH,na、、m2.D、)の濃度情報値にお
いて、m + * m 2は、各色版(C,M、Y)ご
とに全くズしている。しかし、人間の視覚がカラー原稿
の画質を評価するとき、カラー原稿の全体を総合化した
もの、即ち、1つのm+。
1つのm2があるかのように評価しているので、この状
況を作図したのが第4図の■(後述する実施例1の数値
データを用いており、赤カブリの強い原稿のものである
。)である。第4図の■、■と比較して、第4図の■で
はY版を製作するために利用されるDH〜DS間の濃度
値がM版の上側に位置(逆転)していることがわかる。
本発明者らは、この状況(前記した場合のY版の逆転現
象)が色カブリの定性的かつ定量化の基礎であると考え
ている。D軸上の濃度値には、前述した色カブリの発生
要因(「発明の構成」のところで言及した(1)〜(S
))が全て織込まれているので、このD軸上の濃度値か
ら入手されるX軸上の画像情報値に基づいて色分解(階
調変換)するときは、当然にこの点を配慮しなければな
らない。即ち、D軸上の濃度値から単純にX軸上の画像
情報値を入手し、これをそのまま色分解するとy版の網
点面積%が過大になり、色カブリ(赤カブリ)を合理的
に除去することができないことを示している。
本発明においては、これら第4図■〜■の考察結果を、
前記〈階調変換式〉の運用により各色版を製作するとき
に反映させ、色カブリを合理的に除去しようとするもの
である。
前記の例でいうと、y版の網点を色カブリのないときの
網点より減少させなければならないが、本発明のく階調
変換式〉において網点面積%の大きさを任意にコントロ
ールできるのはγ値であることから(式の性格からして
自明のことである。)、γ値を適切に選定すればよいこ
とになる。
〈階調変換作業について〉 以上のようにして色カブリの解析作業を終え、次に色分
解作業に移る。色カブリのあるカラー原稿画像を色分解
するには、X軸に示されている歪のない画像情報値を前
記〈階調変換式〉を用いて網点階調画像の網点の網点面
積%の数値に変換する。ただし、この時、複製画像にお
いて色カブリがなくグレーバランスが良く整うようC版
とM版/Y版間のH,Sおよび中間調の網点面積%の数
値の相互関係を定めてかなければならないことは当然な
ことである。本発明の(階調変換式)にはα、β、y□
、yllの4つの値を変えない限り、複製網点画像にお
ける網点面積%の数値の配列状態、即ち、X軸上の画像
情報値(露光量)と網点面積%の相関関係を示すX軸色
分解カーブ(各画素のXn値から得られるy値をグラフ
上に描いた曲ls)の形が全く同じになる、という特質
があるので、第4図の■で表示されている色カブリは、
合理的に取り除かれることになる。また第4図の■では
、Y版がM版よりも濃度が高くなっている。
このため、Y版とM版の差に相当する分を、網点階調画
像を作る時、〈階調変換式〉のγの値を変えて調整し、
例えばY版とM版で同じ面積%の網点が得られるよう処
理すれば良い。この時、Y版をM版にそろえても、M版
をY版にそろえても結果は同じである。本発明のく階調
変換式〉において、γの値を大きくすれば得られる網点
の網点面積%の値は大きくなり、小さくすれば小さくな
るという性格を有するため、その運用は極めてフレキシ
ビリティ−に冨むものである。しかもその網点面積%の
数値は、上記〈階調変換式〉を用いて容易に計算するこ
とができる。従って、第4図■〜■に基づきく階調変換
式〉を適切に運用することにより、合理的に色カブリを
除去することができる。
本発明において、前記〈階調変換式〉を運用するために
は、D軸上の濃度値を第1図に示されるような濃度特性
曲線を介してX軸上の歪みのない画像情報値を求めなけ
ればならない。そのためには濃度特性曲線を正しく数式
化しなければならない。数式化にあたっては適宜の方法
により数式化すればよく、何等の制限を受けるものでは
ない。
例えば、縦軸= D = logIo/I 、横軸=X
=露光量の対数値(但し、X軸の目盛スケールをD軸と
同様に等間隔の目盛を付したものとした。)とし、かつ
a、b、c、d、fを常数として、 (イ)濃度特性曲線の足の部分(下に凸形状のところで
、D値が小さい領域) D = a 、b”””+e+ f (ロ)略直線状の部分(はぼ直線状のところで、D値が
中間値の領域) D=a−X+b   または D=a−X2+bX+c (ハ)肩の部分(上に凸形状のところで、D値が大きい
領@) D ” a ・log(b+ (X+c)) +dなど
で数式化すればよい(第1表(1)参照)、また、濃度
特性曲線の全体を小区分化し、D=aX+bの形式で数
式化してもよい。更に、前記した(イ)の足の部分を小
区分化しD=aX十すの形式で数式化してもよい(第1
表(2)参照)。第1表(1) (2)に第1図で示さ
れるEK社の濃度特性曲線を数式化したものの結果を示
す。
本発明の前記〈階調変換式〉の運用において、次のよう
に変形して利用することはもとより、任意の加工、変形
、誘導するなどして使用することも自由である。
y = y H+ E (1−10−”Xl・(y s
−y 、4)前記の変形例は、α:1としたものである
これは、例えば印刷画像を表現するために用いられる印
刷用紙(基材)の表面反射率を100%としたものであ
る。aの値としては、任意の値を取り得るが、実務上1
.0として構わない゛。
また、前記変形例(α=lO)によれば、印刷画像上の
最明部Hにyイを、最暗部Sにy。
を予定した通りに設定することができ、これは本発明に
おいて大きな特徴をなしている。このことは、印刷画像
上の最明部Hi、:おいては、定義によりx=0となる
こと、また最暗部SにおいてはX=XIl−x+4とな
ること、即ち、−に、x=−ア (x・−X・)− (xs−xH)   ’ となることから明らかである。このように、本発明の(
階調変換式)(α:1の変形例)を利用するに当り、常
に予定した通りのy8とysを複製画像である印刷画像
上に設定することができることは、利用者が作業結果を
考察する上で極めて重要なことである。例えば、印刷画
像におけるy。とy3に所望する値を設定し、γ値を変
化させると(但し、α=  1.0) 、各種のX軸位
分解カーブが得られる。そして、これらのX軸位分解カ
ーブのもとで得た印刷画像をγ値との関係で容易に評価
することができる。
また、本発明の前記〈階調変換式〉を使用した画像の階
調変換法は、被写体(実体画像)の階調や色調の再現、
即ち被写体の調子を作業規則性をもって印刷画像に1:
1に再現させるうえで極めて有用であるが、その有用さ
はこれに限定されるものではない。本発明の前記〈階調
変換式〉は、被写体の特性の忠実な再現性以外にも、α
、β、γ値、更にはy。、ys値を適宜選択することに
より被写体の画像特性を合理的に変更したり脩正したり
するうえで極めて有用なものである。
本発明の画像の階調変換法の応用面を、これまで特に印
刷画像の製作との関連で説明してきたが、その応用面は
、こと印刷画像の製作に限定されるものではない。
即ち、本発明の画像の階調変換法の応用例としては、 fil既に詳しく説明した凸版、平版、網点グラビヤ、
シルク・スクリーンなどの印刷画像、あるいは、ドツト
の大きさを変える(多値化)ことができる溶融転写型感
熱転写画像などにみられる網点(ドツト)の大きさで複
製画像の階調や色調を表現しようとする場合(これは面
積階調法ともいわれる。)はもとより、 fiil昇華転写型感熱転写画像、(銀塩利用)熱現像
転写画像、コンベンショナル・グラビヤ画像などにもみ
られる一定面積の画素当り(例えば1ドツト当り)に付
着させる印刷インキなどの顔料、染料(色素)などのa
淡により階調や色調を表現しようとする場合(これは濃
度階調法ともいわれるa)、 (III)デジタル式の複写機(カラーコピーなど)、
プリンター(インキジェット式、バブルジェット式など
)、あるいはファクシミリなどにみられる一定面積当り
の記録密度、例えばドツト数、インキの粒の数や大小な
どを変化させることにより階調を表現しようとする場合
(これは、前記fitの面積階調と類似したものである
。)、 fiv)ビデオ信号、テレビ信号、ハイビジョン信号な
どの画像情報に関する電気信号より、部位面積の輝度の
強弱を調整して画像を表現するCRT画像やこれから階
調のある印刷物やハードコピーなどを得ようとする場合
、(Vl前記したほぼ同等の濃度(f1度、照度)領域
における原稿画像と複製画像との間の画像の変換処理の
場合だけでなく、空間的、輝度的、波長的および時間的
不可視域における撮影、例えば原画像のコントラストが
極めて低いため原画像と複製画像との間の濃度域差が小
さい、低照度領域における画像情報の入力変換(高感度
カメラによる撮像など)の場合(このような場合、画像
の階調の変換というより画像のコントラストの強調変換
に力点がある。)、 (VIlX線写真などの検査のための医療用精密画像と
して、被写体(患部、病巣など)に忠実な画像を製作し
たい場合、 (VIil この他、濃度表示とともに網点面積%など
をも表示させるようにした濃度・階調変換機構つき濃度
計、色分解事前点検用(例えば校正用カラープルーフ)
や色分解教育用シュミレータなどの印刷関連機器など。
に応用することができる。
本発明の画像の階調変換法を、前記した種々の応用分野
に適用するには、各種応用分野の機器の画像変換処理部
(階調変換部)で前記〈階調変換式〉のもとで処理し、
その処理値であるy値(階調強度値)に対応させて機器
の記録部(記録ヘッド)の電流値や電圧値、あるいはそ
の印加時間などを制御し、網点面積、一定面積(1画素
)当りのドツト数、一定面積(例えば1ドツト)当りの
濃度などを変化させて被写体(実体画像)の濃度階調を
1:lに忠実に再現した網点階調などの複製画像を出力
するようにすれば良い。
例えば、本発明の画像の階調変換法を用いて、網点階調
画像である印刷画像の原版、すなわち印刷用原版を製作
するには、当業界において周知である既存システムを利
用すれば良く、市販の電子的色分針装置(カラー・スキ
ャナー、トータル・スキャナー)等の色分解・網かけ機
構に、本発明の画像の階調変換法を組み込むことにより
達成される。より具体的には、カラー写真などの連続階
調画像である原稿画像(媒体画像)に対して小さなスポ
ット光を照射し、この反射光あるいは透過光(画像情報
信号)を光電変換部(フォトマル)で受光し、光の強弱
を電圧の強弱に変換し、得られた画像情報電気信号(電
圧値)をコンピュータによって所要の整理・加工を行な
い、コンピュータからアウトプットされる加工した画像
情報電気信号(電圧値)に基づいて露出用光源光の制御
を行ない、次いで生フィルムにレーザーのスポット光を
あて印刷用原版を作成する周知の既存システムを利用す
ればよい。その際、原稿画像(媒体画像)の画像情報電
気信号を整理・加工するためのコンピュータの計算処理
機構部において、原稿画像(媒体画像)の濃度に関連し
た情報値を対応する被写体(実体画像)の画像情報値に
調整させるとともに、前記〈階調変換式〉を利用して連
続階調の画像情報電気信号を網点階調の画像情報電気信
号となすことができるソフトを組み込めば良いだけであ
る。このようなソフトとしては、所定の濃度特性曲線の
もとで原稿画像(媒体画像)の濃度に関連する情報値(
D、lを被写体(実体画像)の画像情報値(x7)に変
換するとともに、前記〈階調変換式〉のアルゴリズムを
ソフトウェアとして保有しかつA/D (アナログ−デ
ジタル変換)、D/AのI/F (インターフェース)
を有する汎用コンピュータ、アルゴリズムをロジックと
して汎用ICにより具体化した電気回路、アルゴリズム
演算結果を保持したROMを含む電気回路、アルゴリズ
ムを内部ロジックとして具現化したPAL、ゲートアレ
イ、カスタムIC等9種々の形態をとることができる。
特に最近においてはモジュール化が発達しており、本発
明の前記〈階調変換式)をベースとして濃度領域におけ
る画像の階調変換を行なうことができる演算実現機構は
、専用のIC,LSI、マイクロプロセッサ−、マイク
ロコンピュータ−などのモジュールとして容易に製作す
ることができる。そして、光電走査用のスポット光を順
次、点に分割しながら進行させ、一方、レーザー露光部
もこれと同期するように行なえば、前記〈階調変模式〉
により導き出される網点面積%の数値(y)を持つ網点
階調の印刷用原版を容易に作成することができる。
(実施例) 次に、カラー原稿画像にある色カブリを合理的に除去す
る実施例に基づいて、本発明を更に詳しく説明するが、
本発明は実施例により何らの制限を受けるものではない
なお、本発明の実施例で使用した機器類は下記のもので
ある。
m カラー原稿画像として、EK社製エクタクローム6
4、プロフエショナルフィルム(デーライト)、4−X
5−で撮影されたものを使用した。
(2)スキャナ色分解は、クロスフィールド社製マグナ
スキャン646−M(カラースキャナ)を使用した。
(S)カラー校正はデュポン社製のクロマリンを採用し
た。
(4)カラー原稿画像の濃度測定のためにマクベス社製
マクベスrR−927J  (濃度計)を使用した。
1、色カブリ原稿 色カブリのあるカラー原稿画像として、画像の全面に赤
色のカブリがある「うちわ」の画像(以下「原稿(1)
」という。)と、同じく全面に黄色のカブリがある「く
だもの」(以下「原稿(2)Jという。)を選んだ。な
お、これら2つの画像の色カブリの程度は、何れも、通
常の色分解作業の技法によって処理するとすれば、極め
て難度の高いものである。
2、色分解作業の準備 111色分解カーブ、即ち、本発明の〈階調変換式〉を
運用して求められるX軸位分解カーブを合理的に設定す
るために、前記EK社製フィルムに関するカラーフィル
ム感材のD軸/X軸直交座標系で示される濃度特性曲線
を入手した(第1図)。第1図にはR,G、B各色感光
乳剤層の濃度特性曲線が示されている。
また、第1図に基づいて、D軸値→X軸値に変換するた
めの関係(関数化)−覧表を作成した(第1表)。関数
化にあたり、X軸の画像情報値として露光量の対数値(
D軸と同様、X軸に等間隔の目盛を付して読みこんだ値
)を選んだ。
(2)カラー原稿画像及び複製印刷画像の階調変換を適
切に管理するための管理ポイントとして、各色版(C,
M、Y)を製作するためのX軸上の画像情報値に4点を
選した。
この4点は、X、fD、に対応する点)X、CD!、に
対応する点1  m 1(L−Xs(7)中間点1  
mz(L寄りの(xs−xt+l/4の点)である。
なお、これら各色版用のX軸上の4つの管理点(L、L
、ml、lzlは、濃度特性曲線を介して、それぞれD
軸上におけるD 、、 D 、。
ml、m、の4つの点に対応するものである。
(S)本発明のく階調変換式〉において、製版・印刷作
業の現状を考慮して、a=1.0とし、かつ式中のγ値
を0版用としてγ=0.45を選んだ。なお、γ値の選
択は、6版の中間調(H寄りの(S−H1/4点)で網
点が約50%となるようにしたもので、これは製版・印
刷の実務を反映したものである。
(4)複製されたカラー印刷画像でのグレーバランスを
整えるために、C,M、Y各色版のH,S及び中間調に
おける網点面積%値の相関関係は、当業界の常法に従い
下記第2表の通りに定めた。
(以下余白) (第2表〉 色分解カーブ設定のための各色版用標準網点面積%値−
覧表 〈第3表〉 カラー画像濃度値−覧表 3、色カブリの解析 +1.l前記2つのカラー原稿画像のH及びSの濃度値
を各色版用フィルターを用いて濃度計で一11定した。
結果を下記第3表に示す。
(以下余白) (2)前記、D軸上の濃度値を、第1図の各R,G、B
別濃度特性曲線上にプロットし、カラー原稿画像のC,
M、Yの各色版のH−Sに至る画像情報を同曲線上に規
定する。
次いで、X軸上に投影してX軸上に各色版(C,M、Y
)の画像情報値の域値を規定する。そして、この域値に
、4つの管理点(@述したX Hl m + + m 
z r X s )をプロットする。
次に、D軸上に前記した4つの管理点に対応する管理点
(前述したD H,m +、m z。
D、)を濃度特性曲線を介してD軸上に投影する。
(S)X軸上の4つの管理点の位置関係、対応するD軸
上の4つの管理点の位置関係を比較し、それらの差異を
調べ、色カブリの内容及びその除去のための資料を入手
する。
これらの作業結果を、赤色カブリの強い原稿(1)につ
いては第4図■■■に、黄色カブリの強い原稿(2)に
ついては第5図■■■に示す。
(S)−1,第4図■■■に基づき原稿11)の色カブ
リの内容を解析する。多くの観察者がこのカラー原稿画
像を観察した時、単純に赤色のカブリが画面全体にでて
いると判断する。しかしながら、同図■を観ると中間調
においてY版の濃度がM版の濃度よりも高いことが判明
する。従って、このY版とM版の濃度差に対して何等の
対策をも構じないならば、複製カラー印刷画像の中間調
において黄色が多くなることは必定である。
その対策として画像の階調変換時に、本発明のく階調変
換式〉の運用を網点階調画像の中間調でY版の網点が小
さくなるよう、同式中のYの値をO,1,35に代えて
0.100とすることが必要である。
なお、後述する第4表には、γ= o、 1(+(+で
得られる網点面積%値と、γ= 0.135で得られる
ものとを対比するため、両者のデータが示されている。
(S)−2,同様にして、第5図■■■に基づき原稿(
2)の色カブリの内容を解析する。第5図■の各色版の
関係は次のことを物語っている。
即ち、この黄色カブリの強いカラー原稿(2)は、色分
解が困難でどうにも手がつけられないという当業界のス
キャナ・オペレ夕の通念とは逆に、R,G、B番孔剤層
の濃度特性曲線に基づいた別個のX軸上の画像情報値に
より、かつ本発明の〈階調変換式〉により色分解(階調
変換)するならば、特別な色カブリ除去のための対策を
構じなくてもグレーバランスの整った調子(階調と色調
)の良い複製画像が得られると予想された。というのは
、本発明のく階調変換式〉の運用において、前記第4図
の■のようでなく単純にD軸上の各色版の濃度レンジが
大なり小なり相違するときは、C版を製作するためのX
軸上の画像情報値(各飯田の別個の画像情報値でない)
を使って信販(M、Y)の色分解カーブを決めたとき、
極めて良い結果が得られるという経験をつんでいるから
である。従って、原稿(2)用の色分解カーブの設定に
おいては、特別な色カブリの除去対策を構じなかった。
(4)色分解カーブの設定と色分解 前記(S)利、2の色カブリの除去に対する考え方を考
慮して、色分解カーブの設定資料を作成した。
第4表に原稿(1)(うちわ)の色分解カーブ設定資料
の一覧表を、第5表に原稿+21(<だもの)の色分解
カーブ設定資料の一覧表を示す。
(以下余白) 第4表および第5表の資料に基づいて、カラースキャナ
用の色分解カーブを設定して色分解を行ない、カラー校
正印刷画像を作成してみたところ、何れも予測された通
り、色カブリが除去されしかも濃度勾配が自然である良
い画質の複製画像を作ることができた。
この結果を従来技術の作品と対比してみると次の点が改
良されていた。
■ 何れの画像においても、本発明を用いて得られたカ
ラー校正印刷画像の方が画像全体の濃度勾配が人間の視
感にとって自然な感じを与えるものであり、特に中間調
の濃度や階調が良く再現されていて、所謂、ボリューム
のある調子(多くの印刷物発注者が、ボリュームのある
調子の画像の入手を強く要望している。)を得ることが
できた。
■ 色カブリについては、何れの画像も、人間の視感に
とって、自然な感じで取り除くことができた。カラー校
正印刷画像で、上記2つの技術による色カブリ除去の差
は、原稿(11については、前■項のボリューム感の相
違を除いて、あまり大きな差は認められなかったが、原
稿(2)については大きな差を認めることができた。
従来技術の作品は、カラー原稿画像にある黄色カブリの
調子が、複製カラー校正画像にまで持ち込まれ、全体的
に黄色がかった調子の画像となるが、本発明による作品
では、複製カラー校正画像の全体的色調が、カラー原稿
画像の黄色味がかった調子が解消され、しかもカラー画
像の被写体を人間の眼が観た時に感じるものに近いもの
が得られた。
■ 原稿(2)では、すでに画像全体に強い黄色のカブ
リがあるため、所謂、グレーの色は存在していないが、
色分解をする時、全体的調子、又は特定の部分をグレー
にしながら画像全体の色調を崩さぬように仕上げること
が肝要な技術である。そしてこのことは、印刷物発注者
からの強い希望でもある。しかしながら、従来技術によ
りこれらの要求に答えることは極めて困難なことである
が、本発明の技術による時は合理的かつ合目的的に、゛
色分解をすることができることが確かめられた。
また、前記したことを合理的に処理することができるか
否かが、色カブリを合理的に取り除くことができること
を端的に示す色分解技術の要点でもある。
■ 色カブリを取り除く作業を、技術という立場から検
討してみると、従来技術での色カブリ除去作業は、作業
手段として高度化された電子的装置(カラースキャナ)
を利用してはいるものの、その作業に合理的な理論の裏
付けがなく、基本的には、全くの闇量的な経験的手法に
過ぎない。しかし、本発明の技術による時は、従来の色
カブリ手法を、規則性と普遍性と弾力性のある合理的な
色カブリ除去技術に置きかえることができる。
[発明の効果1 本発明により、カラー原稿画像にある色カブリを合理的
に除去しつつ画像の階調変換を行な゛うことかできる。
即ち、本発明により、印刷画像などの各種の複製画像を
製作するに当たり、少なからず色カブリをもっているカ
ラー原稿画1fjl (写真感光乳剤、光電体、光導電
体などの記録媒体に蓄積されている各種の媒体画像)か
ら、合理的に色カブリを除去して色カブリのない複製画
像を製作するための画像の階調変換法が提供される。
従来の色カブリの除去技術は、 (i)全く、作業者の経験と勘に基づい°〔色カブリを
除こうとするもの、 fiil製版・印刷においては(これは、本発明者が先
に提案したものであるが)、原稿の撮影に使用されたフ
ィルム感光材の濃度特性曲線の濃度値(明細書中で説明
したD軸の濃度値)を、それも各色版でなく1つの代表
的な曲線(具体的にはC版を製作するためのR乳剤層の
濃度特性曲線)から得られた、濃度値を利用して色カブ
リを除こうとするもの、!1iil これも、本発明者
が先に提案し、たものであるが、前記(ii)の技術を
更に進めてフィルム感光材の濃度特性曲線から露光量値
(明細書中で説明したX軸の画像情報値)を入手し、そ
れに基づいて色カブリを除こうとするもの(但し、この
場合もR乳剤層の濃度特性曲線からX軸の画像情報値を
利用している。)、 などがあるが前記fi)は全く非合理的であり、fii
l/ fiiilはかなりの前進をしたものの不十分な
ものである。
本発明は、画像の階調変換時に宿命的に色カブリを伴な
うカラー原稿から客観的な色カブリに関する資料を入手
するとともに、R,G、Bの各色乳剤層の濃度特性曲線
から得られる各色版(C,M、Y)用のX軸の歪のない
画像情報値を利用し、特定の〈階調変換式〉のもとで画
像の階調変換を行なうことにより、合理的に色カブリを
除去するものであり、複製画像の製作において不可欠な
ものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は、カラーフィルム感材の各色(RlG、B)感
光乳剤層の濃度特性曲線を示す。 第2図は、第1図の濃度特性曲線上に、各色版(C,M
、Y)のH部とS部の濃度値をもって各色感光乳剤層の
濃度特性曲線のレンジを規定した図である。 第3図は、第2図の濃度特性曲線のレンジにおいて、X
軸上の4管理点(XH,1111,1112,XS)と
D軸上の対応する4管理点(DHr ml、 m2D3
)の相関を示す図である。 第4図は、色カブリ原因解析図(赤色の色カブリがある
原稿)で、第4図の■はX軸上の各色版用画像情報の4
管理点のうちXHとxsを一致させた図、第4図の■は
同様にしてD軸で4管理点のうちDイとり、を一致させ
た図、第4図の■はD軸上の各色版用画像情報の4管理
点D 、、m +、m z、 D sの全てを一致させ
た図である。 第5図は、色カブリ原因解析図〔黄色の色カブリがある
原稿〉で、第5図の■はX軸上の各色版用画像情報の4
管理点のうちxHとx3を一致させた図、第5図の■は
同様にしてD軸で4管理点のうちり、とD3を一致させ
た図、第5図の■はD軸上の各色版用画像情報の4管理
点D H+ m + + m 2n D sの全てを一
致させた図である。 特 許 出 願 人 株式会社 ヤマトヤ商会 代 理 人

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、色カブリのある連続階調のカラー原稿画像から、色
    カブリのない網点階調などの複製画像を製作するときの
    画像の階調変換法において、 ( I )、カラー原稿画像の撮影に使用したカラーフィ
    ルム感材の赤(R)、緑(G)、青 (B)の各色感光乳剤層の夫々の濃度特性 曲線〔縦軸(D軸)が濃度値、横軸(X 軸)が露光量などの画像情報値である、D /X直交座標系のもの〕を準備すること、 (II)、カラー原稿画像上で指定した最明部(H部)と
    、最暗部(S部)における各色 感光乳剤層毎の濃度値D_HとD_Sを、R〔シアン版
    (C)用〕、G〔マゼンタ版(M)用〕、B〔イエロー
    版(Y)用]の各色フィルターを用いて測定し、D軸上
    に規定する こと、 (III)、各色フィルターを用いて測定した各色感光乳
    剤層毎のD軸上のD_H〜D_Sの濃度値(D_n)か
    ら、各色感光乳剤層の濃度特性曲線を介してカラー原稿
    画像を製作するため の対応するX軸上の各色版用のX_H〜X_Sの画像情
    報値(X_n)を求めること、 (IV)、X軸上の各色版用の各X_H〜X_Sに至る画
    像情報値(X_n)において、画像の階調変換を管理す
    るための所望する数の管理点に おける画像情報値を求めるとともに、各管 理点のX_H〜X_Sにおける相対的関係を規定するこ
    と、 (V)、前記X軸上における階調変換を管理するための
    所望する数の管理点の画像情報値か ら、前記濃度特性曲線を介してD軸上に対 応する濃度値を求めるとともに、D軸上の 各管理点のD_H〜D_Sにおける相対的関係を規定す
    ること、 (VI)、前記X軸上の各管理点の各色版用のX_H〜X
    _Sにおける相対的関係と、対応するD軸上の各管理点
    のD_H〜D_Sにおける相対的関係を比較し、両者間
    の差異により 色カブリの客観的資料を入手すること、 (VII)、前記(III)で求めた各色版用の画像情報値(
    X_n)を、下記〈階調変換式〉を用いて網点面積%な
    どの階調強度値(y)に変換 するに際し、下記〈階調変換式〉中のγ値 として、前記(VI)で入手した色カブリの客観的資料に
    基づいて設定した所望の値を採 用して下記〈階調変換式〉を運用するこ と、 以上よりなる、色カブリのある連続階調の カラー原稿画像の各色フィルター濃度である濃度値(D
    _n)から、対応する各色版の画素の画像情報値(X_
    n)を求めるとともに、該画像情報値(X_n)を階調
    強度値(y)に変換することを特徴とした、色カブリの
    ある連続階調のカラー原稿から色カブリのない網点階調
    の複製画像を製作するときの画像の階調変換法。 〈階調変換式〉 y=y_H+(α(1−10^−^k^x))/(α−
    β)・(y_S−y_H)但し、上記〈階調変換式〉に
    おいて、 X:(X_n−X_H)を示す。このX値(基礎濃度値
    )は次のようにして求める。 色カブリのあるカラー原稿画像を各色フ ィルターにより測定した任意の画素のD軸 上の濃度値(D_n)を、各色感光乳剤層の濃度特性曲
    線を介してX軸上に撮影して各色版 を製作するための画像情報値(X_n)を求める。同様
    にしてカラー原稿画像上のH部の D軸上の濃度値(D_H)に対応するX軸上の画像情報
    値(X_H)を求める。そしてX値は前記X_n値から
    X_H値を差し引いて求める。 y:各色版における色カブリのあるカラー原稿画像上の
    任意の画素に対応した色カブリの ない複製画像上の画素における網点面積% などの階調強度値。 y_H:カラー原稿画像を各色フィルターにより測定し
    たときに、D軸上のH部の濃度値D_Hまたは対応する
    X軸上の画像情報値X_Hに予め設定される網点面積%
    などの階調強度値。 y_S:カラー原稿画像を各色フィルターにより測定し
    たときに、D軸上のS部(濃度値D_S)または対応す
    るX軸上のX_Sに予め設定される網点面積%などの階
    調強度値。 α:複製画像を表現するために用いる基材の表面反射率
    。 β:β=10^−^γにより決められる数値。 k:k=γ/(X_S−X_H)により決められる数値
    。 但し、X_Sはカラー原稿画像を各色フィルターにより
    測定したD軸上のS部の濃度値D_Sに対応するX軸上
    の画像情報値を示す。 γ:任意の係数。 をそれぞれ表わす。 2、濃度特性曲線が、写真用感光材料の黒化度(濃度D
    )を縦軸(D軸)、露光量Eの対数値(logE)を横
    軸(X軸)にもつ直交D−X軸座標系で表わした写真特
    性曲線である請求項第1項に記載の画像の階調変換法。 3、濃度特性曲線を規定する直交D−X軸座標系のD−
    X軸の目盛において、X軸にD軸の目盛と同様に等間隔
    の目盛を付したものである請求項第2項に記載の画像の
    階調変換法。
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