JPH0377238B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

〔産業上の利用分野〕 本発明は、水の硬度低減用粒状ビルト組成物に
関する。 〔従来技術〕 洗剤の製造業者は、洗剤の充分な洗浄力を確保
するには水の硬度を調整する必要があることを古
くから認めている。この硬度調整の目的で使用さ
れている従来の洗剤ビルダーとしては主に３種類
すなわち水溶性の金属封鎖性ビルダーと、水不溶
性のイオン交換ビルダーと、水溶性の沈澱性ビル
ダーとがある。典型的な沈澱性ビルダーはアルカ
リ金属炭酸塩、特に炭酸ナトリウムである。他の
水溶性沈澱性ビルダーとしては、珪酸ナトリウム
（特にマグネシウム硬度に対して有効）、オルト燐
酸ナトリウムおよび水溶性のアルカリ金属石鹸が
ある。 洗浄液中のカルシウムイオン濃度を充分低レベ
ルにするためには、たとえばトリポリ燐酸ナトリ
ウムのような金属封鎖性ビルダー物質を使用すれ
ばよく、よつて燐酸塩ビルト組成物が有用されて
いる。しかしながら、或る条件下では相当量の燐
酸塩が排水中に放出されるという環境問題が明ら
かとなつた。したがつて、各国において洗剤組成
物中の燐レベルを減少させることがますます要望
されている。 従来、沈澱性ビルダーを用いて効率的に水軟化
させるには、前記ビルダーが使用温度にて実質的
に可溶性であることが必須であると考えられてい
た。加えてエネルギーを節約すべくより低温度で
布製品を洗濯するという現在の傾向から、沈澱性
ビルダー物質として低温度で水に難溶性の物質は
使用しえないと従来考えられており、室温で水に
殆んど溶解しない脂肪酸塩を低温洗浄における沈
澱性ビルダー物質として使用することは着想され
ていない。 今回、驚ろくことに、冷水に対して殆んど溶解
しない或る種の脂肪酸を特定の洗剤活性化合物お
よび特殊なキヤリヤ物質に配合して固体粒子とす
ることにより、低温度においてさえもカルシウム
−硬水中に迅速に溶解または分散して効率的にビ
ルダー特性を示しうる固体粒子が得られることが
見い出された。これらの粒状ビルト組成物を単独
で使用することも、また布製品の洗濯に使用され
る他の洗剤活性成分および洗剤添加物と共に使用
することもできる。 ［発明の構成］ 本発明により提供される粒状ビルト組成物は、
水の硬度を低下させるものであつて、 (i) ５〜50重量％の非イオン性洗剤活性化合物
と、 (ii) 30〜55重量％の16〜18個の炭素原子を有する
飽和脂肪酸ビルダー塩もしくはその混合物と、 (iii) 15〜60重量％の水不溶性無機物質、水溶性無
機物質、水溶性有機物質またはその混合物より
なる群から選択されるキヤリヤ物質と、 からなる。 粒状ビルト組成物 粒状ビルト組成物は実質的に非イオン性洗剤化
合物と、ビルダーとしての飽和脂肪酸塩と、水に
接触した際粒子を急速に溶解もしくは分散させる
のに適したキヤリヤ物質との均質（intimate）混
合物からなつている。 非イオン性洗剤活性化合物 粒状ビルト組成物の成分として使用されうるに
適する非イオン性洗剤活性化合物には、特に疎水
性基と反応性水素原子とを有する化合物、たとえ
ば６〜22個の炭素原子を有する脂肪族アルコー
ル、酸、アミドもしくはアルキルフエノールと１
個もしくはそれ以上の付加アルキレンオキサイド
基（特にエチレンオキサイドを単独でもしくはプ
ロピレンオキサイドと組み合せて）との反応生成
物が含まれる。特定の非イオン性洗剤化合物に
は、一般に１分子当り５〜25単位のエチレンオキ
サイドを有するアルキル（C₆〜C₂₂）フエノール
−エチレンオキサイド縮合物、脂肪族（C₈〜C₁₈）
一級もしくは二級の線状もしくは分枝鎖アルコー
ルとエチレンオキサイド（一般に３〜40単位のエ
チレンオキサイド）との縮合生成物、およびエチ
レンオキサイドとプロピレンオキサイドおよびエ
チレンジアミンの反応生成物との縮合により得ら
れる生成物がある。他のいわゆる非イオン性洗剤
化合物としては長鎖の第三級アミンオキサイド、
長鎖の第三級ホスフインオキサイドおよびジアル
キルスルホキシドが含まれる。非イオン性洗剤活
性化合物の混合物も使用することができる。 ビルダー粒子中に存在させる非イオン性洗剤活
性化合物の量は、ビルダー粒子に対し５〜50重量
％、好ましくは10〜40重量％とすべきである。 脂肪酸塩 粒状ビルト組成物のビルダー成分として使用さ
れうるに適する脂肪酸塩は、石鹸製造において従
来使用されるもの、即ち飽和でありかつ、16個〜
18個の炭素原子を有するものである。16個未満の
炭素原子を有する脂肪酸塩は本発明の目的には適
当でなく、その対応するカルシウム塩を慣用の脂
肪酸塩と同様な量で使用すると許容しうるビルダ
ー特性を示すには充分低くない溶解度積を有す
る。天然原料から得られる脂肪酸の塩は一般に
種々のアルキル鎖長の混合物を含み、しばしば不
飽和および／またはヒドロキシ置換されたアルキ
ル鎖を有することがある。いずれにせよ、脂肪酸
の少なくとも30％、好ましくは少なくとも40％は
飽和でありかつ16〜18個の炭素原子を有する酸で
構成されることが必要である。 脂肪酸塩は、上記脂肪酸のアルカリ金属塩の他
に、脂肪酸を窒素含有有機物質たとえばアミンお
よびその誘導体と複合化させて（complex）生成
されうる有機塩も包含する。 好適脂肪酸塩としてはステアリン酸ナトリウ
ム、パルミチン酸ナトリウム、獣脂およびパーム
油脂肪酸のナトリウム塩、およびステアリン酸お
よび／またはパルミチン酸および／または獣脂脂
肪酸および／またはパーム油脂肪酸と水溶性アル
カノールアミド（たとえばエタノールアミン、ジ
−もしくはトリ−エタノールアミン、Ｎ−メチル
−エタノールアミン、Ｎ−エチルエタノールアミ
ン、２−メチルエタノールアミンおよび２，２−
ジメチルエタノールアミン）およびＮ含有の環式
化合物（たとえばモルホリン、2′は−ピロリド
ン）およびそのメチル誘導体との間の複合体が例
示される。 脂肪酸塩の混合物、並びに脂肪酸と脂肪酸塩と
の混合物も使用することができる。 粒状ビルト組成物中に存在させる脂肪酸塩の量
は、粒子の重量に対し30〜55重量％とすべきであ
る。これにより、十分なビルダー特性が発揮され
る。 キヤリヤ物質 粒状ビルト組成物の成分として使用しうるに適
するキヤリヤ物質は水不溶性無機物質、水溶性無
機物質、水溶性有機物質またはその混合物から選
択される。 適当な水不溶性無機物質としては、天然シリ
カ、沈降シリカおよびシリカゲル；アルミナおよ
びアルミノ珪酸塩物質たとえばゼオライト、カオ
リン、タルクおよび粘土；並びにその混合物が例
示される。 適する水溶性無機物質としては過硼酸ナトリウ
ム；１価，２価および３価の金属硫酸塩たとえば
アルカリ金属硫酸塩；アルカリ金属燐酸塩たとえ
ばトリポリ燐酸ナトリウム、ピロ燐酸ナトリウム
またはオルト燐酸ナトリウム；アルカリ金属炭酸
塩たとえば炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウムま
たはセスキ炭酸ナトリウムおよびその混合炭酸
塩；塩化ナトリウムおよび塩化カリウム、並びに
その混合物が例示される。 水溶性有機物質の好適例は尿素；炭水化物、特
に蔗糖のような結晶性糖；固体好ましくは結晶性
の多価アルコールたとえばペンタエリスリトー
ル、ソルビトールおよびマンニトール；水溶性フ
イルム形成物質たとえば多糖類、特に澱粉および
セルロースの誘導体；合成重合体、たとえばポリ
アクリレート；蛋白質、たとえばセラチン；ジカ
ルボン酸およびその塩；並びにその混合物であ
る。 粒状ビルト組成物中に存在させるキヤリヤ物質
の量は、粒状ビルト組成物の重量に対し15〜60重
量％とすべきである。これにより、十分なビルダ
ー特性が発揮される。 粒状ビルト組成物を形成するのに使用すべき非
イオン性洗剤活性化合物と脂肪酸塩とキヤリヤ物
質との適量を決定するには、次の事項を考慮せね
ばならない。粒子中の非イオン性洗剤活性化合物
と脂肪酸塩との重量比は２：１〜１：８とすべき
であり、粒子中の脂肪酸塩とキヤリヤ物質との重
量比は10：１〜１：４、好ましくは１：２〜２：
１とすべきである。 任意構成成分（structurant） 粒状ビルト組成物にさらに、その構造を改善す
るための物質を含有させてもよい。この種の物質
には、たとえば珪酸ナトリウムのような水溶性無
機塩がある。 粒状ビルト組成物の製造法 粒状ビルト組成物は、種々の技術により、たと
えば慣用の噴霧乾燥、噴霧冷却もしくは顆粒化技
術等の非イオン性洗剤活性化合物と脂肪酸塩とキ
ヤリヤ物質とを均一に混合しうる方法によつて製
造することができる。 非イオン性洗剤活性物質と脂肪酸塩とキヤリヤ
物質との熱水溶液を絶えず撹拌しながら蒸発乾固
させ、得られた固体物質を所望の粒径まで磨砕し
て粒状ビルト組成物を製造することもできる。キ
ヤリヤ物質が水に対し不溶性である場合には他の
成分の溶液中分散させることもできる。 キヤリヤ物質の粒径を、脂肪酸塩／非イオン性
洗剤活性化合物の溶液を加える前にたとえばスイ
ング−ハンマミルを用いてより小さく磨砕して、
所与量のキヤリヤ物質により担持されうる脂肪酸
塩／非イオン性洗剤活性化合物の重量を増大させ
ることができる。 篩分析により測定される粒状ビルト組成物の寸
法は、粒子の大部分が100〜1500μm、好ましくは
180〜1200μmの範囲の寸法を有するようにすべき
である。 洗剤製品 本発明の粒状ビルト組成物をたとえば布製品
（fabrics）の洗濯に単独で使用しても、或いは他
の成分を含む洗剤製品の１成分として使用するこ
ともできる。特に、洗剤製品には粒状ビルト組成
物中に存在する成分とは別に洗剤活性化合物と洗
剤添加物とを含ませることができる。 他の洗剤活性化合物 任意に存在させうる他の洗剤活性化合物として
はアニオン性、非イオン性、双性および両性の合
成洗剤活性物質から選択することができる。多く
の洗剤化合物が市販されているし、また公知であ
る。たとえば「表面活性剤および洗剤」、第巻
および第巻、シユワルツ、ペリーおよびバーチ
（Schwarz，Perry and Berch）のような文献を
参照されたい。 任意に使用しうるこの種の洗剤化合物の一つは
合成のアニオン性および非イオン性化合物であ
る。前者は一般に炭素数８〜22のアルキル基を有
する有機硫酸化合物およびスルホン酸化合物の水
溶性アルカリ金属塩である（ここでアルキルとい
う用語は高級アシル基のアルキル部分をも包含す
る）。適する合成のアニオン性洗剤化合物として
は、アルキル硫酸ナトリウムおよびカリウム、特
にたとえば獣脂もしくは椰子油から生成された高
級（C₈〜C₁₈）アルコールを硫酸化して得られた
もの、アルキル（C₉〜C₂₀）ベンゼンスルホン酸
ナトリウムおよびカリウム、特に線状第二級アル
キル（C₁₀−C₁₅）ベンゼンスルホン酸ナトリウ
ム；アルキルグリセリルエーテル硫酸ナトリウ
ム、特に獣脂もしくは椰子油から誘導された高級
アルコールおよび石油から導された合成アルコー
ルのエーテル；椰子油脂肪酸モノグリセリド硫酸
およびスルホン酸のナトリウム塩；高級（C₈−
C₁₈）脂肪族アルコール−アルキレンオキサイド
（特にエチレンオキサイド）反応生成物の硫酸エ
ステルのナトリウムおよびカリウム塩；たとえば
イセチオン酸によりエステル化されかつ水酸化ナ
トリウムで中和された椰子油脂肪酸のような脂肪
酸の反応生成物；メチルタウリンの脂肪酸アミド
のナトリウムおよびカリウム塩；アルカンモノス
ルホン酸化合物、たとえばα−オレフイン（C₈
−C₂₀）を重亜硫酸ナトリウムと反応させて得ら
れるものおよびパラフインをSO₂およびCl₂と反
応させ次いで塩基により加水分解してランダムス
ルホン酸塩を生成させることにより得られたも
の、並びにオレフインスルホン酸化合物（この用
語はオレフイン、特にC₁₀−C₂₀α−オレフインを
SO₃と反応させ次いで反応生成物を中和しかつ加
水分解して作成された物質を意味する）が例示さ
れる。好適なアニオン性洗剤化合物はアルキル
（C₁₁−C₁₅）ベンゼンスルホン酸ナトリウムおよ
びアルキル（C₁₆−C₁₈）硫酸ナトリウムである。 粒状ビルト組成物の他に洗剤組成物中に適宜使
用しうる適当な非イオン性洗剤活性化合物の例
は、粒子自身に使用するのに適したものである。 洗剤化合物の混合物、たとえばアニオン性化合
物の混合物およびアニオン性化合物と非イオン性
化合物との混合物も本洗剤組成物中に使用するこ
とができ、特に後者の場合には適度に低い泡立ち
特性を与える。これは、泡立ちが望ましくない洗
車装置に使用する目的の組成物にとつて有利であ
る。 両性もしくは双性イオンの洗剤活性化合物も本
発明の組成物中に適宜使用しうるが、これは一般
に比較的高価であるため望ましくない。両性もし
くは双性洗剤化合物を使用する場合には、より一
般的に使用される合成のアニオン性および／また
は非イオン性洗剤化合物をベースとする組成物中
に少量使用される。必要に応じ、冷水可溶性の石
鹸も洗剤組成物中に、粒状ビルダー組成物を構成
する脂肪酸塩の他に存在させることができる。こ
れらの石鹸は、低い泡立ち特性を有する非イオン
性または合成アニオン性および非イオン性洗剤化
合物の混合物と組み合せた２成分および３成分混
合物中に低濃度で使用される。使用する石鹸は、
飽和もしくは不飽和脂肪酸の水溶性塩、特に無機
カチオン、たとえばナトリウムおよびカリウム塩
である。この種の石鹸の量は２〜20％、特に５〜
15％の範囲とすることができ、有利には洗浄力に
対し有利な効果を付与するように使用することが
できる。 他の洗剤ビルダー 洗剤製品には必要に応じ他のビルダー材料を、
粒状ビルト組成物の１部を構成する脂肪酸塩とは
別に含有させることができる。 この種の他のビルダー材料としては、必要に応
じて沈澱シード物質と組み合せた沈澱性ビルダー
材料または金属封鎖性ビルダー材料およびイオン
交換ビルダー材料、並降にその場でこの種のビル
ダー材料を生成しうる材料から選択することがで
きる。 他のビルダー材料として水溶性の沈降性物質を
使用する場合、石鹸、マロン酸アルキル、コハク
酸アルキルもしくはアルケニル、脂肪酸スルホン
酸ナトリウム、オルトリン酸のナトリウム、カリ
ウムおよびアンモニウム塩から選択することがで
き、或いはその水溶性の部分的に酸性化されたま
たは完全に酸性化された形態とすることができ
る。特に硬水がマグネシウムイオンを含有する場
合、ナトリウムおよびカリウムの珪酸塩を使用す
ることができる。 他のビルダー材料として水溶性の無機金属封鎖
剤を使用する場合、ピロ燐酸塩、ポリ燐酸塩、ポ
リホスホン酸塩およびポリヒドロキシスルホン酸
塩から選択することができる。 無機燐酸金属封鎖性ビルダーにはトリポリ燐
酸、ピロ燐酸およびポリマー燐酸たとえばヘキサ
メタ燐酸もしくはガラス状燐酸のナトリウムおよ
びカリウム塩が包含される。ポリ燐酸塩として
は、特にたとえばエタン−１−ヒドロキシ−１，
１−ジホスホン酸のナトリウムおよびカリウム塩
並びにエタン−１，１，２−トリホスホン酸のナ
トリウムおよびカリウム塩が包含される。 他のビルダー材料として水溶性有機金属封鎖剤
を使用する場合、ポリ酢酸、カルボン酸、ポリカ
ルボン酸、ポリアセチルカルボン酸およびポリヒ
ドロキシスルホン酸のアルカリ金属、アンモニウ
ムおよび置換アンモニウム塩から選択することが
できる。 ポリ酢酸およびポリカルボン酸ビルダー塩とし
てはエチレンジアミンテトラ酢酸、ニトリロ酢
酸、ジピコリン酸、オキシジコハク酸、ベンゼン
ポリカルボン酸たとえばメリト酸およびクエン酸
のナトリウム、カリウム、アンモニウムおよび置
換アンモニウム塩が包含される。これら物質の酸
型を使用することもできる。 他のビルダー材料がイオン交換物質である場
合、たとえば非晶質もしくは結晶質のアルミノ珪
酸塩のようなイオン交換物質から選択することが
できる。 アルカリ性物質 洗剤製品が、水中に分散させた場合アルカリ性
を示すことが好ましい。この組成物を水性洗浄溶
液として使用する場合、組成物が少なくとも8.0
特に好ましくは9.5〜11のPH値を示すことが好ま
しい。PHは12゜FH（Ca）（フランス永久硬度、カ
ルシウムのみ）、25℃の水中に0.1W／Ｖ％という
組成物の最小使用濃度で測定したもので、全ゆる
濃度での使用に際し充分なアルカリ度が確保され
うるようにすべきである。 アルカリ性物質の弱酸のアルカリ金属塩および
アンモニウム塩、たとえば炭酸ナトリウムおよび
セスキ炭酸ナトリウムを含むアルカリ金属および
アンモニウムの炭酸塩、アルカリ珪酸ナトリウム
を含むアルカリ金属およびアンモニウムの珪酸
塩、オルト燐酸ナトリウムを含むアルカリ金属お
よびアンモニウムの燐酸塩、水酸化ナトリウムを
含むアルカリ金属水酸化物、アルカリ金属硼酸
塩、並びにクエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム
を含む弱有機酸のアルカリ金属およびアンモニウ
ム水溶性塩並びに冷水可溶性の石鹸たとえばオレ
イン酸ナトリウム、並びにこれら物質の混合物か
ら選択することができる。 時には、アルカリ性物質自身もビルダーとして
作用する。たとえば、炭酸ナトリウムは炭酸カル
シウムの沈澱によりビルダー作用に貢献する。ク
エン酸ナトリウムはカルシウムイオンを封鎖する
ことによりビルダー作用に貢献する。この場合、
アルカリ性物質として比較的カルシウムに対する
反応性に乏しい物質（たとえば珪酸ナトリウム）
を含ませて、洗濯中に高PHを維持するのが有利で
ある。洗剤組成物における他の成分は、勿論、ア
ルカリ安定性につき特にPHに鋭敏な物質、たとえ
ば酵素から選択すべきである。 他の洗剤添加物 洗剤製品中に適宜存在させうる洗剤活性化合物
および洗剤ビルダーの他に、布製品洗濯用洗剤製
品に一般に使用される量の他の添加物も適宜存在
させることができる。これら任意の洗剤添加物の
例には、起泡促進剤たとえばアルカノールアミ
ン、特にパーム油核脂肪酸および椰子油脂肪酸か
ら得られるモノ−エタノールアミド、起泡抑制剤
たとえばアルキルホスフエート、長鎖脂肪酸また
はその石鹸、ワツクスおよびシリコーン、沈降防
止剤たとえばナトリウムカルボキシメチルセルロ
ースおよびセルロースエーテル、酸素放出性漂白
剤たとえば過硼酸ナトリウムおよび過炭酸ナトリ
ウム、過酸漂白先駆体たとえばテトラアセチルエ
チレンジアミン（TAED）、塩素放出性漂白剤た
とえばトリクロルイソシアヌル酸、布地軟化剤、
無機塩たとえば硫酸ナトリウム、および珪酸マグ
ネシウム、並びに極めて少量の蛍光剤、香料、酵
素（たとえばプロテアーゼおよびアミラーゼ）、
殺菌剤および着色料が包含される。 洗剤製品には所定量好ましくは10〜40重量％、
より好ましくは15〜30重量％の過硼酸ナトリウム
または過炭酸ナトリウムをTAEDと共に含有さ
せるのが特に有利である。 必要に応じ、さらに１種もしくはそれ以上の他
の沈降防止剤たとえばアニオン性多電解質、特に
高分子脂肪族カルボン酸塩を洗剤製品中に含有さ
せて、洗濯布地に無機沈澱物が形成する傾向を減
少させるのが特に望ましい。この種の沈降防止剤
の量は、製品の重量に対し0.01〜５重量％、好ま
しくは0.2〜２重量％とすることができる。 沈降防止剤を使用する場合の好適な物質はアク
リル酸もしくは置換アクリル酸のアルカリ金属塩
もしくはアンモニウム塩、好ましくはナトリウム
塩またはホモポリマーおよびコポリマーたとえば
ポリアクリル酸ナトリウム、コポリメタクリルア
ミド／アクリル酸のナトリウム塩およびポリーα
ヒドロキシアクリル酸ナトリウム、無水マレイン
酸とエチレン、アクリル酸、アリル酢酸、ビニル
メチルエーテルもしくはスチレンとの共重合体、
特に１：１の共重合体の塩であり、必要に応じカ
ルボキシル基を部分エステル化したものである。
この種の共重合体は好ましくは、たとえば1000〜
50000の範囲の比較的低い分子量を有する。他の
沈降防止剤としてはポリイタコン酸およびポリア
スパラギン酸のナトリウム塩、エトキシル化脂肪
族アルコールの燐酸エステル、ポリエチレングリ
コール燐酸エステル、および或る種のホスホン酸
塩たとえばエタン−１−ヒドロキシ−１，１−ジ
ホスホン酸ナトリウム、エチレン−ジアミンテト
ラメチレンホスホン酸ナトリウム、および２−ホ
スホノブタントリカルボン酸ナトリウムが包含さ
れる。有機ホスホン酸もしくは置換酸またはその
塩と保護コロイド（たとえばゼラチン）との混合
物も使用することができる。沈降防止剤を使用す
る場合、特に好適な物質は10000〜50000の分子
量、たとえば20000〜30000の分子量を有するポリ
アクリル酸ナトリウムである。 アルカリ金属珪酸塩以外のアルカリ性物質を組
成物中に含有させる場合、所定量のアルカリ金属
珪酸塩を含有させて洗濯機の金属部品の腐食を減
少させると共に、処理特性と粉末特性とを改善さ
せることが望ましいが必ずしも必須ではない。こ
の種のアルカリ金属珪酸塩、特にオルトー、メタ
ーもしくは好ましくは中性もしくはアルカリ性珪
酸塩を組成物に対し少なくとも１重量％、好まし
くは５〜15重量％のレベルで存在させることが有
利である。よりアルカリ性の高いオルトーおよび
メター珪酸塩を使用するときには、一般にこの範
囲内の少ない量でしか使用されず、中性もしくは
アルカリ性珪酸塩と混合して使用される。 好適洗剤製品 好適な洗剤製品は重量で次の組成を有する： (i) 2.0〜30％の少なくとも１種の非石鹸洗剤活
性物質、 (ii) 少なくとも３％のアルカリ性物質、および (iii) 少なくとも15重量％の脂肪酸塩を供給するの
に充分な本発明による粒状ビルト組成物。 洗剤製品の非石鹸洗剤活性物質とアルカリ性物
質とは、粒状ビルト組成物中に配合することがで
き、および／またはそこから分離することもでき
る。 洗剤製品の製造 洗剤製品は固体の粒状製品とすべきである。全
成分を乾燥混合および粒状化して製造すること
も、或いは脂肪酸塩含有のビルダー粒子を噴霧乾
燥した粉末基材へ後から添加することもできる。 粒状ビルト組成物およびそれを含有する洗剤組成
物の使用 粒状ビルト組成物およびそれを含有する洗剤組
成物は所望に応じ手の洗浄にも使用することがで
きるが、好ましくか家庭用もしくは工業用の衣類
洗濯機に使用される。後者の場合高アルカリ度と
より有効な撹拌とを使用することができるので、
一般に良好な洗浄性が付与される。使用する洗濯
機の種類は重要でない。 粒状ビルト組成物および洗剤組成物は低温度す
なわち50℃以下、特に35℃以下で布製品を洗濯す
るのに特に適している。一方、50℃以上の温度で
も有利な結果を達成することができる。 〔発明の実施例〕 以下、実施例により本発明をさらに説明する。 実施例 １ 本発明の粒状ビルト組成物を25℃の温度にて
20゜FH（Ca）の硬度を有する水に加えた。 パルミチン酸ナトリウムとシンペロニツク
（SYNPERONIC）A7（平均７個の酸化エチレン
基を有するC₁₃〜C₁₅のエトキシル化された脂肪族
アルコールよりなる非イオン性表面活性剤）と蔗
糖との等重量部よりなる粒子を次のようにして作
製した。石鹸と非イオン性物質と蔗糖とを熱（80
℃）脱イオン水に溶解させ、透明溶液が得られる
まで撹拌し、次いで絶えず撹拌しながら蒸発乾固
させた。次いで、得られた固体を100℃にて24時
間オーブン内で乾燥した後、磨砕しかつ180〜
850μmの所要粒径に篩分けした。 ３ｇの粒子（約１ｇの石鹸を含有する）を500
mlの硬水に加え、そしてカルシウムに反応しやす
い電極を用いて１分、２分および５分後の遊離カ
ルシウムイオンの濃度を測定した。さらに、全不
溶性物質の重量をも重量法で測定した。 本発明の粒状ビルト組成物に非イオン性表面活
性剤とキヤリヤ物質との両者を脂肪酸塩の他に含
ませることが重要であることを示すため、キヤリ
ヤまたはキヤリヤと非イオン性表面活性剤との両
者を省略した粒子を作製して上記と同様に試験し
た。 得られた結果を下記の表に示す。：

【表】 ム＋シンペ
ロニツクA7

【表】 酸ナトリウ
ム＋シンペ
ロニツク
A7＋蔗糖
この実施例から、粒状ビルト組成物中にキヤリ
ヤとして蔗糖を含ませると、〓Ｈとして表わした
遊離カルシウムが20〓Ｈから５分間以内に＜0.01
〓Ｈまで急速に低下し有利であることが明らかで
ある。蔗糖を含まない対応の粒状ビルト組成物で
は、硬度は殆んど低下しない。さらに、５分後に
残存する不溶性物質の重量も、蔗糖をビルダー粒
子中にパルミチン酸ナトリウムおよびシンペロニ
ツクA7と共に配合した場合最小となる。 実施例 ２ 実施例１の手順を反復したが、ただし蔗糖の代
替物として尿素とベントナイトとを別々にキヤリ
ヤ物質として使用した。ベントナイトを含有する
粒子の場合、ベントナイトを他の成分の熱溶液中
に分散させるように処理した。 得られた結果を下記の表に示す：

【表】 ニツク
A7＋ベン
トナイト
この実施例の結果と、実施例１に示した結果と
比較すれば、硬水を５分間以内で急速に20〓Ｈか
ら＜0.01〓Ｈの値まで軟化させるのに尿素が蔗糖
と同程度に有効であることを示している。残存す
る不溶物質の重量も、キヤリヤ物質として蔗糖を
使用した場合と同程度である。 蔗糖の代りにベントナイトを使用する効果はよ
り顕著であり、水硬度を＜0.01〓Ｈの低い値まで
２分間以内で低下した。この例で回収された不溶
物質も多くない。 実施例 ３ 種々のキヤリヤ物質を用いて実施例１の手順を
反復した。デキストラン化した澱粉、カオリン、
タルク、ゼオライト、沈降シリカ、塩化ナトリウ
ムまたは塩化カリウムを使用した。 それぞれの粒状ビルト組成物には等重量部のパ
ルミチン酸ナトリウムとシンペロニツクA7と特
定のキヤリヤ物質とを含有させた。粒子の添加量
は、25℃にて20〓Ｈの水500ml中に３ｇ（すなわ
ち１ｇの石鹸）とした。 これらの結果を下記第表に示す。

【表】 ム
この実施例の結果と実施例１に示した結果と比
較すれば、試験した各キヤリヤが硬水を５分間以
内に20〓Ｈから＜0.01〓Ｈの値まで急速に軟化さ
せるのに蔗糖と同程度に有効であることは明らか
である。残存する不溶物質の重量も、蔗糖をキヤ
リヤ物質として使用した場合と同程度である。 タルク、ゼオライトまたは塩化カリウムを蔗糖
の代りに使用する効果はより顕著であり、水硬度
を＜0.01〓Ｈの低い値まで低下させるのに２分間
以内で済む。これらの各場合に回収された不溶物
質も多くない。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ (i) ５〜50重量％の非イオン性洗剤活性化合
   物と、 (ii) 30〜55重量％の16〜18個の炭素原子を有する
   飽和脂肪酸ビルダー塩もしくはその混合と、 (iii) 15〜60重量％の水不溶性無機物質、水溶性無
   機物質、水溶性有機物質またはその混合物から
   選択されるキヤリヤ物質と、 からなることを特徴とする、水の硬度低減用粒状
   ビルト組成物。 ２ 非イオン性洗剤活性化合物が６〜22個の炭素
   原子を有する脂肪族アルコール、酸、アミドまた
   はアルキルフエノールと１個もしくはそれ以上の
   アルキレンオキサイド基との反応生成物から選択
   されることを特徴とする特許請求の範囲第１項記
   載の組成物。 ３ 非イオン性洗剤活性化合物がアルコキシル化
   されていることを特徴とする特許請求の範囲第２
   項記載の組成物。 ４ 非イオン性洗剤活性化合物が粒状ビルト組成
   物の10〜40重量％を構成することを特徴とする特
   許請求の範囲第１項から第３項のいずれかに記載
   の組成物。 ５ 飽和脂肪酸塩がパルミチン酸およびステアリ
   ン酸の塩から選択されることを特徴とする特許請
   求の範囲第４項記載の組成物。 ６ キヤリヤ物質が天然シリカ、沈降シリカ、シ
   リカゲル、アルミナ、アルミノ珪酸塩、粘土およ
   びその混合物から選択される水不溶性無機物質で
   あることを特徴とする特許請求の範囲第１項から
   第５項のいずれかに記載の組成物。 ７ キヤリヤ物質がベントナイト粘土であること
   を特徴とする特許請求の範囲第６項記載の組成
   物。 ８ キヤリヤ物質が過硼酸塩、硫酸塩、燐酸塩、
   塩化物、炭酸塩およびその混合物から選択される
   水溶性無機物質であることを特徴とする特許請求
   の範囲第１項から第５項のいずれかに記載の組成
   物。 ９ キヤリヤ物質が塩化ナトリウムおよび塩化カ
   リウムから選択されることを特徴とする特許請求
   の範囲第８項記載の組成物。 １０ キヤリヤ物質が炭水化物、固形多価アルコ
   ール、水溶性フイルム形成物質、合成重合体、ジ
   カルボン酸およびその混合物から選択される水溶
   性有機物質であることを特徴とする特許請求の範
   囲第１項から第５項のいずれかに記載の組成物。 １１ キヤリヤ物質が蔗糖であることを特徴とす
   る特許請求の範囲第１０項記載の組成物。 １２ キヤリヤ物質がペンタエリスリトール、ソ
   ルビトール、マンニトールおよびその混合物から
   選択されることを特徴とする特許請求の範囲第１
   ０項記載の組成物。 １３ キヤリヤ物質が澱粉、セルロース、その誘
   導体およびその混合物から選択されることを特徴
   とする特許請求の範囲第１０項記載の組成物。 １４ キヤリヤ物質がポリアクリレート、ゼラチ
   ンおよびその混合物から選択されることを特徴と
   する特許請求の範囲第１０項記載の組成物。 １５ キヤリヤ物質がジカルボン酸、その塩およ
   びその混合物から選択されることを特徴とする特
   許請求の範囲第１０項記載の組成物。 １６ 粒状ビルト組成物中の非イオン性洗剤活性
   化合物と脂肪酸塩との重量比が２：１〜１：８で
   あることを特徴とする特許請求の範囲第１項から
   第１５項のいずれかに記載の組成物。 １７ 粒状ビルト組成物中の脂肪酸塩とキヤリヤ
   物質との重量比が10：１〜１：４であることを特
   徴とする特許請求の範囲第１６項記載の組成物。 １８ 粒状ビルト組成物が100〜1500μmの平均粒
   径を有することを特徴とする特許請求の範囲第１
   項から第１７項のいずれかに記載の組成物。