JPH0376680B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は平版印刷版用支持体の表面処理方法、
特に平版印刷版用支持体の表面処理方法における
高圧水の圧力制御方法に関する。 〔従来の技術〕 従来、平版印刷版としてはアルミニウム板に感
光性組成物を層状に塗設して感光層とした、いわ
ゆるPS版（Presensitized Plate）があるが、上
記アルミニウム板は各種の方法により粗面化され
るか、粗面化後、酸またはアルカリの水溶液によ
りエツチングされ、さらに陽極酸化処理に付され
た後、所望により親水性化処理が施されて平版印
刷板の支持体とされる。この支持体上に感光層を
設けて感光性平版印刷版、つまりPS版となしこ
れに露光、現像、修正、ガム引き等の工程を施し
て印刷版となし、さらにこれを印刷機にとりつけ
て印刷を行う。 上記の平版印刷版に用いる支持体の粗面化には
種々の表面処理方法が用いられており、これらの
粗面化の一つとして本発明者らは先にノズルから
高圧水を高速で噴出させ、この噴出流に他の噴出
口から噴出する研磨材の微粉末を含むスラリーを
合流させ、この合流をアルミニウム板の面に衝突
させて粗面化（砂目立て）を行う方法を提案し
た。（特願昭58−88082、同58−125523、同58−
128228） すなわち、第３図に断面図で例示するように、
中央にスラリー孔８とスラリー液供給口１６を有
し、その周囲に複数の高圧水噴出孔９と高圧水供
給口１５を有するノズルを複数個用い、連続的に
走行するアルミニウムウエブ等の金属ウエブの被
処理面に高圧水と共にスラリー液を衝突させるこ
とによつて金属ウエブの表面処理を行つている。 上記の如き金属ウエブの表面処理は、ウエブ全
面にわたつて必要があるので、前記の如きノズル
を多数ウエブの横方向（又は斜め方向）にわたつ
て配置し、ウエブの横方向全域にわたつてスラリ
ー液を衝突させる必要がある。このノズルの配置
は一直線上であつてウエブの横方向の粗面化を同
時に行つてもよく、またウエブの中央部を処理す
るノズル群と、縁部を処理するノズル群とを別々
に設け、中央部と縁部とを別々に粗面化してもよ
い。 上記の処理において、処理すべき金属ウエブの
種類が変わり、ウエブ巾やウエブの材質、所望す
る粗面化の程度等が変る場合には、ノズルからの
高圧水の噴出流量をウエブ巾に応じて部分的に停
止したり、ウエブの材質及び粗面化の程度に応じ
て噴出圧力を変えることが行われる。（特開昭53
−13284号公報） このような流量及び圧力の制御は、従来は例え
ば第２図の説明図で示すような方式で行つている
（但し第２図ではスラリーの供給系は省略し、圧
力水系のみ示してある）。 すなわち、貯水タンク１から１個の高圧発生ポ
ンプ２へ水を導き、圧力調節弁３の出口に設けら
れた圧力検出器４と圧力調節計５とよりなる圧力
調節系によつて複数のノズル６から出る高圧水の
流量と圧力を一定になるように制御している。
（但しこの場合予備ポンプ２個を有している） 〔発明が解決しようとする問題点〕 しかしながらこのような系では、処理すべき金
属ウエブの巾が変る場合には、各ノズル６に設け
られた電磁弁７の一部を開閉して圧力水を供給さ
れる処理域を変化させているが、金属ウエブの巾
に応じて一部の電磁弁７を開き又は閉じた時に、
圧力検出器４の圧力が一定になるまでに圧力調節
弁３の周波数応答に限度があり、かなりの時間が
かかり、その間不安定な圧力で操業するため、製
品の歩留りを悪くする結果となる。 また、処理すべき金属ウエブの種類又は使用目
的に応じて各ノズルからの圧力を変える（電磁弁
７の開閉を行わず）ことも行われるが、圧力調節
弁３の応答に限度があるのでやはり歩留りを悪く
している。 本発明はこのような従来技術の欠点を解消し、
所望する圧力水の流量及び圧力に応じて容易に且
つ速かに所望の値となるように流量及び圧力を制
御し、歩留りを向上させる平版印刷版用支持体の
表面処理方法を提供することをその目的としてい
る。 〔発明を解決するための手段〕 本発明者らは、前記した如きノズルを用いる金
属ウエブの表面処理方法について検討を重ねた結
果、以下にのべる本発明方法によつて上記目的が
達成できること見出した。 すなわち、本発明は、連続的に走行する金属ウ
エブの被加工面にスラリー液と、高圧発生ポンプ
からの高圧水を複数のノズルから吹き付けること
による平版印刷版用支持体の表面処理方法におい
て、高圧発生ポンプを大容量ポンプ群と中及び／
又は小容量ポンプ群に分割し、各ポンプ出口に貯
水タンクへのリターン管と高圧水供給管とに通じ
る切換三方弁をそれぞれ設け、処理すべき金属ウ
エブ巾に応じて、あらかじめ定められた各金属ウ
エブ巾に対応した流量のポンプ組合せ条件にて各
ポンプ又は切換三方弁を操作し、所望の高圧水圧
変化に対応して高圧水の圧力を圧力調節弁によつ
て制御することを特徴とする平版印刷用支持体の
製造方法である。 以下、本発明を詳細に説明する。 本発明においては、支持体用金属ウエブとして
は、アルミニウムウエブが主として用いられる。
用いられるアルミニウム板の素材としては、純ア
ルミニウムのほか、アルミニウム合金があり、後
者としては珪素、銅、鉄、マンガン、マグネシウ
ム、クロム、亜鉛、鉛、ビスマス、ニツケルなど
を微量含むアルミニウムを主成分とする合金があ
る。いずれにしてもアルミニウムの純度が99.0％
以上であるものが好ましいといえる。 以下、アルミニウム板の粗面化について詳説す
るが本発明はこれに限らず、亜鉛、鉄、等の他金
属ウエブにも適用可能である。 このような素材からなるアルミニウム板は、平
版印刷としては、一般には印刷機の関係から長方
形の形状のものが使用されるが、本発明において
は長方形に裁断されるまでは、特に大量生産の規
模では帯状であり、適宜それを捲回して取扱われ
る。アルミニウム板の厚さは、それによつてつく
られた平版印刷版を印刷機に装着した場合に必要
な引張り強度、耐力、延び、折曲げ強度などの関
係から、実用的には0.1〜0.5mm位であり、適宜選
択される。 本発明においては、第３図に例示する如き前記
ノズルが好ましく用いられ、このようなノズルを
複数個、連続的に走行するウエブの横方向全域に
わたつてウエブの被処理面に高圧水と共にスラリ
ー液を吹き付けて粗面化できるように配置され
る。ウエブの走行方向は水平方向、垂直方向等何
れの方向であつてもよい。また、ノズルは全ノズ
ルによつてウエブ面を同時に粗面するようにノズ
ルを配置してもよく、また、ウエブの中央域と縁
部とを別々に粗面化するように配置してもよい。 スラリーの組成は、水と研磨材の微粉末からな
り、微粉末の濃度は約５〜80重量％で、普通約30
〜50重量％の量が用いられる。所望によりスラリ
ーには酸又は、アルカリを加えることができる。 研磨材としては、ダイヤモンド、水晶、フリン
ト、花こう岩、アランダム、シリカ、珪藻士、
砂、金剛砂、ガーネツト、パミス、ドロマイト、
酸化マグネシウム、タルク等があり、例えば＃20
〜＃4000程度の粒度のものが用いられる。 次に、本発明を第１図に例示する一態様につい
て説明する。 第１図は、本発明における高圧水の制御系を示
す説明図（スラリーの供給系は省略してある）で
あつて、貯水タンク１から圧力水をノズル６に供
給する高圧発生ポンプを、大容量ポンプ群１０、
中容量ポンプ群１１、及び小容量ポンプ群１２に
分割し、且つポンプをオンロードの状態で貯水タ
ンク１へのリターンと、高圧水供給とに切換え可
能な切換三方弁１３を各高圧発生ポンプ１０〜１
２の出口に設け、各切換三方弁１３からの圧力水
を圧力調整弁３を介して各ノズル６に供給する。 圧力調整弁３には従来のものと同様、圧力検出
器４圧力調節計５とよりなる圧力制御系が設けら
れ、また、各ノズルには電磁弁７が設けられてい
る。 この系で或る巾の金属ウエブの表面処理を行
い、次回に巾の異なる金属ウエブの処理を行う場
合、あらかじめ金属ウエブ巾又は高圧水圧力設定
に対応したポンプ組み合わせテーを持つ制御ユニ
ツト１４に、次回の金属巾又は次回の高圧水圧力
設定を与えることにより、テーブルからその条件
を捜し出し、次回の金属ウエブ巾に対応したポン
ププの組合された水を圧力調節弁３に供給し、か
つ圧力制御される。すなわち、制御ユニツト１４
に記憶されたテーブルからの情報に従つて、大容
量ポンプ１０、中容量ポンプ１１及び小容量ポン
プ群１２と各切換弁をそのプログラムに従つて切
り換え、極めて正確に且つ迅速に所望の流量、圧
力の高圧水を圧力調整弁３に供給することができ
る。 従つて、電磁弁７の開閉があつても、それに対
応した高圧水供給側でのプログラミングによつて
流量が粗調整されているので、圧力調整弁が圧力
調節計の出力で直ちに応答でき、金属ウエブの巾
や高圧水圧力設定変化があつても高圧水圧力を速
かに一定にすることができる。 本発明の作用効果を一層明確にする為、以下に
実施例によつて説明する。 〔実施例〕 第１図において、ノズル６が28個あり、金属ウ
エブの幅に対応して電磁弁７の操作により作動す
るノズル６の作動個数が28個、20個及び16個の場
合に、必要な高圧水流量がそれぞれ、約3800／
分、約3000／分及び約2200／分であり、又所
望圧力は25Kg／cm²であつた。 このとき大容量ポンプ群１０として1000／分
のものを３台、中容量ポンプ群１１として400
／分のものを２台、小容量ポンプ群１２として
100／分のものを４台を第１表に記入した如く
選択切換え作動させ、圧力調節弁３によつて圧力
を調節して供給した。 このとき金属ウエブの幅の変化に対する条件変
更は約５秒で完了し、従来装置による条件変更に
５分を要したのに比し効率的かつ損失のない対応
が可能となつた。 【表】

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す説明図であ
り、第２図は従来技術による表面処理の一例を示
す説明図であり、第３図は本発明で使用するノズ
ルの一例を示す側断面図である。 １……貯水タンク、２……高圧発生ポンプ、３
……圧力調節弁、４……圧力検出器、５……圧力
調節計、６……ノズル、７……電磁弁、８……ス
ラリー孔、９……高圧水噴出孔、１０……大容量
ポンプ群、１１……中容量ポンプ群、１２……小
容量ポンプ群、１３……切換三方弁、１４……制
御ユニツト、１５……高圧供給口、１６……スラ
リー液供給口。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 連続的に走行する金属ウエブの被加工面にス
   ラリー液と、高圧発生ポンプからの高圧水を複数
   のノズルから吹き付けることによる平版印刷版用
   支持体の表面処理方法において、高圧発生ポンプ
   を大容量ポンプ群と中及び／又は小容量ポンプ群
   に分割し、各ポンプ出口に貯水タンクへのリター
   ンと高圧水供給管とに通じる切換三方弁をそれぞ
   れ設け、処理すべき金属ウエブ巾に応じて、あら
   かじめ定められた各金属ウエブ巾に対応した流量
   のポンプ組合せ条件にて各ポンプ又は切換三方弁
   を操作し、所望の高圧水圧力変化に対応して高圧
   水の圧力を圧力調節弁によつて制御することを特
   徴とする平版印刷用支持体の表面処理方法。