JPH037585Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は気体分子を超低温に冷却された面に凝
縮及び吸着して排気するクライオポンプに関す
る。

（従来の技術） 従来、この種のポンプは、ヘリウム冷凍機によ
り超低温に冷却した面が吸着、凝縮した気体分子
で飽和状態になると、排気能力が低下するのでポ
ンプ運動止め、吸着、凝縮した気体分子を蒸気化
して該ポンプ内から排出する再生を行ない排気能
力を復活させる操作が必要になる。この再生はポ
ンプ内にガスや加熱したガスを導入して該面に付
着した気体分子を蒸発排除するガス導入型或は加
熱型再生装置、ポンプケースをヒータで加熱して
蒸発排除するヒータ加熱型再生装置により行なわ
れる。

その１例は第１図示の如くであり、クライオポ
ンプａのポンプケースｂ内にN₂ガスを循環させ、
冷凍吸着面ｃに凝縮した気体分子が蒸発するとロ
ータリーポンプｄで吸引排除し、該面ｃを再生す
る。

（考案が解決しようとする問題点） 該ポンプケースｂ内の面ｃはヘリウム冷凍機ｅ
により冷却されるが、該冷凍機ｅのヘツドｆの内
部には半田その他の温度に弱い部分があり、該ヘ
ツドｆは約70℃以上に加熱されると破損する危険
がある。そのため、ケースｂ内に導入されるガス
やヒータは温度調節器により精密に温度制御する
必要があり、再生手段が比較的高価になつて好ま
しくない。

本考案の目的は特別な温度調節器を必要とせず
に一定の比較的低温を維持する安価な再生装置を
備えたクライオポンプを提供することにある。

（問題点を解決するための手段） 本考案に於いては、クライオポンプのポンプケ
ースの外周に、該ポンプケース内に凝縮、吸着さ
れた気体分子の加熱蒸発用に所定温度に自己制御
する自己温度制御型の面状発熱体を取付けて前記
問題点を解決し、目的を達成するようにした。

（作用） 該クライオポンプの運転でヘリウム冷凍機が駆
動されると超低温の冷却面が形成され、そこに気
体分子が吸着、凝集し、該ポンプに連なる室内が
真空排気される。該冷却面に吸着、凝集された気
体分子の量が多くなり過ぎると、吸着、凝集性能
が低下し、真空排気能力が悪くなるのでポンプの
運転を止め、該室内への通路を遮断したのち面状
発熱体を作動させる。これによつて該面はポンプ
ケースの外周から伝導熱により加熱され、そこか
ら蒸発する気体分子の蒸気はロータリーポンプ等
によりケース外に排除され再生される。該面状発
熱体はそれ自身に温度特性があり、温度が上ると
抵抗が増し、ポンプの上根温度70℃になると電流
が流れなくなるので温度調節器とヒータを組合せ
たものよりも安価且つ安全に再生出来る。

（実施例） 本考案の実施例を図面第２図につき説明する
と、１はクライオポンプ、２はポンプケース、３
はヘリウム冷凍機、４は該冷凍機３により超低温
に冷却される冷却面で、該ポンプケース２に連な
る室５内の気体分子はポンプ運転時に該冷却面４
に吸着、凝集され、該室５内が真空排気される。
６は該ポンプケース２の外周を囲繞して設けた面
状発熱体で、その形状は第３図乃至第６図示の如
くであり、SUS製薄板７の内面にゴム製断熱板
８を設け、その内面に発熱ヒータ素子９を層状に
重合させて構成するようにした。

１０は配線ボツクス、１１は電気用コネクタ
ー、１２，１２は薄板７の両端に設けた結着用端
子である。

該面発熱ヒータ素子９はポリエステルの絶縁部
材９ａ内に１対の銀ペーストの電極９ｂを環状に
配置し、両電極９ｂ，９ｂ間の面域にエチレン酢
酸ビニル共重合体等を主成分とする抵抗ペースト
を層状に設けて発熱部９ｃを構成した。該面発熱
ヒータ素子９はゴム製断熱板８に接着され、該断
熱板８の長さ方向の中心部をSUS製の薄板７に
固定すると共に、その左右を該薄板７の上下端に
形成したフツク状の鉤片１３で遊動自在に支承
し、筒状のポンプケース２の外周に巻き付けした
とき該素子９にたるみが発生しないようにした。

該面状発熱体６は使用前は真直ぐな板状であ
り、使用時のみ丸くしてポンプケースにまきつけ
るもので、取外せば板状になるので運搬保管のス
ペースが小さくてすみ便利である。

該面状発熱体６のコネクター１１に通電すると
素子９の発熱部９ｃが発熱するがその温度がポン
プ１のコールドヘツドの上限温度70℃に達すると
該発熱部9cの抵抗が高まり電流の流通が止まるの
で自己制御的に温度制御することが出来、特別の
温度調節器を用いることなくポンプ１を再生出来
る。その再生後クライオポンプ１の作動を開始す
るときは、ヘリウム冷凍機３を作動させ、冷却面
４を超低温に冷却する必要があるが、ポンプケー
ス２の外周に面状発熱体６が設けられているの
で、冷却面４を超低温に冷却する際には該面状発
熱体６は冷却されず、該冷却面４を超低温にまで
冷却降下させる時間を長びかせることがなく、運
転能率を低下させことがない。

（考案の効果） このように本考案では、クライオポンプのケー
スの外周に自己温度制御型の面状発熱体を取付け
したので、温度調節器を使用することなくクライ
オポンプを再生出来、過熱によりポンプを破損さ
せる危険がなく、安全且つ安価な再生装置付クラ
イオポンプが得られ、ポンプケースの外周に面状
発熱体を取付けたので、ポンプ始動の際の冷却降
下時間を長びかせる不都合もなく、ポンプの運転
効率を高めることが出来る効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例の説明線図、第２図は本考案の
実施例の截断側面図、第３図は面状発熱体の斜視
図、第４図はその−線断面図、第５図は面状
発熱ヒータ素子の平面図、第６図はその−線
断面図である。 １……クライオポンプ、２……ポンプケース、
６……面状発熱体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. クライオポンプのポンプケースの外周に、該ポ
   ンプケース内に凝縮、吸着された気体分子の加熱
   蒸発用に所定温度に自己制御する自己温度制御型
   の面状発熱体を取付けて成る再生装置付クライオ
   ポンプ。