JPH0373693B2 - - Google Patents

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JPH0373693B2
JPH0373693B2 JP59060316A JP6031684A JPH0373693B2 JP H0373693 B2 JPH0373693 B2 JP H0373693B2 JP 59060316 A JP59060316 A JP 59060316A JP 6031684 A JP6031684 A JP 6031684A JP H0373693 B2 JPH0373693 B2 JP H0373693B2
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joint
plate
steel sheet
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flexible water
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Yoshinori Asanuma
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Seibu Polymer Kasei KK
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Seibu Polymer Kasei KK
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Publication of JPH0373693B2 publication Critical patent/JPH0373693B2/ja
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    • EFIXED CONSTRUCTIONS
    • E02HYDRAULIC ENGINEERING; FOUNDATIONS; SOIL SHIFTING
    • E02DFOUNDATIONS; EXCAVATIONS; EMBANKMENTS; UNDERGROUND OR UNDERWATER STRUCTURES
    • E02D5/00Bulkheads, piles, or other structural elements specially adapted to foundation engineering
    • E02D5/02Sheet piles or sheet pile bulkheads
    • E02D5/03Prefabricated parts, e.g. composite sheet piles
    • E02D5/04Prefabricated parts, e.g. composite sheet piles made of steel
    • E02D5/08Locking forms; Edge joints; Pile crossings; Branch pieces

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Structural Engineering (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Composite Materials (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • General Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Mining & Mineral Resources (AREA)
  • Paleontology (AREA)
  • Civil Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Bulkheads Adapted To Foundation Construction (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 発明の技術分野 本発明は鋼矢板の継手に関し、特に地盤変動等
に伴う鋼矢板の変位に追随して伸縮、撓み変形を
することができる継手に関する。
従来技術 鋼矢板は、その両側端の継手部を互いに連結し
て地中に打設し、連結する鋼矢板壁を形成するこ
とによつて、その前後の土砂の崩壊を防止するも
ので、岸壁、護岸、土留擁壁、橋脚、止水壁、堤
防等建設工事全般にわたつて広く用いられてい
る。従来の鋼矢板は、地震による地盤変位、雨水
による地盤の緩み等が生じた場合、相互の継手部
位で摺動して剪断変位はするが、連結横方向への
伸縮変形、撓み変形をしないため、鋼矢板の係合
の離脱あるいは鋼矢板の破壊、変形を生じること
により鋼矢板の機能を損い、または鋼矢板に接続
する構造物の損傷を惹起するおそれがあつた。
そこで、本出願人は、さきに昭和58年特許願第
168333号(特開昭60−62325号公報)をもつて、
隣接する鋼矢板との接合継手部を有する板状部間
にゴム・合成樹脂などよりなる可撓止水部材を跨
設した鋼矢板の継手を提案した。この継手は可撓
止水部材が鋼矢板の間に設けられているため、地
盤変動等に伴う鋼矢板の変位によく追随して伸
縮、撓み変形をすることが可能であり、このため
鋼矢板が地盤変動等により破壊、損傷するおそれ
がなく、鋼矢板がその機能を充分に発揮し得ると
ともにその耐久性を向上し得るとともにその耐久
性を向上し得るものである。
しかしながら、上記提案にかかる鋼矢板の継手
は、ゴムや合成樹脂からなる可撓止水部材を用い
ているため、この継手の打設時において可撓止水
部材に亀裂等の損傷を生じ易いという施工上の問
題があるほか、打設後も地盤変動等の際尖鋭な岩
石等との接触により可撓止水部材が損傷をうける
おそれがあり、上記提案にかかる継手がその優れ
た性能を充分に発揮するためには、まずこれらの
問題を解決することが不可欠である。
発明の目的 本発明は、可撓止水部材を用いた鋼矢板の継手
の上記打設時および打設後の諸問題を解決するこ
とを目的としてなされたものであつて、可撓止水
部材を用いる継手でありながら、継手の打設時お
よび打設後に可撓止水部材が損傷するおそれがま
つたくない鋼矢板の継手およびその施工法を提供
するものである。
発明の構成 上記の目的を達成するため、本発明にかかる鋼
矢板の継手は、両側に隣接する鋼矢板との接合継
手部を有する1対の板状部をゴム・合成樹脂など
よりなる可撓止水部材で連結し、各板状部に立設
されたウエブ部と該ウエブ部から該可撓止水部材
の幅方向とほぼ平行に内側に向けて張り出したフ
ランジ部とを備える保護板押え部材を該1対の板
状部の一側に設け、これら保護板押え部材と該1
対の板状部との間に、該可撓止水部材を覆う保護
板を嵌装することにより、継手打設時および打設
後に保護板が可撓止水部材を保護する一方、打設
後は保護版の存在にもかかわらず可撓止水部材が
自在に伸縮、撓み変形をなしうるようにしたもの
である。
また特許請求の範囲第2項に記載した発明にか
かる鋼矢板継手の施工法は、上記構成の鋼矢板の
継手の下端部に、継手の土中への埋設を先導する
先導剛体を可撓止水部材の底部を覆うようにして
接合し、継手の上端部に荷重を加えて土中に打込
み埋設することにより、継手の打設時に可撓止水
部材の側部のみでなく底部をも保護するようにし
たものである。
さらに特許請求の範囲第3項に記載した本発明
にかかる鋼矢板継手の施工法は、上記構成の鋼矢
板の継手の板状部を継手下端部を収容する匡体を
有する先導剛体の両側に形成した切溝に係合する
ようにして先導剛体を継手の下端部に接合し、継
手の上端部に荷重を加えて土中に打込み埋設した
後、継手を所定の長さだけ引上げて先導剛体から
離脱せしめることにより、特許請求の範囲第2項
記載の施工法と同一の目的を達成しようとするも
のである。
発明の実施例 以下添付図面を参照しつつ本発明の実施例につ
いて詳細に説明する。
第1図〜第7図は本発明の実施例の説明に先立
ち、保護板を設けた鋼矢板の継手の施工法を一般
的に説明するための図であり、第8図は本発明に
かかる鋼矢板の継手の実施例を示す。
第1図は保護板を設けた鋼矢板の継手の一例を
一部切断して示す図、第2図は継手の上端部と下
端部を除く部分を一部切断して示す斜視図、第3
図は第1図のB−B線による拡大断面図である。
なお第1図においては、継手は上端部に後述の止
め部材を溶接固定しかつ下端部に後述の先導剛体
を接合した打込埋設施工直前の状態で示されてい
る。第1図〜第3図において、継手Aは、ゴム・
合成樹脂等よりなり中央に波状の起伏部1aを有
する長尺の可撓止水部材1と、その両側に配され
る1対の長尺の板状部2,2′とを備える。板状
部2,2′はそれぞれ隣接する鋼矢板との接合継
手部2a,2′aと可撓止水部材1を固定するた
めの止水部材固定部2b,2′bを有する。この
例では接合継手部2a,2′aはU形鋼矢板を半
割にした部材の一部からなる。また止水部材固定
部2b,2′bはこのU形鋼矢板を半割にした部
材に溶接された不等辺山形鋼の短辺側からなる。
可撓止水部材1は波状起伏部1aの両側に取付部
1bを有する。この取付部1bを板状部2,2′
の固定部2b,2′bに重ね合わせ、取付板3を
介してボルト・ナツト4で締結することにより、
1対の板状部2,2′は可撓止水部材1により連
結される。
板状部2,2′のうちいずれか一方(図示の例
では2)には可撓止水部材1を覆う保護板部5,
5′が可撓止水部材1の両側にそれぞれ連設され
ている。本例においては、一方の側の保護板部5
は前記U形鋼矢板を半割にした部材のうち板状部
2の接合継手部2aとして利用されている部分の
反対側の部分からなる基部5aと、この基部5a
と、この基部5aの先端側に溶接された薄板5b
とで構成されている。また他方の保護板部5′は
前記不等辺山形鋼の長辺側からなり基部5aと平
行な基部5′aと、この基部5′aの先端側に溶接
された薄板5′bとで構成されている。かくして、
保護板部5,5′と補助保護板部6,6′と板状部
2,2′の止水部材固定部2b,2′bとで可撓止
水部材1を包囲保護する匡体が形成されている。
他方の板状部2′には保護板部5,5′の基部5
a,5′aに対応する位置に板状部2′の基部であ
る補助保護板6と前記不等辺山形鋼の長辺側であ
る6′が連設されている。保護板部5,5′の薄板
5b,5′bの自由端側は補助保護板部6,6′上
に摺動可能に配置されている。薄板5b,5′b
としては同材質の場合その肉厚が板状部2,2′
の各接合継手部2a,2′aの肉厚よりも小さい
ものを選ぶようにすることが望ましい。または継
手部2a,2′aより柔い材質を選ぶようにする
ことが好ましい。このように構成することによ
り、継手Aを土中に埋設した後に地盤変動等が生
じた場合は、保護板部5,5′の薄板5b,5′b
と補助保護板部6,6′との間の相対的な摺動に
より、可撓止水部材1が鋼矢板の変位に追随して
伸縮しうるのみならず、板状部2,2′のいずれ
かの側に第3図の矢印c−c′方向の荷重が加わつ
た時には薄板5b,5′bが撓むかあるいは折れ
曲ることによつて接合継手部2a,2′aと隣隣
接鋼矢板の継手との間の接合が破壊されることを
防止する作用効果を有する。また補助保護板部
6,6′は、可撓止水部材1が伸長した時、保護
板部5,5′の薄板5b,5′bと板状部2′との
間に生じる空隙から岩石等が侵入し可撓止水部材
が損傷することを防止する作用効果を有する。
なお、上記例においては、保護板部5,5′を
一方の板状部2に連設しているが、保護板部5を
板状部2に、保護板部5′を板状部2′に連設する
ようにしてもよい。また保護板部5,5′は、継
手Aの使用場所に応じて、たとえば根入れ部9
(継手Aの打込み埋設部分)の部分のみ等継手A
の一部のみ設けるようにしてもよい。
次に第1図、第4図および第5図を参照して上
記の継手の施工法について説明する。
継手Aの施工においては、継手Aの上端部を震
動式抗打機(バイブロハンマー)等で荷重を加え
押込み埋設するが、その際可撓止水部材1の亀
裂、損傷を防ぎ継手Aの土中への押込み埋設を安
全に先導するため継手Aの下端部に可撓止水部材
1の底部を覆う先導剛体7を接合する。本例では
先導剛体7は第4図aに示すように鋼製の先端が
尖つた匡体からなり、両側に上下方向の切溝7
a,7aが開設されている。また先導剛体7の両
側にはワイヤー取付具7bが固定されている。第
4図bに示すようにこの先導剛体7内に板状部
2,2′の止水部材固定部2b,2′bと保護板部
5,5′と補助保護板部6,6′とからなる匡体を
嵌込みかつ切溝7aに継手Aの板状部2,2′の
先導剛体取付部2c,2′cを挿入した後ワイヤ
ー取付具7b,7bにワイヤー8,8(第1図)
を結び、ワイヤーの上端を板状部2の根入れ部9
(第1図)上方のワイヤー取付具10,10に結
んで引張り先導剛体7を継手Aにしつかりと固定
する。
第5図は継手Aの打設前の上端部の固定状態を
示すものである。継手Aは前述のように上端部を
震動式抗打機等で荷重を加え打込埋設するもので
あるが、継手Aの上端に大きな荷重がかかるた
め、板状部2,2′が相互に離開する方向の力が
作用し、その結果可撓止水部材1が亀裂、損傷す
るおそれがある。そこで保護板部5の基部5aと
補助保護板部6の上端より上方に延長する止め部
材固定部11,11に鉄板からなる止め部材12
を跨らせて溶接固定する。または止め部材12を
溶接固定しまたはしないで、蓋材13を止め部材
固定部11,11間に上部より跨るようにして配
置する。蓋材13はその下面から垂下するように
取付けられた1対の足部13a,13aを有し、
この足部13a,13aには長溝13b,13b
が形成されている。これらの長溝13b,13b
に止め部材固定部11,11の上端部を挿入し溶
接固定する。なお、13cは震動式打込機挟持用
の突出板である。
継手Aを打設するに先立ち、板状部2,2′の
相互離開を防止するため保護板部の薄板5b,
5′bを適宜の箇所で板状部2′に点溶接により仮
止めすることが好ましい。この仮止めは継手Aを
埋設後地盤変動等による鋼矢板の変位に追随して
可撓止水部材1が変位しようとする際容易にはず
れるようなものでなければならない。
以上で継手Aの打設の準備を完了した後、継手
Aの一側の接合継手部2aまたは2′aを打設済
みの隣接する鋼矢板の継手と係合するようにして
継手Aの上端に震動式抗打機等で荷重を加え、根
入れ部9の上端線D−D(第1図)まで継手を埋
設する。その際継手Aの打込みの深さは、最終的
な継手の打込み埋設長さに後述の先導剛体から継
手を離脱させるために必要な所定の引上げ長さと
地盤沈下に伴う継手の沈下の許容長さを加えた長
さに等しい。
継手Aの打設の方法は土質、打込深さ、N値
(標準貫入試験値)その他種々の条件により異な
るが、上記例の継手を打設する場合は、第12図
に示すように、その構造上の理由により通芯線S
からP側に矢印X方向に移動する傾向が強い。そ
こでこのような通芯線からの変位を防止ないし補
正するために、たとえば砂層の場合は、鋼矢板No.
1の打設後、バイブロハンマーで継手Aを打込み
ながら、ジエツトカツターのパイプをJ点およ
び/またはJ′点に挿入することにより地盤を軟く
して、継手のX方向への移動を防止する。継手A
の打設を完了したら隣接する鋼矢板No.2(第12
図)およびNo.3を次々に打設する。シルト混りの
砂層の場合は、第12図中Q側に所定量だけ開い
た点線で示す位置に継手Aを建込む。次いでバイ
ブロハンマーで打込み、継手AがX′方向に移動
して通芯線Sに達した時打込みを中止する。継手
Aの打設を完了したら隣接する鋼矢板No.2および
No.3を次々に打設する。もし、継手Aが通芯線に
達しても予定打込み深さに達していない場合は、
隣接する鋼矢板No.2およびNo.3を打設し、継手A
が両側の隣接鋼矢板でしつかりと固定されてか
ら、再び継手Aの打設に戻り、継手Aを予定打込
み深さまで打込む。もし鋼矢板No.2、No.3の打設
に際し打設途中で残つている継手Aが鋼矢板No.
2、No.3の打設の妨げとなる場合は、鋼矢板No.
3、No.2、継手Aの順で打設を行えばよい。また
継手Aを建込む前に継手の打設予定場所をジエツ
トカツターでもみ込み(この場合Q側を所定幅だ
けP側より多くもみ込む方が好ましい)、以下上
記と同様にして継手Aの建込み、打設を行う。ま
たジエツトカツターでもみ込む代りに、水を注入
しながらH鋼を数回土中に所定深さだけ打込み、
地盤を軟くしておくようにしてもよい。粘土混り
砂層の場合はオーガー掘り工法が有利である。
以上のようにして、継手A両側を隣接する鋼矢
板で所定の位置にしつかりと固定する。次いで、
所望により、保護板部5,5′と補助保護板部6,
6′と止水部材固定部2b,2′bとで形成する匡
体の中に打設後の土圧により耐え易くするよう砂
込めを行つてもよい。しかる後D−D線またはそ
れよりやや上の位置でワイヤ8を切断し、次いで
板状部2,2′の先導剛体取付部2c,2′cが先
導剛体7の切溝7a,7aから離脱するのに充分
な所定の長さだけ継手Aを吊上げて継手Aを先導
剛体7から離脱させる。その際地面より所定長さ
に測定して切断したワイヤの先端と地表位置で板
状部2,2′上につけた目印とが合致すればよく、
または板状部2,2′上につけた目印から地面ま
での長さを測定してこの長さが所定長さに達すれ
ばよい。また止め部材12または蓋材13または
その双方で固定した止め部材固定部11,11は
継手Aの打設後第5図の一点鎖線E−Eに沿つて
溶断する。かくして継手Aは先導剛体7および止
め部材12による拘束から解放された状態とな
り、地盤変動等による鋼矢板の変位に追随して可
撓止水部材1が自由に伸縮、撓み変形をすること
ができる。
なお、隣接する鋼矢板No.2等の打設は、上記継
手の先導剛体からの離脱工程以後のいずれかの施
工段階で行うようにしてもよい。
なお、上記例においては、打設に際し継手Aの
上端部の止め部材固定部11,11を止め部材1
2で固定しているが、打設の際の継手の固定方法
としては、これに限らず、可撓止水部材1、板状
部2,2′の固定部2b,2′b、保護板部5,
5′を継手Aの上端まで延長して設け、打設の際
には薄板5b,5′bの上端部を板状部2,2′に
溶接等により仮止めし、板状部2,2′に蓋材1
3を直接嵌め込んで打設した後、薄板5b,5′
bの上端部の仮止めを溶断等により取外すように
してもよい。
第6図および第7図は上記例の変更例を示し、
第8図は本発明にかかる鋼矢板の継手の実施例を
示す。第6図〜第8図は前記の例の第3図に示す
部分と同一部分の断面図であり、前記例と同一の
構成要素は同一符号をもつて示し詳細な説明を省
略する。
第6図の例においては、板状部2,2′はU形
鋼矢板を半割にした部材を折り曲げて接合継手部
2a,2′aと止水部材固定部2b,2′bを形成
している。保護板部5,5′はそれぞれ1枚の板
材からなり一方の板状部2の折曲部2dおよび先
端部2eにそれぞれ溶接されている。
第7図の例は、たとえば鋼矢板壁を岸壁に使用
する場合等継手Aの打設の際は可撓止水部材1の
両側を保護する必要があるが、打設後はたとえば
船舶との接触等による可撓止水部材1の損傷を防
ぐ等の目的で一方の側のみを保護すれば足りる場
合、継手Aの打設後所要の一方の側のみに保護板
を残し、他方の側の保護板を引抜くようにしたも
のである。この例においては、U形鋼矢板を半割
にした形状の板状部2,2′は2つの筒状部1c,
1cを有する可撓止水部材1により連結されてい
る。一方の板状部2の一方の側には基部5aと薄
板5bからなる保護板部5が連設されており、他
方の板状部2′には補助保護板部6が連設されて
いる。板状部2,2′の他方の側には複数のL字
型板からなる外側押え部材14とこれに対応する
丸棒状の内側押え部材15とからなる保護板押え
部材14が設けられている。外側押え部材14は
そのウエブ部14aの端部が板状部2,2′の止
水部材固定部2b,2′bの外側に溶着され、フ
ランジ部14bがそれぞれ継手Aの中央に向つて
可撓止水部材1と平行に張り出すように取付けら
れている。内側押え部材15は止水部材固定部2
b,2′bの外側でかつ外側押え部材14の内側
の板状部2,2′上の外側押え部材14に対応す
る位置に溶着されている。なお、内側押え部材1
5の位置は外側押え部材14に対応する位置が好
ましいが、これに限らず外側押え部材14と内側
押え部材15とを互いに千鳥状に配置してもよ
い。
このようにして形成した板状部片側の外側押え
部材14と内側押え部材15との間の空間には断
面コの字形の鋼材等からなる保護板16が嵌装さ
れている。保護板16は外側押え部材14により
可撓止水部材1の面に対し垂直方向外側への離脱
を防止されているが、継手の軸線方向には摺動が
可能である。なお、内側押え部材15は継手を打
設する際に板状部2,2′が相互に離れる方向に
開く力を受けるために可撓止水部材1が伸長し、
隣接する鋼矢板の接合継手と係合している側と反
対側に継手全体が変位する結果埋設位置が不正確
になることを防止する機能を有する。
継手の打設に際しては、保護板16がずれ上る
のを防止するために保護板16の適宜の箇所を溶
接、ボルト締め等により板状部2,2′に仮止め
することが望ましく、この場合は打設後保護板1
6の仮止めを取外し、保護板16を引抜くように
する。なお、この例においては、打設に際し可撓
止水部材の伸長が保護板16により抑止されるの
で保護板部5を仮止めすることは必ずしも必要と
しない。
第8図は本発明にかかる継手の実施例を示す。
この実施例は保護板17と保護板押え部材18の
構成と作用が第7図の例の保護板16と保護板押
え部材14,15のそれと異なるほかは第7図の
例と同一である。断面L形の長尺の鋼材からなる
保護板押え部材18は可撓止水部材1の幅方向と
平行に内側に向けて張り出したフランジ部18a
と板状部2,2′に立設されたウエブ部18bを
備え、この保護板押え部材18と板状部2,2′
との間に、可撓止水部材を覆う保護板17が嵌装
されている。この保護板17の幅は、可撓止水部
材1の非伸縮時において、保護板17がその側縁
17aから幅方向に所定長さだけ保護板押え部材
18のフランジ部18aによつて覆われ、かつ可
撓止水部材1の所望長さの収縮を許容する長さだ
け保護板の側縁17aが保護板押え部材18のウ
エブ部18bから離間するように定める。なお1
9は保護板支持材で板状部2,2′に溶接されて
いる。保護板17の両側端部には保護板押え部材
18のフランジ部18a側に向つて突起17bが
形成されており、これに対応してフランジ部18
aの端部には保護板17側に向つて突起18cが
形成されている。
この実施例の施工法は第1図〜第5図を参照し
て説明した施工法とほぼ同様である。この実施例
の継手Aを打設する場合は、保護板部5の薄板5
bを第1図〜第5図の例と同様に仮止めすること
により可撓止水部材の伸長を防止できるが、保護
板17のずれ上りを防止するため、保護板17を
継手Aの上端部まで延長して設け、止め部材12
の上に溶接、ボルト締め等により固定しておくこ
とが好ましい。また上端部の溶断後保護板がずり
落ちることを防ぐため、保護板押え部18のフラ
ンジ部18aと保護板部5の基部5a、補助保護
板部6の各底面に適宜の板材を固設することが好
ましい。
この実施例の継手Aは、打設後も可撓止水部材
1の両側が保護板5,17によつて保護される上
に、鋼矢板の変位により可撓止水部材1が伸長し
た時、保護板の突起17bとフランジ部の突起1
8cとが係合することにより、保護板がはずれた
り、保護板17とフランジ部18aとの間に空隙
が生じることを防止することができる。ただし保
護板の両端の突起17b,17bが対応するフラ
ンジ部の突起18c,18cと係合する限度を越
えて可撓止水部材1が伸長しようとする力が継手
に加わつた時、接合継手部2aと隣接鋼矢板の継
手との接合が破壊せずに突起17b,18cが破
壊するよう、突起17b,18cの強度を定め
る。
以上本発明の継手の実施例について説明した
が、上記実施例を通じて可撓止水部材の形状は上
記のものに限られるものではなく、平板、波板、
1個以上の中空部を有する板状体等鋼矢板間の変
位に止水性を維持して追随しうるものであればよ
く、その板状部2,2′に対する固定方法も止水
を維持しうるものであればよい。
先導剛体7については、第4図に示す先導剛体
7は両側に上下方向の切溝7a,7aを形成し、
継手の板状部2,2′の先導剛体取付部2c,
2′cをこれらの切溝7a,7aに挿入するよう
にして先導剛体7を継手Aに接合するので、先導
剛体7の両側部は極めて強度が強く、継手Aを打
設する際に安全確実に継手Aを土中に案内するこ
とができる点で特に好ましい構成である。しかし
先導剛体7の構成は第4図に示すものに限定され
るものではなく、たとえば第9図に示すように一
方の側のみに切溝7aを設け、他方の側は7cの
ように開放しておけば、継手の打設後継手A全体
を引上げて先導剛体7から離脱させなくても、先
導剛体7中に残存する継手Aの下端部は開放部7
cを通つて横方向に伸縮が可能である。もつとも
第4図の構成の先導剛体7を用いる場合は、打設
後継手Aを所定長さだけ引上げて先導剛体7から
離脱せしめなければならないが、このように先導
剛体を離脱させることにより、打設後土中に埋込
まれた先導剛体7が地盤変位等により傾くような
ことがあつてもそれに影響されることなく伸縮、
撓み変形をすることができる点で有利である。ま
た先導剛体7としては第4図あるいは第9図に示
すような箱形のものに限らず、箱状の枠組やある
いは第10図に示すようにV字形(あるいはU字
形)の板材で継手下端部を挟持するようにした構
成でもよい。また第6図の実施例の場合は先導剛
体7として第11図に示すような形状の部材を用
い、継手Aの保護板部5,5′および板状部2の
固定部2bの底面を先導剛体7の3辺7d,7
e,7fにそれぞれ溶接し、固定部2′b底面は
先導剛体7の辺7gに対し溶接しないでおけば、
継手Aは先導剛体7と溶合したままで伸縮が可能
である。なお、先導剛体7の先端の形状は上記各
例のように先端が尖つたものの方が押込効果が大
きいが、これに限られるものではなく、たとえば
平担な面のものでもよい。
第5図の蓋材13は図示のものに限られるもの
ではなく、継手Aの打設時に継手Aの上端部が変
形、損傷、破断等を生じないように継手Aの上端
部を保護または維持できるものであればよく、そ
の継手Aとの固定も溶接に限らず、ボルト止め、
リベツト止め等他の固定手段を用いることができ
る。また継手Aの打設後継手Aの上端を切断する
例を示したが、これは継手Aの上端部を開放し、
地盤の変位に追随して変位しうるようにする一手
段にすぎず、止め部材12を用いずボルト止めな
ど脱着が容易な方法で蓋材13を継手Aの上端部
に固定すれば打設後継手Aの上端部を切断する必
要はない。また止め部材固定部11,11に適宜
形状の1対のストツパーを固設し、蓋材13の足
部13a,13aがこれらストツパーの外側に係
止するように蓋材13を配置すれば、止め部材1
2を用いることなく、また蓋材13を止め部材固
定部11,11に対し溶接またはボルト止めする
ことなく、止め部材固定部11,11を相互に固
定することができる。
上記実施例は本発明にかかる継手をU形鋼矢板
の継手として用いる場合のものであるが、本発明
はU形鋼矢板の継手に限定されるものでなく、直
線形、Z形、鋼管矢板等他の種類の鋼矢板の継手
としても適用できるものである。したがつて、U
形以外の種類の鋼矢板の継手に本発明を適用する
場合は板状部2の形状も上記各実施例のようにU
形鋼矢板を半割にししたものに限らず、鋼矢板の
種類に応じ種々の変形が可能である。
発明の効果 以上述べたように、本発明の継手は、1対の板
状部をゴム・合成樹脂などよりなる可撓止水部材
で連結し、該板状部の一側に設けた保護板押え部
材と板状部との間に可撓止水部材を覆う保護板を
嵌装したので、継手の打設時および打設後に保護
板部が可撓止水部材を保護し、可撓止水部材の亀
裂等の損傷を有効に防止することができる一方、
継手の打設後は保護板部の存在にもかかわらず可
撓止水部材が地盤変動等に伴う鋼矢板の変位に追
随して伸縮・撓みおよび剪断変形を自由になし
得、これによつて鋼矢板の損傷を生じることがな
く鋼矢板の耐久性を大幅に向上することができ
る。
また本発明の施工法は、上記構成の鋼矢板継手
の下端部に先導剛体を可撓止水部材の底部を覆う
ようにして接合し、継手の上端部に荷重を加えて
土中に打込み埋設するようにしたので、打設時に
は可撓止水部材の側部のみでなく底部をも保護す
ることができ、可撓止水部材に損傷がなく、また
先導剛体が継手の押込埋設を先導するため容易に
押込埋設ができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は保護板を設けた鋼矢板の継手の一例を
一部切断して示す図、第2図は継手の上端部と下
端部を除く部分を一部切断して示す斜視図、第3
図は第1図のB−B線拡大断面図、第4図は上記
の継手に先導剛体を接合する状態を示す斜視図、
第5図は上記の継手の押込埋設前における上端部
の固定状態を示す斜視図、第6図、第7図は上記
例の変更例を示す図、第8図は本発明の継手の他
の実施例を示す第3図と同位置における断面図、
第9図、第10図および第11図は先導剛体の変
更例を示す斜視図、第12図は継手の打設方法を
模式的に示す図である。 A…継手、1…可撓止水部材、2,2′…板状
部、2a,2′a…接合継手部、17…保護板、
7…先導剛体。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 隣接する鋼矢板との接合継手部を有する1対
    の板状部をゴム・合成樹脂などよりなる可撓止水
    部材で連結し、各板状部に立設されたウエブ部と
    該ウエブ部から該可撓止水部材の幅方向とほぼ平
    行に内側に向けて張り出したフランジ部とを備え
    る保護板押え部材を該1対の板状部の一側に設
    け、これら保護板押え部材と該1対の板状部との
    間に、該可撓止水部材を覆う保護板を嵌装したこ
    とを特徴とする鋼矢板の継手。 2 隣接する鋼矢板との接合継手部を有する1対
    の板状部をゴム・合成樹脂などよりなる可撓止水
    部材で連結し、各板状部に立設されたウエブ部と
    該ウエブ部から該可撓止水部材の幅方向とほぼ平
    行に内側に向けて張り出したフランジ部とを備え
    る保護板押え部材を該1対の板状部の一側に設
    け、これら保護板押え部材と該1対の板状部との
    間に、該可撓止水部材を覆う保護板を嵌装した鋼
    矢板の継手の下端部に、継手の土中への埋設を先
    導する先導剛体を該可撓止水部材の底部を覆うよ
    うにして接合し、継手の上端部に荷重を加えて土
    中に打込み埋設することを特徴とする鋼矢板の継
    手の施工法。 3 隣接する鋼矢板との接合継手部を有する1対
    の板状部をゴム・合成樹脂などよりなる可撓止水
    部材で連結し、各板状部に立設されたウエブ部と
    該ウエブ部から該可撓止水部材の幅方向とほぼ平
    行に内側に向けて張り出したフランジ部とを備え
    る保護板押え部材を該1対の板状部の一側に設
    け、これら保護板押え部材と該1対の板状部との
    間に、該可撓止水部材を覆う保護板を嵌装した鋼
    矢板の継手の該1対の板状部を継手下端部を収容
    する匡体を有する先導剛体の両側に形成した切溝
    に係合するようにして該先導剛体を継手の下端部
    に接合し、継手の上端部に荷重を加えて土中に打
    込み埋設した後、継手を所定の長さだけ引き上げ
    て該先導剛体から離脱せしめることを特徴とする
    鋼矢板の継手の施工法。
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