JPH0373650B2 - - Google Patents

Info

Publication number
JPH0373650B2
JPH0373650B2 JP57014390A JP1439082A JPH0373650B2 JP H0373650 B2 JPH0373650 B2 JP H0373650B2 JP 57014390 A JP57014390 A JP 57014390A JP 1439082 A JP1439082 A JP 1439082A JP H0373650 B2 JPH0373650 B2 JP H0373650B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fiber
heat treatment
heat
fibers
stretching
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP57014390A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS58132110A (ja
Inventor
Tomio Kuriki
Kenji Kamiide
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Chemical Industry Co Ltd filed Critical Asahi Chemical Industry Co Ltd
Priority to JP1439082A priority Critical patent/JPS58132110A/ja
Publication of JPS58132110A publication Critical patent/JPS58132110A/ja
Publication of JPH0373650B2 publication Critical patent/JPH0373650B2/ja
Granted legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Artificial Filaments (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、実用上充分な力学的特性を有し、か
つ染色性が良好であるポリエステル繊維の新規な
製造法に関するものである。 一般にポリエステル繊維、特にポリエチレンテ
レフタレート繊維は、強度、寸法安定性、耐シワ
性、ウオツシユアンドウエヤ性など多くのすぐれ
た特性を備え種々の用途に利用されている。反
面、ポリエチレンテレフタレート繊維は染色性が
劣り、染色に際しては、130℃附近の高温高圧で
染色する必要があるため特別な装置を必要とした
り、また羊毛、アクリル繊維など高温高圧染色に
より物性低下を生じるような繊維との混用に制限
があるなどの欠点がある。 ポリエチレンテレフタレート繊維の染色性の改
良、常圧染色化に関しては、いくつかの試みがな
されており、例えば染色時にo−フエニルフエノ
ール、メチルナフタレン、トリクロロベンゼンな
どのいわゆるキヤリヤーを用いる方法が知られて
いるが、キヤリヤーの多くは刺激臭があり、作業
環境を悪くすること、染色液の排水処理の困難な
こと、染色後繊維中にキヤリヤーが残留し染色堅
牢度を低下せしめる場合のあることなどの欠点が
ある。一方、染色性の改良されたポリエステルと
して、金属スルホネート基含有化合物や、ポリエ
ーテルを共重合したものが知られている。これら
の変性ポリエステルは染色性は向上するものの、
重合や紡糸が困難であつたり、原料高によるコス
トアツプがあつたり、ポリエチレンテレフタレー
ト本来の耐熱性や力学的性質を低下せしめたり、
更には染色堅牢度の低下を来たしたりする欠点が
あつた。 本発明者らは、このような従来法の欠点を克服
し染色性が良好であり、特に常圧染色が可能で、
かつ染色堅牢度がすぐれる一方、本来の好ましい
性質を兼ね備えたポリエステル繊維を得ようとし
て鋭意検討の結果、本発明を完成するに至つた。 本発明におけるポリエステルは、実質的にポリ
エチレンテレフタレートよりなり、公知の重合法
で得られるものであるが、通常ポリエステル繊維
に使用される添加剤、例えば艶消剤、安定剤、制
電剤等を含んでもよい。また重合度については、
通常の繊維形成用の範囲内であれば特に制限はな
い。また本発明の目的を損なわない範囲内での少
量の他の成分との共重合も勿論可能である。ここ
で本発明の目的を損なわない範囲内での少量の他
の成分との共重合と云うのは、得られた繊維の機
械的、熱的性質がポリエチレンテレフタレートの
ホモポリマーよりなる繊維と大差ないことを意味
し、具体的にはエチレンテレフタレートを主たる
繰返し単位とし第三成分として、イソフタル酸、
ナトリウムスルホイソフタル酸、アジピン酸、シ
ユウ酸、トリメリツト酸、ピロメリツト酸、p−
オキシ安息香酸、2,6−ナフタリンジカルボン
酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、セバチ
ン酸、アゼライン酸、2,5−ジメチルテレフタ
ル酸、ビス(p−カルボメトキシフエノキシ)エ
タン、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、ジエ
チレングリコール、プロピレングリコール、1,
4−ブタンジオール、1,4−ヒドロキシメチル
シクロヘキサン、ポリオキシエチレングリコール
等のうち一種またはそれ以上を重量比で5%未満
を共重合させたものである。 本発明の第一の特徴は、紡速4000m/分以上で
紡糸され延伸されていないポリエチレンテレフタ
レート繊維を出発物質とする事である。ここで紡
速とは第1図の紡糸装置において引取りローラー
7の巻取り線速度を意味する。紡速4000m/分未
満では、結晶領域の発達が不十分であり、そのた
め繊維の微細構造が熱的に不安定で、加熱時の寸
法安定性が劣る。加熱時の寸法安定性および繊維
の高温時の機械的特性は220℃における動的弾性
率E′220によつて定量的に評価できる。紡速3000
m/分で紡糸し、延伸されていないポリエチレン
テレフタレート繊維では、E′220は1g/d以下
となり、紡速3000m/分未満ではE′220はさらに
減少し、紡糸後の熱処理時に単繊維間で融着を起
し、本発明の目的を損なう、紡速が4000m/分以
上で紡糸され延伸されていないポリエチレンテレ
フタレート繊維は結晶化度、結晶完全度、結晶の
大きさのいずれも紡速と共に急激に増大し、
E′220も第3図に示すように紡速と共に急増する。
第3図は種々なる紡速で引取り延伸されていない
ポリエチレンテレフタレート繊維75d/36fの糸条
を定長下で250℃の乾熱雰囲気で1秒間熱処理し
た後、その繊維のE′220を測定した値(点線で示
す)と、熱処理前の該糸条のE′220の値(実線で
示す)を示したものである。250℃の熱処理後の
E′220は、紡速が6000m/分までは紡速と共に急
激に増大するが、紡速が6000m/分以上では
E′220の増加率は減少する。紡速が9000m/分以
上では、熱処理後のE′220は熱処理前より値が大
きくなる。したがつて、高温時の機械的特性の点
では、熱処理すべき繊維の紡速は6000m/分以上
が好ましく、さらに好ましくは8000m/分以上で
ある。 第4図は、第3図の場合と同一条件で得られた
繊維の結晶化度の紡速依存性を、第5図には
(010)面の反射から評価される微結晶の大きさの
紡速依存性を、第6図には(010)面からの結晶
配向度の紡速依存性を示す。 250℃の前述の熱処理によつて、結晶化度、微
結晶の大きさおよび結晶配向度のいずれも増大す
る。特に紡速が4000〜5000m/分で紡糸され延伸
されていないポリエチレンテレフタレート繊維を
熱処理することにより結晶配向度の増大が顕著に
なる。これら熱処理による効果は、乾熱の場合で
も、飽和もしくは過熱水蒸気による湿熱による熱
処理でも同様である。 このように4000m/分以上の紡速で紡糸され、
延伸することなく250℃で1秒間、定長下で熱処
理された繊維は、結晶がよく成長し、30℃に於け
る動的弾性率は55g/d以上を示し、かつ常圧で
分散染料にて濃色でも染色可能である。しかしな
がら、熱処理時の繊維の張力、換言すれば熱処理
時の繊維の伸長率によつては、熱処理後の繊維の
ヤング率が90g/d以下、降伏点における強度が
1.5g/d以下、伸度が60%程度になる場合があ
る。もちろん、このような機械的性質の繊維でも
衣料用途として使用可能であるが、衣料を製作す
る段階、すなわち撚糸、整経、糊附、製織、製
編、染色、幅出し等の工程において、繊維にかか
る張力をある程度規制するような配慮が必要とさ
れる。このような配慮がない場合には、上記の
種々な工程に使用する機械、装置の種類によつて
は欠点を有する布帛が作られかねない。 本発明者らは、このような点をも考慮し、高速
紡糸され、延伸されていないポリエチレンテレフ
タレート繊維を250℃以上300℃以下の温度で乾熱
による熱処理を行なうか、または180℃以上300℃
以下の温度で湿熱による熱処理を行なうかした
後、さらに延伸工程を加えることにより、前記の
問題点が解消することを見出した。 すなわち、本発明の第二の特徴は、紡速4000
m/分以上で紡糸されたポリエチレンテレフタレ
ート繊維を240℃以上300℃以下の乾熱、もしくは
180℃以上300℃以下の湿熱で熱処理した後、さら
に1.05乃至2.0倍の延伸を行なう点にある。 紡速4000m/分以上で紡糸したポリエチレンテ
レフタレート繊維を前記した熱処理を施せば常圧
可染化することは、既に述べた。この熱処理を受
けた繊維は比較的ヤング率が低く、降伏点強度が
低く、伸度が高いし、また沸騰水中での収縮率は
小さい。この繊維を1.05倍乃至2.0倍に延伸する
ことにより比較的ヤング率および降伏点強度の高
く、しかも伸度の少ない繊維を得ることができ
る。尚、熱処理後の延伸工程において、延伸温度
を100℃以下にすると、該繊維の常圧における分
散染料の染着性は変らない。 第7図は、紡速4000m/分で紡糸され、延伸さ
れていない75d/36fのポリエチレンテレフタレー
ト繊維を250℃で定長下において1秒間熱処理し、
さらに延伸比を1.1倍、1.2倍、1.3倍と変化させ
100℃で延伸したものの引張りによる繊維軸方向
の応力〜歪曲線である。図の曲線aは紡速4000
m/分で紡糸されたまま何らの処理をうけないも
の、bは熱処理後、延伸する前のもの、cは熱処
理後、延伸比1.1倍に延伸したもの、dは熱処理
後、1.2倍に延伸したもの、eは熱処理後1.3倍に
延伸したもの、それぞれ応力歪曲線である。なお
本発明で云う降伏点強度とは、図に示す応力〜歪
曲線にみられるように、伸長率(歪)が小さい範
囲では、伸長率(歪)が大きくなると共に、応力
がほぼ一定の増加率で大きくなるが、さらに伸長
(歪)を加えることにより応力の増加率が減少す
る点が発生する。この点、すなわち図中の曲線が
折れ曲る点Aの応力をg/dの単位で表したもの
を云う。またヤング率は降伏点以下の応力〜歪曲
線の傾斜に対応する。すなわち傾斜が急なほどヤ
ング率は高い。 図にみる如く熱処理後延伸したものは熱処理後
延伸しないものにくらべて、降伏点強度は高く、
伸度は小さく、かつヤング率も大きい。また、延
伸したものにあつては、延伸比の高いほど、その
傾向は強くなる。 次に本発明の方法を添付図面によつて詳しく説
明する。 第1図は本発明の方法に用いる紡糸装置の概略
を例示したものである。第1図において、溶融し
たポリエチレンテレフタレートは加熱された紡糸
ヘツド2の中の紡糸口金(図示せず)から紡出さ
れ、大気中で冷却されて糸条1となる。この際、
紡糸口金下には紡出された糸条を取囲む管状の加
熱域3が設けられており、さらにその下方には糸
条を冷却吸引するための流体吸引装置4が設けら
れている。管状加熱域3および、流体吸引装置4
を通過した糸条1は、油剤附与装置5、集束装置
6を通つた後、引取りローラー7によつて引取ら
れる。本発明の紡速とはこの引取りローラーに引
取られる糸条1と速度を云う。本発明の方法に於
いては引取りローラーで引取られる糸条1の速度
は、4000m/分以上である。このようにして4000
m/分以上で紡糸されたポリエチレンテレフタレ
ートよりなる糸条1は、第2図に例示する熱処理
装置で熱処理をうけ延伸される。第1図の引取り
ローラー7によつて引取られた糸条1は、1本ま
たはそれ以上同時に熱処理することができる。 第2図において1は第1図の引取りローラー7
で引取られた紡速4000m/分以上で紡糸され延伸
されていない糸条である。この糸条1は、乾熱で
熱処理される場合は、熱処理装置17に設けられ
たヒーター14によつて240℃乃至300℃に調整さ
れた熱処理装置17内の糸道18の中に、一対の
フイードローラー8に一回乃至数回巻かれ送り込
まれる。熱処理された糸条1は一対の送りローラ
ー19に一回乃至数回巻かれて延伸用ヒーター2
1の表面を接触しながら延伸ローラー20に一回
乃至数回巻かれて延伸される。次に延伸ローラー
20により延伸された糸条1は巻取りローラー2
2に巻取られる。この間フイードローラ8と送り
ローラー19の回転数を調節し熱処理時の伸長率
を調整する。また送りローラー19と延伸ローラ
ー20の回転数を調節し延伸比を調整する。糸条
1を湿熱で熱処理する場合は、第2図のボイラー
9においてゲージ圧約10Kg/cm2の飽和水蒸気を生
成させ、バルブ10を通して水蒸気を蒸気加熱装
置11に送り込む。蒸気加熱装置11内で水蒸気
はヒーター12によつて加熱され180℃乃至300℃
の過熱水蒸気となる。この過熱水蒸気はバルブ1
3を通して、熱処理装置17内に設けられた蒸気
室15へ入り、ヒーター14により再び加熱され
180℃乃至300℃の間の適宜な温度に調節される。
この温度調節された水蒸気は、蒸気室15より糸
道18へ細孔16を通じて噴出し、糸条1を熱処
理する。熱処理された糸条1は、乾熱による熱処
理の場合と同様に延伸され、巻取られる。 なお、乾熱雰囲気中で熱処理する場合、図に示
した延伸用ヒーター21の如く、ヒーター表面に
接触して加熱する方法は、糸条が毛羽立ち或いは
部分的に融解したり不均一に熱処理され均染性が
悪いなど糸の品質を損なう場合があるので好まし
い方法とは云えない。但し延伸する場合には通常
150℃以下であり、特に本発明の如く、100℃以下
の好ましい延伸温度で延伸する場合は、上記の如
き欠点は示さない。 このように熱処理し、延伸する方法は第2図に
例示した如く連続で行なつてもよいが、熱処理と
延伸は別々に切りはなして行なつても、もちろん
差支えない。また、紡糸工程、熱処理工程、延伸
工程を連続することも可能である。 また、熱処理する糸条の形態は紡糸されたまま
の1本の糸条でもよいし、これを1本以上多数本
櫛形ガイドで引揃えて熱処理してもよい。更に紡
績原料または不織布の原料とする場合は、トウ状
の繊維束となし、数十万乃至数百万デニールのト
ータルデニールのトウ状のものを熱処理してもよ
い。さらにトウ状のものは、第2図に例示したよ
うな連続した熱処理装置でなくても、トウを側面
に細孔を多数有するケンスに入れ、過熱蒸気また
は、飽和蒸気を吹込むことが可能な圧力缶のよう
な容器内にケンスを入れ熱処理することもでき
る。しかる後ケンスよりトウを取出し別工程で延
伸してもよい。 熱処理工程での温度範囲は本発明において、
240℃乃至300℃の乾熱もしくは、180℃乃至300℃
の湿熱を用いる。上記温度より低い温度の場合、
4000m/分以上の紡速で紡糸したポリエチレンテ
レフタレート繊維は、常圧可染化せず、また上記
温度範囲を越える場合は、繊維が部分的に融着
し、切断に至る場合もある。 また上記温度範囲内での熱処理を行うについて
温度を選択する要因となるものは、紡速、熱処理
時間、単繊維の繊度、繊維束のトータルデニー
ル、熱処理時の伸長率などである。すなわち
75d/36fのマルチフイラメントの場合、紡速が
4000m/分であれば、乾熱による熱処理を行うと
きは、熱処理装置の温度は245℃で熱処理時間1.5
秒、伸長率0%が標準条件であり、これより熱処
理時間を短縮するときは、温度を上昇させる。ま
た伸長率を上げる場合も温度を上げる。また紡速
が6000m/分の繊維を熱処理する場合は、250℃
で1.5秒間、伸長率0%が標準条件となる。紡速
が9000m/分の繊維は熱処理温度は243℃で1秒
間、伸長率0%が標準条件となる。 単繊維の繊度が75d/36fのマルチフイラメント
より細いもの、例えば50d/36fのような場合には
上記温度より1〜2℃低くできる。また単繊維の
繊度が3デニールで32万デニールのトウ状繊維束
を熱処理する場合は、75d/36fのマルチフイラメ
ントの熱処理温度よりも3〜10℃高温が必要とな
る。一般にトウ状繊維束を熱処理する場合は、熱
効率の面および均一な熱処理ができる点から湿熱
処理の方が乾熱処理よりも有効である。 熱処理時の伸長率が5%以上になると染色性が
急激に低下する傾向がみられる。また伸長率が5
%未満の範囲では、伸長率が大きくなると染色性
は低下するものの、5%以上の場合のような急激
な変化はない。したがつて染色性のバラツキを下
げるためには伸長率は5%未満が望ましい。また
繊維を弛緩させながら熱処理するような場合、す
なわち伸長率がマイナスになるような場合は、伸
長率が−20%以下になると第2図に例示したよう
な熱処理装置を用いる際に、糸が弛み、熱処理装
置の入口または出口側にあるローラーに巻きつい
たり、熱処理装置の内壁に糸があたり融着したり
するため好ましくない場合がある。 なお伸長率を例えば30%程度にして本発明の範
囲内の温度で熱処理すると、熱処理後の延伸をし
なくても、伸度の低い、降伏点強度の高い繊維が
得られるが、常圧可染化が困難となる。本発明者
らは、一旦熱処理によつて常圧可染化した繊維
を、本発明の方法の範囲内で延伸することによ
り、常圧可染性が損なわれずに、機械的性質が向
上することを見出したのである。 本発明の方法において、熱処理後の延伸は延伸
比1.05乃至2.0倍が適当であり、上記延伸比以下
であれば、延伸後の繊維の力学的性質が充分でな
く、また延伸比が2.0を越えるときは紡速4000
m/分以上で紡糸された繊維は破断される。また
延伸温度は100℃またはそれ以下が染色性を維持
するためには適当であるが必ずしも100℃以下に
は限定されない。すなわち100℃以上の延伸温度
では結晶化および繊維分子の配向が進みすぎて熱
処理により付与された常圧可染性が阻害される場
合がある。しかし、延伸後の機械的性質が高く要
求される場合は、延伸前の熱処理温度を高くし
て、染色性を十二分に上げた後、延伸温度を100
℃を越える温度で延伸比も2.0倍以下の範囲内で、
できるだけ高倍率で延伸される。本発明の方法に
おける延伸比1.05乃至2.0倍の範囲内に於いて、
延伸比を選択する基準となるものは、要求される
強伸度、沸水収縮率である。すなわち延伸比が低
いと強度は小さく伸度が高く、沸水収縮率の小さ
い繊維になる。逆に延伸比が高いときは強度は高
く、伸度が低く、沸水収縮率が大きい繊維が得ら
れる。 上述のように、4000m/分以上の紡速で紡糸さ
れ、熱処理後さらに延伸された繊維は、初期モジ
ユラスすなわち30℃における動的弾性率E′30が60
g/d以上で、かつ測定周波数110Hzにおける力
学的損失正接(tanδ)のピーク値〔(tanδ)nax
が0.135を越え、ピーク温度(Tnax)が110℃以下
であつて常圧染色可能である。なお本発明に於い
て常圧染色可能と云うのは、分散染料レゾリンブ
ルー(Resolin Blue)FBL(C.I.Disperse
Blue56、ドイツ連邦共和国バイエル社製品名)
を用い、染料使用量3%owf、分散剤(例えばデ
イスパーTL)1g/、浴比50倍、PH6(酢酸に
て調整)の染浴中で、予め油剤を除去した繊維を
100℃にて120分間染色後、繊維に染着した染料の
吸尽率が80%以上であることを云う。ここで染料
吸尽率は次式で表わされる。 染料吸尽率(%)=繊維に染着した染料重量/染浴に添加
した染料重量×100 本発明の方法で得られた常圧染色可能なポリエ
チレンテレフタレート繊維は、マルチフイラメン
トであれば、仮撚加工等の嵩高加工も可能である
し、紡績原料としてのトウ状繊維束であれば捲縮
を施すことも可能である。したがつて、従来のポ
リエステル繊維の使用される分野には殆どすべて
使用可能である。特に常圧染色可能な繊維の特長
の発揮されるアクリル繊維、羊毛繊維、スパンデ
ツクス、再生セルロース繊維との混用品の後染製
品に使用して相手繊維の脆可を防止できることが
可能になる。 また浸染のみならず捺染の面でも常圧釜による
蒸熱が可能なるなど有利点が多々見出される。 以下に本発明におけるポリエチレンテレフタレ
ート繊維の構造特性の測定法を述べる。 <力学的損失正接(tanδ)、及び動的弾性率(E′)
> 東洋ボールドウイン社製レオバイブロン
(Rheovibron)DDV−c型動的粘弾性測定装
置を用い、試料量0.1〜1mg、測定周波数110Hz、
昇温速度10℃/分で乾燥空気中で各温度における
tanδ、及びE′を測定する。tanδ−温度曲線から
tanδのピーク温度(Tnax)℃と同ピーク高さ
〔(tanδ)nax〕が得られる。第8図aおよび第8図
bに本発明の方法により得られた繊維A、従来の
延伸糸B、低速すなわち紡速4000m/分以下で紡
糸されて延伸されていない繊維C、部分配向糸D
のそれぞれ、tanδ−温度曲線、E′−温度曲線の典
型例を模式化した。 <微結晶の大きさ(ACS)> 対称反射法により赤道方向のX線回折強度を測
定し、X線回折強度の回折角依存曲線からACS
を算出する。 X線回折強度は理学電機社製X線発生装置
(RU−200PL)とゴニオメーター(SG−9R)、
計数管にはシンチレーシヨンカウンター、計数部
には波高分析器を用い、ニツケルフイルターで単
色化したCu−K〓線(波長λ=1.5418〓)を用い
て測定される。繊維試料の繊維軸がX線回折面に
対して垂直となるようにアルミニウム製サンプル
ホルダーにセツトする。この時、試料の厚みは約
0.5mmになるようにセツトする。30KV、80mAで
X線発生装置を運転し、スキヤンニング速度1°/
分、チヤート速度10mm/分、タイムコンスタント
1秒、ダイバージエントスリツト1/2°、レシー
ビングスリツト0.3mm、スキヤツタリングスリツ
ト1/2°において2θが35°〜7°まで回折強度を記録
する。記録計のフルスケールは得られる回折強度
曲線がスケール内に入るように設定する。 ポリエチレンテレフタレート繊維は一般に赤道
線上の回折角2θ=7°〜26°の範囲に三個の主要な
反射を有する。低角度側から(100),(010),(1
10)面である。ACSを求めるには例えばL、
E。アレキサンダー著「高分子X線回折」化学同
人出版、第7章シエラー(Scherrer)の式を用い
る。 2θ=7°と2θ=35°の間にある回折強度曲線間を
直線で結びベースラインとする。回折ピークの頂
点からベースラインに垂線を下ろし、ピークとベ
ースライン間の中点をこの垂線上に記入する。中
点を通る水平線を回折強度強線回折ピークの間に
引く。主要な反射がよく分離している場合には曲
線のピークの2個の肩と交差するが、分離が悪い
場合には1つの肩のみと交差する。このピークの
幅を測定する。一方の肩としか交差しない場合は
交差した点と中点間の距離を測定し、それを2倍
する。また2個の肩と交差する場合は両肩間の距
離を測定する。これらの測定値をラジアン表示に
換算しライン幅とする。さらにこのライン幅を次
式で補正する。 β=√22 ここでBはライン幅の実測値、bはブロードニ
ング定数でシリコン単結晶の111面反射のピー
クのラジアン表示でのライン幅(半値幅)であ
る。微結晶の大きさ(ACS)は、 ACS(Å)=K・λ/βcosθ によつて与えられる。ここでKは1、λはX線の
波長(1.5418Å)、βは補正後のライン幅、θは
ブラツグ角で回折角2θの1/2である。 <結晶化度(Xc)> 微結晶の大きさの測定と同様にして得られたX
線回折強度曲線より2θ=7°と2θ=35°の回折強度
曲線間を直線で結びベースラインとする。第7図
のように2θ=20°付近の谷を頂点とし、低角側お
よび高角側のすそに沿つて直線で結び結晶部aと
非晶部bに分離し、次式に従つて面積法で結晶化
度Xcを求める。 Xc=結晶部の散乱強度/全散乱強度×100(%) <結晶配向度(CO)> 理学電機社製X線発生装置(BU−200PL)、繊
維試料測定装置(FS−3)、ゴニオメーター
(SG−9)、計数管にはシンチレーシヨンカウン
ター、計数部には波高分析器を用い、ニツケルフ
イルターで単色化したCu−Kα線(波長λ=
1.5418Å)を用い、方位角方向のX線回折強度曲
線を測定する。 ポリエチレンテレフタレート繊維は一般に赤道
線上に3種の主要な反射を有するが、結晶配向度
(GO)の測定には(010)面反射を採用する。 (010)面の回折角2θは赤道線方向の回折強度
曲線から決定される。前述のX線発生装置を
30KV、20mAで運転する。繊維試料測定装置に
試料繊維を互に平行になるように揃えて取付け
る。試料の厚みが約0.5mmになるように調整する。
赤道線方向の回折強度曲線から決定された2θの値
にゴニオメーターをセツトする。対称透過法を用
いて方位角方向を−30〜+30°走査した方位角方
向の回折強度を記録する。さらに−180°と+180°
の方位角方向の回折強度を記録する。このときス
キヤンニング速度4°/分、チヤート速度10mm/
分、タイムコンスタント1秒、コリメーター2mm
φ、レシービングスリツト縦幅19mm、横幅3.5mm
である。 得られた方位角方向の回折強度曲線からCOを
求めるには、まず±180°で得られた回折強度の平
均値をとり、この値を通る水平線をベースライン
とする。ピークの頂点からベースラインに垂線を
下ろし、その高さの中点を求める。中点を通る水
平線を引きこれと回折強度曲線との2個の交点間
の距離を測定し、この値を角度(°)に換算した
値を配向角H(°)とする。結晶配向度は CO(%)=〔(180°−H)/180°〕×100 によつて与えられる。 <染料吸尽率> 分散染料レゾリンブル−FBL(ドイツ連邦共和
国バイエル社製品名、C.I.Disperse Blue56)を
3%owf、浴比50倍、PH6(酢酸にて調整)、分散
剤デイスバーTL(明成化学工業社製品名)1g/
の組成よりなる染浴中に試料繊維を入れ、100
℃で120分間染色した後、染液を採取し、吸光度
より残液中の染料量を算出し、これを染色に使用
した染料量から減じたものを染着剤として染料吸
尽率(%)を計算した。なお染色用の試料繊維
は、精練剤スコアロールFC(花王アトラス社製品
名)2g/の水溶液中で60℃にて20分間精練
し、乾燥、調湿(20℃、65%RHの条件下に48時
間放置)したものを使用した。 <染色堅牢度> 染料吸尽率評価の場合と同様の方法で染色した
試料をハイドロサルフアイトナトリウム1g/
、水酸化ナトリウム1g/の水溶液で浴比50
倍、80℃で20分間還元洗浄したものを評価した。 染色堅牢度としては、耐光堅牢度(JIS L−
1044に準ずる)、摩擦堅牢度(JIS L−0849に準
ずる)、昇華堅牢度(JIS L−0854に準ずる)に
ついて評価した。 <引張強伸度> 東洋ボールドウイン社製テンシロン
(Tensiion)UTM−−20型引張試験機により
初長5cm、引張速度20mm/分で測定した。 <沸水収縮率> 0.1g/dの荷重下での試料長をL0とし、荷重
を取除き沸水中で30分間処理した後、再び同じ荷
重下で測定した長さをLとする。沸水収縮率は次
式で表される。 沸水収縮率(%)=L0−L/L×100 次に実施例をあげて本発明を更に詳しく説明す
る。 実施例 1 フエノール/テトラクロロエタンの2/1混合
溶媒中で、35℃における固有粘度〔η〕(以下、
単に〔η〕と表わす)が0.63のポリエチレンテレ
フタレートを、第1図に示す装置を用い紡糸温度
298℃で、孔径0.35mmφ、孔数36の紡糸口金より
紡出し、糸条の全周囲から糸条の走行方向に平行
に供給される20℃の空気の流れによつて冷却固化
させた後油剤を付与し、4000、6000、及び8000
m/分の速度で引取つて、75d/36fの繊維を得
た。この繊維を第2図に示す熱処理延伸装置を用
い、250℃で1秒間、伸長率1%で乾燥および過
熱水蒸気による湿熱により夫々熱処理後、延伸ヒ
ーターの温度を90℃にして延伸比1.15倍で延伸し
た。また同時に比較のため、同一原料を用い、同
一装置にて3000m/分で引取つた75d/36fの繊維
を同様に熱処理し延伸した。またいずれの繊維も
熱処理後延伸せずに、すなわち延伸比を1.0倍に
し、延伸ヒーター温度を常温にしたものも採取し
た。それぞれの繊維の物性値を第1表にまとめて
示す。
【表】
【表】 第1表の結果より明らかなように、紡速3000
m/分以上の紡速で紡糸し、伸長率1%で250℃
の乾熱および湿熱で熱処理したものは、すべて常
圧可染化するが、紡速3000m/分のものは延伸後
も初期モジユラスが50g/d以下であり実用上問
題がある。4000m/分以上の紡速で紡糸したもの
は、初期モジユラスは50g/d以上ではあるが80
g/dには達せず、また降伏点強度は1.5g/d
以下であり、製織、製編工程上問題のある機械的
性質である。しかるに本発明の方法である熱処理
後、延伸比1.15倍に延伸したものは、常圧染色可
能で、かつ堅牢度もよく、ま初期モジユラスは80
g/d以上であり降伏点強度は、1.5g/d以上
を示し、破断伸度も延伸前より少なくなり、製
織、製編工程で問題を起さない繊維となつてい
る。 実施例 2 〔η〕が0.64のポリエチレンテレフタレートを
紡糸温度300℃で孔径0.3mmφ、孔数600の紡糸口
金より紡糸し、糸条の全周囲から糸条の走行方向
に平行に供給される18℃の空気の流れによつて冷
却固化されたのち、油剤を附与し、5000m/分の
速度で引取つて、1800d/600fの繊維を得た。こ
の繊維の100本を櫛形ガイドを通して、平板状に
引揃え、18万d/6万fのトウとした。このトウ
を第2図に示す熱処理装置を用いて210℃の過熱
水蒸気で定長下において、1.3秒間熱処理した。
次に延伸比1.2倍で延伸温度97℃で延伸した。延
伸前後の物性を第2表に示す。
【表】 第2表の結果より明らかなように、本発明の方
法による延伸糸は、延伸前のものにくらべ、降伏
点強度が高く、破断伸度も低く、かつ常圧可染化
している。 実施例 3 〔η〕が0.65のポリエチレンテレフタレートを
紡速6000m/分で実施例2に示した方法で紡糸し
1800d/600fの繊維を得た。この繊維を100本引揃
え18万d/6万fのトウ状繊維束とした。このト
ウを側面に多数の孔を有するケンスに、見掛密度
2.1Kg/m3に詰め、オートクレーブ状の釜に、該
ケンスを入れた。次に真空ポンプで該オートクレ
ーブ状の釜内の空気圧を15mmHgまで減圧し、空
気を抜いた後、200℃に過熱した水蒸気を吹込み
30秒間湿熱による熱処理を行なつた。次に再び15
mmHgまで缶内を減圧し、200℃の過熱水蒸気を吹
き込み30秒間の湿熱処理を行なつた後、蒸気を抜
き、ケンスを取出した。次に熱処理されたトウ取
出し、直径32cmの加熱ローラーを前後に各々5本
設置した延伸装置で、加熱ローラーの表面温度を
100℃に保ちつつ延伸比1.3倍に延伸した。なお熱
処理時のトウの収縮率は9.8%であつた。すなわ
ち熱処理時の伸長率は−9.8%である。延伸前後
のトウを構成する単繊維の物性を第3表に示す。
【表】 第3表にみる如く、本発明の方法による延伸後
の繊維は、初期モジユラス、破断強度、降伏点強
度のいずれも延伸前のものより高く、破断伸度が
低くなつて、爾後の工程において取扱いやすい繊
維になつていると共に常圧染色可能である。 実施例 4 実施例3で得た延伸された繊維を常法により捲
縮を施し、次いでグルグルカツターにて76mmの長
さに切断し、常法により40番手(メートル番手)
単糸の紡績糸を得た。この紡績糸を用いて経密度
60本/インチ、緯密度53本/インチの平織物を製
織した。この織物を、非イオン活性剤1g/を
含む80℃の温水で精練後、100℃にて5分間、熱
風乾燥機中で乾燥した。 この織物上に、捺染糊として第4表の組成をも
つものを、織物1cm2当り12mgの割合で、100メツ
シユのハンドスクリーンにて印捺した。
【表】
【表】 次に、この印捺された織物を80℃にて10分間乾
燥し、箱型常圧蒸熱機中にて、98℃で30分間蒸熱
した。蒸熱後、直ちに水洗し、ナトリウムハイド
ロサルフアイト1g/、水酸化ナトリウム1
g/の水溶液中にて80℃で10分間、還元洗浄を
行ない、次いで2分間の水洗を行なつた。この捺
染布を乾燥後、印捺部分を25cm2切りとり、N,N
−ジメチルホルムアミド100ml中に入れ、95℃に
て10分間処理し、捺染布中の染料を抽出した。こ
の抽出操作を4回くり返し、抽出液に、さらに
N,N−ジメチルホルムアミドを加え、正確に1
とし、分光光度計UV−300型(島津製作所製
品名)にて最大吸収波長625nmにおける吸光度
より染料染着量を求めた。 一方、比較として、実施例3で紡糸した
1800d/600fの繊維を、熱処理することなく、延
伸のみを実施例3と同様に延伸したのち、上記方
法と全く同様に、捲縮、切断、紡線、製織、精
練、印捺、蒸熱、水洗、還元洗浄、水洗、乾燥、
染料抽出を行ない、染料染着量を求めた。その結
果、本発明の方法による熱処理、延伸を行なつた
繊維より製織した織物では、染料染着量は40.5
mg/25cm2であつた。また比較として用いた、熱処
理を施さない繊維より製織した織物は21.3mg/cm2
の染料染着量であつた。すなわち、本発明の方法
によれば、分散染料を含有する捺染糊を印捺し、
常圧にて蒸熱しても多量の染料が染着することが
解る。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の方法に用いる紡糸装置の一
例を概略的に示したものである。図において、1
は糸条、2は紡糸ヘツド、3は管状の加熱域、4
は流体吸引装置、5は油剤附与装置、6は集束装
置、7は引取りローラーを夫々示す。第2図は、
本発明の方法に用いる熱処理と延伸を連続的に行
ない得る装置の概略図である。1は糸条、8は一
対のフイードローラー、9はボイラー、10はバ
ルブ、11は蒸気加熱装置、12はヒーター、1
3はバルブ、14はヒーター、15は蒸気室、1
6はスリツト、17は熱処理装置、18は熱処理
装置内の糸道、19は一対の送りローラー、20
は一対の延伸ローラー、21は延伸用ヒーター、
22は巻取りローラーを夫々示す。第3図は、紡
速とE′220との関係を、250℃の乾熱雰囲気中で1
秒間熱処理した糸と、処理前の糸について示した
ものである。なお熱処理糸の値は点線、処理前の
値は実線で示す。第4図は、紡速と結晶化度の関
係を、第3図の場合と同じ条件での熱処理前後の
値について示したものである。なお、熱処理糸の
値は点線、処理前の糸の値は実線で示す。第5図
は、紡速と(010)面の微結晶の大きさの関係を、
第3図の場合と同じ条件での熱処理前後の値につ
いて示したものである。なお、熱処理糸の値は点
線、処理前の糸の値は実線で示す。第6図は、紡
速と結晶配向度の関係を、第3図の場合と同じ条
件での熱処理前後の値について示したものであ
る。なお、熱処理糸の値は点線、処理前の糸の値
は実線で示す。第7図は、紡速4000m/分で紡糸
された75d/36fのポリエチレンテレフタレート繊
維を250℃の乾熱雰囲気中において、1秒間定長
熱処理した繊維b、熱処理後、延伸比1.1倍c、
1.2倍d、1.3倍eにて夫々延伸した繊維及び、熱
処理前の繊維aの夫々引張りによる応力〜歪曲線
を示したものである。第8図aはtanδ−温度曲
線、第8図bはE′−温度曲線を夫々、本発明の方
法により得られた繊維A、従来の延伸糸B、紡速
4000m/分以下で紡糸されて延伸されていない繊
維C、部分配向糸Dについて典型例を模式化した
ものである。第9図は、ポリエチレンテレフタレ
ート繊維のX線回折強度曲線の一例を示すグラフ
である。図において、aは結晶部分、bは非晶部
分を示す。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 紡速4000m/分以上で紡糸され、延伸されて
    いない実質的にポリエチレンテレフタレートより
    なる繊維を240℃以上300℃以下の乾熱もしくは
    180℃以上300℃以下の湿熱雰囲気中で熱処理後、
    更に1.05乃至2.0倍の延伸を行なうことを特徴と
    する易染性ポリエチレンテレフタレート繊維の製
    造法。 2 紡速4000m/分以上で紡糸され、延伸されて
    いない実質的にポリエチレンテレフタレートより
    なる繊維を240℃以上300℃以下の乾熱もしくは、
    180℃以上300℃以下の湿熱雰囲気中で、該繊維を
    5%未満の伸長率下において熱処理した後、更に
    1.05乃至2.0倍の延伸を行なう特許請求の範囲第
    1項記載の易染性ポリエチレンテレフタレート繊
    維の製造法。 3 紡速4000m/分以上で紡糸され、延伸されて
    いない実質的にポリエチレンテレフタレートより
    なる繊維を240℃以上300℃以下の乾熱雰囲気中
    で、ヒーター表面に接触することなく、かつ該繊
    維を5%未満の伸長率下において熱処理した後、
    更に1.05乃至2.0倍の延伸を行なう特許請求の範
    囲第2項記載の易染性ポリエチレンテレフタレー
    ト繊維の製造法。 4 延伸温度が100℃以下である特許請求の範囲
    第1項、第2項又は第3項記載の易染性ポリエス
    テル繊維の製造法。
JP1439082A 1982-02-02 1982-02-02 易染性エステル繊維の製造法 Granted JPS58132110A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1439082A JPS58132110A (ja) 1982-02-02 1982-02-02 易染性エステル繊維の製造法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1439082A JPS58132110A (ja) 1982-02-02 1982-02-02 易染性エステル繊維の製造法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS58132110A JPS58132110A (ja) 1983-08-06
JPH0373650B2 true JPH0373650B2 (ja) 1991-11-22

Family

ID=11859726

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1439082A Granted JPS58132110A (ja) 1982-02-02 1982-02-02 易染性エステル繊維の製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPS58132110A (ja)

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS53147814A (en) * 1977-05-24 1978-12-22 Teijin Ltd Polyester fiber
JPS5464133A (en) * 1977-09-12 1979-05-23 Du Pont Flat yarn and tow
JPS5545811A (en) * 1978-09-19 1980-03-31 Kanebo Ltd Production of polyester fiber

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS53147814A (en) * 1977-05-24 1978-12-22 Teijin Ltd Polyester fiber
JPS5464133A (en) * 1977-09-12 1979-05-23 Du Pont Flat yarn and tow
JPS5545811A (en) * 1978-09-19 1980-03-31 Kanebo Ltd Production of polyester fiber

Also Published As

Publication number Publication date
JPS58132110A (ja) 1983-08-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR860000205B1 (ko) 상압 염색 가능한 폴리에스테르 섬유
EP0750691B1 (en) Hollow nylon filaments and yarns and process for making same
US6926962B2 (en) Dyed yarn
US4508674A (en) Process for the production of a polyester fiber dyeable under normal pressure
US3748844A (en) Polyester yarn
JPH0135086B2 (ja)
US4539805A (en) Process and apparatus for producing easily dyeable polyester false-twisted yarns
EP0091549A1 (en) Method for the simultaneous sizing and drafting of a series of continuous thermoplastic yarns with substantially parallel filaments, for use in fabric production
KR900008260B1 (ko) 경사 또는 프랙션의 제조방법
JPS584814A (ja) 易染性ポリエステル紡績原料または紡績糸
US5106685A (en) Process for manufacturing a smooth polyester yarn and yarn so obtained
JPH0373650B2 (ja)
JPH0115610B2 (ja)
JPH0140137B2 (ja)
JPS5813741A (ja) ポリエステル繊維/セルロ−ス系繊維混用編織物
JPS58136821A (ja) 易染化ポリエステル繊維の製造法
JPS646282B2 (ja)
JPH0336934B2 (ja)
JPH0135085B2 (ja)
KR860000201B1 (ko) 상압 염색가능한 폴리에스테르섬유의 제조방법
JPS5813739A (ja) ポリエステル繊維とアクリル繊維との交編,交織物
JP2592745B2 (ja) 分散染料易染性を有するポリエステル繊維
JPS58136824A (ja) 染色性の優れたポリエステル繊維の製造法
JPH0424235A (ja) ポリエステル強撚糸及びその製造方法
JPS5813742A (ja) 濃淡染色可能なポリエステル繊維製品