JPH0372704A - 線形化差動増幅器 - Google Patents

線形化差動増幅器

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JPH0372704A
JPH0372704A JP2138543A JP13854390A JPH0372704A JP H0372704 A JPH0372704 A JP H0372704A JP 2138543 A JP2138543 A JP 2138543A JP 13854390 A JP13854390 A JP 13854390A JP H0372704 A JPH0372704 A JP H0372704A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) 本発明は、広い範囲にわたって一定のトランスコンダク
タンスを得ることができる線形化差動増幅器に関する。
(従来の技術) 差動増幅器の構成要素である差動増幅ペアは、演算増幅
器の初段の増幅器として用いられるなど増幅器の基本的
な構成単位として広く用いられている。
第19図は通常のエミッタ結合対、すなわち差動増幅ペ
アを説明するための図である。図において、1,2は入
力端子、3,4は出力端子、5゜6はそれぞれ差動増幅
ペアを構成する第1及び第2のバイポーラトランジスタ
である。また、7゜8はそれぞれ第1および第2のオフ
セット電圧を与えるための直流電圧源、9は差動増幅ペ
アの動作電流を決める直流電流源、10は正の電源ライ
ン、11は負の電源ライン、12.13は負荷電流源、
14は負荷抵抗をそれぞれ表している。負荷15を除く
差動増幅ペア全体を16とする。
第19図において、電流源9の電流値をI F、Bsオ
フセットを与えるための電圧源7.8の電圧値をゼロ、
負荷電流源22.23の電流値をそれぞれIEI!/2
、入力端子1,2の間に印加される人力電圧をv6とし
、αFをトランジスタ5.6の順方向ベース接地電流増
幅率、vTを熱電圧とすると、負荷抵抗14を流れる電
流I6は次式で表される[たとえば文献(Paul R
,Gray and RobertG、 Meyer:
“Analysis and Deslgn orAn
alog Integrated C1rcuits 
 5econd ediLlon、 pp、194−1
97、John  Wiley  &  5ons、I
nc、、New  York、1984)コ 。
14 =αp ・tanh (Vd/ 2VT ) −
−(1,)入力電圧v6と出力電流Idの関係は第20
図(a)に示すように、V、の絶対値が小さい場合はl
dがv6に比例して直線的に変化するが、V6の絶対値
が大きくなるにしたがってI4は直線的変化からはずれ
て士■88に漸近するようになる。
どのくらい直線範囲があるかを見るには、このカーブを
入力電圧V、で微分したもの、すなわち次式で表される
トランスコンダクタンスGmのカーブを調べると都合が
良い。
G、、(V、+ )= Cap ” IEE)/2VT
[1tanh2(Va / 2VT ) ]・・・・・
・(2) このG□のカーブは第20図(b)に示されるように、
対称的な釣鐘型を為している。
なお、以下の説明において、簡単のために、次のような
正規化を行う: x =  V a / 2 V t y = I 6/αPIEg        ・・・・
・・(3)また式(1)、(2)をそれぞれ次のように
正規化して説明を進めることとする。
y−tanh (x)           ・・・・
・−(4)G、、(x)−dy/dx、−1−1anh
2 (x)・・・・・・(5) 一般に、演算増幅器は負帰還をかけて使われており、2
段目以降で大きな利得を持っているので、初段を構成す
る差動増幅ペアの反転・非反転入力端子間はイマジナリ
ショートとなり、入力端子間にかかる電位差は例えば数
ミリボルト程度の非常に小さな値となる。したがって、
この場合は差動増幅ペアの線形性は殆ど問題になること
がない。
一方、差動増幅ペアは、そのトランスコンダクタンスG
、が動作電流に比例して変えられることを利用して、フ
ィルタ、乗算器、発振器などに用いられる。この場合は
差動増幅ペアの入力端子間にかかる電圧をS/N比など
の理由から線形動作範囲で大きな値にしたいことが普通
に起る。したがって、より大きな入力信号を取扱うため
には、より広い線形動作範囲が必要とされる。
しかし、第20図(b)に示したように、従来の差動増
幅ペアでは、トランスコンダクタンスGmがV、+−O
の付近では、平坦部が非常に狭く、例えば、Gmの絶対
値が最大値から1%低下するv6の範囲は、常温で約1
0mV程度である。
いわゆるエミッタデジェネレーションと呼ばれる方法で
、差動増幅ペアのエミッタ同士を直接接続せずに抵抗を
介して接続することにより局部負帰還を施して線形範囲
を拡大するものの例がある。
この方法は簡単かつ有効ではあるが、抵抗のために雑音
が増加するだけでなく、負帰還のためにトランスコンダ
クタンスを変化させることが困難であり、フィルタへの
応用など用途によってはこれが欠点となる。
また、エミッタデジェネレーションを用いてかつトラン
スコンダクタンスを変化させることができる方法として
、ギルバートのゲインセル(Gllbert gaIn
 cell )タイプの差動増幅器を用いる方法がある
ゲインセル自体については、たとえば前記文献のpp、
590−600、または、A、Grebene著:「ア
ナログ集積回路J pp、234−244 (中沢他訳
、近代科学社、1975年)などに詳細に説明されてい
るのでここではあまり説明しないが、要するに、この方
法は、第1の差動増幅ペアをエミッタデジェネレーショ
ン抵抗を有するものとし、その負荷としてベースコレク
タ間を短絡したトランジスタを設け、その両端の電位差
をエミッタデジェネレーション抵抗をもたない第2の差
動増幅ペアの入力とする。このようにすると、第2の差
動増幅ペアの共通エミッタの電流を変化させることによ
り、第1の差動増幅ペアのベース入力端子から第2の差
動増幅ペアのコレクタ出力端子までのトランスコンダク
タンスを変化させることができる。
また、このゲインセルを用いた差動増幅器は、1ボルト
程度の線形入力範囲を容易に実現することができる。こ
のような線形化差動増幅器を用いてフィルタを構成した
例として、特開昭58−161413 r多目的フィル
タ」がある。
しかし、この方式の問題として、トランジスタの指数関
数特性を打ち消すために、信号電圧の圧縮伸長を行なっ
ているので、線形範囲は広いがS/N比は単純な差動増
幅ペアより悪化してしまうという欠点がある。
この点を解決するために、エミツタデジェネレーション
を用いずに差動増幅ペアを線形化しようとする提案が文
献(James C,Schmoock:  ’An 
Input Transconductance Re
duntion Technique rorlllg
h−8lew Rate 0perational A
mpliriers、IIEl+IE Journal
 of 5olid=State C1rcuits、
5C−10,no、8.pp、407−411.Dec
eIIlber 1975)において示されている。
この提案は元来、エミッタ面積が非対称な差動増幅ペア
2組を用いてトランスコンダクタンスを 0 低下させる方法を主体にしてはいるが、エミッタ面積の
比が約1:4のとき線形動作範囲が最も広がることを述
べている。
しかし、この方法では、従来の単なる差動増幅ペアを用
いる場合に比べて約4倍の線形範囲拡大ができるとはい
え、まだ十分とはいえない。しかし、入力端子が直接ト
ランジスタのベースであるため人力インピーダンスは大
きい。
さらに、広い線形動作範囲を得るために、エミッタデジ
ェネレーションを用いずに差動増幅ペアを線形化しよう
とする提案が特開昭62−200808「トランスコン
ダクタンス増幅器」においてなされている。この方法は
ゲインセルを用いた線形化差動増幅器に匹敵するほどの
非常に広い線形範囲を得ることができ、S/N比も良好
な優れた特性を有する。
この方式の原理は、簡単に言うと、差動増幅ペアをAB
級動作させることにあり、そのためには入力端子に応じ
た動作電流を与える。これを実現するために、入力電圧
を抵抗で分圧して複数のトランジスタのベースに印加し
ているが、これらの抵抗はベースに直列に挿入されるの
で、雑音の点と周波数特性の点から、あまり大きな値に
することは好ましくない。したがって、この回路の特徴
を活かそうとすれば入力抵抗は低くならざるを得す、こ
れが問題になる。例えば、このトランスコンダクタンス
増幅器の出力端子にキャパシタを接続して積分器を構成
することができるから、その積分器を複数個相互に接続
することによって、フィルタが構成できる。しかし、こ
れは、ある積分器の出力端子に他の積分器の入力端子が
接続されるということであるから、ある積分器の出力端
子には他の積分器の低い入力抵抗が負荷され、フィルタ
のQ値が著しく低下してしまうという問題を生ずる。
(発明が解決しようとする課題) 上記の状況をまとめると、次の■■のようになる。
■ 広い線形動作範囲を有し、かつ、そのトランスコン
ダクタンスが可変であるような差動増幅1 2 器が、フィルタ、乗算器、発振器などにおいて必要とさ
れているが、従来のエミッタデジェネレーションを用い
るゲインセルタイプの差動増幅回路では線形動作範囲は
広いがS/N比が悪い。
■ また、エミッタデジェネレーションを用いないAB
級差動増幅回路では線形範囲が広<S/N比も良好であ
るが入力インピーダンスが低い。
本発明は、これらの点に鑑みて、広い線形動作範囲を有
し、かつ人力インピーダンスが高い線形化差動増幅器を
提供することを目的とする。
[発明の構成] (課題を解決するための手段) 上記の目的を達成するための本発明の線形化差動増幅器
は、バイポーラトランジスタを用いた差動増幅ペアの入
力端子同士と出力端子同士をそれぞれ並列的に接続して
成る差動増幅器において、Nを4以上の整数としてN組
の差動増幅ペアを配置し、各差動増幅ペアに等偏向なオ
フセット電圧を与える・手段と、これらの出力電流を重
み付けする手段と、これらの出力電流を加算する手段と
を具備することを特徴とする。
(作用) Nを4以上の整数としてN組の差動増幅ペアのそれぞれ
に相異なる適切なオフセット電圧を与えると、各々の差
動増幅ペアのトランスコンダクタンスの絶対値は前記オ
フセット電圧に等しい入力端子に対して最大値を生じ、
その入力電圧を中心として対称的な値を取り、それより
大きい電圧に対しても、また小さい電圧に対しても単調
にその値を減する。
その様子は、式(2)において、vdをオフセット電圧
V。5とvdの和と置くことによって数値的に計算する
ことができ、式(2)で示す第20図(b)のグラフを
V。Sだけ右に平行移動したものとなる。
このように、一つの差動増幅ペアのトランスコンダクタ
ンスは入力端子に対して単峰性の特性を持つから、N組
の差動増幅ペアのそれぞれに同一の入力電圧と適当なオ
フセット電圧の和の電圧を与えれば、N個の峰を作るこ
とができる。
 3 4 そこで、N個の差動増幅ペアの出力電流を重み付けして
加算することにより、N個の高さの異なる峰から、平坦
な頂上を持つひとつの峰を合成し、線形動作範囲を拡大
することができる。ここに差動増幅ペアの数を4以上と
するので、拡大範囲は単なる差動増幅ペアと比べて9倍
以上となり、十分実用的となる。
(実施例) 以下、本発明の詳細な説明する。
まず、本発明における線形化の基本的な考え方は、第1
図に示すが如き回路により、第20図(a)においてト
ランスコンダクタンスGmをX軸方向に正負にオフセッ
トを与えて平行移動したものを複数個用意し、それらを
重み付けして加えるというものである。
すなわち、第1図に示す線形化差動増幅器では、第19
図で示した差動増幅ペア16をN個(Nは4以上の整数
)並列に備えて成り、各ペア16には、オフセット電圧
付与手段17 (7,8)と、出力電流を重み付けする
手段18と、負荷15との間に加算手段1つが設けられ
ている。
重み付け手段18は、各差動増幅ペアのコレクタ側に配
設することができるが、エミッタ側に設けることもでき
る。
また加算手段19は、通常の電気的加算回路を用いるこ
とができるが、加算すべき各差動増幅ペアの出力電流が
高インピーダンスで供給される場合は単に各配線を接続
するだけの特別に簡単なワイヤード・オア回路で実現で
きて有利である。
第2図(a)(b)(c)に負荷回路の一例を示した。
(a)図は抵抗負荷15Aの例、(b)図はカレントミ
ラー負荷1.5 Bの例、(C)図はバイアス電圧端子
20を持つ電流源を備えた負荷15Cの例である。
ここに、従来例で示した第20図(b)から分かるよう
に、G□のカーブはy−軸に関して対称だから、なるべ
く広い線形動作範囲を得るためには、正負のオフセット
もy−軸に関して対称に与えるべきである。同様に、各
々の差動増幅ペア16のG□に対する重み付けもy−軸
に関して対称 5 に与えるべきである。したがって、差動増幅ペアを奇数
個(例えば5,7個)用いる場合は、ひとつの差動増幅
ペアにはオフセットを与えず、残り偶数個の差動増幅ペ
アは2組づつまとめて絶対値が等しく正負対称吐オフセ
ットとなるよう重み付けをすることになる。また、差動
増幅ペアを偶数個(例えば4,6個)用いる場合は、奇
数個の場合の残り偶数個の差動増幅ペアに対する処置と
同じにすればよい。
Gを最終的に得られる伝達コンダクタンス、αに、βを
G、に対する重み係数、dkをk (kは1以上の整数
)番目のオフセット値、Nを差動ペアの組の数、[N/
2]をN/2の整数部分を表す記号とすると、 G  (x)  −Σ 0g  (c−(x  dK)
+Gm  (x+dx ) l  +80m (x)・
・・・・・ (6) となる。
式(6)で総和記号の付いた項は、kについて 6 和をとることを表し、偶数個の差動増幅ペアを2組づつ
まとめた部分を表す。βの掛かった項は奇数個の差動増
幅ペアを用いる場合のオフセットを与えない部分を表し
ている。すなわち、偶数個の差動増幅ペアを用いて線形
化を行なう場合にはβ−〇となり、奇数個の差動増幅ペ
アを用いる場合はβ≠0となる。例えば、4組の差動増
幅ペアを用いて線形化を行なう場合は、4−2・2であ
るから、k−1,2であり、4は偶数だからβ−0とし
て、 G (x)−α1 (G□ (X−dl  ) +G□ (X+dl  )  1 +α2’  (Gm  (x   d2)+G□ (x
+d2 ))  ・・・・・・ (7)となる。
線形化に当っては、電流の一次導関数である伝達コンダ
クタンスGをできるだけ広範囲のXに対して一定値を取
るようにするのが望ましい。
そのためには、Gの各次数の導関数の値ができるだけ広
範囲にわたってゼロに近付くようにすれ 7 8 ばよい。一定値を近似する関数近似法としてよく用いら
れる方法に、最大平坦近似と、等リップル近似がある。
最大平坦近似は、x−0におけるGの導関数を、できる
だけ高い次数までゼロにする近似方法である。n次まで
の導関数がゼロの場合をn次の最大平坦特性と呼ぶ。
等リップル近似では、伝達コンダクタンスの一定な部分
を、ある予め決められた許容幅をもって実現しようとす
るものである。
以下の説明のため、G、の各次数の導関数を計算した結
果を示しておく。ここで、G□のn次の導関数をG m
 ”’と表すことにする。
Gm(0’ −dy/dx−1−tanh2(x)−G
m          ・・・・・・(8)Gm”’ 
=2tanh’  (x) 2tanh (x)      −(9)Gm(2’ 
−−6tanh’  (x)+8tanh2   (x
)   −2−・ノ  (10)Gm”’ =24ta
nh’  (x)−40tanh3 (x)+  1 
6tanh  (x)       −(11)Gm”
’  =−120tanh’  (x)+240 ta
nh’  (x ) 1 36tanh2 (x)  + 1 6・・・・・
・ (12) 次に、4組の差動増幅ペアを使う場合を例にとって、本
発明の第1の実施例を説明する。
第3図は本発明の第1の実施例の構成を説明するための
回路図である。同図で、15は負荷、16A、16B、
16C,16Dは第1〜第4の差動増幅ペア、7A、7
B、7C,7Dはオフセット電圧付与手段としての直流
電圧源、9A、9B。
9C,9Dはそれぞれ第1〜第4の差動増幅ペアの共通
エミッタに接続された電流源、1.2は入力端子、3,
4は出力端子を表している。
まず、電圧源7A、7B、7C,7Dおよび電流源9A
、9B、9C,9Dの具体的な値の決定法について説明
する。一般的な表現である(6)式を、4組の差動増幅
ペアを用いる場合について具体的に書くと次式となる。
1 つ G  (X)=a1 [Gm  (x   d+  )
+6m  (x+d+  )] +α2  [Gm  (x−d2 ) +6m  (x+d2)]   −−(13)すなわち
、式(13)は回路的にはオフセ・ソトd1を持った差
動ペア2組と、オフセ・ソトd2をもった差動ペア2組
との出力を、重みα1とα2の割合で加えたものに相当
する。また、重みα。
とα2は、その比が重要であって、α2−1としても一
般性を失わないから、以後これを仮定する。
さらに、対称性の考察から、 0 < d l< d 2         ・・・・
・・(14)としても一般性を、失わない。したがって
、式(13)は次式のように変形できる。
G (x)−a、[Gm (x−d+ )+6m (X
 + d 1) ] +[Gm (x  d2) 十〇m(x+d2)]  −−(15)上式はx−0に
関して対称であるから、G (x)の奇数次の導関数は
x−0においてゼロとなる。
 0 したがって、広い範囲にわたって平坦なトランスコンダ
クタンス特性を得るためには、できるだけ高次の偶数次
導関数までx−0においてゼロとなるようにパラメータ
を決定することが課題となる。
そこで、上記式(15)において、G”(0)−G” 
”(0)−0,となるようなd+ +  d2 +α1
を求める。ここで、ダッシュ符号(′)はXに関する微
分を表す。まず、2次の微分係数がゼロになる条件から
吟味する。
G” (0)−2α1 [3X’+4X21]+2 [
−3Y’ +4Y2−11 ・・・・・・(16) ここで、 X−tanh2(d r ) + Y’=tanh2 (d2 )           
−−(17)と置き換えた。したがって、0≦X<1.
0≦Yく1を満足する必要がある。
(16)式をYについて解くと: Y−[4/3± (16/’14/3)(1−α、(−
3X2+4X  1)l ] /21 ・・・・・・ (18) 上式で、 F=3X2+4X−1・・・・・・(1つ)と置くと、
根が0≦y<1を満足する条件は、簡単な計算から 一1/3F≦α、 <1/F   for  F>0゜
1/F≦(lr <−1/3F  f’or  F<Q
・・・・・・(20) となる。
いったんFの値を決めると、Fの取り得る範囲は−1<
F<1/3であるが、それに対応したαは正負全域の範
囲に亘って変化し得る。
以上のG”(0)になる条件を求める手順をまとめると
、次の■〜■となる。
■ O≦x<1なるXをひとつ決める。
■ (1つ)式で与えられるFの値を計算する。
■ (20)式からα、の取り得る範囲を定め、その範
囲のα1をひとつ選ぶ。
■ (18)にFとα1の値を代入してYの値を計算す
る。
■ 上の■と■と■で決めたXとYとα1の組が、G”
(0)−0にするパラメータである。
上記の手順から明らかな如く、Xとα1の取り得る範囲
は関係があり、このα1を介してYの取り得る値の範囲
が決まる。したがって、2次の微分係数をゼロにする条
件を課しても、可能なYの範囲から、ある特定のYを選
択する自由度が残る。
すなわち、この自由度を用いて、さらに何次かの微分係
数がゼロにできる可能性がある。そこで、次に4次の微
分係数をゼロにする条件を調べる。
4次の微分係数は次式で与えられる。
G””(0)−16(−15Y3+30Y217Y+2
)+16α1 (15X3+30X2 17X+2)   ・・・・・・(21)ただし、x、
y、  α1は上に述べた■〜■の条件を満たしている
ものとする。
計算機を用いて(21)式の値を数値的に評価した。そ
の際、d2を与えることによって(21)式を評価する
だけでなく、繰り返し計算によって、 3 4次の微分係数をゼロにするYの値、すなわちd、の値
およびそのときの6次の微分係数も計算した。
計算結果によれば、d2;i=1.147及びd2≧2
.358の領域で、G(0)≠0かつG ””(0)−
0を満足する解が存在することがわかった。これ以外の
領域では、各次数の微分係数がゼロにはなるが、伝達コ
ンダクタンス自体もゼロとなるので回路的には意味のな
い解になる。
さらに、d2−1.2977付近において、6次の微分
係数もゼロであるから、この条件では7次の最大平坦特
性を得ることができる。
以上をまとめると、(15)式において、dl =0.
354071095 d2−1.297724854 αr−0.5478454142 の条件を満たすとき、7次の最大平坦特性が得られるこ
とになる。
さて、次に以上の結果を実際の回路に適用する例を示す
 4 式(3)で正規化を行なった変数x、yを元の変数に戻
せば、 1i−Yαp / I BB       ・・・・・
・(22)V a =  X 2 V T      
  −・= (23)となる。したがって、dKに対応
するオフセット電圧をvdKとすると、 VdK=  dK2Vt 、(k−1,2)(24) テする。これらのdt、d2に対応するオフセット電圧
V dl+ V 、2は式(24)により、絶対温度T
m2O3にのとき Vd+−0,354071095・2VT−−18,3
0mV     ・・・・・・(25)V−2−1,2
97724854・2V。
−67,07mV     ・・・・・・(26)とな
る。
ゆえに、第3図に示す4組の差動増幅ペアの入力端子と
出力端子同士をそれぞれ並列的に接続された回路構成に
おいて、たとえばオフセット電圧を与える手段7Bと7
cとしてそれぞれ−18゜ 5 6 30mVおよび+18.30mVの直流電圧源を用い、
7Aと7Bとしてそれぞれ−67,07mVおよび+6
7.07mVの直流電圧源を用い、出力電流を重み付け
する手段としてたとえば各差動増幅ペアの共通エミッタ
に接続されている電流源9A、9B、9C,9Dを用い
て、それらの電流値をそれぞれ約1 : 0.5478
1 : 0.54781 : 1に設定することによっ
て、7次の最大平坦特性が実現できる。
ここで負荷15の電流源22.23は回路の直流動作点
を決めるためのものであって、それぞれほぼ電流源9A
、9B、9C,9Dの電流値の和の2分の1づつに設定
する。
このように設定した場合の回路の動作をより直観的に説
明するため、第3図の各差動増幅ペア16A、16B、
16C,16Dの差動入力電圧に対する差動出力電流の
依存性を第4図(a)のグラフ25,27a、27b、
26でそれぞれ示す。
各差動増幅ペアの出力端子は並列接続されているので、
負荷抵抗24を流れる差動出力電流は、それぞれの電流
の和になるから、第4図(a)に示す25,27a、2
7b、26のカーブの和になり、同図に28で示すカー
ブとなる。
同図から明らかなように、カーブ28は25〜27のど
れよりも広い直線範囲を示している。
このことをより明確にするため、カーブ25〜28を微
分したカーブ、すなわちトランスコンダクタンスのカー
ブをそれぞれの番号に′を付けて第4図(b)に示した
。同図から、本例の線形化差動増幅器のトランスコンダ
クタンスのカーブ28−は通常の差動増幅ペアのそれを
横細方向へ平行移動したものである26′に比べて9倍
以上の広い線形動作範囲を提供することがわかる。
第3図に示した回路では、逆極性で大きさの等しいオフ
セット電圧付与手段7A、7D (7B。
7C)が、差動増幅ペア16A、16D (16B。
16C)を構成するトランスジスフ5A、5D(5B、
5C)にそれぞれ加えられているが、差動増幅ペアの特
性を利用して、たとえば、第5図に示すように、7A 
(7B)を短絡除去し、代わ 7 すl=トランジスタ6A (6B)のベース端子と入力
端子2の間に大きさが7A (7B)と等しい電圧源を
入力端子2の側が正になるように挿入しても全く同様の
効果が得られる。
さらに、オフセット電圧付与手段として別の方法を用い
た例を第6図を用いて説明する。この方法は差動増幅ペ
アを構成する2個のトランジスタのエミッタ面積を故意
に異ならせることにより、・オフセットを持った差動増
幅ペアを得るものである。
すなわち、トランジスタのベース・エミッタ間電圧をV
be、コレクタ電流を!。とすると、V b @−V 
71 o g e  [I c / I s ] =・
・= (27)なる関係が戊り立っ。ここで、VT、I
、は前述の熱電圧、逆方向飽和電流である。I5はエミ
ッタ面積に比例するので、差動増幅ペアの一方のトラン
ジスタのエミッタ面積を他方のM倍にすると、コレクタ
電流が同じだと、そのトランジスタのベース・エミッタ
間電圧Vbeは、 Vbe−Vo log、[Ic/Mls] 8 ・・・・・・ (28) となるので、両トランジスタのベース・エミッタ間電圧
の差を△v、eとすると ΔVb、=V’T l og、[Ic /Is ]V 
71 o g s  [I c / M I s ]=
VT、 o ge  (M)   −= (29)とな
る。
したがって、この非対称な差動増幅ペアは、見掛上V。
log、(M)のオフセット電圧を持つ対称な差動増幅
ペアと等価になる。本実施例の場合は v、r log、(M)=dk2VT  (k=1.2
)・・・・・・(30) となるようにMを定めればよいから、二つのMを添字で
区別すると、 Ml−e”’−13.40261−=−(31)M2=
e”2−2.030215− (32)となる。
すなわち、差動増幅ペアを構成するトランジスタのエミ
ッタ面積の比を1 :13.4026]お 0 よび1:2.030215にすればよい。
このオフセット電圧付与手段は、第3図及び第5図に示
した実施例とくらべて、温度補償をする必要のない点が
優れている。すなわち、オフセット電圧付与手段として
直流電圧源を用いるならば、その値は式(24)で与え
られる通り、vTに比例する必要がある。しかるに、エ
ミッタ面積の違いを利用したオフセット電圧手段は式(
30)から分かるようにVlが打ち消し合うから、自動
的にその温度に応じた適切なオフセット電圧を発生する
ことができる。
第6図は第2実施例の具体的な回路例である。
図において、第3図及び第5図と異なるところは、オフ
セット電圧付与手段が電圧源ではなく、差動増幅ペアの
エミッタ面積の違いで実現されているところである。
第6図において、オフセット電圧材り1丁段はトランジ
スタ5A、6Dのエミッタ面積がトランジスタ6A、5
Dのエミッタ面積の約13.40倍に、トランジスタ5
B、6Cのエミッタ面積がトランジスタ6B、5Cのエ
ミッタ面積の約2.03倍にそれぞれ設定しであること
で実現されている。
さらに別の変形例を説明する。第7図(a)はオフセッ
ト電圧V、11. Vd2を発生するための回路である
が、オフセット電圧はエミッタフォロワを構成するトラ
ンジスタ30,31.32のエミ・ソタ面積の違いによ
って変化させることができる点に着目する。
すなわち、式(30)のM値を、トランジスタ30.3
1.32のエミツタ面積比としても、所望のオフセット
を得ることができる。この場合はトランジスタ30,3
1.32に等しい電流を流すためにトランジスタ33,
34.35による電流源が配設されている。すなわちト
ランジスタ33.34.35はいずれも同じエミッタ面
積のトランジスタであり、それらのベースに端子37を
介して等しい電圧が与えられている。この条件は、前記
式(29)を導いた場合と同じであるから、トランジス
タ30と31のエミッタ面積比M1を1 約1:2.03、トランジスタ30と32のエミッタ面
積比M2を約1:13.40とすることにより入力端子
36に加えられた電圧は出力端子38と39および38
と40の間で式(24)の値だけ電位差を持つようにな
る。
このようにすることにより、絶対温度が300にのとき
出力端子38を基準にして、出力端子39.40はそれ
ぞれ約18.30mV、67.07mVの電位差を発生
することができ、第3図の回路と同様の効果が得られる
さらに、第7図CE1)に示すオフセット電圧を発生す
る回路を用いて構成される差動増幅器の各差動増幅ペア
はすべて同じエミツタ面積比のトランジスタを用いて構
成することができるので、エミッタ面積の大きいトラン
ジスタを含む第6図の回路よりも高周波特性の優れた7
次の最大平坦特性を得ることができる。
つぎに、さらに別の変形例を説明する。すでに説明した
ように、第7図(a)はオフセットを発生するための回
路であるが、オフセット電圧はト 2 ランジスタ30,31.32のエミッタ面積の違いだけ
でなく、これらの動作電流によっても変化させることが
できる。
すなわち、式(30)のM値を、トランジスタ30.3
1.32のエミツタ面積比でなく動作電流の比としても
、所望のオフセットを得ることができる。
この場合はトランジスタ30,31.32を等しいエミ
ッタ面積とし、それぞれにM2:Ml:1の電流を流す
ためにトランジスタ33.3435による電流源を配設
すればよい。すなわち、この場合はトランジスタ33,
34.35はエミツタ面積比をM2:Ml:1としたト
ランジスタであり、それらのベースには端子37を介し
て等しい電圧が与えられている。この条件は、前記式(
29)を導いた場合と同じであるから、入力端子36に
加えられた電圧は出力端子38と39の間で式(24)
の値だけ電位差を持つようになる。
したがって、第7図(a)の回路を用いて構成される第
8図の回路構成において、トランジスタ 3 4 33.34.35のエミッタ面積を等しく設定し、トラ
ンジスタ30,31.32のエミツタ面積比を1:2.
03:13.04とすることにより、第3図の回路と同
様の効果が得られる。
上述のエミッタフォロワを用いたオフセット電圧付与手
段では周波数特性が向上するという利点があるものの、
差動増幅ペア自体のエミッタ面積を変える第6図に示し
た実施例に比べて、回路を構成するトランジスタの占め
る総面積が大きくなってしまうという問題が残る。この
点を緩和するため、エミッタフォロワを用いるオフセッ
ト電圧手段のトランジスタが占める面積を低減する方法
をつぎに示す。
オフセット電圧V dl+ V d2を発生するための
第7図(a)の回路において、オフセット電圧はトラン
ジスタのエミッタ面積の違いだけでなく、これらの動作
電流によっても変化させることができる点に着目する。
すなわち、式(28)のM値を、トランジスタ30,3
1.32のエミツタ面積比だけでなく動作電流の比も利
用して実現することにより、所望のオフセットを得るこ
とができる。
そこで、面積比だけ、あるいは電流比だけを利用するの
ではなく、この両方を利用して占有面積も電流値も適当
な値にできる。
この回路でトランジスタの占有面積を減らすため、トラ
ンジスタのエミッタ電流を異ならせた例を第7図(b)
に示す。
第7図(b)では第7図(a)に比べてトランジスタの
占有面積を削減するために、トランジスタ41,42.
43および44,45.463.661 : 3.66
1 : 2.569 : 1に設定する。このようにす
ることにより、絶対温度が300にのとき出力端子38
を基準にして、出力端子30.40はそれぞれ約18.
30mV、67゜07mVの電位差を発生することがで
き、第3図の回路よりも良好な高周波特性を得ることが
できる。この場合の全体の回路構成を第9図に示す。
この方法による面積低減の効果を比較してみる 5 と、最も小さいトランジスタのエミッタ面積を1として
、第6図の回路では2・ (13,4o+1+2.03
+1)−34,86となり、第9図の差動増幅器に第7
図(a)のオフセット電圧付与手段を適用した場合は2
・ (1+1 +2. 030+1+13.40+4)
−46,86となり、また第9図に第7図(b)のオフ
セット電圧付与手段を適用した場合は2・ (1+3゜
661+1゜425+2.569+3.661+4)−
34゜63となり、第7図(b)に示した面積低減法を
適用すると、素子数は増加するがむしろ第3図の回路よ
りも少ない面積で、より高性能の回路が実現できること
が分かる。
ここで、本発明に係る線形範囲拡大の効果をより明確に
示すため、従来の差動増幅ペア2組を用いる増幅器と、
本発明に係る4組の差動増幅ペアを用いる増幅器を、正
規化した人出力特性のグラフで比較してみる。第10図
はトランスコンダクタンス特性のグラフであるが、横軸
が差動入力電圧であり、縦軸が正規化したトランスコン
ダクタ 6 ンスである。
同図中で1は4組の差動増幅ペアを用いた水嵩の場合の
トランスコンダクタンスを、■は従来の2組の差動増幅
ペアを用いた場合のトランスコンダクタンス特性をそれ
ぞれ裏している。同図から明らかなように、本発明によ
り線形動作範囲を大幅に拡大できることが分かる。
定量的に線形範囲の広さを比較するため、最大値で正規
化したトランスコンダクタンスG (Va )が最大値
から1%低下するまでのvdの幅(尖−尖頭値)を調べ
た結果を族1に示す。
(以下余白)  7 8 表1 各線形化法に対する線形範囲とその条件上記表か
ら、G(Va)が最大値から1%低下するまでのV、の
幅で比較すると、差動ペアを4組用いることにより、単
なる差動ペアに比べて約9.35倍、従来の2組の差動
ペアを用いる線形化差動ペアに比べて約2.32倍に線
形範囲が拡大されている。
これまでの説明の過程かられかるように、5組以上の差
動ペアを用いて、同様な手続きによりいくらでも広い範
囲に亘って線形化が可能なことは明らかである。ただ、
その場合は、4組までの場合と違って、最大平坦特性を
与えるパラメータが解析的に求まらず、数値計算によっ
て求めなければならない。
これまではトランスコンダクタンスができるだけ水平な
線に近似するよう、最大平坦特性を実現する条件に、つ
いて述べたが、他の近似法として、一定の波打ちを許容
する等リップル近似があり、波打ちを許すことにより最
大平坦近似よりも広い線形範囲が得られる。そこで、つ
ぎに、4組の差動ペアを用いた線形化差動増幅器におい
で等リッ9 プル近似を実現する実施例について説明する。
等リップル特性を実現するために必要なパラメータに関
する解析的な条件を導くことはできるが、非線形の連立
方程式となり、それを解くのは困難であるため、ここで
は計算機を用いて数値的にパラメータの近似値を求めた
。その−例として、αl−0,72゜ α2=1゜ dl−0,55゜ d2−1.794 とすると、トランスコンダクタンスは最大値の約0.7
5%の波打ちをもった等リップル特性にできる。
上記のパラメータを回路的に実現するには、これまでに
説明した本発明の実施例の回路が全て利用できることは
当然である。この実施例の効果を他の場合と比較するた
め、第10図の中に符号■を付けて等リップル近似の実
施例を示した。同図(a)から明らかなように最大平坦
近似の場合よりも平坦な範囲が広がっている。ただし、
同図 0 (b)に示す部分拡大図から見える通り、細かく見ると
波打ちが観察される。
たとえば、負荷回路として同図(b)のカレントミラー
を用いれば、出力端子4に接続された別の負荷に対して
入力端子1,2の間に印加された差動入力電圧のトラン
スコンダクタンス倍の電流を、別の負荷に流すことがで
きる。
本発明はまた、第5図(b)に示した各差動増幅ペアの
トランスコンダクタンスの合成の仕方から容易に考え付
くように、オフセット電圧値と出力電流の重み付け係数
を、最大平坦特性を与える値から適当に変化させること
により、全体のトランスコンダクタンスの平坦性をある
程度低下させて、トランスコンダクタンスが一定と見做
せる範囲をより拡大することができるのも明らかである
さらに、実施例は差動増幅ペアを構成するトランジスタ
として全てNPN )ランジスタを用いて説明したが、
これはPNP )ランジスタであっても同様の効果を得
ることができる。また、ここで用いたバイポーラトラン
ジスタとしては、ゲルマ1 2 ニウム、シリコン、ガリウム砒素など、どれでも同様の
効果を得ることができる。勿論ヘテロバイポーラトラン
ジスタを用いることもできる。
要するに、4組以上の差動ペアを並列してトランスコン
ダクタンスの平坦範囲を拡大せんと意図するものは全て
本発明に含まれる。
また、以上の実施例では単に増幅器の応用のみを示した
が、増幅器を利用したフィルタ、リミッタ、ミクサ回路
等にも使用できる。
まず、リミッタとしての実施例を説明する。第4図(a
)から明らかなように、本発明によれば、例えばN−4
のとき同図の曲線28に示されるような入出力特性を実
現することができ、例えば同図の曲線25に示されてい
るような従来の単なる差動増幅器の人出力特性に比べて
肩の部分の湾曲が角張っている。第11図はこれらの人
力特性を比較する目的で、人力、出力共に正規化して示
したものである。理想的なリミッタの人出力特性は、第
11図に示した折れ線47で表わされるものであるが、
本発明によれば従来の単なる差動増幅器の特性48に比
べて理想に近い特性4つを実現できる。差動ペア数Nが
4の場合の特性を示す。具体的には、第1図、第3図、
第5図、第6図、第8図、第9図に示した上述の実施例
において、用途に応じて負荷15を第2図(a)〜(c
)等の適当な回路で実現し、入力端子1,2から信号を
入力し、出力端子3,4から振幅制限された出力を得る
ことができる。
次に本発明の増幅器を乗算器に適用した場合の実施例を
説明する。
第12図は本発明を適用したアナログ乗算器の回路図で
ある。同図で50 (50−1,5(12゜5O−3)
は本発明に係る線形化差動増幅器を表しており、−例と
して第6図の差動増幅器を用いている。この部分は本発
明の第8図に示されている実施例のものを用いても差し
つかえない。
第12図には、3つの線形化差動増幅器501.50−
2.50−3が示されているが、このうち同図の上部に
ある50−2は下部にある2つとは逆特性のトランジス
タで構成されている。こ 3 のことは必ずしも必要な条件ではないが、回路が単純に
なるのでこの場合について説明する。
第12図において、第1の入力信号源51によって第1
の入力端子52.53に印加された差動電圧信号は第2
の線形化差動増幅器5o−2のトランスコンダクタンス
によって差動出力電流を生じ、その差動出力電流をダイ
オード接続されたトランジスタ54.55によって第1
.第3の線形化差動増幅器50−1.50−3の動作電
流が差動出力電流に比例するように配設しである。
一方、第1、第3の線形化差動増幅器50−1゜50−
3は、第2の人力信号源56によって第2の入力端子5
7.58に印加された信号が互いに逆相で人力されるよ
うに接続され、かつ第1、第3の線形化差動増幅器50
−1.50−3の出力電流は互いに加え合うように接続
されており、最終的な出力はこれら第1.第3の線形化
差動増幅器50−1.50−3の出力電流を負荷抵抗5
9゜60で電圧に変換して出力端子61.62へ出力さ
れる。
 4 まず第1の信号源51の差動入力端子が零のときは、第
1、第3の線形化差動増幅器50−1゜50−3の動作
電流が等しいので、第2の信号源56の差動入力端子に
関係なく第1、第3の線形化差動増幅器50−1.50
−3の出力電流の変化分は互いに打ち消し合い、これら
を加え合わせた出力電流は変化しない。すなわち出力端
子61゜62の電位差も零となる。しかし、第1−の信
号源51の差動入力端子が零でないときは、第1、第3
の線形化差動増幅器50−1.50−3の動作電流が第
1の人力に比例した互いに逆極性の変化を生ずるので、
第2の信号源56の差動入力端子に比例した値となる。
このとき、その比例係数は第1、第3の線形化差動増幅
器50−1..503のトランスコンダクタンスで決ま
り、これは動作電流に比例するから、結局第1の入力に
比例することとなる。
したがって、出力端子61.62に得られる差動出力は
、第1および第2の信号源51..56の双方の差動入
力端子に比例した値となり、結局乗 5 6 算器が実現できる。回路の対称性から、第2の差動入力
信号が零の場合は最終的な差動出力電圧も零となること
は明らかである。かくして、第12図の構成によれば4
.象限型のアナログ乗算器が実現できる。
第13図は、第12図の回路において電流源63の値を
10μA1正の電源端子64と負の電源端子65の間に
1.5vを印加することにより電源電圧を±0.75V
とした場合の入出力特性をシミュレーションした結果を
示す。
同図の横軸は第1の信号源51の差動入力端子であり、
縦軸は負荷抵抗59.60を流れる電流の差電流値であ
り、パラメータとして第2の信号源56の差動入力電圧
を一40mV〜40mVの範囲で変化させた。同図から
、第1、第2いづれの人力に対しても士数十mVの範囲
にわたって線形動作することがわかる。
この回路は、例えば前記文献「アナログ集積回路J 7
.3.節(pp、234−238)に記載されている従
来の差動ペアを用いた可変トランスコンダクタンス型乗
算器(同書、図7.3)、[または“旧pdar an
d MOS Analog Integrated C
1rcuit Designの 9.4. pp、 4
56−459  FIgure9 、41の変形に相当
するが、間部に述べられているように従来の差動ペアで
は線形動作範囲は数mV以下であった。これに本発明に
よる線形化差動増幅器を用いることにより、10倍以上
の線形範囲拡大が低い電源電圧で可能となる。
さて、以上では3つの線形化差動増幅器5゜1.50−
2.50−3のうち第1、第3がNPN1第2がPNP
 トランジスタで構成されている例を説明したが、例え
ば第14図のごとく全てNPNトランジスタで構成され
た線形化差動増幅器50−1と同じものを3個用い、中
央に示したものの出力電流をカレントミラー回路66.
6’7で折り返しても第12図と同様の動作が実現でき
る。
ただし、中央の線形化差動増幅器をNPN トランジス
タで構成したため、バイアスを設定するためのトランジ
スタと電流源68.63をそれぞれ逆極性の68Aと6
3Aに変更する必要がある。
 7 次に、本発明の線形化差動増幅器は動作電流を変化させ
ることにより、可変トランスコンダクタとして使用でき
る。したがって、例えば文献O,V。
11、calder;  “Audio Freque
ncy Gyrattor Filters「or a
n Integrated Radio Paging
 ReceiverInternational Co
nference on Mobile Radio 
Techniques、IEE Conf’erenc
e、York England、pp、21−28.1
984.のPig、3.4に記載されているように、ト
ランスコンダクタを2個用いてジャイレータを構成し、
そのジャイレータとキャパシタを用いて等偏向にインダ
クタを実現することができるから、最終的にトランスコ
ンダクタとキャパシタを用いて集積回路でアクティブフ
ィルタを実現できる。
第15図は、同文献に示されている手法で設計した5次
のローパスフィルタの回路図である。同図中の三角形の
記号はトランスコンダクタを表しており、具体的には第
16図に示すように本発明の線形化差動増幅器(この場
合はN=4の例を示しである)を用いることができる。
同文献ではN−2の従来の線形化差動増幅器を用いてい
るので、 8 この実施例の方が2倍以上の線形動作範囲が確保できる
。実際には、線形化差動増幅器は数mV〜10mV程度
のオフセット電圧を有するため、その分だけ線形動作範
囲が狭まる。すなわち、従来の線形化差動増幅器のよう
に線形動作範囲が30mV程度しかない場合は本発明の
ように100mV程度の線形動作範囲を有するものに比
べて、事実上下著しく線形動作範囲が狭まることとなり
、実際は本発明の方が数倍の線形動作範囲を有する結果
となる。
第17図は、第16図に示した本発明に係る線形化差動
増幅器を、第15図のローパスフィルタに適用して実際
に試作したアクティブフィルタの周波数特性の実測結果
である。同図はパラメータを電源電圧として入力端子が
1.00 m V p −pの条件で測定したものであ
り、1V程度まで良好な性能を示している。また、第1
8図は、試作したアクティブフィルタの11c Hzに
おける歪率特性の実測結果であり、歪率が1%の点て見
ると、電源電圧1.IV、1.5Vのいずれについても
約4 つ  0 150mVp−pの入力が可能であった。以上のように
、本発明は低電圧動作に好適であることが実証された。
[発明の効果] 以上の通り、本発明は特許請求の範囲に記載の通りの線
形化差動増幅器であるので、広い線形動作範囲を有し、
かつ人力インピーダンスを高くすることができ、増幅器
を始めとして、増幅器を利用したフィルタ、リミッタ、
ミクサ回路等に広く利用できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の全体概要を示す説明図、第2図は本発
明に利用される負荷の一例を示す説明図、第3図は本発
明の一実施例を示す回路図、第4図は上記実施例の作用
を示す説明図、第5図は上記実施例の変形例を示す回路
図、第6図は上記実施例の他の変形例を示す回路図、第
7図(a)(b)はいずれも本発明の他の実施例に用い
るオフセット電圧付与手段の構成例を示す回路図、第8
図は第7図(a)に示す回路を用いた差動増幅器の回路
図、第9図は第7図(b)の回路を用いた差動増幅器の
回路図、第10図は本発明の作用を従来例との比較で示
す説明図、第11図はリミッタへの対応につき正規化人
力に対する正規化出力の特性を示す説明図、第12図は
アナログ乗算器への応用例を示す回路図、第13図は第
12図の回路の人出力特性のシミュレーション結果の説
明図、第14図は第12図のアナログ乗算器の他の実施
例を示す説明図、第15図は5次のローパスフィルタの
回路図、第16図はこの回路に適用される線形化差動増
幅器の説明図、第17図はこの線形化差動増幅器の周波
数特性の説明図、第18図はアクティブフィルタの歪率
特性の実測結果を示す図、第19図は一般的な差動増幅
ペアの説明図、第20図はその作用を示す説明図である
。 1 2 第 2図(b) 符F3FJ干 5 11/υ4(1/) 1 第7図(a) X線 毛

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)バイポーラトランジスタを用いた差動増幅ペアの
    入力端子同士と出力端子同士をそれぞれ並列的に接続し
    て成る差動増幅器において、Nを4以上の整数としてN
    組の差動増幅ペアを並列配置し、各差動増幅ペアに等価
    的なオフセット電圧を与える手段と、これらの出力電流
    を重み付けする手段と、これらの出力電流を加算する手
    段と、を具備することを特徴とする線形化差動増幅器。
  2. (2)請求項1に記載の線形化差動増幅器において、前
    記オフセット電圧を与える手段及び前記重み付けする手
    段は、差動入力電圧の変化分に対する差動出力電流の変
    化分が平坦特性となるような等価的オフセット電圧と出
    力電流の重み付けを行うことを特徴とする線形化差動増
    幅器。
  3. (3)請求項1に記載の線形化差動増幅器において、前
    記オフセット電圧を与える手段及び前記重み付け手段は
    、差動入力電圧の変化分に対する差動出力電流の変化分
    が等リップル特性となるような等価的オフセット電圧と
    出力電流の重み付けを行うことを特徴とする線形化差動
    増幅器。
  4. (4)請求項2に記載の線形化差動増幅器において、前
    記重み付けする手段が重み付けする電流は、前記差動増
    幅ペアの共通接続されたエミッタに接続された電流源の
    電流値であることを特徴とする線形化差動増幅器。
  5. (5)請求項3に記載の線形化差動増幅器において、前
    記重み付け手段が重み付けする電流は、前記差動増幅ペ
    アの共通接続されたエミッタに接続された電流源の電流
    値であることを特徴とする線形化差動増幅器。
  6. (6)請求項4に記載の線形化差動増幅器において、差
    動増幅ペアの数が4組であり、該4組の差動増幅ペアに
    与える等価的オフセット電圧がそれぞれ、第1の差動増
    幅対に対しては1.298・2・V_T、第2の差動増
    幅ペアに対しては0.354・2・V_T、第3の差動
    増幅ペアに対しては−0.354・2・V_T、第4の
    差動増幅ペアに対しては−1.298・2・V_T(た
    だしV_Tは熱電圧で、V_T=KT/q、K:ボルツ
    マン定数、T:絶対温度、q:電子の電荷)付近であり
    、該4組の差動増幅ペアの出力電流の重み付けのわりあ
    いが、前記第1および第4の差動増幅ペアの出力電流に
    対して他の2組の差動増幅ペアの出力電流が0.547
    8倍付近であるように構成したことを特徴とする線形化
    差動増幅器。
  7. (7)請求項1に記載の線形化差動増幅器において、前
    記オフセット電圧を与える手段を、各差動増幅ペアの構
    成要素であるトランジスタのエミッタ面積を変化させる
    ことで構成することを特徴とする線形化差動増幅器。
  8. (8)請求項1に記載の線形化差動増幅器において、前
    記差動増幅ペアの出力電流を加算する手段が、前記差動
    増幅ペアの出力端子同士を接続するワイヤード・オアで
    構成されることを特徴とする線形化差動増幅器。
  9. (9)請求項1に記載の線形化差動増幅器において、前
    記電流を重み付けする手段は、全ての差動増幅ペアの動
    作電流を比例させて変化させることにより、トランスコ
    ンダクタンスを可変としたものであることを特徴とする
    線形化差動増幅器。
  10. (10)請求項1に記載の線形化差動増幅器において、
    差動増幅ペアを構成するバイポーラトランジスタが、シ
    リコントランジスタ、またはシリコンヘテロバイポーラ
    トランジスタ、またはガリウム砒素ヘテロバイポーラト
    ランジスタであることを特徴とする線形化差動増幅器。
  11. (11)請求項1に記載の線形化差動増幅器において、
    前記重み付けする手段は、全ての差動増幅ペアの動作電
    流を絶対温度に比例して変化させることを特徴とする線
    形化差動増幅器。
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