JPH0372366B2 - - Google Patents
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- JPH0372366B2 JPH0372366B2 JP58131938A JP13193883A JPH0372366B2 JP H0372366 B2 JPH0372366 B2 JP H0372366B2 JP 58131938 A JP58131938 A JP 58131938A JP 13193883 A JP13193883 A JP 13193883A JP H0372366 B2 JPH0372366 B2 JP H0372366B2
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- forming
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Classifications
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B21—MECHANICAL METAL-WORKING WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
- B21C—MANUFACTURE OF METAL SHEETS, WIRE, RODS, TUBES OR PROFILES, OTHERWISE THAN BY ROLLING; AUXILIARY OPERATIONS USED IN CONNECTION WITH METAL-WORKING WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL
- B21C37/00—Manufacture of metal sheets, bars, wire, tubes or like semi-manufactured products, not otherwise provided for; Manufacture of tubes of special shape
- B21C37/06—Manufacture of metal sheets, bars, wire, tubes or like semi-manufactured products, not otherwise provided for; Manufacture of tubes of special shape of tubes or metal hoses; Combined procedures for making tubes, e.g. for making multi-wall tubes
- B21C37/08—Making tubes with welded or soldered seams
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B21—MECHANICAL METAL-WORKING WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
- B21D—WORKING OR PROCESSING OF SHEET METAL OR METAL TUBES, RODS OR PROFILES WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
- B21D5/00—Bending sheet metal along straight lines, e.g. to form simple curves
- B21D5/06—Bending sheet metal along straight lines, e.g. to form simple curves by drawing procedure making use of dies or forming-rollers, e.g. making profiles
- B21D5/10—Bending sheet metal along straight lines, e.g. to form simple curves by drawing procedure making use of dies or forming-rollers, e.g. making profiles for making tubes
- B21D5/12—Bending sheet metal along straight lines, e.g. to form simple curves by drawing procedure making use of dies or forming-rollers, e.g. making profiles for making tubes making use of forming-rollers
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Bending Of Plates, Rods, And Pipes (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕
本発明は、帯板を連続的にロール成形し、素管
を形成する電縫鋼管の成形方法に関する。
を形成する電縫鋼管の成形方法に関する。
一般に、シーム線が管軸と平行に延びている電
縫鋼管の製造方法においては、製造されるべき電
縫鋼管の展開寸法に予め裁断された帯板を、粗、
中間成形過程で各種成形ロールにより順次所定形
状に成形し、仕上成形過程のフインパスロールに
よつて縫目エツジ部の安定な成形を図り、所定の
形状寸法の素管に仕上成形した後、スクイズロー
ルによつてその縫目エツジ部の溶接を行なつてい
る。このような電縫鋼管の製造において、予め行
なわれる素管の成形は、電縫鋼管の溶接品質、ミ
ルの稼動率等を左右するものであり、したがつて
その成形方法の選定は極めて重要である。
縫鋼管の製造方法においては、製造されるべき電
縫鋼管の展開寸法に予め裁断された帯板を、粗、
中間成形過程で各種成形ロールにより順次所定形
状に成形し、仕上成形過程のフインパスロールに
よつて縫目エツジ部の安定な成形を図り、所定の
形状寸法の素管に仕上成形した後、スクイズロー
ルによつてその縫目エツジ部の溶接を行なつてい
る。このような電縫鋼管の製造において、予め行
なわれる素管の成形は、電縫鋼管の溶接品質、ミ
ルの稼動率等を左右するものであり、したがつて
その成形方法の選定は極めて重要である。
上記電縫鋼管の成形方法は、ソフトウエア的技
術と言える成形過程におけるコイル断面成形形状
すなわち成形フラワーと、ハードウエア的な成形
設備による具体的成形方式とをそれぞれ選択し、
それらを組み合わせることによつて構成されてい
る。ここで、成形フラワーとは、帯板をロール成
形する際に、帯板の進行とともに帯板が各ロール
によつて順次成形されて行なく過程を、その成形
帯板の断面形状によつて表わした線図をいう。
術と言える成形過程におけるコイル断面成形形状
すなわち成形フラワーと、ハードウエア的な成形
設備による具体的成形方式とをそれぞれ選択し、
それらを組み合わせることによつて構成されてい
る。ここで、成形フラワーとは、帯板をロール成
形する際に、帯板の進行とともに帯板が各ロール
によつて順次成形されて行なく過程を、その成形
帯板の断面形状によつて表わした線図をいう。
従来の電縫鋼管の成形方法において、その粗、
中間成形過程の成形フラワーとしては、帯板全体
の曲げ成形を行なう。例えば第1図Aに示すサー
キユラーベンド方式、第1図Bに示すサーキユラ
ーベンド方式とエツジベンドの組み合せ方式、第
1図Cに示すWベンドとサーキユラーベンドの組
み合せ成形方式、第1図Dに示すサーキユラーベ
ンド、エツジベンドおよびセンターベンドの組み
合せ成形方式等を採用している。しかしながら、
これらの成形方式においては、粗、中間成形過程
での成形ロール数の増加、ロール調整および交換
時間の増加等の問題がある。なお、サーキユラー
ベンド、エツジベンド、Wベンド、センターベン
ド、ならびにそれらの組み合せ成形方式の各成形
方式において、「成形ロール数」はそれら成形方
式を採用したミルの製造者におけるノウハウにて
決められている。この時、従来のいずれの製造者
においても、それら成形方式において、粗・中間
成形過程での成形ロール数は増加せざるを得ない
とされている。これは、それらの成形方式が粗・
中間成形過程で帯板の幅方向の全域を曲げ成形す
るものであることに原因するのではないかと思料
する。
中間成形過程の成形フラワーとしては、帯板全体
の曲げ成形を行なう。例えば第1図Aに示すサー
キユラーベンド方式、第1図Bに示すサーキユラ
ーベンド方式とエツジベンドの組み合せ方式、第
1図Cに示すWベンドとサーキユラーベンドの組
み合せ成形方式、第1図Dに示すサーキユラーベ
ンド、エツジベンドおよびセンターベンドの組み
合せ成形方式等を採用している。しかしながら、
これらの成形方式においては、粗、中間成形過程
での成形ロール数の増加、ロール調整および交換
時間の増加等の問題がある。なお、サーキユラー
ベンド、エツジベンド、Wベンド、センターベン
ド、ならびにそれらの組み合せ成形方式の各成形
方式において、「成形ロール数」はそれら成形方
式を採用したミルの製造者におけるノウハウにて
決められている。この時、従来のいずれの製造者
においても、それら成形方式において、粗・中間
成形過程での成形ロール数は増加せざるを得ない
とされている。これは、それらの成形方式が粗・
中間成形過程で帯板の幅方向の全域を曲げ成形す
るものであることに原因するのではないかと思料
する。
次に、従来の電縫鋼管の成形方法において、そ
の仕上成形過程すなわちフインパス成形過程にお
けるフインパス成形フラワーとしては、第2図A
およびBに示す2つの成形方式が知られている。
その1つは、第2図Aに示すもので、一般にヨー
ダー、マツケイ型成形フラワーと呼ばれている成
形方式であり、素管全体を逐次幅寄せ曲げ成形し
ながら、素管全体を丸めていく全体幅寄せ曲げ加
工法である。他の1つは、第2図Bに示す成形方
式のものであり、一般にエトナ型成形フラワーと
呼ばれている成形方式であり、粗、中間成形域で
予め素管下半分を最終成形円筒曲率まで成形し、
素管上半分を最終成形円筒曲率の50〜70%程度の
曲率に成形しておき、フインパス成形過程で素管
上半分の幅寄せ曲げ成形を行ない、エツジ部を成
形する一部幅寄せ曲げ加工法である。
の仕上成形過程すなわちフインパス成形過程にお
けるフインパス成形フラワーとしては、第2図A
およびBに示す2つの成形方式が知られている。
その1つは、第2図Aに示すもので、一般にヨー
ダー、マツケイ型成形フラワーと呼ばれている成
形方式であり、素管全体を逐次幅寄せ曲げ成形し
ながら、素管全体を丸めていく全体幅寄せ曲げ加
工法である。他の1つは、第2図Bに示す成形方
式のものであり、一般にエトナ型成形フラワーと
呼ばれている成形方式であり、粗、中間成形域で
予め素管下半分を最終成形円筒曲率まで成形し、
素管上半分を最終成形円筒曲率の50〜70%程度の
曲率に成形しておき、フインパス成形過程で素管
上半分の幅寄せ曲げ成形を行ない、エツジ部を成
形する一部幅寄せ曲げ加工法である。
第3図AおよびBは、それぞれ上記ヨーダー、
マツケイ型成形フラワーおよびエトナ型成形フラ
ワーの思想に基づく素管エツジ、サイド部のフイ
ンパス成形過程における投影軌跡変化を示す線図
である。この第3図によれば、素管サイド部の幅
方向投影軌跡変化は漸減型あるいは一定型であ
り、素管エツジの高さ方向投影軌跡は漸減型であ
ることが認められる。これにより、従来のフイン
パス成形方法は素管の幅寄せ曲げ成形を主体とし
たレデユース型成形方法であるといえる。なお、
「レデユース型成形方法」とは素管の断面全体を
絞る方向に絞り曲げ成形するものである。従来の
フインパス成形方法は、全てレデユース型成形方
法であり、他の成形方法はない。
マツケイ型成形フラワーおよびエトナ型成形フラ
ワーの思想に基づく素管エツジ、サイド部のフイ
ンパス成形過程における投影軌跡変化を示す線図
である。この第3図によれば、素管サイド部の幅
方向投影軌跡変化は漸減型あるいは一定型であ
り、素管エツジの高さ方向投影軌跡は漸減型であ
ることが認められる。これにより、従来のフイン
パス成形方法は素管の幅寄せ曲げ成形を主体とし
たレデユース型成形方法であるといえる。なお、
「レデユース型成形方法」とは素管の断面全体を
絞る方向に絞り曲げ成形するものである。従来の
フインパス成形方法は、全てレデユース型成形方
法であり、他の成形方法はない。
上記フインパス成形方法(=レデユース型成形
方法)では、素管の断面全体を絞り曲げ成形する
ものであるから、フインパス成形荷重が比較的大
きくなる。絞り曲げ成形を行なわないと、素管の
断面全体が円形にならないのである。なお、フイ
ンパス成形荷重はフインパスロールのロールチヨ
ツクに設けたロードセルにて測定できる。また、
素管サイド部の幅寄せを行ない、素管エツジのエ
ツジ間隔が逐次狭まるような孔形を用いているか
ら、最終フインパス後の、スクイズロール中心か
ら素管長手方向に一定距離離れた位置でのエツジ
間隔が小さくなる。このため、溶接部のVシエイ
プ角度が過小となり、Vシエイブでのエツジ部ス
パークの発生が起こりやすいという問題がある。
さらに、従来一般に使用されていたすべての上流
フインパスでのフイン角度が比較的大きいため、
エツジの増肉が生じやすいという問題もある。
方法)では、素管の断面全体を絞り曲げ成形する
ものであるから、フインパス成形荷重が比較的大
きくなる。絞り曲げ成形を行なわないと、素管の
断面全体が円形にならないのである。なお、フイ
ンパス成形荷重はフインパスロールのロールチヨ
ツクに設けたロードセルにて測定できる。また、
素管サイド部の幅寄せを行ない、素管エツジのエ
ツジ間隔が逐次狭まるような孔形を用いているか
ら、最終フインパス後の、スクイズロール中心か
ら素管長手方向に一定距離離れた位置でのエツジ
間隔が小さくなる。このため、溶接部のVシエイ
プ角度が過小となり、Vシエイブでのエツジ部ス
パークの発生が起こりやすいという問題がある。
さらに、従来一般に使用されていたすべての上流
フインパスでのフイン角度が比較的大きいため、
エツジの増肉が生じやすいという問題もある。
また、上記エトナ型成形フラワーでは、ヨーダ
ー、マツケイ型成形フラワーに比べフインパス成
形負荷は抑制されるものの、最終フインパス後の
エツジ間隔狭化による溶接部Vシエイブ角度の狭
化の問題、ならびに上流フインパスでのフイン角
度の増大によるエツジの増肉発生等はヨーダー、
マツケイ型成形フラワーと同じく問題となり、特
にエツジの増肉はヨーダー、マツケイ型よりも大
きくなる危険性がある。「エトナ型成形フラワー」
では、「ヨーダー、マツテー型」より一般にフイ
ン角度が大きいため、エツジの増肉が大となるの
である。
ー、マツケイ型成形フラワーに比べフインパス成
形負荷は抑制されるものの、最終フインパス後の
エツジ間隔狭化による溶接部Vシエイブ角度の狭
化の問題、ならびに上流フインパスでのフイン角
度の増大によるエツジの増肉発生等はヨーダー、
マツケイ型成形フラワーと同じく問題となり、特
にエツジの増肉はヨーダー、マツケイ型よりも大
きくなる危険性がある。「エトナ型成形フラワー」
では、「ヨーダー、マツテー型」より一般にフイ
ン角度が大きいため、エツジの増肉が大となるの
である。
第4図は上記従来の成形方法をロールマツプに
よつて表わした例を示す。ここで、第4図のロー
ルマツプは各成形ロールによる帯板の幅方向曲げ
成形進行な状態を示す線図であり、例えば第4図
Aについてみれば、曲率0から最終曲率に至る過
程で、帯板中央は第1〜第3ブレイクダウンロー
ル、サイドロール、第1,第2フインパスロール
を経過し、帯板エツジは第1ブレイクダウンロー
ル、サイドロール、第1、第2フインパスロール
を経過すること、そして各ロールが帯板の中央、
エツジ、あるいはそれらの中間部をいかなる曲率
まで曲げるかが示される。第4図Aはエツジベン
ドとサーキユラーベンドの組み合わせ成形方式お
よびヨーダー型フインパス成形方式をブレイクダ
ウンロール成形方式に適用したものであり、第4
図Bはエツジベンドとサーキユラーベンドの組み
合せ成形方式およびエトナ型フインパス成形方式
をブレイクダウンロール成形方式に適用したもの
であり、第4図Cはエツジベンドとサーキユラー
ベンドの組み合せ成形方式およびヨーダーとエト
ナの中間型フインパス成形方式をブレイクダウン
ロール成形方式に適用したものであり、第4図D
はエツジベンドとサーキユラーベンドの組み合せ
成形方式およびヨーダー型フインパス成形方式を
ケージロール成形方式に適用したものである。
よつて表わした例を示す。ここで、第4図のロー
ルマツプは各成形ロールによる帯板の幅方向曲げ
成形進行な状態を示す線図であり、例えば第4図
Aについてみれば、曲率0から最終曲率に至る過
程で、帯板中央は第1〜第3ブレイクダウンロー
ル、サイドロール、第1,第2フインパスロール
を経過し、帯板エツジは第1ブレイクダウンロー
ル、サイドロール、第1、第2フインパスロール
を経過すること、そして各ロールが帯板の中央、
エツジ、あるいはそれらの中間部をいかなる曲率
まで曲げるかが示される。第4図Aはエツジベン
ドとサーキユラーベンドの組み合わせ成形方式お
よびヨーダー型フインパス成形方式をブレイクダ
ウンロール成形方式に適用したものであり、第4
図Bはエツジベンドとサーキユラーベンドの組み
合せ成形方式およびエトナ型フインパス成形方式
をブレイクダウンロール成形方式に適用したもの
であり、第4図Cはエツジベンドとサーキユラー
ベンドの組み合せ成形方式およびヨーダーとエト
ナの中間型フインパス成形方式をブレイクダウン
ロール成形方式に適用したものであり、第4図D
はエツジベンドとサーキユラーベンドの組み合せ
成形方式およびヨーダー型フインパス成形方式を
ケージロール成形方式に適用したものである。
しかしながら、第4図に示したような従来の成
形方法においては、粗、中間成形過程での帯板
全体曲げ成形をともなう成形ロールスタンド数の
増加、ロール調整、交換時間の増大ならびにフ
インパス成形負荷の増大、最終フイン幅狭化によ
る溶接部Vシエイブ角度の減少、素管エツジ部の
増肉発生等の問題がある。なお、最終フイン幅は
適宜設定できない。すなわち、スクイズロールで
のルーフイング(素管両エツジが溶接部で互いに
外方に突き上げあう如くに成形され、洋梨状の管
端面を生ずること)を防止するため、フインパス
ロールでは素管エツジを十分に曲げ成形する必要
がある。これを十分に曲げるためには、ロール孔
形の周長、縦径、横径等の孔形寸法との関係で、
上記フイン幅をある値に一義的に固定化する必要
を生ずる。そして、最終フイン幅は、「スクイズ
ロール中心から素管長手方向に一定距離離れた位
置でのフイン幅」であるから、これが狭くなれ
ば、溶接部のVシヤイブ角度が減少することは明
らかである。
形方法においては、粗、中間成形過程での帯板
全体曲げ成形をともなう成形ロールスタンド数の
増加、ロール調整、交換時間の増大ならびにフ
インパス成形負荷の増大、最終フイン幅狭化によ
る溶接部Vシエイブ角度の減少、素管エツジ部の
増肉発生等の問題がある。なお、最終フイン幅は
適宜設定できない。すなわち、スクイズロールで
のルーフイング(素管両エツジが溶接部で互いに
外方に突き上げあう如くに成形され、洋梨状の管
端面を生ずること)を防止するため、フインパス
ロールでは素管エツジを十分に曲げ成形する必要
がある。これを十分に曲げるためには、ロール孔
形の周長、縦径、横径等の孔形寸法との関係で、
上記フイン幅をある値に一義的に固定化する必要
を生ずる。そして、最終フイン幅は、「スクイズ
ロール中心から素管長手方向に一定距離離れた位
置でのフイン幅」であるから、これが狭くなれ
ば、溶接部のVシヤイブ角度が減少することは明
らかである。
本発明は、粗、中間成形過程の成形性およびフ
インパス成形過程での帯板の成形性を向上させ、
溶接部品質の優れた電縫鋼管製造を可能とし、か
つミル稼動率の向上を達成する電縫鋼管の成形方
法を提供することを目的とする。
インパス成形過程での帯板の成形性を向上させ、
溶接部品質の優れた電縫鋼管製造を可能とし、か
つミル稼動率の向上を達成する電縫鋼管の成形方
法を提供することを目的とする。
なお、「帯板」の「成形過程」は、展開状態の
帯板を順次曲げ成形して最終的に円筒形の素管を
得るまでの過程であり、本発明において、「粗・
中間成形過程」はセンターベンドロール、ケージ
ロール等の各種成形ロールにより帯板を展開状態
からU字形状に成形するものであり、「仕上成形
過程」(=「フインパス成形過程」)はフインパス
ロールによりU字形状素管の継目エツジ部を成形
して最終的な円筒形の素管を得るものである。
帯板を順次曲げ成形して最終的に円筒形の素管を
得るまでの過程であり、本発明において、「粗・
中間成形過程」はセンターベンドロール、ケージ
ロール等の各種成形ロールにより帯板を展開状態
からU字形状に成形するものであり、「仕上成形
過程」(=「フインパス成形過程」)はフインパス
ロールによりU字形状素管の継目エツジ部を成形
して最終的な円筒形の素管を得るものである。
上記目的を達成するために、本発明は、帯板を
連続的にロール成形し、素管を形成する電縫鋼管
の成形方法において、()帯板エツジ部を帯板
長手方向にて比較的小ピッチで拘束支承する複数
の支承ロールと帯板中央部を拘束かつ成形加工す
る複数のセンターベンドロールとを用い、帯板の
素管サイド部相当部分については曲げ成形加工を
行なわず、帯板中央部の少なくとも一部について
は最終成形円筒管曲率以上にオーバーベンド成形
加工を行ない、前記帯板をU字形状に成形し、
()上流側フインパスロールを用い、素管サイ
ド部の曲げ成形加工を最終成形円筒管半径の2倍
以上の曲げ半径に抑制し、該素管サイド部の横径
(幅)を前記U字形成形体の横径と同等あるいは
それ以上の大きさに成形し、かつ素管エツジ部を
最終成形円筒管曲率の80%以上の曲率で曲げ成形
するとともに素管サイド部と素管エツジ部との境
界部および素管サイド部と素管ボトム部との境界
部を最終成形円筒管曲率以上にオーバーベンド成
形し、()下流側フインパスロールを用い、主
として素管縦径を減ずる方向の圧下を加えること
により、上記()で曲げ成形した素管サイド部
を順次幅方向に張り出し成形し、この張り出し成
形加工により、素管サイド部の曲げ成形ならびに
前記各境界部の曲げ戻し加工を行なうようにした
ものである。
連続的にロール成形し、素管を形成する電縫鋼管
の成形方法において、()帯板エツジ部を帯板
長手方向にて比較的小ピッチで拘束支承する複数
の支承ロールと帯板中央部を拘束かつ成形加工す
る複数のセンターベンドロールとを用い、帯板の
素管サイド部相当部分については曲げ成形加工を
行なわず、帯板中央部の少なくとも一部について
は最終成形円筒管曲率以上にオーバーベンド成形
加工を行ない、前記帯板をU字形状に成形し、
()上流側フインパスロールを用い、素管サイ
ド部の曲げ成形加工を最終成形円筒管半径の2倍
以上の曲げ半径に抑制し、該素管サイド部の横径
(幅)を前記U字形成形体の横径と同等あるいは
それ以上の大きさに成形し、かつ素管エツジ部を
最終成形円筒管曲率の80%以上の曲率で曲げ成形
するとともに素管サイド部と素管エツジ部との境
界部および素管サイド部と素管ボトム部との境界
部を最終成形円筒管曲率以上にオーバーベンド成
形し、()下流側フインパスロールを用い、主
として素管縦径を減ずる方向の圧下を加えること
により、上記()で曲げ成形した素管サイド部
を順次幅方向に張り出し成形し、この張り出し成
形加工により、素管サイド部の曲げ成形ならびに
前記各境界部の曲げ戻し加工を行なうようにした
ものである。
なお、本発明の加工法は、各種形態の装置によ
り実現できるが、例えば、本出願人が出願してい
る特願昭59−164209号に係ず「帯板を平板からU
字形素管に成形するU字成形ロール群と、このU
字形素管を円形に仕上成形するフインパスロール
群とからなる電縫鋼管の成形装置であつて、 前記U字成形ロール群は、帯板長手方向に列設
して複数のツインロール(1CB,2CB,3CB)か
らなるセンターベンドロールと、その後流に配設
された1個のシングルロール成形(4CB)からな
るセンターベンドロールと、これらのセンターベ
ンドロールの両側の帯板エツジ部に連続的に配設
され、これらのセンターベンドロールと協働して
帯板に曲げ加工を与える多数のケージロール
(CR)群とからなり、 前記ツインロール(1CB,2CB,3CB)からな
るセンターベンドロールは、帯板幅のほぼ両エツ
ジから3分の1幅の位置に当接する幅狭の帯板曲
げ曲面を有する左右対象の同軸に配置したツイン
ロールを帯板上下に配設したロールとし、 前記シングルロール(4CB)からなるセンター
ベンドロールは、帯板幅のほぼ中央の位置に当接
する狭幅の帯板曲げ曲面を有するシングルロール
を帯板上側または帯板上下に配設したロールと
し、 前記ゲージロール(CR)は、前記複数組のツ
インロール成形(1CB,2CB,3CB)からなるセ
ンターベンドロール群の最上流のロール(1CB)
の上流から前記シングルロール(4CB)からなる
センターベンドロールの下流までの帯板下面両エ
ツジ部長手方向に多数列設され、前記センターベ
ンドロール群のロールが当接する帯板の当接部に
局部曲げ応力を与えるように、上流側から下流側
に向つて各ゲージロール(CR)のロール軸方向
を水平から順次鉛直を越える方向まで漸次変更し
て配列され、 前記フインパスロールは、U字形素管のエツジ
部とサイド部との境界部およびサイド部とボトム
部との境界部の曲率が製品管の曲率より大きく、
サイド部の曲率が製品管の曲率より小さく、か
つ、孔形の横幅寸法に比し高さ寸法が大きい孔形
を有する第1フインパスロール(1F)と、前記
各境界部の曲率及び素管サイド部の曲率が、最終
製品管断面形状に近似する孔形を有する後流フイ
ンパスロール(2F,3F)としたことを特徴とす
る電縫鋼管の成形装置」にて実現できる。
り実現できるが、例えば、本出願人が出願してい
る特願昭59−164209号に係ず「帯板を平板からU
字形素管に成形するU字成形ロール群と、このU
字形素管を円形に仕上成形するフインパスロール
群とからなる電縫鋼管の成形装置であつて、 前記U字成形ロール群は、帯板長手方向に列設
して複数のツインロール(1CB,2CB,3CB)か
らなるセンターベンドロールと、その後流に配設
された1個のシングルロール成形(4CB)からな
るセンターベンドロールと、これらのセンターベ
ンドロールの両側の帯板エツジ部に連続的に配設
され、これらのセンターベンドロールと協働して
帯板に曲げ加工を与える多数のケージロール
(CR)群とからなり、 前記ツインロール(1CB,2CB,3CB)からな
るセンターベンドロールは、帯板幅のほぼ両エツ
ジから3分の1幅の位置に当接する幅狭の帯板曲
げ曲面を有する左右対象の同軸に配置したツイン
ロールを帯板上下に配設したロールとし、 前記シングルロール(4CB)からなるセンター
ベンドロールは、帯板幅のほぼ中央の位置に当接
する狭幅の帯板曲げ曲面を有するシングルロール
を帯板上側または帯板上下に配設したロールと
し、 前記ゲージロール(CR)は、前記複数組のツ
インロール成形(1CB,2CB,3CB)からなるセ
ンターベンドロール群の最上流のロール(1CB)
の上流から前記シングルロール(4CB)からなる
センターベンドロールの下流までの帯板下面両エ
ツジ部長手方向に多数列設され、前記センターベ
ンドロール群のロールが当接する帯板の当接部に
局部曲げ応力を与えるように、上流側から下流側
に向つて各ゲージロール(CR)のロール軸方向
を水平から順次鉛直を越える方向まで漸次変更し
て配列され、 前記フインパスロールは、U字形素管のエツジ
部とサイド部との境界部およびサイド部とボトム
部との境界部の曲率が製品管の曲率より大きく、
サイド部の曲率が製品管の曲率より小さく、か
つ、孔形の横幅寸法に比し高さ寸法が大きい孔形
を有する第1フインパスロール(1F)と、前記
各境界部の曲率及び素管サイド部の曲率が、最終
製品管断面形状に近似する孔形を有する後流フイ
ンパスロール(2F,3F)としたことを特徴とす
る電縫鋼管の成形装置」にて実現できる。
本発明によれば、以下の作用がある。
(A) 粗、中間プロセスでの作用
帯板エツジ部を帯板長手方向にて比較的小
ピツチで拘束支承する複数の支承ロールを用
いているから、エツジウエーブの発生も防止
できる。
ピツチで拘束支承する複数の支承ロールを用
いているから、エツジウエーブの発生も防止
できる。
上記により成形ロールスタンドの簡素化
が図られるから、ロール調整、交換時間が減
少し、ミル稼動率が向上する。
が図られるから、ロール調整、交換時間が減
少し、ミル稼動率が向上する。
帯板の素管サイド部相当部分については曲
げ成形加工を行なわず、帯板中央部の少なく
とも一部については最終成形円筒管曲率以上
にオーバーベンド成形加工を行なう如きのU
字成形を採用しているから、後工程のフイン
パスプロセスで下記(B)の〜の成形加工を
実現できる。もし、U字成形が本発明の如く
でない場合には、下記(B)の〜のいずれを
も実現できない。
げ成形加工を行なわず、帯板中央部の少なく
とも一部については最終成形円筒管曲率以上
にオーバーベンド成形加工を行なう如きのU
字成形を採用しているから、後工程のフイン
パスプロセスで下記(B)の〜の成形加工を
実現できる。もし、U字成形が本発明の如く
でない場合には、下記(B)の〜のいずれを
も実現できない。
(B) フインパスプロセスでの作用
上流フインパスロールにおいて「素管エツ
ジ部を最終成形管曲率の80%以上の曲率に曲
げ成形すること」により、エツジ曲げ成形を
十分に行なうことができる。
ジ部を最終成形管曲率の80%以上の曲率に曲
げ成形すること」により、エツジ曲げ成形を
十分に行なうことができる。
上流フインパスロールにおいて素管サイド
部と素管エツジ部との境界部、および素管サ
イド部と素管ボトム部との境界部を最終成形
管曲率以上にオーバーベンド成形するため、
エツジの増肉が減少し、かつフインパス圧下
力を軽減することができる。
部と素管エツジ部との境界部、および素管サ
イド部と素管ボトム部との境界部を最終成形
管曲率以上にオーバーベンド成形するため、
エツジの増肉が減少し、かつフインパス圧下
力を軽減することができる。
下流フインパスロールプロセスで素管横径
を張り出すことにより、フイン幅が成形の進
行とともに狭まる度合いを抑えることがで
き、結果として溶接部のVシエーブ角度を大
きくすることができる。これにより、エツジ
部スパーク発生を抑制し、スクイズロールで
の溶接が安定し品質が向上する。
を張り出すことにより、フイン幅が成形の進
行とともに狭まる度合いを抑えることがで
き、結果として溶接部のVシエーブ角度を大
きくすることができる。これにより、エツジ
部スパーク発生を抑制し、スクイズロールで
の溶接が安定し品質が向上する。
下流フインパスロールにおいて、上流フイ
ンパスロールでオーバーベンド成形した箇所
を曲げ戻し成形するため、その成形加工部の
円周方向残留曲げモーメントの方向が従来の
場合と異なり、素管を丸める方向のモーメン
トとなる。これにより溶接後の製品管の形状
寸法が優れたものとなる。
ンパスロールでオーバーベンド成形した箇所
を曲げ戻し成形するため、その成形加工部の
円周方向残留曲げモーメントの方向が従来の
場合と異なり、素管を丸める方向のモーメン
トとなる。これにより溶接後の製品管の形状
寸法が優れたものとなる。
素管サイド部の曲げ成形を抑制しているた
め、素管サイド部に作用するロールからの反
力が小さくなり、この反力に起因して生ず
る、2ロール型フインパスロールでのロール
フランジからのロール疵発生が抑制される。
め、素管サイド部に作用するロールからの反
力が小さくなり、この反力に起因して生ず
る、2ロール型フインパスロールでのロール
フランジからのロール疵発生が抑制される。
以上のように、本発明によれば、粗、中間成形
過程の成形性およびフインパス成形過程の成形性
を向上させ、溶接部品質の優れた電縫鋼管製造を
可能とし、かつミル稼動率の向上を達成できる。
過程の成形性およびフインパス成形過程の成形性
を向上させ、溶接部品質の優れた電縫鋼管製造を
可能とし、かつミル稼動率の向上を達成できる。
第5図,第6図は本発明に係る成形フラワーを
示すモデル図である。第5図は、粗、中間成形過
程における帯板中央部のセンターフオーミングプ
ロセスを示す成形フラワーであり、第6図は、仕
上成形過程すなわちフインパス成形過程における
素管の成形プロセスを示す成形フラワーである。
なお、第6図は、3スタンドフインパス成形の場
合における各ロールスタンドの孔形形状による成
形フラワーを示している。
示すモデル図である。第5図は、粗、中間成形過
程における帯板中央部のセンターフオーミングプ
ロセスを示す成形フラワーであり、第6図は、仕
上成形過程すなわちフインパス成形過程における
素管の成形プロセスを示す成形フラワーである。
なお、第6図は、3スタンドフインパス成形の場
合における各ロールスタンドの孔形形状による成
形フラワーを示している。
なお、以上の説明において、「素管ボトム部」、
「素管サイド部」、「素管エツジ部」、「境界部」は
第12図に示す範囲を意味する。そして、「帯板
中央部」は「素管ボトム部」に相当する範囲とそ
の両側の「境界部」に相当する範囲を合わせた範
囲を意味する。また、「エツジフオーミングロー
ル」はエツジ成形ロールを意味し、「インサイド
ロール」は素管内面からの内張用ロールを意味
し、「センターベンドロール」は帯板の中央曲げ
用ロールを意味し、「ケージロール」は本発明の
支承ロールの一例となるものを意味する。
「素管サイド部」、「素管エツジ部」、「境界部」は
第12図に示す範囲を意味する。そして、「帯板
中央部」は「素管ボトム部」に相当する範囲とそ
の両側の「境界部」に相当する範囲を合わせた範
囲を意味する。また、「エツジフオーミングロー
ル」はエツジ成形ロールを意味し、「インサイド
ロール」は素管内面からの内張用ロールを意味
し、「センターベンドロール」は帯板の中央曲げ
用ロールを意味し、「ケージロール」は本発明の
支承ロールの一例となるものを意味する。
(A) 粗、中間プロセス
まず、本発明による粗、中間成形過程での成
形プロセスを説明する。
形プロセスを説明する。
粗、中間成形過程では、帯板エツジ部を帯板
長手方向にて比較的小ピツチで拘束支承する支
承ロールとしての複数のケージロールと、成形
の進行な段階に応じて順次設置された帯板中央
部を拘束かつ成形加工する複数のセンターベン
ドロールとにより、帯板の素管サイド部相当部
分については曲げ成形加工を行なわず、帯板中
央部の少なくとも一部については最終成形円筒
管曲率以上にオーバーベンド成形加工を行な
う。残余の帯板幅方向部、すなわち帯板エツジ
部、帯板の素管サイド部相当部分については意
図的に曲げ成形を行なわない。これにより、仕
上成形過程に相当するフインパス成形過程の入
側においてU字形状の成形フラワーを得る。
長手方向にて比較的小ピツチで拘束支承する支
承ロールとしての複数のケージロールと、成形
の進行な段階に応じて順次設置された帯板中央
部を拘束かつ成形加工する複数のセンターベン
ドロールとにより、帯板の素管サイド部相当部
分については曲げ成形加工を行なわず、帯板中
央部の少なくとも一部については最終成形円筒
管曲率以上にオーバーベンド成形加工を行な
う。残余の帯板幅方向部、すなわち帯板エツジ
部、帯板の素管サイド部相当部分については意
図的に曲げ成形を行なわない。これにより、仕
上成形過程に相当するフインパス成形過程の入
側においてU字形状の成形フラワーを得る。
なお、本発明の成形方法の実施において、
粗、中間成形過程で帯板中央部に加えられる曲
げ成形は、第5図に示した如くであるが、具体
的には、素管ボトム部相当部分で最終成形円筒
管曲率の116%、素管ボトム部両側のサイド部
との境界部で最終成形円筒管曲率の141%の如
くである。これにより曲げ成形されたU字形成
形体は第1フインパスのロール横経よりも幅狭
のものとなる。そして、帯板中央部は第1フイ
ンパスでの絞り曲げ成形により、第1フインパ
スの下ロール孔形にフイツトするように成形さ
れる(一部曲げ戻し成形が行なわれる)。
粗、中間成形過程で帯板中央部に加えられる曲
げ成形は、第5図に示した如くであるが、具体
的には、素管ボトム部相当部分で最終成形円筒
管曲率の116%、素管ボトム部両側のサイド部
との境界部で最終成形円筒管曲率の141%の如
くである。これにより曲げ成形されたU字形成
形体は第1フインパスのロール横経よりも幅狭
のものとなる。そして、帯板中央部は第1フイ
ンパスでの絞り曲げ成形により、第1フインパ
スの下ロール孔形にフイツトするように成形さ
れる(一部曲げ戻し成形が行なわれる)。
上記、粗、中間成形過程における成形方式の
特徴は、従来のケージ成形方式におけるような
素管サイド部ならびにエツジ部の成形を必要と
するサーキユラーフオーミング加工を行なわな
いことにある。
特徴は、従来のケージ成形方式におけるような
素管サイド部ならびにエツジ部の成形を必要と
するサーキユラーフオーミング加工を行なわな
いことにある。
また、本発明における「帯板中央部」とは、
帯板幅方向の中央点を線対称点とし、その線対
称点の両側に設定した、帯板全幅の25%〜50%
を該中央部の幅とする範囲をいう。
帯板幅方向の中央点を線対称点とし、その線対
称点の両側に設定した、帯板全幅の25%〜50%
を該中央部の幅とする範囲をいう。
また、本発明の実施においても帯板のパスラ
インをダウンヒルにすれば、薄肉材でのエツジ
ウエーブの発生が一層抑制が可能となる。
インをダウンヒルにすれば、薄肉材でのエツジ
ウエーブの発生が一層抑制が可能となる。
上記本発明に係る粗、中間過程の成形方式に
よれば、従来のケージ成形方式におけるような
エツジフオーミングロール、素管サイド部加工
のためのインサイドロール等の設置が必要とさ
れず、粗、中間成形過程すなわちケージロール
成形領域を従来に比べて大幅に短縮して、なお
かつその成形性を確保できる。この場合、帯板
エツジの幅寄せ進行な量は大きくなり、エツジ
ストレツチが増大し、エツジウエーブ発生の危
険が考えられるが、本発明は帯板のエツジを連
続拘束するケージロール成形方式を用いている
ため、さらにケージロールの帯板幅方向設定位
置を調整することにて帯板エツジの幅寄せ軌跡
を調整することにより、エツジウエーブの発生
が防止される。
よれば、従来のケージ成形方式におけるような
エツジフオーミングロール、素管サイド部加工
のためのインサイドロール等の設置が必要とさ
れず、粗、中間成形過程すなわちケージロール
成形領域を従来に比べて大幅に短縮して、なお
かつその成形性を確保できる。この場合、帯板
エツジの幅寄せ進行な量は大きくなり、エツジ
ストレツチが増大し、エツジウエーブ発生の危
険が考えられるが、本発明は帯板のエツジを連
続拘束するケージロール成形方式を用いている
ため、さらにケージロールの帯板幅方向設定位
置を調整することにて帯板エツジの幅寄せ軌跡
を調整することにより、エツジウエーブの発生
が防止される。
(B) フインパスプロセス
次に、本発明に係る仕上成形過程すなわちフ
インパス成形過程での成形プロセスについて説
明する。
インパス成形過程での成形プロセスについて説
明する。
(B‐1) 上流フインパスプロセス
フインパス成形では前記粗、中間成形域に
おいて形成されたU字形状の成形フラワー素
管を成形するにあたり、第1フインパスロー
ル(1F)では、素管サイド部の曲げ成形加
工を意図的に最終成形円筒管半径の少なくと
も2倍以上の曲げ半径に抑制し、かつ素管サ
イド部の横径(幅)を第1フインパスロール
前のU字形状素管の横径と同等あるいはそれ
以上の大きさとし、この加工抑制により素管
エツジ部を最終成形円筒管曲率の80%以上の
曲率に曲げ成形するとともに、素管サイド部
と素管エツジ部との境界部、および素管サイ
ド部と素管ボトム部との境界部を最終成形円
筒管曲率以上にオーバーベンド成形するプロ
セスとする。すなわち、素管サイド部は上述
の「加工抑制」によりフインパスロールに完
全にはフイツトしない。この時、素管サイド
部はフインパスロールに完全にフイツトしな
くても、ロールカリバーが付与する第7図の
f4,f2等の作用力により曲げを抑制され、反
力f3は小となるのである。
おいて形成されたU字形状の成形フラワー素
管を成形するにあたり、第1フインパスロー
ル(1F)では、素管サイド部の曲げ成形加
工を意図的に最終成形円筒管半径の少なくと
も2倍以上の曲げ半径に抑制し、かつ素管サ
イド部の横径(幅)を第1フインパスロール
前のU字形状素管の横径と同等あるいはそれ
以上の大きさとし、この加工抑制により素管
エツジ部を最終成形円筒管曲率の80%以上の
曲率に曲げ成形するとともに、素管サイド部
と素管エツジ部との境界部、および素管サイ
ド部と素管ボトム部との境界部を最終成形円
筒管曲率以上にオーバーベンド成形するプロ
セスとする。すなわち、素管サイド部は上述
の「加工抑制」によりフインパスロールに完
全にはフイツトしない。この時、素管サイド
部はフインパスロールに完全にフイツトしな
くても、ロールカリバーが付与する第7図の
f4,f2等の作用力により曲げを抑制され、反
力f3は小となるのである。
上記第1フインパスロール(1F)の成形
プロセスにより素管エツジ部は容易に曲げ成
形され、かつフインパスリダクシヨンは軽減
される。
プロセスにより素管エツジ部は容易に曲げ成
形され、かつフインパスリダクシヨンは軽減
される。
なお、上記第1フインパスロール(1F)
において〓素管エツジ部を最終成形円筒管曲
率の80%以上の曲率に曲げ成形すること〓の
理由は、以下のとおりである。すなわち、発
明者らの数多くの研究によれば素管エツジ部
の成形曲率が最終成形管曲率の80%未満の場
合には、溶接時にエツジのルーフイングが生
じ、ビード切削不良および溶接衝合部の欠陥
を生じる。換言すれば、1Fでのエツジ曲げ
曲率を80%未満では、2F、3Fでのエツジ曲
げ成形が十分に行なわれず、エツジ曲げ成形
不足となる。
において〓素管エツジ部を最終成形円筒管曲
率の80%以上の曲率に曲げ成形すること〓の
理由は、以下のとおりである。すなわち、発
明者らの数多くの研究によれば素管エツジ部
の成形曲率が最終成形管曲率の80%未満の場
合には、溶接時にエツジのルーフイングが生
じ、ビード切削不良および溶接衝合部の欠陥
を生じる。換言すれば、1Fでのエツジ曲げ
曲率を80%未満では、2F、3Fでのエツジ曲
げ成形が十分に行なわれず、エツジ曲げ成形
不足となる。
第7図は第1フインパスロールにおける素
管成形状態および素管に作用する力を示すモ
デル図である。第7図Aは本発明による場合
を示し、Bは従来の成形プロセスによる場合
を示す。また、第7図Cは本発明に係る第1
フインパスロール成形プロセスの素管とロー
ルとの関係を示す模式図、第7図Dは本発明
に係る第1フインパスロール成形プロセスの
素管断面に生ずる曲げモーメント分布を示す
模式図、第7図Eは従来の成形方法における
第1フインパスロール成形プロセスの素管断
面に生ずる曲げモーメント分布を示す模式
図、第7図Fはフインパスロール成形プロセ
スにおけるロールフランジ部でのロール疵発
生状況を示す模式図、第7図Gはフインパス
ロール成形プロセスにおける素管エツジの増
肉発生状況を示す模式図、第7図Hは従来法
のフインパスロール孔型において素管が幅狭
め成形される状態を示す模式図、第7図Iは
本発明法のフインパスロール孔型における素
管の成形状態を示す模式図である。
管成形状態および素管に作用する力を示すモ
デル図である。第7図Aは本発明による場合
を示し、Bは従来の成形プロセスによる場合
を示す。また、第7図Cは本発明に係る第1
フインパスロール成形プロセスの素管とロー
ルとの関係を示す模式図、第7図Dは本発明
に係る第1フインパスロール成形プロセスの
素管断面に生ずる曲げモーメント分布を示す
模式図、第7図Eは従来の成形方法における
第1フインパスロール成形プロセスの素管断
面に生ずる曲げモーメント分布を示す模式
図、第7図Fはフインパスロール成形プロセ
スにおけるロールフランジ部でのロール疵発
生状況を示す模式図、第7図Gはフインパス
ロール成形プロセスにおける素管エツジの増
肉発生状況を示す模式図、第7図Hは従来法
のフインパスロール孔型において素管が幅狭
め成形される状態を示す模式図、第7図Iは
本発明法のフインパスロール孔型における素
管の成形状態を示す模式図である。
以下、第1フインパスロールのロールフランジ
部に起因して素管に生ずるロール疵について説明
する。このロール疵は、(A)ロールスタンドの入側
で生ずる疵と、(B)ロールスタンドの素管パス方向
における孔型中央部で生ずるロール疵とがある。
部に起因して素管に生ずるロール疵について説明
する。このロール疵は、(A)ロールスタンドの入側
で生ずる疵と、(B)ロールスタンドの素管パス方向
における孔型中央部で生ずるロール疵とがある。
(A) ロールスタンドの入側で生ずるロール疵につ
いて、 従来成形法ではフインパスロールスタンドの
入側素管の横径がフインパスロール孔型の幅よ
り大きいため、ロール孔型中央部(スタンド直
下)より少し入側での素管の成形状態は、先
に、ロールフランジ部に素管サイド部が接触し
て、幅狭め成形されることとなり、ロールフラ
ンジ部での接触圧力が大きくなり、この結果、
ロールフランジ部に第7図Fに示す如くのロー
ル疵が生じやすい(第7図H参照)。これに対
し、本発明法ではフインパスロールスタンド入
側素管の横径がフインパスロール孔型の幅より
小さく、フインパスロールにて横径張出し成形
を実施するものであるため、従来成形法のよう
なロールフランジ部での素管横径の幅狭め成形
がなく、この部分での接触圧力は小さく、ロー
ル疵が発生しにくい。
いて、 従来成形法ではフインパスロールスタンドの
入側素管の横径がフインパスロール孔型の幅よ
り大きいため、ロール孔型中央部(スタンド直
下)より少し入側での素管の成形状態は、先
に、ロールフランジ部に素管サイド部が接触し
て、幅狭め成形されることとなり、ロールフラ
ンジ部での接触圧力が大きくなり、この結果、
ロールフランジ部に第7図Fに示す如くのロー
ル疵が生じやすい(第7図H参照)。これに対
し、本発明法ではフインパスロールスタンド入
側素管の横径がフインパスロール孔型の幅より
小さく、フインパスロールにて横径張出し成形
を実施するものであるため、従来成形法のよう
なロールフランジ部での素管横径の幅狭め成形
がなく、この部分での接触圧力は小さく、ロー
ル疵が発生しにくい。
(B) 孔型中央部で生ずるロール疵について
フインパスロールでは素管円周方向に絞り加
工を与えて素管形状を整える成形を行なうもの
であるから、ロール孔型中央部では、本発明に
おいても素管横径が張出し、ロールフランジ部
に接触する。しかしながら、本発明ではその特
徴あるロール孔型形状によつて、ロール孔型中
央部においてもロール疵が発生しにくい。すな
わち、第1フインパスロールでは、第7図Cに
示すように、オーバーベンド成形を得るため、
ロールカリバーのU字形素管のサイド部に当接
する部分の曲率半径を、U字形素管のサイド部
の曲率とほぼ同等の曲率にすることにより、素
管サイド部の曲げ加工をほとんど行なわない。
第1フインパスロールによつて素管断面に生じ
る曲げモーメント分布を従来のそれと比較して
第7図D,Eに示す。従来成形法では第7図E
に示すように素管サイド部近傍に最大曲げモー
メントが作用するため、素管サイド部の曲げが
最初に進行し、このため2ロール型のフインパ
スロールのロールフランジのギヤツプの部分に
第7図Fに示す如くのロール疵が発生しやす
い。これに対し、本発明法では、第7図Dに示
すように、最大曲げモーメントが素管サイド部
ではなく、オーバーベンド部近傍に作用するた
め、素管サイド部の成形が進行しにくく、フイ
ンパスロールのフランジのギヤツプ部における
フランジと素管との接触圧力は小さく、ロール
疵は発生しにくいのである。
工を与えて素管形状を整える成形を行なうもの
であるから、ロール孔型中央部では、本発明に
おいても素管横径が張出し、ロールフランジ部
に接触する。しかしながら、本発明ではその特
徴あるロール孔型形状によつて、ロール孔型中
央部においてもロール疵が発生しにくい。すな
わち、第1フインパスロールでは、第7図Cに
示すように、オーバーベンド成形を得るため、
ロールカリバーのU字形素管のサイド部に当接
する部分の曲率半径を、U字形素管のサイド部
の曲率とほぼ同等の曲率にすることにより、素
管サイド部の曲げ加工をほとんど行なわない。
第1フインパスロールによつて素管断面に生じ
る曲げモーメント分布を従来のそれと比較して
第7図D,Eに示す。従来成形法では第7図E
に示すように素管サイド部近傍に最大曲げモー
メントが作用するため、素管サイド部の曲げが
最初に進行し、このため2ロール型のフインパ
スロールのロールフランジのギヤツプの部分に
第7図Fに示す如くのロール疵が発生しやす
い。これに対し、本発明法では、第7図Dに示
すように、最大曲げモーメントが素管サイド部
ではなく、オーバーベンド部近傍に作用するた
め、素管サイド部の成形が進行しにくく、フイ
ンパスロールのフランジのギヤツプ部における
フランジと素管との接触圧力は小さく、ロール
疵は発生しにくいのである。
さらに、本発明においては、上記曲げ成形を
抑制した素管サイド部Cと素管エツジ部Aとの
境界部Bを素管エツジ部Aの曲げ曲率よりも大
きな曲げ曲率にオーバーベンド成形するため、
従来の成形方法に比べてエツジを倒すことがで
き第1フインパスロールのフイン角θF(=素管
両エツジの互いに向かい合う端面が互いになす
角度)を小さくすることができる。これによ
り、フインパス圧下力Fの分力である円周方向
成分f1が減少し、半径方向成分f2が増大する。
エツジの増肉は円周方向成分f1が減少すること
により軽減され、素管エツジ部の曲げは半径方
向成分f2ならびに前記ロールからの反力f4が増
大することにより、エツジ部に作用する曲げモ
ーメントが大きくなるため、容易に達成可能と
なる。これにより、本発明の第1フインパス成
形プロセスでは、従来の成形プロセスに比べエ
ツジの増肉が減少され、かつフインパス圧下力
を軽減することが可能となる。
抑制した素管サイド部Cと素管エツジ部Aとの
境界部Bを素管エツジ部Aの曲げ曲率よりも大
きな曲げ曲率にオーバーベンド成形するため、
従来の成形方法に比べてエツジを倒すことがで
き第1フインパスロールのフイン角θF(=素管
両エツジの互いに向かい合う端面が互いになす
角度)を小さくすることができる。これによ
り、フインパス圧下力Fの分力である円周方向
成分f1が減少し、半径方向成分f2が増大する。
エツジの増肉は円周方向成分f1が減少すること
により軽減され、素管エツジ部の曲げは半径方
向成分f2ならびに前記ロールからの反力f4が増
大することにより、エツジ部に作用する曲げモ
ーメントが大きくなるため、容易に達成可能と
なる。これにより、本発明の第1フインパス成
形プロセスでは、従来の成形プロセスに比べエ
ツジの増肉が減少され、かつフインパス圧下力
を軽減することが可能となる。
上述のフインパスロールでのエツジ部増肉が
抑制される理由は以下の如くである。フインパ
スロールにおいて第7図Gに示すように、フイ
ンパスロールにより素管端面に円周方向の圧力
f1が作用して素管が円周方向に絞られると、素
管の外面はロールと当接しているため、絞られ
た材料の一部はエツジ部近傍部の内面側にふく
れ出し、エツジ増肉が生じる。このエツジ増肉
は、f1が大きいほぼ大きくなる。本発明法の第
1フインパスロールは、第7図A,Bに示すよ
うに、フイン角度θFを従来成形法に比べて小
さくすることができるため、フインパス圧下力
の分力であるf1が減少し、結果としてエツジ部
の増肉が抑制されるのである。
抑制される理由は以下の如くである。フインパ
スロールにおいて第7図Gに示すように、フイ
ンパスロールにより素管端面に円周方向の圧力
f1が作用して素管が円周方向に絞られると、素
管の外面はロールと当接しているため、絞られ
た材料の一部はエツジ部近傍部の内面側にふく
れ出し、エツジ増肉が生じる。このエツジ増肉
は、f1が大きいほぼ大きくなる。本発明法の第
1フインパスロールは、第7図A,Bに示すよ
うに、フイン角度θFを従来成形法に比べて小
さくすることができるため、フインパス圧下力
の分力であるf1が減少し、結果としてエツジ部
の増肉が抑制されるのである。
(B‐2) 下流フインパスプロセス
上記第1フインパスロール(1F)に続く
第2フインパスロール(2F)、第3フインパ
スロール(3F)では、主として素管の縦径
を減ずる方向の圧下を加えることにより、上
記第1フインパスロール(1F)で曲げ成形
を抑制した素管サイド部Cを順次幅方向に張
り出し成形し、素管の横径が漸増する方向の
成形を行なう。この張り出し成形加工によ
り、素管サイド部の曲げ成形ならびに第1フ
インパスロール(1F)でオーバーベンド成
形を受けた、素管サイド部と素管エツジ部、
および素管サイド部と素管ボトム部との各境
界部Bの曲げ戻し加工を逐次行なうプロセス
とする。第8図は上記第2フインパスロール
以後における成形プロセスを示すモデル図で
ある。第8図の矢印の方向は、この方向に材
料が張り出されることを意味する。
第2フインパスロール(2F)、第3フインパ
スロール(3F)では、主として素管の縦径
を減ずる方向の圧下を加えることにより、上
記第1フインパスロール(1F)で曲げ成形
を抑制した素管サイド部Cを順次幅方向に張
り出し成形し、素管の横径が漸増する方向の
成形を行なう。この張り出し成形加工によ
り、素管サイド部の曲げ成形ならびに第1フ
インパスロール(1F)でオーバーベンド成
形を受けた、素管サイド部と素管エツジ部、
および素管サイド部と素管ボトム部との各境
界部Bの曲げ戻し加工を逐次行なうプロセス
とする。第8図は上記第2フインパスロール
以後における成形プロセスを示すモデル図で
ある。第8図の矢印の方向は、この方向に材
料が張り出されることを意味する。
ところで、第2フインパスロールにおける
素管サイド部の張り出し成形は第1フインパ
スロールで曲げ成形の抑制を行なつた部分の
全体を順次所定の曲げ曲率に至るまで張り出
し曲げ成形することも可能であり、また第1
フインパスロールでの成形プロセスと同様
に、素管サイド部の曲げ成形を抑制し、その
曲げ成形抑制領域を順次減少させながら、張
り出し曲げ成形することも可能である。
素管サイド部の張り出し成形は第1フインパ
スロールで曲げ成形の抑制を行なつた部分の
全体を順次所定の曲げ曲率に至るまで張り出
し曲げ成形することも可能であり、また第1
フインパスロールでの成形プロセスと同様
に、素管サイド部の曲げ成形を抑制し、その
曲げ成形抑制領域を順次減少させながら、張
り出し曲げ成形することも可能である。
なお、以上の説明は3スタンドフインパス
ロール成形を例にとつて説明したが、本発明
は、2スタンドもしくは4スタンド以上のフ
インパスロール成形においても適用可能であ
る。さらに、本発明は、フインパスロールの
分割方式すなわち2ロールタイブあるいは4
ロールタイプ等に限定されるものではない。
ロール成形を例にとつて説明したが、本発明
は、2スタンドもしくは4スタンド以上のフ
インパスロール成形においても適用可能であ
る。さらに、本発明は、フインパスロールの
分割方式すなわち2ロールタイブあるいは4
ロールタイプ等に限定されるものではない。
第9図は本発明によるフインパス成形プロ
セスにおける素管の投影軌跡を示す線図であ
る。本発明によるフインパスロールプロセス
では、素管横径を張り出すことにより、フイ
ン幅が成形の進行とともに狭まる度合いを抑
えることができ、結果として最終フインパス
ロールでのエツジ間隔(W3F)を大きくと
ることが可能であり、溶接部のVシエイブ角
度(θv)を大きくすることができる。これ
により、エツジ部スパーク発生を抑制し、ス
クイズロールでの溶接が安定し品質が向上す
る。
セスにおける素管の投影軌跡を示す線図であ
る。本発明によるフインパスロールプロセス
では、素管横径を張り出すことにより、フイ
ン幅が成形の進行とともに狭まる度合いを抑
えることができ、結果として最終フインパス
ロールでのエツジ間隔(W3F)を大きくと
ることが可能であり、溶接部のVシエイブ角
度(θv)を大きくすることができる。これ
により、エツジ部スパーク発生を抑制し、ス
クイズロールでの溶接が安定し品質が向上す
る。
また、本発明は、第1フインパスロールで
オーバーベンド成形した箇所を第2フインパ
スロール以後で曲げ戻し成形するため、第1
0図Aに示す如く、その成形加工部の円周方
向残留曲げモーメントの方向が、第10図B
に示す従来の成形素管の場合と異なり、素管
を丸める方向のモーメントとなる。これによ
り、溶接後の製品管の成形寸法が優れたもの
となる。
オーバーベンド成形した箇所を第2フインパ
スロール以後で曲げ戻し成形するため、第1
0図Aに示す如く、その成形加工部の円周方
向残留曲げモーメントの方向が、第10図B
に示す従来の成形素管の場合と異なり、素管
を丸める方向のモーメントとなる。これによ
り、溶接後の製品管の成形寸法が優れたもの
となる。
(C) その他
なお、上記説明においては、粗、中間成形過
程で帯板のエツジ成形をしないものとしたが、
粗成形域で帯板のエツジベンド成形を行ない、
フインパスロール成形前に、エツジベンドとセ
ンターベンド成形方式の成形フラワー形状を有
する成形体とし、その後、本発明によるフイン
パス成形プロセスによつて仕上成形を行なうよ
うにしてもよい。これによれば、特に厚肉材の
成形においては、エツジの成形性がより優れる
と同時に、フインパス成形における負荷の軽減
を図ることが可能となる。すなわち、本発明の
実施においては、その粗、中間成形過程におけ
る成形プロセスにエツジベンド成形プロセスを
付加するものであつてもよい。
程で帯板のエツジ成形をしないものとしたが、
粗成形域で帯板のエツジベンド成形を行ない、
フインパスロール成形前に、エツジベンドとセ
ンターベンド成形方式の成形フラワー形状を有
する成形体とし、その後、本発明によるフイン
パス成形プロセスによつて仕上成形を行なうよ
うにしてもよい。これによれば、特に厚肉材の
成形においては、エツジの成形性がより優れる
と同時に、フインパス成形における負荷の軽減
を図ることが可能となる。すなわち、本発明の
実施においては、その粗、中間成形過程におけ
る成形プロセスにエツジベンド成形プロセスを
付加するものであつてもよい。
第11図は本発明による成形プロセスの一例
を示すロールマツプである。なお、第11図の
ロールマツプの例にあつては、「3F」では成形
最終曲率に完全には合致させない。この「3F」
では未成形曲率を僅かに残し、スクイズロール
にて最終成形を完了させることとするのであ
る。
を示すロールマツプである。なお、第11図の
ロールマツプの例にあつては、「3F」では成形
最終曲率に完全には合致させない。この「3F」
では未成形曲率を僅かに残し、スクイズロール
にて最終成形を完了させることとするのであ
る。
第12図は本発明によるフインパス成形プロ
セスを可能とするためのフインパスロールの孔
形形状の一例を示す線図である。フインパスロ
ール成形の進行なとともに、各フインパスロー
ルでは、第12図に表示するロール孔形形状寸
法R1〜R5およびθ1〜θ5ならびに縦径H、横径
W、フイン幅WF、フイン角度θFを順次変化さ
せればよい。例えば、H、WF、θF、R3、θ3
は順次減少させ、W、R2、θ2、R4、θ4は順次
増加させる型の孔形形状にする方法を一例とし
て挙げることができる。
セスを可能とするためのフインパスロールの孔
形形状の一例を示す線図である。フインパスロ
ール成形の進行なとともに、各フインパスロー
ルでは、第12図に表示するロール孔形形状寸
法R1〜R5およびθ1〜θ5ならびに縦径H、横径
W、フイン幅WF、フイン角度θFを順次変化さ
せればよい。例えば、H、WF、θF、R3、θ3
は順次減少させ、W、R2、θ2、R4、θ4は順次
増加させる型の孔形形状にする方法を一例とし
て挙げることができる。
ところで、本発明においてはスクイズロール
孔形形状を真円形状とするとは限らず、本発明
のフインパス成形プロセスをスクイズロールま
で延長し、第12図に示したような複数カリバ
ー半径を有するスクイズロール孔形形状とする
ことも可能である。この場合には、本発明にお
けるフインパス成形プロセスの成形進行度を軽
減し、素管サイド部の曲げ成形抑制部をスクイ
ズロール成形あるいはスクイズロール成形後の
プルアウトロールにおいても保持し、この部分
の加工は後工程のサイザーにおいて行なうこと
とする。このように、本発明をフインパス、ス
クイズロール成形領域に適用することにより、
素管の円周方向への回転が抑制され、素管溶接
部の円周方向ねじれが防止可能となる。これに
より、ビード切削の安定化、シームアニールの
安定化ならびに溶接状態の安定化を図ることが
でき、溶接部形状品質の優れた電縫鋼管を製造
することが可能となる。
孔形形状を真円形状とするとは限らず、本発明
のフインパス成形プロセスをスクイズロールま
で延長し、第12図に示したような複数カリバ
ー半径を有するスクイズロール孔形形状とする
ことも可能である。この場合には、本発明にお
けるフインパス成形プロセスの成形進行度を軽
減し、素管サイド部の曲げ成形抑制部をスクイ
ズロール成形あるいはスクイズロール成形後の
プルアウトロールにおいても保持し、この部分
の加工は後工程のサイザーにおいて行なうこと
とする。このように、本発明をフインパス、ス
クイズロール成形領域に適用することにより、
素管の円周方向への回転が抑制され、素管溶接
部の円周方向ねじれが防止可能となる。これに
より、ビード切削の安定化、シームアニールの
安定化ならびに溶接状態の安定化を図ることが
でき、溶接部形状品質の優れた電縫鋼管を製造
することが可能となる。
なお、本発明による成形プロセスの適用は素
管サイズによつて限定されるものではなく、あ
らゆる外径サイズの電縫鋼管の製造に適用可能
である。
管サイズによつて限定されるものではなく、あ
らゆる外径サイズの電縫鋼管の製造に適用可能
である。
(D) 成形装置例
本発明方法の実施に用いられる装置は、第1
4図に示す如く、帯板の中央部の幅のほぼ1/
3近傍(ボトム部とサイド部との境界部)をオ
ーバーベンドして帯板をU字形状に成形するU
字成形加工ロール群と、エツジ部とサイド部の
境界部をオーバーベンドし、次いで上記オーバ
ーベンド部を曲げ戻し加工するフインパスロー
ル群とから構成されている。U字成形ロール群
はセンターベンドロールとケージロールの組合
わせから構成されている。第14図中−,
−,−,−,−矢視の帯板断
面はそれぞれ第15図Aの,,,,
に対応し、第14図の−,−,−
矢視の帯板断面はそれぞれ第15図Bの,
,に対応して示されている。
4図に示す如く、帯板の中央部の幅のほぼ1/
3近傍(ボトム部とサイド部との境界部)をオ
ーバーベンドして帯板をU字形状に成形するU
字成形加工ロール群と、エツジ部とサイド部の
境界部をオーバーベンドし、次いで上記オーバ
ーベンド部を曲げ戻し加工するフインパスロー
ル群とから構成されている。U字成形ロール群
はセンターベンドロールとケージロールの組合
わせから構成されている。第14図中−,
−,−,−,−矢視の帯板断
面はそれぞれ第15図Aの,,,,
に対応し、第14図の−,−,−
矢視の帯板断面はそれぞれ第15図Bの,
,に対応して示されている。
第14図に示すように、センターベンドロー
ルはツインロール1CB、2CB、3CBとシングル
ロール4CBとからなり、帯板の長手方向に間隔
をあけた位置に配設され、ツインロールは帯板
幅両エツジからの約3分の1幅の部分の上下面
に当接しており、シングルロールは帯板中央部
に当接している。ケージロールは帯板のエツジ
部の下面に列設されている。
ルはツインロール1CB、2CB、3CBとシングル
ロール4CBとからなり、帯板の長手方向に間隔
をあけた位置に配設され、ツインロールは帯板
幅両エツジからの約3分の1幅の部分の上下面
に当接しており、シングルロールは帯板中央部
に当接している。ケージロールは帯板のエツジ
部の下面に列設されている。
上流側のセンターベンドロール1CB、2CB、
3CBはツインロールであつて、ケージロールと
の協働により帯板の中央部の、帯板幅の両エツ
ジから約3分の1幅付近の位置に局部曲げを与
える。下流側のセンターベンドロール4CBはシ
ングルロールであつてケージロールとの協働に
より帯板中央部に局部曲げを与える。
3CBはツインロールであつて、ケージロールと
の協働により帯板の中央部の、帯板幅の両エツ
ジから約3分の1幅付近の位置に局部曲げを与
える。下流側のセンターベンドロール4CBはシ
ングルロールであつてケージロールとの協働に
より帯板中央部に局部曲げを与える。
本発明の装置によれば、帯板のU字成形工程
において、第15図Aにフオーミングフラワー
を示すように帯板中央部のほぼ3分の1の幅の
部分を成品管曲率以上の曲率で半円形状に曲げ
成形し、帯板の両側部各約3分の1はそれぞれ
平板状としたU字形素管を成形する。
において、第15図Aにフオーミングフラワー
を示すように帯板中央部のほぼ3分の1の幅の
部分を成品管曲率以上の曲率で半円形状に曲げ
成形し、帯板の両側部各約3分の1はそれぞれ
平板状としたU字形素管を成形する。
以上のU字成形後の帯板はフインパスロール
において、第15図Bにそのフオーミングフラ
ワーを示すように曲げ、成形される。
において、第15図Bにそのフオーミングフラ
ワーを示すように曲げ、成形される。
第1フインパスロール1Fの孔形は上記U字
形素管を、U字形素管のエツジ部とサイド部と
の境界部およびサイド部とボトム部との境界部
が製品管の曲率以上の曲率になるようにオーバ
ーベンド成形する。第1フインパスロール1F
では、U字形素管のサイド部の曲げ加工をほと
んど行なわない。このため、第1フインパスロ
ール1Fでは2ロール型フインパスロールにお
けるロールフランジ位置に対応する素管のサイ
ド部とフインパスロールとの接触圧力は弱くな
る。
形素管を、U字形素管のエツジ部とサイド部と
の境界部およびサイド部とボトム部との境界部
が製品管の曲率以上の曲率になるようにオーバ
ーベンド成形する。第1フインパスロール1F
では、U字形素管のサイド部の曲げ加工をほと
んど行なわない。このため、第1フインパスロ
ール1Fでは2ロール型フインパスロールにお
けるロールフランジ位置に対応する素管のサイ
ド部とフインパスロールとの接触圧力は弱くな
る。
また、第1フインパスロール1F後の後流フ
インパスロール2F、3Fにおいては、第1フイ
ンパスロール1Fまでの工程でオーバーベンド
成形した素管のボトム部とサイド部の境界部お
よびエツジ部とサイド部との境界部を曲げ戻し
成形し、かつ、U字形素管を上下方向から押し
つぶして、第1フインパスロール1Fまでの工
程で曲げ成形をほとんど与えていないU字形素
管のサイド部を横方向に膨出させる、いわゆる
張り出し成形を行なう。この後流フインパスロ
ール2F、3Fの成形は素管のオーバーベンド部
を製品管の曲率以上の曲げ曲率を有する形状か
ら製品曲率まで曲げ戻す工程である。
インパスロール2F、3Fにおいては、第1フイ
ンパスロール1Fまでの工程でオーバーベンド
成形した素管のボトム部とサイド部の境界部お
よびエツジ部とサイド部との境界部を曲げ戻し
成形し、かつ、U字形素管を上下方向から押し
つぶして、第1フインパスロール1Fまでの工
程で曲げ成形をほとんど与えていないU字形素
管のサイド部を横方向に膨出させる、いわゆる
張り出し成形を行なう。この後流フインパスロ
ール2F、3Fの成形は素管のオーバーベンド部
を製品管の曲率以上の曲げ曲率を有する形状か
ら製品曲率まで曲げ戻す工程である。
(E) 具体的実施結果
以下、本発明の具体的実施結果について説明
する。
する。
ケージロール成形方式による従来の成形方
法、例えば第4図Dに示した成形フラワー方式
と、本発明による成形方法とにより、外径24イ
ンチ、肉厚16.0mm、管規格API5LX−X60、な
らびに外径26インチ、肉厚6.35mm、管規格
API5LX−X56の電縫鋼管をそれぞれ製造した
場合の、素管におけるエツジ増肉率、フインパ
ストータルリダクシヨン、第1フインパス成形
荷重、溶接時のVシエイプスパーク発生回数、
をそれぞれ比較したところ、第1表を得た。な
お、外径24インチ管、及び外径26インチ管の両
方において、本発明に関する成形諸元は以下の
如くである。
法、例えば第4図Dに示した成形フラワー方式
と、本発明による成形方法とにより、外径24イ
ンチ、肉厚16.0mm、管規格API5LX−X60、な
らびに外径26インチ、肉厚6.35mm、管規格
API5LX−X56の電縫鋼管をそれぞれ製造した
場合の、素管におけるエツジ増肉率、フインパ
ストータルリダクシヨン、第1フインパス成形
荷重、溶接時のVシエイプスパーク発生回数、
をそれぞれ比較したところ、第1表を得た。な
お、外径24インチ管、及び外径26インチ管の両
方において、本発明に関する成形諸元は以下の
如くである。
工程()におけるU字成形の範囲は、帯
板の幅方向中央部の左右両側のそれぞれにお
いて、全幅の20%分の範囲とした。そして、
当該U字成形の曲げ度合いは、素管ボトム部
相当部分で最終成形円筒管曲率の116%、素
管ボトム部両側のサイド部との境界部で最終
成形円筒管曲率の141%とした(第12図参
照)。
板の幅方向中央部の左右両側のそれぞれにお
いて、全幅の20%分の範囲とした。そして、
当該U字成形の曲げ度合いは、素管ボトム部
相当部分で最終成形円筒管曲率の116%、素
管ボトム部両側のサイド部との境界部で最終
成形円筒管曲率の141%とした(第12図参
照)。
工程()における素管サイド部の曲げ半
径は、最終成形円筒管半径の4倍とした。
径は、最終成形円筒管半径の4倍とした。
工程()における素管サイド部の横形
は、U字形成形体の横径の1.1倍とした。
は、U字形成形体の横径の1.1倍とした。
工程()における素管エツジ部の曲率は
最終成形円筒管曲率の100%とした。
最終成形円筒管曲率の100%とした。
工程()における素管サイド部と素管エ
ツジ部との境界部の曲率は最終成形円筒管曲
率の130%とした。
ツジ部との境界部の曲率は最終成形円筒管曲
率の130%とした。
工程()における素管サイド部と素管ボ
トム部との境界部の曲率は最終成形円筒管曲
率の125%とした。
トム部との境界部の曲率は最終成形円筒管曲
率の125%とした。
この第1表によれば、本発明に係る成形方法
は、従来方法による場合に比べ、フインパスロー
ル軽圧下成形が可能となり、フインパストータル
リダクシヨンの50〜70%の減少、ならびにフイン
パス成形荷重の35〜50%の減少化が達成される。
また、エツジの増肉率が従来の50%以下となり、
内面ビート切削の安定化、ならびに厚肉材でのエ
ツジ増肉による肉厚形状不良発生の防止が図られ
る。
は、従来方法による場合に比べ、フインパスロー
ル軽圧下成形が可能となり、フインパストータル
リダクシヨンの50〜70%の減少、ならびにフイン
パス成形荷重の35〜50%の減少化が達成される。
また、エツジの増肉率が従来の50%以下となり、
内面ビート切削の安定化、ならびに厚肉材でのエ
ツジ増肉による肉厚形状不良発生の防止が図られ
る。
第13図は上記24インチ材におけるフインパス
成形後のエツジ部の増肉状態を従来方法による場
合と比較して示す線図である。本発明によれば、
エツジ部の増肉が大幅に減少可能となることが認
められる。また、本発明によれば素管先後端部の
成形不良にともなうオープン長さが従来に比べ50
%減少し、溶接部の超音波テストによる合格率
も、5%向上した。さらに、本発明によれば、フ
インパスロール成形後の素管の円周方向残留曲げ
モーメントの方向が改善されることから、素管の
スプリングバツクが軽減され、所定形状寸法の溶
接素管を得ることが可能となる。
成形後のエツジ部の増肉状態を従来方法による場
合と比較して示す線図である。本発明によれば、
エツジ部の増肉が大幅に減少可能となることが認
められる。また、本発明によれば素管先後端部の
成形不良にともなうオープン長さが従来に比べ50
%減少し、溶接部の超音波テストによる合格率
も、5%向上した。さらに、本発明によれば、フ
インパスロール成形後の素管の円周方向残留曲げ
モーメントの方向が改善されることから、素管の
スプリングバツクが軽減され、所定形状寸法の溶
接素管を得ることが可能となる。
ところで、本発明においては、従来の成形方法
では、成形性ならびに設備強度面より製造が困難
であつたt/D(肉厚/外径)=0.9%相当の26イ
ンチ×6.0mm(×60)、ならびにt/D=4.3%相
当の20インチ×22mm(×52)の安定な製造が可能
となり、したがつて、その製造可能範囲が広いと
いう特徴をも有する。
では、成形性ならびに設備強度面より製造が困難
であつたt/D(肉厚/外径)=0.9%相当の26イ
ンチ×6.0mm(×60)、ならびにt/D=4.3%相
当の20インチ×22mm(×52)の安定な製造が可能
となり、したがつて、その製造可能範囲が広いと
いう特徴をも有する。
また、外径16インチ〜26インチまでの6種類の
造管径に対し、粗成形および中間成形ロール手持
本数は第2表に示すように、従来方法で必要であ
つた87本より43本に削減でき、さらに、第2表に
示すように、従来成形で必要とされたエツジフオ
ーミングロール、インサイド成形ロールを省略す
ることが可能となり、粗、中間成形過程のライン
長さを15〜20Dmax(Dmax:最大外径)、すなわ
ち、従来のライン長さの50〜70%の長さに短縮す
ることが可能となる。また、造管径の変更による
サイズ替変更およびそれにともなうロール調整時
間が従来の成形方法に比べ、40%減少した。
造管径に対し、粗成形および中間成形ロール手持
本数は第2表に示すように、従来方法で必要であ
つた87本より43本に削減でき、さらに、第2表に
示すように、従来成形で必要とされたエツジフオ
ーミングロール、インサイド成形ロールを省略す
ることが可能となり、粗、中間成形過程のライン
長さを15〜20Dmax(Dmax:最大外径)、すなわ
ち、従来のライン長さの50〜70%の長さに短縮す
ることが可能となる。また、造管径の変更による
サイズ替変更およびそれにともなうロール調整時
間が従来の成形方法に比べ、40%減少した。
以上のように、本発明によれば粗、中間成形過
程の成形性およびフインパス成形過程での帯板の
成形性を向上させ、溶接部品質の優れた電縫鋼管
製造を可能とし、かつミル稼動率の向上を達成で
きる。
程の成形性およびフインパス成形過程での帯板の
成形性を向上させ、溶接部品質の優れた電縫鋼管
製造を可能とし、かつミル稼動率の向上を達成で
きる。
第1図A〜Dは従来の成形方法における成形フ
ラワーを示すモデル図、第2図AおよびBは従来
のフインパス成形フラワーを示すモデル図、第3
図AおよびBは従来のフインパス成形方式による
素管成形過程を示す投影軌跡線図、第4図は従来
の成形方法を示すロールマツプ図、第5図は本発
明に係る粗、中間成形過程におけるセンターフオ
ーミングプロセスの成形フラワーを示すモデル
図、第6図は本発明に係るフインパス成形におけ
る素管エツジ曲げ成形および素管張り出し成形プ
ロセスの成形フラワーを示すモデル図、第7図A
は本発明に係る第1フインパスロール成形プロセ
スの素管成形状態および素管に作用する力を示す
モデル図、第7図Bは従来の成形方法における第
1フインパスロールでの素管成形状態および素管
に作用する力を示すモデル図、第7図Cは本発明
に係る第1フインパスロール成形プロセスの素管
とロールとの関係を示す模式図、第7図Dは本発
明に係る第1フインパスロール成形プロセスの素
管断面に生ずる曲げモーメント分布を示す模式
図、第7図Eは従来の成形方法における第1フイ
ンパスロール成形プロセスの素管断面に生ずる曲
げモーメント分布を示す模式図、第7図Fはフイ
ンパスロール成形プロセスにおけるロールフラン
ジ部でのロール疵発生状況を示す模式図、第7図
Gはフインパスロール成形プロセスにおける素管
エツジの増肉発生状況を示す模式図、第7図Hは
従来法のフインパスロール孔型において素管が幅
狭め成形される状態を示す模式図、第7図Iは本
発明法のフインパスロール孔型における素管の成
形状態を示す模式図、第8図は本発明に係る第2
フインパスロール以後での成形プロセスを示すモ
デル図、第9図は本発明に係るフインパス成形プ
ロセスにおける素管の成形状態を示す投影軌跡線
図、第10図Aは本発明によつて成形した溶接管
の円周方向残留曲げモーメントを示すモデル図、
第10図Bは従来の成形方法によつて成形した溶
接管の円周方向残留曲げモーメントを示すモデル
図、第11図は本発明の一例に係る成形プロセス
を示すロールマツプ図、第12図は本発明に係る
フインパス成形プロセスを可能とするフインパス
ロール孔形形状の一例を示す線図、第13図は従
来方法と本発明とによるフインパス成形後の素管
エツジ部の肉厚分布を比較して示す線図、第14
図は本発明方法の実施に用いられる装置を示す模
式図、第15図A,Bは本発明方法による帯板の
成形工程を示す帯板横断面図である。
ラワーを示すモデル図、第2図AおよびBは従来
のフインパス成形フラワーを示すモデル図、第3
図AおよびBは従来のフインパス成形方式による
素管成形過程を示す投影軌跡線図、第4図は従来
の成形方法を示すロールマツプ図、第5図は本発
明に係る粗、中間成形過程におけるセンターフオ
ーミングプロセスの成形フラワーを示すモデル
図、第6図は本発明に係るフインパス成形におけ
る素管エツジ曲げ成形および素管張り出し成形プ
ロセスの成形フラワーを示すモデル図、第7図A
は本発明に係る第1フインパスロール成形プロセ
スの素管成形状態および素管に作用する力を示す
モデル図、第7図Bは従来の成形方法における第
1フインパスロールでの素管成形状態および素管
に作用する力を示すモデル図、第7図Cは本発明
に係る第1フインパスロール成形プロセスの素管
とロールとの関係を示す模式図、第7図Dは本発
明に係る第1フインパスロール成形プロセスの素
管断面に生ずる曲げモーメント分布を示す模式
図、第7図Eは従来の成形方法における第1フイ
ンパスロール成形プロセスの素管断面に生ずる曲
げモーメント分布を示す模式図、第7図Fはフイ
ンパスロール成形プロセスにおけるロールフラン
ジ部でのロール疵発生状況を示す模式図、第7図
Gはフインパスロール成形プロセスにおける素管
エツジの増肉発生状況を示す模式図、第7図Hは
従来法のフインパスロール孔型において素管が幅
狭め成形される状態を示す模式図、第7図Iは本
発明法のフインパスロール孔型における素管の成
形状態を示す模式図、第8図は本発明に係る第2
フインパスロール以後での成形プロセスを示すモ
デル図、第9図は本発明に係るフインパス成形プ
ロセスにおける素管の成形状態を示す投影軌跡線
図、第10図Aは本発明によつて成形した溶接管
の円周方向残留曲げモーメントを示すモデル図、
第10図Bは従来の成形方法によつて成形した溶
接管の円周方向残留曲げモーメントを示すモデル
図、第11図は本発明の一例に係る成形プロセス
を示すロールマツプ図、第12図は本発明に係る
フインパス成形プロセスを可能とするフインパス
ロール孔形形状の一例を示す線図、第13図は従
来方法と本発明とによるフインパス成形後の素管
エツジ部の肉厚分布を比較して示す線図、第14
図は本発明方法の実施に用いられる装置を示す模
式図、第15図A,Bは本発明方法による帯板の
成形工程を示す帯板横断面図である。
【表】
【表】
Claims (1)
- 1 帯板を連続的にロール成形し、素管を形成す
る電縫鋼管の成形方法において、()帯板エツ
ジ部を帯板長手方向にて比較的小ピッチで拘束支
承する複数の支承ロールと帯板中央部を拘束かつ
成形加工する複数のセンターベンドロールとを用
い、帯板の素管サイド部相当部分については曲げ
成形加工を行なわず、帯板中央部の少なくとも一
部については最終成形円筒管曲率以上にオーバー
ベンド成形加工を行ない、前記帯板をU字形状に
成形し、()上流側フインパスロールを用い、
素管サイド部の曲げ成形加工を最終成形円筒管半
径の2倍以上の曲げ半径に抑制し、該素管サイド
部の横径(幅)を前記U字形成形体の横径と同等
あるいはそれ以上の大きさに成形し、かつ素管エ
ツジ部を最終成形円筒管曲率の80%以上の曲率で
曲げ成形するとともに素管サイド部と素管エツジ
部との境界部および素管サイド部と素管ボトム部
との境界部を最終成形円筒管曲率以上にオーバー
ベンド成形し、()下流側フインパスロールを
用い、主として素管縦径を減ずる方向の圧下を加
えることにより、上記()で曲げ成形した素管
サイド部を順次幅方向に張り出し成形し、この張
り出し成形加工により、素管サイド部の曲げ成形
ならびに前記各境界部の曲げ戻し加工を行なうこ
とを特徴とする電縫鋼管の成形方法。
Priority Applications (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP58131938A JPS6024220A (ja) | 1983-07-21 | 1983-07-21 | 電縫鋼管の成形方法 |
CA000458976A CA1239778A (en) | 1983-07-21 | 1984-07-16 | Method for forming an electric resistance welded steel pipe |
DE8484108542T DE3474264D1 (en) | 1983-07-21 | 1984-07-19 | A method for forming an electric resistance welded steel pipe |
EP84108542A EP0133245B1 (en) | 1983-07-21 | 1984-07-19 | A method for forming an electric resistance welded steel pipe |
IN376CA1989 IN172377B (ja) | 1983-07-21 | 1989-05-15 |
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP58131938A JPS6024220A (ja) | 1983-07-21 | 1983-07-21 | 電縫鋼管の成形方法 |
IN376CA1989 IN172377B (ja) | 1983-07-21 | 1989-05-15 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6024220A JPS6024220A (ja) | 1985-02-06 |
JPH0372366B2 true JPH0372366B2 (ja) | 1991-11-18 |
Family
ID=26324269
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP58131938A Granted JPS6024220A (ja) | 1983-07-21 | 1983-07-21 | 電縫鋼管の成形方法 |
Country Status (3)
Country | Link |
---|---|
EP (1) | EP0133245B1 (ja) |
JP (1) | JPS6024220A (ja) |
IN (1) | IN172377B (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6142428A (ja) * | 1984-08-07 | 1986-02-28 | Ishikawajima Harima Heavy Ind Co Ltd | 管成形方法及び装置 |
JP6090212B2 (ja) * | 2014-03-07 | 2017-03-08 | Jfeスチール株式会社 | 厚肉電縫管の製造方法 |
Family Cites Families (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US2234450A (en) * | 1938-10-14 | 1941-03-11 | Bundy Tubing Co | Method for making tubes |
US2563214A (en) * | 1946-02-14 | 1951-08-07 | Clyde R Croson | Pipe-making machine |
US2948324A (en) * | 1955-10-18 | 1960-08-09 | Pirelli General Cable Works | Manufacture of tubing and tubular sheathing |
US2998047A (en) * | 1958-03-05 | 1961-08-29 | Bundy Tubing Co | Method of making tube from strip metal stock |
JPS52151135U (ja) * | 1976-05-14 | 1977-11-16 | ||
JPS54145361A (en) * | 1978-05-02 | 1979-11-13 | Nippon Steel Corp | Roller forming cylindrical pipe |
-
1983
- 1983-07-21 JP JP58131938A patent/JPS6024220A/ja active Granted
-
1984
- 1984-07-19 EP EP84108542A patent/EP0133245B1/en not_active Expired
-
1989
- 1989-05-15 IN IN376CA1989 patent/IN172377B/en unknown
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
EP0133245A3 (en) | 1985-07-24 |
JPS6024220A (ja) | 1985-02-06 |
EP0133245B1 (en) | 1988-09-28 |
IN172377B (ja) | 1993-07-10 |
EP0133245A2 (en) | 1985-02-20 |
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