JP3610824B2 - 薄肉溶接管の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属帯を連続的に環状にロール成形し、複数のフィンパスロールを経て素管両エッジ突合せ部を溶接して溶接管を製造する方法に関し、特にt/D=5%(t:肉厚、D:管外径)程度又はそれ以下の薄肉溶接管の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
溶接管の製造工程は、図1に示すように金属帯Aを水平ロールからなるブレークダウンロール1、及び、小径のロールを長手・円周方向に多数配置したケージロール又は縦ロールからなるクラスタロール2に通してU字形に成形し、後続の複数のフィンパスロール3によって円形に成形した後、継目の開いたオープンパイプの形で高周波溶接機4又はレーザ溶接機5に送られる。高周波溶接機4では、オープンパイプのエッジ部aのみを急速かつ集中的に加熱しつつ、スクイズロール6にて側圧を加えることにより接合し溶接管Pとなる。或いは、より高品質な溶接部を得るためにレーザ溶接機5を併用し、オープンパイプのエッジ部aを溶融溶接する場合もある。
【0003】
上記のような製造工程で溶接管を製造する際に、金属帯エッジ部aの軌跡l1Eはエッジの曲げ成形及び空間軌跡の関係上、図2に示すように金属帯中央部軌跡l1cに比べて長いため、エッジ部aが一時的に伸ばされエッジストレッチが生じる。このため、フィンパス成形過程では、このエッジ部aと中央部との長さの不均衡により、エッジ部aに対して長手方向の圧縮力が作用する。特に肉厚(t)と外径(D)の比(t/D)が小さな、いわゆる薄肉電縫鋼管の製造では、この圧縮力によりエッジ部aが容易に座屈するため、縁波を発生しシームの段差や溶け落ち等の溶接欠陥を生じる。
【0004】
このような縁波の発生を根絶するための対策として、金属帯エッジ部aと中央部の伸び量を初期工程から調節して成形する方法、例えば、▲1▼成形ロール群最上流側にロールクラウン量を可変とした圧延ロールを配置し金属帯中央部に予めエッジ部よりも大きな伸び変形を与える方法(特公昭64−4853号公報)、▲2▼金属帯に張力を加えながら金属帯エッジ部aと中央部の延伸量が等しくなるようにブレークダウンロールにて金属帯中央部を圧延しながら成形する方法(特開平4−84626号公報)などが試みられてきた。
【0005】
また、▲3▼特開昭60−24220号公報又は特開昭60−108118号公報では、フィンパスロール上流の成形ロールで金属帯中央部の曲げ成形加工のみ行ったu字形状素管とし、後続するフィンパスロールで素管サイド部を順次幅方向に張り出し成形することにより縁波を防止し良好な溶接品質の溶接管を製造する技術が提案されている。
【0006】
しかし、▲1▼特公昭64−4853号公報では、ロールクラウン量を可変とした圧延ロールを成形ロール群の最上流に配置せねばならず、既存設備の改造は多額の費用を要する。また、可変圧延ロールの配置についても、設備投資が多大となり製造コストの増加となる。さらに、適正な予ひずみ量は管外径、肉厚及び材質により異なるため、全製品について詳細なる調整が必要となり、設定作業が非常に煩雑となる。しかも、(t/D)が小さい薄肉管では、予ひずみの導入によりブレークダウン初期過程でエッジ座屈が発生するという問題がある。
【0007】
また、▲2▼特開平4−84626号公報では、圧延量と張力を微妙に調整する必要性があるため、上流から下流に至るまでのロール回転速度、ブレークダウンロールによる圧延量及び圧延による素材の先進量を、素材の肉厚公差も鑑みながら全ロールに即座にフィードバックする制御機構が必要となり構造的に複雑となるため、実用的とは言えない。しかも、特公昭64−4853号公報と同様に適正な圧延量は管外径、肉厚及び材質により異なるため、全製品について詳細なる調整が必要となり、設定作業が非常に煩雑となる問題があった。
【0008】
また、▲3▼特開昭60−24220号公報又は特開昭60−108118号公報では、金属帯エッジ部を成形せずにフィンパスロールに挿入し、フィンパスロールでエッジ成形を行うため、フィンパスロールの過負荷及び金属帯エッジ部をフィンパスロールで痛めるという問題があった。
【0009】
このような問題に対して、本発明者らは成形中の縁波の発生をある程度許容するものの、一度発生した縁波を消去するべく、最終フィンパスロール3とスクイズロール6との間でオープンパイプのエッジ部aを内側から上方に押上げつつガイドする押上げロール装置(図示無し)を設置する技術を提案している(特開平5−208213号公報、特開平9−1232号公報等)。これはエッジ部aに生じた長手方向エッジストレッチに対応した伸び(余剰材)を連続的に上方へ押上げることにより、軌跡の不均衡を是正するとともにエッジ部aにテンションを与え、溶接直前のエッジaの縁波を見掛け上消去しつつ、エッジを安定化させるものである。しかし、この方法においては、図3(a)タイプの急峻な縁波に対しては効果が減少するため、やはり成形時に縁波を抑制、消去する成形方法を必要としていた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
縁波には図3に示すように、波の頂点が尖った(a)タイプの縁波と、波の頂点が緩やかに波打つ(b)タイプの縁波があり、比較的波高さが小さな場合に生じる(b)タイプの縁波であれば、押上げロール装置による押上げ条件の適正化により容易に抑制でき、溶接欠陥の無い溶接管の製造が可能である。これに対し、波高さが大きい場合に発生する(a)タイプの縁波では、押上げ条件を適正化しても尖った頂点部は、鋭角に塑性変形しているため座屈の痕跡が残り、溶接不良を生じてしまう場合がある。
【0011】
このため、(a)タイプのような縁波を生じた場合には、押上げロール装置を使用する場合であっても、作業者は長年の経験に基づき、各フィンパスロールの絞り量・配分変更を行う、ケージロールの位置調整を行う等のロール調整行為を単独又は組合せて行い、縁波の軽減を図っていた。しかしながら、t/Dの小さな薄肉管の製造においては、ロール調整範囲が非常に狭いため、ロール調整に多大な時間を要し、かつ、材料歩留まりを低下させるという問題を抱えていた。
【0012】
本発明は、このような現状に鑑みてなされたものであり、ロール調整時間の短縮化及び簡便化をするとともに、縁波の軽減又は抑制に最適な薄肉溶接管の製造方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、金属帯を連続的にロール成形し、複数のフィンパスロールを経て素管両エッジ突合せ部を溶接して溶接管を製造する方法において、縁波の発生を抑制するロール調整法について、特に初段フィンパスロール直前の素管成形形状、すなわちケージ又はクラスタセクション2の成形形状とフィンパスロール3の成形形状との関係に着眼し、鋭意研究を重ねてきた。その結果、初段フィンパスロール直前の素管成形形状と初段フィンパスロールの成形形状における最大幅変化に、及び、初段フィンパスロールの成形形状と次段フィンパスロールの成形形状における最大幅変化によって生じる変形経路が縁波の発生に大きく関与していることを究明した。
【0014】
本発明は、以上の知見に基づいて構成されたものであり、その構成は次のとおりである。
(1)本発明に係る薄肉溶接鋼管の製造方法は、金属帯を連続的にロール成形し、複数のフィンパスロールを経て素管両エッジ突合せ部を溶接して薄肉溶接管を製造する方法において、初段フィンパスロール直前の素管成形形状と初段フィンパスロールの成形形状との関係、及び初段フィンパスロールの成形形状と次段フィンパスロールの成形形状との関係が、以下の式(1)、(2)、(3)及び(4)を満たすように、ロール位置及びロールカリバーを設定するものである。
【0015】
【数2】
【0016】
F≦D/15 …(2)
C=c1−f1 …(3)
F=f1−f2 …(4)
c1:初段フィンパスロール直前の素管成形形状における最大幅の1/2(mm)
f1:初段フィンパスロール成形形状における最大幅の1/2(mm)
f2:次段フィンパスロール成形形状における最大幅の1/2(mm)
D:管外径(mm)
t:肉厚(mm)
なお、上記の式(1)は実験式である(図7、図8参照)。
(2)また、本発明に係る薄肉溶接鋼管の製造方法は、上記(1)の製造方法において、初段フィンパスロール直前の素管エッジ部の成形曲率半径REが初段フィンパスロールの上ロール成形曲率半径RTの2倍以内に曲げ成形される。
【0017】
上記C(C=c1−f1)が式(1)右辺で計算される値より大きくなると、大きな縁波を発生し溶接欠陥を誘発する。また、Cが式(1)左辺で計算される値より小さいと、初段フィンパスロールの前素管の成形としては、環状ではなく2つ折りの成形形状となるため、初段フィンパスロールで環状に成形するための成形負荷が非常に高くなり、ロールの損耗が激しくなる。加えて素管のボトム部付近(底面部付近)には2つ折りの際に角を生じ、後段での成形においてもこの角は容易に修正できないため、製品の真円度の低下を引き起こすばかりか、その部分は特に材質の劣化を生じる。
【0018】
また、Fが式(2)で計算される値より大きいと、縁波が発生しない場合においても、素管サイド部(側面部)の幅寄せが大きいため素材がフィンパスロールと強く接触し、ロール庇、素材の噛み出しを生じる。
【0019】
また、初段フィンパスロール直前の素管エッジ部の成形曲率半径REが、初段フィンパスロールの上ロール成形曲率半径RTの2倍を超えると、素管エッジ部がフィンパスロールのカリバー形状に馴染み難くなり、図4(a)に示す如く、素管エッジ部の外面側がフィンパス上ロールに、また、内面側がフィンに強く押し付けられる成形状態となるため、フィンパスを通過した後の両エッジの突き合わせ形状は図4(b)に示すような外面側がダレ、内面側が押し潰された形状となる。
【0020】
エッジ部の突き合わせ形状が図4(b)のような状態であると、通常の高周波溶接の場合ではそれ程問題とならないが、より高品質な溶接部を得るためにレーザ溶接する場合には、レーザスポット径が0.7mmと非常に小さいため、特に内面側に未溶接欠陥を生じる。
【0021】
以上のことから、式(1)、(2)、(3)及び(4)を満足する成形形状とし、さらには、上記のフィンパス直前の素管エッジ部の成形量を本発明の範囲とすることにより、t/Dの小さい薄肉管のロール成形においても簡便なロール調整により効果的に縁波を軽減及び抑制することが可能となり、溶接品質に優れた溶接管を製造することができる。
【0022】
上述のような素管の成形形状を規定した類似の成形方法として特開昭60−24220号公報、特開昭60−108118号公報等が挙げられるが、これらは、フィンパスロール上流の成形ロールで金属帯中央部の曲げ成形加工のみを行って素管をu字形状にし、後続する初段フィンパスロールで素管サイド部の曲げ成形加工を抑制し、素管サイド部と素管エッジ部、及び素管サイド部と素管ボトム部の各境界部を最終成形管曲率以上にオーバーベンドし、後続するフィンパスロールにより、素管縦径を減ずる方向の圧下を加えることにより、素管サイド部を順次幅方向に張り出し成形し、横径が漸増する方向の成形を行い、この張り出し成形により素管サイド部の曲げ成形、ならびにオーバーベンドを行った素管サイド部と素管エッジ部、及び素管サイド部と素管ボトム部の各境界部の曲げ戻し加工を行うものである。この技術は、フィンパスロールで素管の張り出し成形及び曲げ曲げ戻し成形を行うことを基本的としており、本発明のようにフィンパスロール前の成形ロールでエッジ曲げ成形を行った素管とフィンパスロールでの最大幅の幅寄せ量とを規定した技術とは全く異なる。特に、上記式(4)で表されるFの値が正の領域の成形形状は、特開昭60−24220号公報、特開昭60−108118号公報等とは全く異なる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を得られた実験結果とともに詳述する。
図5(a)は、本発明の実施の形態に関わるケージロール最終段の断面模式図で、図5(b)はクラスタロールの場合の最終段断面模式図である。図5(a),(b)において、小ロール2aには小ロールを入出させるためのロール移動装置2bと、小ロール2aの位置を検出するためのロール位置検出装置2cとが具備されている。ロール移動装置2bは手動ネジ式、電動式、油圧式のいずれでも良い。また、ロール位置検出装置2cは、接触式変位計又は非接触式レーザ変位計いずれでも良く、小ロール2aの位置を正確に検出できるもであれば特に制限されるものではない。なお、小ロール2aに作用する荷重を検出するためのロール荷重検出装置(図示せず)を取付けても良い。
【0024】
図6は本発明の実施の形態に関わる素管成形形状の模式図である。図6(a)はケージロール又はクラスタロールでの素管成形形状の模式図を、図6(b)はフィンパスロールでの素管成形形状の模式図を示す。図6(a),(b)に示すように素管成形形状における最大幅とは幅方向で最大となる部分の幅である。
【0025】
通常、フィンパスロールカリバーは、上ロールの成形曲率半径RTと下ロールの成形曲率半径RBからできているため、フィンパスロールでの素管成形形状における最大幅/2とは、下ロールの成形曲率半径RBと同じになる。
【0026】
ケージロールにおける素管の成形形状は、図5(a)に示すように円周方向に配置された小ロール2aの入出により形状が決定されるが、同一のケージロール装置で複数の管外径の製造を行う場合には、サイド部の小ロール2aが常に素管の最大幅部に合致するとは限らない。このため、各小ロール位置計測だけでは素管の最大幅を正確に計測できない場合があるため、最大幅付近をレーザ形状計等で別途計測することが望ましい。一方、クラスターロールにおいては、ロールのカリバー底(最もロール径が細くなるところ)で素管は最大幅となるため、小ロールの幅方向位置の計測により素管の最大幅は容易に計算できる。
【0027】
【実施例】
[実施例1]
図7は次に示す造管条件(溶接管の寸法、溶接管の材質、成形機の構成)で、フィンパスロールカリバー及び初段フィンパスロール直前の素管成形形状を様々に変えてモデルミルを使用して溶接管を製造したときのスクイズロール6近傍に発生する縁波をレーザ変位計を有した非接触型の縁波計により測定した結果を成形条件毎に分類整理したものである。
【0028】
ただし、縁波の測定位置は、スクイズロール中心直上から65mm上流側(フィンパスロール側)、かつ、円周方向の計測位置はエッジ部先端近傍とした場合である。
【0029】
図7中には縁波計測の結果を、造管中の最大縁波高さが0.5mm未満のものは○、0.5〜2.0 mmのものは△、2.0〜5.0 mmのものは□、5.0を越えるものは×で表した。また、図7中の矢印は、ロール調整の方向を示している。なお、縁波高さが2.0mmを越えるものは、波の頂点部が尖った(a)タイプの縁波となる場合が多く見られた。図7から明らかなように、本発明の形態に関わる最大幅の成形形状とすることにより、縁波を効果的に軽減又は抑制できることが分かる。
【0030】
[実施例2]
図8は次に示す造管条件(溶接管の寸法、溶接管の材質、成形機の構成)で、実施例1と同様にフィンパスロールカリバー及び初段フィンパスロール直前の素管成形形状を様々に変えてモデルミルを使用して溶接管を製造したときのスクイズロール6近傍に発生する縁波をレーザ変位計を有した非接触型の縁波計により測定した結果を成形条件毎に分類整理したものである。
【0031】
なお、縁波の測定位置は実施例1と同様である。
【0032】
また、図8中の縁波高さの符号は実施例1と同様であるが、符号の白抜きはt1.6の結果を、中塗りはt2.7の結果を示す。図8から明らかなように、本発明の形態に関わる最大幅の成形形状とすることにより、縁波を効果的に軽減又は抑制できることが分かる。
【0033】
[実施例3]
表1は次に示す実機の造管条件(溶接管の寸法、溶接管の材質、成形機の構成)で、初段フィンパスロール直前の素管成形形状を様々に変えて溶接管を製造したときのスクイズロール6近傍に発生する縁波を高周波溶接機(コンタクトシュー)4の上下動量として測定した結果を示す相関図である。なお、計測法としては、コンタクトシューに絶縁処理した延長部品を取付け、その延長部品の上下動を渦流変位計を有した非接触型の縁波計により測定した。なお、実施例1と同様にフィンパスの成形形状を様々に変えるには、ロールカリバーの異なるフィンパスロールを実機で揃える必要があり、多大な費用がかかるため、ケージロールの調整により初段フィンパスロール直前の素管成形形状を様々に変えて縁波の変化を計測した。
【0034】
【表1】
【0035】
ただし、縁波の測定位置は、スクイズロール中心直上から150mm上流側(フィンパスロール側)、かつ、円周方向の計測位置はコンタクトシューがオープンパイプに接触する位置すなわち、ほぼエッジ部近傍とした場合である。
【0036】
表1から明らかなように、大径の溶接管の製造においても、本発明の形態に関わる最大幅の成形形状とすることにより、縁波を効果的に軽減又は抑制できることが分かる。
【0037】
[実施例4]
表2は次に示す実機の造管条件(溶接管の寸法、溶接管の材質、成形機の構成)で、初段フィンパスロール直前の素管成形形状を様々に変えて溶接管を製造したときのスクイズロール6近傍に発生する縁波をレーザ変位計を有した非接触型の縁波計により測定した結果を示す相関図である。なお、この場合も実施例2と同様、フィンパスロールを様々取り揃えるには多大な費用がかかるため、クラスタロールの調整により初段フィンパスロール直前の素管成形形状を様々に変えて縁波の変化を計測した。
【0038】
【表2】
【0039】
【0040】
ただし、縁波の測定位置は、スクイズロール中心直上から100mm上流側(フィンパスロール側)、かつ、円周方向の計測位置はエッジ部先端近傍とした場合である。
【0041】
表2から明らかなように、成形機の構成が異なった場合においても、本発明の形態に関わる最大幅の成形形状とすることにより、縁波を効果的に軽減又は抑制できる。
【0042】
【発明の効果】
以上述べた如く本発明によれば、縁波が発生しやすいt/Dの小さな薄肉溶接管のロール成形において、 初段フィンパスロール直前の素管成形形状と初段フィンパスロールの成形形状との関係、及び初段フィンパスロールの成形形状と次段フィンパスロールの成形形状との関係が、所定の条件を満たすようにロール調整するようにしたので、ロール調整時間の短縮化及び簡便化が可能になっており、また、縁波の軽減又は抑制が効果的になされている。これにより、溶接品質、生産性の向上及び製造コストの低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】溶接管の製造ラインを示す模式図である。
【図2】ロール成形におけるエッジストレッチを示す説明図である。
【図3】溶接管を製造する際にオープンパイプに発生する縁波の種類を示す説明図である。
【図4】(a)は素管エッジ部の成形量が不足している場合のエッジ部のフィンパスロールへの挿入状況をを示す模式図、(b)は素管エッジ部の成形量が不足している場合のエッジ部突き合わせ部を示す模式図である。
【図5】(a)は本発明の実施形態に関わるケージロールの構成を示す模式図で、(b)は本発明の形態に関わるクラスタロールの構成を示す模式図である。
【図6】(a)は本発明の実施形態に関わるケージロール又はクラスタロールでの素管成形形状の模式図で、(b)は本発明の実施形態に関わるフィンパスロールでの素管成形形状の模式図である。
【図7】素管成形形状と縁波高さの相関を示す説明図である。
【図8】素管成形形状と縁波高さの相関を示す説明図である。
【符号の説明】
1 ブレークダウンロール群
2 ケージロール又はクラスタロール群
2a ケージロール又はクラスタロール
2b ケージロール又はクラスタロールのロール移動装置
2c ケージロール又はクラスタロールのロール位置検出装置
3 フィンパスロール群
4 高周波溶接機(コンタクトシュー)
5 レーザ溶接機
6 スクイズロール
A 金属帯
a エッジ部
P 溶接管
RE 初段フィンパスロール直前の素管エッジ部の成形曲率半径
RT フィンパスロールの上ロール成形曲率半径
RB フィンパスロールの下ロール成形曲率半径
c1 初段フィンパスロール直前の素管成形形状における最大幅の1/2(mm)
f1 初段フィンパスロール成形形状における最大幅の1/2(mm)
f2 次段フィンパスロール成形形状における最大幅の1/2(mm)
Claims (2)
- 金属帯を連続的にロール成形し、複数のフィンパスロールを経て素管両エッジ突合せ部を溶接して薄肉溶接管を製造する方法において、
初段フィンパスロール直前の素管成形形状と初段フィンパスロールの成形形状との関係、及び初段フィンパスロールの成形形状と次段フィンパスロールの成形形状との関係が、以下の式(1)、(2)、(3)及び(4)を満たすように、ロール位置及びロールカリバーを設定することを特徴とする薄肉溶接管の製造方法。
C=c1−f1 …(3)
F=f1−f2 …(4)
c1:初段フィンパスロール直前の素管成形形状における最大幅の1/2(mm)
f1:初段フィンパスロール成形形状における最大幅の1/2(mm)
f2:次段フィンパスロール成形形状における最大幅の1/2(mm)
D:管外径(mm)
t:肉厚(mm) - 初段フィンパスロール直前の素管エッジ部の成形曲率半径REが、初段フィンパスロールの上ロール成形曲率半径RTに対して2・RT以内に曲げ成形されていることを特徴とする請求項1記載の薄肉溶接管の製造方法。
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