JPH0372006B2 - - Google Patents

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JPH0372006B2
JPH0372006B2 JP59124120A JP12412084A JPH0372006B2 JP H0372006 B2 JPH0372006 B2 JP H0372006B2 JP 59124120 A JP59124120 A JP 59124120A JP 12412084 A JP12412084 A JP 12412084A JP H0372006 B2 JPH0372006 B2 JP H0372006B2
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JP
Japan
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weight
pore
diameter
adsorption
molecular sieve
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JP59124120A
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JPS616108A (ja
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Chiaki Marumo
Masao Hayashi
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Kanebo Ltd
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Kanebo Ltd
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Publication date
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Publication of JPS616108A publication Critical patent/JPS616108A/ja
Publication of JPH0372006B2 publication Critical patent/JPH0372006B2/ja
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  • Solid-Sorbent Or Filter-Aiding Compositions (AREA)
  • Silicates, Zeolites, And Molecular Sieves (AREA)
  • Carbon And Carbon Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、ポリビニルアルコール系樹脂が10〜
70重量%、フエノール樹脂が30〜90重量%よりな
る合成樹脂複合体を炭化、または、炭化および賦
活してなる細孔直径10A°以下の領域に細孔径分
布の極大値を有し、細孔直径15〜200A°の範囲内
の細孔容積が0.1cm3/g以下である分子ふるい炭
素に関する。 従来、分子ふるい効果を有する吸着剤として
は、シリカ・アルミナ系のゼオライトが広く用い
られ、ガスの分離及び精製に重要な役割を果たし
ている。しかしながらゼオライト系分子ふるい
は、耐熱性、耐薬品性に劣り、かつ、水のような
極性物質に対する選択的吸着性が強く、極性物質
の存在下では、分子ふるい効果を示さないという
欠点を有している。この様なゼオライト系分子ふ
るいに対し、近年、非極性、疎水性の炭素を素材
とした分子ふるいの製造が可能となり、耐熱、耐
薬品性に優れ、極性物質の存在下でも使用可能な
分子ふるいとして注目を集めている。しかしなが
ら、この分子ふるい炭素の工業的製造に関して
は、炭素表面のミクロ孔の制御に煩雑な工程を必
要とし、複雑にして非効率的な製造法しか見出せ
ていないのが現状である。その代表的製造法とし
ては、例えば、あらかじめ製造しておいた細孔の
大きい活性炭に合成樹脂原料物質を触媒とともに
吸着させた後再び炭化処理する方法(特公昭49−
37036号公報)、さらし廃棄物を高温で加熱した後
粉砕し、更に焼結剤、造粒剤等を加えて造粒後再
び加熱乾留する方法(特公昭52−47758号公報)、
あるいはあらかじめ製造した活性炭を炭化水素を
含む雰囲気下で再焼成し、炭化水素の熱分解で生
じた炭素を活性炭の細孔壁に添着させる方法等が
挙げられるが、これらの製造法は上述の如くいず
れも工程が煩雑であるばかりでなく、特に分子径
の差の小さい炭化水素異性体や窒素/酸素の分離
に適用するための分子ふるい炭素としては、なお
一層の分離性能の向上が望まれている。 本発明者らは既存の分子ふるい炭素の上記欠点
に鑑み、鋭意研究の結果本発明を完成させたもの
である。 即ち本発明は、ポリビニルアルコール系樹脂が
10〜70重量%、フエノール樹脂が30〜90重量%よ
りなる合成樹脂複合体を非酸化性雰囲気下、500
〜700℃の温度領域で炭化するか、または炭化後
更に酸化性雰囲気下500〜700℃の温度領域で炭化
物の15重量%以内の重量減少となる範囲で賦活し
てなる、細孔直径10A°以下の領域に細孔系分布
の極大値を有し、細孔直径15〜200A°の範囲の細
孔容積が0.1cm3/g以下である分子ふるい炭素を
提供するにある。 本発明に於いてポリビニルアルコール系樹脂10
〜70重量%、フエノール樹脂30〜90重量%よりな
る合成樹脂複合体に用いるポリビニルアルコール
系樹脂とは、ポリビニルアルコール及びポリビニ
ルアルコールのアセタール化反応により得られる
ポリビニルホルマール、ポリビニルベンザール等
のポリビニルアセタール樹脂である。 またフエノール樹脂としては、溶液状あるいは
粉末状のレゾール樹脂、ノボラツク樹脂、または
特開昭57−177011号公報に開示された反応性を有
する粒状フエノール樹脂等を好適に用いることが
出来る。 これらのポリビニルアルコール系樹脂及びフエ
ノール樹脂より合成樹脂複合体を製造する方法と
しては、ポリビニルアルコールよりポリビニルホ
ルマール、ポリビニルベンザール等のポリビニル
アセタール樹脂を製造した後、該樹脂に所定量の
フエノール樹脂を施与する方法、ポリビニルアル
コールと液状フエノール樹脂、あるいはポリビニ
ルアルコールと液状フエノール樹脂及び粉末状フ
エノール樹脂を均一に混合した後、そのまま反応
硬化するかあるいは架橋剤を加えて反応硬化させ
る方法等を用いることが出来る。また、これらの
合成樹脂複合体製造時に澱粉、澱粉変性体、澱粉
誘導体あるいは水溶性の金属塩等の気孔形成材を
加えることにより、網目状製造の連続したマクロ
孔を有する合成樹脂複合体を製造することが出来
る。その製造方法は、例えば、特公昭58−54082
号公報、特開昭57−511090号公報、特開昭58−
172209号公報等、あるいはその他の公知の方法に
従えばよい。要は、ポリビニルアルコール系樹脂
が10〜70重量%、フエノール樹脂が30〜90重量%
よりなる合成樹脂複合体であればよい。 本発明の分子ふるい炭素は、上述の方法により
得られたポリビニルアルコール系樹脂が10〜70重
量%、フエノール樹脂が30〜90重量%よりなる合
成樹脂複合体を非酸化性雰囲気下で500〜700℃の
温度領域で炭化するか、または、炭化後更に引続
いて酸化性雰囲気下、500〜700℃の温度領域で炭
化物の15重量%以内の重量減少となる範囲で賦活
することにより得られる。 合成樹脂複合多孔体より分子ふるい炭素が生成
する機構の詳細は明らかではないが、合成樹脂複
合多孔体中のポリビニルアルコール系樹脂の含有
量が10重量%未満の場合には、炭化あるいは賦活
条件を適宜選択しても実用性を有する分子ふるい
炭素が得られないことから、ポリビニルアルコー
ル系樹脂の熱分解によるガス化が分子ふるい効果
を有するミクロ孔の生成に重要な役割を果たして
いると考えられる。 ポリビニルアルコール系樹脂は、熱分解により
完全にガス化するものと推定され、従つて、ポリ
ビニルアルコール系樹脂の含有量が多くなると、
合成樹脂複合多孔体の炭化収率が低下し、得られ
た分子ふるい炭素の形態保持性や強度が低下する
ので、実用的なポリビニルアルコール系樹脂の含
有量は70重量%以下である。 本発明のポリビニルアルコール系樹脂10〜70重
量%、フエノール樹脂30〜90重量%よりなる合成
樹脂複合多孔体を制御された昇温速度で昇温して
いくことにより約200℃近傍より合成樹脂複合体
の熱分解が進行し、300〜500℃附近で特に顕著と
なり、この昇温過程で熱分解残留物である炭化物
の表面に極めて微細なミクロ孔が生成し、このミ
クロ孔は500〜700℃の温度領域での賦活により更
に増加する。ミクロ孔の細孔容積及び細孔半径の
測定は後述する窒素の吸着等温線及びKelvin式
を用いて解析したものであり、上記の解析法によ
り細孔直径10A°以下となるミクロ孔の量は500〜
700℃の温度領域での炭化により通常細孔容積に
して0.01〜0.5cm3/g程度生成するが、この細孔
容積及び細孔直径は非酸化性雰囲気中での炭化温
度の上昇とともに減少し、炭化温度が700℃を越
えると分子ふるい炭素としての実用性に乏しくな
る。従つて、分子ふるい炭素を生成するための非
酸化性雰囲気下での炭化温度は500〜700℃であ
り、好ましくは、530〜670℃、更に好ましくは
550〜650℃である。 また、非酸化性雰囲気下での炭化により生成す
るミクロ孔の細孔直径は、昇温速度にも依存し、
昇温速度が大きくなる程細孔直径が大きくなる傾
向がある。従つて、分子ふるい炭素の製造にあた
つては昇温速度は遅い方が好ましい。通常200℃
以上の温度領域に於ける昇温速度は120℃/hr以
下であることが好ましく、更に好ましくは90℃/
hr以下、最も好ましくは60℃/hr以下である。 上記の如くして得られた炭化物は、そのまま分
子ふるい炭素として用いることが出来るが、更に
該炭化物を水蒸気雰囲気、炭酸ガス雰囲気等の酸
化性雰囲気下で500〜700℃の温度領域で賦活する
ことにより、細孔直径10A°以下のミクロ孔を著
しく増加させることが出来、従つて分子ふるい能
を顕著に向上させることが出来る。 しかしながら、賦活温度が700℃を越えるとミ
クロ孔の細孔直径が増大し、細孔径分布の極大値
が孔径の大きい方にずれるとともに、細孔直径
15A°〜200A°の領域の細孔容積も増加し、選択的
吸着特性が失なわれて分子ふるい効果は消滅す
る。 また、賦活温度が500℃以下の場合には、賦活
による重量減少の進行が極めて遅く実用的でな
い。従つて、炭化物の賦活温度領域は500〜700℃
の範囲でなければならないが、好ましくは530〜
670℃、最も好ましくは550〜650℃である。 更に、500〜700℃の温度領域で賦活する場合に
於いても、賦活による重量減少が非酸化性雰囲気
下での炭化により得られた炭化物の重量の15重量
%を越えるとミクロ孔の細孔直径が増大し、分子
ふるい効果がなくなる。従つて、500〜700℃の温
度領域で賦活する場合に於いても、賦活による重
量減少は賦活前の炭化物の15重量%以内でなけれ
ばならず、好ましくは12重量%以内、最も好まし
くは10重量%以内である。 通常、活性炭、シリカゲル等の微細な細孔を有
する吸着剤の細孔容積や細孔径分布は窒素ガス、
エタンガス、ブタンガス等の吸着等温線より求め
られる。最も一般的には吸着ガスとして窒素ガス
を、またキヤリヤーガスとしてヘリウムガスを用
い、液体窒素温度まで冷却して吸着剤の細孔への
窒素ガスの吸着量と窒素分圧の関係を求めること
により吸着等温線が得られる。 吸着等温線より細孔容積及び細孔半径を求める
方法としては、毛管凝縮に基づくKelvin式が提
案され、一般的には本式に基づくう解析が行なわ
れている。 Kelvin式 lnP/Po=−2Vγcosθ/rkRT …… P:吸着ガスが細孔に凝縮するときの飽和蒸気圧 Po:常態での吸着ガスの飽和蒸気圧 γ:表面張力 V:液体窒素の1分子体積 R:ガス定数 T:絶対温度 rk:細孔のケルビン半径 細孔のケルビン半径に対しては、毛管凝縮以外
の吸着に対する補正が必要であり、例えば、樋口
の単分子層吸着量だけを補正する方法、あるいは
Halsey式による補正法等がよく用いられている。
毛管凝縮に基づくKelvin式の適用範囲は厳密に
は細孔直径40Å〜600A°程度といわれているが
Kelvin式に替わる厳密な細孔半径測定法は未だ
確立されておらず、細孔直径40A°以下の領域に
於いても、しばしばKelvin式を適用した解析が
用いられている。本発明に於ける細孔直径及び細
孔径分布の解析は、Kelvin式をその一般的に用
いられている補正法と合せて細孔直径10A°まで
適用したものである。 吸着剤の細孔は、通常その大きさによりミクロ
孔、マクロ孔、トランジシヨナルボア等の呼び方
で呼ばれるが、本発明に於ては、細孔直径200A°
以下の細孔をミクロ孔、細孔直径200〜100A°(=
0.1μm)の細孔をトランジシヨナルボア、細孔直
径1000A°以上の細孔をマクロ孔と定義する。 分子ふるい炭素に於ける分子ふるい効果は、ミ
クロ孔の細孔直径が吸着分子の分子径に極めて近
い数オングストロームの領域となり、分子径の異
なる種々の物質に対して選択的吸着特性を示すこ
とによるものである。従つて分子ふるい炭素の性
能は、ミクロ孔の細孔径分布により規定され、通
常細孔直径10A°以下、好ましくは細孔直径3〜
5A°程度範囲にシヤープな細孔径分布を有する炭
素が分子ふるい炭素としても最も好ましい。 また、細孔直径15〜200A°程度の細孔は分子ふ
るい効果を有せず、共存するガスや溶液中の異な
る溶質を同時に吸着する。 従つて、細孔直径15〜200A°の範囲の細孔量が
少ない程、分子ふるいの性能は優れたものとな
る。 さて、通常用いられている比表面積1000〜1500
m2/gの活性炭では、ミクロ孔の細孔径分布の極
大値は細孔直径15A°程度以上の領域にあり、細
孔直径15〜200A°の範囲の細孔容積は0.15〜0.25
g/cm3であるが、本発明の分子ふるい炭素は、細
孔直径10A°以下の領域にミクロ孔の細孔径分布
の極大値を有し、細孔直径15〜200A°の範囲の細
孔容積は0.1cm3/g以下であり、優れた分子ふる
い効果を有している。 上述の如く、細孔直径15〜200A°の範囲の細孔
容積は少ない程好ましく、好ましくは0.07cm3/g
以下、最も好ましくは0.05cm3/g以下である。ま
た、本発明の分子ふるい炭素の比表面積は特に制
限はないが、通常炭化品で100〜500m3/g、賦活
品で200〜800m2/g程度である。 また、本発明の分子ふるい炭素はポリビニルア
ルコール系樹脂とフエノール樹脂よりなる合成樹
脂複合体の製造時に公知の多孔体製造法を用いる
ことにより網目状構造の連続したマクロ孔を有す
る合成樹脂複合多孔体とすることが出来る。この
合成樹脂複合多孔体を本発明の条件下で炭化及び
賦活することにより、網目状構造の連続したマク
ロ孔を有する分子ふるい炭素を得ることが出来
る。該分子ふるい炭素は、通常見かけ密度0.1〜
0.8g/cm3、気孔率50〜95%、マクロ孔平均直径
1〜500μmであり、好ましくは見かけ密度0.20〜
0.7g/cm3、気孔率60〜90%、マクロ孔平均直径
5〜400μmであり、最も好ましくは見かけ密度
0.25〜0.6g/cm3、気孔率65〜85%、マクロ孔平
均直径10〜300μmである。 更にまた、本発明の分子ふるい炭素の製造にあ
たつては、その特性を失なわない範囲に於て、形
態保持性や作業性の向上のため、メラミン樹脂、
フラン樹脂等の熱硬化性樹脂等を少量施与しても
よく、シリカ、アルミナ、炭化硅素等の無機微粉
末を少量加えてもよい。 本発明により得られる分子ふるい炭素は、その
優れた分子ふるい効果をいかし、n−ブタンとi
−ブタンあるいはn−ペンタン、i−ペンタン、
ネオペンタン等の炭化水素異性体の分離、ベンゼ
ン、シクロヘキサン等の混合炭化水素ガスの分
離、水素ガスの分離精製、圧力スイング吸着によ
る空気中の窒素と酸素の分離等に用いることが出
来る。 以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。 実施例 1 重合度1700、けん化度99%のポリビニルアルコ
ール(PVA)700gを水に分散させて加熱溶解
後、馬鈴薯澱粉250gを加えて撹拌しながら加熱
溶解した。これを室温まで冷却後、37重量%ホル
マリン900g及び50重量%硫酸200gを加え、更に
適量の水を加えて混合液の総量が10になる様に
調整した。 この混合液を300×300角の型枠に注型し、60℃
の温水中で3日間架橋反応を行なつてから水洗
し、網目状構造を有するポリビニルホルマール多
孔体を得た。 該ポリビニルホルマール多孔体を40mmφ×200
mmLの丸棒に成形後、濃度調整を行なつた水溶性
レゾール樹脂(昭和ユニオン合成(株)製品、BRL
−2854)に浸漬し、80℃で24時間乾燥して第1表
に示すフエノール樹脂量20重量%、50重量%、75
重量%の合成樹脂複合多孔体を得た。 該合成樹脂多孔体を電気炉に入れ、窒素雰囲気
中で200℃まで100℃/hr、その後50℃/hrで昇温
し、660℃で炭化した。一部の試料は炭化後更に
660℃、水蒸気雰囲気下で所定の時間賦活した。 得られた炭化品及び賦活品の特性値を第1表に
示す。
【表】 各試料の細孔径分布及び細孔容積は窒素ガスの
吸着等温線より求めた。細孔直径が小さくなる程
Kelvin式の精度は低下するが、細孔直径10A°ま
でKelvin式を適用することにより、細孔径分布
の極大値が10A°以下かどうか判定した。 試料No.1は、強度が弱く、不均一変形を示し、
実用に供し得ないものであつた。 次に試料No.4及びNo.5を用い、20℃に於けるブ
タン異性体(n−ブタン、最小分子直径4.3A°純
度99.8%;i−ブタン、最小分子直径5.0A°純度
99.0%)の吸着平衡及び吸着分離実験を行つた。 吸着分離実験は、流通式吸着装置の吸着塔に24
mmφ×70mmLの試料を充填し、窒素ガスをキヤリ
ヤーガスとし、n−ブタン5vol%、i−ブタン
5vol%よりなる混合ガスを100c.c./minの流速で
流し、吸着塔出口ガスの濃度の経時変化を測定
し、出口ガス濃度(C)と入口ガス濃度(Co)の比
C/Coを求め破過曲線を作成した。ブタン異性
体の濃度測定にはガスクロマトグラフ(FID検出
器、カラム;シマライト−スクアラン25%)を使
用した。 第1図にブタン濃度と平衡吸着量の関係を第2
表に2成分吸着分離実験の結果を示す。 第1図からわかるように試料No.4、No.5ともn
−ブタンの平衡吸着がi−ブタンの平衡吸着量を
大きく上まわつた。特にNo.4では、i−ブタンは
全く吸着しなかつた。 また、第2図からわかるように試料No.4、No.5
ともi−ブタンとn−ブタンを完全に吸着分離す
ることが出来た。 比較例 1 実施例1と同様にして作成したポリビニルホル
マール樹脂25重量%、フエノール樹脂75重量%よ
りなる合成樹脂複合多孔体を窒素雰囲気中で200
℃/hrで900℃まで昇温し、水蒸気雰囲気下で20
分間賦活した。 得られた賦活品の賦活による重量減少は27重量
%、見かけ密度0.264g/cm3、気孔率84%、マク
ロ孔平均気孔径50μm、比表面積1042m2/g、ミ
クロ孔の細孔径分布の極大値は直径18A°、細孔
直径15〜200A°の細孔容積は0.14cm3/gであつた。 上記の実施例1と同様にして作成した賦活品を
用い、実施例1と同様にブタン異性体の吸着平衡
及び吸着分離実験を行なつた。その結果を第1図
及び第2図に実施例1の結果と合わせて示す。 第1図からわかる通り、この試料ではn−ブタ
ンとi−ブタンの平衡吸着量はともに大きくな
り、試料No.4、No.5とは逆にi−ブタンの平衡吸
着量がn−ブタンの平衡吸着量よりやや多くなつ
た。 また、第2図に示す様にこの試料ではn−ブタ
ンとi−ブタンを吸着分離することは出来なかつ
た。 実施例 2 重合度1000、けん化度99%のポリビニルアルコ
ール(PVA)500gを水に分散させて加熱溶解
後、小麦粉澱粉300gを加えて撹拌しながら加熱
溶解した。これを室温まで冷却後、水溶性フエノ
ール樹脂(昭和ユニオン合成(株)製品、BRL−
2854)を固形分量換算で800gと特開昭57−
177011号公報に従つて製造された反応性を有する
粒状フエノール樹脂(鐘紡(株)製品、ベルパールS
−930、平均粒径20μm)1200gを加え、更に37
%ホルマリン900gとあらかじめ水に溶解したマ
イレン酸300g及び適量の水を加えて液量を10
に調整した後、十分に撹拌混合した。 この混合液を300×300mm角の型枠に注型し、60
℃の温水中で18時間硬化反応を行なつた後、水洗
して網目状構造の連続したマクロ孔を有する合成
樹脂複合多孔体を得た。 該合成樹脂複合多孔体を電気炉に入れ、窒素雰
囲気下で100℃/hrで630℃まで昇温して炭化した
後、引続き630℃、水蒸気雰囲気下で50分間賦活
した。得られた賦活品は、見かけ密度0.365g/
cm3、気孔率77%、マクロ孔平均直径35μm、比表
面積537m2/gで賦活による重量減少は、炭化品
の8.6重量%であつた。 また該賦活品のミクロ孔の細孔径分布の極大値
は直径10A°以下であり、細孔直径15〜200A°の範
囲の細孔容積は、0.032cm2/gであつた。 次に上記試料を用い、実施例と同様にして、20
℃に於けるペンタン異性体(i−ペンタン、最小
分子直径4.9A°、純度99.5%、ネオペンタン、最
小分子直径6.2A°、純度99.1%)の吸着平衡及び
吸着分離実験を行つた。その結果を第3図及び第
4図に示す。 第3図からわかるように、上記試料ではi−ペ
ンタンの平衡吸着量がネオペンタンの平衡吸着量
を大きく上まつた。また、第4図の吸着分離実験
の結果、上記試料ではi−ペンタンとネオペンタ
ンの破過時間に大きな差が生じ、両者を完全に吸
着分離することが出来た。 比較例 2 実施例2と同様にして作成した合成樹脂複合多
孔体を電気炉に入れ窒素雰囲気中で200℃/hrで
850℃まで昇温した後、水蒸気雰囲気下で1時間
賦活した。得られた賦活品は、0.283g/cm3、気
孔率83%、マクロ孔平均直径40μm、比表面積
1490m2/gで賦活による重量減少は炭化品の52%
であつた。 また、賦活品のミクロ孔の細孔径分布の極大値
は直径21A°であり、細孔直径15〜200A°の範囲の
細孔容積は0.19cm2/gであつた。実施例2と同様
に上記賦活品によるペンタン異性体の吸着平衡及
び吸着分離実験を行なつた。その結果を第3図及
び第4図に実施例2の結果と合せて示した。 この結果からわかるように、本試料ではi−ペ
ンタンとネオペンタンの平衡吸着量の差が極めて
小さく、両者を吸着分離することは不可能であつ
た。 実施例 3 重合度500、けん化度99%のポリビニルアルコ
ール600gに適量の水を加えて加熱溶解後、水溶
性フエノール樹脂(昭和ユニオン合成(株)製品、
BRL−2854)を固形分量にして400g、37重量%
のホルマリン900g、パラトルエンスルホン酸200
gを加えて十分に撹拌混合した。 この混合液を80℃で24時間乾燥硬化後、更に
120℃で2時間硬化してから粉砕し、更に上記の
水溶性フエノール樹脂をバインダーとして3mmφ
×4mmLの粒状成形品を作成した。該成形品のポ
リビニルアルコールとフエノール樹脂の比率は、
55:45であつた。 この粒状成形品を電気炉に入れ、窒素雰囲気下
で30℃/hrで600℃まで昇温し炭化した後、更に
水蒸気雰囲気下で60分間賦活した。得られた賦活
品は見かけ密度0.417g/cm3、比表面積598m2/g
で、賦活による重量減少は炭化品の7.4重量%で
あつた。 また、該賦活品のミクロ孔の細孔径分布の極大
値は直径10A°以下であり、細孔直径15〜200A°の
範囲の細孔容積は0.025cm3/gであつた。 次に上記試料を用い実施例1と同様にして、20
℃に於けるジクロルメタン(最小分子直径3.8A°、
純度99.6%)とn−ヘプタン(最小分子直径
4.9A°、純度99.4%)の吸着分離実験を行つた。
その結果、吸着量の極めて少ないn−ヘプタンが
先に破過し、ジクロルメタンと完全に分離するこ
とが出来た。 比較例 3 実施例3と同様にして、水溶性フエノール樹脂
(昭和ユニオン合成(株)製品、BRL−2854)を硬化
後粉砕し、更に造粒して3φ×4mmLの粒状成形
品を作成した。該成形品の電気炉に入れ、実施例
3と同じ条件で炭化及び賦活した。得られた賦活
品は見かけ密度0.461g/cm3、比表面積216m2/g
で賦活に重量減少は炭化品の5.1重量%であつた。
また、該賦活品のミクロ孔の細孔径分布の極大値
は、直径13A°であり、細孔直径15〜200A°の範囲
の細孔容積は、0.14cm3/gであつた。 上記試料を用い実施例3と同様にジクロメタン
とn−ヘプタンの吸着分離実験を行なつたが、両
者を分離することは出来なかつた。
【図面の簡単な説明】
第1図n−ブタン、i−ブタンの吸着等温線、
第2図n−ブタン、i−ブタンの吸着分離実験結
果、第3図i−ペンタン、ネオペンタンの吸着等
温線、第4図i−ペンタン、ネオペンタンの吸着
分離実験結果。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 ポリビニルアルコール系樹脂が10〜70重量
    %、フエノール樹脂が30〜90重量%よりなる合成
    樹脂複合体を非酸化性雰囲気下、500〜700℃の温
    度領域で炭化するか、または、炭化後更に酸化性
    雰囲気下、500〜700℃の温度領域で炭化物の15重
    量%以内の重量減少となる範囲で賦活してなる、
    細孔直径10A°以下の領域に細孔径分布の極大値
    を有し、細孔直径15〜200A°の範囲の細孔容積が
    0.1cm3/g以下である分子ふるい炭素。 2 分子ふるい炭素が見かけ密度0.1〜0.8g/
    cm3、気孔率50〜95%で、直径1〜500μmの網目
    状構造の連続したマクロ孔を有するものである特
    許請求の範囲第1項記載の分子ふるい炭素。
JP59124120A 1984-06-15 1984-06-15 分子ふるい炭素 Granted JPS616108A (ja)

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