JPH0371592B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、空気作動式調節弁の制御装置に関す
る。

従来の空気作動式調節弁の制御装置は、例えば
第１図に示す如く、所望の流体の流量を調節する
調節弁１の開度指令電気信号を、これに対応した
圧力の加圧空気信号に変換する電空変換器２をポ
ジシヨナ３に供給し、ポジシヨナ３から所定の加
圧空気信号をダイヤフラム４を介して調節弁１に
供給する構造を有している。

しかしながら、このような構造の空気作動式調
節弁の制御装置５は、ポジシヨナ３や電空変換器
２が故障し易く、その度に調節弁１がその機能を
喪失する欠点があつた。

本発明は、かかる点に鑑みてなされたもので、
ポジシヨナ等が故障しても調節弁の所定の機能を
継続して発揮させることができる空気作動式調節
弁の制御装置を提供するものである。

即ち、本発明は、ダイヤフラム室を有し、該ダ
イヤフラム室に給排される加圧空気により調節弁
の弁開度を制御して所望流体の流量を調節する空
気作動式調節弁の制御装置において、ダイヤフラ
ム室に切替弁を介してそれぞれ連絡されると共
に、所定の開度指令信号を選択的に受入れる常用
系空気圧制御機構及び待機系空気圧制御機構と、
前記調節弁の弁開度信号と前記開度指令信号とを
受けてこれらの信号を対比して所定の切替信号を
前記切替弁に出力する常用系異常診断器と、前記
開度指令信号を受けて前記常用系空気圧制御機構
と前記待機系空気圧制御機構とへ選択的に診断信
号を送ると共に、前記ダイヤフラム室の圧力信号
を受ける待機系異常診断器と、前記切替信号を受
けて前記常用系空気圧制御機構及び前記待機系空
気圧制御機構への前記開度指令信号と前記診断信
号の供給を切り替える切替器とを具備することを
特徴とする空気作動式調節弁の制御装置である。

以下、本発明の一実施例について図面を参照し
て説明する。

第２図は、本発明の一実施例の概略構成を示す
ブロツク図である。図中２０は、所望流体の流量
を調節する調節弁である。調節弁２０はダイヤフ
ラム室を画成するダイヤフラム２１により所定開
度だけ開けられるようになつている。ダイヤフラ
ム室には、切替弁２２を介して空気圧制御機構２
３から調節弁２０の開度指令信号２４に応じた加
圧空気が供給されるようになつている。開度指令
信号２４は、切替器２５を介して空気圧制御機構
２３に供給されるようになつている。空気圧制御
機構２３を介して調節弁２０に供給される開度指
令信号２４は、異常診断器２７にも供給されるよ
うになつている。異常診断器２７は、この開度指
令信号２４と後述する開度信号２６とにより所定
の切替信号２８を切替弁２２及び切替器２５に供
給するようになつている。

ここで、空気圧制御機構２３は、切替器２５か
ら所定の開度指令信号２４が供給される常用系電
空変換器２３ａを有している。常用系電空変換器
２３ａは、常用系ポジシヨナ２３ｂ及び常用系ブ
ースタリレー２３ｃを介して開度指令信号２４に
応じた加圧空気を、切替弁２２からダイヤフラム
２１に供給するようになつている。また、常用ブ
ースリレー２３ｃから出力されるこの加圧空気
は、圧力計２９を経て所定の信号に変換されて後
述する待機系診断器３０に供給されるようになつ
ている。而して、この空気圧制御機構２３、切替
弁２２、ダイヤフラム２１、切替器２５及び異常
診断器２７により、常用系の空気圧制御系が構成
されている。

また、切替器２５は、開度指令信号２４を、待
機系の制御機構を構成する空気圧制御機構３１内
の待機系電空変換器３１ａに供給する。待機系電
空変換器３１ａは、待機系ポジシヨナ３１ｂ及び
待機系ブースタリレー３１ｃを介して開度指令信
号２４に応じた加圧空気を、切替弁２２からダイ
ヤフラム室に供給するようになつている。待機系
ブースタリレー３１ｃから出力される加圧空気
は、圧力計３２を経て所定の信号に変換されて、
待機系診断器３０に供給されるようになつてい
る。

なお、３３は、ダイヤフラム３１から調節弁２
０に伝達される弁リフトを検知する弁リフト計で
あり、弁リフトは、常用系ポジシヤナ２３ｂ及び
待機系ポジシヨナ３１ｂにも伝えられるようにな
つている。

而して、このように構成された空気作動式調節
弁の制御機構４０は次のようにして調節弁２０の
開度を制御する。

まず、通常時の開度調節は、外部から供給され
る開度指令信号２４を、常用系電空変換器２３ａ
により空気圧信号に変換する。開度指令信号２４
と空気圧信号の関係は、第３図に示す如く、一次
関数の関係にある。而して、常用系ポジシヨナ２
３ｂは、調節弁２０の弁リフトを（Ｌ）、空気圧
信号を（Ｐ）としたとき、次式（）を満足する
ように調節する。

Ｌ＝aP＋ｂ （） （ａ，ｂは定数） ここでＬ＞aP＋ｂであれば常用系ポジシヨナ２
３ｂの出口空気力を高くし、Ｌ＜aP＋ｂであれ
ば常用系ポジシヨナ２３ｂの出口空気圧力を低下
させる。常用系ブースタリレー２３ｃは増幅器で
あり、ダイヤフラム室の圧力が常用系ポジシヨナ
２３ｂの出口圧力と一致するようにする。もしダ
イヤフラム室の圧力が常用系ポジシヨナ２３ｂの
出口圧力よりも高ければ、ダイヤフラム室内の空
気を大気に排気し、ダイヤフラム室の圧力を下げ
る。またダイヤフラム室の圧力が常用系ポジシヨ
ナ２３ｂの出口圧力よりも低ければ、ダイヤフラ
ム室に空気を送り込む。ダイヤフラム室の圧力が
高くなれば弁リフトは上昇し、低くなれば低下す
る。このように常用系ポジシヨナ２３ｂ、弁リフ
ト３３と開度指令信号２４の間には第４図に示す
ような一次関数の関係が成立する。この弁リフト
計３３から出力される開度信号２６すなわち弁リ
フト信号と開度指令信号２４とが第４図に示す所
定の一次関数を満足するか否かを異常診断器２７
によつて検出し、第５図に示す如く、許容変化領
域（）を設定し、開度指令信号２４と弁リフト
信号がこの許容変化領域（）を逸脱した際に常
用系の空気圧制御機構２３の異常と判断する。

常用系の空気圧制御機構２３の異常判定の信頼
性を向上させる必要がある場合には、プロセスの
状態量を判定の材料とする。例えばPWRプラン
トの主給水制御弁であれば、蒸気発生器水位、蒸
気流量、給水流量の各信号を取入れ第６図のよう
な診断ロジツクとする。

ただし、同図中５０は、（蒸気発生器水位実測
値−設定値）ε₁、５１は、（弁リフト−開度指
令信号リフト換算値）ε₂、５２は、（蒸気流量
−給水流量）ε₃、５３は、プラント過渡時、５
４は、NOT回路、５５はAND回路、５６は、
（設定値−蒸気発生水位実測値）ε₁、５７は、
（開度指令信号リフト換算値−弁リフト）ε₂、５
８は、（給水流量−蒸気流量）ε₃、５９は、OR
回路を意味する。

異常診断器２７が制御の異常を検知したなら
ば、切替弁２２及び切替器２５を作動させ、調節
弁２０の制御を待機系に切替る。待機系が生かさ
れた場合の待機系電空変換器３１ａ、待機系ポジ
シヨナ３１ｂ、待機系ブースタリレー３１ｃの作
用は、上記常用系の各機器の作用と同じである。
切替弁２２は通常時常用系ブースタリレー２３ｃ
の出力をダイヤフラム２１に伝え、制御異常が検
知され、待機系に切替る場合、待機系ブースタリ
レー３２ｃの出力をダイヤフラム２１に伝える。
また切替器２５は、通常時には、開度指令信号２
４を常用系電空変換器２３ａに伝え、制御異常が
検知され、待機系に切替る場合、開度指令信号２
４を待機系電空変換器３１ａに伝える。

待機系診断器３０は待機系の空気圧制御機構３
１の異常を次のように診断する。待機系診断器３
０より、待機系電空変換器３１ａへ切替器２５を
介して信号を送る。切替器２５は調節弁２０の開
度調節を行つている系（通常時は常用系、弁異常
発生後は待機系）に開度指令信号２４を送り、調
節弁２０の調節を行つていない系（通常時は待機
系、弁異常発生後は常用系）には待機系診断器３
０の出力信号を送り機能を有する。

待機系診断器３０より出力する診断用信号は２
種類である。１つは、開度指令信号２４より偏差
εだけ大きい信号であり、他の１つは開度指令信
号２４より偏差εだけ小さい信号である。仮に、
常用系により調節弁２０の調節を行つているとす
る。このとき開度指令信号２４より偏差εだけ大
きい信号を待機系に送れば、待機系ポジシヨナ３
１ｂへの電空変換器３１ａからの空気圧信号と弁
リフトの間に差が生じ、第４図の関係を満足しな
くなる。この差を解消しようとして待機系ポジシ
ヨナ３１ｂの出口圧力は高くなるが、待機系が開
度調節を行つていないため、弁リフトは偏差εに
対応して上昇せず前記両者の差は解消されない。
このため、待機系ポジシヨナ３１ｂの出口圧力は
さらに上昇し、最終的には待機系ポジシヨナ３１
ｂへの供給空気圧力に飽和する。このとき待機系
ブースタリレー３１ｃの出口圧力は待機系ポジシ
ヨナ３１ｂの出口圧力に一致するように上昇し、
供給空気圧力となる。この出口圧力の時間的変化
は第７図に示す通りである。

なお、同図中Ａは、供給空気圧力、Ｂは、待機
系診断器３０から診断用信号を出す時点である。

次いで、待機系ブースタリレー３１ｃの出口圧
力を圧力計３２で計測する。待機系診断器３０
は、圧力計３２の信号により、待機系ブースタリ
レー出口圧力が規定の時間内で供給空気圧に飽和
することをチエツクし、供給空気圧に飽和しない
場合及び規定時間T₁内に供給空気圧とならない
場合に、待機系の空気圧制御機構３１は異常であ
ると判断する。

次に待機系診断器３０から開度指令信号２４よ
り偏差εだけ小さい信号を待機系電空変換器３１
ａへ送る。このとき、上で述べた現象とは逆に、
弁リフトの方が待機系電空変換器３１ａ出口圧力
よりも第４図の意味で大きくなるため、待機系ポ
ジシヨナ３１ｂの出口圧力は降下し、最終的には
大気圧に一致する。同時に待機系ブースタリレー
３１ｃの出口圧力も大気圧となる。

この出口圧力の時間的経過は第８図に示す通り
である。

なお、同図中Ｃは大気圧、Ｄは、待機系診断器
３０から診断用信号を出す時点である。

このとき、待機系ブースタリレー３１ｃの出口
圧力が規定時間T₂内に大気圧とならない場合に
も待機系の空気圧制御機構３１は異常であると判
断する。ここで偏差εの値及び規定時間T₁及び
T₂の値は待機系のポジシヨナ３１ｂ、ブースタ
リレー３１ｃ、電空変換器３１ａの特性より決定
する。以上、待機系の診断について述べたが、常
用系の空気圧制御機構２３が調節弁２０の調節に
用いられていない場合にも同様な方式で常用系の
診断を行うことができる。

ここで調節弁２０の調節に用いられていない系
の異常が検知されたならば、調節弁２０の調節機
能に外乱を考えることなく修理を行うことができ
る。

なお、空気源喪失時開の調節弁２０及びブース
タリレーの無い調節弁及び電空ポジシヨナ付調節
弁、その他空気作動調節弁に関しても同様に適用
できることは勿論である。

以上説明した如く、本発明に係る空気作動式調
節弁の制御装置によれば、調節弁の制御機構を常
用系と待機系の２系列にし、待機系の異常診断を
行い、異常発生時には、その修理を行い、絶えず
待機系の安定動作を保証すると共に、常用系の異
常診断を行い、異常発生時には自動的に待機系に
切替えることにより、ポジシヨナ等が故障しても
調節弁の所定の機能を継続して発揮させることが
できる等顕著な効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は、従来の空気作動式調節弁の制御装置
の構成を示す説明図、第２図は、本発明の一実施
例の概略構成を示すブロツク図、第３図は、電空
変換器の出口空気圧力と開度指令信号との関係を
示す特性図、第４図は、弁リフト信号と開度指令
信号との関係を示す特性図、第５図は、弁リフト
信号と開度指令信号との関係を示す特性図、第６
図は、異常診断論理回路の一例を示す説明図、第
７図は、待機系ブースタリレーの出口圧力と時間
との関係を示す特性線から開度指令信号εより大
きい信号を選出する方法を示す説明図、第８図
は、同特性線から開度指令信号εより小さい信号
を選出する方法を示す説明図である。 ２０…調節弁、２１…ダイヤフラム、２２…切
替弁、２３…空気圧制御機構、２３ａ…常用系電
空変換器、２３ｂ…常用系ポジシヨナ、２３ｃ…
常用系ブースタリレー、２４…開度指令信号、２
５…切替器、２６…開度信号、２７…異常診断
器、２８…切替信号、２９，３２…圧力計、３０
…待機系診断器、３１…待機系の空気圧制御機
構、３１ａ…待機系電空変換器、３１ｂ…待機系
ポジシヨナ、３１ｃ…待機系ブースタリレー、３
３…弁リフト計、４０…空気作動式調節弁の制御
装置。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ ダイヤフラム室を有し、該ダイヤフラム室に
   給排される加圧空気により調節弁の弁開度を制御
   して所望流体の流量を調節する空気作動式調節弁
   の制御装置において、ダイヤフラム室に切替弁を
   介してそれぞれ連絡されると共に、所定の開度指
   令信号を選択的に受入れる常用系空気圧制御機構
   及び待機系空気圧制御機構と、前記調節弁の弁開
   度信号と前記開度指令信号とを受けてこれらの信
   号を対比して所定の切替信号を前記切替弁に出力
   する常用系異常診断器と、前記開度指令信号を受
   けて前記常用系空気圧制御機構と前記待機系空気
   圧制御機構とへ選択的に診断信号を送ると共に、
   前記ダイヤフラム室の圧力信号を受ける待機系異
   常診断器と、前記切替信号を受けて前記常用系空
   気圧制御機構及び前記待機系空気圧制御機構への
   前記開度指令信号と前記診断信号の供給を切り替
   える切替器とを具備することを特徴とする空気作
   動式調節弁の制御装置。