JPH11282543A - 多系列整圧器の遮断弁制御方法 - Google Patents

多系列整圧器の遮断弁制御方法

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JPH11282543A
JPH11282543A JP8440998A JP8440998A JPH11282543A JP H11282543 A JPH11282543 A JP H11282543A JP 8440998 A JP8440998 A JP 8440998A JP 8440998 A JP8440998 A JP 8440998A JP H11282543 A JPH11282543 A JP H11282543A
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pressure
valve
series
pressure regulator
failure
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JP8440998A
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Inventor
Masaki Watanabe
正記 渡辺
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Osaka Gas Co Ltd
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Osaka Gas Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 多系列の整圧器に昇圧故障が生じたとき、故
障を起した整圧器と同一系統の緊急遮断弁のみを作動さ
せる。。 【解決手段】流体供給システム30は、n系列41〜4
nの緊急遮断弁51〜5nおよび整圧器61〜6nの組
合せで、一次管路31の圧力を減圧し、二次管路32の
圧力を一定に保つ。制御コンピュータ33は、開度計7
1,…によって整圧器61〜6nの弁開度を直接検知
し、またはローディング圧力計81,…によって間接的
に検知して、昇圧故障を起した整圧器61,…,6nを
特定し、その整圧器61,…,6nと同一の系列41,
…,4nの緊急遮断弁51,…,5nのみを作動させ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、流体の輸送や供給
などを行う配管路に、流体圧力を減圧する整圧器と緊急
遮断弁との組合せを、多系列並列に挿入するときの緊急
遮断弁の制御に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、都市ガス、水、油、蒸気など
の流体の配管路には、一次圧を所定の二次圧に減圧しな
がら、供給流量が変化しても二次圧を一定に保つよう
に、ガバナとも呼ばれる整圧器が設けられている。整圧
器が故障して二次圧が過度に上昇するときに流体を遮断
することにより下流側の安全を確保するため、整圧器に
は緊急遮断弁が直列に挿入されて用いられる。流体の流
量が多い流体供給システムでは、整圧器と緊急遮断弁と
の組合せが多系統並列に接続されて用いられる。整圧器
に関連する先行技術は、本件出願人からも、たとえば、
特開平5−274043や特開平6−314128など
として開示されている。
【0003】図6は、流体圧力を制御する整圧器および
緊急遮断弁が多系列、たとえば4系列配置されている流
体供給システムの概略的な構成を示す。4系列1〜4
は、たとえば3系列1〜3が常用され、系列4は予備と
して待機するようにしている。常用と予備用との2系列
とする場合は、常用および予備用ともに、供給する流体
の全流量に対応する容量が必要となるけれども、3系列
を常用として1系列を予備用とする場合は、全流量の3
分の1ずつに対応する容量を1つの系列で負担すればよ
い。
【0004】各系列1〜4は、緊急遮断弁(以下、Emar
gency Shut off Valve から、「ESV」と略称するこ
ともある)11〜14と整圧器21〜24とをそれぞれ
有する。各緊急遮断弁11〜14および整圧器21〜2
4の設定値を、次の表1に示す。なお、緊急遮断弁11
〜14および整圧器21〜24を、ESV1〜ESV4
およびG1〜G4として、それぞれ示すこともある。
【0005】
【表1】
【0006】系列4を予備にするためには、各設定値
を、次の第1式のように設定する。系列4は、整圧器2
4の二次圧の設定値がPG4で、通常の二次圧より、わず
かに低くしておく。なお、緊急遮断弁11〜14は、全
開としておく。 PG4<PG3<PG2<PG1<PESV1<PESV2<PESV3<PESV4 …(1)
【0007】図7は、図6の流体供給システムの動作状
態の例を示す。整圧器21〜23が同時に稼働中であ
り、時刻t1で整圧器21に故障が生じる場合を想定す
る。時刻t1以前、ガスの供給流量はQ0で二次圧はP
G3である。時刻t1以降に二次圧は上昇し、緊急遮断弁
11が作動する設定圧力PESV1に達すると、緊急遮断弁
11が遮断して、系列1が閉鎖される。他の系列2,3
の整圧器12,13は、二次圧の上昇を防ぐように、開
度が小さくなる方向に制御されているので、系列1が閉
鎖されると、二次圧は急激に低下する。低下する二次圧
が系列4の整圧器24の設定圧力PG4に達すると、予備
であった整圧器24も投入されるようになり、二次圧は
G4で安定する。各系統1〜4の流量を同等とすれば、
整圧器1の故障後の流量Q1は、初期流量Q0とほぼ等
しく、Q1≒Q0 となる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】図6に示すような従来
の多系列の流体供給システムでは、緊急遮断弁11〜1
4および整圧器21〜24の設定圧に、第1式に示すよ
うな差を設けている。各系列1〜4から供給可能な流体
の流量はほぼ同等である。緊急遮断弁11〜14の設定
圧の差は、全部の緊急遮断弁11〜14が同時に遮断す
ることがないように設けられている。整圧器21〜24
の設定圧の差は、二次側への流体の流量が小さいうち
は、整圧器21を除いて他の整圧器22〜24は閉じて
おり、流量が増加すると設定圧の高い順に整圧器22,
23も開くようにするために設けられている。
【0009】図7の時刻t1で、整圧器21ではなく整
圧器23に故障が発生する場合を想定する。二次圧は、
上昇によって、整圧器23と同一の系列3に挿入されて
いる緊急遮断弁13が作動する設定圧PESV3に到達する
前に、系列1,2の緊急遮断弁11,12が動作する設
定圧PESV1,PESV2に達するので、緊急遮断弁23が作
動するときには他の系列の緊急遮断弁21,22も作動
してしまう。破線で示すように、系列3の緊急遮断弁2
3の作動で、二次圧は急激に低下する。3つの系列1〜
3が閉鎖されるので、それまで予備であった系列4から
のみ流体の供給が行われ、すなわち、整圧器23故障後
の流量Q3は、Q0》Q3であり、供給不良を引き起し
てしまう。整圧器21の昇圧故障と、整圧器23の昇圧
故障とを比較すると、次の表2のようになる。
【0010】
【表2】
【0011】なお、PE1,PE3は、整圧器21,23故
障の場合の緊急遮断弁11,13作動直前の流量をそれ
ぞれ示す。整圧器21が故障した場合は、緊急遮断弁1
1が最初に作動するため、整圧器22,23が停止する
ことはなく、整圧器24がバックアップすれば、二次圧
がPG4で安定し、流量もほぼ初期状態を確保することが
できる。一方、整圧器23が故障した場合は、二次圧の
上昇に伴い、まず緊急遮断弁11が作動し、続いて緊急
遮断弁12が作動し、その後緊急遮断弁13が作動して
ようやく二次圧の上昇が停止する。しかし、3つの整圧
器21〜23がともに停止してしまうので、二次圧は急
激に降下し、予備の整圧器24のみ稼働しても、二次圧
および流量は、降下および減少を続け、供給不良を起
す。同様に、整圧器22が最初に故障しても、整圧器2
1,22がともに停止してしまうため、供給不良を起
す。
【0012】このように、従来の多系列の流体供給シス
テムでは、昇圧故障を起こす整圧器を特定することがで
きないので、常時稼働していることが期待される他の系
列の緊急遮断弁も同時に作動してしまうことがあり、流
体の供給不良を引き起しやすい。二次圧としての設定圧
がより低い系列、すなわち緊急遮断弁の設定圧のより高
い系列が昇圧故障するほど、その影響は大きくなる。
【0013】本発明の目的は、上述のような供給不良を
発生させない多系列整圧器の遮断弁制御方法を提供する
ことである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、流体圧力を一
次圧から二次圧に減圧する制御を行う整圧器と、二次圧
が異常に上昇するときに流体の緊急遮断を行う緊急遮断
弁との組合せが多系列配置されている流体供給システム
で、整圧器の昇圧故障時に緊急遮断弁を作動させて、該
整圧器が組合わされている系列を遮断するように制御す
る方法であって、二次圧が複数の整圧器のうちで最も高
い設定圧よりも上昇し、緊急遮断弁の作動圧まで達しな
いときに、昇圧故障と判定し、各系列の整圧器の動作状
態に基づいて、昇圧故障を起した系列を選択的に検知
し、検知された系列の緊急遮断弁のみを作動させること
を特徴とする多系列整圧器の遮断弁制御方法である。
【0015】本発明に従えば、複数の系列にそれぞれ設
けられる整圧器のうちで設定圧が最高となる設定圧を二
次圧が越えると、各系列の整圧器の動作状態に基づい
て、昇圧故障を起した系列が選択的に検知される。系列
が検知されると、その系列の緊急遮断弁のみを確実に作
動させることができ、他の系列の緊急遮断弁の作動を防
ぐことができるので、供給流量の不足を回避することが
できる。
【0016】また本発明で、前記昇圧故障を起した系列
の検知は、整圧器の弁開度を検出して行い、弁開度が時
間的に増大する整圧器を備える系列を、昇圧故障を起し
た系列と判定することを特徴とする。
【0017】本発明に従えば、各系列の整圧器の弁開度
を検出して、動作状態から昇圧故障の有無を検知する。
昇圧故障を起していれば、二次圧が上昇しても、弁開度
は小さくならないので、昇圧故障を起している整圧器の
検知を容易に行うことができる。
【0018】また本発明で、前記昇圧故障を起した系列
の検知は、整圧器のパイロット制御圧力を検出して行
い、パイロット制御圧力の時間的な変化が二次圧を上昇
させる方向に生じている整圧器を備える系列を、昇圧故
障を起した系列と判定することを特徴とする。
【0019】本発明に従えば、整圧器のパイロット制御
圧力を検出して整圧器の動作状態を検知する。ローディ
ング型の整圧器では、パイロット制御圧力が上昇すれ
ば、開度も大きくなる。アンローディング型の整圧器で
は、パイロット制御圧力が上昇すれば、開度は小さくな
る。整圧器の型式に従って、二次圧が上昇しても開度が
小さくならないようなパイロット制御圧力を示す整圧器
を特定し、昇圧故障を起している系列の判定を行うこと
ができる。弁開度を直接検出することができなくても、
整圧器の型式が判れば昇圧故障を起している整圧器を容
易に検知することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して、本発
明の実施形態を説明する。図1は、本発明の実施の一形
態としての流体供給システム30の概略的な全体構成を
示す。流体供給システム30は、流体を受入れる上流側
の一次管路31と、流体を送出す下流側の二次管路32
との間に設置され、制御コンピュータ33によって制御
される。二次管路32の圧力は二次圧力計34によって
計測され、二次圧として制御コンピュータ33に入力さ
れる。流体供給システム30には、第1系列41から第
n系列4nまで、3以上の系列41〜4nが設けられ
る。各系列41〜4nは、緊急遮断弁51〜5nおよび
整圧器61〜6nをそれぞれ備えている。各系列41〜
4nの緊急遮断弁51〜5nおよび整圧器61〜6n
は、基本的にそれぞれ同等である。
【0021】各系列41〜4nには、整圧器61〜6n
の弁開度を検出する開度計71,…がそれぞれ設けられ
る。また、ローディング圧力計81,…もそれぞれ設け
られる。ローディング圧力計81,…は、各整圧器61
〜6nを制御するためのパイロット管路91〜9nの流
体圧力であるパイロット制御圧力をそれぞれ計測する。
開度計71,…およびローディング圧力計81,…の出
力は制御コンピュータ33に与えられる。制御コンピュ
ータ33は、後述するように、整圧器61〜6nの開度
および/またはパイロット制御圧力に基づいて昇圧故障
を起している整圧器61〜6nを選択的に検知する。
【0022】制御コンピュータ33が昇圧故障を起して
いる整圧器61〜6nを特定すると、当該整圧器61〜
6nが属する系列41〜4nの緊急遮断弁51〜5nに
それぞれ設けられている圧力スイッチ101,…を、電
磁弁111,…を介して作動させ、緊急遮断によって閉
鎖する。緊急遮断弁51〜5nが作動すると、その情報
は管理センタなどに伝達され、補修要員などによる点検
や交換の対象になる。各系列41〜4nの前後には、手
動の開閉弁121〜12n、131〜13nがそれぞれ
設けられ、緊急遮断弁51〜5nが作動した系統41〜
4nを流体供給システム30から手動で切離すことがで
きる。
【0023】ここで、図1の流体供給システム30のう
ち、緊急遮断弁51〜5nおよび整圧器61〜6nの組
合せの系列41〜4nを、図6と同様に4組備える場合
を想定する。すなわちn=4であり、第1、第2および
第3系列41,42,43の3系列を常用し、第4系列
44は予備としておく。一次圧および二次圧をP1,P
2とし、整圧器61,62,63,64(以下、G1,
G2,G3,G4として示す場合もある)の設定圧およ
びローディング制御圧力を、PG1,PG2,PG3,PG4
よびPR1,PR2,PR3,PR4とする。本実施形態では、
緊急遮断弁51,52,53,54の設定圧を、系列4
1,42,43,44毎に変える必要はなく、全て同一
のPESV に設定することができる。これによって、一次
圧P1と二次圧P2との間で必要な差圧を小さくするこ
とができ、流体の輸送効率を高めることができる。整圧
器61,62,63,64の開度をX1,X2,X3,
X4とし、時刻をt、その変化量を△tとする。整圧器
61,62,63,64および緊急遮断弁51,52,
53,54の設定圧間の関係は、次の第2式に従う。 PG4<PG3<PG2<PG1<PESV …(2)
【0024】図2は、4組の系統41,42,43,4
4について、図1の制御コンピュータが開度計71〜7
nが検出する整圧器61,62,63,64の開度に基
づいて、昇圧故障を起している整圧器61,62,6
3,64を選択的に検知して特定するための判定プログ
ラムロジックの概要を示す。ステップa1で正常作動中
に、二次圧P2を図1の二次圧力計34で計測する。ス
テップa2では、PG1<P2<PESV であるか否かを判
定する。条件が成立しないときは、ステップa3で、P
2≦PG1であるか否かを判定する。条件が成立するとき
には、整圧器61,62,63,64のいずれにも昇圧
故障は起っていないと判定され、ステップa1に戻る。
【0025】ステップa2で条件が成立するときは、二
次圧P2が常用の整圧器61,62,63のいずれの設
定圧よりも高く、いずれかに昇圧故障が生じていると判
定される。ステップa4では、3つの常用の整圧器6
1,62,63のうち、設定圧が最も低い第3系列43
の整圧器63に昇圧故障が生じているか否かを、開度X
3の時間的変化から判定する。すなわち、時刻tの開度
X3(t)よりも時刻t+△tの開度X3(t+△t)
の方が大きく、他の整圧器61,62の開度X1
(t),X2(t)では逆に小さくなっているとき、ス
テップa5に移って、整圧器63が昇圧故障であると判
定する。制御コンピュータ33は、ステップa6で、第
3系列43の電磁弁113を駆動して、圧力スイッチ1
03に流体圧を与え、緊急遮断弁53を作動させる。ス
テップa7では、管理センタなどで、昇圧アラームを発
生させ、昇圧故障による緊急遮断弁53の作動を報知す
る。
【0026】ステップa4で条件が成立しないときに
は、ステップa8に移る。ステップa8では、第2系列
42の整圧器62に昇圧故障が生じているか否かを、開
度X2の時間的変化から判定する。すなわち、時刻tの
開度X2(t)よりも時刻t+△tの開度X2(t+△
t)の方が大きく、他の整圧器61,63の開度X1
(t),X3(t)では逆に小さくなっているとき、ス
テップa9に移って、整圧器62が昇圧故障であると判
定する。制御コンピュータ33は、ステップa10で、
第2系列42の電磁弁112を駆動して、圧力スイッチ
102に流体圧を与え、緊急遮断弁52を作動させる。
ステップa11では、管理センタなどで、昇圧アラーム
を発生させ、昇圧故障による緊急遮断弁52の作動を報
知する。
【0027】ステップa8で条件が成立しないときに
は、ステップa12に移る。ステップa12では、第1
系列41の整圧器61に昇圧故障が生じているか否か
を、開度X1の時間的変化から判定する。すなわち、時
刻tの開度X1(t)よりも時刻t+△tの開度X1
(t+△t)の方が大きく、他の整圧器62,63の開
度X2(t),X3(t)では逆に小さくなっていると
き、ステップa13に移って、整圧器61が昇圧故障で
あると判定する。制御コンピュータ33は、ステップa
14で、第1系列41の電磁弁111を駆動して、圧力
スイッチ101に流体圧を与え、緊急遮断弁51を作動
させる。ステップa15では、管理センタなどで、昇圧
アラームを発生させ、昇圧故障による緊急遮断弁51の
作動を報知する。
【0028】ステップa12で条件が成立しないときに
は、ステップa16に移る。ステップa16では、複数
の整圧器61,62,63に昇圧故障が生じていると判
定する。時刻tでの開度よりも時刻t+△tでの開度の
方が大きくなっている整圧器と組合わされる緊急遮断弁
に対し、制御コンピュータ33は、ステップa17で、
電磁弁を駆動して圧力スイッチに流体圧を与え、緊急遮
断弁を作動させる。ステップa18では、管理センタな
どで、昇圧アラームを発生させ、昇圧故障による緊急遮
断弁の作動を報知する。なお、整圧器61,62,63
は、信頼性の高いものを使用するので、複数の整圧器が
昇圧故障を起す可能性は、非常に小さいはずである。
【0029】ステップa3で、二次圧P2が整圧器61
の設定圧PG1以下ではないと判定されるとき、ステップ
a19で、二次圧P2が緊急遮断弁51,52,53,
54の設定圧PESV 以上となっていることを確認する。
ステップa2およびステップa3の判定で、二次圧P2
が設定圧PESV よりも小さい場合は除いてある。設定圧
ESV 以上の二次圧P2となるのは、緊急遮断弁51,
52,53にも故障が生じている場合である。ステップ
a20では、緊急遮断弁の故障と判定し、ステップa2
1で、管理センタなどに昇圧故障アラームを発生させ
る。
【0030】図3は、図1の整圧器61〜6nとして使
用可能なガバナ160の概略的な構成を示す。ガバナ1
60は、図1の緊急遮断弁51〜5nに接続される一次
側161と、電磁弁111,…および開閉弁131〜1
3nに接続される二次側162との間に介在されるメイ
ンバルブ163を有する。メインバルブ163は、パイ
ロットバルブ164で、弁165の開度を調整可能であ
る。弁165は、スピンドル166の下端に設けられ
る。スピンドル166は、ダイヤフラム167によっ
て、鉛直な軸線方向に変位して、弁165の開度調整を
行う。ダイヤフラム167は、パイロットバルブ164
を介して下方から与えられる圧力と、上方の液体の圧力
およびばね168の弾発力との差に従ってスピンドル1
66を変位させる。スピンドル166の上端169はメ
インバルブ163の外部に突出し、その突出量の変化
で、弁165の開度変化を知ることができる。図1の開
度計71,…は、スピンドル166の上端169の突出
量を、機械的あるいは光学的に検出し、電気信号に変換
して制御コンピュータ33に与える。
【0031】図4は、本発明の実施の他の形態として、
図1の整圧器61,62,63,64のパイロット制御
圧力に基づいて、昇圧故障を起している整圧器61,6
2,63を選択的に検知する昇圧故障判定のプログラム
ロジックを示す。ただし、パイロット制御圧力と整圧器
61,62,63の開度との関係は、ローディング型お
よびアンローディング型の2種類ある整圧器61,6
2,63の型式によって異なる。ここでは、パイロット
制御圧力が増大すると弁開度も増大するローディング型
を想定して説明する。ステップb1からステップb3ま
では、図2のステップa1からステップa3までと同等
である。
【0032】ステップb2で条件が成立するときは、二
次圧P2が常用の整圧器61,62,63のいずれの設
定圧よりも高く、いずれかに昇圧故障が生じていると判
定される。ステップb4では、3つの常用の整圧器6
1,62,63のうち、設定圧が最も低い第3系列43
の整圧器63に昇圧故障が生じているか否かを、パイロ
ット制御圧力PR3の時間的変化から判定する。すなわ
ち、時刻tのパイロット制御圧力PR3(t)よりも時刻
t+△tのパイロット制御圧力PR3(t+△t)の方が
大きく、他の整圧器61,62のパイロット制御圧力P
R1(t),PR2(t)では逆に小さくなっているとき、
ステップb5に移って、整圧器63が昇圧故障であると
判定する。制御コンピュータ33は、ステップb6で、
第3系列43の電磁弁113を駆動して、圧力スイッチ
103に流体圧を与え、緊急遮断弁53を作動させる。
ステップb7では、管理センタなどで、昇圧アラームを
発生させ、昇圧故障による緊急遮断弁53の作動を報知
する。すなわち、ステップb5〜ステップb7は、図2
のステップa5〜ステップa7と同等である。
【0033】ステップb4で条件が成立しないときに
は、ステップb8に移る。ステップb8では、第2系列
42の整圧器62に昇圧故障が生じているか否かを、開
度PR2の時間的変化から判定する。すなわち、時刻tの
パイロット制御圧力PR2(t)よりも時刻t+△tのパ
イロット制御圧力PR2(t+△t)の方が大きく、他の
整圧器61,63のパイロット制御圧力PR1(t),P
R3(t)では逆に小さくなっているとき、ステップb9
で整圧器62が昇圧故障であると判定する。ステップb
9〜ステップb11は、図2のステップa9〜ステップ
a11と同等である。
【0034】ステップb8で条件が成立しないときに
は、ステップb12に移る。ステップa12では、第1
系列41の整圧器61に昇圧故障が生じているか否か
を、パイロット制御圧力PR1の時間的変化から判定す
る。すなわち、時刻tのパイロット制御圧力PR1(t)
よりも時刻t+△tのパイロット制御圧力PR1(t+△
t)の方が大きく、他の整圧器62,63の開度パイロ
ット制御圧力PR2(t),PR3(t)では逆に小さくな
っているとき、ステップb13で整圧器61が昇圧故障
であると判定する。ステップb13〜ステップb15
は、図2のステップa13〜ステップa15と同等であ
る。
【0035】ステップb12で条件が成立しないときに
は、ステップb16に移る。以下ステップb16〜ステ
ップb18は、図2のステップa16〜a18と同等で
ある。また、ステップb19〜ステップb21も、図2
のステップa16〜ステップa21と同等である。
【0036】なお、アンローディング型の整圧器61,
62,63が使用されるときは、ステップb4、ステッ
プb8およびステップb12でのパイロット制御圧力P
R1,PR2,PR3の変化の向きを逆方向にして判定すれば
よい。すなわち、第i系列で昇圧故障が生じているとき
は、ローディング型でPRi(t)<PRi(t+△t)と
なっているか否かで判定する替りに、PRi(t)>PRi
(t+△t)として判定すればよい。
【0037】図5は、図4の実施形態で整圧器61〜6
nとして使用可能なアンローディング型のガバナ170
の概略的な構成を示す。ガバナ170は、図1の緊急遮
断弁51〜5nに接続される一次側171と、電磁弁1
11,…および開閉弁131〜13nに接続される二次
側172との間に介在されるガバナ本体173を有す
る。ガバナ本体173には、パイロット管路91,…か
らパイロット制御圧力が与えられるパイロット室174
を有する。パイロット管路91,…は、絞りであるリス
トリクタ175を介して一次側171に接続され、パイ
ロット弁176を介して二次側172に接続される。パ
イロット室174の底部には、ゴムのような弾性体の被
膜によって形成される弁体177が設けられる。弁体1
77の中央部は、一次側171に臨み、周辺部はケージ
178を介して二次側172に臨む。ケージ178は多
孔板によって形成される。弁体177は、変形していな
い状態で、ケージ178の表面に密着し、一次側171
と二次側172との間は閉鎖される。
【0038】パイロット弁176は、二次側172の圧
力が設定圧より低くなると開き、設定圧よりも高くなる
と閉じる。パイロット弁176が閉じている状態で、パ
イロット室174内の圧力は、リストリクタ175によ
って一次側171の圧力と等しくなる。弁体177の中
央部の両側に作用する圧力が等しいので、弁体177は
変形することはなく、ガバナ本体173の一次側171
と二次側172との間は閉じている。二次側172の圧
力が設定圧よりも低くなってパイロット弁176が開く
と、パイロット管路91,…を介して流体が一次側17
1から二次側172に流れ、リストリクタ175による
圧力降下で、パイロット管路91,…のパイロット制御
圧力は、一次側171の圧力よりも低くなる。パイロッ
ト室174内の流体圧力も一次側171より低くなるの
で、弁体177の中央部は下方から押され、弁体177
は上方にくぼむように変形する。弁体117の中央部の
変形に伴って、周辺部でも変形が生じ、一次側171か
ら二次側172への流体の流通経路が形成される。二次
側172に多くの流体が流れると、二次側172の圧力
は上昇し、設定圧を越えるとパイロット弁176が閉
じ、パイロット管路91,…の圧力が上昇して、弁体1
77の開度が小さくなる。実際には、二次側172の圧
力がパイロット弁176の設定圧付近で動的な平衡状態
になり、整圧作用が実現される。
【0039】このように、弁体177の変形で開度が変
化するような型式の整圧器では、開度を外部から直接検
出することが困難である。したがって、図2に示すよう
な開度検出に基づく判定よりも、図4に示すようなパイ
ロット制御圧力に基づく判定の方が容易である。図3に
示すようなガバナ160では、図2のような開度に基づ
く昇圧故障判定も可能であるけれども、図4のようなパ
イロット制御圧力に基づく昇圧故障判定も可能である。
さらに開度に基づく判定法とローディング圧力に基づく
判定法とを組合わせ、両方の判定法でともに昇圧故障と
判定される整圧器を昇圧故障と検知するようにすれば、
検知精度を高め、確実な判定を行うことができる。
【0040】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、整圧器の
動作状態から、昇圧故障を起している整圧器を選択的に
検知することができ、その整圧器が属する系列の緊急遮
断弁のみを作動させて、二次圧の安定化と、流体供給不
良の回避とを図ることができる。さらに、緊急遮断弁の
作動のための設定圧に、系列間で差を設ける必要がない
ので、流体供給システム中での一次圧と二次圧との間で
必要となる差圧を小さくすることができ、流体の輸送効
率を向上させることができる。
【0041】また本発明によれば、整圧器の開度から昇
圧故障を起している整圧器を選択的に検知することがで
きる。整圧器のパイロット制御方式が、ローディング型
であっても、アンローディング型であっても、同様に適
用して供給不良を回避することができる。
【0042】また本発明によれば、整圧器の弁開度をパ
イロット制御圧力に対応させて、昇圧故障を起している
整圧器を選択的に検知するので、弁開度を直接検出する
ことができない型式の整圧器に対しても、供給不良の回
避を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態の流体供給システムの概
略的な構成を示すブロック図である。
【図2】図1の実施形態の昇圧故障判定プログラムロジ
ックを示すフローチャートである。
【図3】図1の実施形態で、整圧器61〜64として使
用するガバナ160の概略的な構成を示す簡略化した断
面図である。
【図4】本発明の実施の他の形態の昇圧故障判定プログ
ラムロジックを示すフローチャートである。
【図5】図4の実施形態で使用するガバナ170の概略
的な構成を示す簡略化した断面図である。
【図6】従来からの多系統の流体供給システムのの主要
部の構成を示すブロック図である。
【図7】図6の流体供給システムの動作を示すタイムチ
ャートである。
【符号の説明】
30 流体供給システム 31 一次管路 32 二次管路 33 制御コンピュータ 34 二次圧力計 41,42,43,44,…,4n 系列 51,52,53,54,…,5n 緊急遮断弁 61,62,63,64,…,6n 整圧器 71,… 開度計 81,… ローディング圧力計 91,…,9n パイロット管路 101,… 圧力スイッチ 111,… 電磁弁 160,170 ガバナ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流体圧力を一次圧から二次圧に減圧する
    制御を行う整圧器と、二次圧が異常に上昇するときに流
    体の緊急遮断を行う緊急遮断弁との組合せが多系列配置
    されている流体供給システムで、整圧器の昇圧故障時に
    緊急遮断弁を作動させて、該整圧器が組合わされている
    系列を遮断するように制御する方法であって、 二次圧が複数の整圧器のうちで最も高い設定圧よりも上
    昇し、緊急遮断弁の作動圧まで達しないときに、昇圧故
    障と判定し、 各系列の整圧器の動作状態に基づいて、昇圧故障を起し
    た系列を選択的に検知し、 検知された系列の緊急遮断弁のみを作動させることを特
    徴とする多系列整圧器の遮断弁制御方法。
  2. 【請求項2】 前記昇圧故障を起した系列の検知は、整
    圧器の弁開度を検出して行い、弁開度が時間的に増大す
    る整圧器を備える系列を、昇圧故障を起した系列と判定
    することを特徴とする請求項1記載の多系列整圧器の遮
    断弁制御方法。
  3. 【請求項3】 前記昇圧故障を起した系列の検知は、整
    圧器のパイロット制御圧力を検出して行い、パイロット
    制御圧力の時間的な変化が二次圧を上昇させる方向に生
    じている整圧器を備える系列を、昇圧故障を起した系列
    と判定することを特徴とする請求項1記載の多系列整圧
    器の遮断弁制御方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005302563A (ja) * 2004-04-13 2005-10-27 Toyota Motor Corp 燃料電池の制御装置
JP2010113733A (ja) * 1999-06-29 2010-05-20 Fisher Controls Internatl Llc 調整器による流量測定装置及びその方法
KR20220001494U (ko) * 2020-12-17 2022-06-24 주식회사 한국가스기술공사 파이롯트 시뮬레이션 장치
JP7096418B1 (ja) * 2021-12-15 2022-07-05 東京瓦斯株式会社 整圧装置、及び整圧装置の稼働方法

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