JPH037148Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案はスキージング装置に係わり、特に印刷
配線基板のスクリーン印刷におけるスキージング
装置に関する。

〔従来の技術〕

従来、印刷配線基板のスクリーン印刷における
スキージング装置およびその動作は、第５図に示
す如く、印刷テーブルａ上の被印刷配線基板（以
後、被印刷物と称す）ｂの上方に、シルクなどの
スクリーンＣを四角形に張持した枠ｄを配設さ
せ、被印刷物ｂの上面を往復運動する摺動ブロツ
クｅに、スクリーンＣの面に対して交互に接離す
るスキージｆおよびスクレーパーｇを、先端を下
方に向けて吊持状態で保持させた構成であつた。
そしてスキージｆは、印刷する方向の後方に所定
の角度で傾むけた傾斜角度θ₁と、スキージｆの一
端を軸としたバイアス角度θ₂をそれぞれ設けてあ
る。そしてこれらの一連の動作は、第５図Ａの如
く、スクレーパーｇをスクリーンＣの上面に接触
させた状態で、摺動ブロツクｅを矢印の方向に移
行させて、スクリーンＣの上面に載せたグリース
状のインクｈのインク返しを行なう。この移行動
作中に摺動ブロツクｅは、スクレーパーｇが被印
刷物ｂの一端部、すなわち左端をわずかに通過し
たことを、インク返しセンサーｉで検出した後に
停止させる。次に第５図Ｂの如く、スキージｆを
スクリーンＣの面に対し押圧するように矢印の方
面に下降させて、印刷圧力（以後印圧と称す）を
かける。

次に第５図Ｃの如く、スキージｆがスクリーン
Ｃの面に対し、印圧をかけた状態で摺動ブロツク
ｅを、矢印の方向に移行させて、被印刷物ｂの表
面にインクｈを転写させて印刷を行なう。この移
行動作中に摺動ブロツクｅは、スキージｆが被印
刷物ｂの一端部、すなわち右端をわずかに通過し
た位置を上方に配置した印刷停止センサーｊで検
出した後に停止させる。次に第５図Ｄの如く、ス
キージｆを矢印の方向に上昇させスキージｆをス
クリーンＣの面から離す。

〔考案が解決しようとする問題点〕

この一連の動作では、スキージｆがスクリーン
Ｃの面に対し印圧をかける位置P1（第５図Ｂ）、
および印圧を抜く位置P2（第５図Ｄ）の枠ｄの左
右それぞれの内側端部からの距離１，２が、
スクリーンＣの伸び、破損防止および印刷精度の
低下防止の上から定められている。そのために枠
ｄの内側の左右寸法３に対する被印刷物ｂの長
さ寸法４は、スキージｆに傾斜角度θ₁を付けた
ときのスクレーパーｇとの間隔を５とし、さら
にスキージｆにバイアス角度θ₂を付けたときのス
キージｆの一端部との距離を６とし、またスク
レーパーｇがインク返し状態のときに、被印刷物
ｂの左端部を通過した左端部からの距離を７と
し、さらにスキージｆが印刷状態のときに、被印
刷物ｂの右端部を通過した右端部からの距離を
８として２≧５としたとき、４＝３−
（１＋２＋５＋７＋８）−２６とな
り、枠ｄの内側の左右寸法３に対し、被印刷物
ｂの長さ許容寸法４は、非常に短いものになる
欠点があつた。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案の目的は、このような従来欠点を除去し
たスキージング装置を提供することにある。

本考案によれば、それぞれ先端を下方に向けて
対面し、一対の長方体の保持部材に吊着したスキ
ージおよびスクレーパーと、上記スキージの保持
部材の一端部に他方一端部を軸として、上記スキ
ージの保持部材を円弧運動させる機構と、保持部
材と直交する方向に往復運動する摺動ブロツク
と、上記スキージ保持部材の円弧運動機構および
摺動ブロツクの往復運動を制御するセンサーを摺
動ブロツクの移動方向の上部に複数個設けたこと
を特徴とするスキージング装置が得られる。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例を第１図〜第４図によつ
て説明する。

第１図、第２図は本考案スキージング装置の主
要部を示す平面図および正面図である。スキージ
１は、先端を下方に向けて断面口の字状の保持部
材２および断面コの字状で開口端に内向きの爪部
を有するクランプ３によつて支持されている。保
持部材２は、ブロツク４，５に連設してあり、ス
キージ１の傾斜角度θ₁、すなわちスキージ１の先
端を印刷する方向の後方に傾ける角度を調節でき
る機構となつている。一方のブロツク４の内部に
は軸受６が配設され、シヤフト７およびボルト８
によつてＬ金具９と回動状態に垂設してある。Ｌ
金具９は、上下にスライドするスライド板１０
（第３図）に図示省略したねじで固定してある。
また他方のブロツク５は、円弧状の長孔１１ａを
有する金具１１に摺接させたカムフオロアー１２
を介して係着させてある。ブロツク１３は、リニ
アボールベアリング１４を内設し、両端を金具１
１に固定したシヤフト１５によつて保持され、か
つ金具１１に保持部材２と直交する方向で設けた
エアーシリンダー１６と連結させてあり、スキー
ジ１の移行に伴なつて第１図に示したブロツク４
のシヤフト７を支点としてスキージ先端がスクリ
ーンに接触した状態でスキージ１を印刷する方向
の後方または前方に円弧運動させてスキージ１の
バイアス角度θ₃（第４図Ｃ）を変化させる機構と
なつている。金具１１は、スライド板（図示省
略）にネジ止め固定する。

次に本考案スキージング装置全体を第３図の側
断面により説明する。

摺動ブロツク１７は、摺動ブロツク１７の上面
に配設したモーター１８の正転・逆転動作によつ
て、歯車１９および２０を介してスクリーン２１
の上部に水平に横架したラツク２２を左右に往復
運動する構造に設ける。摺動ブロツク１７の停止
位置検知板であるプレート２３および２４は、摺
動ブロツク１７の上面の左右両端部に配設されて
いる。センサー２５，２６は、プレート２３およ
び２４の上方に位置し、摺動ブロツク１７の前・
後進の左・右移行方向にスライドできるように配
設されている。スキージ１は、先端が下方のスク
リーン２１の上面に対向した状態で、断面ロの字
状の保持部材２および断面コの字状で開口端に内
向きの爪部を有するクランプ３によつて支持され
ている。保持部材２の両端は、スキージ１を吊持
した状態で、ブロツク４とＬ金具９およびブロツ
ク５と金具１１（第１図および第２図）を介し
て、スライド板１０に固定してある。スライド板
１０は、左右一対のスライド案内板２７の上部に
配置したマイクロメーターヘツドに垂設して取り
付けられ、上昇・下降の動作をする機構を有す
る。側面形状くの字状のスクレーパー２９は、先
端が下方のスクリーン２１の上面に対向した状態
で、断面ロの字状の保持部材３０および断面コの
字状で開口端に内向きの爪部を有するクランプ３
１によつて支持されている。保持部材３１は、ス
ライド板３２に固定してある。スライド板３２
は、左右一対のスライド案内板３３の上部に配置
したマイクロメーターヘツド３４に垂設して取り
付けられ上昇・下降の動作をする機構を有する。
ラツク３５、および３６は、それぞれ一対のスラ
イド案内板２７，３３の一方に、歯車３７を介し
て対面状態で取り付けられて歯車３７と咬合して
いる。スライド案内板２７，３３の下部は、摺動
ブロツク１７に遊嵌され、かつ摺動ブロツク１７
の上面に取り付けられたモーター３８の正転・逆
転動作で、歯車３７を介してラツク３５，３６を
交互に上・下動させる。同時に、この上・下動に
伴なつてスキージ１、スクレーパー２９の先端が
スクリーン２１の面に対して交互に接離する動作
を繰り返す。

次に本考案スキージング装置の動作を第４図に
より説明する。まず第４図Ａの如く、スクレーパ
ー２９をスクリーン２１の上面に接触させた状態
で、摺動ブロツク１７を矢印の左方向に移行さ
せ、スクリーン２１の上に載せたインク３９のイ
ンク返しを行なう。この矢印方向の移行中に摺動
ブロツク１７に取り付けられたスクレーパー２９
が被印刷物４０の一端部、すなわち左端を通過
し、かつスキージ１がスクリーン２１の枠４１の
内側に有る状態でセンサー２５が摺動ブロツク１
７上のプレート２３を検出し摺動ブロツク１７の
移行を停止させる。

次に第４図Ｂの如く、モーター３８（第３図）
を駆動して、スキージ１の先端がスクリーン２１
の上面を押圧するように矢印の方向に下降させる
と同時にスクレーパー２９を上昇させる。

次に第４図Ｃの如く、摺動ブロツク１７を矢印
の右方向に移行させて印刷を開始する。この右へ
の移行開始時に、エアーシリンダー１６（第１
図）を駆動させ、スキージ１のバイアス角度θ₃を
ブロツク４（第１図）のシヤフト７を支点として
スキージ１を印刷する方向の後方に円弧運動させ
て徐々に変化させる。

次に第４図Ｄの如く、摺動ブロツク１７を右方
向に移行させて印刷を行なう。この右方向への移
行中に、摺動ブロツク１７に取り付けられたスキ
ージ１の一端部が被印刷物４０の一端部、すなわ
ち右端をわずかに通過したことを、センサー２６
が摺動ブロツク１７上右側のプレート２４を検出
して、摺動ブロツク１７は移行停止の動作に入り
移行を停止する。

次に第４図Ｅの如く、摺動ブロツク１７が移行
停止の状態に入つた時と時を同じくしてエアーシ
リンダー１６（第１図）を駆動させ、スキージ１
のバイアス角度θ₃を印刷する方向、すなわちバイ
アス角度θ₃が零になる方向に徐々に戻す。

次に第４図Ｆの如く、スキージ１を摺動ブロツ
ク１７のモーター３８（第３図）の駆動によつて
矢印の方向に上昇させ、スキージ１の先端をスク
リーン２１の上面から離し印圧を除く。

これらの一連の動作により、スクリーン２１の
枠４１の内側寸法L₁に対する被印刷物４０の一
辺の長さL₂は、スクリーン２１の枠４１の内側
端部から、スキージ１がスクリーン２１の上面に
対し印圧をかける位置P₃（第４図Ｂ）、および印
圧を抜く位置P₄（第４図Ｆ）までの距離をL₃，L₄
とし、スキージ１に傾斜角度θ₁を付けたときのス
クレーパー２９との間隔をL₅とし、スクレーパ
ー２９がインク返し状態のときに被印刷物４０の
左端部を通過した左端部からの最少距離をL₆と
し、さらにスキージ１の一端部が印刷状態のとき
に、被印刷物４０の右端部を通過した右端部から
の最少距離をL₇とし、L₄≧L₅としたとき、被印
刷物４０の長さ許容寸法L₂＝L₁−（L₃＋L₄＋L₅＋
L₆＋L₇）であり、従来のスキージング装置より
長いものとなる。

〔考案の効果〕

以上、本考案によればスクリーンの枠の内側長
さに対して、被印刷物の一辺の長さを長くするこ
とができる利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図は本考案実施例によるスキージ
ング装置の主要部を示す平面図および正面図。第
３図は本考案実施例によるスキージング装置の側
断面図。第４図Ａ〜Ｆは第３図のスキージング装
置の動作を示す側断面図。第５図Ａ〜Ｄは従来の
スキージング装置の構成および動作を示す部分側
断面図。 １，ｆ……スキージ、２，３０……保持部材、
３，３１……クランプ、４，５……ブロツク、６
……軸受、７……シヤフト、８……ボルト、９…
…Ｌ金具、１０，３２……スライド板、１１……
金具、１１ａ……（金具の）円弧状の長孔、１２
……カムフオロア、１３……ブロツク、１４……
リニアボールベアリング、１５……シヤフト、１
６……エアーシリンダー、１７ｅ……摺動ブロツ
ク、１８，３８……モーター、１９，２０，３７
……歯車、２１，Ｃ……スクリーン、２２……ラ
ツク、２３，２４……プレート、２５，ｉ……セ
ンサー、２７，３３……スライド案内板、２８，
３４……マイクロメーターヘツド、２９，ｇ……
スクレーパー、３５，３６……ラツク、３９，ｈ
……インク、４０，ｂ……被印刷配線基板、４
１，ｄ……枠、４２，ａ……印刷テーブル、θ₁…
…傾斜角度、θ₂……バイアス角度、θ₃……（可変
する）バイアス角度。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. それぞれ先端を下方に向けて対面し、一対の保
   持部材に吊着したスキージおよびスクレーパー
   と、前記スキージとスクレーパーとをそれぞれ上
   下動させる機構と、保持部材と直交する方向に往
   復運動する摺動ブロツクと、前記上下動させる機
   構および摺動ブロツクの往復運動を制御するセン
   サーを摺動ブロツクの移動面の上部に複数個設け
   たスキージング装置において、前記スキージの先
   端がスクリーンと接触した状態で前記スキージの
   先端の一端部を軸として他端部を円孤運動させる
   機構を有し、かつ前記スキージをスクリーンに圧
   接して被印刷物に前記スクリーンを接触させ前記
   円孤運動させる機構を制御するセンサをスキージ
   作動側に設けてあり、前記スキージを円孤運動さ
   せて後上昇させ、前記スクレーパーを前記スクリ
   ーンに接触させ、インク返しを行なわせるセンサ
   ーをスクレーパー作動側に設けたことを特徴とす
   るスキージング装置。