JPH037141Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、マグネツトを磁着保持してその供
給場所から個々に所定の取付部位へ効率良く移動
させるマグネツト移動装置に関する。

従来、例えば、マグネツトをインサート成形す
る合成樹脂成形品を射出成形などにより製造する
場合、金型を開いた状態において、その金型のキ
ヤビテイ内のマグネツト取付部位へ、作業者が手
作業によりマグネツトを移動させて取付け、マグ
ネツトをインサートとする合成樹脂の射出成形を
行なつていた。

したがつて、マグネツトの移動取付けが手作業
で行なわれるため、作業性が悪く、マグネツトの
移動取付け作業の自動化が望まれていた。

この考案は、上記の点に鑑みなされたもので、
マグネツトを磁着保持してその供給場所から所定
の取付部位へマグネツトを個々に効率良く移動さ
せることができるマグネツト移動装置を提供する
ことを目的とする。

以下、この考案の実施例を図面に基づいて説明
する。

第１図、第２図は供給部４の供給通路４ａに並
べられた環状のマグネツト１を金型２のキヤビテ
イ内に設けた取付部位３へ運んで取付けるマグネ
ツト移動装置の正面図を示し、第３図、第４図は
マグネツト１を保持する磁着保持部５の詳細断面
図を示している。６は図示しない固定フレームに
下向きに取付けられた流体圧シリンダであり、そ
のピストンロツド６ａの先端にはＬ形のブラケツ
ト７が固定され、このブラケツト７にはマグネツ
ト１を磁着して保持する磁着保持部５が横向きに
装着されている。磁着保持部５は、ブラケツト７
に横向きに取付けられた保持用流体圧シリンダ８
と、保持用流体圧シリンダ８のピストンロツド８
ａの先端に取付けられた電磁石部９から構成され
る。電磁石部９は棒状磁極１０の外周に励磁コイ
ル１１を巻装し、棒状磁極１０の先端のフランジ
１０ａを囲うように皿形のカバー１２が非磁体に
より形成され、カバー１２で囲まれた棒状磁極先
端の中央に非磁性体のガイドピン１３が突設さ
れ、カバー１２の内部に環状のマグネツト１を磁
着保持する構造である。１４は、押出し用の流体
圧シリンダ６のピストンロツド先端のブラケツト
７に連結され、流体圧シリンダ６に沿つて配設さ
れた押出しロツドであり、下方へ曲折された先端
部１４ａが、流体圧シリンダ６の押し出し作動時
に、後述するマグネツト１の送出器１５を押して
供給通路４ａから１個のマグネツト１を供給部４
の受渡し場所に送り出すように動作する。送出器
１５はマグネツト１の供給通路４ａをもつ供給部
４に上下摺動可能に取付けられ、供給通路４ａか
ら左側へ突出した１個のマグネツト１を保持して
下方の受渡し場所へ送出する押出し保持部１５ａ
を下端に備えている。

次に、このマグネツト移動装置の動作を説明す
る。

先ず、マグネツト１はその磁極の方向をそろえ
て供給部４の供給通路４ａに入れられ、左方向へ
図示しない押し部材により押され、先端の１個の
マグネツト１が突出して送出部１５の押出し保持
部１５ａに保持された状態にある。そして、供給
部４の下部の受渡し場所には前の工程で押し出さ
れたマグネツト１が磁着されている。

この状態において、磁着保持部５は受渡し場所
の水平位置に位置しており、第３図に示すように
保持用流体圧シリンダ８がそのピストンロツド８
ａを押し出し作動し、磁着保持部５が電磁石部９
を付勢した状態でマグネツトの受渡し場所に押し
出される。この時、マグネツト１はカバー２内に
入れられ、マグネツト１の前面の磁極と相反する
磁極が棒状磁極１０のフランジ１０ａに形成され
ていることから、環状のマグネツト１は電磁石部
９の磁力により、供給部４の受渡し場所からフラ
ンジ１０ａに磁着される。

次に、保持用流体圧シリンダ８はピストンロツ
ド８ａを引き戻し作動し、そして、押し出し用の
流体圧シリンダ６がピストンロツド６ａを押し出
し作動して先端の磁着保持部５を金型２の取付部
位３の水平位置まで進める。この時、第２図に示
すように、押出しロツド１４の先端部１４ａが送
出部１５を定位置まで押下げて摺動させる。よつ
て、送出部１５の下端の押出し保持部１５ａは供
給通路４ａから突出した１個のマグネツト１を保
持して下方の受渡し場所まで移動する。

第２図の状態から次に保持用流体圧シリンダ８
のピストンロツド８ａが押し出し作動され、マグ
ネツト１を保持した磁着保持部５の電磁石部９が
金型２の取付部位３へ向けて突出され、ガイドピ
ン１３が突出した取付部位３の中心孔に挿入され
て位置決めされると共に、カバー１２内のフラン
ジ１０ａに磁着されたマグネツト１がその取付部
位３の突部に嵌合される。そして、電磁石部９の
励磁コイル１１にこれまでと反対の電流を流すこ
とによりフランジ１０ａにマグネツト１の磁着面
と同じ磁極をつくり、マグネツト１をフランジ部
１０ａから離す。この状態でマグネツト１は取付
部位３に移され、第４図に示すように、保持用流
体圧シリンダ８のピストンロツド８ａが引き戻さ
れることにより電磁石部９は第２図の位置まで戻
される。そして、流体圧シリンダ６がそのピスト
ンロツド６ａを引き戻し作動して、磁着保持部５
は供給部４の受渡し場所まで戻り、送出部１５も
ばねの作用により上方の位置に戻つて、第１図の
ような最初の状態に復帰する。

その後、金型２の上に可動型が当接して射出成
形が行なわれ、マグネツト１をインサートした製
品がつくられる。そして、製品が金型２から外さ
れた後、第１図の状態から再び保持用流体圧シリ
ンダ８が押し出し作動して電磁石部９が押し出さ
れ、供給部４の受渡し場所に出されていたマグネ
ツト１を保持し、上記と同様な動作が繰り返され
てマグネツトの移動と自動取付けが行なわれる。

以上説明したように、この考案のマグネツト移
動装置によれば、マグネツト受渡し場所から取付
部位へ移動させる流体圧シリンダのピストンロツ
ドに保持用流体圧シリンダをもつ磁着保持部を取
付け、この保持用流体圧シリンダのピストンロツ
ドにマグネツトを磁着保持する電磁石部を取付
け、電磁石部に発生する磁極の極性切換えにより
マグネツトを保持又は保持解除させ、流体圧シリ
ンダ及び保持用流体圧シリンダの作動によりマグ
ネツトを移動させるように構成したから、受渡し
場所のマグネツトを電磁石部側に確実に磁着させ
ることができ、また、移動先では、電磁石部に反
発側の磁極を発生させ、電磁石部からマグネツト
を確実に離すことができ、マグネツトを所定の場
所に能率良く移動させることができる。

【図面の簡単な説明】

図はこの考案の実施例を示し、第１図、第２図
はマグネツト移動装置の正面図、第３図、第４図
は磁着保持部の動作時の詳細断面図である。１…
…マグネツト、３……取付部位、５……磁着保持
部、８……保持用流体圧シリンダ、８ａ……ピス
トンロツド、９……電磁石部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 供給通路に並べられたマグネツトから、送出部
   によつて受渡し場所へ押し出された１個のマグネ
   ツトを、流体圧シリンダの作動により移動させる
   マグネツト移動装置であつて、前記流体圧シリン
   ダのピストンロツドに保持用流体圧シリンダが横
   向きに取付けられ、該保持用流体圧シリンダのピ
   ストンロツドの先端に前記マグネツトを磁着保持
   する電磁石部が取付けられ、該電磁石部に発生す
   る磁極の極性切換えにより前記マグネツトを保持
   又は保持解除させ、前記流体圧シリンダ及び保持
   用流体圧シリンダの作動により前記マグネツトを
   移動させる構成としたマグネツト移動装置。