JPH0370543B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は主としてプラスチツク、セラミツク、
食品、鉄分その他種々の物質を混練して押出す装
置に関するものである。

（従来の技術） 従来に於ける配合材料を混練する装置として
は、密閉混合室内に材料を入れて加熱又は冷却し
ながらブレードを回転して混練を行うミキサー又
はニーダーがあるが、混練終了後、この混練物を
ミキサーより排出し収集する手段として、小型ミ
キサーでは(a)密閉混合室を分解し小道具を使用し
て混合物を直接、手作業で排出し固りのまま収集
する方式、(b)又、中、大型ミキサーでは密閉混合
室の底部を開放して混練物を落下させて固りのま
ま収集する方式、(c)密閉混合室の底部に回転する
スクリユーを設けて混練物を排出し、スクリユー
から出たところでペレツト化して収集する方式が
あつた。

（本発明が解決しようとする課題） 従来技術に於いて、(a)の方式では時間と労力を
多く要したり、粘度の小なる混練物の場合には密
閉混合室を分解した時、混練物が垂下してミキサ
ー各部に附着したり、又冷却されるためブレード
等に固着して収集が困難であつたり、収集した状
態が固りであるため、後利用するのに不便であつ
た。

又、(b)、(c)の方式にあつては、自重で落下する
混合物であれば良いが附着性のある混練物の場合
はミキサー内壁やブレード表面に附着したままと
なり回収率が極めて悪い等の欠点があつた。

（課題を解決するための手段） 本発明では、筺体と、該筺体に取付けたホツパ
ー内を昇降しその降下停止位置のピストンと、前
記ホツパーの直下に位置付けしたブレード軸と一
体のブレードと、該ブレードの一部を内装する内
筒ラムとにより混合室を構成すると共に前記ラム
がブレード上を摺動して該混合物を狭ばめて混練
物を流出口より押出すべく成してある。

（作用） ホツパー内の投入した配合材料をピストンによ
り混合室内に押し込み該ピストンを所定の降下位
置で停止せしめる。次いでモーターによりブレー
ド軸を介してブレードを回転せしめ配合材料に煎
断を与えて混練する。然る後、モーターを一旦停
止し、回転移動板のピン穴にピンを長手方向の貫
通孔を介して差し込み、再びモーターを回転し、
ブレード軸、ブレードを回転せしめると回転移動
板はピン貫通溝孔に規制されて回ることなく直線
方向に移動すると共に円筒ラムは回転せしめられ
ながらブレード上を直線方向に摺動し混合室を狭
めながら混練物を流出口へと押出する。

（実施例） 第一の実施例（第１図乃至第３ｂ図） １は混練押出装置本体で、水平方向に伸びる筺
体４と、該筺体４に取付けた垂直方向に伸びるホ
ツパー２と該ホツパー２内を昇降しその適宜の降
下停止位置のピストン７と、前記ホツパー２の直
下に位置付けしたブレード軸９と一体のブレード
５と、該ブレード５の一部に内装する一対の円筒
ラム６と、前記ピストン７と一対のブレード５と
一対の円筒ラム６とにより囲まれた混合室３とか
ら構成してある。前記したブレード５はブレード
軸９の回転により一体的に所定方向に回転するも
のであり、直線方向には移動しない。１０はブレ
ード軸９に連繋したモーターで該モーター１０の
回転によりブレード軸９、ブレード５を回転せし
めて混合物３内に密閉充填されている配合材料８
に煎断を与えて混練を行うものであり、第２図か
ら明らかな如くその回転方向は夫々異なつてい
る。又、回転速度も異なるようにしてある。前記
したピストン７はホツパー２内に投入した配合材
料８を混合室３内に押し込むためにエアーシリン
ダー（図示せず）により適宜位置まで降下し、そ
の降下位置で停止し、混合室３の一部を形成し、
配合材料８を混合室３内に密閉充填するものであ
る。前記した円筒ラム６はブレード５と同体に回
転すると共に後述する機構によりブレード５と同
体に回転しながら軸方向へ直線移動するものであ
る。該内筒ラム６は第１図に示す如く、その一部
がブレード５と摺接し他部がブレード軸９のゾー
ンに位置しており、その一端面６Ａは混合室３の
一端面３Ａを構成している。円筒ラム６の外径寸
法は混合室３の内径寸法より僅かに小さく、又円
筒ラム６の内側にはその入口部６Ｂに於いてブレ
ード５の断面形状より僅かに大きな穴加工、例へ
ば第２図の如きデルタ形状をした穴加工を施し、
内筒部６Ｃはブレード５の全長に相当する長さに
円穴加工され、該ブレード５をすつぽりと覆うこ
とが出来るように成してある。尚、ブレード５は
デルタ形状に限定されるものではなく円形状以外
の形状なら他の形状でよい。

而して、ブレード５の断面形状が円形以外の場
合はブレード５円筒ラム６とは常に嵌合した状態
となつているのでブレード５が回転すれば円筒ラ
ム６も同体に回転する。換言すればブレード軸９
とブレード５とが同体に同方向に回転すると、内
筒ラム６及び後述する回転移動板１４（ピン１６
が挿入されていない時）は一緒に回転する。

次に円筒ラム６が回転しながら軸方向に直線移
動する機構について述べる。

１１はブレード軸９に施した螺条で回転移動板
１４のねじ１３と螺合せしめてあり、該ブレード
軸９の回転に伴つて該回転移動板１４は一緒に同
方向に回転する。１２はスラストベアリングで回
転移動板１４と円筒ラム６の一部とを連繋してあ
る。

而して、この回転移動板１４はブレード軸９の
回転に伴つて一緒に回転し、又ブレード５、円筒
ラム６とも同体に回転するが、該回転移動板１４
は軸方向に移動しない（ピン１６が挿入されてい
ない場合）。１５は回転移動板１４の一部に穿つ
たピン穴でピン１６を差し込むように成してあ
る。

１６Ａは混練押出装置本体１の一部に穿つた長
手方向の貫通溝孔で前記ピン１６を挿通すべく成
してあり、該ピン１６のベアリング部１６Ｂが当
接すべく成してある。

而して、ピン１６を回転移動板１４のピン穴１
５に差し込むことにより、ブレード軸９の回転に
よつて前記回転移動板１４は該ピン１６及び長手
方向の貫通孔１６Ａに規制されて長手方向即ち矢
標Ａ又はＢ方向に直線運動する。換言すれば、ピ
ン１６を長手方向の貫通溝孔１６Ａを介して回転
移動板１４のピン穴１５内に挿入した場合、ブレ
ード軸９、ブレード５が回転すると該回転移動板
１４はピン１６、貫通溝孔１６Ａに貴規制されて
回ることなく直線方向即ち矢標Ａ又はＢ方向に直
線移動するが内筒ラム６は回転せしめられながら
直線方向に移動する。而して、配合材料８の混練
中はブレード軸９及びブレード５、円筒ラム６、
回転移動板１４は一体となつて回転する。

次いで、混練終了後、モーター１０を停止し、
回転移動板１４のピン穴１５に、ピン１６を前記
した長手方向の貫通溝孔１６Ａを介して差し込
み、モーター１０を正回転すれば、ブレード軸
９、ブレード５が回転し回転移動板１４はピン１
６、貫通溝孔１６Ａに規制されて回ることなく直
線方向に移動すると共に円筒ラム６は回転せしめ
られながらブレード５上を直線方向（矢標Ａ方
向）に摺動し混合室３を狭ばめながら混練物を流
出口１７へと押出する。

又、モーター１０を逆転すれば回転移動板１４
は矢標Ｂ方向へ直線移動すると共に円筒ラム６は
回転しながら矢標Ｂ方向へ後退し混合室３を再現
する。円筒ラム６の移動量は例えばブレード軸９
の螺条１１のねじピツチの関係よりモーター１０
の回転数で設定する。１８はブレード軸９に取付
けた歯車機構で第２図に示す如く２個のブレード
５を夫々内回転すべく成してあり、従つて、２個
の円筒ラム６も２個のブレード５をと共に内回転
する。

１９はメクラ栓で、円筒ラム６の反対側の混合
室壁面３Ｂを穿つた流出口１７を閉成するもので
あり、混練中は閉成してある。２０はモーター、
２１はカツターである。尚、本実施例ではブレー
ド５と円筒ラム６とのセンターが一致しているが
偏心していてもよい。又、ブレード５は２個に限
定されるものではなく１個の場合も、又２個以上
の場合もある。２２はブレード５の外周の溝にリ
ング状に嵌入せしめたＯリングである。

次に具体的な作動について述べる。

ホツパー２の供給口２Ａより配合材料８を供給
し、ピストン７を矢標Ｃ方向に移動せしめて配合
材料８をブレード５が存在している混合室３内に
押し込み適宜の位置で停止する。この状態でモー
ター１０を回転せしめるとブレード軸９，９を介
して一対のブレード５が第２図に示す如く混合室
３内で互いに内回転し配合材料８に煎断を与えて
混練が行われる。このブレード５の回転に伴つて
円筒ラム６、回転移動板１４も一緒に回転する。
混練終了後、モーター１０を停止せしめ、メクラ
栓１９を開き流出口１７を開口する。然る後、回
転移動板１４のピン穴１５にピン１６を差し込
み、モーター１０を正回転するとブレード５が回
転すると共に回転移動板１４は矢標Ａ方向に直線
移動する。一方、円筒ラム６は回転しながら矢標
Ａ方向に前進移動し、混練物を混合室３の流出口
１７へと押し出す。流出口１７より排出された混
練物は後利用し易いようにカツター２１を使用し
てホツトカツト法又はコールドカツト法によりペ
レツト化して収集すればよい。又、流出口１７に
成型金型を附属すれば直接成型品も得ることが出
来る。

このようにして混練物を押し出した後、モータ
ー１０を逆回転すれば円筒ラム６は回転移動板１
４と共に矢標Ｂ方向に後退し、次の混練準備が完
了する。第二の実施例（第４図）について。

本実施例に於いて、第一の実施例と実質的に同
じ部分には同じ番号を附してある。

本実施例はブレード軸９が１本で１個のブレー
ド５及び１個の円筒ラム６を採用した例を示して
あり、その作用は第一の実施例と基本的に同じで
ある。

（効果） 而して、本発明は叙上の如き構成及び作用を有
するので下記の如き特有の効果がある。

特に、混練終了後、円筒ラムを混合室内に向け
て前進すべく成したので粘着性の高い混練物でも
高い回収率で排出しその収集を行うことが出来
る。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第３図は本発明の第一の実施例を示
し、第１図は装置の縦断正面図、第２図は第１図
の要部の縦断側面図、第３図はブレードと円筒ラ
ムとの関係を示す要部の拡大斜視図、第３ａ図は
ホツパーとピストンと混合室との関係を示す分解
斜視図、第３ｂ図は混練押出装置本体の一部を穿
つた長手方向の貫通溝孔とピンと内筒ラムと回転
移動板との関係を示す要部の斜視図である。第４
図は第二の実施例の要部の縦断側面図である。 ３……混合室、５……ブレード、６……円筒ラ
ム、９……ブレード軸、１４……回転移動板。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 筺体と、該筺体に取付けたホツパー内を昇降
   しその降下停止位置のピストンと、前記ホツパー
   の直下に位置付けしたブレード軸と一体のブレー
   ドと、該ブレードの一部を内装する円筒ラムとに
   より混合室を構成すると共に前記円筒ラムがブレ
   ード上を摺動して該混合室を狭めて混練物を流出
   口より押出すべく成した混練押出し装置。