JPH0367876B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 Ａ 産業上の利用分野 本発明は、プリンタのリボン・カートリツジに
関する。このようなカートリツジは転与媒体やリ
ボンを内蔵し、リボンの装填を容易にしている。
一般に、そのようなカートリツジを装填するプリ
ンタ本体の側でリボンに給送力を与えるが、該カ
ートリツジ中にもリボン給送に機械的に参加する
エレメント（部材）がある。

Ｂ 従来技術 本発明の主たる新規な点は、カートリツジ中に
新しくリボンを装填する構成にあると考えられ
る。下記の従来技術は、再充填可能なリボン・カ
ートリツジを示すが、他の点では特に本発明の構
成とあまり似ていない。米国特許第3260344号、
同第4213715号、同第4367963号、同第4397574号
がその例である。

本発明の実施例は、エンドレス・ベルトによる
リボン給送を行なう。下記の従来技術は、ベルト
駆動の例であるが、再充填可能なカートリツジを
示してはいない。米国特許第3692255号、同第
4528572号、同第4629346号、同第4685817号がそ
の例である。これらのカートリツジは再充填でき
ないので、リボンを使い切ればまるごと捨てられ
るのが普通である。本発明はカートリツジを再使
用でき、これによつて他のカートリツジを使わな
くて済む分、コストの節約になる。

本発明の好適な実施例でカートリツジをひつく
り返して、反対向きにもリボンを駆動できるよ
う、対称になつている。これにより２倍の幅のリ
ボンをもつカートリツジ部品の再使用が可能にな
り、コストの節約になる。このような反転可能性
は、この分野で基本的には知られていると考えら
れる。このような反転可能性や好適な実施例の一
般的なカートリツジ構成は、米国特許第4496255
号及び同第4568210号やIBMテクニカル・デイス
クロージヤ・ブレチンの1980年１月号、vol.22、
No.8Aの第3469頁に、「性能の改良されたタイプラ
イタ・リボン（Improved Capacity Typewriter
Ribbon）」と題して開示されている。

Ｃ 発明が解決しようとする問題点 従来もカートリツジ中にリボンを再充填できる
リボン・カートリツジはあつたが、特にリボンと
摩擦係合してリボンを給送する方式のリボン・カ
ートリツジでリボンを交換し易い安価なリボン・
カートリツジはなかつた。

従つて本発明の目的は、リボンと摩擦係合して
リボン給送する方式のリボン・カートリツジに於
て、リボンを交換し易い安価なリボン・カートリ
ツジを提供することにある。

Ｄ 問題を解決する手段 本発明によるリボン・カートリツジは連続駆動
ベルトでリボン・スプールに摩擦係合する方式で
あるが、交換されるリボン・スプール及びハブの
回転軸を、取出し可能に案内し、保持するカート
リツジ壁部のノツチが、上記ベルトの張力を利用
してその軸を押し込むことができ且つ押し込み後
は外れにくいような折曲り径路を有し、リボン交
換がし易い。

Ｅ 実施例 実施例のカートリツジは全体として対称であ
り、リボンを両方向に駆動できるようひつくり返
すことができる。従つて、第１図は、裏面から見
ても同じになる。カートリツジは、ポリエチレン
やポリプロピレンなど薄いプラスチツクの外側の
壁部１と、それと同様の反対側の外壁２とを、支
柱３Ａ，３Ｂ，３Ｃ，３Ｄ，３Ｆ及び３Ｇにより
互いに隔てた構成になつている。支柱３Ａ乃至３
Ｇは同じ長さであり（この例では約16mm）、カー
トリツジの外端の辺りの７箇所に位置づけられ、
その反対側の基本的に同一の壁部２から確実に分
離している。

壁部１は、両側にのびるアーム５Ａ及び５Ｂを
有し、そこに夫々支柱３Ｃ及び３Ｄを設けている
ほか、その端部には滑らかな外側の支柱７Ａ及び
７Ｂを設けている。支柱７Ａ及び７Ｂは、支柱３
Ａ乃至３Ｇと同じ長さであるが、支柱７Ａ及び７
Ｂは支柱として機能する必要はなく、むしろリボ
ン・ガイドとして主に機能するよう意図されてい
る。支柱７Ａ及び７Ｂ上にローラを使用してリボ
ンにかかる摩擦抗力をできるだけ小さくすること
ができる。

壁部１と、その反対側の壁部２との間には３個
のローラ９，１１及び１３が装着される。ローラ
９はアーム５Ａ及び５Ｂと反対側の方で壁部１の
真中に配置され、２個の支柱３Ａ及び３Ｆがその
両側付近に配置される。支柱３Ｇはカートリツジ
の一方の側にあるローラ９と反対側に寄つた位置
で、壁部１の真中に配置される。ローラ９は駆動
ベルト１５用のアイドラ・ローラであるから、自
由に回転できるよう装着される。ローラ１１及び
１３は壁部１の両側の位置で、夫々アーム５Ｂ及
び５Ａの根元の付近にある。その近くには支柱３
Ｅ及び３Ｂがあり、アーム５Ｂと支柱３Ｅとの間
にローラ１１があり、アーム５Ａと支柱３Ｂとの
間にローラ１３がある。

第１図は、カートリツジがプリンタに装着され
たときの状態を上から見た平面図である。図示の
構成では、供給ハブ２５に近い側のローラ１３
は、装着されたプリンタの駆動歯車と係合するこ
とになろう。プリンタ上の歯車と相互に結合する
歯は第１図で下向きであり、第１図のローラ１３
のところには見えていない。ローラ１１はローラ
１３と同一の形状であるから、ローラ１３用の歯
と同一の歯１９が第１図で上向きで見える。

供給スプール２３は、供給スプール・ハブ２５
上に巻かれたプリンタ・リボン２１により形成さ
れる。リボン２１は内側の案内用支柱２７Ａ及び
２７Ｂにさし向けられる。これらの支柱２７Ａ及
び２７Ｂは夫々アーム５Ａ及び５Ｂの後方に普通
は配設される。リボン２１は、供給スプール２３
から支柱２７Ａにのび、アーム５Ａの端部にある
支柱７Ａの廻りを経てカートリツジを横切り、カ
ートリツジの他方の側のアーム５Ｂ上の支柱７Ｂ
の廻りを経て、アーム５Ｂの根元の支柱２７Ｂを
通り、そこから更に巻取りスプール・ハブ１７に
巻かれたリボン２１の巻取りスプール２９にと案
内される。（リボンにかかる摩擦抗力を減らすた
め支柱２７Ａ及び２７Ｂにローラが装着されてい
ても良い。） 駆動ベルト１５はポリウレタンなどの弾性材料
ででき、リボン・スプール２３及び２９と接触す
ることによつて引伸ばされる。ベルト１５はスプ
ール２３及び２９としつかり係合しているので、
プリンタ側からローラ１３を回転させることによ
るリボン給送中、滑りが生じない。壁部１はＬ字
状のスロツト（溝）乃至ノツチ（切欠）３１及び
３２を有する。スプール２３及び２９にベルト１
５の力がかかる方向の経路で終るような折曲り経
路をそのスロツト乃至ノツチ３１及び３２は有す
る。供給スプール・ハブ２３と一体の軸即ち鋲３
３は、ローラ１３に近い方のノツチ３１に嵌合す
る。（鋲３３及びノツチ３１のこの構成は反対側
の壁部２でも同様である。）同様に、巻取りスプ
ール・ハブ１７と一体の鋲３５は、ローラ１１の
付近のノツチ３２に嵌合する。（鋲３５及びノツ
チ３２のこの構成は反対側の壁部２でも同様であ
る。）ノツチ３１の端部のほぼ反対側にのびてい
るベルト１５が、ノツチ３１中に供給スプール・
ハブ２５の鋲３３を押しつけ、それをノツチ３１
の端部に保持する。同様に、ベルト１５は他のノ
ツチ３２中に巻取りスプール・ハブ１７の鋲３５
を押しつけ、ノツチ３２の端部にそれを保持す
る。

説明の関係上、第２図は駆動ベルト１５及びリ
ボン２１と直接関係するエレメントしか示さな
い。供給スプールを除いたときの駆動ベルト１５
は、破線の外形線で示す。

プリンタ（図示せず）にカートリツジを充填し
使用するときは、プリンタがローラ１３を図で時
計廻りに回転駆動する。これにより駆動力はベル
ト１５を介して先ずローラ１１に伝えられ、それ
から巻取りスプール２９、ローラ９及び供給スプ
ール２３に伝えられる。これは巻取りが少なくと
も給送と等しいだけ行なわれるのを確保する作用
がある。かなりの量の印刷をし終えて、リボン２
１が殆んど空になる程供給スプール２３が小さく
なり、巻取りスプール２９が大きくなると、第１
図に図示したのとほぼ反対の状態になる。特定の
実施例では、実際の印刷がリボン２１の一方の
側、例えば下半分で行なわれる。そこでカートリ
ツジは手で取出され、カートリツジ全体がひつく
り返されて、プリンタに再度装填される。カート
リツジは第１図に示したのと見かけ上ほぼ同じよ
うになるが、ローラ１３が左でローラ１１が右に
なり、供給スプール２３及び巻取りスプール２９
が反転される。その後使用するとき、ローラ１１
が、ローラ１３に関して上記で説明したのと同様
に、駆動ローラとして機能する。またハブ１７が
供給スプール・ハブとして機能し、ハブ２５が巻
取りスプール・ハブとして機能する。

ここで再び第１図に言及すると、或る時点で、
全てのリボン２１が使用し尽されると、殆んど全
てのリボン２１が巻取りスプールとして作用する
第１図のスプール２９に巻かれることになる。そ
こで供給スプール・ハブ２５に粘着力でリボン２
１の端部が軽く取付けられていたがそれが取外さ
れ、一杯の巻取りスプール・ハブ１７はリボン２
１を巻いたまま捨てられる。ハブ２５は捨てずに
残される。未使用のリボン２１が一杯に巻かれた
スプールを有する新しいハブ１７が空のノツチ３
２に置かれる。そしてベルト１５が鋲３５をノツ
チ３２の末端に押し込むまで鋲３５がノツチ３２
中を案内される。末端に押し込まれた時点でベル
ト１５は再び引伸ばされ、リボン２１の新しいス
プールを保持し、ハブ２５は上述のとおりその場
所に維持されている。インクの付いていないリー
ダ（引出しテープ）となつているのが普通である
が、リボン２１の自由端は以前と同じリボン経路
中を手で案内され、リボン２１のリーダに設けた
感圧式の粘着部などによつてハブ２５に取付けら
れる。斯して新しいリボン２１の装填が終る。カ
ートリツジはひつくり返され、プリンタに再装填
される。（勿論カートリツジをひつくり返してか
ら、新しいリボンを装填しても良い。この場合、
ハブ及びノツチの位置は前に述べたのと反対にな
るだけである。） 本発明は、一方向にしか印刷できない狭いリボ
ンの場合にも、上述のとおりに実施できることが
明らかである。この場合、一方向にリボンが移動
し終えたとき交換できる。カートリツジが対称で
あるということはあまり重要でない。

使用するハブは、比較的大きく、取外しの際扱
い易い。使用済みのリボン・スプール付きのハブ
を取出したら、新しいリボン・スプールの載つた
ハブを同じ場所に入れるだけで、ベルトの張力で
ハブの軸が折曲り径路の端部に回転可能に安定的
に保持される。

Ｆ 発明の効果 本発明によれば、リボン・スプールに摩擦係合
する連続ベルトと、リボン・スプール及びハブの
回転軸の保持用の端部及び折曲り径路が相乗作用
して、リボン交換のし易い安価なリボン・カート
リツジが得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、カートリツジの平面図である。第２
図は、カートリツジの駆動ベルトと、リボンに関
連するエレメントだけを示す平面図である。 １，２……（リボン・カートリツジの）壁部、
３Ａ〜３Ｇ……支柱、５Ａ，５Ｂ……アーム、７
Ａ，７Ｂ……支柱、９，１１，１３……ローラ、
１５……連続ベルト、１７……巻取りスプール・
ハブ、１９……歯、２１……リボン、２３……供
給スプール、２５……供給スプール・ハブ、２７
Ａ，２７Ｂ……支柱、２９……巻取りスプール、
３１，３２……ノツチ、３３，３５……軸（鋲）。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ リボンを供給し且つ巻取る第１及び第２のリ
   ボン・スプールと、両リボン・スプールに摩擦係
   合することによりリボンを給送する連続ベルト
   と、上記リボン・スプールのハブに設けた回転用
   の軸と、上記リボン・スプールの交換のため上記
   軸を取出し可能に受け入れる、カートリツジの壁
   部に設けたノツチであつて、上記リボン・スプー
   ルが装着された状態で上記連続ベルトの張力が上
   記リボン・スプールを押込む方向の径路とリボン
   給送のために該軸を中心として上記リボン・スプ
   ールが回転し得るように保持する端部とを含む折
   曲り径路状の上記ノツチとを具備するリボン・カ
   ートリツジ。