JPH0367545A - 缶入りコーヒー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の背景〕 く技術分野〉 本発明は熱湯を注いでそのエキスを抽出して飲用に供す
る際に、泡立ちを良好にして、蒸らしを十分行なえる容
器入り嗜好品に関する。

〈従来技術〉 従来、熱湯を注いでそのエキスを抽出して飲用するコー
ヒー、緑茶、紅茶などの嗜好品の細片は、そのフレーバ
ーが常温において揮散したり、吸湿しないように、密閉
性の高い容器、たとえばブリキ製、アルミニウム製など
の缶などの特に密閉性の高い容器に充填され市販されて
いる。

このような容器入り嗜好品は、特にコーヒーにおいて典
型的である。すなわち、所謂レギュラーコーヒーといわ
れるのがそれであって、コーヒー豆を焙煎し、適当な粒
度に粉砕したものは、それが大量ないし工場生産品であ
る場合は缶入りで提供されることがふつうである。

〈発明が解決しようとする課題〉 このような大量ないし工場生産品としての製品、特にコ
ーヒーは、容器内でのフレーバーまたは味の変化を防止
すべく、容器充填の際は容器内を減圧脱気して酸素を除
去し、また酸素除虫剤を封入するなどの配慮をしても、
所謂「焙り（煎り）たてコないし「挽きたて」のものに
比べれば、フレーバーや味の点で劣るのは避は難かった
。

その理由の一つは、缶充填特は缶内の酸素を除去すべく
缶内を減圧脱気するので、粉砕により表面積が大きくな
っていてそれによって一層フレーバーが逃散し易くなっ
ているレギュラーコーヒーからはフレーバーが缶内雰囲
気に移行してしまう、ということである。この点は、焙
煎粉砕したコーヒー豆を、それから不可避的に発生する
ガスをある程度発散させてから缶に充填するという常法
に従う場合に特に顕現化するといえよう。

そして、缶入りレギュラーコーヒーが「焙りたて」ない
し「挽きたて」のコーヒーに及ばない他の理由は、熱水
によってエキスを抽出する際に、所謂「蒸らし」が充分
に行なえないということである。すなわち、美味なコー
ヒーをいれるには、コーヒー豆（焙煎粉砕したものであ
ることはいうまでもない）の層を熱水を短時間に通過さ
せるだけでは駄目であって、コーヒー豆層が泡立って熱
水からの水蒸気による作用をも受けるようにすること、
すなわち「蒸らし〕、が必要であるが、減圧脱気した缶
内に在ったコーヒー豆は界面での気体の物理的吸着量が
少ないので、熱水と接触しても吸着気体による泡立ちが
充分に生じないのである。

〔発明の概要〕

く要旨〉 本発明は上記の点に解決を与えることを目的とし、コー
ヒー豆等を収容する密閉容器内を実質的に酸素の存在し
ない状態にすると共に容器内を不活性気体の注入および
／または嗜好品より生ずる気体によって陽圧にすること
により、この目的を達成しようとするものである。

従って、本発明による容器入り嗜好品は、熱水を注いで
そのエキスを抽出して飲用に供すべき嗜好品細片を密閉
容器に収容してなる容器入り嗜好品において、容器内が
実質的に酸素の存在しない状態にあって、しかも不活性
気体の注入および／または嗜好品より生ずる気体によっ
て陽圧にしであること、を特徴とするものである。

く効果〉 本発明の容器入り嗜好品は、容器内部に実質的に酸素が
存在しないことに加えて不活性ガスの封入および／また
は嗜好品より生ずる気体にて内部圧力が陽圧、たとえば
０．１〜１０ｋｇ／ｃｍ２Ｇ、にまで高められているの
で、酸素ガスによる酸化が防止され、しかも、この不活
性ガスが嗜好品細片の異面に物理的に吸着され易くなっ
ており、また、高められた圧力によってフレーバーなど
の気体が嗜好品細片から逃散せずにその表面に存ｎ；す
る微細な空隙部や細孔部に閉じ込められていると推定さ
れる。

従って、本発明による嗜好品細片は、熱水と接触したと
きに泡立ちがよくて「蒸らし」を充分に行なうことがで
き、また熱水との接触時に細片に保持されていたフレー
バー等が効率よく熱水中に移行することになって、嗜好
品として重要な諸要素、たとえばコーヒーについていえ
ばコク、キレ、飲用時の香り、マイルドさ等の点におい
て総合的に計価した場合に優れた飲料がいれられること
になる。

本発明によれば、開缶時の快感も？与られる。すなわち
、缶内が陽圧になっているので、聞出時に缶内雰囲気が
速やかに開孔部から発散し、この雰囲気が担っているフ
レーバーが容易かつ速やかに開缶者の鼻に達して、快感
を喚び起す。

〔発明の詳細な説明〕

（１）缶入嗜好品 （１）嗜好品 本発明の缶入嗜好品細片において用いられる嗜好品とし
ては、熱湯を注いでそのエキスを抽出して飲用に供する
ことができるよう細片状に形成されたもので、具体的に
は、コーヒー、紅茶、緑茶、麦茶、ウーロン茶などがあ
る。これら嗜好Δムの中でコーヒー、紅茶、緑茶などの
蒸らしを必要とするもの、特にコーヒー、紅茶などの味
だけでなく香りを満喫して安らぎを満たすことができる
ものが好ましい。

これら嗜好品細片は、例えばコーヒーの場合には、コー
ヒー豆を収穫、精製、選別、焙煎、に合、粉砕などの処
理を行なって、単に熱湯を注いでそのエキスを抽出する
ことができるまで加工処理した粒子状、粉末状などにし
たものである。

（２）密閉容器 所定の陽圧を維持しうる密閉容器であればすべて本発明
の対象とすることができるが、缶が最も代表的である。

そのような缶としては、ブリキ製のもの、アルミニウム
製のものなどを用いることができる。これら缶は通常の
巻締法などによって密封させることができるものなどを
用いることができる。

このような缶には易開封性を付与するためにプルタブな
どを取り付けることもできる。

（３）容器内雰囲気 容器内は、本発明に従って、先ず、実質的に酸素の存在
しない状態にある。

ここで、「酸素の実質的に７１在しない状態」とは、容
器内の脱気たとえばゲージ圧で−４００〜−７６０關１
ｇ程度、好ましくは−６００〜−７６０ｍｍ１ｇ程度、
までの脱気および酸素吸収剤の使用によって実現される
程度の酸素濃度ないし酸素分圧の状態を意味する。

酸素吸収剤は、鮮度保持剤等の名称で容器西食品等の酸
素による劣化を防止するために慣用されているものであ
って、鉄／酸化鉄系粉末等からなるものが代表的である
。

（ＩＩ）ガス封入 （１）不活性ガス 上紀伝に嗜好品細片を充填した後、本発明においては不
活性ガスを封入して缶内部の圧力を特定な圧力に高めて
おくことが重要である。

このような不活性ガスとしては窒素ガス、炭酸ガス、ヘ
リウムガスなど、あるいはそれらの混合ガスが用いられ
る。これら不活性ガスの中では炭酸ガスまたは窒素ガス
、特に炭酸ガス、を用いることが好ましい。

（２）脱気 上記不活性ガスを封入するのに際し、容器内を減圧にす
ることが好ましいが、そのような減圧状態は、前記の容
器内の脱気の際に実現されていることがふつうである。

（３）封入 上記不活性ガスの封入は、通常封緘時にシーマ−等によ
って行なわれ、この不活性ガスは密閉容器内が常温（２
０℃）において０．１〜１０ｋｇ／ｃｊ　Ｇ　、好まし
くは０．　１〜６ｋｇ／ｃｍ２Ｇの圧力になるまで封入
される。

このような圧力になるまで封入された不活性ガスは、前
記嗜好品細片の界面に物理的に吸着したり、高められた
圧力によってフレーバーなどの気体を嗜好品細片の表面
に存在する微細な空隙部や細孔部にまで入り込ませてそ
の内部に閉じ込めることにより、フレーバーの揮散を防
止することができると考えられる。

密閉容器の内部圧力が低くなればなるほど上記の蒸らし
が不十分となりがちであり、エキスの抽出を十分に行な
うことができ難くなり、また、上記圧力が１０ｋｇ／ｃ
ｊＧを超えると缶はこれに耐えるだけの材質に変更した
りしなければならないし、加熱されたときに危険性が増
大するので好ましくない。

［Ｉ［［）抽出 （１）開封 上記プルタブを引っ張って蓋部を開けることにより、密
閉容器の内部に閉じ込められていた嗜好品のフレーバー
が、高められた圧力より開放された内部のガスと共に大
気中に放出されφ。従って開缶した者はその芳香を十分
に味わうことができる。しかしながら、界面に吸着また
は細孔内などに閉じ込められたフレーバーは、そのまま
嗜好品細片中に残存している。

（２）熱湯抽出 上記嗜好品に通常５０〜１００℃の熱湯を注ぐことによ
り嗜好品細片の細片中に封入されていた不活性ガスやフ
レーバーが放出されて泡立ちを良好にし、この泡がフレ
ーバーの芳香と」（に急激に消失すること無く一定時間
保持することができるので、嗜好品細片の蒸らしによる
抽出を十分に行なうことができる。

一方、容器内部の圧力を高めていない（というよりは減
圧にしである）通常の市販の嗜好品細片では後記比較例
１〜４で示すように膨潤量が１．５〜７ｍｌ／１０ｆ程
度であるが、本発明の嗜好品細片では後記実施例１で示
すように膨潤量が１５〜７０ｍｌ／　１０　ｇ程度にま
でなる。煎りたて、挽きたでの膨潤量が３５ｍｌ／　１
０　ｇ程度であることから、缶内圧を３．６ｋｇ／ｃＪ
Ｇ以上にすれば、煎りたて、挽きたての膨潤量よりも大
きくなるので、より多くのエキスを抽出することができ
る。

従って、本発明の缶入り嗜好品細片を使用して抽出され
たエキスはコクがあり、キレが良く、まろやかで、苦味
が良いものが得られる。

［ＩＶ］実験例 実施例１ カフェセボールジャボン■製焙煎コーヒー豆を２００〜
１０００μｍの大きさの粒子に挽き、それを２日間放置
してＣＯ２を放散させた。

次に、内容量５６０ｍ１のブリキ製缶にこれを充填した
。

缶内圧力が０　、５　ｋｇ　／　ｃｊ　０以上の場合は
、ドライアイスを添加して、その量を０〜７ｇの範囲で
調節して圧力を制御した。また、常圧（Ｏｋｇ／ｃｍ２
Ｇ）以下の場合は減圧して充填し、コーヒー豆より発生
するＣＯ２により陽圧にさせないため史に二酸化炭素吸
収剤として三菱瓦斯化学■製の袋入り鮮度保持剤「エー
ジレスＥ−５００（酸素吸収ｆｆ１５０ｃｃ、二酸化炭
素吸収量５００ｃｃ）Ｊを１個加えて、缶内圧力を負圧
にした。

そして、２０℃の恒温室に１週間放置した後、缶内圧力
を測定しながら開缶した。

このコーヒー３５ｇを（開缶後３分）２５０ｍｌメスシ
リンダーに取り出し、このコーヒーに８５℃の熱湯７０
ｍ１を注いでその膨潤量を測定した。

その結果を第１図に示す。なお、膨潤量の算出方法は以
下に示す式により求めた。

（（膨潤体積）−（コーヒー粉のカサ体１ａ）Ｉ　十（
コーヒー粉のｆｆｔ量） 膨　潤　体　積：熱湯注入後の嵩体積 コーヒー粉の嵩体積：熱湯注入前の嵩体積コーヒー粉の
重量ニゲラフは１０ｇ当りになっている。

第１図から、缶内圧と膨Ｐｌｆｆｉはリニアの比例関係
が成り立つことが理解できる。

煎りたて挽きたでの膨潤量は約３５倍であったから、第
１図の結果から、これは缶内圧３．６ｋｇ／　ｃｊ　Ｇ
の時の膨潤量に相当する（第１図にＡとして記載）。

比較例１ 市販の各社コーヒー缶を２０℃恒温室に、１昼夜放置し
た後、缶内圧を測定した。また、２５０ｍ１メスシリン
ダーに各３５ｇずつ入れ、８５℃の熱湯７０ｍ１をかけ
て、その膨ａ量を測定した。

その結果を第１表に示す。

第１表 実施例２および比較例２ 大和製鑵■製缶（容Ｊｉｉ５６０ｍｌ）に粒度分酊が２
００〜１０００μｍの粉砕直後のコーヒー粉１９０ｇを
充填し、特種シーマ−（東邦産業社製ＦＣＨ−Ａ型真空
ガス封入巻締機）により缶詰めした。この際、鮮度保持
剤を付加するものも作成したが、この鮮度保持剤は、三
菱瓦斯化学社製エージレスＥ（０２、ＣＯ２を吸収する
タイプ）及びエージレスｚ（０２を吸収するタイプ）で
あった。

これらサンプルを４０℃恒温室中で１か月装置した。

その結果を第２表に示す。

ただし、ガス封入を缶内脱気後に行ったときは、減圧度
はゲージ圧で−６５０ｍｍＨｇであり、ガスは大気圧ま
で封入した。

第 表 上記サンプルを開缶して、その中のコーヒー粉２０ｔｔ
ｌｒメリタ■製のペーパーフィルターで抽出し４００ｇ
のコーヒー抽出液を得てこれを試飲した。

その結果を第３表および第２〜３図に示す。

第 表

【図面の簡単な説明】

第１図は缶内圧力と膨潤量との関係を表わす図であり、
第２図および第３図は本発明実施例の容器入り嗜好品の
試飲結果をコク・キレとの関係およびマイルドさ・香り
との関係を表わした図である。 なお、第１図中のＡは煎りたて挽きたてたままのコーヒ
ーを熱湯により膨潤させたときの膨潤量を示すものであ
る。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １、熱水を注いでそのエキスを抽出して飲用に供すべき
   嗜好品細片を密閉容器に収容してなる容器入り嗜好品に
   おいて、容器内が実質的に酸素の存在しない状態にあっ
   て、しかも不活性気体の注入および／または嗜好品より
   生ずる気体によって陽圧にしてあることを特徴とする、
   容器入り嗜好品。 ２、実質的に酸素の存在しない状態を、不活性気体注入
   前の容器内の脱気および／または容器内の酸素吸収剤の
   添加、によって実現した、請求項１に記載の容器入り嗜
   好品。 ３、不活性気体が二酸化炭素および／または窒素ガスで
   ある、請求項１または２に記載の容器入り嗜好品。 ４、陽圧が、０．１〜１０ｋｇ／ｃｍ＾２Ｇである、請
   求項１〜３のいずれか１項に記載の容器入り嗜好品。 ５、焙って粉砕したコーヒー豆を、実質的に酸素の存在
   しない状態において、不活性気体の注入および／または
   コーヒー豆より発生するガスによって陽圧にした缶内に
   収容してなる、缶入りコーヒー。