JPH0367367B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、テレビジヨンチユーナに係り、特に
高周波数増幅器と局部発振器とのトラツキング調
整を同調回路の可変容量素子に加える制御信号に
より行なうようにしたスーパーヘテロダイン方式
のテレビジヨンチユーナに関する。

従来の技術 一般にスーパーヘテロダイン方式のテレビジヨ
ンチユーナは、高周波増幅器、同調回路及び局部
発振器等で構成されて、任意の搬送周波数の被変
調波を選局受信して、所定の中間周波数に周波数
変換する。上記同調回路はコイル、コンデンサ及
び可変容量素子（例えばバリキヤツプダイオー
ド）から構成され、これらのインダクタンスある
いは容量値を変化させることによりトラツキング
調整が行なわれる。

発明が解決しようとする問題点 しかるに、上記トラツキング調整は、手動又は
機械的手段で行なわれていたためトラツキング調
整の精度が低くまた時間がかかり、不便であり、
さらに可変容量ダイオードの特性のバラツキがテ
レビジヨンチユーナの性能に悪影響を与える等の
問題点があつた。

そこで、本発明は、トラツキング状態の検出を
検波された同期信号レベルで行なうことにより、
上記トラツキング調整を電気的に自動で行ない、
上記問題点を解決したテレビジヨンチユーナを提
供することを目的とする。

問題点を解決するための手段 本発明になるテレビジヨンチユーナは、同期信
号レベル検出手段と、制御装置とより構成されて
いる。同期信号レベル検出手段は、検波された映
像信号中の同期信号レベルを検出して検出信号を
出力する。制御装置は、同期信号レベル検出手段
から検出信号が供給されて、高周波増幅器の入力
信号のレベルが飽和レベルを越えないように同期
信号レベルに基づいて高周波増幅器のゲイン（利
得）を制御すると共に、同期信号レベルが最大と
なる同調周波数を得るべく第１及び第２の同調回
路の夫々の可変容量素子に順次変化する制御電圧
を供給する。

作 用 上記制御装置により、同調回路の可変容量素子
に印加される制御電圧を変化させ、かつ、高周波
増幅器の入力信号レベル飽和レベルを越えないよ
うに高周波増幅器のゲインを変化させ、検波され
た映像信号中の同調信号レベルが最大となる同調
周波数を得る。

実施例 第１図は、本発明になるテレビジヨンチユーナ
の一実施例のブロツク系統図を示す。同図中、ア
ンテナ１により受信されたテレビジヨン放送信号
は第１同調回路としての同調回路２、高周波増幅
器３、及び第２同調回路としての複同調回路４を
介して、任意に選局した搬送周波数の高周波信号
が取り出されて混合器５へ供給される。混合器５
は、PLL（フエーズ・ロツクト・ループ）６から
供給される選局チヤンネルに応じた所定の局部発
振周波数と入力高周波信号との周波数変換を行な
つて、所定の中間周波信号に変換して出力する。
ここで、PLL６において、基準発振器７から出
力される所定の周波数信号が分周器８を介して位
相比較器９へ供給される。一方、局部発振器１０
から出力される局部発振周波数はプリスケーラ１
１及びプログラマブルデバイダ１２を介して位相
比較器９へ供給される。位相比較器９は上記２入
力信号の位相を夫々比較して、両者の位相差に応
じた誤差電圧を発生し、その誤差電圧をチヤージ
ポンプ１３を介して局部発振器１０へ制御電圧と
して印加する一方、制御装置１４内のＤ／Ａ変換
器３０，３１及び３２へ基準電圧として印加す
る。ここで、キーボード２６により選局チヤンネ
ルデータが入力され、それがホストコンピユータ
２７を介してプログラマブルデバイダ１２に供給
され、これを選局チヤンネルに応じた所定の分周
比に可変制御する。従つて、局部発振部１０から
は選局チヤンネルに応じた所定周波数の局部発振
周波数が出力されることは周知の通りである。

このようにして、混合器５より取り出された中
間周波信号は表面弾性波フイルタ１５及び映像中
間周波増幅器１６を夫々介して映像検波器１７及
びAFT（自動周波数調整）検波器１８へ供給され
る。映像検波器１７から出力された映像信号は、
中間周波AGC回路（自動利得制御回路）１９へ
供給され、ここで例えば同期信号レベルを一定と
するようなAGC電圧を発生させる。ここで、中
間周波数AGC回路１９がキードAGCの場合に
は、AGCのための電圧を利用できる。また、中
間周波AGC回路１９がフオワードAGCの場合、
AGC電圧が最大となるように、またリバース
AGCの場合は、そのAGC電圧が最小となるよう
にトラツキング調整を行なう。この中間周波
AGC回路１９の出力AGC電圧は映像信号の同期
信号レベルを一定とするべく映像中間周波増幅器
１６へ供給される一方、高周波AGC回路２０に
供給される。

映像検波器１７より取り出された、複合映像信
号とFM音声信号とよりなる周波数分割多重信号
は、帯域フイルタ２１及び音声トラツプ回路２２
の夫々へ供給される。帯域フイルタ２１は入力周
波数分割多重信号からFMキヤリア4.5MHzのFM
音声信号を波し、一方音声トラツプ回路２２は
入力周波数分割多重信号からFMキヤリア4.5MHz
のFM音声信号を除去し、複合映像信号を取り出
す。このFMキヤリア4.5MHzのFM音声信号は、
音声中間周波増幅器２３及び検波器２４を経て復
調されて出力される。一方、複合映像信号は、映
像増幅器２５を経て出力される。

かかるスーパーヘテロダイン方式のテレビジヨ
ンチユーナにおいて、前記制御装置１４はキーボ
ード２６、ホストコンピユータ２７、AGCコン
トローラ２８、Ａ／Ｄ変換器２９及び乗算型の
Ｄ／Ａ変換器３０〜３２より構成され、ホストコ
ンピユータ２７はキーボード２６からの選局指示
信号に基づきチユーニングを行なう。また、前記
同調回路２及び複同調回路４内に夫々設けられた
バリキヤツプダイオードに局部発振部１０内のバ
リキヤツプダイオードと同じ制御電圧が加えられ
たときに、希望する受信周波数（＋20MHz〜＋
60MHz程度）に同調するように、上記同調回路２
及び複同調回路４内のインダクタンス値及び容量
値が選定されている。これら同調回路２及び複同
調回路４内のバリキヤツプダイオードには乗算型
のＤ／Ａ変換器３０〜３２及び演算増幅器（図示
せず）を通して制御電圧が印加されており、この
制御電圧は、ホストコンピユータ２７よりＤ／Ａ
変換器３０〜３２へ供給される数値化された第１
のデータに基づき0Vから局部発振器１０のバリ
キヤツプダイオードに印加される制御電圧まで変
化させることができる。

高周波増幅器３のゲインは、AGCコントロー
ラ２８からの制御電圧によつて制御される。この
高周波増幅器３は、高周波AGC回路２０及び
AGCコントローラ２８を通して得られた制御電
圧によつて、最初は最大感度とされる。また、こ
の制御電圧はトラツキング調整を行なうときに一
定の電圧が加えられるようになつており、入力信
号が大きすぎた場合、利得を一定量だけ低下させ
る電圧値に固定される。また、全てのトラツキン
グ調整過程を終えた後、ここに通常のAGC電圧
が加えられるようになつている。中間周波AGC
回路１９の出力制御信号はレベルシフト及び増幅
されて、Ａ／Ｄ変換器２９を介してホストコンピ
ユータ２７に取り込まれ、ここで数値化して得ら
れた数値を入力レベル及びトラツキング状態を表
わす第２のデータとして使用している。

次に本実施例の要部をなす制御装置１４の動作
を第２図Ａ，Ｂに示すフロートチヤートと共に説
明する。まず、ホストコンピユータ２７はAGC
コントローラ２８を介して所定の制御電圧を出力
して、高周波増幅器３が最大感度となるようにゲ
インを最大値にセツトする（第２図Ａ中、ステツ
プ33）。そして、Ａ／Ｄ変換器２９よりの入力デ
ータ（第２のデータ）をクリアした後、ホストコ
ンピユータ２７は全てのＤ／Ａ変換器３０〜３２
へ与える第１のデータを最大値にセツトすること
により同調回路２及び複同調回路４内の夫々のバ
リキヤツプダイオードに例えば最大の制御電圧を
印加して、その同調周波数を例えば最大にセツト
する（第２図Ａ中、ステツプ34、35）。

しかる後、同期信号レベルが最大となる同調周
波数を求める（トラツキング調整する）べく、ホ
ストコンピユータ２７は全てのＤ／Ａ変換器３０
〜３２へ与える第１のデータを数値化レベルで
「３」減らして、同調周波数を下げ、次にその下
げられた同調周波数における第２のデータと、別
にホストコンピユータ２７の内部に設定された飽
和レベルとを比較して、高周波増幅器３が飽和し
ているか否かを判定する。ここで、上記第２のデ
ータが入力レベルをオーバしているとき、すなわ
ち高周波増幅器３の入力信号レベルが飽和レベル
を越えている場合、ホストコンピユータ２７は
AGCコントローラ２８を介して出力される制御
電圧を、高周波増幅器３のゲインを一定量だけ低
下させる電圧値に固定し、再び全てのＤ／Ａ変換
器３０〜３２へ与える第１のデータを数値化レベ
ル「３」増やして、元の最大同調周波数に戻し
て、上記第２のデータをクリアして再びステツプ
37へ戻り、第２のデータと飽和とを比較する（第
２図Ａ中、ステツプ36〜40）。

このようにして、上記ステツプ37〜40の動作を
繰り返すことにより高周波増幅器３のゲインを、
その入力レベルが飽和しないレベルまで下げてゆ
き、感度を落とす。しかる後、現在の第２のデー
タと過去に取り込んだ第２のデータとを比較し
て、現在の第２のデータの方が大なるとき、その
現在の第２のデータをホストコンピユータ２７内
の例えばRAM（ランダム・アクセス・メモリ）
などにストアする（ステツプ37、41、42）。その
後、再び上記ステツプ36〜41の動作を繰り返す。

上記ステツプ42にて、現在の第２のデータが過
去の第２のデータより小なるとき、ホストコンピ
ユータ２７は現在の同調周波数が低いと判断し
て、この同調周波数の微調整を行なうべく、先ず
全てのＤ／Ａ変換器３０〜３２へ与える第１のデ
ータを数値化レベルで「１」増やして、その同調
周波数を少し上げ、次にその上げられた同調周波
数における第２のデータと、予め設定した飽和レ
ベルとを比較する。ここで、その第２のデータ
（入力レベル）が飽和レベルをオーバしていると
き、ホストコンピユータ２７は、高周波増幅器３
のゲインを一定量だけ低下させ、再び全てのＤ／
Ａ変換器３０〜３２へ与える第１のデータを数値
化レベルで「１」減らして、ステツプ43入来前の
同調周波数に戻して、上記第２のデータをクリア
して再びステツプ44へ戻り、第２のデータと飽和
レベルとを比較する（ステツプ43〜47）。

上記ステツプ44〜47の動作を繰り返して高周波
増幅器３の入力レベルが飽和しないレベルまで感
度を落とした後、現在の第２のデータと過去に取
り込んだ最初の第２のデータとを比較して、現在
の第２のデータの方が大なるとき、その現在の第
２のデータをストアする（ステツプ44、48、49）。
その後再び上記ステツプ43〜48の動作を繰り返
す。

このようにして、ホストコンピユータ２７は同
調回路２及び複同調回路４内の夫々のバリキヤツ
プダイオードに供給する制御電圧を全て一括して
制御して、ステツプ36〜42で粗調整をして、その
後ステツプ43〜49で微調整を行なう。

しかし、上記トラツキング調整では、前述の如
く個々のバリオキヤツプダイオードの特性のバラ
ツキを補正しえないため、次に個々のバリキヤツ
プダイオードにつき、さらに微調整を行なう。い
ま、ステツプ48にて現在の第２のデータが過去の
第２のデータより小なるとき、ホストコンピユー
タ２７はＤ／Ａ変換器３０のみに対して、前記ス
テツプ36〜42の粗調整及びステツプ43〜49の微調
整と同様の動作を夫々第２図Ｂ中ステツプ50〜56
及びステツプ57〜63にて行なう。その後ステツプ
64にて、上記ステツプ50〜63と同様の動作をＤ／
Ａ変換器３１及び３２の夫々に対して順次行な
う。

しかる後、ホストコンピユータ２７は、必要な
周波数帯域幅を得るために、Ｄ／Ａ変換器３０
と、Ｄ／Ａ変換器３１又は３２のどちらか一方に
与えるオフセツト電圧値を計算して、計算された
これらのオフセツト電圧データを上記Ｄ／Ａ変換
器３０と、Ｄ／Ａ変換器３１又は３２のどちらか
一方のデータに加える。そして、全てのトラツキ
ング調整動作が終了した後、高周波増幅器３には
高周波AGC回路２０からの制御電圧をAGCコン
トローラ２８を介して供給され、通常の動作状態
に戻る（ステツプ65〜67）。

また、上記トツキング調整のためのデータはホ
ストコンピユータ２７内の不揮発生メモリに格納
され、以後はこのデータを基にトラツキング調整
を行なうことにより選局のスピードを速めること
ができる。

なお、前記Ｄ／Ａ変換基３０〜３２へ与える数
値化レベル「３」又は「１」は他の数値でもよい
ことは勿論である。

発明の効果 上述の如く、本発明によれば、従来人間又は機
械によつて行なわれて来たテレビジヨンチユーナ
のトラツキング調整を完全に自動的に行なうこと
ができ、またバリキヤツプダイオード等の可変容
量素子の特性のバラツキがチユーナ性能に及ぼす
悪影響を改善することができ最良のトラツキング
状態を受信周波数全帯域に亘つて得ることがで
き、又、テレビジヨン信号の受信中にトラツキン
グ調整が可能である等の特長を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明になるテレビジヨンチユーナの
一実施例を示すブロツク系統図、第２図Ａ，Ｂは
第１図図示ブロツク系統中の制御装置の動作説明
用フローチヤートである。 ２……同調回路、４……複同調回路、５……混
合器、６……PLL（フエーズ・ロツクト・ルー
プ）、１４……制御装置、２６……キーボード、
２７……ホストコンピユータ、２８……AGCコ
ントローラ、２９……Ａ／Ｄ変換器、３０〜３２
……Ｄ／Ａ変換器。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 可変容量素子に印加される制御電圧によつて
   同調周波数を制御することが可能な第１及び第２
   同調回路を高周波増幅器の前後に局部発振器の同
   調回路とは独立に持ち、第１及び第２同調回路と
   局部発振器とのトラツキング調整を該第１及び第
   ２同調回路の夫々の該可変容量素子に印加される
   該制御電圧を変化させることによつて行なうよう
   にしたスーパーヘテロダイン方式のテレビジヨン
   チユーナにおいて、 検波された映像信号中の同期信号レベルを検出
   して検出信号を出力する同期信号レベル検出手段
   と、 該同期信号レベル検出手段から検出信号が供給
   されて、該高周波増幅器の入力信号レベルが飽和
   レベルを越えないように該同期信号レベルに基づ
   いて該高周波増幅器の利得を制御すると共に、該
   同期信号レベルが最大となる同期周波数を得るべ
   く上記第１及び第２同調回路の夫々の該可変容量
   素子に順次変化する制御電圧を供給する制御装置
   と より構成したことを特徴とするテレビジヨンチユ
   ーナ。