JPH0364581B2 - - Google Patents
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Description
産業上の利用分野
本発明は、繊維強化金属複合材料に係り、更に
詳細にはアルミナ−シリカ短繊維を強化繊維とし
アルミニウム合金をマトリツクス金属とする複合
材料、即ちアルミナ−シリカ短繊維強化アルミニ
ウム合金に係る。 従来の技術及び発明が解決しようとする問題点 繊維強化金属複合材料のマトリツクス金属を成
すアルミニウム合金としては、従来より一般に下
記の如き鋳造用アルミニウム合金又は展伸用アル
ミニウム合金が使用されている。 鋳造用アルミニウム合金 JIS規格AC8A(0.8〜1.3%Cu、11.0〜13.0%Si、
0.7〜1.3%Mg、0.8〜1.5%Ni、残部実質的にAl) JIS規格AC8B(2.0〜4.0%Cu、8.5〜10.5%Si、
0.5〜1.5%Mg、0.1〜1%Ni、残部実質的にAl) JIS規格AC4C(0.25%≧Cu、6.5〜7.5%Si、0.25
〜0.45%Mg、残部実質的にAl) AA規格A201(4〜5%Cu、0.2〜0.4%Mn、
0.15〜0.35%Mg、0.15〜0.35%Ti、残部実質的に
Al) AA規格A356(6.5〜7.5%Si、0.25〜0.45%Mg、
0.2≧Fe、0.2%≧Cu、残部実質的にAl) Al−2〜3%Li合金(デユポン社) 展伸用アルミニウム合金 JIS規格6061(0.4〜0.8%Si、0.15〜0.4%Cu、0.8
〜1.2Mg、0.04〜0.35%Cr、残部実質的にAl) JIS規格5056(0.3%≧Si、0.4%≧Fe、0.1%≧
Cu、0.05〜0.2%Mn、4.5〜5.6%Mg、0.05〜0.2%
Cr、0.1%≧Zn、残部実質的にAl) JIS規格7075(0.4%≧Si、0.5%≧Fe、1.2〜2.0
%Cu、0.3≧Mn、2.1〜2.9%Mg、0.18〜0.28%
Cr、5.1〜6.1%Zn、0.2%Ti、残部実質的にAl) これらのアルミニウム合金をマトリツクス金属
とする複合材料に関する従来の研究は、これら在
来のアルミニウム合金の組成を変えずにそれらの
強度等を繊維強化により向上させる目的で行われ
ており、従つて複合材料の製造に従来より使用さ
れているこれらのアルミニウム合金は、強化繊維
との関連に於て必ずしも最適の組成を有するもの
ではなく、そのため上述の如き従来より使用され
ているアルミニウム合金によつては、アルミニウ
ム合金をマトリツクス金属とする複合材料の機械
的性質、特に強度を最適化することはできない。 本願発明者等は、従来より一般に使用されてい
るアルミニウム合金をマトリツクス金属とする複
合材料に於ける上述の如き問題に鑑み、従来より
繊維強化金属複合材料の製造に使用されている
種々の強化繊維の中でも比較的低廉であり高強度
を有し高温安定性及び強度向上効果に優れた比較
的アルミナ含有量の高いアルミナ−シリカ短繊維
を強化繊維とする複合材料に於て、そのマトリツ
クス金属としてのアルミニウム合金が如何なる組
成を有するものが最適であるかについて種々の実
験的研究を行つた結果、Cu及びMg含有量がそれ
ぞれ特定の範囲にあり且Si、Ni、Zn等の元素を
実質的に含有しないアルミニウム合金がマトリツ
クス金属として最適であることを見出した。 本発明は本願発明者等が行つた種々の実験的研
究の結果得られた知見に基づき、比較的アルミナ
含有量の高いアルミナ−シリカ短繊維を強化繊維
としアルミニウム合金をマトリツクス金属とする
複合材料であつて、曲げ強さの如き機械的性質に
優れた複合材料を提供することを目的としてい
る。 問題点を解決するための手段 65%を越え80%未満のAl2O3、20%を越え35%
未満のSiO2、0〜10%の他の成分なる組成を有
するアルミナ−シリカ短繊維を強化繊維とし、
Cu含有量が2〜6%でありMg含有量が1.5〜3.5
%であり残部が実質的にAlであるアルミニウム
合金をマトリツクス金属とし、前記アルミナ−シ
リカ短繊維の体積率が5〜50%であるアルミナ−
シリカ短繊維強化アルミニウム合金。 発明の作用及び効果 本発明によれば、強化繊維として比較的低廉で
あり高強度を有し高温安定性及び強度向上効果に
優れた比較的アルミナ含有量の高いアルミナ−シ
リカ短繊維が使用され、マトリツクス金属として
Cu含有量が2〜6%でありMg含有量が1.5〜3.5
%であり残部が実質的にAlであるアルミニウム
合金が使用され、アルミナ−シリカ短繊維の体積
率が5〜50%に設定されることにより、後に説明
する本願発明者等が行つた実験的研究の結果より
明確である如く、強度等の機械的性質に優れた低
廉な複合材料を得ることができる。 また本発明によれば、従来のアルミナ−シリカ
短繊維強化アルミニウム合金と同等の強度が得ら
れれば十分である場合には、アルミナ−シリカ短
繊維の体積率は従来に比して低い値であつてよ
く、従つて使用されるアルミナ−シリカ短繊維の
使用量を低減することができるので、複合材料の
被削性や生産性を向上させることができ、また複
合材料のコストを低減することができる。 複合材料のマトリツクス金属としてのAlにCu
が添加されると、そのAlの強度が向上し、これ
により複合材料の強度が向上するが、Cu含有量
が2%未満ではその効果が十分ではなく、逆に
Cu含有量が6%を越えると複合材料は極めて脆
弱になり、早期に破壊するようになる。従つて本
発明の複合材料に於けるマトリツクス金属として
のアルミニウム合金のCu含有量は2〜6%、好
ましくは2〜5.5%とされる。 また強化繊維としてのアルミナ−シリカ短繊維
の表面には通常酸化物が存在しており、マトリツ
クス金属の溶湯中に酸化物形成傾向の大きいMg
が含有されていれば、Mgがアルミナ−シリカ短
繊維表面の酸化物と反応してアルミナ−シリカ短
繊維の表面を還元させるため、溶融マトリツクス
金属とアルミナ−シリカ短繊維との密着性が向上
し、Mg含有量が2〜3%程度までの範囲に於て
はMg含有量の増大につれて複合材料の強度が増
大する。しかしMg含有量が3.5%を越えると複合
材料の強度が急激に低下してしまう。従つて本発
明に於けるマトリツクス金属としてのアルミニウ
ム合金のMg含有量は1.5〜3.5%、好ましくは1.5
〜3%とされる。 また上述の如き組成を有するアルミニウム合金
をマトリツクス金属とする複合材料に於ては、ア
ルミナ−シリカ短繊維の体積率が5%未満の場合
には十分な強度を確保することができず、またア
ルミナ−シリカ短繊維の体積率が40%、特に50%
を越えると、アルミナ−シリカ短繊維の体積率が
増大されても複合材料の強度はそれほど増大しな
い。また複合材料の耐摩耗性はアルミナ−シリカ
短繊維の体積率の増大と共に向上するが、アルミ
ナ−シリカ短繊維の体積率が0〜5%程度の範囲
に於て繊維体積率の増大と共に急激に増大し、繊
維体積率が約5%以上の領域に於ては、繊維体積
率が増大されても複合材料の耐摩耗性はそれほど
向上しない。従つて本発明の一つの特徴によれ
ば、アルミナ−シリカ短繊維の体積率は5〜50
%、好ましくは5〜40%とされる。 また本発明の複合材料に於けるアルミナ−シリ
カ短繊維は非晶質アルミナ−シリカ短繊維及び結
晶質アルミナ−シリカ短繊維(ムライト結晶
(3Al2O3・2SiO2)を含むアルミナ−シリカ短繊
維)の何れであつてもよく、アルミナ−シリカ短
繊維として結晶質アルミナ−シリカ短繊維が使用
される場合に於ては、アルミニウム合金が上述の
組成を有していれば、結晶質アルミナ−シリカ短
繊維のムライト結晶量の如何に拘らず、他の組成
のアルミニウム合金がマトリツクス金属として使
用される場合に比して、複合材料の強度を向上さ
せることができる。 また本願発明者等が行つた他の実験的研究の結
果によれば、アルミナ−シリカ短繊維が非晶質で
あると結晶質であるとを問わず、アルミナ−シリ
カ短繊維の体積率が上述の好ましい範囲の比較的
高い領域にある場合、即ち30〜40%である場合に
は、アルミニウム合金のCu含有量は2〜5.5%で
あることが好ましい。従つて本発明の他の一つの
詳細な特徴によれば、アルミナ−シリカ短繊維の
体積率が30〜40%である場合には、アルミニウム
合金のCu含有量は2〜5.5%とされる。 また本発明の複合材料のマトリツクス金属とし
てのアルミニウム合金のCu含有量は比較的高い
値であり、アルミニウム合金中のCu濃度にムラ
がある場合には、Cu濃度が高い部分が脆弱にな
り、従つて均質なマトリツクス金属を得ることが
できない。従つて本発明の更に他の一つの詳細な
特徴によれば、アルミニウム合金中のCu濃度が
均一になるよう、Cu含有量が2%以上3.5%未満
であるアルミニウム合金をマトリツクス金属とす
る複合材料は、480〜520℃にて2〜8時間に亙る
溶体化処理が施され、好ましくは更に150〜200℃
にて2〜8時間に亙る時効処理が施され、また
Cu含有量が3.5〜6%であるアルミニウム合金を
マトリツクス金属とする複合材料は、460〜510℃
にて2〜8時間に亙る溶体化処理が施され、好ま
しくは更に150〜200℃にて2〜8時間に亙る時効
処理が施される。 更に本発明の複合材料に於けるアルミナ−シリ
カ短繊維はアルミナ−シリカの不連続繊維又はア
ルミナ−シリカの連続繊維が所定の長さに切断さ
れたものの何れであつてもよい。またアルミナ−
シリカ短繊維の繊維長は10μ〜7cm、特に10μ〜
5cm程度であることが好ましく、繊維径は1〜
30μ、特に1〜25μ程度であることが好ましい。
更にマトリツクス金属の組成が本発明に従つて設
定される場合にはアルミナ−シリカ繊維の配向に
拘らず高強度の複合材料が得られるので、繊維の
配向は一方向配向、二次元ランダム配向、三次元
ランダム配向の如き任意の配向であつてよいが、
ある特定の方向に高強度であることが要求される
場合に於て繊維の配向が一方向配向又は二次元ラ
ンダム配向である場合には、その特定の方向が一
方向配向の方向又は二次元ランダム配向の平面に
沿う方向に設定されることが好ましい。 尚本発明に関連する繊維強化アルミニウム合金
として、本願出願人と同一の出願人の出願にかか
る特願昭60−120786号、同60−120787号、同60−
120788号、同61−19793号明細書には、それぞれ
炭化ケイ素短繊維を強化繊維とし、Cu含有量
が2〜6%でありMg含有量が2〜4%であり残
部が実質的にAlであるアルミニウム合金をマト
リツクス金属とし、前記炭化ケイ素短繊維の体積
率が5〜50%である炭化ケイ素短繊維強化アルミ
ニウム合金、アルミナ短繊維を強化繊維とし、
Cu含有量が2〜6%でありMg含有量が0.5〜4
%であり残部が実質的にAlであるアルミニウム
合金をマトリツクス金属とし、前記アルミナ短繊
維の体積率が5〜50%であるアルミナ短繊維強化
アルミニウム合金、炭化ケイ素短繊維を強化繊
維とし、Cu含有量が2〜6%でありMg含有量が
0〜2%であり残部が実質的にAlであるアルミ
ニウム合金をマトリツクス金属とし、前記炭化ケ
イ素短繊維の体積率が5〜50%である炭化ケイ素
短繊維強化アルミニウム合金、35〜65%
Al2O3、65〜35%SiO2、0〜10%他の成分なる組
成を有するアルミナ−シリカ短繊維を強化繊維と
し、Cu含有量が2〜6%でありMg含有量が0.5
〜3.5%であり残部が実質的にAlであるアルミニ
ウム合金をマトリツクス金属とし、前記アルミナ
−シリカ短繊維の体積率が5〜50%であるアルミ
ナ−シリカ短繊維強化アルミニウム合金が開示さ
れている。 本明細書に於けるパーセンテージは繊維の体積
の表現の場合を除き全て重量%であり、アルミニ
ウム合金の組成の表現に於ける「実質的にAl」
とはマトリツクス金属としてのアルミニウム合金
中に含まれるAl、Cu、Mg以外のSi、Fe、Zn、
Mn、Ni、Ti、Crの如き不可避的な金属元素の
合計が1%以下であり、如何なる不純物元素も単
独で0.5%以上含まれていないことを意味し、ア
ルミナ−シリカ短繊維の組成の表現に於ける「実
質的にSiO2」とはアルミナ−シリカ短繊維を構
成するAl2O3及びSiO2以外の元素が不純物程度に
しか含まれていないことを意味する。更に本明細
書に於ける組成や温度に関する「以上」「以下」
「〜」による範囲の表示に於ては、それら自身の
値がその範囲に含まれているものとする。 以下に添付の図を参照しつつ、本発明を実施例
について詳細に説明する。 実施例 1 結晶質アルミナ−シリカ短繊維を強化繊維とし
アルミニウム合金をマトリツクス金属とする複合
材料に於てその強度を向上させるためにはアルミ
ニウム合金が如何なる組成のものが適切であるか
についての検討を行うべく、結晶質アルミナ−シ
リカ短繊維(72%Al2O3、残部実質的にSiO2、ム
ライト結晶量60%、平均繊維長1mm、平均繊維径
3μm)を強化繊維とし、Al−Cu−Mg系の種々の
組成のアルミニウム合金をマトリツクス金属とす
る複合材料を高圧鋳造法により製造し、各複合材
料について曲げ強さの評価を行つた。 まず純アルミニウムの地金(純度99%以上)と
純マグネシウム(純度99%以上)とAl−50%Cu
母合金とを配合することにより、下記の表1に示
されている如く種々のCu及びMg含有量を有し残
部が実質的にAlであるアルミニウム合金A1〜
A56を形成した。次いで結晶質アルミナ−シリカ
短繊維の集合体に対しバインダを使用しないで圧
縮成形を行うことにより、第14図に示されてい
る如く結晶質アルミナ−シリカ短繊維1よりなり
繊維体積率が20%、10%、及び5%である38×
100×16mmの繊維成形体2を形成した。この場合
個々の結晶質アルミナ−シリカ短繊維1は第14
図に示されている如く、38×100mmの平面に平行
な平面内に於てはランダムに配向され、この平面
に垂直な方向に積重ねられた二次元ランダムに配
向された。 次いで第15図に示されている如く、繊維成形
体2をステンレス鋼製の両端にて開口した四角柱
状のケース2a内に充填し、繊維成形体2をケー
スごと600℃に加熱し、しかる後第19図に示さ
れている如く250℃の鋳型3のモールドキヤビテ
イ4内に配置し、該鋳型内に700℃のアルミニウ
ム合金の溶湯5を素早く注湯し、該溶湯を約200
℃のプランジヤ6により1000Kg/cm2の圧力にて加
圧し、その加圧状態をアルミニウム合金の溶湯が
完全に凝固するまで保持した。かくして鋳型3内
の溶湯が完全に凝固した後、その凝固体を鋳型よ
り取出し、凝固体のケースの周りに存在するアル
ミニウム合金のみよりなる部分を切削により除去
し、更にケースより結晶質アルミナ−シリカ短繊
維を強化繊維としアルミニウム合金をマトリツク
ス金属とし繊維体積率が20%、10%、5%である
複合材料を取出した。 次いでアルミニウム合金のMg含有量に拘ら
ず、Cu含有量が実質的に1.5%であるアルミニウ
ム合金をマトリツクス金属とする複合材料に対し
ては、530℃にて8時間に亙る溶体化処理と160℃
にて8時間に亙る人工時効処理を施し、Cu含有
量が実質的に2〜3%未満であるアルミニウム合
金をマトリツクス金属とする複合材料に対して
は、500℃にて8時間に亙る溶体化処理と160℃に
て8間かに亙る人工時効処理を施し、Cu含有量
が実質的に4〜6.5%以下であるアルミニウム合
金をマトリツクス金属とする複合材料に対して
は、480℃にて8時間に亙る溶体化処理と160℃に
て8時間に亙る人工時効処理を施した。 次いで上述の如く製造され熱処理が施された各
複合材料より、長さ50mm、幅10mm、厚さ2mmの曲
げ試験片をその50×10mmの平面が繊維配向の二次
元ランダム平面に平行になるよう切出し、各曲げ
試験片について支点間距離40mmにて3点曲げ試験
を行つた。尚これらの曲げ試験に於ては、破断時
に於ける表面応力M/Z(M=破断時に於ける曲
げモーメント、Z=曲げ試験片の断面係数)を複
合材料の曲げ強さとして測定した。 これらの曲げ試験の結果を下記の表2、第1図
乃至第3図に示す。尚表2に示された各複合材料
の曲げ強さの単位はKg/mm2であり、第1図乃至第
3図はそれぞれ繊維体積率が20%、10%、5%で
ある複合材料について、表2に示されたデータに
基づきCu含有量をパラメータとしてMg含有量と
複合材料の曲げ強さ(Kg/mm2)との関係を表わし
ている。 表2及び第1図乃至第3図より、結晶質アルミ
ナ−シリカ短繊維の体積率が20%、10%、5%の
何れの複合材料についても、複合材料の曲げ強さ
はCu含有量が1.5%又は6.5%の場合にはMg含有
量に拘らず比較的低い値であり、また複合材料の
曲げ強さはMg含有量が実質的に0%又は4%の
場合にCu含有量の如何に拘らず比較的低い値で
あり、Mg含有量が2〜3%の範囲に於て曲げ強
さが最大値になり、Mg含有量がこの範囲より増
大し又は減少するにつれて曲げ強さが徐々に減少
し、特にMg含有量が3.5%を越える範囲に於えは
Mg含有量の増大につれて曲げ強さが急激に低下
し、Mg含有量が4%の場合に於ける曲げ強さは
Mg含有量が0%の場合と実質的に同等又はそれ
よりも低い値になることが解る。 これらの曲げ試験の結果より、72%Al2O3、残
部実質的にSiO2なる組成を有し、繊維体積率20
%、10%、5%の結晶質アルミナ−シリカ短繊維
を強化繊維としAl−Cu−Mg系のアルミニウム合
金をマトリツクス金属とする複合材料の強度を向
上させるためには、マトリツクス金属としてのア
ルミニウム合金のCu含有量は2〜6%であり、
Mg含有量は1.5〜3.5%、特に1.5〜3%であるこ
とが好ましいことが解る。 実施例 2 結晶質アルミナ−シリカ短繊維の体積率が40%
及び30%に設定された点を除き実施例1の場合と
同一の要領及び条件にて製造された複合材料につ
いて、実施例1の曲げ試験と同様の曲げ試験を行
つた。これらの曲げ試験の結果を下記の表2、第
4図及び第5図に示す。尚第4図及び第5図はそ
れぞれ繊維体積率が40%及び30%である複合材料
について、表2に示されたデータに基づきCu含
有量をパラメータとしてMg含有量と複合材料の
曲げ強さ(Kg/mm2)との関係を表わしている。 表2、第4図及び第5図より、結晶質アルミナ
−シリカ短繊維の体積率が40%及び30%の何れを
複合材料についても、複合材料の曲げ強さはCu
含有量が1.5%又は6.5%の場合にはMg含有量に
拘らず比較的低い値であり、また複合材料の曲げ
強さはMg含有量が実質的に0%又は4%の場合
にCu含有量の如何に拘らず比較的低い値であり、
Mg含有量が2〜3%の範囲に於て曲げ強さが最
大値になり、Mg含有量がこの範囲より増大し又
は減少するにつれて曲げ強さが徐々に減少し、特
にMg含有量が3.5%を越える範囲に於てはMg含
有量の増大につれて曲げ強さが急激に低下し、
Mg含有量が4%の場合に於ける曲げ強さはMg
含有量が0%の場合と実質的に同等又はそれより
も低い値になることが解る。 これらの曲げ試験の結果より、72%Al2O3、残
部実質的にSiO2なる組成を有し、繊維体積率40
%及び30%の結晶質アルミナ−シリカ短繊維を強
化繊維としAl−Cu−Mg系のアルミニウム合金を
マトリツクス金属とする複合材料の強度を向上さ
せるためには、マトリツクス金属としてのアルミ
ニウム合金のCu含有量は2〜6%、特に2〜5.5
%であり、Mg含有量は1.5〜3.5%、特に1.5〜3
%であることが好ましいことが解る。 実施例 3 アルミナ−シリカ短繊維として72%Al2O3、残
部実質的にSiO2なる組成を有する非晶質アルミ
ナ−シリカ短繊維(平均繊維長2mm、平均繊維径
3μm)が使用され、繊維体積率が10%に設定さ
れた点を除き、実施例1の場合と同一の要領及び
条件にて製造された複合材料について、実施例1
の曲げ試験と同様の曲げ試験を行つた。この曲げ
試験の結果を下記の表3及び第6図に示す。尚表
3に示された各複合材料の曲げ強さの単位はKg/
mm2である。 表3及び第6図より、複合材料の曲げ強さは
Cu含有量が1.5%又は6.5%の場合にはMg含有量
に拘らず比較的低い値であり、また複合材料の曲
げ強さはMg含有量が実質的に0%又は4%の場
合にCu含有量の如何に拘らず比較的低い値であ
り、Mg含有量が2〜3%の範囲に於て曲げ強さ
が最大値になり、Mg含有量がこの範囲より増大
し又は減少するにつれて曲げ強さが徐々に減少
し、特にMg含有量が3.5%を越える範囲に於ては
Mg含有量の増大につれて曲げ強さが急激に低下
し、Mg含有量が4%の場合に於ける曲げ強さは
Mg含有量が0%の場合よりも低い値になること
が解る。 この曲げ試験の結果より、72%Al2O3、残部実
質的にSiO2なる組成を有し、繊維体積率が10%
である非晶質アルミナ−シリカ短繊維を強化繊維
としAl−Cu−Mg系のアルミニウム合金をマトリ
ツクス金属とする複合材料の場合にもその強度を
向上させるためには、マトリツクス金属としての
アルミニウム合金のCu含有量は2〜6%であり、
Mg含有量は1.5〜3.5%、特に1.5〜3%であるこ
とが好ましいことが解る。 実施例 4 非晶質アルミナ−シリカ短繊維の体積率及び平
均繊維長がそれぞれ30%、0.8mmに設定された点
を除き、実施例3の場合と同一の要領及び条件に
て製造された複合材料について、実施例1の曲げ
試験と同様の曲げ試験を行つた。この曲げ試験の
結果を下記の表3及び第7図に示す。 表3及び第7図より、複合材料の曲げ強さは
Cu含有量が1.5%又は6.5%の場合にはMg含有量
に拘らず比較的低い値であり、また複合材料の曲
げ強さはMg含有量が実質的に0%又は4%の場
合にCu含有量の如何に拘らず比較的低い値であ
り、Mg含有量が2〜3%の範囲に於て曲げ強さ
が最大値になり、Mg含有量がこの範囲より増大
し又は減少するにつれて曲げ強さが徐々に減少
し、特にMg含有量が3.5%を越える範囲に於ては
Mg含有量の増大につれて曲げ強さが急激に低下
し、Mg含有量が4%の場合に於ける曲げ強さは
Mg含有量が0%の場合よりも低い値になること
が解る。 この曲げ試験の結果より、77%Al2O3、残部実
質的にSiO2なる組成を有し、繊維体積率が30%
である非晶質アルミナ−シリカ短繊維を強化繊維
としAl−Cu−Mg系のアルミニウム合金をマトリ
ツクス金属とする複合材料の場合にもその強度を
向上させるためには、マトリツクス金属としての
アルミニウム合金のCu含有量は2〜6%、特に
2〜5.5%であり、Mg含有量は1.5〜3.5%、特に
1.5〜3%であることが好ましいことが解る。 実施例 5 結晶質アルミナ−シリカ短繊維として77%
Al2O3、残部実質的にSiO2なる組成を有し、ムラ
イト結晶量が60%である結晶質アルミナ−シリカ
短繊維(平均繊維長1.5mm、平均繊維径3.2μm)
が使用され、繊維体積率が10%に設定された点を
除き、実施例1の場合と同一の要領及び条件にて
製造された複合材料について、実施例1の曲げ試
験と同様の曲げ試験を行つた。この曲げ試験の結
果を下記の表4の欄及び第8図に示す。尚表4
に示された各複合材料の曲げ強さの単位はKg/mm2
である。 表4及び第8図より、複合材料の曲げ強さは
Cu含有量が1.5%又は6.5%の場合にはMg含有量
に拘らず比較的低い値であり、また複合材料の曲
げ強さはMg含有量が実質的に0%又は4%の場
合にCu含有量の如何に拘らず比較的低い値であ
り、Mg含有量が2〜3%の範囲に於て曲げ強さ
が最大値になり、Mg含有量がこの範囲より増大
し又は減少するにつれて曲げ強さが徐々に減少
し、特にMg含有量が3.5%を越える範囲に於ては
Mg含有量の増大につれて曲げ強さが急激に低下
し、Mg含有量が4%の場合に於ける曲げ強さは
Mg含有量が0%の場合と実質的に同等又はそれ
よりも低い値になることが解る。 この曲げ試験の結果より、77%Al2O3、残部実
質的にSiO2なる組成を有し、繊維体積率が10%
である結晶質アルミナ−シリカ短繊維を強化繊維
としAl−Cu−Mg系のアルミニウム合金をマトリ
ツクス金属とする複合材料の場合にもその強度を
向上させるためには、マトリツクス金属としての
アルミニウム合金のCu含有量は2〜6%であり、
Mg含有量は1.5〜3.5%、特に1.5〜3%であるこ
とが好ましいことが解る。 実施例 6 アルミナ−シリカ短繊維として77%Al2O3、残
部実質的にSiO2なる組成を有する非晶質アルミ
ナ−シリカ短繊維(平均繊維長0.6mm、平均繊維
径3.2μm)が使用され、繊維体積率が30%に設定
された点を除き、実施例1の場合と同一の要領及
び条件にて製造された複合材料について、実施例
1の曲げ試験と同様の曲げ試験を行つた。この曲
げ試験の結果を下記の表4の欄及び第9図に示
す。 表4及び第9図より、複合材料の曲げ強さは
Cu含有量が1.5%又は6.5%の場合にはMg含有量
に拘らず比較的低い値であり、また複合材料の曲
げ強さはMg含有量が実質的に0%又は4%の場
合にCu含有量の如何に拘らず比較的低い値であ
り、Mg含有量が2〜3%の範囲に於て曲げ強さ
が最大値になり、Mg含有量がこの範囲より増大
し又は減少するにつれて曲げ強さが徐々に減少
し、特にMg含有量が3.5%を越える範囲に於ては
Mg含有量の増大につれて曲げ強さが急激に低下
し、Mg含有量が4%の場合に於ける曲げ強さは
Mg含有量が0%の場合よりも低い値になること
が解る。 この曲げ試験の結果より、77%Al2O3、残部実
質的にSiO2なる組成を有し、繊維体積率が30%
である非晶質アルミナ−シリカ短繊維を強化繊維
としAl−Cu−Mg系のアルミニウム合金をマトリ
ツクス金属とする複合材料の場合にもその強度を
向上させるためには、マトリツクス金属としての
アルミニウム合金のCu含有量は2〜6%、2〜
5.5%であり、Mg含有量は1.5〜3.5%、特に1.5〜
3%であることが好ましいことが解る。 実施例 7 アルミナ−シリカ短繊維として67%Al2O3、残
部実質的にSiO2なる組成を有し、ムライト結晶
量が60%である結晶質アルミナ−シリカ短繊維
(平均繊維長0.3mm、平均繊維径2.6μm)が使用さ
れ、繊維体積率が30%に設定された点を除き、実
施例1の場合と同一の要領及び条件にて製造され
た複合材料について、実施例1の曲げ試験と同様
の曲げ試験を行つた。この曲げ試験の結果を下記
の表4の欄及び第10図に示す。 表4及び第10図より、複合材料の曲げ強さは
Cu含有量が1.5%又は6.5%の場合にはMg含有量
に拘らず比較的低い値であり、また複合材料の曲
げ強さはMg含有量が実質的に0%又は4%の場
合にCu含有量の如何に拘らず比較的低い値であ
り、Mg含有量が2〜3%の範囲に於て曲げ強さ
が最大値になり、Mg含有量がこの範囲より増大
し又は減少するにつれて曲げ強さが徐々に減少
し、特にMg含有量が3.5%を越える範囲に於ては
Mg含有量の増大につれて曲げ強さが急激に低下
し、Mg含有量が4%の場合に於ける曲げ強さは
Mg含有量が0%の場合よりも低い値になること
が解る。 この曲げ試験の結果より、67%Al2O3、残部実
質的にSiO2なる組成を有し、繊維体積率が30%
である結晶質アルミナ−シリカ短繊維を強化繊維
としAl−Cu−Mg系のアルミニウム合金をマトリ
ツクス金属とする複合材料の場合にもその強度を
向上させるためには、マトリツクス金属としての
アルミニウム合金のCu含有量は2〜6%、特に
2〜5.5%であり、Mg含有量は1.5〜3.5%、特に
1.5〜3%であることが好ましいことが解る。 実施例 8 アルミナ−シリカ短繊維として67%Al2O3、残
部実質的にSiO2なる組成を有する非晶質アルミ
ナ−シリカ短繊維(平均繊維長1.2mm、平均繊維
径2.6μm)が使用され、繊維体積率が10%に設定
された点を除き、実施例1の場合と同一の要領及
び条件にて製造された複合材料について、実施例
1の曲げ試験と同様の曲げ試験を行つた。この曲
げ試験の結果を下記の表4の欄及び第11図に
示す。 表4及び第11図より、複合材料の曲げ強さは
Cu含有量が1.5%又は6.5%の場合にはMg含有量
に拘らず比較的低い値であり、また複合材料の曲
げ強さはMg含有量が実質的に0%又は4%の場
合にCu含有量の如何に拘らず比較的低い値であ
り、Mg含有量が1〜2%の範囲に於て曲げ強さ
が最大値になり、Mg含有量がこの範囲より増大
し又は減少するにつれて曲げ強さが徐々に減少
し、特にMg含有量が3.5%を越える範囲に於ては
Mg含有量の増大につれて曲げ強さが急激に低下
し、Mg含有量が4%の場合に於ける曲げ強さは
Mg含有量が0%の場合よりも低い値になること
が解る。 この曲げ試験の結果より、67%Al2O3、残部実
質的にSiO2なる組成を有し、繊維体積率が10%
である非晶質アルミナ−シリカ短繊維を強化繊維
としAl−Cu−Mg系のアルミニウム合金をマトリ
ツクス金属とする複合材料の場合にもその強度を
向上させるためには、マトリツクス金属としての
アルミニウム合金のCu含有量は2〜6%であり、
Mg含有量は1.5〜3.5%、特に1.5〜3%であるこ
とが好ましいことが解る。 実施例 9 上述の各実施例より、アルミナ−シリカ短繊維
が結晶質及び非晶質アルミナ−シリカ短繊維の何
れの場合にも、アルミニウム合金のCu含有量及
びMg含有量はそれぞれ2〜6%、1.5〜3.5%で
あることが好ましいことが解つたので、強度繊維
であるアルミナ−シリカ短繊維の体積率が如何な
る値であることが適切であるのかの検討を行うべ
く、Cu含有量が4%でありMg含有量が2%であ
り残部が実質的にAlであるアルミニウム合金を
マトリツクス金属とし、それぞれ上述の実施例1
及び3に於て使用された結晶質アルミナ−シリカ
短繊維及び非晶質アルミナ−シリカ短繊維を強化
繊維とし、繊維体積率が5%、10%、20%、30
%、40%、50%である複合材料B1〜B6及びC1〜
C6を実施例1の場合と同一の要領及び条件にて
製造し、各複合材料に対し実施例1の場合と同一
の条件にて溶体化処理及び人工時効処理を施し、
各複合材料より実施例1の場合と同一の要領にて
同一寸法の曲げ試験片B1〜B6及びC1〜C6を切出
し、各曲げ試験片について実施例1の場合と同一
の要領及び条件にて曲げ試験を行つた。 またCu含有量が4%でありMg含有量が2%で
あり残部が実質的にAlであるアルミニウム合金
の鋳物に対し実施例1の場合と同一の条件にて溶
体化処理及び人工時効処理を施し、該鋳物より実
施例1の場合と同一の寸法の曲げ試験片B0及び
C0を切出し、それらの曲げ試験片についても実
施例1の場合と同一の要領及び条件にて曲げ試験
を行つた。これらの曲げ試験の結果を第15図に
示す。 第12図より、強化繊維が結晶質アルミナ−シ
リカ短繊維であるか非晶質アルミナ−シリカ短繊
維であるかに拘らず、繊維体積率が0〜5%の範
囲に於ては、繊維体積率が増大されても複合材料
の曲げ強さは殆ど向上せず、マトリツクス金属で
あるアルミニウム合金の曲げ強さと同等の値であ
り、それぞれ繊維体積率が5〜30%、5〜40%の
範囲に於ては、繊維体積率の増大に伴ない曲げ強
さが実質的に線形的に増大し、繊維体積率が40%
以上、特に50%以上の範囲に於ては、曲げ強さは
繊維体積率が増大されても殆ど向上しないことが
解る。従つて強化繊維としてアルミナ−シリカ短
繊維の体積率は、その種類に拘らず、5〜50%、
特に5〜40%であることが望ましいことが解る。 実施例 10 アルミナ−シリカ短繊維として結晶質アルミナ
−シリカ短繊維が使用される場合に於て、ムライ
ト結晶量が複合材料の曲げ強さに対し如何なる影
響を及ぼすかについての検討を行うべく、Cu含
有量が4%でありMg含有量が2%であり残部が
実質的にAlであるアルミニウム合金をマトリツ
クス金属として、67%Al2O3、残部実質的にSiO2
なる組成を有し、ムライト結晶量が0%、20%、
40%、60%、80%であり、繊維体積率が10%及び
30%である結晶質アルミナ−シリカ短繊維(それ
ぞれ平均繊維長0.8mm、0.3mm、平均繊維径2.6μm、
2.6μm)を強化繊維とする複合材料D0〜D4及び
E0〜E4、72%Al2O3、残部実質的にSiO2なる組成
を有し、ムライト結晶量が0%、20%、40%、60
%、80%であり、繊維体積率が10%及び30%であ
る結晶質アルミナ−シリカ短繊維(それぞれ平均
繊維長1.0mm、平均繊維径3.0μm、3.0μm)を強化
繊維とする複合材料F0〜F4及びG0〜G4、77%
Al2O3、残部実質的にSiO2なる組成を有し、ムラ
イト結晶量が0%、20%、40%、60%、80%であ
り、繊維体積率が10%及び30%である結晶質アル
ミナ−シリカ短繊維(それぞれ平均繊維長1.5mm、
0.5mm、平均繊維径3.2μm、3.2μm)を強化繊維と
する複合材料H0〜H4及びI0〜I4を実施例1の場
合と同一の要領及び条件にて製造し、各複合材料
に対し実施例1の場合と同一の条件にて溶体化処
理及び人工時効処理を施し、各複合材料について
実施例1の場合と同一の要領及び条件にて曲げ試
験を行つた。 これらの曲げ試験の結果を第13図に示す。尚
第13図に於て、横軸は強化繊維としての結晶質
アルミナ−シリカ短繊維のムライト結晶量(%)
を示している。 第13図より、マトリツクス金属として上述の
組成のアルミニウム合金が使用される場合には、
ムライト結晶量が比較的小さい場合にも複合材料
の曲げ強さは比較的高い値であり、ムライト結晶
量の如何による複合材料の曲げ強さの変化量は小
さく、従つてアルミナ−シリカ短繊維として結晶
質アルミナ−シリカ短繊維が使用される場合には
ムライト結晶量は如何なる値であつてもよいこと
が解る。 以上に於ては、本発明を本願発明者等が行つた
実験的研究との関連に於て幾つかの実施例につい
て詳細に説明したが、本発明はこれらの実施例に
限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他
の種々の実施例が可能であることは当業者にとつ
て明らかであろう。
詳細にはアルミナ−シリカ短繊維を強化繊維とし
アルミニウム合金をマトリツクス金属とする複合
材料、即ちアルミナ−シリカ短繊維強化アルミニ
ウム合金に係る。 従来の技術及び発明が解決しようとする問題点 繊維強化金属複合材料のマトリツクス金属を成
すアルミニウム合金としては、従来より一般に下
記の如き鋳造用アルミニウム合金又は展伸用アル
ミニウム合金が使用されている。 鋳造用アルミニウム合金 JIS規格AC8A(0.8〜1.3%Cu、11.0〜13.0%Si、
0.7〜1.3%Mg、0.8〜1.5%Ni、残部実質的にAl) JIS規格AC8B(2.0〜4.0%Cu、8.5〜10.5%Si、
0.5〜1.5%Mg、0.1〜1%Ni、残部実質的にAl) JIS規格AC4C(0.25%≧Cu、6.5〜7.5%Si、0.25
〜0.45%Mg、残部実質的にAl) AA規格A201(4〜5%Cu、0.2〜0.4%Mn、
0.15〜0.35%Mg、0.15〜0.35%Ti、残部実質的に
Al) AA規格A356(6.5〜7.5%Si、0.25〜0.45%Mg、
0.2≧Fe、0.2%≧Cu、残部実質的にAl) Al−2〜3%Li合金(デユポン社) 展伸用アルミニウム合金 JIS規格6061(0.4〜0.8%Si、0.15〜0.4%Cu、0.8
〜1.2Mg、0.04〜0.35%Cr、残部実質的にAl) JIS規格5056(0.3%≧Si、0.4%≧Fe、0.1%≧
Cu、0.05〜0.2%Mn、4.5〜5.6%Mg、0.05〜0.2%
Cr、0.1%≧Zn、残部実質的にAl) JIS規格7075(0.4%≧Si、0.5%≧Fe、1.2〜2.0
%Cu、0.3≧Mn、2.1〜2.9%Mg、0.18〜0.28%
Cr、5.1〜6.1%Zn、0.2%Ti、残部実質的にAl) これらのアルミニウム合金をマトリツクス金属
とする複合材料に関する従来の研究は、これら在
来のアルミニウム合金の組成を変えずにそれらの
強度等を繊維強化により向上させる目的で行われ
ており、従つて複合材料の製造に従来より使用さ
れているこれらのアルミニウム合金は、強化繊維
との関連に於て必ずしも最適の組成を有するもの
ではなく、そのため上述の如き従来より使用され
ているアルミニウム合金によつては、アルミニウ
ム合金をマトリツクス金属とする複合材料の機械
的性質、特に強度を最適化することはできない。 本願発明者等は、従来より一般に使用されてい
るアルミニウム合金をマトリツクス金属とする複
合材料に於ける上述の如き問題に鑑み、従来より
繊維強化金属複合材料の製造に使用されている
種々の強化繊維の中でも比較的低廉であり高強度
を有し高温安定性及び強度向上効果に優れた比較
的アルミナ含有量の高いアルミナ−シリカ短繊維
を強化繊維とする複合材料に於て、そのマトリツ
クス金属としてのアルミニウム合金が如何なる組
成を有するものが最適であるかについて種々の実
験的研究を行つた結果、Cu及びMg含有量がそれ
ぞれ特定の範囲にあり且Si、Ni、Zn等の元素を
実質的に含有しないアルミニウム合金がマトリツ
クス金属として最適であることを見出した。 本発明は本願発明者等が行つた種々の実験的研
究の結果得られた知見に基づき、比較的アルミナ
含有量の高いアルミナ−シリカ短繊維を強化繊維
としアルミニウム合金をマトリツクス金属とする
複合材料であつて、曲げ強さの如き機械的性質に
優れた複合材料を提供することを目的としてい
る。 問題点を解決するための手段 65%を越え80%未満のAl2O3、20%を越え35%
未満のSiO2、0〜10%の他の成分なる組成を有
するアルミナ−シリカ短繊維を強化繊維とし、
Cu含有量が2〜6%でありMg含有量が1.5〜3.5
%であり残部が実質的にAlであるアルミニウム
合金をマトリツクス金属とし、前記アルミナ−シ
リカ短繊維の体積率が5〜50%であるアルミナ−
シリカ短繊維強化アルミニウム合金。 発明の作用及び効果 本発明によれば、強化繊維として比較的低廉で
あり高強度を有し高温安定性及び強度向上効果に
優れた比較的アルミナ含有量の高いアルミナ−シ
リカ短繊維が使用され、マトリツクス金属として
Cu含有量が2〜6%でありMg含有量が1.5〜3.5
%であり残部が実質的にAlであるアルミニウム
合金が使用され、アルミナ−シリカ短繊維の体積
率が5〜50%に設定されることにより、後に説明
する本願発明者等が行つた実験的研究の結果より
明確である如く、強度等の機械的性質に優れた低
廉な複合材料を得ることができる。 また本発明によれば、従来のアルミナ−シリカ
短繊維強化アルミニウム合金と同等の強度が得ら
れれば十分である場合には、アルミナ−シリカ短
繊維の体積率は従来に比して低い値であつてよ
く、従つて使用されるアルミナ−シリカ短繊維の
使用量を低減することができるので、複合材料の
被削性や生産性を向上させることができ、また複
合材料のコストを低減することができる。 複合材料のマトリツクス金属としてのAlにCu
が添加されると、そのAlの強度が向上し、これ
により複合材料の強度が向上するが、Cu含有量
が2%未満ではその効果が十分ではなく、逆に
Cu含有量が6%を越えると複合材料は極めて脆
弱になり、早期に破壊するようになる。従つて本
発明の複合材料に於けるマトリツクス金属として
のアルミニウム合金のCu含有量は2〜6%、好
ましくは2〜5.5%とされる。 また強化繊維としてのアルミナ−シリカ短繊維
の表面には通常酸化物が存在しており、マトリツ
クス金属の溶湯中に酸化物形成傾向の大きいMg
が含有されていれば、Mgがアルミナ−シリカ短
繊維表面の酸化物と反応してアルミナ−シリカ短
繊維の表面を還元させるため、溶融マトリツクス
金属とアルミナ−シリカ短繊維との密着性が向上
し、Mg含有量が2〜3%程度までの範囲に於て
はMg含有量の増大につれて複合材料の強度が増
大する。しかしMg含有量が3.5%を越えると複合
材料の強度が急激に低下してしまう。従つて本発
明に於けるマトリツクス金属としてのアルミニウ
ム合金のMg含有量は1.5〜3.5%、好ましくは1.5
〜3%とされる。 また上述の如き組成を有するアルミニウム合金
をマトリツクス金属とする複合材料に於ては、ア
ルミナ−シリカ短繊維の体積率が5%未満の場合
には十分な強度を確保することができず、またア
ルミナ−シリカ短繊維の体積率が40%、特に50%
を越えると、アルミナ−シリカ短繊維の体積率が
増大されても複合材料の強度はそれほど増大しな
い。また複合材料の耐摩耗性はアルミナ−シリカ
短繊維の体積率の増大と共に向上するが、アルミ
ナ−シリカ短繊維の体積率が0〜5%程度の範囲
に於て繊維体積率の増大と共に急激に増大し、繊
維体積率が約5%以上の領域に於ては、繊維体積
率が増大されても複合材料の耐摩耗性はそれほど
向上しない。従つて本発明の一つの特徴によれ
ば、アルミナ−シリカ短繊維の体積率は5〜50
%、好ましくは5〜40%とされる。 また本発明の複合材料に於けるアルミナ−シリ
カ短繊維は非晶質アルミナ−シリカ短繊維及び結
晶質アルミナ−シリカ短繊維(ムライト結晶
(3Al2O3・2SiO2)を含むアルミナ−シリカ短繊
維)の何れであつてもよく、アルミナ−シリカ短
繊維として結晶質アルミナ−シリカ短繊維が使用
される場合に於ては、アルミニウム合金が上述の
組成を有していれば、結晶質アルミナ−シリカ短
繊維のムライト結晶量の如何に拘らず、他の組成
のアルミニウム合金がマトリツクス金属として使
用される場合に比して、複合材料の強度を向上さ
せることができる。 また本願発明者等が行つた他の実験的研究の結
果によれば、アルミナ−シリカ短繊維が非晶質で
あると結晶質であるとを問わず、アルミナ−シリ
カ短繊維の体積率が上述の好ましい範囲の比較的
高い領域にある場合、即ち30〜40%である場合に
は、アルミニウム合金のCu含有量は2〜5.5%で
あることが好ましい。従つて本発明の他の一つの
詳細な特徴によれば、アルミナ−シリカ短繊維の
体積率が30〜40%である場合には、アルミニウム
合金のCu含有量は2〜5.5%とされる。 また本発明の複合材料のマトリツクス金属とし
てのアルミニウム合金のCu含有量は比較的高い
値であり、アルミニウム合金中のCu濃度にムラ
がある場合には、Cu濃度が高い部分が脆弱にな
り、従つて均質なマトリツクス金属を得ることが
できない。従つて本発明の更に他の一つの詳細な
特徴によれば、アルミニウム合金中のCu濃度が
均一になるよう、Cu含有量が2%以上3.5%未満
であるアルミニウム合金をマトリツクス金属とす
る複合材料は、480〜520℃にて2〜8時間に亙る
溶体化処理が施され、好ましくは更に150〜200℃
にて2〜8時間に亙る時効処理が施され、また
Cu含有量が3.5〜6%であるアルミニウム合金を
マトリツクス金属とする複合材料は、460〜510℃
にて2〜8時間に亙る溶体化処理が施され、好ま
しくは更に150〜200℃にて2〜8時間に亙る時効
処理が施される。 更に本発明の複合材料に於けるアルミナ−シリ
カ短繊維はアルミナ−シリカの不連続繊維又はア
ルミナ−シリカの連続繊維が所定の長さに切断さ
れたものの何れであつてもよい。またアルミナ−
シリカ短繊維の繊維長は10μ〜7cm、特に10μ〜
5cm程度であることが好ましく、繊維径は1〜
30μ、特に1〜25μ程度であることが好ましい。
更にマトリツクス金属の組成が本発明に従つて設
定される場合にはアルミナ−シリカ繊維の配向に
拘らず高強度の複合材料が得られるので、繊維の
配向は一方向配向、二次元ランダム配向、三次元
ランダム配向の如き任意の配向であつてよいが、
ある特定の方向に高強度であることが要求される
場合に於て繊維の配向が一方向配向又は二次元ラ
ンダム配向である場合には、その特定の方向が一
方向配向の方向又は二次元ランダム配向の平面に
沿う方向に設定されることが好ましい。 尚本発明に関連する繊維強化アルミニウム合金
として、本願出願人と同一の出願人の出願にかか
る特願昭60−120786号、同60−120787号、同60−
120788号、同61−19793号明細書には、それぞれ
炭化ケイ素短繊維を強化繊維とし、Cu含有量
が2〜6%でありMg含有量が2〜4%であり残
部が実質的にAlであるアルミニウム合金をマト
リツクス金属とし、前記炭化ケイ素短繊維の体積
率が5〜50%である炭化ケイ素短繊維強化アルミ
ニウム合金、アルミナ短繊維を強化繊維とし、
Cu含有量が2〜6%でありMg含有量が0.5〜4
%であり残部が実質的にAlであるアルミニウム
合金をマトリツクス金属とし、前記アルミナ短繊
維の体積率が5〜50%であるアルミナ短繊維強化
アルミニウム合金、炭化ケイ素短繊維を強化繊
維とし、Cu含有量が2〜6%でありMg含有量が
0〜2%であり残部が実質的にAlであるアルミ
ニウム合金をマトリツクス金属とし、前記炭化ケ
イ素短繊維の体積率が5〜50%である炭化ケイ素
短繊維強化アルミニウム合金、35〜65%
Al2O3、65〜35%SiO2、0〜10%他の成分なる組
成を有するアルミナ−シリカ短繊維を強化繊維と
し、Cu含有量が2〜6%でありMg含有量が0.5
〜3.5%であり残部が実質的にAlであるアルミニ
ウム合金をマトリツクス金属とし、前記アルミナ
−シリカ短繊維の体積率が5〜50%であるアルミ
ナ−シリカ短繊維強化アルミニウム合金が開示さ
れている。 本明細書に於けるパーセンテージは繊維の体積
の表現の場合を除き全て重量%であり、アルミニ
ウム合金の組成の表現に於ける「実質的にAl」
とはマトリツクス金属としてのアルミニウム合金
中に含まれるAl、Cu、Mg以外のSi、Fe、Zn、
Mn、Ni、Ti、Crの如き不可避的な金属元素の
合計が1%以下であり、如何なる不純物元素も単
独で0.5%以上含まれていないことを意味し、ア
ルミナ−シリカ短繊維の組成の表現に於ける「実
質的にSiO2」とはアルミナ−シリカ短繊維を構
成するAl2O3及びSiO2以外の元素が不純物程度に
しか含まれていないことを意味する。更に本明細
書に於ける組成や温度に関する「以上」「以下」
「〜」による範囲の表示に於ては、それら自身の
値がその範囲に含まれているものとする。 以下に添付の図を参照しつつ、本発明を実施例
について詳細に説明する。 実施例 1 結晶質アルミナ−シリカ短繊維を強化繊維とし
アルミニウム合金をマトリツクス金属とする複合
材料に於てその強度を向上させるためにはアルミ
ニウム合金が如何なる組成のものが適切であるか
についての検討を行うべく、結晶質アルミナ−シ
リカ短繊維(72%Al2O3、残部実質的にSiO2、ム
ライト結晶量60%、平均繊維長1mm、平均繊維径
3μm)を強化繊維とし、Al−Cu−Mg系の種々の
組成のアルミニウム合金をマトリツクス金属とす
る複合材料を高圧鋳造法により製造し、各複合材
料について曲げ強さの評価を行つた。 まず純アルミニウムの地金(純度99%以上)と
純マグネシウム(純度99%以上)とAl−50%Cu
母合金とを配合することにより、下記の表1に示
されている如く種々のCu及びMg含有量を有し残
部が実質的にAlであるアルミニウム合金A1〜
A56を形成した。次いで結晶質アルミナ−シリカ
短繊維の集合体に対しバインダを使用しないで圧
縮成形を行うことにより、第14図に示されてい
る如く結晶質アルミナ−シリカ短繊維1よりなり
繊維体積率が20%、10%、及び5%である38×
100×16mmの繊維成形体2を形成した。この場合
個々の結晶質アルミナ−シリカ短繊維1は第14
図に示されている如く、38×100mmの平面に平行
な平面内に於てはランダムに配向され、この平面
に垂直な方向に積重ねられた二次元ランダムに配
向された。 次いで第15図に示されている如く、繊維成形
体2をステンレス鋼製の両端にて開口した四角柱
状のケース2a内に充填し、繊維成形体2をケー
スごと600℃に加熱し、しかる後第19図に示さ
れている如く250℃の鋳型3のモールドキヤビテ
イ4内に配置し、該鋳型内に700℃のアルミニウ
ム合金の溶湯5を素早く注湯し、該溶湯を約200
℃のプランジヤ6により1000Kg/cm2の圧力にて加
圧し、その加圧状態をアルミニウム合金の溶湯が
完全に凝固するまで保持した。かくして鋳型3内
の溶湯が完全に凝固した後、その凝固体を鋳型よ
り取出し、凝固体のケースの周りに存在するアル
ミニウム合金のみよりなる部分を切削により除去
し、更にケースより結晶質アルミナ−シリカ短繊
維を強化繊維としアルミニウム合金をマトリツク
ス金属とし繊維体積率が20%、10%、5%である
複合材料を取出した。 次いでアルミニウム合金のMg含有量に拘ら
ず、Cu含有量が実質的に1.5%であるアルミニウ
ム合金をマトリツクス金属とする複合材料に対し
ては、530℃にて8時間に亙る溶体化処理と160℃
にて8時間に亙る人工時効処理を施し、Cu含有
量が実質的に2〜3%未満であるアルミニウム合
金をマトリツクス金属とする複合材料に対して
は、500℃にて8時間に亙る溶体化処理と160℃に
て8間かに亙る人工時効処理を施し、Cu含有量
が実質的に4〜6.5%以下であるアルミニウム合
金をマトリツクス金属とする複合材料に対して
は、480℃にて8時間に亙る溶体化処理と160℃に
て8時間に亙る人工時効処理を施した。 次いで上述の如く製造され熱処理が施された各
複合材料より、長さ50mm、幅10mm、厚さ2mmの曲
げ試験片をその50×10mmの平面が繊維配向の二次
元ランダム平面に平行になるよう切出し、各曲げ
試験片について支点間距離40mmにて3点曲げ試験
を行つた。尚これらの曲げ試験に於ては、破断時
に於ける表面応力M/Z(M=破断時に於ける曲
げモーメント、Z=曲げ試験片の断面係数)を複
合材料の曲げ強さとして測定した。 これらの曲げ試験の結果を下記の表2、第1図
乃至第3図に示す。尚表2に示された各複合材料
の曲げ強さの単位はKg/mm2であり、第1図乃至第
3図はそれぞれ繊維体積率が20%、10%、5%で
ある複合材料について、表2に示されたデータに
基づきCu含有量をパラメータとしてMg含有量と
複合材料の曲げ強さ(Kg/mm2)との関係を表わし
ている。 表2及び第1図乃至第3図より、結晶質アルミ
ナ−シリカ短繊維の体積率が20%、10%、5%の
何れの複合材料についても、複合材料の曲げ強さ
はCu含有量が1.5%又は6.5%の場合にはMg含有
量に拘らず比較的低い値であり、また複合材料の
曲げ強さはMg含有量が実質的に0%又は4%の
場合にCu含有量の如何に拘らず比較的低い値で
あり、Mg含有量が2〜3%の範囲に於て曲げ強
さが最大値になり、Mg含有量がこの範囲より増
大し又は減少するにつれて曲げ強さが徐々に減少
し、特にMg含有量が3.5%を越える範囲に於えは
Mg含有量の増大につれて曲げ強さが急激に低下
し、Mg含有量が4%の場合に於ける曲げ強さは
Mg含有量が0%の場合と実質的に同等又はそれ
よりも低い値になることが解る。 これらの曲げ試験の結果より、72%Al2O3、残
部実質的にSiO2なる組成を有し、繊維体積率20
%、10%、5%の結晶質アルミナ−シリカ短繊維
を強化繊維としAl−Cu−Mg系のアルミニウム合
金をマトリツクス金属とする複合材料の強度を向
上させるためには、マトリツクス金属としてのア
ルミニウム合金のCu含有量は2〜6%であり、
Mg含有量は1.5〜3.5%、特に1.5〜3%であるこ
とが好ましいことが解る。 実施例 2 結晶質アルミナ−シリカ短繊維の体積率が40%
及び30%に設定された点を除き実施例1の場合と
同一の要領及び条件にて製造された複合材料につ
いて、実施例1の曲げ試験と同様の曲げ試験を行
つた。これらの曲げ試験の結果を下記の表2、第
4図及び第5図に示す。尚第4図及び第5図はそ
れぞれ繊維体積率が40%及び30%である複合材料
について、表2に示されたデータに基づきCu含
有量をパラメータとしてMg含有量と複合材料の
曲げ強さ(Kg/mm2)との関係を表わしている。 表2、第4図及び第5図より、結晶質アルミナ
−シリカ短繊維の体積率が40%及び30%の何れを
複合材料についても、複合材料の曲げ強さはCu
含有量が1.5%又は6.5%の場合にはMg含有量に
拘らず比較的低い値であり、また複合材料の曲げ
強さはMg含有量が実質的に0%又は4%の場合
にCu含有量の如何に拘らず比較的低い値であり、
Mg含有量が2〜3%の範囲に於て曲げ強さが最
大値になり、Mg含有量がこの範囲より増大し又
は減少するにつれて曲げ強さが徐々に減少し、特
にMg含有量が3.5%を越える範囲に於てはMg含
有量の増大につれて曲げ強さが急激に低下し、
Mg含有量が4%の場合に於ける曲げ強さはMg
含有量が0%の場合と実質的に同等又はそれより
も低い値になることが解る。 これらの曲げ試験の結果より、72%Al2O3、残
部実質的にSiO2なる組成を有し、繊維体積率40
%及び30%の結晶質アルミナ−シリカ短繊維を強
化繊維としAl−Cu−Mg系のアルミニウム合金を
マトリツクス金属とする複合材料の強度を向上さ
せるためには、マトリツクス金属としてのアルミ
ニウム合金のCu含有量は2〜6%、特に2〜5.5
%であり、Mg含有量は1.5〜3.5%、特に1.5〜3
%であることが好ましいことが解る。 実施例 3 アルミナ−シリカ短繊維として72%Al2O3、残
部実質的にSiO2なる組成を有する非晶質アルミ
ナ−シリカ短繊維(平均繊維長2mm、平均繊維径
3μm)が使用され、繊維体積率が10%に設定さ
れた点を除き、実施例1の場合と同一の要領及び
条件にて製造された複合材料について、実施例1
の曲げ試験と同様の曲げ試験を行つた。この曲げ
試験の結果を下記の表3及び第6図に示す。尚表
3に示された各複合材料の曲げ強さの単位はKg/
mm2である。 表3及び第6図より、複合材料の曲げ強さは
Cu含有量が1.5%又は6.5%の場合にはMg含有量
に拘らず比較的低い値であり、また複合材料の曲
げ強さはMg含有量が実質的に0%又は4%の場
合にCu含有量の如何に拘らず比較的低い値であ
り、Mg含有量が2〜3%の範囲に於て曲げ強さ
が最大値になり、Mg含有量がこの範囲より増大
し又は減少するにつれて曲げ強さが徐々に減少
し、特にMg含有量が3.5%を越える範囲に於ては
Mg含有量の増大につれて曲げ強さが急激に低下
し、Mg含有量が4%の場合に於ける曲げ強さは
Mg含有量が0%の場合よりも低い値になること
が解る。 この曲げ試験の結果より、72%Al2O3、残部実
質的にSiO2なる組成を有し、繊維体積率が10%
である非晶質アルミナ−シリカ短繊維を強化繊維
としAl−Cu−Mg系のアルミニウム合金をマトリ
ツクス金属とする複合材料の場合にもその強度を
向上させるためには、マトリツクス金属としての
アルミニウム合金のCu含有量は2〜6%であり、
Mg含有量は1.5〜3.5%、特に1.5〜3%であるこ
とが好ましいことが解る。 実施例 4 非晶質アルミナ−シリカ短繊維の体積率及び平
均繊維長がそれぞれ30%、0.8mmに設定された点
を除き、実施例3の場合と同一の要領及び条件に
て製造された複合材料について、実施例1の曲げ
試験と同様の曲げ試験を行つた。この曲げ試験の
結果を下記の表3及び第7図に示す。 表3及び第7図より、複合材料の曲げ強さは
Cu含有量が1.5%又は6.5%の場合にはMg含有量
に拘らず比較的低い値であり、また複合材料の曲
げ強さはMg含有量が実質的に0%又は4%の場
合にCu含有量の如何に拘らず比較的低い値であ
り、Mg含有量が2〜3%の範囲に於て曲げ強さ
が最大値になり、Mg含有量がこの範囲より増大
し又は減少するにつれて曲げ強さが徐々に減少
し、特にMg含有量が3.5%を越える範囲に於ては
Mg含有量の増大につれて曲げ強さが急激に低下
し、Mg含有量が4%の場合に於ける曲げ強さは
Mg含有量が0%の場合よりも低い値になること
が解る。 この曲げ試験の結果より、77%Al2O3、残部実
質的にSiO2なる組成を有し、繊維体積率が30%
である非晶質アルミナ−シリカ短繊維を強化繊維
としAl−Cu−Mg系のアルミニウム合金をマトリ
ツクス金属とする複合材料の場合にもその強度を
向上させるためには、マトリツクス金属としての
アルミニウム合金のCu含有量は2〜6%、特に
2〜5.5%であり、Mg含有量は1.5〜3.5%、特に
1.5〜3%であることが好ましいことが解る。 実施例 5 結晶質アルミナ−シリカ短繊維として77%
Al2O3、残部実質的にSiO2なる組成を有し、ムラ
イト結晶量が60%である結晶質アルミナ−シリカ
短繊維(平均繊維長1.5mm、平均繊維径3.2μm)
が使用され、繊維体積率が10%に設定された点を
除き、実施例1の場合と同一の要領及び条件にて
製造された複合材料について、実施例1の曲げ試
験と同様の曲げ試験を行つた。この曲げ試験の結
果を下記の表4の欄及び第8図に示す。尚表4
に示された各複合材料の曲げ強さの単位はKg/mm2
である。 表4及び第8図より、複合材料の曲げ強さは
Cu含有量が1.5%又は6.5%の場合にはMg含有量
に拘らず比較的低い値であり、また複合材料の曲
げ強さはMg含有量が実質的に0%又は4%の場
合にCu含有量の如何に拘らず比較的低い値であ
り、Mg含有量が2〜3%の範囲に於て曲げ強さ
が最大値になり、Mg含有量がこの範囲より増大
し又は減少するにつれて曲げ強さが徐々に減少
し、特にMg含有量が3.5%を越える範囲に於ては
Mg含有量の増大につれて曲げ強さが急激に低下
し、Mg含有量が4%の場合に於ける曲げ強さは
Mg含有量が0%の場合と実質的に同等又はそれ
よりも低い値になることが解る。 この曲げ試験の結果より、77%Al2O3、残部実
質的にSiO2なる組成を有し、繊維体積率が10%
である結晶質アルミナ−シリカ短繊維を強化繊維
としAl−Cu−Mg系のアルミニウム合金をマトリ
ツクス金属とする複合材料の場合にもその強度を
向上させるためには、マトリツクス金属としての
アルミニウム合金のCu含有量は2〜6%であり、
Mg含有量は1.5〜3.5%、特に1.5〜3%であるこ
とが好ましいことが解る。 実施例 6 アルミナ−シリカ短繊維として77%Al2O3、残
部実質的にSiO2なる組成を有する非晶質アルミ
ナ−シリカ短繊維(平均繊維長0.6mm、平均繊維
径3.2μm)が使用され、繊維体積率が30%に設定
された点を除き、実施例1の場合と同一の要領及
び条件にて製造された複合材料について、実施例
1の曲げ試験と同様の曲げ試験を行つた。この曲
げ試験の結果を下記の表4の欄及び第9図に示
す。 表4及び第9図より、複合材料の曲げ強さは
Cu含有量が1.5%又は6.5%の場合にはMg含有量
に拘らず比較的低い値であり、また複合材料の曲
げ強さはMg含有量が実質的に0%又は4%の場
合にCu含有量の如何に拘らず比較的低い値であ
り、Mg含有量が2〜3%の範囲に於て曲げ強さ
が最大値になり、Mg含有量がこの範囲より増大
し又は減少するにつれて曲げ強さが徐々に減少
し、特にMg含有量が3.5%を越える範囲に於ては
Mg含有量の増大につれて曲げ強さが急激に低下
し、Mg含有量が4%の場合に於ける曲げ強さは
Mg含有量が0%の場合よりも低い値になること
が解る。 この曲げ試験の結果より、77%Al2O3、残部実
質的にSiO2なる組成を有し、繊維体積率が30%
である非晶質アルミナ−シリカ短繊維を強化繊維
としAl−Cu−Mg系のアルミニウム合金をマトリ
ツクス金属とする複合材料の場合にもその強度を
向上させるためには、マトリツクス金属としての
アルミニウム合金のCu含有量は2〜6%、2〜
5.5%であり、Mg含有量は1.5〜3.5%、特に1.5〜
3%であることが好ましいことが解る。 実施例 7 アルミナ−シリカ短繊維として67%Al2O3、残
部実質的にSiO2なる組成を有し、ムライト結晶
量が60%である結晶質アルミナ−シリカ短繊維
(平均繊維長0.3mm、平均繊維径2.6μm)が使用さ
れ、繊維体積率が30%に設定された点を除き、実
施例1の場合と同一の要領及び条件にて製造され
た複合材料について、実施例1の曲げ試験と同様
の曲げ試験を行つた。この曲げ試験の結果を下記
の表4の欄及び第10図に示す。 表4及び第10図より、複合材料の曲げ強さは
Cu含有量が1.5%又は6.5%の場合にはMg含有量
に拘らず比較的低い値であり、また複合材料の曲
げ強さはMg含有量が実質的に0%又は4%の場
合にCu含有量の如何に拘らず比較的低い値であ
り、Mg含有量が2〜3%の範囲に於て曲げ強さ
が最大値になり、Mg含有量がこの範囲より増大
し又は減少するにつれて曲げ強さが徐々に減少
し、特にMg含有量が3.5%を越える範囲に於ては
Mg含有量の増大につれて曲げ強さが急激に低下
し、Mg含有量が4%の場合に於ける曲げ強さは
Mg含有量が0%の場合よりも低い値になること
が解る。 この曲げ試験の結果より、67%Al2O3、残部実
質的にSiO2なる組成を有し、繊維体積率が30%
である結晶質アルミナ−シリカ短繊維を強化繊維
としAl−Cu−Mg系のアルミニウム合金をマトリ
ツクス金属とする複合材料の場合にもその強度を
向上させるためには、マトリツクス金属としての
アルミニウム合金のCu含有量は2〜6%、特に
2〜5.5%であり、Mg含有量は1.5〜3.5%、特に
1.5〜3%であることが好ましいことが解る。 実施例 8 アルミナ−シリカ短繊維として67%Al2O3、残
部実質的にSiO2なる組成を有する非晶質アルミ
ナ−シリカ短繊維(平均繊維長1.2mm、平均繊維
径2.6μm)が使用され、繊維体積率が10%に設定
された点を除き、実施例1の場合と同一の要領及
び条件にて製造された複合材料について、実施例
1の曲げ試験と同様の曲げ試験を行つた。この曲
げ試験の結果を下記の表4の欄及び第11図に
示す。 表4及び第11図より、複合材料の曲げ強さは
Cu含有量が1.5%又は6.5%の場合にはMg含有量
に拘らず比較的低い値であり、また複合材料の曲
げ強さはMg含有量が実質的に0%又は4%の場
合にCu含有量の如何に拘らず比較的低い値であ
り、Mg含有量が1〜2%の範囲に於て曲げ強さ
が最大値になり、Mg含有量がこの範囲より増大
し又は減少するにつれて曲げ強さが徐々に減少
し、特にMg含有量が3.5%を越える範囲に於ては
Mg含有量の増大につれて曲げ強さが急激に低下
し、Mg含有量が4%の場合に於ける曲げ強さは
Mg含有量が0%の場合よりも低い値になること
が解る。 この曲げ試験の結果より、67%Al2O3、残部実
質的にSiO2なる組成を有し、繊維体積率が10%
である非晶質アルミナ−シリカ短繊維を強化繊維
としAl−Cu−Mg系のアルミニウム合金をマトリ
ツクス金属とする複合材料の場合にもその強度を
向上させるためには、マトリツクス金属としての
アルミニウム合金のCu含有量は2〜6%であり、
Mg含有量は1.5〜3.5%、特に1.5〜3%であるこ
とが好ましいことが解る。 実施例 9 上述の各実施例より、アルミナ−シリカ短繊維
が結晶質及び非晶質アルミナ−シリカ短繊維の何
れの場合にも、アルミニウム合金のCu含有量及
びMg含有量はそれぞれ2〜6%、1.5〜3.5%で
あることが好ましいことが解つたので、強度繊維
であるアルミナ−シリカ短繊維の体積率が如何な
る値であることが適切であるのかの検討を行うべ
く、Cu含有量が4%でありMg含有量が2%であ
り残部が実質的にAlであるアルミニウム合金を
マトリツクス金属とし、それぞれ上述の実施例1
及び3に於て使用された結晶質アルミナ−シリカ
短繊維及び非晶質アルミナ−シリカ短繊維を強化
繊維とし、繊維体積率が5%、10%、20%、30
%、40%、50%である複合材料B1〜B6及びC1〜
C6を実施例1の場合と同一の要領及び条件にて
製造し、各複合材料に対し実施例1の場合と同一
の条件にて溶体化処理及び人工時効処理を施し、
各複合材料より実施例1の場合と同一の要領にて
同一寸法の曲げ試験片B1〜B6及びC1〜C6を切出
し、各曲げ試験片について実施例1の場合と同一
の要領及び条件にて曲げ試験を行つた。 またCu含有量が4%でありMg含有量が2%で
あり残部が実質的にAlであるアルミニウム合金
の鋳物に対し実施例1の場合と同一の条件にて溶
体化処理及び人工時効処理を施し、該鋳物より実
施例1の場合と同一の寸法の曲げ試験片B0及び
C0を切出し、それらの曲げ試験片についても実
施例1の場合と同一の要領及び条件にて曲げ試験
を行つた。これらの曲げ試験の結果を第15図に
示す。 第12図より、強化繊維が結晶質アルミナ−シ
リカ短繊維であるか非晶質アルミナ−シリカ短繊
維であるかに拘らず、繊維体積率が0〜5%の範
囲に於ては、繊維体積率が増大されても複合材料
の曲げ強さは殆ど向上せず、マトリツクス金属で
あるアルミニウム合金の曲げ強さと同等の値であ
り、それぞれ繊維体積率が5〜30%、5〜40%の
範囲に於ては、繊維体積率の増大に伴ない曲げ強
さが実質的に線形的に増大し、繊維体積率が40%
以上、特に50%以上の範囲に於ては、曲げ強さは
繊維体積率が増大されても殆ど向上しないことが
解る。従つて強化繊維としてアルミナ−シリカ短
繊維の体積率は、その種類に拘らず、5〜50%、
特に5〜40%であることが望ましいことが解る。 実施例 10 アルミナ−シリカ短繊維として結晶質アルミナ
−シリカ短繊維が使用される場合に於て、ムライ
ト結晶量が複合材料の曲げ強さに対し如何なる影
響を及ぼすかについての検討を行うべく、Cu含
有量が4%でありMg含有量が2%であり残部が
実質的にAlであるアルミニウム合金をマトリツ
クス金属として、67%Al2O3、残部実質的にSiO2
なる組成を有し、ムライト結晶量が0%、20%、
40%、60%、80%であり、繊維体積率が10%及び
30%である結晶質アルミナ−シリカ短繊維(それ
ぞれ平均繊維長0.8mm、0.3mm、平均繊維径2.6μm、
2.6μm)を強化繊維とする複合材料D0〜D4及び
E0〜E4、72%Al2O3、残部実質的にSiO2なる組成
を有し、ムライト結晶量が0%、20%、40%、60
%、80%であり、繊維体積率が10%及び30%であ
る結晶質アルミナ−シリカ短繊維(それぞれ平均
繊維長1.0mm、平均繊維径3.0μm、3.0μm)を強化
繊維とする複合材料F0〜F4及びG0〜G4、77%
Al2O3、残部実質的にSiO2なる組成を有し、ムラ
イト結晶量が0%、20%、40%、60%、80%であ
り、繊維体積率が10%及び30%である結晶質アル
ミナ−シリカ短繊維(それぞれ平均繊維長1.5mm、
0.5mm、平均繊維径3.2μm、3.2μm)を強化繊維と
する複合材料H0〜H4及びI0〜I4を実施例1の場
合と同一の要領及び条件にて製造し、各複合材料
に対し実施例1の場合と同一の条件にて溶体化処
理及び人工時効処理を施し、各複合材料について
実施例1の場合と同一の要領及び条件にて曲げ試
験を行つた。 これらの曲げ試験の結果を第13図に示す。尚
第13図に於て、横軸は強化繊維としての結晶質
アルミナ−シリカ短繊維のムライト結晶量(%)
を示している。 第13図より、マトリツクス金属として上述の
組成のアルミニウム合金が使用される場合には、
ムライト結晶量が比較的小さい場合にも複合材料
の曲げ強さは比較的高い値であり、ムライト結晶
量の如何による複合材料の曲げ強さの変化量は小
さく、従つてアルミナ−シリカ短繊維として結晶
質アルミナ−シリカ短繊維が使用される場合には
ムライト結晶量は如何なる値であつてもよいこと
が解る。 以上に於ては、本発明を本願発明者等が行つた
実験的研究との関連に於て幾つかの実施例につい
て詳細に説明したが、本発明はこれらの実施例に
限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他
の種々の実施例が可能であることは当業者にとつ
て明らかであろう。
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
第1図乃至第5図はそれぞれ72%Al2O3、残部
実質的にSiO2なる組成を有し、ムライト結晶量
が60%であり、体積率が20%、10%、5%、40
%、30%である結晶質アルミナ−シリカ短繊維に
て強化されたアルミニウム合金よりなる複合材料
について行われた曲げ試験の結果に基づき、Cu
含有量をパラメータとしてMg含有量と複合材料
の曲げ強さとの関係を示すグラフ、第6図及び第
7図はそれぞれ72%Al2O3、残部実質的にSiO2な
る組成を有し、体積率が10%及び30%である非晶
質アルミナ−シリカ短繊維にて強化されたアルミ
ニウム合金よりなる複合材料について行われた曲
げ試験の結果に基づき、Cu含有量をパラメータ
としてMg含有量と複合材料の曲げ強さとの関係
を示すグラフ、第8図は77%Al2O3、残部実質的
にSiO2なる組成を有し、ムライト結晶量が60%
であり、体積率が10%である結晶質アルミナ−シ
リカ短繊維にて強化されたアルミニウム合金より
なる複合材料について行われた曲げ試験の結果に
基づき、Cu含有量をパラメータとしてMg含有量
と複合材料の曲げ強さとの関係を示すグラフ、第
9図は77%Al2O3、残部実質的にはSiO2なる組成
を有し、体積率が30%である非晶質アルミナ−シ
リカ短繊維にて強化されたアルミニウム合金より
なる複合材料について行われた曲げ試験の結果に
基づき、Cu含有量をパラメータとしてMg含有量
と複合材料の曲げ強さとの関係を示すグラフ、第
10図は67%Al2O3、残部実質的にSiO2なる組成
を有し、ムライト結晶量が60%であり、体積率が
30%である結晶質アルミナ−シリカ短繊維にて強
化されたアルミニウム合金よりなる複合材料につ
いて行われた曲げ試験の結果に基づき、Cu含有
量をパラメータとしてMg含有量と複合材料の曲
げ強さとの関係を示すグラフ、第11図は67%
Al2O3、残部実質的にSiO2なる組成を有し、体積
率が10%である非晶質アルミナ−シリカ短繊維に
て強化されたアルミニウム合金よりなる複合材料
について行われた曲げ試験の結果に基づき、Cu
含有量をパラメータとしてMg含有量と複合材料
の曲げ強さとの関係を示すグラフ、第12図は
Cu含有量が4%でありMg含有量が2%であり残
部が実質的にAlであるアルミニウム合金をマト
リツクス金属とし、種々の体積率の結晶質アルミ
ナ−シリカ短繊維及び非晶質アルミナ−シリカ短
繊維を強化繊維とする複合材料について行われた
曲げ試験の結果に基づき、繊維体積率と複合材料
の曲げ強さとの関係を示すグラフ、第13図は
Cu含有量が4%でありMg含有量が2%であり残
部が実質的にAlであるアルミニウム合金をマト
リツクス金属とし、ムライト結晶量が種々の値で
ある結晶質アルミナ−シリカ短繊維を強化繊維と
する複合材料について行われた曲げ試験の結果に
基づき、ムライト結晶量と複合材料の曲げ強さと
の関係を示すグラフ、第14図は個々の結晶質ア
ルミナ−シリカ短繊維が二次元ランダムにて配向
された繊維成形体を示す斜視図、第15図は第1
4図に示された繊維成形体がステンレス鋼製のケ
ース内に充填された状態を示す斜視図、第16図
は第15図に示されたステンレス鋼製のケース内
に充填された繊維成形体を用いて行われる高圧鋳
造による複合材料の製造の鋳造工程を示す解図で
ある。 1……結晶質アルミナ−シリカ短繊維、2a…
…ケース、2……繊維成形体、3……鋳型、4…
…モールドキヤビテイ、5……アルミニウム合金
の溶湯、6……プランジヤ。
実質的にSiO2なる組成を有し、ムライト結晶量
が60%であり、体積率が20%、10%、5%、40
%、30%である結晶質アルミナ−シリカ短繊維に
て強化されたアルミニウム合金よりなる複合材料
について行われた曲げ試験の結果に基づき、Cu
含有量をパラメータとしてMg含有量と複合材料
の曲げ強さとの関係を示すグラフ、第6図及び第
7図はそれぞれ72%Al2O3、残部実質的にSiO2な
る組成を有し、体積率が10%及び30%である非晶
質アルミナ−シリカ短繊維にて強化されたアルミ
ニウム合金よりなる複合材料について行われた曲
げ試験の結果に基づき、Cu含有量をパラメータ
としてMg含有量と複合材料の曲げ強さとの関係
を示すグラフ、第8図は77%Al2O3、残部実質的
にSiO2なる組成を有し、ムライト結晶量が60%
であり、体積率が10%である結晶質アルミナ−シ
リカ短繊維にて強化されたアルミニウム合金より
なる複合材料について行われた曲げ試験の結果に
基づき、Cu含有量をパラメータとしてMg含有量
と複合材料の曲げ強さとの関係を示すグラフ、第
9図は77%Al2O3、残部実質的にはSiO2なる組成
を有し、体積率が30%である非晶質アルミナ−シ
リカ短繊維にて強化されたアルミニウム合金より
なる複合材料について行われた曲げ試験の結果に
基づき、Cu含有量をパラメータとしてMg含有量
と複合材料の曲げ強さとの関係を示すグラフ、第
10図は67%Al2O3、残部実質的にSiO2なる組成
を有し、ムライト結晶量が60%であり、体積率が
30%である結晶質アルミナ−シリカ短繊維にて強
化されたアルミニウム合金よりなる複合材料につ
いて行われた曲げ試験の結果に基づき、Cu含有
量をパラメータとしてMg含有量と複合材料の曲
げ強さとの関係を示すグラフ、第11図は67%
Al2O3、残部実質的にSiO2なる組成を有し、体積
率が10%である非晶質アルミナ−シリカ短繊維に
て強化されたアルミニウム合金よりなる複合材料
について行われた曲げ試験の結果に基づき、Cu
含有量をパラメータとしてMg含有量と複合材料
の曲げ強さとの関係を示すグラフ、第12図は
Cu含有量が4%でありMg含有量が2%であり残
部が実質的にAlであるアルミニウム合金をマト
リツクス金属とし、種々の体積率の結晶質アルミ
ナ−シリカ短繊維及び非晶質アルミナ−シリカ短
繊維を強化繊維とする複合材料について行われた
曲げ試験の結果に基づき、繊維体積率と複合材料
の曲げ強さとの関係を示すグラフ、第13図は
Cu含有量が4%でありMg含有量が2%であり残
部が実質的にAlであるアルミニウム合金をマト
リツクス金属とし、ムライト結晶量が種々の値で
ある結晶質アルミナ−シリカ短繊維を強化繊維と
する複合材料について行われた曲げ試験の結果に
基づき、ムライト結晶量と複合材料の曲げ強さと
の関係を示すグラフ、第14図は個々の結晶質ア
ルミナ−シリカ短繊維が二次元ランダムにて配向
された繊維成形体を示す斜視図、第15図は第1
4図に示された繊維成形体がステンレス鋼製のケ
ース内に充填された状態を示す斜視図、第16図
は第15図に示されたステンレス鋼製のケース内
に充填された繊維成形体を用いて行われる高圧鋳
造による複合材料の製造の鋳造工程を示す解図で
ある。 1……結晶質アルミナ−シリカ短繊維、2a…
…ケース、2……繊維成形体、3……鋳型、4…
…モールドキヤビテイ、5……アルミニウム合金
の溶湯、6……プランジヤ。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 65%を越え80%未満のAl2O3、20%を越え35
%未満のSiO2、0〜10%の他の成分なる組成を
有するアルミナ−シリカ短繊維を強化繊維とし、
Cu含有量が2〜6%でありMg含有量が1.5〜3.5
%であり残部が実質的にAlであるアルミニウム
合金をマトリツクス金属とし、前記アルミナ−シ
リカ短繊維の体積率が5〜50%であるアルミナ−
シリカ短繊維強化アルミニウム合金。 2 特許請求の範囲第1項のアルミナ−シリカ短
繊維強化アルミニウム合金に於て、前記アルミナ
−シリカ短繊維の体積率は5〜40%であることを
特徴とするアルミナ−シリカ短繊維強化アルミニ
ウム合金。 3 特許請求の範囲第2項のアルミナ−シリカ短
繊維強化アルミニウム合金に於て、前記アルミナ
−シリカ短繊維の体積率は30〜40%であり、前記
アルミニウム合金のCu含有量は2〜5.5%である
ことを特徴とするアルミナ−シリカ短繊維強化ア
ルミニウム合金。
Priority Applications (6)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4649886A JPS62205238A (ja) | 1986-03-04 | 1986-03-04 | アルミナ−シリカ短繊維強化アルミニウム合金 |
CA000527792A CA1335044C (en) | 1986-01-31 | 1987-01-21 | Composite material including alumina-silica short fiber reinforcing material and aluminum alloy matrix metal with moderate copper and magnesium contents |
AU67932/87A AU591959B2 (en) | 1986-01-31 | 1987-01-22 | Composite material including alumina-silica short fiber reinforcing material and aluminum alloy matrix metal with moderate copper and magnesium contents |
US07/007,790 US4777097A (en) | 1986-01-31 | 1987-01-28 | Composite material including alumina-silica short fiber reinforcing material and aluminum alloy matrix metal with moderate copper and magnesium contents |
DE8787101213T DE3765436D1 (de) | 1986-01-31 | 1987-01-29 | Verbundwerkstoff mit kurzen tonerde-silikatfasern als verstaerkungselement und eine matrix, bestehend aus einer aluminiumlegierung mit geringem kupfer- und magnesiumgehalt. |
EP87101213A EP0235574B1 (en) | 1986-01-31 | 1987-01-29 | Composite material including alumina-silica short fiber reinforcing material and aluminum alloy matrix metal with moderate copper and magnesium contents |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4649886A JPS62205238A (ja) | 1986-03-04 | 1986-03-04 | アルミナ−シリカ短繊維強化アルミニウム合金 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS62205238A JPS62205238A (ja) | 1987-09-09 |
JPH0364581B2 true JPH0364581B2 (ja) | 1991-10-07 |
Family
ID=12748900
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4649886A Granted JPS62205238A (ja) | 1986-01-31 | 1986-03-04 | アルミナ−シリカ短繊維強化アルミニウム合金 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS62205238A (ja) |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS59118864A (ja) * | 1982-12-27 | 1984-07-09 | Mazda Motor Corp | 高強度Al系FRM |
-
1986
- 1986-03-04 JP JP4649886A patent/JPS62205238A/ja active Granted
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS59118864A (ja) * | 1982-12-27 | 1984-07-09 | Mazda Motor Corp | 高強度Al系FRM |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS62205238A (ja) | 1987-09-09 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |