JPH0526855B2 - - Google Patents
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Description
産業上の利用分野
本発明は、繊維強化金属複合材料に係り、更に
詳細にはアルミナ−シリカ短繊維を強化繊維とし
アルミニウム合金をマトリツクス金属とする複合
材料、即ちアルミナ−シリカ短繊維強化アルミニ
ウム合金に係る。 従来の技術及び発明が解決しようとする問題点 繊維強化金属複合材料のマトリツクス金属を成
すアルミニウム合金としては、従来より一般に下
記の如き鋳造用アルミニウム合金又は展伸用アル
ミニウム合金が使用されている。 鋳造用アルミニウム合金 JIS規格AC8A(0.8〜1.3%Cu、11.0〜13.0%Si、
0.7〜1.3%Mg、0.8〜1.5%Ni、残部実質的にAl) JIS規格AC8B(2.0〜4.0%Cu、8.5〜10.5%Si、
0.5〜1.5%Mg、0.1〜1%Ni、残部実質的にAl) JIS規格AC4C(0.25%≧Cu、6.5〜7.5%Si、0.25
〜0.45%Mg、残部実質的にAl) AA規格A201(4〜5%Cu、0.2〜0.4%Mn、
0.15〜0.35%Mg、0.15〜0.35%Ti、残部実質的に
Al) AA規格A356(6.5〜7.5%Si、0.25〜0.45%Mg、
0.2≧Fe、0.2%≧Cu、残部実質的にAl) Al−2〜3%Li合金(デユポン社) 展伸用アルミニウム合金 JIS規格6061(0.4〜0.8%Si、0.15〜0.4%Cu、0.8
〜1.2%Mg、0.04〜0.35%Cr、残部実質的にAl) JIS規格5056(0.3%≧Si、0.4%≧Fe、0.1%≧
Cu、0.05〜0.2%Mn、4.5〜5.6%Mg、0.05〜0.2%
Cr、0.1%≧Zn、残部実質的にAl) JIS規格7075(0.4%≧Si、0.5%≧Fe、1.2〜2.0
%Cu、0.3≧Mn、2.1〜2.9%Mg、0.18〜0.28%
Cr、5.1〜6.1%Zn、0.2%Ti、残部実質的にAl) これらのアルミニウム合金をマトリツクス金属
とする複合材料に関する従来の研究は、これら在
来のアルミニウム合金の組成を変えずにそれらの
強度等を繊維強化により向上させる目的で行われ
ており、従つて複合材料の製造に従来より使用さ
れているこれらのアルミニウム合金は、強化繊維
との関連に於て必ずしも最適の組成を有するもの
ではなく、そのため上述の如き従来より使用され
ているアルミニウム合金によつては、アルミニウ
ム合金をマトリツクス金属とする複合材料の機械
的性質、特に強度を最適化することはできない。 本願発明者等は、従来より一般に使用されてい
るアルミニウム合金をマトリツクス金属とする複
合材料に於ける上述の如き問題に鑑み、従来より
繊維強化金属複合材料の製造に使用されている
種々の強化繊維の中でも比較的低廉であり高強度
を有し高温安定性及び強度向上効果に優れたアル
ミナ−シリカ短繊維を強化繊維とする複合材料に
於て、そのマトリツクス金属としてのアルミニウ
ム合金が如何なる組成を有するものが最適である
かについて種々の実験的研究を行つた結果、Cu
及びMg含有量がそれぞれ特定の範囲にあり且Si、
Ni、Zn等の元素を実質的に含有しないアルミニ
ウム合金がマトリツクス金属として最適であるこ
とを見出した。 本発明は本願発明者等が行つた種々の実験的研
究の結果得られた知見に基づき、アルミナ−シリ
カ短繊維を強化繊維としアルミニウム合金をマト
リツクス金属とする複合材料であつて、曲げ強さ
の如き機械的性質に優れた複合材料を提供するこ
とを目的としている。 問題点を解決するための手段 上述の如き目的は、本発明によれば、35〜65%
Al2O3、65〜35%SiO2、0〜10%他の成分なる組
成を有するアルミナ−シリカ短繊維を強化繊維と
し、Cu含有量が2〜6%でありMg含有量が0.5
〜3.5%であり残部が実質的にAlであるアルミニ
ウム合金をマトリツクス金属とし、前記アルミナ
−シリカ短繊維の体積率が5〜50%であるアルミ
ナ−シリカ短繊維強化アルミニウム合金によつて
達成される。 発明の作用及び効果 本発明によれば、強化繊維として比較的低廉で
あり高強度を有し高温安定性及び強度向上効果に
優れたアルミナ−シリカ短繊維が使用され、マト
リツクス金属としてCu含有量が2〜6%であり
Mg含有量が0.5〜3.5%であり残部が実質的にAl
であるアルミニウム合金が使用され、アルミナ−
シリカ短繊維の体積率が5〜50%に設定されるこ
とにより、後に説明する本願発明者等が行つた実
験的研究の結果より明確である如く、強度等の機
械的性質に優れた低廉な複合材料を得ることがで
きる。 また本発明によれば、従来のアルミナ−シリカ
短繊維強化アルミニウム合金と同等の強度が得ら
れれば十分である場合には、アルミナ−シリカ短
繊維の体積率は従来に比して低い値であつてよ
く、従つて使用されるアルミナ−シリカ短繊維の
使用量を低減することができるので、複合材料の
被削性や生産性を向上させることができ、また複
合材料のコストを低減することができる。 複合材料のマトリツクス金属としてのAlにCu
が添加されると、そのAlの強度が向上し、これ
により複合材料の強度が向上するが、Cu含有量
が2%未満ではその効果が十分ではなく、逆に
Cu含有量が6%を越えると複合材料は極めて脆
弱になり、早期に破壊するようになる。従つて本
発明の複合材料に於けるマトリツクス金属として
のアルミニウム合金のCu含有量は2〜6%、好
ましくは2〜5.5%とされる。 また強化繊維としてのアルミナ−シリカ短繊維
の表面には通常酸化物が存在しており、マトリツ
クス金属の溶湯中に酸化物形成傾向の強いMgが
含有されていれば、Mgがアルミナ−シリカ短繊
維表面の酸化物と反応してアルミナ−シリカ短繊
維の表面を還元させるため、溶融マトリツクス金
属とアルミナ−シリカ短繊維との密着性が向上
し、Mg含有量が2〜3%程度までの範囲に於て
はMg含有量の増大につれて複合材料の強度が増
大する。しかしMg含有量が3.5%を越えると複合
材料の強度が急激に低下してしまう。従つて本発
明に於けるマトリツクス金属としてのアルミニウ
ム合金のMg含有量は0.5〜3.5%、好ましくは0.5
〜3%とされる。 また上述の如き組成を有するアルミニウム合金
をマトリツクス金属とする複合材料に於ては、ア
ルミナ−シリカ短繊維の体積率が5%未満の場合
には十分な強度を確保することができず、またア
ルミナ−シリカ短繊維の体積率が40%、特に50%
を越えると、アルミナ−シリカ短繊維の体積率が
増大されても複合材料の強度はそれほど増大しな
い。また複合材料の耐摩耗性はアルミナ−シリカ
短繊維の体積率の増大と共に向上するが、アルミ
ナ−シリカ短繊維の体積率が0〜5%程度の範囲
に於て繊維体積率の増大と共に急激に増大し、繊
維体積率が約5%以上の領域に於ては、繊維体積
率が増大されても複合材料の耐摩耗性はそれほど
向上しない。従つて本発明の一つの特徴によれ
ば、アルミナ−シリカ短繊維の体積率は5〜50
%、好ましくは5〜40%とされる。 また本発明の複合材料に於けるアルミナ−シリ
カ短繊維は非晶質アルミナ−シリカ短繊維及び結
晶質アルミナ−シリカ短繊維(ムライト結晶
(3Al2O3・2SiO2)を含むアルミナ−シリカ短繊
維)の何れであつてもよく、アルミナ−シリカ短
繊維として結晶質アルミナ−シリカ短繊維が使用
される場合に於ては、アルミニウム合金が上述の
組成を有していれば、結晶質アルミナ−シリカ短
繊維のムライト結晶量の如何に拘らず、他の組成
のアルミニウム合金がマトリツクス金属として使
用される場合に比して、複合材料の強度を向上さ
せることができる。 また本願発明者等が行つた他の実験的研究の結
果によれば、アルミナ−シリカ短繊維が非晶質で
あると結晶質であるとを問わず、アルミナ−シリ
カ短繊維の体積率が上述の好ましい範囲の比較的
高い領域にある場合、即ち30〜40%である場合に
は、アルミニウム合金のCu含有量は2〜5.5%で
あることが好ましい。従つて本発明の他の一つの
詳細な特徴によれば、アルミナ−シリカ短繊維の
体積率が30〜40%である場合には、アルミニウム
合金のCu含有量は2〜5.5%とされる。 またアルミナ−シリカ短繊維として非晶質アル
ミナ−シリカ短繊維が使用される場合には、アル
ミニウム合金のMg含有量は0.5〜3%であること
が好ましい。従つて本発明の更に他の一つの詳細
な特徴によれば、アルミナ−シリカ短繊維が非晶
質アルミナ−シリカ短繊維である場合には、アル
ミニウム合金のMg含有量は0.5〜3%とされ、非
晶質アルミナ−シリカ短繊維の体積率が30〜40%
である場合には、アルミニウム合金のCu含有量
は2〜5.5%とされ、Mg含有量は0.5〜3%とさ
れる。 また本発明の複合材料のマトリツクス金属とし
てのアルミニウム合金のCu含有量は比較的高い
値であり、アルミニウム合金中のCu濃度にムラ
がある場合には、Cu濃度が高い部分が脆弱にな
り、従つて均質なマトリツクス金属を得ることが
できない。従つて本発明の更に他の一つの詳細な
特徴によれば、アルミニウム合金中のCu濃度が
均一になるよう、Cu含有量が0%以上3.5%未満
であるアルミニウム合金をマトリツクス金属とす
る複合材料は、480〜520℃にて2〜8時間に亙る
溶体化処理が施され、好ましくは更に150〜200℃
にて2〜8時間に亙る時効処理が施され、また
Cu含有量が3.5〜6%であるアルミニウム合金を
マトリツクス金属とする複合材料は、460〜510℃
にて2〜8時間に亙る溶体化処理が施され、好ま
しくは更に150〜200℃にて2〜8時間に亙る時効
処理が施される。 更に本発明の複合材料に於けるアルミナ−シリ
カ短繊維又はアルミナ−シリカの不連続繊維はア
ルミナ−シリカの連続繊維が所定の長さに切断さ
れたものの何れであつてもよい。またアルミナ−
シリカ短繊維の繊維長は10μ〜7cm、特に10μ〜
5cm程度であることが好ましく、繊維径は1〜
30μ、特に1〜25μ程度であることが好ましい。 尚本発明に関連する繊維強化アルミニウム合金
として、本願出願人と同一の出願人の出願にかか
る特願昭60−120786号、同60−120787号、同60−
120788号明細書には、それぞれ炭化ケイ素短繊
維を強化繊維とし、Cu含有量が2〜6%であり
Mg含有量が2〜4%であり残部が実質的にAlで
あるアルミニウム合金をマトリツクス金属とし、
前記炭化ケイ素短繊維の体積率が5〜50%である
炭化ケイ素短繊維強化アルミニウム合金、アル
ミナ短繊維を強化繊維とし、Cu含有量が2〜6
%でありMg含有量が0.5〜4%であり残部が実質
的にAlであるアルミニウム合金をマトリツクス
金属とし、前記アルミナ短繊維の体積率が5〜50
%であるアルミナ短繊維強化アルミニウム合金、
炭化ケイ素短繊維を強化繊維とし、Cu含有量
が2〜6%でありMg含有量が0〜2%であり残
部が実質的にAlであるアルミニウム合金をマト
リツクス金属とし、前記炭化ケイ素短繊維の体積
率が5〜50%である炭化ケイ素短繊維強化アルミ
ニウム合金が開示されている。 本明細書に於けるパーセンテージは繊維の体積
率の表現の場合を除き全て重量%であり、アルミ
ニウム合金の組成の表現に於ける「実質的にAl」
とはマトリツクス金属としてのアルミニウム合金
中に含まれるAl、Cu、Mg以外のSi、Fe、Zn、
Mn、Ni、Ti、Crの如き不可避的な金属元素の
合計が1%以下であることを意味し、アルミナ−
シリカ短繊維の組成の表現に於ける「実質的に
SiO2」とはアルミナ−シリカ短繊維を構成する
Al2O3及びSiO2以外の元素が不純物程度にしか含
まれていないことを意味する。更に本明細書に於
ける組成や温度に関する「以上」「以下」「〜」に
よる範囲の表示に於ては、それら自身の値がその
範囲に含まれているものとする。 以下に添付の図を参照しつつ、本発明を実施例
について詳細に説明する。 実施例 1 結晶質アルミナ−シリカ短繊維を強化繊維とし
アルミニウム合金をマトリツクス金属とする複合
材料に於てその強度を向上させるためにはアルミ
ニウム合金が如何なる組成のものが適切であるか
についての検討を行うべく、結晶質アルミナ−シ
リカ短繊維(65%Al2O3、残部実質的にSiO2、ム
ライト結晶量60%、平均繊維長1mm、平均繊維径
3μm)を強化繊維とし、Al−Cu−Mg系の種々の
組成のアルミニウム合金をマトリツクス金属とす
る複合材料を高圧鋳造法により製造し、各複合材
料について曲げ強さの評価を行つた。 まず純アルミニウムの地金(純度99%以上)と
純マグネシウム(純度99%以上)とAl−50%Cu
母合金とを配合することにより、下記の表1に示
されている如く種々のCu及びMg含有量を有し残
部が実質的にAlであるアルミニウム合金A1〜
A56を形成した。次いで結晶質アルミナ−シリカ
短繊維の集合体に対しバインダを使用しないで圧
縮成形を行うことにより、第17図に示されてい
る如く結晶質アルミナ−シリカ短繊維1よりなり
繊維体積率が20%、10%、及び5%である38×
100×16mmの繊維成形体2を形成した。この場合
個々の結晶質アルミナ−シリカ短繊維1は第17
図に示されている如く、38×100mmの平面に平行
な平面内に於てはランダムに配向され、この平面
に垂直な方向に積重ねられた二次元ランダムに配
向された。 次いで第18図に示されている如く、繊維成形
体2をステンレス鋼製の両端にて開口した四角柱
状のケース2a内に充填し、繊維成形体2をケー
スごと600℃に加熱し、しかる後第19図に示さ
れている如く250℃の鋳型3のモールドキヤビテ
イ4内に配置し、該鋳型内に700℃のアルミニウ
ム合金の溶湯5を素早く注湯し、該溶湯を約200
℃のプランジヤ6により1000Kg/cm2の圧力にて加
圧し、その加圧状態をアルミニウム合金の溶湯が
完全に凝固するまで保持した。かくして鋳型3内
の溶湯が完全に凝固した後、その凝固体を鋳型よ
り取出し、凝固体のケースの周りに存在するアル
ミニウム合金のみよりなる部分を切削により除去
し、更にケースより結晶質アルミナ−シリカ短繊
維を強化繊維としアルミニウム合金をマトリツク
ス金属とし繊維体積率が20%、10%、5%である
複合材料を取出した。 次いでアルミニウム合金のMg含有量に拘ら
ず、Cu含有量が2%未満であるアルミニウム合
金をマトリツクス金属とする複合材料に対して
は、530℃にて8時間に亙る溶体化処理と160℃に
て8時間に亙る人工時効処理を施し、Cu含有量
が2%以上3.5%未満であるアルミニウム合金を
マトリツクス金属とする複合材料に対しては、
500℃にて8時間に亙る溶体化処理と160℃にて8
時間に亙る人工時効処理を施し、Cu含有量が3.5
%以上6.5%以下であるアルミニウム合金をマト
リツクス金属とする複合材料に対しては、480℃
にて8時間に亙る溶体化処理と160℃にて8時間
に亙る人工時効処理を施した。 次いで上述の如く製造され熱処理が施された各
複合材料より、長さ50mm、幅10mm、厚さ2mmの曲
げ試験片をその50×10mmの平面が繊維配向の二次
元ランダム平面に平行になるよう切出し、各曲げ
試験片について支点間距離40mmにて3点曲げ試験
を行つた。尚これらの曲げ試験に於ては、破断時
に於ける表面応力M/Z(M=破断時に於ける曲
げモーメント、Z=曲げ試験片の断面係数)を複
合材料の曲げ強さとして測定した。 これらの曲げ試験の結果を下記の表2、第1図
乃至第3図に示す。尚表2に示された各複合材料
の曲げ強さの単位はKg/mm2であり、第1図乃至第
3図はそれぞれ繊維体積率が20%、10%、5%で
ある複合材料について、表2に示されたデータに
基づきCu含有量をパラメータとしてMg含有量と
複合材料の曲げ強さ(Kg/mm2)との関係を表わし
ている。 表2及び第1図乃至第3図より、結晶質アルミ
ナ−シリカ短繊維の体積率が20%、10%、5%の
何れの複合材料についても、複合材料の曲げ強さ
はCu含有量が1.5%又は6.5%の場合にはMg含有
量に拘らず比較的低い値であり、また複合材料の
曲げ強さはMg含有量が実質的に0%又は4%の
場合にCu含有量の如何に拘らず比較的低い値で
あり、Mg含有量が1〜3%の範囲に於て曲げ強
さが最大値になり、Mg含有量がこの範囲より増
大し又は減少するにつれて曲げ強さが徐々に減少
し、Mg含有量が0.5%未満及び3.5%を越える範
囲に於てはそれぞれMg含有量の減少(Cu含有量
が6%及び6.5%の場合を除く)及び増大につれ
て曲げ強さが急激に低下し、Mg含有量が4%の
場合に於ける曲げ強さはMg含有量が0%の場合
と実質的に同等の値になることが解る。 これらの曲げ試験の結果より、繊維体積率20
%、10%、5%の結晶質アルミナ−シリカ短繊維
を強化繊維としAl−Cu−Mg系のアルミニウム合
金をマトリツクス金属とする複合材料の強度を向
上させるためには、マトリツクス金属としてのア
ルミニウム合金のCu含有量は2〜6%であり、
Mg含有量は0.5〜3.5%であることが好ましいこ
とが解る。 実施例 2 結晶質アルミナ−シリカ短繊維の体積率が40%
及び30%に設定された点を除き実施例1の場合と
同一の要領及び条件にて製造された複合材料につ
いて、実施例1の曲げ試験と同様の曲げ試験を行
つた。これらの曲げ試験の結果を下記の表2、第
4図及び第5図に示す。尚第4図及び第5図はそ
れぞれ繊維体積率が40%及び30%である複合材料
について、表2に示されたデータに基づきCu含
有量をパラメータとしてMg含有量と複合材料の
曲げ強さ(Kg/mm2)との関係を表わしている。 表2、第4図及び第5図より、結晶質アルミナ
−シリカ短繊維の体積率が40%及び30%の何れの
複合材料についても、複合材料の曲げ強さはCu
含有量が1.5%又は6.5%の場合にはMg含有量に
拘らず比較的低い値であり、また複合材料の曲げ
強さはMg含有量が実質的に0%又は4%の場合
にCu含有量の如何に拘らず比較的低い値であり、
Mg含有量が2〜3%の範囲に於て曲げ強さが最
大値になり、Mg含有量がこの範囲より増大し又
は減少するにつれて曲げ強さが徐々に減少し、
Mg含有量が0.5%未満及び3.5%を越える範囲に
於てはそれぞれMg含有量の減少(Cu含有量が6
%及び6.5%の場合を除く)及び増大につれて曲
げ強さが急激に低下し、Mg含有量が4%の場合
に於ける曲げ強さはMg含有量が0%の場合と実
質的に同等の値になることが解る。 これらの曲げ試験の結果より、繊維体積率40%
及び30%の結晶質アルミナ−シリカ短繊維を強化
繊維としAl−Cu−Mg系のアルミニウム合金をマ
トリツクス金属とする複合材料の強度を向上させ
るためには、マトリツクス金属としてのアルミニ
ウム合金のCu含有量は2〜6%、特に2〜5.5%
であり、Mg含有量は0.5〜3.5%であることが好
ましいことが解る。 実施例 3 結晶質アルミナ−シリカ短繊維として49%
Al2O3、残部実質的にSiO2なる組成を有し、ムラ
イト結晶量が60%である結晶質アルミナ−シリカ
短繊維(平均繊維長1mm、平均繊維径3μm)が
使用され、繊維体積率が30%及び10%に設定され
た点を除き、実施例1の場合と同一の要領及び条
件にて製造された複合材料について、実施例1の
曲げ試験と同様の曲げ試験を行つた。これらの曲
げ試験の結果を下記の表3、第6図及び第7図に
示す。尚表3に示された各複合材料の曲げ強さの
単位はKg/mm2であり、第6図及び第7図はそれぞ
れ繊維体積率が30%及び10%である複合材料につ
いて、表3に示されたデータに基づきCu含有量
をパラメータとしてMg含有量と複合材料の曲げ
強さ(Kg/mm2)との関係を表わしている。 表3、第6図及び第7図より、結晶質アルミナ
−シリカ短繊維の体積率が30%及び10%の何れの
複合材料についても、複合材料の曲げ強さはCu
含有量が1.5%又は6.5%の場合にはMg含有量に
拘らず比較的低い値であり、また複合材料の曲げ
強さはMg含有量が実質的に0%又は4%の場合
にCu含有量の如何に拘らず比較的低い値であり、
Mg含有量が2〜3%の範囲に於て曲げ強さが最
大値になり、Mg含有量がこの範囲より増大し又
は減少するにつれて曲げ強さが徐々に減少し、
Mg含有量が0.5%未満及び3.5%を越える範囲に
於てはそれぞれMg含有量の減少(Cu含有量が6
%及び6.5%の場合を除く)及び増大につれて曲
げ強さが急激に低下し、Mg含有量が4%の場合
に於ける曲げ強さはMg含有量が0%の場合と実
質的に同等又はそれ以下の値になることが解る。 これらの曲げ試験の結果より、49%Al2O3、残
部実質的にSiO2なる組成を有し、繊維体積率が
30%及び10%である結晶質アルミナ−シリカ短繊
維を強化繊維としAl−Cu−Mg系のアルミニウム
合金をマトリツクス金属とする複合材料の場合に
もその強度を向上させるためには、マトリツクス
金属としてのアルミニウム合金のCu含有量は2
〜6%であり、Mg含有量は0.5〜3.5%であるこ
とが好ましいことが解る。 実施例 4 アルミナ−シリカ短繊維として35%Al2O3、残
部実質的にSiO2なる組成を有し、ムライト結晶
量が40%である結晶質アルミナ−シリカ短繊維
(平均繊維長1mm、平均繊維径3μm)が使用さ
れ、繊維体積率が30%及び10%に設定された点を
除き、実施例1の場合と同一の要領及び条件にて
製造された複合材料について、実施例1の曲げ試
験と同様の曲げ試験を行つた。これらの曲げ試験
の結果を下記の表4、第8図及び第9図に示す。
尚表4に示された各複合材料の曲げ強さの単位は
Kg/mm2であり、第8図及び第9図はそれぞれ繊維
体積率が30%及び10%である複合材料について、
表4に示されたデータに基づきCu含有量をパラ
メータとしてMg含有量と複合材料の曲げ強さ
(Kg/mm2)との関係を表わしている。 表4、第8図及び第9図より、結晶質アルミナ
−シリカ短繊維の体積率が30%及び10%の何れの
複合材料についても、複合材料の曲げ強さはCu
含有量が1.5%又は6.5%の場合にはMg含有量に
拘らず比較的低い値であり、また複合材料の曲げ
強さはMg含有量が実質的に0%又は4%の場合
にCu含有量の如何に拘らず比較的低い値であり、
Mg含有量が2〜3%の範囲に於て曲げ強さが最
大値になり、Mg含有量がこの範囲より増大し又
は減少するにつれて曲げ強さが徐々に減少し、
Mg含有量が0.5%未満及び3.5%を越える範囲に
於てはそれぞれMg含有量の減少(Cu含有量が6
%及び6.5%の場合を除く)及び増大につれて曲
げ強さが急激に低下し、Mg含有量が4%の場合
に於ける曲げ強さはMg含有量が0%の場合と実
質的に同等又はそれ以下の値になることが解る。 これらの曲げ試験の結果より、35%Al2O3、残
部実質的にSiO2なる組成を有し、繊維体積率が
30%及び10%である結晶質アルミナ−シリカ短繊
維を強化繊維としAl−Cu−Mg系のアルミニウム
合金をマトリツクス金属とする複合材料の場合に
もその強度を向上させるためには、マトリツクス
金属としてのアルミニウム合金のCu含有量は2
〜6%であり、Mg含有量は0.5〜3.5%であるこ
とが好ましいことが解る。 実施例 5 アルミナ−シリカ短繊維として49%Al2O3、残
部実質的にSiO2なる組成を有する非晶質アルミ
ナ−シリカ短繊維が使用され、繊維体積率が20
%、10%、及び5%に設定された点を除き、実施
例1の場合と同一の要領及び条件にて製造された
複合材料について、実施例1の曲げ試験と同様の
曲げ試験を行つた。これらの曲げ試験の結果を下
記の表5、第10図乃至第12図に示す。尚表5
に示された各複合材料の曲げ強さの単位はKg/mm2
であり、第10図乃至第12図はそれぞれ繊維体
積率が20%、10%、5%である複合材料につい
て、表5に示されたデータに基づきCu含有量を
パラメータとしてMg含有量と複合材料の曲げ強
さ(Kg/mm2)との関係を表わしている。 表5、第10図乃至第12図より、結晶質アル
ミナ−シリカ短繊維の体積率が20%、10%、及び
5%の何れの複合材料についても、複合材料の曲
げ強さはCu含有量が1.5%又は6.5%の場合には
Mg含有量に拘らず比較的低い値であり、また複
合材料の曲げ強さはMg含有量が実質的に0%又
は4%の場合にCu含有量の如何に拘らず比較的
低い値であり、Mg含有量が1〜2%の範囲に於
て曲げ強さが最大値になり、Mg含有量がこの範
囲より増大し又は減少するにつれて曲げ強さが
徐々に減少し、Mg含有量が0.5%未満及び3.5%
を越える範囲に於てはそれぞれMg含有量の減少
(Cu含有量が6%及び6.5%の場合を除く)及び増
大につれて曲げ強さが急激に低下し、Mg含有量
が4%の場合に於ける曲げ強さはMg含有量が0
%の場合と実質的に同等又はそれ以下の値になる
ことが解る。 これらの曲げ試験の結果より、49%Al2O3、残
部実質的にSiO2なる組成を有し、繊維体積率が
20%、10%、及び5%である非結晶質アルミナ−
シリカ短繊維を強化繊維としAl−Cu−Mg系のア
ルミニウム合金をマトリツクス金属とする複合材
料の場合にもその強度を向上させるためには、マ
トリツクス金属としてのアルミニウム合金のCu
含有量は2〜6%であり、Mg含有量は0.5〜3.5
%、特に0.5〜3%であることが好ましいことが
解る。 実施例 6 アルミナ−シリカ短繊維として49%Al2O3、残
部実質的にSiO2なる組成を有する非晶質アルミ
ナ−シリカ短繊維が使用され、繊維体積率が40%
及び30%に設定された点を除き、実施例1の場合
と同一の要領及び条件にて製造された複合材料に
ついて、実施例1の曲げ試験と同様の曲げ試験を
行つた。これらの曲げ試験の結果を下記の表5、
第13図及び第14図に示す。尚第13図及び第
14図はそれぞれ繊維体積率が40%及び30%であ
る複合材料について、表5に示されたデータに基
づきCu含有量をパラメータとしてMg含有量と複
合材料の曲げ強さ(Kg/mm2)との関係を表わして
いる。 表5、第13図及び第14図より、非結晶アル
ミナ−シリカ短繊維の体積率が40%及び30%の何
れの複合材料についても、複合材料の曲げ強さは
Cu含有量が1.5%又は6.5%の場合にはMg含有量
に拘らず比較的低い値であり、また複合材料の曲
げ強さはMg含有量が実質的に0%又は4%の場
合にCu含有量の如何に拘らず比較的低い値であ
り、Mg含有量が1〜2%の範囲に於て曲げ強さ
が最大値になり、Mg含有量がこの範囲より増大
し又は減少するにつれて曲げ強さが徐々に減少
し、Mg含有量が0.5%未満及び3.5%を越える範
囲に於てはそれぞれMg含有量の減少及び増大に
つれて曲げ強さが急激に低下し、Mg含有量が4
%の場合に於ける曲げ強さはMg含有量が0%の
場合と実質的に同等の値又はそれ以下の値になる
ことが解る。 これらの曲げ試験の結果より、49%Al2O3、残
部実質的にSiO2なる組成を有し、繊維体積率が
40%及び30%である非晶質アルミナ−シリカ短繊
維を強化繊維としAl−Cu−Mg系のアルミニウム
合金をマトリツクス金属とする複合材料の場合に
もその強度を向上させるためには、マトリツクス
金属としてのアルミニウム合金のCu含有量は2
〜6%、特に2〜5.5%であり、Mg含有量は0.5
〜3.5%、特に0.5〜3%であることが好ましいこ
とが解る。 実施例 7 上述の各実施例より、アルミナ−シリカ短繊維
が結晶質及び非晶質アルミナ−シリカ短繊維の何
れの場合にも、アルミニウム合金のCu含有量及
びMg含有量はそれぞれ2〜6%、0.5〜3.5%で
あることが好ましいことが解つたので、強化繊維
であるアルミナ−シリカ短繊維の体積率が如何な
る値であることが適切であるかの検討を行うべ
く、Cu含有量が4%でありMg含有量が1%であ
り残部が実質的にAlであるアルミニウム合金を
マトリツクス金属とし、それぞれ上述の実施例3
及び5に於て使用された結晶質アルミナ−シリカ
短繊維及び非晶質アルミナ−シリカ短繊維を強化
繊維とし、繊維体積率が5%、10%、20%、30
%、40%、50%である複合材料B1〜B6及びC1〜
C6を実施例1の場合と同一の要領及び条件にて
製造し、各複合材料に対し実施例1の場合と同一
の条件にて溶体化処理及び人工時効処理を施し、
各複合材料より実施例1の場合と同一の要領にて
同一寸法の曲げ試験片B1〜B6及びC1〜C6を切出
し、各曲げ試験片について実施例1の場合と同一
の要領及び条件にて曲げ試験を行つた。 またCu含有量が4%でありMg含有量が1%で
あり残部が実質的にAlであるアルミニウム合金
の鋳物に対し実施例1の場合と同一の条件にて溶
体化処理及び人工時効処理を施し、該鋳物より実
施例1の場合と同一の寸法の曲げ試験片B0及び
C0を切出し、それらの曲げ試験片についても実
施例1の場合と同一の要領及び条件にて曲げ試験
を行つた。これらの曲げ試験の結果を第15図に
示す。 第15図より、繊維の種類に拘らず、繊維体積
率が0〜5%の範囲に於ては、繊維体積率が増大
されても複合材料の曲げ強さは殆ど向上せず、マ
トリツクス金属であるアルミニウム合金の曲げ強
さと同等の値であり、繊維体積率が5〜30%の範
囲に於ては、繊維体積率の増大に伴ない曲げ強さ
が実質的に線形的に増大し、繊維体積率が40%以
上、特に50%以上の範囲に於ては、曲げ強さは繊
維体積率が増大されても殆ど向上しないことが解
る。従つて強化繊維としてアルミナ−シリカ短繊
維の体積率は、その種類に拘らず、5〜50%、特
に5〜40%であることが望ましいことが解る。 実施例 8 アルミナ−シリカ短繊維として結晶質アルミナ
−シリカ短繊維が使用される場合に於て、ムライ
ト結晶量が複合材料の曲げ強さに対し如何なる影
響を及ぼすかについての検討を行うべく、Cu含
有量が4%でありMg含有量が2%であり残部が
実質的にAlであるアルミニウム合金をマトリツ
クス金属として、65%Al2O3、残部実質的にSiO2
なる組成を有し、ムライト結晶量が0%、20%、
40%、60%であり、繊維体積率が10%及び30%で
ある結晶質アルミナ−シリカ短繊維を強化繊維と
する複合材料D0〜D4及びE0〜E4、49%Al2O3、
残部実質的にSiO2なる組成を有し、ムライト結
晶量が0%、20%、40%、60%であり、繊維体積
率が10%及び30%である結晶質アルミナ−シリカ
短繊維を強化繊維とする複合材料F0〜F4及びG0
〜G4、35%Al2O3、残部実質的にSiO2なる組成を
有し、ムライト結晶量が0%、20%、40%、45%
(この組成の場合にはムライト結晶量の上限は45
%である)であり、繊維体積率が10%及び30%で
ある結晶質アルミナ−シリカ短繊維を強化繊維と
する複合材料H0〜H4及びI0〜I4を実施例1の場
合と同一の要領及び条件にて製造し、各複合材料
に対し実施例1の場合と同一の条件にて溶体化処
理及び人工時効処理を施し、各複合材料について
実施例1の場合と同一の要領及び条件にて曲げ試
験を行つた。 これらの曲げ試験の結果を第16図に示す。尚
第16図に於て、横軸は強化繊維としての結晶質
アルミナ−シリカ短繊維のムライト結晶量(%)
を示している。 第16図より、マトリツクス金属として上述の
組成のアルミニウム合金が使用される場合には、
ムライト結晶量が比較的小さい場合にも複合材料
の曲げ強さは比較的高い値であり、ムライト結晶
量の如何による複合材料の曲げ強さの変化量は小
さく、従つてアルミナ−シリカ短繊維として結晶
質アルミナ−シリカ短繊維が使用される場合には
ムライト結晶量は如何なる値であつてもよいこと
が解る。 以上に於ては、本発明を本願発明者等が行つた
実験的研究との関連に於て幾つかの実施例につい
て詳細に説明したが、本発明はこれらの実施例に
限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他
の種々の実施例が可能であることは当業者にとつ
て明らかであろう。
詳細にはアルミナ−シリカ短繊維を強化繊維とし
アルミニウム合金をマトリツクス金属とする複合
材料、即ちアルミナ−シリカ短繊維強化アルミニ
ウム合金に係る。 従来の技術及び発明が解決しようとする問題点 繊維強化金属複合材料のマトリツクス金属を成
すアルミニウム合金としては、従来より一般に下
記の如き鋳造用アルミニウム合金又は展伸用アル
ミニウム合金が使用されている。 鋳造用アルミニウム合金 JIS規格AC8A(0.8〜1.3%Cu、11.0〜13.0%Si、
0.7〜1.3%Mg、0.8〜1.5%Ni、残部実質的にAl) JIS規格AC8B(2.0〜4.0%Cu、8.5〜10.5%Si、
0.5〜1.5%Mg、0.1〜1%Ni、残部実質的にAl) JIS規格AC4C(0.25%≧Cu、6.5〜7.5%Si、0.25
〜0.45%Mg、残部実質的にAl) AA規格A201(4〜5%Cu、0.2〜0.4%Mn、
0.15〜0.35%Mg、0.15〜0.35%Ti、残部実質的に
Al) AA規格A356(6.5〜7.5%Si、0.25〜0.45%Mg、
0.2≧Fe、0.2%≧Cu、残部実質的にAl) Al−2〜3%Li合金(デユポン社) 展伸用アルミニウム合金 JIS規格6061(0.4〜0.8%Si、0.15〜0.4%Cu、0.8
〜1.2%Mg、0.04〜0.35%Cr、残部実質的にAl) JIS規格5056(0.3%≧Si、0.4%≧Fe、0.1%≧
Cu、0.05〜0.2%Mn、4.5〜5.6%Mg、0.05〜0.2%
Cr、0.1%≧Zn、残部実質的にAl) JIS規格7075(0.4%≧Si、0.5%≧Fe、1.2〜2.0
%Cu、0.3≧Mn、2.1〜2.9%Mg、0.18〜0.28%
Cr、5.1〜6.1%Zn、0.2%Ti、残部実質的にAl) これらのアルミニウム合金をマトリツクス金属
とする複合材料に関する従来の研究は、これら在
来のアルミニウム合金の組成を変えずにそれらの
強度等を繊維強化により向上させる目的で行われ
ており、従つて複合材料の製造に従来より使用さ
れているこれらのアルミニウム合金は、強化繊維
との関連に於て必ずしも最適の組成を有するもの
ではなく、そのため上述の如き従来より使用され
ているアルミニウム合金によつては、アルミニウ
ム合金をマトリツクス金属とする複合材料の機械
的性質、特に強度を最適化することはできない。 本願発明者等は、従来より一般に使用されてい
るアルミニウム合金をマトリツクス金属とする複
合材料に於ける上述の如き問題に鑑み、従来より
繊維強化金属複合材料の製造に使用されている
種々の強化繊維の中でも比較的低廉であり高強度
を有し高温安定性及び強度向上効果に優れたアル
ミナ−シリカ短繊維を強化繊維とする複合材料に
於て、そのマトリツクス金属としてのアルミニウ
ム合金が如何なる組成を有するものが最適である
かについて種々の実験的研究を行つた結果、Cu
及びMg含有量がそれぞれ特定の範囲にあり且Si、
Ni、Zn等の元素を実質的に含有しないアルミニ
ウム合金がマトリツクス金属として最適であるこ
とを見出した。 本発明は本願発明者等が行つた種々の実験的研
究の結果得られた知見に基づき、アルミナ−シリ
カ短繊維を強化繊維としアルミニウム合金をマト
リツクス金属とする複合材料であつて、曲げ強さ
の如き機械的性質に優れた複合材料を提供するこ
とを目的としている。 問題点を解決するための手段 上述の如き目的は、本発明によれば、35〜65%
Al2O3、65〜35%SiO2、0〜10%他の成分なる組
成を有するアルミナ−シリカ短繊維を強化繊維と
し、Cu含有量が2〜6%でありMg含有量が0.5
〜3.5%であり残部が実質的にAlであるアルミニ
ウム合金をマトリツクス金属とし、前記アルミナ
−シリカ短繊維の体積率が5〜50%であるアルミ
ナ−シリカ短繊維強化アルミニウム合金によつて
達成される。 発明の作用及び効果 本発明によれば、強化繊維として比較的低廉で
あり高強度を有し高温安定性及び強度向上効果に
優れたアルミナ−シリカ短繊維が使用され、マト
リツクス金属としてCu含有量が2〜6%であり
Mg含有量が0.5〜3.5%であり残部が実質的にAl
であるアルミニウム合金が使用され、アルミナ−
シリカ短繊維の体積率が5〜50%に設定されるこ
とにより、後に説明する本願発明者等が行つた実
験的研究の結果より明確である如く、強度等の機
械的性質に優れた低廉な複合材料を得ることがで
きる。 また本発明によれば、従来のアルミナ−シリカ
短繊維強化アルミニウム合金と同等の強度が得ら
れれば十分である場合には、アルミナ−シリカ短
繊維の体積率は従来に比して低い値であつてよ
く、従つて使用されるアルミナ−シリカ短繊維の
使用量を低減することができるので、複合材料の
被削性や生産性を向上させることができ、また複
合材料のコストを低減することができる。 複合材料のマトリツクス金属としてのAlにCu
が添加されると、そのAlの強度が向上し、これ
により複合材料の強度が向上するが、Cu含有量
が2%未満ではその効果が十分ではなく、逆に
Cu含有量が6%を越えると複合材料は極めて脆
弱になり、早期に破壊するようになる。従つて本
発明の複合材料に於けるマトリツクス金属として
のアルミニウム合金のCu含有量は2〜6%、好
ましくは2〜5.5%とされる。 また強化繊維としてのアルミナ−シリカ短繊維
の表面には通常酸化物が存在しており、マトリツ
クス金属の溶湯中に酸化物形成傾向の強いMgが
含有されていれば、Mgがアルミナ−シリカ短繊
維表面の酸化物と反応してアルミナ−シリカ短繊
維の表面を還元させるため、溶融マトリツクス金
属とアルミナ−シリカ短繊維との密着性が向上
し、Mg含有量が2〜3%程度までの範囲に於て
はMg含有量の増大につれて複合材料の強度が増
大する。しかしMg含有量が3.5%を越えると複合
材料の強度が急激に低下してしまう。従つて本発
明に於けるマトリツクス金属としてのアルミニウ
ム合金のMg含有量は0.5〜3.5%、好ましくは0.5
〜3%とされる。 また上述の如き組成を有するアルミニウム合金
をマトリツクス金属とする複合材料に於ては、ア
ルミナ−シリカ短繊維の体積率が5%未満の場合
には十分な強度を確保することができず、またア
ルミナ−シリカ短繊維の体積率が40%、特に50%
を越えると、アルミナ−シリカ短繊維の体積率が
増大されても複合材料の強度はそれほど増大しな
い。また複合材料の耐摩耗性はアルミナ−シリカ
短繊維の体積率の増大と共に向上するが、アルミ
ナ−シリカ短繊維の体積率が0〜5%程度の範囲
に於て繊維体積率の増大と共に急激に増大し、繊
維体積率が約5%以上の領域に於ては、繊維体積
率が増大されても複合材料の耐摩耗性はそれほど
向上しない。従つて本発明の一つの特徴によれ
ば、アルミナ−シリカ短繊維の体積率は5〜50
%、好ましくは5〜40%とされる。 また本発明の複合材料に於けるアルミナ−シリ
カ短繊維は非晶質アルミナ−シリカ短繊維及び結
晶質アルミナ−シリカ短繊維(ムライト結晶
(3Al2O3・2SiO2)を含むアルミナ−シリカ短繊
維)の何れであつてもよく、アルミナ−シリカ短
繊維として結晶質アルミナ−シリカ短繊維が使用
される場合に於ては、アルミニウム合金が上述の
組成を有していれば、結晶質アルミナ−シリカ短
繊維のムライト結晶量の如何に拘らず、他の組成
のアルミニウム合金がマトリツクス金属として使
用される場合に比して、複合材料の強度を向上さ
せることができる。 また本願発明者等が行つた他の実験的研究の結
果によれば、アルミナ−シリカ短繊維が非晶質で
あると結晶質であるとを問わず、アルミナ−シリ
カ短繊維の体積率が上述の好ましい範囲の比較的
高い領域にある場合、即ち30〜40%である場合に
は、アルミニウム合金のCu含有量は2〜5.5%で
あることが好ましい。従つて本発明の他の一つの
詳細な特徴によれば、アルミナ−シリカ短繊維の
体積率が30〜40%である場合には、アルミニウム
合金のCu含有量は2〜5.5%とされる。 またアルミナ−シリカ短繊維として非晶質アル
ミナ−シリカ短繊維が使用される場合には、アル
ミニウム合金のMg含有量は0.5〜3%であること
が好ましい。従つて本発明の更に他の一つの詳細
な特徴によれば、アルミナ−シリカ短繊維が非晶
質アルミナ−シリカ短繊維である場合には、アル
ミニウム合金のMg含有量は0.5〜3%とされ、非
晶質アルミナ−シリカ短繊維の体積率が30〜40%
である場合には、アルミニウム合金のCu含有量
は2〜5.5%とされ、Mg含有量は0.5〜3%とさ
れる。 また本発明の複合材料のマトリツクス金属とし
てのアルミニウム合金のCu含有量は比較的高い
値であり、アルミニウム合金中のCu濃度にムラ
がある場合には、Cu濃度が高い部分が脆弱にな
り、従つて均質なマトリツクス金属を得ることが
できない。従つて本発明の更に他の一つの詳細な
特徴によれば、アルミニウム合金中のCu濃度が
均一になるよう、Cu含有量が0%以上3.5%未満
であるアルミニウム合金をマトリツクス金属とす
る複合材料は、480〜520℃にて2〜8時間に亙る
溶体化処理が施され、好ましくは更に150〜200℃
にて2〜8時間に亙る時効処理が施され、また
Cu含有量が3.5〜6%であるアルミニウム合金を
マトリツクス金属とする複合材料は、460〜510℃
にて2〜8時間に亙る溶体化処理が施され、好ま
しくは更に150〜200℃にて2〜8時間に亙る時効
処理が施される。 更に本発明の複合材料に於けるアルミナ−シリ
カ短繊維又はアルミナ−シリカの不連続繊維はア
ルミナ−シリカの連続繊維が所定の長さに切断さ
れたものの何れであつてもよい。またアルミナ−
シリカ短繊維の繊維長は10μ〜7cm、特に10μ〜
5cm程度であることが好ましく、繊維径は1〜
30μ、特に1〜25μ程度であることが好ましい。 尚本発明に関連する繊維強化アルミニウム合金
として、本願出願人と同一の出願人の出願にかか
る特願昭60−120786号、同60−120787号、同60−
120788号明細書には、それぞれ炭化ケイ素短繊
維を強化繊維とし、Cu含有量が2〜6%であり
Mg含有量が2〜4%であり残部が実質的にAlで
あるアルミニウム合金をマトリツクス金属とし、
前記炭化ケイ素短繊維の体積率が5〜50%である
炭化ケイ素短繊維強化アルミニウム合金、アル
ミナ短繊維を強化繊維とし、Cu含有量が2〜6
%でありMg含有量が0.5〜4%であり残部が実質
的にAlであるアルミニウム合金をマトリツクス
金属とし、前記アルミナ短繊維の体積率が5〜50
%であるアルミナ短繊維強化アルミニウム合金、
炭化ケイ素短繊維を強化繊維とし、Cu含有量
が2〜6%でありMg含有量が0〜2%であり残
部が実質的にAlであるアルミニウム合金をマト
リツクス金属とし、前記炭化ケイ素短繊維の体積
率が5〜50%である炭化ケイ素短繊維強化アルミ
ニウム合金が開示されている。 本明細書に於けるパーセンテージは繊維の体積
率の表現の場合を除き全て重量%であり、アルミ
ニウム合金の組成の表現に於ける「実質的にAl」
とはマトリツクス金属としてのアルミニウム合金
中に含まれるAl、Cu、Mg以外のSi、Fe、Zn、
Mn、Ni、Ti、Crの如き不可避的な金属元素の
合計が1%以下であることを意味し、アルミナ−
シリカ短繊維の組成の表現に於ける「実質的に
SiO2」とはアルミナ−シリカ短繊維を構成する
Al2O3及びSiO2以外の元素が不純物程度にしか含
まれていないことを意味する。更に本明細書に於
ける組成や温度に関する「以上」「以下」「〜」に
よる範囲の表示に於ては、それら自身の値がその
範囲に含まれているものとする。 以下に添付の図を参照しつつ、本発明を実施例
について詳細に説明する。 実施例 1 結晶質アルミナ−シリカ短繊維を強化繊維とし
アルミニウム合金をマトリツクス金属とする複合
材料に於てその強度を向上させるためにはアルミ
ニウム合金が如何なる組成のものが適切であるか
についての検討を行うべく、結晶質アルミナ−シ
リカ短繊維(65%Al2O3、残部実質的にSiO2、ム
ライト結晶量60%、平均繊維長1mm、平均繊維径
3μm)を強化繊維とし、Al−Cu−Mg系の種々の
組成のアルミニウム合金をマトリツクス金属とす
る複合材料を高圧鋳造法により製造し、各複合材
料について曲げ強さの評価を行つた。 まず純アルミニウムの地金(純度99%以上)と
純マグネシウム(純度99%以上)とAl−50%Cu
母合金とを配合することにより、下記の表1に示
されている如く種々のCu及びMg含有量を有し残
部が実質的にAlであるアルミニウム合金A1〜
A56を形成した。次いで結晶質アルミナ−シリカ
短繊維の集合体に対しバインダを使用しないで圧
縮成形を行うことにより、第17図に示されてい
る如く結晶質アルミナ−シリカ短繊維1よりなり
繊維体積率が20%、10%、及び5%である38×
100×16mmの繊維成形体2を形成した。この場合
個々の結晶質アルミナ−シリカ短繊維1は第17
図に示されている如く、38×100mmの平面に平行
な平面内に於てはランダムに配向され、この平面
に垂直な方向に積重ねられた二次元ランダムに配
向された。 次いで第18図に示されている如く、繊維成形
体2をステンレス鋼製の両端にて開口した四角柱
状のケース2a内に充填し、繊維成形体2をケー
スごと600℃に加熱し、しかる後第19図に示さ
れている如く250℃の鋳型3のモールドキヤビテ
イ4内に配置し、該鋳型内に700℃のアルミニウ
ム合金の溶湯5を素早く注湯し、該溶湯を約200
℃のプランジヤ6により1000Kg/cm2の圧力にて加
圧し、その加圧状態をアルミニウム合金の溶湯が
完全に凝固するまで保持した。かくして鋳型3内
の溶湯が完全に凝固した後、その凝固体を鋳型よ
り取出し、凝固体のケースの周りに存在するアル
ミニウム合金のみよりなる部分を切削により除去
し、更にケースより結晶質アルミナ−シリカ短繊
維を強化繊維としアルミニウム合金をマトリツク
ス金属とし繊維体積率が20%、10%、5%である
複合材料を取出した。 次いでアルミニウム合金のMg含有量に拘ら
ず、Cu含有量が2%未満であるアルミニウム合
金をマトリツクス金属とする複合材料に対して
は、530℃にて8時間に亙る溶体化処理と160℃に
て8時間に亙る人工時効処理を施し、Cu含有量
が2%以上3.5%未満であるアルミニウム合金を
マトリツクス金属とする複合材料に対しては、
500℃にて8時間に亙る溶体化処理と160℃にて8
時間に亙る人工時効処理を施し、Cu含有量が3.5
%以上6.5%以下であるアルミニウム合金をマト
リツクス金属とする複合材料に対しては、480℃
にて8時間に亙る溶体化処理と160℃にて8時間
に亙る人工時効処理を施した。 次いで上述の如く製造され熱処理が施された各
複合材料より、長さ50mm、幅10mm、厚さ2mmの曲
げ試験片をその50×10mmの平面が繊維配向の二次
元ランダム平面に平行になるよう切出し、各曲げ
試験片について支点間距離40mmにて3点曲げ試験
を行つた。尚これらの曲げ試験に於ては、破断時
に於ける表面応力M/Z(M=破断時に於ける曲
げモーメント、Z=曲げ試験片の断面係数)を複
合材料の曲げ強さとして測定した。 これらの曲げ試験の結果を下記の表2、第1図
乃至第3図に示す。尚表2に示された各複合材料
の曲げ強さの単位はKg/mm2であり、第1図乃至第
3図はそれぞれ繊維体積率が20%、10%、5%で
ある複合材料について、表2に示されたデータに
基づきCu含有量をパラメータとしてMg含有量と
複合材料の曲げ強さ(Kg/mm2)との関係を表わし
ている。 表2及び第1図乃至第3図より、結晶質アルミ
ナ−シリカ短繊維の体積率が20%、10%、5%の
何れの複合材料についても、複合材料の曲げ強さ
はCu含有量が1.5%又は6.5%の場合にはMg含有
量に拘らず比較的低い値であり、また複合材料の
曲げ強さはMg含有量が実質的に0%又は4%の
場合にCu含有量の如何に拘らず比較的低い値で
あり、Mg含有量が1〜3%の範囲に於て曲げ強
さが最大値になり、Mg含有量がこの範囲より増
大し又は減少するにつれて曲げ強さが徐々に減少
し、Mg含有量が0.5%未満及び3.5%を越える範
囲に於てはそれぞれMg含有量の減少(Cu含有量
が6%及び6.5%の場合を除く)及び増大につれ
て曲げ強さが急激に低下し、Mg含有量が4%の
場合に於ける曲げ強さはMg含有量が0%の場合
と実質的に同等の値になることが解る。 これらの曲げ試験の結果より、繊維体積率20
%、10%、5%の結晶質アルミナ−シリカ短繊維
を強化繊維としAl−Cu−Mg系のアルミニウム合
金をマトリツクス金属とする複合材料の強度を向
上させるためには、マトリツクス金属としてのア
ルミニウム合金のCu含有量は2〜6%であり、
Mg含有量は0.5〜3.5%であることが好ましいこ
とが解る。 実施例 2 結晶質アルミナ−シリカ短繊維の体積率が40%
及び30%に設定された点を除き実施例1の場合と
同一の要領及び条件にて製造された複合材料につ
いて、実施例1の曲げ試験と同様の曲げ試験を行
つた。これらの曲げ試験の結果を下記の表2、第
4図及び第5図に示す。尚第4図及び第5図はそ
れぞれ繊維体積率が40%及び30%である複合材料
について、表2に示されたデータに基づきCu含
有量をパラメータとしてMg含有量と複合材料の
曲げ強さ(Kg/mm2)との関係を表わしている。 表2、第4図及び第5図より、結晶質アルミナ
−シリカ短繊維の体積率が40%及び30%の何れの
複合材料についても、複合材料の曲げ強さはCu
含有量が1.5%又は6.5%の場合にはMg含有量に
拘らず比較的低い値であり、また複合材料の曲げ
強さはMg含有量が実質的に0%又は4%の場合
にCu含有量の如何に拘らず比較的低い値であり、
Mg含有量が2〜3%の範囲に於て曲げ強さが最
大値になり、Mg含有量がこの範囲より増大し又
は減少するにつれて曲げ強さが徐々に減少し、
Mg含有量が0.5%未満及び3.5%を越える範囲に
於てはそれぞれMg含有量の減少(Cu含有量が6
%及び6.5%の場合を除く)及び増大につれて曲
げ強さが急激に低下し、Mg含有量が4%の場合
に於ける曲げ強さはMg含有量が0%の場合と実
質的に同等の値になることが解る。 これらの曲げ試験の結果より、繊維体積率40%
及び30%の結晶質アルミナ−シリカ短繊維を強化
繊維としAl−Cu−Mg系のアルミニウム合金をマ
トリツクス金属とする複合材料の強度を向上させ
るためには、マトリツクス金属としてのアルミニ
ウム合金のCu含有量は2〜6%、特に2〜5.5%
であり、Mg含有量は0.5〜3.5%であることが好
ましいことが解る。 実施例 3 結晶質アルミナ−シリカ短繊維として49%
Al2O3、残部実質的にSiO2なる組成を有し、ムラ
イト結晶量が60%である結晶質アルミナ−シリカ
短繊維(平均繊維長1mm、平均繊維径3μm)が
使用され、繊維体積率が30%及び10%に設定され
た点を除き、実施例1の場合と同一の要領及び条
件にて製造された複合材料について、実施例1の
曲げ試験と同様の曲げ試験を行つた。これらの曲
げ試験の結果を下記の表3、第6図及び第7図に
示す。尚表3に示された各複合材料の曲げ強さの
単位はKg/mm2であり、第6図及び第7図はそれぞ
れ繊維体積率が30%及び10%である複合材料につ
いて、表3に示されたデータに基づきCu含有量
をパラメータとしてMg含有量と複合材料の曲げ
強さ(Kg/mm2)との関係を表わしている。 表3、第6図及び第7図より、結晶質アルミナ
−シリカ短繊維の体積率が30%及び10%の何れの
複合材料についても、複合材料の曲げ強さはCu
含有量が1.5%又は6.5%の場合にはMg含有量に
拘らず比較的低い値であり、また複合材料の曲げ
強さはMg含有量が実質的に0%又は4%の場合
にCu含有量の如何に拘らず比較的低い値であり、
Mg含有量が2〜3%の範囲に於て曲げ強さが最
大値になり、Mg含有量がこの範囲より増大し又
は減少するにつれて曲げ強さが徐々に減少し、
Mg含有量が0.5%未満及び3.5%を越える範囲に
於てはそれぞれMg含有量の減少(Cu含有量が6
%及び6.5%の場合を除く)及び増大につれて曲
げ強さが急激に低下し、Mg含有量が4%の場合
に於ける曲げ強さはMg含有量が0%の場合と実
質的に同等又はそれ以下の値になることが解る。 これらの曲げ試験の結果より、49%Al2O3、残
部実質的にSiO2なる組成を有し、繊維体積率が
30%及び10%である結晶質アルミナ−シリカ短繊
維を強化繊維としAl−Cu−Mg系のアルミニウム
合金をマトリツクス金属とする複合材料の場合に
もその強度を向上させるためには、マトリツクス
金属としてのアルミニウム合金のCu含有量は2
〜6%であり、Mg含有量は0.5〜3.5%であるこ
とが好ましいことが解る。 実施例 4 アルミナ−シリカ短繊維として35%Al2O3、残
部実質的にSiO2なる組成を有し、ムライト結晶
量が40%である結晶質アルミナ−シリカ短繊維
(平均繊維長1mm、平均繊維径3μm)が使用さ
れ、繊維体積率が30%及び10%に設定された点を
除き、実施例1の場合と同一の要領及び条件にて
製造された複合材料について、実施例1の曲げ試
験と同様の曲げ試験を行つた。これらの曲げ試験
の結果を下記の表4、第8図及び第9図に示す。
尚表4に示された各複合材料の曲げ強さの単位は
Kg/mm2であり、第8図及び第9図はそれぞれ繊維
体積率が30%及び10%である複合材料について、
表4に示されたデータに基づきCu含有量をパラ
メータとしてMg含有量と複合材料の曲げ強さ
(Kg/mm2)との関係を表わしている。 表4、第8図及び第9図より、結晶質アルミナ
−シリカ短繊維の体積率が30%及び10%の何れの
複合材料についても、複合材料の曲げ強さはCu
含有量が1.5%又は6.5%の場合にはMg含有量に
拘らず比較的低い値であり、また複合材料の曲げ
強さはMg含有量が実質的に0%又は4%の場合
にCu含有量の如何に拘らず比較的低い値であり、
Mg含有量が2〜3%の範囲に於て曲げ強さが最
大値になり、Mg含有量がこの範囲より増大し又
は減少するにつれて曲げ強さが徐々に減少し、
Mg含有量が0.5%未満及び3.5%を越える範囲に
於てはそれぞれMg含有量の減少(Cu含有量が6
%及び6.5%の場合を除く)及び増大につれて曲
げ強さが急激に低下し、Mg含有量が4%の場合
に於ける曲げ強さはMg含有量が0%の場合と実
質的に同等又はそれ以下の値になることが解る。 これらの曲げ試験の結果より、35%Al2O3、残
部実質的にSiO2なる組成を有し、繊維体積率が
30%及び10%である結晶質アルミナ−シリカ短繊
維を強化繊維としAl−Cu−Mg系のアルミニウム
合金をマトリツクス金属とする複合材料の場合に
もその強度を向上させるためには、マトリツクス
金属としてのアルミニウム合金のCu含有量は2
〜6%であり、Mg含有量は0.5〜3.5%であるこ
とが好ましいことが解る。 実施例 5 アルミナ−シリカ短繊維として49%Al2O3、残
部実質的にSiO2なる組成を有する非晶質アルミ
ナ−シリカ短繊維が使用され、繊維体積率が20
%、10%、及び5%に設定された点を除き、実施
例1の場合と同一の要領及び条件にて製造された
複合材料について、実施例1の曲げ試験と同様の
曲げ試験を行つた。これらの曲げ試験の結果を下
記の表5、第10図乃至第12図に示す。尚表5
に示された各複合材料の曲げ強さの単位はKg/mm2
であり、第10図乃至第12図はそれぞれ繊維体
積率が20%、10%、5%である複合材料につい
て、表5に示されたデータに基づきCu含有量を
パラメータとしてMg含有量と複合材料の曲げ強
さ(Kg/mm2)との関係を表わしている。 表5、第10図乃至第12図より、結晶質アル
ミナ−シリカ短繊維の体積率が20%、10%、及び
5%の何れの複合材料についても、複合材料の曲
げ強さはCu含有量が1.5%又は6.5%の場合には
Mg含有量に拘らず比較的低い値であり、また複
合材料の曲げ強さはMg含有量が実質的に0%又
は4%の場合にCu含有量の如何に拘らず比較的
低い値であり、Mg含有量が1〜2%の範囲に於
て曲げ強さが最大値になり、Mg含有量がこの範
囲より増大し又は減少するにつれて曲げ強さが
徐々に減少し、Mg含有量が0.5%未満及び3.5%
を越える範囲に於てはそれぞれMg含有量の減少
(Cu含有量が6%及び6.5%の場合を除く)及び増
大につれて曲げ強さが急激に低下し、Mg含有量
が4%の場合に於ける曲げ強さはMg含有量が0
%の場合と実質的に同等又はそれ以下の値になる
ことが解る。 これらの曲げ試験の結果より、49%Al2O3、残
部実質的にSiO2なる組成を有し、繊維体積率が
20%、10%、及び5%である非結晶質アルミナ−
シリカ短繊維を強化繊維としAl−Cu−Mg系のア
ルミニウム合金をマトリツクス金属とする複合材
料の場合にもその強度を向上させるためには、マ
トリツクス金属としてのアルミニウム合金のCu
含有量は2〜6%であり、Mg含有量は0.5〜3.5
%、特に0.5〜3%であることが好ましいことが
解る。 実施例 6 アルミナ−シリカ短繊維として49%Al2O3、残
部実質的にSiO2なる組成を有する非晶質アルミ
ナ−シリカ短繊維が使用され、繊維体積率が40%
及び30%に設定された点を除き、実施例1の場合
と同一の要領及び条件にて製造された複合材料に
ついて、実施例1の曲げ試験と同様の曲げ試験を
行つた。これらの曲げ試験の結果を下記の表5、
第13図及び第14図に示す。尚第13図及び第
14図はそれぞれ繊維体積率が40%及び30%であ
る複合材料について、表5に示されたデータに基
づきCu含有量をパラメータとしてMg含有量と複
合材料の曲げ強さ(Kg/mm2)との関係を表わして
いる。 表5、第13図及び第14図より、非結晶アル
ミナ−シリカ短繊維の体積率が40%及び30%の何
れの複合材料についても、複合材料の曲げ強さは
Cu含有量が1.5%又は6.5%の場合にはMg含有量
に拘らず比較的低い値であり、また複合材料の曲
げ強さはMg含有量が実質的に0%又は4%の場
合にCu含有量の如何に拘らず比較的低い値であ
り、Mg含有量が1〜2%の範囲に於て曲げ強さ
が最大値になり、Mg含有量がこの範囲より増大
し又は減少するにつれて曲げ強さが徐々に減少
し、Mg含有量が0.5%未満及び3.5%を越える範
囲に於てはそれぞれMg含有量の減少及び増大に
つれて曲げ強さが急激に低下し、Mg含有量が4
%の場合に於ける曲げ強さはMg含有量が0%の
場合と実質的に同等の値又はそれ以下の値になる
ことが解る。 これらの曲げ試験の結果より、49%Al2O3、残
部実質的にSiO2なる組成を有し、繊維体積率が
40%及び30%である非晶質アルミナ−シリカ短繊
維を強化繊維としAl−Cu−Mg系のアルミニウム
合金をマトリツクス金属とする複合材料の場合に
もその強度を向上させるためには、マトリツクス
金属としてのアルミニウム合金のCu含有量は2
〜6%、特に2〜5.5%であり、Mg含有量は0.5
〜3.5%、特に0.5〜3%であることが好ましいこ
とが解る。 実施例 7 上述の各実施例より、アルミナ−シリカ短繊維
が結晶質及び非晶質アルミナ−シリカ短繊維の何
れの場合にも、アルミニウム合金のCu含有量及
びMg含有量はそれぞれ2〜6%、0.5〜3.5%で
あることが好ましいことが解つたので、強化繊維
であるアルミナ−シリカ短繊維の体積率が如何な
る値であることが適切であるかの検討を行うべ
く、Cu含有量が4%でありMg含有量が1%であ
り残部が実質的にAlであるアルミニウム合金を
マトリツクス金属とし、それぞれ上述の実施例3
及び5に於て使用された結晶質アルミナ−シリカ
短繊維及び非晶質アルミナ−シリカ短繊維を強化
繊維とし、繊維体積率が5%、10%、20%、30
%、40%、50%である複合材料B1〜B6及びC1〜
C6を実施例1の場合と同一の要領及び条件にて
製造し、各複合材料に対し実施例1の場合と同一
の条件にて溶体化処理及び人工時効処理を施し、
各複合材料より実施例1の場合と同一の要領にて
同一寸法の曲げ試験片B1〜B6及びC1〜C6を切出
し、各曲げ試験片について実施例1の場合と同一
の要領及び条件にて曲げ試験を行つた。 またCu含有量が4%でありMg含有量が1%で
あり残部が実質的にAlであるアルミニウム合金
の鋳物に対し実施例1の場合と同一の条件にて溶
体化処理及び人工時効処理を施し、該鋳物より実
施例1の場合と同一の寸法の曲げ試験片B0及び
C0を切出し、それらの曲げ試験片についても実
施例1の場合と同一の要領及び条件にて曲げ試験
を行つた。これらの曲げ試験の結果を第15図に
示す。 第15図より、繊維の種類に拘らず、繊維体積
率が0〜5%の範囲に於ては、繊維体積率が増大
されても複合材料の曲げ強さは殆ど向上せず、マ
トリツクス金属であるアルミニウム合金の曲げ強
さと同等の値であり、繊維体積率が5〜30%の範
囲に於ては、繊維体積率の増大に伴ない曲げ強さ
が実質的に線形的に増大し、繊維体積率が40%以
上、特に50%以上の範囲に於ては、曲げ強さは繊
維体積率が増大されても殆ど向上しないことが解
る。従つて強化繊維としてアルミナ−シリカ短繊
維の体積率は、その種類に拘らず、5〜50%、特
に5〜40%であることが望ましいことが解る。 実施例 8 アルミナ−シリカ短繊維として結晶質アルミナ
−シリカ短繊維が使用される場合に於て、ムライ
ト結晶量が複合材料の曲げ強さに対し如何なる影
響を及ぼすかについての検討を行うべく、Cu含
有量が4%でありMg含有量が2%であり残部が
実質的にAlであるアルミニウム合金をマトリツ
クス金属として、65%Al2O3、残部実質的にSiO2
なる組成を有し、ムライト結晶量が0%、20%、
40%、60%であり、繊維体積率が10%及び30%で
ある結晶質アルミナ−シリカ短繊維を強化繊維と
する複合材料D0〜D4及びE0〜E4、49%Al2O3、
残部実質的にSiO2なる組成を有し、ムライト結
晶量が0%、20%、40%、60%であり、繊維体積
率が10%及び30%である結晶質アルミナ−シリカ
短繊維を強化繊維とする複合材料F0〜F4及びG0
〜G4、35%Al2O3、残部実質的にSiO2なる組成を
有し、ムライト結晶量が0%、20%、40%、45%
(この組成の場合にはムライト結晶量の上限は45
%である)であり、繊維体積率が10%及び30%で
ある結晶質アルミナ−シリカ短繊維を強化繊維と
する複合材料H0〜H4及びI0〜I4を実施例1の場
合と同一の要領及び条件にて製造し、各複合材料
に対し実施例1の場合と同一の条件にて溶体化処
理及び人工時効処理を施し、各複合材料について
実施例1の場合と同一の要領及び条件にて曲げ試
験を行つた。 これらの曲げ試験の結果を第16図に示す。尚
第16図に於て、横軸は強化繊維としての結晶質
アルミナ−シリカ短繊維のムライト結晶量(%)
を示している。 第16図より、マトリツクス金属として上述の
組成のアルミニウム合金が使用される場合には、
ムライト結晶量が比較的小さい場合にも複合材料
の曲げ強さは比較的高い値であり、ムライト結晶
量の如何による複合材料の曲げ強さの変化量は小
さく、従つてアルミナ−シリカ短繊維として結晶
質アルミナ−シリカ短繊維が使用される場合には
ムライト結晶量は如何なる値であつてもよいこと
が解る。 以上に於ては、本発明を本願発明者等が行つた
実験的研究との関連に於て幾つかの実施例につい
て詳細に説明したが、本発明はこれらの実施例に
限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他
の種々の実施例が可能であることは当業者にとつ
て明らかであろう。
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
第1図乃至第5図はそれぞれ65%Al2O3、残部
実質的にSiO2なる組成を有し、ムライト結晶量
が60%であり、体積率が20%、10%、5%、40
%、30%である結晶質アルミナ−シリカ短繊維に
て強化されたアルミニウム合金よりなる複合材料
について行われた曲げ試験の結果に基づき、Cu
含有量をパラメータとしてMg含有量と複合材料
の曲げ強さとの関係を示すグラフ、第6図及び第
7図はそれぞれ49%Al2O3、残部実質的にSiO2な
る組成を有し、ムライト結晶量が60%であり、体
積率が30%及び10%である結晶質アルミナ−シリ
カ短繊維にて強化されたアルミニウム合金よりな
る複合材料について行われた曲げ試験の結果に基
づき、Cu含有量をパラメータとしてMg含有量と
複合材料の曲げ強さとの関係を示すグラフ、第8
図及び第9図はそれぞれ35%Al2O3、残部実質的
にSiO2なる組成を有し、ムライト結晶量が40%
であり、体積率が30%及び10%である結晶質アル
ミナ−シリカ短繊維にて強化されたアルミニウム
合金よりなる複合材料について行われた曲げ試験
の結果に基づき、Cu含有量をパラメータとして
Mg含有量と複合材料の曲げ強さとの関係を示す
グラフ、第10図乃至第14図はそれぞれ49%
Al2O3、残部実質的にSiO2なる組成を有し、体積
率が20%、10%、5%、40%、30%である結晶質
アルミナ−シリカ短繊維にて強化されたアルミニ
ウム合金よりなる複合材料について行われた曲げ
試験の結果に基づき、Cu含有量をパラメータと
してMg含有量と複合材料の曲げ強さとの関係を
示すグラフ、第15図はCu含有量が4%であり
Mg含有量が1%であり残部が実質的にAlである
アルミニウム合金をマトリツクス金属とし、種々
の体積率の結晶質アルミナ−シリカ短繊維及び非
晶質アルミナ−シリカ短繊維を強化繊維とする複
合材料について行われた曲げ試験の結果に基づ
き、繊維体積率と複合材料の曲げ強さとの関係を
示すグラフ、第16図はCu含有量が4%であり
Mg含有量が2%であり残部が実質的にAlである
アルミニウム合金をマトリツクス金属とし、ムラ
イト結晶量が種々の値である結晶質アルミナ−シ
リカ短繊維を強化繊維とする複合材料について行
われた曲げ試験の結果に基づき、ムライト結晶量
と複合材料の曲げ強さとの関係を示すグラフ、第
17図は個々の結晶質アルミナ−シリカ短繊維が
二次元ランダムにて配向された繊維成形体を示す
斜視図、第18図は第17図に示された繊維成形
体がステンレス鋼製のケース内に充填された状態
を示す斜視図、第19図は第18図に示されたス
テンレス鋼製のケース内に充填された繊維成形体
を用いて行われる高圧鋳造による複合材料の製造
の鋳造工程を示す解図である。 1……結晶質アルミナ−シリカ短繊維、2a…
…ケース、2……繊維成形体、3……鋳型、4…
…モールドキヤビテイ、5……アルミニウム合金
の溶湯、6……プランジヤ。
実質的にSiO2なる組成を有し、ムライト結晶量
が60%であり、体積率が20%、10%、5%、40
%、30%である結晶質アルミナ−シリカ短繊維に
て強化されたアルミニウム合金よりなる複合材料
について行われた曲げ試験の結果に基づき、Cu
含有量をパラメータとしてMg含有量と複合材料
の曲げ強さとの関係を示すグラフ、第6図及び第
7図はそれぞれ49%Al2O3、残部実質的にSiO2な
る組成を有し、ムライト結晶量が60%であり、体
積率が30%及び10%である結晶質アルミナ−シリ
カ短繊維にて強化されたアルミニウム合金よりな
る複合材料について行われた曲げ試験の結果に基
づき、Cu含有量をパラメータとしてMg含有量と
複合材料の曲げ強さとの関係を示すグラフ、第8
図及び第9図はそれぞれ35%Al2O3、残部実質的
にSiO2なる組成を有し、ムライト結晶量が40%
であり、体積率が30%及び10%である結晶質アル
ミナ−シリカ短繊維にて強化されたアルミニウム
合金よりなる複合材料について行われた曲げ試験
の結果に基づき、Cu含有量をパラメータとして
Mg含有量と複合材料の曲げ強さとの関係を示す
グラフ、第10図乃至第14図はそれぞれ49%
Al2O3、残部実質的にSiO2なる組成を有し、体積
率が20%、10%、5%、40%、30%である結晶質
アルミナ−シリカ短繊維にて強化されたアルミニ
ウム合金よりなる複合材料について行われた曲げ
試験の結果に基づき、Cu含有量をパラメータと
してMg含有量と複合材料の曲げ強さとの関係を
示すグラフ、第15図はCu含有量が4%であり
Mg含有量が1%であり残部が実質的にAlである
アルミニウム合金をマトリツクス金属とし、種々
の体積率の結晶質アルミナ−シリカ短繊維及び非
晶質アルミナ−シリカ短繊維を強化繊維とする複
合材料について行われた曲げ試験の結果に基づ
き、繊維体積率と複合材料の曲げ強さとの関係を
示すグラフ、第16図はCu含有量が4%であり
Mg含有量が2%であり残部が実質的にAlである
アルミニウム合金をマトリツクス金属とし、ムラ
イト結晶量が種々の値である結晶質アルミナ−シ
リカ短繊維を強化繊維とする複合材料について行
われた曲げ試験の結果に基づき、ムライト結晶量
と複合材料の曲げ強さとの関係を示すグラフ、第
17図は個々の結晶質アルミナ−シリカ短繊維が
二次元ランダムにて配向された繊維成形体を示す
斜視図、第18図は第17図に示された繊維成形
体がステンレス鋼製のケース内に充填された状態
を示す斜視図、第19図は第18図に示されたス
テンレス鋼製のケース内に充填された繊維成形体
を用いて行われる高圧鋳造による複合材料の製造
の鋳造工程を示す解図である。 1……結晶質アルミナ−シリカ短繊維、2a…
…ケース、2……繊維成形体、3……鋳型、4…
…モールドキヤビテイ、5……アルミニウム合金
の溶湯、6……プランジヤ。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 35〜65%Al2O3、65〜35%SiO2、0〜10%他
の成分なる組成を有するアルミナ−シリカ短繊維
を強化繊維とし、Cu含有量が2〜6%でありMg
含有量が0.5〜3.5%であり残部が実質的にAlであ
るアルミニウム合金をマトリツクス金属とし、前
記アルミナ−シリカ短繊維の体積率が5〜50%で
あるアルミナ−シリカ短繊維強化アルミニウム合
金。 2 特許請求の範囲第1項のアルミナ−シリカ短
繊維強化アルミニウム合金に於て、前記アルミナ
−シリカ短繊維の体積率は5〜40%であることを
特徴とするアルミナ−シリカ短繊維強化アルミニ
ウム合金。 3 特許請求の範囲第1項又は第2項のアルミナ
−シリカ短繊維強化アルミニウム合金に於て、前
記アルミナ−シリカ短繊維は非晶質アルミナ−シ
リカ短繊維であり、前記アルミニウム合金のMg
含有量は0.5〜3%であることを特徴とするアル
ミナ−シリカ短繊維強化アルミニウム合金。 4 特許請求の範囲第3項のアルミナ−シリカ短
繊維強化アルミニウム合金に於て、前記アルミナ
−シリカ短繊維の体積率は30〜40%であり、前記
アルミニウム合金のCu含有量は2〜5.5%である
ことを特徴とするアルミナ−シリカ短繊維強化ア
ルミニウム合金。
Priority Applications (6)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1979386A JPS62180024A (ja) | 1986-01-31 | 1986-01-31 | アルミナ−シリカ短繊維強化アルミニウム合金 |
CA000527792A CA1335044C (en) | 1986-01-31 | 1987-01-21 | Composite material including alumina-silica short fiber reinforcing material and aluminum alloy matrix metal with moderate copper and magnesium contents |
AU67932/87A AU591959B2 (en) | 1986-01-31 | 1987-01-22 | Composite material including alumina-silica short fiber reinforcing material and aluminum alloy matrix metal with moderate copper and magnesium contents |
US07/007,790 US4777097A (en) | 1986-01-31 | 1987-01-28 | Composite material including alumina-silica short fiber reinforcing material and aluminum alloy matrix metal with moderate copper and magnesium contents |
EP87101213A EP0235574B1 (en) | 1986-01-31 | 1987-01-29 | Composite material including alumina-silica short fiber reinforcing material and aluminum alloy matrix metal with moderate copper and magnesium contents |
DE8787101213T DE3765436D1 (de) | 1986-01-31 | 1987-01-29 | Verbundwerkstoff mit kurzen tonerde-silikatfasern als verstaerkungselement und eine matrix, bestehend aus einer aluminiumlegierung mit geringem kupfer- und magnesiumgehalt. |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1979386A JPS62180024A (ja) | 1986-01-31 | 1986-01-31 | アルミナ−シリカ短繊維強化アルミニウム合金 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS62180024A JPS62180024A (ja) | 1987-08-07 |
JPH0526855B2 true JPH0526855B2 (ja) | 1993-04-19 |
Family
ID=12009220
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1979386A Granted JPS62180024A (ja) | 1986-01-31 | 1986-01-31 | アルミナ−シリカ短繊維強化アルミニウム合金 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS62180024A (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5106702A (en) * | 1988-08-04 | 1992-04-21 | Advanced Composite Materials Corporation | Reinforced aluminum matrix composite |
-
1986
- 1986-01-31 JP JP1979386A patent/JPS62180024A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS62180024A (ja) | 1987-08-07 |
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