JPH03104833A - クロムとタンタルで改変されたγ‐チタン‐アルミニウム合金およびその製造方法 - Google Patents

クロムとタンタルで改変されたγ‐チタン‐アルミニウム合金およびその製造方法

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JPH03104833A
JPH03104833A JP2174657A JP17465790A JPH03104833A JP H03104833 A JPH03104833 A JP H03104833A JP 2174657 A JP2174657 A JP 2174657A JP 17465790 A JP17465790 A JP 17465790A JP H03104833 A JPH03104833 A JP H03104833A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 発明の背景 本発明は一般にチタンとアルミニウムの合金に係る。さ
らに特定的にいうと、本発明は、化学量論比に関して、
およびクロムとタンタルの添加に関して改変(改良)さ
れたチタンとアルミニウムのγ合金に係る。
割合を次第に1曽太しながらアルミニウムを金属チタン
に添加していくと得られるチタン−アルミニウム組或物
の結晶形態が変化することが知られている。アルミニウ
ムの割合(%)が小さいとチタン中で固溶体が形成され
、結晶形態はαチタンの結晶形態のままである。アルミ
ニウム濃度が高くなると(たとえば約25〜35原子%
)、金属間化合物Ti  Alが形成される。T is
 A 1はα−2といわれる秩序化された六方品形を有
する。
さらにアルミニウム濃度が高くなると(たとえばアルミ
ニウムが50〜60原子%の範囲)、γとよばれる秩序
化された正方晶形を有する別の金属間化合物TiA1が
形成される。このγ化合物の改変が本発明の主題である
γ結晶形を有し、化学量論比がほぼ1であるチタンとア
ルミニウムの合金は、高い引張係数(モジュラス)、低
い密度、高い熱伝導率、好ましい耐酸化性、および良好
な耐クリープ性を有する金属間化合物である。このTi
A1は良好な耐クリーブ性をもってはいるが、この耐ク
リープ特性を、他の望ましい特性の組合せを損うことな
く改良することか望ましいと思われる。TiA1化合物
、他のチタン合金、およびニッケル基超合金に対する引
張係数(モジュラス)と温度の関係を第3図に示す。図
から明らかなようにTfA1はチタン合金の中で最も良
好な引張係数(モジュラス)をもっている。TiA1は
高温で他のチタン合金より高い引張係数(モジュラス)
をもっているばかりでなく、温度の上昇による引張係数
(モジュラス)の低下率は他のチタン合金よりTiA1
の方が小さい。さらに、TiA1は、他のチタン合金が
役に立たなくなる温度以上の温度でも有用な弓張係数(
モジュラス)を保持している。TiA1金属間化合物を
基とする合金は、高温で高い引張係数(モジュラス)が
要求され、しかも環境からの良好な保護も必要とされる
用途で魅力のある軽量の材料である。
TiAIの特性の中で、このTiAlを実際にこのよう
な用途に応用する際の制限となるひとつの特性は室温で
脆性が生じることである。また、この金属間化合物の室
瓜での強度は、このTi−AI金属間化合物をある種の
{114造部材用途に利用できるようにする前に改良す
ることができる。このような組成物をそれらが適する高
温で使用できるようにするには、このγTiA1金属間
化合物の室温での延性および/または強度を高めると共
に耐クリープ性を高める改良が極めて望ましい。
軽量かつ高温で使用することの潜在的な利点と共に、使
川すべきTiAl組成物に最も望まれるものは、室温で
の強度と延性の組合せである。この金属組成物の用途の
中には1%程度の最低延性が許容されるものもあるが、
それより高い延性の方がずっと望ましい。組成物が有用
であるための最低の強度は約50ksiまたは約350
MPaである。しかし、この程度の強度をもつ材料はあ
る種の用途にやっと使える程度であり、用途によっては
それより高い強度が好ましいことが多い。
γTiAl化合物の化学量論比は、その結晶構造を変化
させることなくある範囲に亘って変えることができる。
アルミニウム含量は約50〜約60原子%で変えること
ができる。しかし、γTiAl組成物の性質は、成分の
チタンとアルミニウムの化学瓜論比が比較的小さく変化
(1%以上)しても非常に大きく変化し易い。また、そ
の性質は、比較的少量の第三元素を添加しても同様に大
きな影響を受ける。
このたび、本発明者は、γTiA1金属間化合物に、第
三添加元素だけでなく第四添加元素も含む組成物が得ら
れるように添加元素を組合せて配合することによってこ
の金属間化合物をさらに改良することができるというこ
とを発見した。
さらに、本発明者は、第四添加元素を含む組成物が、実
質的に改良された強度、望ましく高い延性、価値ある耐
酸化性、および大きく改良された耐クリープ性を含めて
独特に望ましい組合せの性質を有することを発見した。
従来技術 T i3Al金属間化合物、TiA1金属間化合物およ
びT iA l a金属間化合物を始めとするチタンと
アルミニウムの組成物に関する文献は豊富である。rT
iAl型のチタン合金(Titan1um Al1oy
s orthe TiAI Type)Jと題する米国
特許第4,294.615号では、TiAl金属間化合
物を始めとするアルミ化チタン型の合金が詳細に検討さ
れている。この特許の第1欄第50行以降では、Ti 
 Alと比較したTiAlの利点と欠点を検討する際に
次のように指摘されている。
rT i A 1γ合金系はアルミニウム含量が高いの
で潜7t的に軽いということは明らかである。1950
年代の実験によって、アルミ化チタン合金が約1000
℃までノ高温で使用できる可能性が示された。しかし、
その後このような合金で経験的に観察されていることは
、これらは必要な高温強度をもってはいるが室温と中程
度の温度、すなわち20〜550℃ではほとんどまたは
まったく延性を示さないということである。
脆性に過ぎる材料は容易に製造することができないし、
めったにないが避けることのできない使用時のちょっと
した損傷に対して亀裂を発生したりその後破断したりし
ないで耐えることもできない。これらは他の基本的へ合
金の代替として有用な工学材料ではない。」 TiA1もT ia A 1も基本的に秩序化されたチ
タン−アルミニウム金属間化合物であるが、合金系Ti
A1は(Tiの固溶体合金とはもちろん)T ia A
 1とまったく異なっている。上記米国特許第4.29
4,615号の第1欄の最下行には次のように指摘され
ている。
「当業者は、2種の秩序化された相の間には実質的な違
いがあることを認めている。
T ia A lとチタンは六方品結晶構造が非常に良
く似ているので、その合金化挙動と変態挙動が似ている
。しかし、化合物TiAtは正方品系配列の原子を有し
ており、したがって異なる合金化特性をもっている。
このような違いは以前の文献ではあまり認識されていな
い。」 上記米国特許第4,294.615号には、TiA1を
バナジウムおよび炭素と合金化して、得られる合金のい
くつかの性質を改良することが記載されている。この米
国特許第4,294.615号の表2には、タングステ
ンを含有するTiAl4fl戊物が2種類開示されてい
る。しかし、米国特許第4,294,615号には、ク
ロムまたはタンタルを含有するTiA1組成物はまった
く開示されていない。まして、クロムとタンタルを組合
せて含有するTiA1組成物はまったく開示されていな
い。
チタン−アルミニウム化合物並びにこれらの化合物の特
性を扱った技術文献は次に挙げるようにたくさんある。
1.バンブス(2.S. Bumps) 、ケスラー(
II.D. Kessler)およびハンセン(M. 
Hansen)著、「チタン−アルミニウム系(TIt
an1ua+−AluminuIn System)」
、金属雑誌(Journal of’ Metals)
 、1 9 5 2年6月、m 6 0 9〜614頁
、アメリカ鉱山冶金学会誌(TRANSACTIONS
 AIMB) 、第194巻。
2,オグデン(II.R. Ogden) 、メイカス
(D.J. Maykuth) ,フィンレイ(V.L
. Pinlay)およびジャフィ−(R.I. Ja
rf’ec)著、「高純度T i −A 1合金の機械
的性質(Mechanical Properties
 of’ HighPurity Tl−AI AIl
oys) J 、金属雑誌(Journal of’ 
Metals) 、1 9 5 3年2月、第267〜
272頁、アメリカ鉱山冶金学会誌(TRANSACT
IONS AIME)、第197巻。
3.マツクアンドリュ− (Josaph B. Mc
Andrew)およびケスラー(H.D. Xessl
er)著、高温合金用基材としてのTi−36%A l
  (TI−38 Pet Al as a BasC
ror High TeIIlperature Al
loys) J 、金属雑誌(Journal or 
Metals) 、1 9 5 6年■0月、第134
8〜1353真、アメリカ鉱山冶金学会誌(TRANS
ACTIONS AIMB) 、第206巻。
4,マーチン(Patrlck L. Martln)
 、メンディラッタ(Madan G. Mendlr
atta)およびリスピット(Ilarry A. L
ist)ltt)著、rT i A l合金およびT 
i A I +W合金のクリープ変形(Creep D
e『orIllatjon or TiAl and 
TIAI + W Alloys) J 、冶金学会誌
(Metallurgical Transactio
ns) A,第14A巻(1983年10月)、第21
71〜2174頁。
5,マーチン(P.L. Mart1n) % リスピ
ット(H.A.Lispitt) 、ヌーフ7−(N.
T. Nuhl’er)およびウィリアムズ(J.C.
 Wllllams)著、r T la A lおよび
TiAIのミクロ組織および性質に及ぼす合金化の効果
(The [Efrects o『AIIoyingo
n the Microstructurc and 
Properties of’ Tl3Al and 
TIAI)j 、チタン(Tltan1ua) 8 0
 [米国ペンシルベニア州、ワーレンデイル(warr
cndale)のアメリカ金属学会(American
 Society for Metals)発行、第2
巻、第1245〜1254頁。
ハシアノト( l{ash Ianoto)の米国特許
第4,661,316号には、TiA1に、0.1〜5
,OITf118%のマンガンを、またはマンガンと他
の元素とを組合せて添加することが教示されている。
このハシアノト(Hashianoto)の特許は、ク
ロム、またはクロムを含む元素の組合せ、特にクロムと
タンタルの組合せをTiA1に添加することを教示して
いない。
ジャフ{− (Jafree)のカナダ特許第62,8
84号の表1には、TiAI中にクロムを含有する組或
物が開示されている。また、このジャフィ− (Jar
『ee)のカナダ特許の表1には、TiAI中にタンタ
ルを含有する別の組或物、およびTiAt中に添加元素
を含有する約26種の他のTiAl組或物も開示されて
いる。このジャフィー( Jaf rcc)のカナダ特
許には、クロムと他の元素またはタンタルと他の元素を
組合せて含有するTiAl組成物はまったく開示されて
いない。特に、クロムとタンタルを組合せて含aするT
1A1組成物については開示がないだけでなく、暗示ま
たは示唆すらない。
発明の簡単な説明 本発明のひとつの目的は、室温における延性、強度およ
び関連する性質が改良され、さらに高温で秀れた耐クリ
ープ性を示すγ−チタン−アルミニウム金属間化合物を
形成する方法を提供することである。
別の目的は、低温および中間的な温度におけるチタン−
アルミニウム金属間化合物の性質を改良することである
また別の目的は、低温および中間的な温度で改良された
性質と加工性を有し、かつ高温で耐クリ−ブ性を示すチ
タンとアルミニウムの合金を提供することである。
もうひとつ別の目的は、TiA1ベース組成物の延性と
耐酸化性の組合せを改良することである。
さらに別の目的は、TiA1組成物の耐酸化性を改良す
ることである。
またさらに別の目的は、強度、延性、クリープ特性およ
び耐酸化性の性質の組を改良することである。
その他の目的の一部は以下の説明から明らかであろうし
一部はそのつと指摘する。
本発明の目的は、その広い局面のひとつにおいて、非化
学量論的なTiA1ベース合金を調製し、比較的低濃度
のクロムと低濃度のタンタルを非化学は論的組或物に添
加することによって達或される。添加の後、クロムを含
有する非化学量論的TiA1金属間化合物を急速凝固さ
せてもよい。
約1〜3原子%の程度のクロムと1〜6原子%の程度の
タンタルを添加することが考えられる。
この急速凝固させた組成物は等方圧プレスおよび押出に
よって圧密化して本発明の固体組或物を形成することが
できる。
本発明の合金はまたインゴット形態で製造してもよく、
インゴット冶金法によって加工してもよい。
発明の詳細な説明 γTiA1にタンタルとクロムを一緒に添加することを
含む本発明の基礎となった発見に至るまでに従来技術と
本発明の技術に関する一連の研究を行なった。最初の2
4個の実施例は従来技術の研究に関するものであり、後
の実施例は本発明の研究に関するものTある。
実施例1〜3 TiA1に近い化学量論比でチタンとアルミニウムを含
有する3種のメルトを調製した。組成、焼きなまし温度
、およびこれらの組成物に対して行なった試験の結果を
表1に示す。
各実施例とも、合金は最初電気アーク融解によってイン
ゴットを製造した。このインゴットをアルゴン分圧中で
溶融紡糸によって加工してリボンにした。両方の融解過
程で、メルトと容器の望ましくない反応を避けるために
メルトの容器として水冷した銅製炉床を使用した。また
、チタンは酸素に対する親和性が強いため熱い金属が酸
素にさらされることのないように注意した。
急速凝固したリボンを、排気したスチール缶に詰めて密
封した。次にこの缶を3Qksiの圧力下950℃(1
740°F)で3時間熱間等方圧プレス(H I P)
にかけた。このHIP缶を機械加工して圧密化されたリ
ボンプラグを取出した。
このHIPで得られたサンプルは、直径が約1インチで
長さが3インチのプラグであった。
このプラグをビレットの中央開口内の軸方向に入れて密
封した。このビレットを975℃(1787°F)に加
熱し、ダイを通して押出した。圧下率は約7対1であっ
た。こうして押出したプラグをビレットから取出して熱
処理した。
この抑出したサンプルを次に表Iに示した温度で2時間
焼きなました。焼きなましに続いて1000℃で2時間
特効処理した。4点曲げ試験用の試片を室温で機械加工
して1.5X3X25.4■量(0.060XO.12
0X1.0インチ)の寸法にした。抽げ試験は、内側の
スパンが10mm(O、4インチ)で外側のスパンが2
0mm(0.8インチ)の4点曲げ試験機で実施した。
負荷一クロスヘッド変位曲線を記録した。得られる曲線
に基づいて次の特性が定義される。
(1)降伏強さはクロスヘッド変位が1/1000イン
チの時の流れ応力である。クロスヘッド変位のこの量は
、塑性変形の最初の形跡および弾性変形から塑性変形へ
の遷移と考えられる。従来の圧縮法または引張法による
降伏強さおよび/または破壊強さの測定では、本明細書
に記載の測定をする際に行なった4点曲げ試験で得られ
る結果より低い結果が得られる傾向がある。4点曲げ測
定で得られる結果の方が高いということは、これらの値
を従来の圧縮法または引張法で得られた値と比較する時
に留意しなければならない。しかし、本明細書中の実施
例の多くで行なった測定拮果の比較は4点曲げ試験のも
のであり、この技術で測定したすべてのサンプルに関し
てそのような比較は、組成の相違または組成物の加工法
の相違に基づく強度特性の相違を確立するのに極めてa
効である。
(2)破壊強さは破断に至る応力である。
(3)外部繊維歪みは9.71hdの大きさであって、
「h」は試片の厚み(インチ)、rdJは破断時のクロ
スヘッド変位(インチ)である。冶金学的にいうと、こ
の計算値は、破断時に曲げ試験片の外部表面が受ける塑
性変形の量を表わす。
結果をまとめて次の表Iに示す。表工は1300℃で焼
きなましたサンプルの性質に関するデータを含んでおり
、特にこれらのサンプルに関するさらに別のデータが第
2図に示されている。
表 ■ この表のデータから明らかなように、実施例2の合金1
2は最も良好な組合せの性質を示した。
これによって、Ti−AI組成物の性質はTi/Alの
原子比および加えた熱処理に対して極めて敏感であるこ
とが確認される。合金l2を、以下に記載するようにし
て行なったさらに進んだ実験に基づいてさらに性質を改
良するためのベース合金として選択した。
また、1250℃と1350℃の間の温度で焼きなまし
をすると、望ましい程度の降伏強さ、破壊強さおよび外
部繊維歪みを有する試験片が得られることも明らかであ
る。しかし、1400℃で焼きなましすると、1350
℃で焼きなましだ試験片よりかなり低い降伏強さ(約2
0%低い)、低い破壊強さ(約30%低い)、および低
い延性(約78%低い)を有する試験片が得られる。性
質の急激な低下はミクロ組織の劇的な変化に起因し、こ
れは1350℃よりかなり高い温度で広範囲に亘るβ変
態が起こることに起因している。
尖施例4〜13 表に示す原子比のチタンとアルミニウムを含有し、さら
に比較的に小さい原子割合の添加元素を含む追加のメル
ト10種を製造した。
各サンプルは、実施例1〜3に関して上記したようにし
て製造した。
組成、焼きなまし温度、およびこれらの組成物に対して
行なった試験の試験結果を、比較用のべ−ス合金として
合金12を用いてこれと比較して表■に示す。
表 ■ *:表■の脚注*参照。
+:材料は試験片を製造するために機械加工しているう
ちに破断した。
1200℃で熱処理した実施例4と5では、降伏強さは
測定不可能であり、延性はほとんどゼロであることが判
明した。1300℃で焼きなました実施例5の試験片で
は延性が増大したがやはり望ましくない程に低かった。
実施例6でも1250℃で焼きなました試験片について
は同様であった。1300℃と1350℃で焼きなまし
た実施例6の試験片では、延性が大きくなったが降伏強
さは低かった。
その他の実施例の試験片もすべて、意味のある程度の延
性をもつものはないことが判明した。
表■に挙げた結果から明らかなように、試験用の組成物
を製造する際に関係する各種パラメーターは極めて複雑
であり相互に関連している。ひとつのパラメーターはチ
タンとアルミニウムの原子比である。第2図にプロット
したデータから明らかなように、化学量論比または非化
学量論比はいろいろな組成物で見られる試験特性に対し
て大きな影響を及ぼす。
別の一組のパラメーターは、ベースのTiAl組成物中
に含ませるために選択される添加元素である。この組の
バラメーターの中で第一のものは特定の添加元素がチタ
ンまたはアルミニウムの代わりに機能するかどうかとい
うことに関係している。特定の金属がどちらかの代わり
に機能するかもしれないし、ある添加元素がどの役割を
果たすのかを決定できる簡単な規則はない。このバラメ
ーターの意義は、ある原子割合の添加元素Xを添加する
ことを考えれば明らかである。
もしXがチタンの代わりに機能するならば、組成物T 
I 4aA 1 48X 4の有効アルミニウム濃度は
48原子%で、有効チタン濃度は52原子%となる。
逆に添加元素Xがアルミニウムの代わりとして機能する
ならば、得られる組成物は有効アルミニウム濃度が52
原子%で、有効チタン濃度が48原子%である。
したがって、どのような置換が起こるかというのは非常
に重要ではあるが、極めて予測し難くもある。
この棟のバラメーターの別のものは添加元素の濃度であ
る。
表■から明らかなもうひとつ別のパラメーターは焼きな
まし温度である。ある添加元素で最良の強度特性を生じ
る焼きなまし温度は添加元素によっていろいろであるこ
とが分かる。これは実施例6で得られた結果と実施例7
で得られた結果を比較すると分かる。
さらに、添加元素について濃度と焼きなましの組合され
た効果があるかもしれない。すなわち、なんらかの特性
の増大が見られる場合その最適な特性増大が添加元索濃
度と焼きなまし温度のある組合せで起こり得、それより
高いか低い濃度および/または焼きなまし温度では所望
の特性改良の効果が少なくなってしまう。
表■の内容から明らかになることは、非化学量論的なT
iA1組成物に第三元素を添加して得られる結果は極め
て予測し難いことと、ほとんどの試験結果は延性または
強度または両者に関して満足のいくものではないという
ことである。
実施例14〜17 添加元素を含むγ−アルミ化チタン合金のさらに別のパ
ラメーターは、添加元素を組合せても、同じ添加元素を
それぞれ別々に含ませて得られるそれぞれの利点の加法
的結合には必ずしもならないということである。
実施例1〜3に関して記載したのと同様にして、表■に
挙げたようにバナジウム、ニオブおよびタンタルを個別
に添加したTiA1ベースの別の4挿のサンプルを製造
した。これらの組成物は、それぞれ同時係属中の米国特
許出願第138.476号、第138,408号および
第138,485号に記載されている最適な組成物であ
る。
4番目の組成物は単一の合金にバナジウム、ニオブおよ
びタンタルを組合せて配合した組成物であり、表■に合
金48と表示してある。
表■から、尖施例14、15および16にそれぞれ示さ
れているようにバナジウム、ニオブおよびタンタルを個
別に添加すると、ベースのTiA+合金を実質的に改良
できることは明らかである。しかし、同じこれらの添加
元素を一緒に単一の合金に配合するとそれぞれの改良の
加法的結合にはならない。事実はまったく逆である。
まず最初に、個別添加の場合の合金を焼きなますのに使
用した1350℃の温度で焼きなました合金48では、
試験片を作成するための機械加工の際に破断する程脆性
な材料が生成することが判明した。
第二に、添加元素を組合せて含む1250’Cで焼きな
ました合金で得られた結果は、添加元素を個別に含有す
るそれぞれの合金で得られた結果よりひどく劣っている
特に、延性に関して、実施例14の合金14でバナジウ
ムはその延性を実質的に改良するのに非常に良好であっ
たことが明らかである。しかし、実施例17の合金48
でバナジウムを他の添加元素と組合せると、達成される
と思われた延性の改良はまったく得られない。実際、こ
のベース合金の延性は0.1の値にまで低下する。
さらに、耐酸化性に関して、合金40の添加元素二オブ
は、ベース合金の重量損失が31■/cdであるのに対
して合金40のMm損失は4mg/cjと極めて顕著な
改良を明らかに示している。酸化試験およびそれと相補
的な耐酸化性試験では試験するサンプルを48時間98
2℃の温度に加熱する。サンプルを冷却した後、あらゆ
る酸化物スケルを掻き取る。加熱・掻き取りの前と後に
サンプルを秤量することによって重量の差をMj定する
ことができる。市;3 jp失は、全重量損失(ダラム
)を試片の表面積(平方センナメートル)で割って■/
cJで決定される。この酸化試験は、本明細書に記載す
る酸化性または耐酸化性の測定すべてで使用したもので
ある。
添加元素としてタンタルを含有する合金60の場合、1
325℃で焼きなましたサンプルの重量損失は2■/c
iと決定され、これもベース合金の31a+g/car
の重量損失と比較される。いい換えると、個別の添加の
場合、添加元素のニオブとタンタルはいずれもベース合
金の耐酸化性を改良するのに極めて有効であった。
しかし、3種の添加元素、バナジウム、ニオブおよびタ
ンタルをすべて組合せて含有する表■の実施例17、す
なわち合金48に対して挙げた結果から明らかなように
、酸化性はベース合金の約二倍に増大している。一方、
このベース合金の値は、添加元素としてニオブをli独
で含有する合金40より7倍大きく、添加元素としてタ
ンタルを単独で含有する合金60より約15倍も大きい
別個の添加元素を使用して得られるそれぞれの利点と欠
点は、これらの添加元素を個別になんとも使用したとき
に信頼性よく反復される。しかし、添加元素を組合せて
使用すると、ベース合金中で組合せられたある添加元素
の効果は、同じベース合金中でその添加元素を個別に使
用した場合の効果とはまったく異なったものとなり得る
。たとえば、バナジウムの添加はチタン−アルミニウム
組成物の延性に対して有益であることが発見されており
、これは同時係属中の米国特許出願第138,476号
に開示され議論されている。また、上述したように,T
iA1ベース合金の強度に対して有益であることが発見
され、1987年12月28日に出願された同時係属中
の米国特許出願第138,408号に記載されている添
加元素のひとつは添加元素二オブである。さらに、上で
議論したマツクアンドリュ−(McAndrow)の論
文に示されているように、TtAlベース合金に添加元
素のニオブを個別に添加すると耐酸化性が改良され得る
。同様に、耐酸化性を改良する際に補助としてタンタル
を個別に添加することがマツクアンドリュ−(MeAn
drev)によって教示されている。さらにまた、同時
係属中の米国特許出願第138,485号には、タンタ
ルを添加すると延性が改良されることが開示されている
いい換えると、バナジウムは独立してγ−チタン−アル
ミニウム化合物に有利な延性改良効果をもたらすことが
できるということ、およびタンタルは独立して延性と酸
化性の改良に寄与することができるということが判明し
ている。これとは別に、添加元素のニオブはチタン−ア
ルミニウムの強度および耐酸化性に対して有益に寄与す
ることができるということが判明している。しかし、本
発明者は、この実施例17に示されているように、バナ
ジウム、タンタルおよびニオブを一賭に使用して合金組
成物中に添加元素として配合すると、その合金組成物は
その添加による利益を受けることはなく、むしろ添加元
素のニオブ、タンタルおよびバナジウムを含有するTi
A1の性質は確実に低下または損失することを発見した
のである。
これは表■から明らかである。
このことから明らかなように、2種以上の添加元素がそ
れぞれ独立にTfA1を改良する場合、それらを一緒に
使用すればTiAlをさらに改良するはずであるように
見えるかもしれないが、そのような添加は極めて予測し
難く、それどころか、尖際バナジウム、ニオブおよびタ
ンタルを組合せて添加した場合、添加元素を組合せて使
用すると全体としての性質の有益な向上が得られるどこ
ろか性質の疋味の損失が起こることが分かる。
しかし、上記表■から明らかなように、添加元素のバナ
ジウム、斗オブおよびタンタルを組合せて含有する合金
はその耐酸化性が実施例2のTiAlベース合金12よ
りひどく劣る。ここでもまた、個別には性質を改良する
添加元素を組合せてふくませると、その添加元素を個別
に含ませた時に改良されるその性質がまさしく損失する
ことがi11明した。
実施例18〜23 実地例1〜3に関連して上記したのと同様にして、それ
ぞれ表■に示した組成を有する、クロムで改変されたア
ルミ化チタンを含有する別の692のサンプルを製造し
た。
表■は、標準のものと改変されたものと両方の合金すべ
てに対して、関連すると思われたさまざまな熱処理条件
下で行なった曲げ試験の結果をまとめて示す。
表 ■ 表■に挙げた結果は、さらに、合金化添加元素がベース
合金に付与される性質に及ぼす効果を決定する際の各種
要因の臨界性を立証している。たとえば、合金80は2
原子%のクロム添加で良好な性質の組合せを示している
。これからクロムをさらに添加すればさらに改良される
と期待されるかもしれない。しかし、3種の異なるTi
A1原子比を有する合金に4原子%のクロムを添加した
ところ、これより低めの濃度で有益であることが判明し
たある添加元素の濃度を増大させても、あるものが良好
である場合その量を増やすとさらに良くなるはずである
という単純な推論には従わないことが立証された。事実
、添加元素のクロムの場合にはまったく反対のことが起
こるのであって、ある量で良好であっても量を増やすと
それより悪くなることが立証されている。
表■から明らかなように、「より多くの」(4原子%)
クロムを含有する合金49、79および88は、いずれ
も、ベースの合金と比較して強度が劣っており、しかも
外部繊維歪み(延性)も劣っでいる。
対照的に、実施例18の合金38は2原子%の添加元素
を含有しており、強度は多少低下しているものの延性は
大幅に改良されている。また、合金38の測定された外
部繊維歪みは熱処理条件と』(に大きく変化しているこ
とが分かる。外部繊維歪みの顕著な増大は1250℃で
の焼きなましで達成された。それより高い温度で焼きな
ました場合は低下した歪みが観察された。同様な改良は
、やはり添加元素を2原子%しか含有しない合金80で
も観察された。ただし、この場合最高の延性が達成され
る焼きなまし温度は1300℃であった。
実施例20の合金87では2原子%の量のクロムを使用
しているが、アルミニウムの濃度が50原子%に増大し
ている。アルミニウムの濃度がこのように高いと、その
延性は、46〜48原子%の範囲のアルミニウムと2原
子%のクロムを含む組成物で測定された延性より多少低
下する。合金87の場合、最適の熱処理温度は約135
0℃であることが判明した。
それぞれ添加元素を2原子%含有する実施例18、19
および20では、最適の焼きなまし温度はアルミニウム
濃度の増大に伴って上昇することが観察された。
このデータから、1250℃で熱処理された合金38は
最良の組合せの室温特性を示すことが決定された。アル
ミニウムが46原子%である合金38では最適の焼きな
まし温度が1250℃であるが48原子%のアルミニウ
ムを含む合金80の最適な温度は1300℃であること
に注意されたい。合金80で得られたデータをベースの
合金に対してプロットして第2図に示す。
このように1250℃で処理した合金38と1300℃
で熱処理した合金80の延性が顕著に1曽大したことは
、1987年12月28日に出願された同時係属中の米
国特許出願第138.  41115号に説明されてい
るように、予期されなかったことである。
表■に含まれているデータから明らかなことは、TiA
1組成物の性質を改良するためのその組成物の改変は非
常に複雑であり予測できないということである。たとえ
ば、2原子%の濃度のクロムは、TiA1の原子比が適
当な範囲にありこの組成物の焼きなまし温度がクロムの
添加に対して適当な範囲にある組成物の延性を極めて顕
著に増大させることが明らかである。また、添加元素の
濃度を増加すれば性質を改良する上でより大きな効果が
期待されるかもしれないが、2原子%の濃度で達成され
る延性の増大はクロムを4原子%の濃度まで増加させる
と逆転するかまたは失われるので、本当はまったS逆で
あるということも表■のデータから明らかである。さら
に、より高濃度の添加元素の添加に伴う性質の変化を試
験する際に、チタンとアルミニウムの原子比をかなり大
幅に変化させ、またかなり広い範囲の焼きなまし温度を
使用しても、TiA1の性質を改良するのに4原子%の
濃度は有効でないことが明らかである。
実施例24 次の組成を有する合金サンプルを製造した。
T l 52A 1 48 C r 2この合金の試験
用サンプルは28類の製造法で調製し、各サンプルの性
質は引張試験で測定した。
使用した方法と得られた結果をすぐ下の表Vに示す。
表    V 表Vには、実施例18と24に従って製造した合金サン
プル38についての結果を挙げた。これらの実施例では
それぞれの合金を形或するのに異なる2種の製法を使用
した。さらに、実施例18の合金38から調製した金属
試片およびそれとは別に実施例24の合金38から調製
した金属試片に対して使用した試験法は、前の実施例の
試片に対して使用した試験法とは異なっている。
そこで、まず実施例18をみると、この実施例の合金は
丈施例1〜3に関して上に記載した方法で製造した。こ
れは、急速凝固・圧密化法である。
さらに、実施例18で使用した試験は、すでに挙げた表
で示した他のデータ、特に上記表■の実施例18に示し
たデータの場合に使用した4点曲げ拭験ではなかった。
むしろ使用した試験法はより普遍的な引張試験であった
。この試験法では、金属サンプルを引張試験棒として製
造し、金属が伸びて最後に破断するまで引張試験にかけ
る。たとえば、ふたたび表Vの実施例18に関していう
と、合金38から引張拭験棒を製造し、この試験棒に引
張力をかけたところ、この棒は93ksiで降伏すなわ
ち伸張した。
表Vの実施例18に挙げた引張試験棒で測定した降伏強
さ(ksi)は、4点曲げ試験で測定した表■の実施例
18の降伏強さ(ksf)に匹敵する。一般に、冶金学
上の習慣では、引張拭験捧の伸びで決定される降伏強さ
の方が普通に使用されており工学的目的に対してより一
般的に受け入れられている尺度である。
同様に、引張強さ108ksiは、表Vの実施例18の
引張試験棒が引張られた結果として破断する時の強さを
表わす。この測定値は表■の実施例18の破壊強さ(k
si)に相当する。明らかに、すべてのデータで、2種
類の異なる試験では2つの異なる測定値が得られる。
次に、塑性伸びに関してみると、ここでも、前記表■の
実施例18に挙げた4点曲げ試験で測定された結果と、
上の表Vの実施例18の一番右の欄に挙げた塑性伸び(
%)との間にはある相関がある。
ここで、ふたたび表Vをみると、実施例24は「加工方
法」の欄にインゴット冶金法で製造したとされている。
ここで使用する「インゴット冶金法」という用語は、合
金38の成分を表Vに示した割合で、しかも夫施例18
に示した割合に正確に相当する割合で融解することを意
味する。いい換えると、実施例18の合金38と実施例
24の合金38の組或はまった《同一である。これら2
つの実施例の相違点は、実施例18の合金が急速凝固法
で製造されたのに対して実施例24の合金がインゴット
冶金法で製造されたことである。もう一度いうと、イン
ゴット冶金法では、成分を融解し、その戊分を凝固させ
てインゴットにする。
急速凝固法では、溶融紡糸法でリボンを形或した後この
リボンを圧密化して充分密に凝集した金属サンプルにす
る。
尖施例24のインゴット融解法では、直径が約2′で厚
さが約1/2′の寸法のホッケーバック状の形状のイン
ゴットを製造する。このホッケーバック状のインゴット
を融解・凝固させた後、ホッケーバック状インゴットの
垂直厚みに相当する垂直厚みをもち壁厚が約1/2′の
スチール製の環の中にインゴットを封入した。この保持
リング内に封入する前にホッケーパックインゴットを2
時間1250℃に加熱して均質化した。このホッケーバ
ックと収容リングの全体を約975℃の温度に加熱した
。こうして加熱したサンプルと収容リングを、元の厚み
のほぼ半分の厚みに鍛造した。
試片の鍛造・冷却後、実施例18で製造した引張試験片
に相当する引張試験片を製造した。これらの引張試験片
を実施例18で使用したのと同じ通當の引張試験にかけ
た。これらの試験で得られた降伏強さ、引張強さおよび
塑性伸びの測定値を表Vの尖施例24の欄に示した。表
■の結果から明らかなように、それぞれの試験サンプル
は実際の引張試験を実施する前に異なる温度で焼きなま
しだ。
表■の実施例18では引張試験片に対して使用した焼き
なまし温度は1250℃であった。表Vの実施例24の
合金38の3つのサンプルは、それぞれ表Vに示した3
つの異なる温度、すなわち1225℃、1250℃およ
び1275℃で焼きなました。焼きなまし処理をおよそ
2時間実施した後、サンプルを通常の引張試験にかけた
。その結果は、3つの別々に処理した引張試験片につい
て表Vに示した。
ここで、表Vに示した試験結果をふたたび参照すると、
急速凝固で製造された合金で測定される降伏強さは、イ
ンゴット法で加工された金属試片でi1I1定される降
伏強さより多少高いことが明らかである。また、インゴ
ット冶金法で製造されたサンプルの塑性伸びが、一般に
、急速凝固法で製造されたサンプルより高い延性をもっ
ていることも明らかである。実施例24について挙げた
結果は、降伏強さの測定値は実施例18の測定値よりい
くらか低いものの、航空機エンジンやその他多くの産業
用途に応用するのに充分であることを立証している。し
かし、実施例24について表Vに挙げた延性の刈定値に
よると、インゴット冶金法で製逍された合金38は、延
性の向上により、より高い延性が要求される用途で極め
て望ましいユニクな合金となる。一般に、インゴット冶
金法は、高価な溶融紡糸工程そのものも、溶融紡糸の後
に必要とされる圧密化工程も必要としないので、溶融紡
糸法または急速凝固法よりずっと安価であることがよく
知られている。
実施例25 実施例24に関して記載したのとほぼ同様なインゴット
冶金法で合金のサンプルを製造した。メルトの成分組成
は次式で表わされる。
T l 48A 1 4s C r 2 T a 2こ
れらの成分からメルトを形成し、そのメルトを鋳造して
インゴットにした。
このインゴットの寸法は、直径が約2インチ、厚さが約
172インチであった。
このインゴットを1250℃に2時間加熱して均質化し
た。
ほぼホッケーバック状形態のインゴットを、ホッケーパ
ックインゴットの垂直厚みに相当する垂直厚みを有し壁
厚が約1/2インチである環状のスチール製バンドで側
面から封入した。
このホソケーパックインゴットと環状の保持リングの全
体を約975℃の温度に加熱した後、この温度で鍛造し
た。鍛造によって、ホッケーパックインゴットの厚みは
その元々の厚みの半分に低下した。
鍛造したインゴットを冷却した後、このインゴットを磯
城加工して、3種の異なる熱処理用のピンを3個作成し
た。この3個のピンを下記表■に示す3種の異なる温度
で2時間それぞれ別個に焼きなました。それぞれの焼き
なましの後3つのピンを1000℃で2時間時効処理し
た。
焼きなましおよび時効処理の後、各ピンを機械加工して
通常の引張試験棒を作成し、得られた3つの試験棒に対
して通常の引張試験を実施した。
この引張試験の結果を表■に示す。
表   ■ 合金の引張特性および耐酸化性 * :実施例2Aは二の実施例で使用した合金の組成の点で
上記実施例2に相当する。
しかし、実施例2Aの合金12Aは、実施例2の合金1
2の急速凝固法ではなくてインゴット冶金法で製還した
。引張特性と伸び特性は、実施例2の合金12に対して
使用した4A曲げ試験ではなくて引張試験棒法で試験し
た。
表から明らかなように、合金140の5つのサンプルは
それぞれ5つの異なる温度、すなわち1250℃、12
75℃、1300℃、1325℃および1350℃で別
々に焼きなました。これらのサンプルの降伏強さはベー
ス合金12と比べて大幅に改良されている。たとえば、
1300℃で焼きなましたサンプルは降伏強さが約17
%、破壊強さが約12%向上していた。この強度の向上
は延性をまったく損うことがなく実現した。
しかしながら、やはり表■の結果が示しているように、
耐酸化性も顕若に改良されていた。この改良は、重量損
失を引起こす酸化の低減として約94%である。この表
■のデータを第1図にプロットして示す。
この大幅に改良された強度、極めて望ましい延性および
顕著に改良された耐酸化性が組合される結果、この合金
は、ユニークなγ−アルミ化チタン組成物となる。
さらに、実施例25の合金140に対してクリ−プ歪み
の試験を実施した。T 1 4g A l 48 C 
r 2’ T a 2のクリープを示すデータをT 1
 5oA I 48Cr2のクリープデータと比較して
プロットしたのが第4図である。合金140の場合は8
00時間後サンプルが破断する前に試験を中止した。第
4図のプロットから明らかなように、タンタルを含有す
るサンプルは、アルミニウムを含有するがタンタルを含
有しないサンプルと比較してクリープ特性が秀れている
したがって、この実施例で得られた結果が実施例17で
得られた結果とまったく対照的であることは容易に分か
る。尖施例17では、多数の添加元素を組合せてγTE
A1合金に添加すると、その添加元素を個別に使用した
時の有益な影響がr[]殺されて消失した。対照的に、
この実施例では、複数の添加元素を加えると、個別に添
加した時に見られた結果を越える全体的な効果が達成さ
れた。
実施例26〜30 さらに、実施例24に記載したようにして、別のサンプ
ルを5種類作成した。これらのサンプルの組成を表■に
挙げる。
表   ■ 合金の引張特性 表■には、これらのクロムとタンタルを含有するγTi
A1組成物の引張試験の結果も挙げた。
一般にこれらの合金の強度の値が実施例2Aのものより
改良されていることが明らかである。延性の値はある範
囲に亘って変化していたが、これらの組成物で有意義で
有益な延性の値が達成可能なことを示していた。
実施例31 次の組成を有する合金の30〜35ボンドのメルトを製
造した。
T 1 47A l 47C r 2 T a 4vI
られた材料を誘導加熱した後、黒鉛製金型に注いだ。こ
のインゴットは直径が約2.75インチで長さが約2.
36インチであった。
このインゴットからサンプルを切出し、1175℃、l
 5Ks iで3肪間HIP処理した。次に、HIP処
理したサンプルを24時間以内の間1200℃で均質化
した。
次いで、サンプルを歪みのかかる速度を0.  1イン
チ/分として1175℃で等温鍛造した後、その厚みを
元の厚みの25%まで低下させた(すなわち2インチか
ら0.  5インチになった)。
次にサンプルを1275℃で2時間焼きなました。その
後、このサンプルの室温引張特性を測定した。その結果
を表■に示す。
表    ■ T I 47A I 47 C r 2 T a 4の
引張特性* :引張と伸びの2つの値は同じ合金のサンプルに対して
行なった二回の試験による。
上の実施例から明らかなように、TiAlに対するクロ
ムとタンタルの添加の望ましい効果は、次式に従ってタ
ンタルを2部添加する場合一猪になって発F1(される
引張強さの極めて顕著な増大が延性の損失を伴うことな
く得られる。実際、塑性延び2,73%を示したサンプ
ルでは向上さえしたのである。
【図面の簡単な説明】
第1図は、1300″Cで焼きなました後の本発明の合
金をベース合会に対して比較したデータを示す棒グラフ
である。 第2図は、化学量論の異なるTiA1組成物とT l 
soA l 48 C r 2に対して4点曲げ試験で
測定した負荷(ボンド)とクロスヘッド変位(ミル)と
の関係を示すグラフである。 第3図は、各種合金に対する引張係数(モジュラス)と
温度の関係を示すグラフである。 第4図は、クリープ試験(800゜C,110ksi 
,アルゴン)をうけた2種の金属のクリープ歪み(%)
を時間に対してプロットしたグラフである。 00o う&痕 (0こ)

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)本質的に、次の平均原子比 Ti_5_2_−_4_1Al_4_6_−_5_0C
    r_1_−_3Ta_1_−_6のチタン、アルミニウ
    ム、クロムおよびタンタルから成る、クロムとタンタル
    で改変されたチタン−アルミニウム合金。
  2. (2)本質的に、平均原子比 Ti_5_1_−_4_3Al_4_6_−_5_0C
    r_1_−_3Ta_2_−_4のチタン、アルミニウ
    ム、クロムおよびタンタルから成る、クロムとタンタル
    で改変されたチタン−アルミニウム合金。
  3. (3)本質的に、次の平均原子比 Ti_5_1_−_4_2Al_4_6_−_5_0C
    r_2Ta_1_−_6のチタン、アルミニウム、クロ
    ムおよびタンタルから成る、クロムとタンタルで改変さ
    れたチタン−アルミニウム合金。
  4. (4)本質的に、平均原子比 Ti_5_0_−_4_4Al_4_6_−_5_0C
    r_2Ta_2_−_4のチタン、アルミニウム、クロ
    ムおよびタンタルから成る、クロムとタンタルで改変さ
    れたチタン−アルミニウム合金。
  5. (5)本質的に、平均原子比 Ti_5_0_−_4_4Al_4_6_−_5_0C
    r_2Ta_1_−_6のチタン、アルミニウム、クロ
    ムおよびタンタルから成る、クロムとタンタルで改変さ
    れたチタン−アルミニウム合金。
  6. (6)本質的に、次の平均原子比 Ti_4_9_−_4_6Al_4_7_−_4_8C
    r_2Ta_2_−_4のチタン、アルミニウム、クロ
    ムおよびタンタルから成る、クロムとタンタルで改変さ
    れたチタン−アルミニウム合金。
  7. (7)前記合金がインゴット冶金法によって製造された
    ものである、請求項1記載の合金。
  8. (8)前記合金がインゴット冶金法によって製造された
    ものである、請求項2記載の合金。
  9. (9)前記合金がインゴット冶金法によって製造された
    ものである、請求項3記載の合金。
  10. (10)前記合金がインゴット冶金法によって製造され
    たものである、請求項4記載の合金。
  11. (11)前記合金がインゴット冶金法によって製造され
    たものである、請求項5記載の合金。
  12. (12)前記合金がインゴット冶金法によって製造され
    たものである、請求項6記載の合金。
  13. (13)前記合金が1250〜1350℃で熱処理され
    ている、請求項5記載の合金。
  14. (14)前記合金が1250〜1350℃で熱処理され
    ている、請求項6記載の合金。
  15. (15)前記合金が1250〜1350℃で熱処理され
    ている、請求項7記載の合金。
  16. (16)前記合金が1250〜1350℃で熱処理され
    ている、請求項8記載の合金。
  17. (17)本質的に、次の平均原子比 Ti_5_0_−_4_4Al_4_6_−_5_0C
    r_2Ta_2_−_4のチタン、アルミニウム、クロ
    ムおよびタンタルから成るクロムとタンタルで改変され
    たチタン−アルミニウムγ合金で形成されている、高強
    度および高温で使用される構造部材。
  18. (18)部材がジェットエンジンの構造部材である、請
    求項17記載の部材。
  19. (19)部材が繊維状強化材で強化されている、請求項
    17記載の部材。
  20. (20)繊維状強化材が炭化ケイ素フィラメントである
    、請求項19記載の部材。
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