JPH05279774A - 鋳造およびHIP処理により製造されたクロム−ホウ素−タンタル含有γ型チタン−アルミニウム合金 - Google Patents

鋳造およびHIP処理により製造されたクロム−ホウ素−タンタル含有γ型チタン−アルミニウム合金

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JPH05279774A
JPH05279774A JP4337732A JP33773292A JPH05279774A JP H05279774 A JPH05279774 A JP H05279774A JP 4337732 A JP4337732 A JP 4337732A JP 33773292 A JP33773292 A JP 33773292A JP H05279774 A JPH05279774 A JP H05279774A
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chromium
tantalum
boron
titanium
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JP4337732A
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Shyh-Chin Huang
シェイ・チン・ヒュアング
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General Electric Co
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    • C22FCHANGING THE PHYSICAL STRUCTURE OF NON-FERROUS METALS AND NON-FERROUS ALLOYS
    • C22F1/00Changing the physical structure of non-ferrous metals or alloys by heat treatment or by hot or cold working
    • C22F1/16Changing the physical structure of non-ferrous metals or alloys by heat treatment or by hot or cold working of other metals or alloys based thereon
    • C22F1/18High-melting or refractory metals or alloys based thereon
    • C22F1/183High-melting or refractory metals or alloys based thereon of titanium or alloys based thereon
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 室温における延性、強度、及び、これらに関
連する性質の向上を示すと共に、高温においてクリープ
抵抗性の向上を示すチタン−アルミニウム(Ti−A
l)合金を提供する。 【構成】 化学量論的でないγ−TiAl合金に、約0.
1 〜0.3 原子量%のホウ素、約1 〜3 原子量%のクロ
ム、及び、約1 〜8 原子量%のタンタルを添加して下式
の合金を鋳造し(チタンは残部)、 Ti−Al45-50 Cr1-3 Ta1-8 0.1-0.3 次に、斯く得られた鋳造体をHIP処理することによ
り、クロム−ホウ素−タンタル含有チタン−アルミニウ
ム合金を得る。該合金は、所期の性質向上の他にも、高
い耐酸化性を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本願は、1990年7月2日に提
出された同時係属米国特許出願第07/546962お
よび07/546973号、1990年9月26日に提
出された同第07/589823および07/5898
27号、1991年6月12日に提出された同第07/
613494号、1990年12月21日に提出された
同第07/631988および07/631989号、
1991年5月2日に提出された同第07/69504
3号、1991年8月1日に提出された同第07/73
9004号、 日に提出された同第
号(出願人処理番号:RD−20,
658)、 日に提出された同第
号(出願人処理番号:RD−20,7
66)、並びに 日に提出された同第
号(出願人処理番号:RD−21,81
6)と関連を有している。
【0002】
【従来の技術】本発明はチタン−アルミニウム合金に関
するものである。更に詳しく言えば本発明は、チタンと
アルミニウムとの化学量論比を変化させかつクロム、ホ
ウ素およびタンタルを添加することによって改質される
と共に、鋳造および熱間等圧圧縮(HIP:hot isosta
tic pressing)によって製造されるようなγ型チタン−
アルミニウム合金(以後は「γ−TiAl合金」と呼ぶ
ことがある)に関する。
【0003】金属チタンに添加されるアルミニウムの割
合を増加させるのに伴い、得られるチタン−アルミニウ
ム組成物の結晶形態は変化することが知られている。チ
タンに低濃度のアルミニウムを添加すると固溶体が得ら
れるが、それの結晶形態はα−チタンの結晶形態と同じ
である。より高いアルミニウム濃度(すなわち、約25
〜35原子%のアルミニウム濃度)の下では金属間化合
物Ti3 Alが生成するが、これはα2 型と呼ばれる規
則的な六方晶系結晶形態を有している。更に高いアルミ
ニウム濃度(すなわち、50〜60原子%のアルミニウ
ム濃度)の下では、γ型と呼ばれる規則的な正方晶系結
晶形態を有する別の金属間化合物TiAlが生成する。
かかるγ型金属間化合物を改質したものが本発明の主題
を成している。
【0004】γ型の結晶形態および約1の化学量論比を
有するチタン−アルミニウム合金は、高い弾性率、低い
密度、高い熱伝導率、好ましい耐酸化性および良好なク
リープ抵抗性を有する金属間化合物である。TiAlは
良好なクリープ抵抗性を有するとは言え、他の望ましい
性質を犠牲にすることなくかかるクリープ抵抗性を更に
向上させることは望ましいものと思われる。TiAl、
その他のチタン合金およびニッケル基超合金に関する弾
性率と温度との関係を図3に示す。この図から明らかな
通り、TiAlはチタン合金のうちで最も優れた弾性率
を有している。すなわち、TiAlの弾性率は高温下に
おいて他のチタン合金の場合より高いばかりでなく、温
度の上昇に伴うTiAlの弾性率の低下速度も他のチタ
ン合金の場合より小さいのである。その上、TiAlは
他のチタン合金が役に立たなくなるような温度より高い
温度下においても有用な弾性率を保持している。このよ
うに、TiAl金属間化合物を基材とする合金は、高温
下における高い弾性率および良好な環境保護特性を要求
する用途にとって魅力的な軽量材料である。
【0005】TiAlの実際的な使用を制限するそれの
特性の1つは、TiAlが室温において脆いことであ
る。また、TiAlをある種の構造部材用途において使
用するためには、室温におけるそれの強度を向上させる
ことが必要となることもある。このように、適当な高温
下でTiAl金属間化合物を使用し得るためには、クリ
ープ抵抗性を向上させかつ室温における延性および(ま
たは)強度を向上させるようにTiAl金属間化合物を
改質することが極めて望ましいのである。
【0006】高温下で軽量材料として有利に使用し得る
ことを考えると、使用すべきTiAl組成物において最
も要望されることは、それが室温において望ましい組合
せの強度および延性を有することである。かかる組成物
のある種の用途にとっては1%程度の最小延性が得られ
れば十分であるが、それよりも高いレベルの延性が得ら
れればなお一層望ましい。また、組成物が有用であるた
めの最小強度は約50ksi または約350MPa である。
とは言え、このような強度レベルを有する材料はある種
の用途に対する最低限の有用性を有するものに過ぎない
のであって、用途によってはそれよりも高い強度を有す
ることが好ましい場合が多い。
【0007】TiAl金属間化合物の化学量論比は、γ
型結晶構造の変化なしに一定の範囲内において変化し得
る。すなわち、それのアルミニウム含量は約50〜約6
0原子%の範囲内において変化し得る。とは言え、チタ
ンおよびアルミニウム成分の化学量論比が1%またはそ
れ以上の比較的小さい変化を受けた場合でも、TiAl
金属間化合物の性質は極めて顕著な変化を示すことがあ
る。それの性質はまた、比較的少量の第3成分を添加す
ることによっても同様な影響を受ける。
【0008】このたび、第4成分であるタンタルおよび
クロムをホウ素と共に含有する組成物は、各種の成分が
適正な比率で存在しかつかかる組成物が鋳造および熱間
等圧圧縮によって製造された場合、実質的に向上した強
度および高度の延性を含む特異な望ましい組合せの性質
を示すことが見出された。TiAl3 金属間化合物、T
iAl金属間化合物およびTi3 Al金属間化合物を含
めたチタン−アルミニウム組成物に関しては、数多くの
文献が存在している。「TiAl型のチタン合金」と称
する米国特許第4294615号の明細書中において
は、TiAl金属間化合物を含むアルミニウム化チタン
型の合金が詳しく論じられている。この特許明細書の第
1欄50行目以降には、Ti3 Alに対するTiAlの
利点および欠点に関して次のような記載がある。「γ−
TiAl合金系はより多量のアルミニウムを含有してお
り、従ってより軽量である可能性を有することは明らか
であろう。1950年代における実験室内での研究結果
は、アルミニウム化チタンが約1000℃までの高温用
途にとって有望であることを示した。しかし、かかる合
金に関する以後の技術的経験によれば、それらは所要の
高温強度を有していたが、室温および中程度の高温(す
なわち、20〜550℃の温度)におけるそれらの延性
はほぼ皆無に近いことが判明した。余りに脆い材料は容
易に加工し得ないばかりでなく、それらの使用に際して
稀ではあるが不可避的に発生する微小な損傷の結果とし
て亀裂およびそれに伴う破損が起こることが避けられな
い。従って、それらは他の基礎合金に取って代わるほど
の有用な高性能合金ではない。」TiAlおよびTi3
Alはいずれも基本的には規則的なアルミニウム化チタ
ン金属間化合物であるとは言え、TiAlはTi3 Al
(およびTiの固溶体合金)と実質的に異なることが知
られている。米国特許第4294615号明細書の第1
欄の下部には次のような記載がある。「当業者は、これ
ら2つの秩序相の間に実質的な差があることを認めてい
る。Ti3 Alの合金化および変態挙動はチタンの場合
に類似しているのであって、両者の六方晶系結晶構造は
よく似ている。しかるに、TiAl金属間化合物は正方
晶系の原子配列を有しており、従ってかなり異なる合金
化特性を示すのである。このような差異は、初期の文献
においては認識されていないことが多い。」米国特許第
4294615号明細書中には、TiAlにバナジウム
および炭素を添加して成る組成物はある程度の性質改善
を示すことが記載されている。また、米国特許第429
4615号明細書の表2中には、タングステンを含有す
る2種のTiAl組成物が開示されている。しかしなが
ら、米国特許第4294615号明細書中にはクロムま
たはタンタルを含有するいかなるTiAl組成物も開示
されていない。従って、クロム、ホウ素およびタンタル
の組合せを含有するTiAl組成物の開示は全く存在し
ないのである。
【0009】チタン−アルミニウム組成物およびそれら
の特性を取扱った技術文献を挙げれば、下記の通りであ
る。 (1) 米国採鉱・冶金および石油技術者協会会報であるジ
ャーナル・オブ・メタルズ(Journal of Metals) 第19
4巻(1952年6月号)の609〜614頁に収載さ
れたイー・エス・バンプス、エイチ・ディー・ケスラー
およびエム・ハンセン(E.S. Bumps, H.D. Kessler & M.
Hansen)の論文「チタン−アルミニウム系」。
【0010】(2) 米国採鉱・冶金および石油技術者協会
会報であるジャーナル・オブ・メタルズ(Journal of Me
tals) 第197巻(1953年2月号)の267〜27
2頁に収載されたエイチ・アール・オグデン、ディー・
ジェイ・メイカス、ダブリュー・エル・フィンレーおよ
びアール・アイ・ジャフィー(H.R. Ogden, D.J. Maykut
h,W.L. Finlay & R.I. Jaffee)の論文「高純度Ti−A
l合金の機械的性質」。 (3) 米国採鉱・冶金および石
油技術者協会会報であるジャーナル・オブ・メタルズ(J
ournal of Metals) 第206巻(1956年10月号)
の1345〜1353頁に収載されたジョゼフ・ビー・
マッカンドルーおよびエイチ・ディー・ケスラー(Josep
h B. McAndrew & H.D. Kessler) の論文「耐熱合金用基
材としてのTi−36%Al」。
【0011】(4) イズベスチヤ・アカデミー・ナウク・
SSSR(Izv. Akad. Nauk SSSR)、金属編、第5巻(1
983年)の170頁に収載されたエス・エム・バリノ
フ、ティー・ティー・ナルトヴァ、ユ・エル・クラスリ
ンおよびティー・ヴィー・モグトヴァ(S.M. Barinov,
T.T. Nartova, Yu L. Krasulin & T.V. Mogutova)の論
文「チタン−アルミニウムの強度および破壊靭性の温度
依存性」。この文献の表1中にはチタン−36%アルミ
ニウム−0.01%ホウ素の組成物が報告されていて、
この組成物は延性の向上を示すことが述べられている。
原子パーセントで表わせば、この組成物は、Ti50Al
49.97 0.03に相当している。
【0012】(5) 米国金属学会(ペンシルバニア州ウォ
レンデール市)発行のチタニウム80(Titanium 80) 第
2巻(1980年)の1231頁に収載されたエス・エ
ム・エル・サストリーおよびエイチ・エイ・リスピット
(S.M.L. Sastry & H.A. Lispitt)の論文「TiAlおよ
びTi3 Alの塑性変形」。 (6) メタラージカル・トランザクションズA(Metallurg
ical Transactions A)第14A巻(1983年10月)
の2171〜2174頁に収載されたパトリック・エル
・マーチン、マダン・ジー・メンディラッタおよびハリ
ー・エイ・リスピット(Ptrick L. Martin, Madan G. Me
ndiratta & Harry A. Lispitt)の論文「TiAlおよび
TiAl+W合金のクリープ変形」。
【0013】(7) チタニウム・アンド・ジルコニウム(T
itanium and Zirconium)第33巻第3号159(198
5年7月)の1〜13頁に収載されたトクゾー・ツジモ
ト(Tokuzo Tsujimoto)の論文「TiAl金属間化合物合
金の研究、開発および将来性」。 (8) 米国材料研究学会発行のマテリアルズ・リサーチ・
ソサエティ・シンポジウム・プロシーディングズ(Mat.
Res. Soc. Symposium Proc.)第39巻(1985年)の
351〜364頁に収載されたエイチ・エイ・リスピッ
ト(H.A. Lispitt)の論文「アルミニウム化チタン−概
説」。
【0014】(9) マテリアルズ・ウィーク(Materials W
eek)1986年10月号の1〜7頁に収載されたエス・
エイチ・ワング(S.H. Whang)等の論文「Ll0 型TiA
l合金における急速凝固の効果」(急速凝固による構造
用金属の性質の向上に関するASMシンポジウム議事
録)。 (10)ソ連科学アカデミー機関誌であるメタリー(Metall
y) 第3号(1984年)の164〜168頁。
【0015】(11)スクリプタ・メタラージカ・エト・マ
テリアリア(Scripta Metallurgicaet Materialia)第2
4巻(1990年)の851〜856頁に収載されたデ
ィー・イー・ラーセン、エム・エル・アダムズ、エス・
エル・カンペ、エル・クリストドウロウおよびジェイ・
ディー・ブライアント(D.E. Larsen, M.L. Adams, S.L.
Kampe, L. Christodoulou & J.D. Bryant) の論文「不
連続に強化したXDアルミニウム化チタン複合物の破壊
靭性に対する母材相形態の影響」。
【0016】(12)ウクライナ共和国科学アカデミー発行
のメタロフィイケイ(Metallofiyikay)第50号(197
4年)。 (13)スクリプタ・メタラージカ・エト・マテリアリア(S
cripta Metallurgicaet Materialia)第24巻(199
0年)の33〜38頁に収載されたジェイ・ディー・ブ
ライアント、エル・クリストドンおよびジェイ・アール
・マイサノ(J.D. Bryant, L. Christodon & J.R. Maisa
no) の論文「近似γ−アルミニウム化チタンのコロニー
サイズに対するTiB2 添加の効果」。
【0017】(14)スクリプタ・メタラージカ(Scripta M
etallurgica)第21巻(1987年)の1505〜15
10頁に収載されたアール・エイ・パーキンス、ケイ・
ティー・チャンおよびジー・エイチ・マイヤー(R.A. Pe
rkins, K.T. Chiang & G.H.Meier)の論文「Ti−Al
合金上におけるアルミナの生成」。なお、米国採鉱・冶
金および石油技術者協会会報であるジャーナル・オブ・
メタルズ(Journal of Metals) 1956年10月号の1
350頁以降には、酸化の影響および酸化に対する(タ
ンタルを含めた)添加剤の効果が論じられている。
【0018】また、TiAl組成物を取扱った特許文献
を挙げれば、下記の通りである。ジャフィー(Jaffee)の
米国特許第3203794号の明細書中には、各種のT
iAl組成物が開示されている。ジャフィー(Jaffee)の
カナダ特許第621884号の明細書中にもまた、各種
のTiAl組成物が開示されている。
【0019】本発明の場合と同じ譲受人に譲渡された米
国特許第4842820号の明細書中には、ホウ素の混
入によって三元TiAl組成物を製造すると共に、延性
および強度を向上させる方法が記載されている。サスト
リー(Sastry)の米国特許第4639281号の明細書中
には、ホウ素、炭素、窒素またはそれらの混合物あるい
はそれらとケイ素との混合物から成る繊維状分散質を
(Ti−Al合金を含めた)チタン基合金中に含有させ
る方法が記載されている。
【0020】ニシヤマ(Nishiyama) の欧州特許出願第0
275391号の明細書中には、0.3重量%までのホ
ウ素を含有するTiAl組成物、並びにニッケルおよび
ケイ素が存在する場合には0.3重量%のホウ素を含有
するTiAl組成物が記載されている。なお、ホウ素と
共にクロムまたはタンタルが存在することは記載されて
いない。
【0021】ネイグル(Nagle) の米国特許第47740
52号の明細書中には、発熱反応に基づいて母材中に
(ホウ化物を含めた)セラミックを混入することによ
り、アルミニウム化チタンを含めた母材に第2相物質を
付与する方法が記載されている。ハシモト(Hashimoto)
の米国特許第4661316号の明細書中には、TiA
lに0.1〜5.0重量%のマンガンを添加すること、
およびTiAlにマンガンと他の元素との組合せを添加
することが記載されている。なお、TiAlにクロムあ
るいはクロムを含む各種元素の組合せ(特にクロムとタ
ンタルおよびホウ素との組合せ)を添加することは記載
されていない。
【0022】アルミニウム化チタン並びにそれらの性質
を改善するための方法および組成物に関しては、本発明
の場合と同じ所有権者によって所有された多数の特許が
存在する。かかる特許としては、米国特許第48369
83、4842819、4842820、485726
8、4879092、4897127、490247
4、4923534、4842817、491602
8、4923534、5032357および50454
06号が挙げられる。また、本発明の場合と同じ所有権
者によって所有された米国特許第5028491号の明
細書中には、クロムおよびタンタルの添加によってアル
ミニウム化チタンを改質することが記載されている。こ
れらの特許は援用される。
【0023】ジャフィーのカナダ特許第621884号
の明細書の表1中には、TiAl中にクロムを含有して
成る組成物が開示されている。かかる表1中にはまた、
TiAl中にタンタルを含有して成る別の組成物並びに
TiAl中に各種の添加剤を含有して成る約26種の組
成物も開示されている。しかしながら、かかるジャフィ
ーのカナダ特許明細書中には、クロムと他の元素との組
合せあるいはタンタルと他の元素との組合せを含有する
TiAl組成物は開示されていない。特に、クロム、ホ
ウ素およびタンタルの組合せを含有するTiAl組成物
の開示もしくは暗示は全く存在しないのである。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的の1つ
は、室温における延性、強度およびそれらに関連した性
質の向上を示すγ−アルミニウム化チタン金属間化合物
の製造方法を提供することにある。本発明のもう1つの
目的は、低温および中温におけるγ−アルミニウム化チ
タン金属間化合物の性質を向上させることにある。
【0025】本発明の更にもう1つの目的は、低温およ
び中温において性質および加工性の向上を示しかつ高温
においてクリープ抵抗性の向上を示すようなチタン−ア
ルミニウム合金を提供することにある。本発明のその他
の目的および利点は、以下の説明を読むことによって自
ずから明らかとなろう。
【0026】
【課題を解決する為の手段】本発明の目的は、実施の一
態様に従えば、化学量論的でないγ−TiAl基礎合金
を用意し、次いでかかる基礎合金に比較的低い濃度のホ
ウ素、クロムおよびタンタルを添加することによって達
成される。この場合、ホウ素は約0.1〜0.3原子%
の量で添加され、クロムは約1〜3原子%の量で添加さ
れ、そしてタンタルは1〜8原子%の量で添加される。
【0027】本発明の合金はインゴットとして製造する
こともできるが、鋳造によって得られた鋳造品に熱間等
圧圧縮を施すことによって製造することが好ましい。添
付の図面を参照しながら以下の説明を読めば、本発明は
一層明確に理解されよう。
【0028】
【実施例】γ−TiAl基礎合金に対するクロム、ホウ
素およびタンタルの同時添加を要件とする本発明の基礎
を成す発見は、一連の過去の研究成果および最新の研究
成果から得られたものである。以下に示される実施例の
うち、最初の31個の実施例は過去の研究成果に関する
ものであり、またそれ以後の実施例は最新の研究成果に
関するものである。
【0029】
【実施例1〜3】TiAlの化学量論比に近似した様々
な原子比でチタンおよびアルミニウムを含有する3種の
合金の融液を調製した。これらの合金に関する組成、焼
なまし温度および試験結果は表1中に示されている。い
ずれの実施例においても、先ず最初に、アーク融解によ
って合金のインゴットを製造した。次いで、アルゴン雰
囲気中におけるメルトスピニングによってインゴットを
リボン状に加工した。これらの融解工程においては、融
液と容器との間に望ましくない反応が起こるのを避ける
ため、融液用の容器として水冷式の銅製炉床を使用し
た。また、チタンは酸素に対して強い親和性を有するか
ら、高温の金属が酸素に暴露されないように注意を払っ
た。
【0030】急速に凝固させたリボンを鋼製の缶内に充
填した後、かかる缶を排気して密封した。次いで、かか
る缶に対し、30ksi の圧力下において950℃(17
40°F)で3時間にわたる熱間等圧圧縮(HIP)を
施した。その後、合体したリボン試料から機械加工によ
ってHIP用の缶を除去した。かかるHIPによって得
られた試料は、約1インチの直径および3インチの長さ
を有する円柱体であった。
【0031】上記の円柱体を軸方向に沿ってビレットの
中心開口内に配置して封入した。かかるビレットを97
5℃(1787°F)に加熱し、そして約7:1の減径
比が得られるようにダイスを通して押出した。押出され
た円柱体をビレットから取出し、そして熱処理を施し
た。押出し後の試料に対し、表1中に示された温度下で
2時間にわたり焼なましを施した。焼なましに続き、1
000℃で2時間にわたり時効処理を行った。機械加工
によって1.5mm×3mm×25.4mm(0.060イン
チ×0.120インチ×1.0インチ)の寸法を有する
試験片を作製し、そして室温下で四点曲げ試験を行っ
た。かかる四点曲げ試験は、10mm(0.4インチ)の
内部スパンおよび20mm(0.8インチ)の外部スパン
を有する四点曲げ試験用取付具を用いて実施した。荷重
−クロスヘッド変位曲線を記録した。得られた曲線に基
づき、下記の性質を評価した。
【0032】(1) 降伏強さは、1/1000インチのクロスヘ
ッド変位における流動応力である。このクロスヘッド変
位は塑性変形の最初の徴候と見なされるものであって、
弾性変形から塑性変形への移行を表わすものと考えられ
ている。通常の圧縮または引張試験法によって得られる
降伏強さおよび(または)破壊強さの値は、ここに報告
されるような四点曲げ試験によって得られる値よりも小
さくなる傾向がある。このように四点曲げ試験によって
得られる値がより高いレベルにあることは、それらを通
常の圧縮または引張試験法によって得られる値と比較す
る場合に注意する必要がある。とは言え、本明細書中に
示される実施例の多くにおいては、四点曲げ試験による
測定結果の間で比較が行われている。また、この方法に
よって測定された全ての試料については、組成の違いま
たは加工方法の違いによる強度特性の差を評価するため
に有効な比較を行うことができるのである。
【0033】(2) 破壊強さは、破壊時における応力であ
る。 (3) 外部繊維ひずみは、式9.71hdによって表わさ
れる量である。式中、hは試験片の厚さ(単位インチ)
であり、またdは破壊時におけるクロスヘッド変位(単
位インチ)である。金属学的に見れば、こうして計算さ
れた値は破壊時に曲げ試験片の外面が受ける塑性変形の
大きさを表わす。
【0034】得られた結果を下記表1中に示す。表1は
1300℃で焼なましを施された試料の性質に関するデ
ータを含んでいるが、これらの試料に関する追加のデー
タは図2にも示されている。
【0035】
【表1】
【0036】表1に示されたデータから明らかなごと
く、実施例2の合金12は最良の組合せの性質を示し
た。かかる事実により、TiAl合金の性質がTi/A
l原子比および焼なまし温度に対して非常に敏感である
ことが確認される。それ故、以後の実験において追加の
性質向上を評価するための基礎合金として合金12が選
定された。
【0037】また、1250〜1350℃の範囲内の温
度下で焼なましを施せば、望ましいレベルの降伏強さ、
破壊強さおよび外部繊維ひずみを有する試験片が得られ
ることも明らかである。しかるに、1400℃で焼なま
しを施した試験片においては、1350℃で焼なましを
施した試験片に比べて(約20%だけ)低い降伏強さ、
(約30%だけ)低い破壊強さおよび(約78%だけ)
小さい延性が認められた。このように急激な性質の低下
は、1350℃より実質的に高い温度において起こる広
範なβ転移に原因する顕微鏡組織の劇的な変化に由来す
るものである。
【0038】
【実施例4〜13】表記原子比のチタンおよびアルミニ
ウム並びに比較的低い濃度の添加剤から成る10種の合
金の融液を調製した。次いで、上記実施例1〜3の場合
と同様にして各々の合金の試料を製造した。かかる合金
に関する組成、焼なまし温度および試験結果を、基礎合
金である合金12に関するデータと共に下記表2中に示
す。
【0039】
【表2】
【0040】実施例4および5においては、1200℃
で焼なましを施した場合、延性が実質的にゼロであった
ために降伏強さは測定できなかった。1300℃で焼な
ましを施した実施例5の試験片については延性が増大し
たが、それはなおも低いレベルにあった。実施例6にお
いては、1250℃で焼なましを施した試験片について
は上記と同様であった。1300℃および1350℃で
焼なましを施した実施例6の試験片については、延性は
実質的に大きかったが、降伏強さは低かった。
【0041】その他の実施例の試験片はいずれも、十分
に高いレベルの延性を有していないことが判明した。表
2中に示された結果から明らかなごとく、試験用合金の
調製に関与する1群のパラメーターは極めて複雑に関係
し合っている。1つのパラメーターはチタンとアルミニ
ウムとの原子比である。図2にプロットされたデータか
ら明らかなごとく、化学量論的な原子比および化学量論
的でない原子比は各種の合金について見出される性質に
強い影響を及ぼすことがわかる。
【0042】別の1組のパラメーターは、γ−TiAl
基礎合金中に含有される添加剤に関するものである。か
かる1組のパラメーターのうち、第1のものは個々の添
加剤がチタンまたはアルミニウムのいずれに対する置換
体として作用するかという点である。個々の金属はそれ
らの役割のいずれかを演じるが、その役割を判定するた
めに役立つ簡単な法則は存在しない。このパラメーター
の意味を説明するため、ある濃度の添加剤Xを添加した
場合を考察してみよう。
【0043】添加剤Xがチタン置換体として作用するな
らば、合金Ti48Al484 は48原子%の実効アルミ
ニウム濃度および52%の実効チタン濃度を有すること
になる。それに対し、添加剤Xがアルミニウム置換体と
して作用するならば、得られる合金は52原子%の実効
アルミニウム濃度および48%の実効チタン濃度を有す
ることになる。
【0044】従って、実際に起こる置換の性質は非常に
重要であるが、それを予測することは極めて難しい。上
記のごとき1組のパラメーターのうち、もう1つのパラ
メーターは添加剤の濃度である。表2から明らかとなる
更に別のパラメーターは焼なまし温度である。ある添加
剤に関して最良の強度特性を与える焼なまし温度であっ
ても、別の添加剤に関しては必ずしも同じであるとは限
らない。このことは、実施例6において得られた結果と
実施例7において得られた結果とを比較することによっ
てわかる。
【0045】更にまた、特定の添加剤に関して濃度と焼
なまし温度との総合効果が存在する可能性もある。すな
わち、性質の向上が見出される場合、最適の性質向上は
特定の組合せの添加剤濃度および焼なまし温度の下で得
られることがある。添加剤濃度および(または)焼なま
し温度がそれより高くなっても低くなっても、所望の性
質向上は得られなくなるのである。
【0046】表2中に示されたデータから明らかなごと
く、化学量論的でないγ−TiAl基礎合金に第3成分
を添加することによって得られる結果はほとんど予測不
可能であり、しかも多くの試験結果は延性または強度あ
るいはそれらの両方に関して不満足なものである。
【0047】
【実施例14〜17】γ−TiAl基礎合金に添加剤を
添加して成る合金に関する更に別のパラメーターは、複
数の添加剤を添加したとしても、同じ添加剤を個別に添
加することによって得られる個々の利益が同時に得られ
るとは限らないことである。上記実施例1〜3の場合と
同様にして、表3中に示されるごとくバナジウム、ニオ
ブおよびタンタルを個別に含有する3種のγ−TiAl
合金の試料を製造した。これらの合金の組成は、本発明
の場合と同じ所有権者によって所有された米国特許第4
857268および4842817号の明細書中に報告
されている最良の組成である。
【0048】第4の合金はバナジウム、ニオブおよびタ
ンタルを同時に添加して成るものであって、これは表3
中では合金48として表わされている。表3から明らか
なごとく、実施例14、15および16においてバナジ
ウム、ニオブおよびタンタルを個別に添加した場合に
は、それらの各々はγ−TiAl基礎合金に対して実質
的な性質向上をもたらすことができる。しかしながら、
同じ添加剤を単一の合金中に同時に添加した場合には、
それぞれの性質向上が加算的に得られるわけではない。
実際の結果は全く逆である。
【0049】第一に、個々の合金の場合と同様に135
0℃で焼なましを施した合金48は極めて脆い材料を生
み出したのであって、この材料は試験片を作製するため
の機械加工中に破壊したのである。第二に、1250℃
で焼なましを施した合金48に関して得られた結果は、
それぞれの添加剤を個別に含有する個々の合金に関して
得られた結果より遥かに劣っていた。
【0050】特に延性に関しては、実施例14の合金1
4中に使用されたバナジウムは延性を実質的に向上させ
るために極めて有効であった。しかるに、実施例17の
合金48においてバナジウムを他の添加剤と組合わせて
使用した場合、期待された延性の向上は全く得られなか
った。実際には、基礎合金の延性が0.1の値にまで低
下したのである。
【0051】更にまた、耐酸化性に関しては、合金40
に添加されたニオブは極めて顕著な耐酸化性の向上を明
確に示している。すなわち、基礎合金の減量が31mg/
cm2であったのに対し、合金40の減量は4mg/cm2
低下したのである。酸化試験(すなわち、耐酸化性に関
する補足試験)においては、試験片を982℃で48時
間にわたって加熱した。冷却後、試験片から酸化物スケ
ールをかき落した。加熱およびかき落しの前後において
試験片を秤量することにより、それの重量の差を求め
た。次いで、総減量(単位mg)を試験片の表面積(単位
cm2 )で割ることにより、mg/cm2 単位の減量値を求め
た。本明細書中に記載される全ての耐酸化性測定例にお
いては、このような酸化試験方法が使用された。
【0052】タンタルを含有する合金60に関しては、
1325℃で焼なましを施した試験片の減量は2mg/cm
2 であったが、これも基礎合金の減量(31mg/cm2
に比べて実質的な向上を示している。このように、個別
に添加されたニオブおよびタンタルは基礎合金の耐酸化
性を向上させるために極めて有効であった。しかしなが
ら、3種の添加剤(すなわち、バナジウム、ニオブおよ
びタンタル)を同時に含有する実施例17の合金48に
関して表3中に示された結果から明らかなごとく、それ
の減量は基礎合金の減量のほぼ2倍に増加したのであ
る。この値は、ニオブのみを含有する合金40の値に比
べて7倍大きく、またタンタルのみを含有する合金60
の値に比べて約15倍大きいものである。
【0053】
【表3】
【0054】個々の添加剤の使用によって得られる利益
または不利益は、かかる添加剤を個別に繰返して使用し
た場合に高い信頼度をもって再現される。しかるに、か
かる添加剤を基礎合金中に組合わせて使用した場合に得
られる効果は、同じ添加剤を同じ基礎合金中に個別に使
用した場合に得られる効果とは全く異なることがある。
たとえば、バナジウムの添加はγ−TiAl基礎合金の
延性にとって有益であることが発見されているのであっ
て、このことは本発明の場合と同じ所有権者によって所
有された米国特許第4827268号の明細書中に開示
されている。また、ニオブの添加はγ−TiAl基礎合
金の強度にとって有益であることが見出されている。更
にまた、γ−TiAl基礎合金にニオブを単独で添加す
れば耐酸化性の向上が得られることは前述のごときマッ
カンドルー等の論文中に記載されている。同様に、タン
タルの単独添加が耐酸化性の改善に役立つこともマッカ
ンドルー等の論文中に記載されている。更にまた、本発
明の場合と同じ所有権者によって所有された米国特許第
4842817号の明細書中には、タンタルの添加が延
性の向上をもたらすことが開示されている。
【0055】換言すれば、単独のバナジウムはγ−Ti
Al合金に対して有益な延性の向上をもたらし、また単
独のタンタルは延性および耐酸化性の向上をもたらすこ
とが判明している。更にまた、ニオブの添加はγ−Ti
Al基礎合金の強度および耐酸化性にとって有益である
ことも判明している。しかしながら、実施例17から明
らかなごとく、バナジウム、タンタルおよびニオブを合
金中において同時に添加剤として使用した場合には、そ
れらの添加剤の添加の利益が得られないばかりでなく、
合金の性質の実質的な低下が生じることが見出されたの
である。このことは表3から明らかである。
【0056】2種以上の添加剤のそれぞれがγ−TiA
l基礎合金の性質を向上させるならば、それらを一緒に
使用すれば一層の性質向上が得られるはずであると思わ
れるかも知れないが、その結果は全く予測不可能である
ことが判明した。実際、バナジウム、ニオブおよびタン
タルを同時に添加した場合には、それらの添加剤の同時
使用によって総合的な性質の向上が得られるどころか、
性質の実質的な低下が生じたのである。
【0057】上記の表3からはまた、バナジウム、ニオ
ブおよびタンタルを同時に含有する合金は実施例2の合
金12(基礎合金)よりも遥かに劣った耐酸化性を有す
ることも明らかである。この場合にも、個別に使用する
ことによってある性質の向上をもたらす複数の添加剤を
同時に添加したところ、それぞれの添加剤が向上させた
性質そのものが実質的に低下することが判明したのであ
る。
【0058】
【実施例18〜23】上記実施例1〜3の場合と同様に
して、表4中に示された組成を有する6種のクロム含有
γ−TiAl合金の試料を調製した。表4中には、適当
と思われる数種の温度下で焼なましを施された全ての合
金(基礎合金およびクロム含有合金)に関する曲げ試験
結果が示されている。
【0059】
【表4】
【0060】表4中に示された結果もまた、基礎合金に
付与されるに対して添加剤が及ぼす効果に関してはパラ
メーターの組合せが重要であることを証明している。た
とえば、2原子%のクロムを含有する合金80は良好な
組合せの性質を示した。従って、より高い濃度のクロム
を添加すれば一層の性質向上が得られるものと期待され
るかも知れない。しかしながら、3種の相異なるTi/
Al原子比を有する合金に4原子%のクロムを添加した
ところ、ある濃度が良ければより高い濃度は一層良いに
違いないという単純な推論は通用しないことが実証され
た。すなわち、クロムの場合には事実は全く逆であっ
て、ある濃度が良い場合にはそれより高い濃度は悪くな
ることが判明したのである。
【0061】表4から明らかなごとく、より高い濃度
(4原子%)のクロムを含有する合金49、79および
88の各々は、基礎合金よりも低い強度および外部繊維
ひずみ(延性)を示したのである。
【0062】それに対し、2原子%のクロムを含有する
実施例18の合金38は強度の僅かな低下および延性の
顕著な向上を示した。なお、合金38について測定され
た外部繊維ひずみは熱処理条件に応じて大幅に変動した
ことが認められる。すなわち、1250℃で焼なましを
施した場合、外部繊維ひずみの顕著な増大が得られた。
しかるに、それより高い温度下で焼なましを施した場合
には外部繊維ひずみの低下が認められた。同様な延性の
向上は、やはり2原子%のクロムを含有する合金80に
ついても認められたが、この場合には1300℃の焼な
まし温度において最高の延性が得られた。
【0063】実施例20の合金87においては、やはり
2原子%のクロム濃度が使用されているが、アルミニウ
ム濃度が50原子%に増加している。かかるアルミニウ
ム濃度の増加は、46〜48原子%のアルミニウム濃度
および2原子%のクロム濃度を有する合金に比べて延性
の僅かな低下をもたらした。合金87の場合、最適の焼
なまし温度は約1350℃であることが判明した。
【0064】いずれも2原子%のクロムを含有する実施
例18、19および20の合金について認められる通
り、最適の焼なまし温度はアルミニウム濃度の増加と共
に上昇した。かかるデータに基づけば、1250℃で焼
なましを施した合金38が最良の組合せの室温特性を有
することが判明した。なお、46原子%のアルミニウム
濃度を有する合金38に関する最適の焼なまし温度は1
250℃であるのに対し、48原子%のアルミニウム濃
度を有する合金80に関する最適の焼なまし温度は13
00℃であることに注意されたい。合金80に関して得
られたデータは、基礎合金に関するデータと共に図2中
にプロットされている。
【0065】1250℃で焼なましを施した合金38お
よび1300℃で焼なましを施した合金80における延
性の顕著な向上は、本発明の場合と同じ所有権者によっ
て所有された米国特許第4842819号の明細書中に
記載されているごとくに意外なものであった。表4中に
示されたデータから明らかとなる事実は、チタン−アル
ミニウム合金の性質を向上させるための改質が非常に複
雑で予測不可能な作業であるということである。たとえ
ば、2原子%のクロムの添加はTi/Al原子比が適当
な範囲内にありかつ焼なまし温度が適当な範囲内にある
ような合金の延性を実質的に向上させることは明らかで
ある。また、クロム濃度を高めることによって一層の性
質改善効果が得られるものと期待されるかも知れない
が、事実は全く逆であることも表4のデータから明らか
となる。すなわち、2原子%のクロム濃度において得ら
れた延性の向上は、クロム濃度を4原子%に高めること
によって逆に失われるのである。更にまた、Ti/Al
原子比および焼なまし温度を広範囲にわたって変化させ
ながら性質の変化を試験してみても、4原子%のクロム
は性質を改善するために有効でないことは明らかであ
る。
【0066】
【実施例24】式Ti52Al46Cr2 によって表わされ
る組成を有する合金の2種の試料を製造した。これらの
試料は2つの相異なる製造方法によって製造され、かつ
各試料の性質は引張試験によって測定された。使用した
製造方法および得られた試験結果を下記表5中に示す。
【0067】
【表5】
【0068】表5中には、2つの相異なる製造方法を使
用する実施例18’および24において得られた合金3
8の2種の試料に関する試験結果が示されている。更に
また、実施例18’の合金試料から作製された試験片お
よび実施例24の合金試料から作製された試験片につい
て使用された試験方法は、先行する実施例の試験片につ
いて使用された試験方法とは異なるものであった。
【0069】先ず実施例18’について述べれば、この
実施例の合金試料は上記実施例1〜3の場合と同じ方法
によって製造された。それは急速凝固および合体から成
る方法(以後は「急速凝固法」と呼ぶ)である。実施例
18’においてはまた、先行する実施例(特に表4中の
実施例18)に関して報告されたその他全てのデータを
得るために使用された四点曲げ試験はではなく、その代
りに通常の引張試験を使用した。すなわち、合金試料か
ら引張試験片を作製し、そして試験片が伸びて破断する
まで引張力を加えることによって試験を行ったのであ
る。表5中の実施例18’について述べれば、合金38
の試料から引張試験片を作製し、そして93ksi で試験
片の降伏が起こるまで引張力を加えたわけである。
【0070】引張試験によって測定された表5中の実施
例18’の降伏強さ(単位ksi )は、四点曲げ試験によ
って測定された表4中の実施例18の降伏強さ(単位ks
i )と同等である。一般に、金属学の分野においては、
引張試験片の伸びから求められる降伏強さは工業目的の
ために広く使用されかつ広く認められている測定量であ
る。
【0071】同様に、表5中に示された108ksi の引
張強さは、引張力を加えた結果として実施例18’の引
張試験片が破断した時の強度を表わしている。この測定
量は、実施例18に関して表4中に示された破壊強さ
(単位ksi )に対応している。なお、全てのデータに関
し、2つの試験方法が全く異なる測定値を与えることは
明らかである。
【0072】次に組成伸びについて述べれば、表4中に
示された(四点曲げ試験によって得られた)実施例18
の外部繊維ひずみ(単位%)と、表5の最後の欄に示さ
れた実施例18’の組成伸び(単位%)との間には相関
がある。再び表5に戻れば、実施例24の合金試料は鋳
造および鍛造から成る方法(以後は「鋳造+鍛造法」と
呼ぶ)によって製造されたことが示されている。かかる
鋳造+鍛造法においては、表5中に示された比率(すな
わち、表4中の実施例18および表5中の実施例18’
の場合と全く同じ比率)に従って合金38の成分が融解
される。換言すれば、表5中の実施例18’および実施
例24における合金38の組成は全く同じなのである。
表5中に示された2つの実施例間における相違点は、実
施例18’の合金試料が急速凝固法によって製造された
のに対し、実施例24’の合金試料は鋳造+鍛造法によ
って製造されたことである。かかる鋳造+鍛造法におい
ては、合金の成分が融解され、得られた融液を凝固させ
ることによってインゴットが形成され、次いでインゴッ
トに鍛造が施される。急速凝固法においては、メルトス
ピニング法によってリボンが形成され、次いでかかるリ
ボンを合体させることによって一体化した高密度の合金
試料が得られる。
【0073】実施例24の鋳造+鍛造法においては、約
2インチの直径および約1/2 インチの厚さを有する概し
てホッケーパック状のインゴットを形成した。その後、
約1/2 インチの肉厚およびホッケーパック状インゴット
の厚さに等しい垂直方向寸法を有する鋼製の保持リング
の内部に該インゴットを嵌込んだ。なお、保持リング内
に嵌込むのに先立ち、1250℃で2時間にわたり加熱
することによってインゴットを均質化した。次いで、イ
ンゴットと保持リングとの集合体を約975℃にまで加
熱し、そして元の厚さの約1/2 に等しい厚さになるまで
鍛造した。
【0074】このようにして鍛造された試料を冷却した
後、実施例18’の試験片と同様な試験片を作製した。
これらの試験片に関し、実施例18’の場合と同じ通常
の引張試験を行った。かかる引張試験によって得られた
降伏強さ、引張強さおよび塑性伸びを表5中に示す。表
5中に示された実施例24に関するデータから明らかな
ごとく、個々の試験片は引張試験の実施に先立って様々
な温度下で焼なましを施された。
【0075】表5中の実施例18’においては、引張試
験片に対して使用した焼なまし温度は1250℃であっ
た。表5中の実施例24の合金38の3個の試験片につ
いては、表5中に示された3種の温度(すなわち、12
25℃、1250℃および1275℃)において個別に
焼なましを施した。約2時間にわたって焼なましを施し
た後、それらの試験片について通常の引張試験を行っ
た。こうして得られた結果が表5中に示されている。
【0076】再び表5中に示された試験結果について述
べれば、急速凝固法によって製造された合金に関して得
られた降伏強さは、鋳造+鍛造法によって製造された合
金に関して得られた降伏強さよりもやや高いことが明ら
かである。また、鋳造+鍛造法によって製造された合金
の塑性伸びは、急速凝固法によって製造された合金の塑
性伸びよりも概して高いことも明らかである。実施例2
4について示された結果は、降伏強さの測定値が実施例
18’の場合よりもやや低いものの、実施例24の合金
の性質が航空機エンジンおよびその他の工業用途を含む
多くの用途にとって十分なものであることを実証してい
る。また、表5中に示された延性の測定結果に基づけ
ば、鋳造+鍛造法によって製造された合金38は高度の
延性を要求する用途にとって極めて望ましい特異な合金
であることもわかる。一般的に述べれば、鋳造+鍛造法
による製造はメルトスピニング法または急速凝固法によ
る製造よりも遥かに安価であることが知られている。な
ぜなら、鋳造+鍛造法は経費のかかるメルトスピニング
工程またはそれに続く合体工程のいずれも必要としない
からである。
【0077】
【実施例25】実施例24の場合と実質的に同じ鋳造+
鍛造法により、式Ti48Al48Cr2Ta2 によって表
わされる組成を有する合金の試料を製造した。すなわ
ち、上記の組成に従って成分を融解し、そして得られた
融液からインゴットを鋳造した。
【0078】かかるインゴットは、約2インチの直径お
よび約1/2 インチの厚さを有する概してホッケーパック
状のものであった。1250℃で2時間にわたり加熱す
ることによって上記のインゴットを均質化した。約1/2
インチの肉厚およびホッケーパック状インゴットの厚さ
に等しい垂直方向寸法を有する鋼製の保持リングの内部
に該インゴットを嵌込んだ。
【0079】ホッケーパック状インゴットと保持リング
との集合体を約975℃の温度に加熱し、そしてその温
度下で鍛造した。かかる鍛造の結果、ホッケーパック状
インゴットの厚さは元の厚さの約1/2 にまで減少した。
鍛造された試料を冷却した後、インゴットから機械加工
によって5本のピンを作製し、そして5種の熱処理を施
した。すなわち、これら5本のピンに対し、下記表6中
に示された5種の温度下で2時間にわたり個別に焼なま
しを施した。焼なましの後、1000℃で2時間にわた
りピンの時効処理を行った。
【0080】焼なましおよび時効処理の後、各々のピン
から通常の引張試験片を作製し、そしてこれら5個の試
験片に関して通常の引張試験を行った。かかる引張試験
の結果を下記表6中に示す。
【0081】
【表6】
【0082】表6から明らかなごとく、合金140の5
個の試験片は5種の温度(すなわち、1250℃、12
75℃、1300℃、1325℃および1350℃)に
おいて個別に焼なましを施された。これらの試験片の降
伏強さは、基礎合金12に比べて極めて顕著な向上を示
した。たとえば、1300℃で焼なましを施された試験
片については、降伏強さが約17%の向上を示し、また
破壊強さが約12%の向上を示した。このような強度の
向上は延性の低下なしに実現されたのである。
【0083】また、やはり表6中に示されたデータから
明らかなごとく、耐酸化性の顕著な向上も認められた。
かかる向上の結果、酸化による減量が約94%も減少し
たのである。顕著に向上した強度、極めて望ましい延
性、および大幅に向上した耐酸化性を総合して考える
と、この合金は特異なγ−アルミニウム化チタン合金で
あることがわかる。
【0084】更にまた、実施例25の合金140につい
てクリープひずみを試験した。Ti 48Al48Cr2 Ta
2 のクリープひずみをTi50Al48Cr2 のクリープひ
ずみに対してプロットしたグラフを図4に示す。合金1
40に関しては、試験片が破壊する前に800時間で試
験を打切った。図4のグラフから明らかなごとく、タン
タルを含有する合金はタンタルを含有しないものに比べ
て遥かに優れたクリープ特性を有している。
【0085】このように、本実施例において得られた結
果は実施例17において得られた結果に比べて全く対照
的であることが容易に認められよう。実施例17におい
ては、γ−TiAl基礎合金中に複数の添加剤が含有さ
れる結果、個別に使用した場合に添加剤がもたらす有益
な効果の相殺および減算が生じたのである。それに対
し、本実施例においては、複数の添加剤の使用によって
得られる総合的な効果は同じ添加剤の個別使用によって
得られる効果を上回ったのである。なお、タンタルおよ
びクロムを含有するアルミニウム化チタン合金は本発明
の場合と同じ所有権者によって所有された米国特許第5
028491号の主題を成している。
【0086】
【実施例26〜30】実施例24の場合と同様にして5
種の合金の試料を製造した。これらの合金の組成を表7
中に示す。
【0087】
【表7】
【0088】表7中にはまた、かかるクロム−タンタル
含有γ−TiAl合金に関する引張試験の結果も示され
ている。一般的に述べれば、これらの合金の強度値は実
施例2Aの合金の強度値を上回っていることがわかる。
延性値は広範囲にわたって変動したが、これらの合金を
用いれば実質的に高い有益な延性値が得られることが証
明された。
【0089】
【実施例31】式Ti47Al47Cr2 Ta4 によって表
わされる組成を有する合金の試料30〜35ポンドを製
造した。すなわち、かかる合金の成分を誘導加熱によっ
て融解し、そして得られた融液を黒鉛製の鋳型内に注入
した。こうして得られたインゴットは、約2.75イン
チの直径および約2.36インチの長さを有していた。
【0090】かかるインゴットから試験片を切出し、そ
して1175℃および15ksi の条件下で3時間にわた
りHIPを施した。HIPの後、1200℃で24時間
未満にわたり加熱することによって試験片を均質化し
た。次いで、毎分0.1インチのひずみ速度を使用しな
がら1175℃で試験片に等温鍛造を施すことにより、
それの厚さを元の厚さの25%にまで(すなわち、2イ
ンチから0.5インチにまで)減少させた。
【0091】かかる試験片に対し、1275℃で2時間
にわたり焼なましを施した。その後、試験片の室温引張
特性を測定し、そして得られた結果を下記表8中に示
す。
【0092】
【表8】
【0093】上記の実施例から明らかなごとく、式Ti
47Al47Cr2 Ta4 に従って2原子%のクロムおよび
4原子%のタンタルを添加した場合には、γ−TiAl
基礎合金に対するクロムおよびタンタルの添加がもたら
す望ましい効果が協力的に作用したのである。すなわ
ち、引張強さの極めて顕著な向上が認められた。その際
には、延性の低下が生じなかったばかりでなく、2.7
3%の塑性伸びを示した試験片については延性の向上さ
え認められたのである。
【0094】
【実施例2B、25B、28Bおよび32】鋳造および
HIPによって4種の合金の試料を製造した。これらの
合金に関する組成、焼なまし温度および引張試験特性を
下記表9中に示す。
【0095】
【表9】
【0096】表9中に示された全ての合金試料は鋳造お
よびHIPによって製造された。先ず最初に、各々の合
金をインゴットとして鋳造した。かかるインゴットか
ら、機械加工によって数本のピンを形成した。これらの
ピンに対し、約1050℃および30〜45ksi の条件
下で約3時間にわたりHIPを施した。HIPの後、そ
れぞれのピンから試験片を作製し、そして通常の引張試
験によって個々の合金の性質を測定した。表9中に示さ
れたデータを以前の表中に示されたデータと比較すれ
ば、製造方法の違いに由来する性質の差が認められよ
う。たとえば、表6中の実施例2Aの結果と表9中の実
施例2Bの結果とを比較すれば、これら2組のデータ中
における降伏強さおよび破壊強さは非常に似ているが、
実施例2Bの合金12の延性は表6中の実施例2Aの合
金12Aの延性よりも小さいことがわかる。
【0097】更に、表9中の実施例25Bの結果と表6
中の実施例25の結果とを比較し、また表9中の実施例
28Bの結果と表7中の実施例28の結果とを比較すれ
ば、表9中の実施例25Bおよび28Bの合金の降伏強
さおよび破壊強さは実施例25および28の合金に比べ
て低下しており、またこれらの合金の延性も低下してい
ることがわかる。
【0098】表9中のデータについて述べれば、実施例
2B、25Bおよび28Bにおいて得られた結果を比較
すると、いずれの場合においても強度特性および延性に
関する結果は非常に似ていることがわかる。それに対
し、実施例32の合金218に関して得られた結果によ
れば、表9中の他の合金に比べてより高い強度が得られ
たとは言え、合金218の延性は表9中の他の合金の延
性よりも小さいことがわかる。
【0099】上記に概述された比較結果に基づけば、ク
ロムおよびタンタルを含有するアルミニウム化チタン合
金は米国特許第5028491号明細書中に記載されて
いるごとくに魅力ある耐酸化性およびクリープ抵抗性を
有するが、かかる合金を鋳造およびHIPによって製造
した場合における強度特性および延性は劣っていること
が明らかである。
【0100】
【実施例33〜35】鋳造およびHIPによって3種の
合金の試料を製造した。これらの合金に関する組成、焼
なまし温度および引張試験特性を下記表10中に示す。
【0101】
【表10】
【0102】表10中に示された組成から明らかなごと
く、各々の合金は0.1〜0.2原子%という比較的低
い濃度のホウ素を含有している。実施例33の合金22
7は、それが0.1原子%のホウ素を含有する点を除け
ば、表9中の実施例2Bの合金12に相当している。表
10中の引張試験データから明らかなごとく、γ−Ti
Al基礎合金中に0.1原子%のホウ素が存在しても、
基礎合金の性質は向上しなかった。かかる知見は、前記
に列挙された技術文献(4) 中の記載に反している。
【0103】また、本願発明に係る実施例34の合金2
49が表9中の実施例25Bの合金140に相当してい
ることも明らかである。すなわち、0.2原子%のホウ
素が添加されている点を除けば、合金249は合金14
0と実質的に同じものである。実施例34の合金249
に関して得られた引張試験データは、実施例25Bのク
ロム−タンタル含有γ−TiAl合金に0.2原子%の
ホウ素を添加すれば、強度特性および延性の顕著な向上
が得られることを示している。更にまた、実施例34の
結果を表6中の実施例25の結果と比較すれば、実施例
34の合金249が鍛造工程なしに製造されかつ実施例
25の合金140が鍛造工程を用いて製造されたにもか
かわらず、両者の性質が非常に良く似ていることが認め
られる。
【0104】次に、本願発明に係る実施例35および表
9中の実施例32に関する引張試験データを比較すれ
ば、実施例35の合金230の延性が実施例32の合金
218の延性に比べて実質的に向上していることがわか
る。以上の結果から明らかなごとく、クロム−タンタル
含有γ−TiAl合金に0.1〜0.2原子%程度の比
較的低い濃度でホウ素を添加すれば、ホウ素を添加しな
い同じ合金に比べて顕著な性質の向上が得られる。換言
すれば、上記のごときデータが実証していることは、製
造プロセス中に鍛造を含まなくても、鋳造およびHIP
によって製造された合金において強度および延性の顕著
な向上を達成し得るということである。
【0105】特に、クロム−タンタル含有γ−TiAl
合金に関する結果とγ−TiAl二元合金に対するホウ
素の添加によって得られた結果とを比較してみると、ク
ロム−タンタル含有γ−TiAl合金に対して低濃度の
ホウ素を添加することによって強度の顕著な向上が得ら
れることは意外であった。また、ホウ素添加γ−TiA
l二元合金に関する結果とクロムおよびタンタルを含有
するホウ素添加γ−TiAl合金に関する結果とを注意
深く比較すれば、強度および延性が共に顕著な向上を示
していることもわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の合金および基礎合金に関する比較デー
タを示す棒グラフである。
【図2】様々な組成比を有するTiAl合金および式T
50Al48Cr2 によって表わされる合金に関して四点
曲げ試験を行った場合における荷重(単位ポンド)とク
ロスヘッド変位(単位ミル)との関係を示すグラフであ
る。
【図3】各種の合金に関する弾性率と温度との関係を示
すグラフである。
【図4】2種の合金に関し、クリープひずみ(単位%)
を時間に対してプロットしたグラフである。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式 Ti−Al45-50 Cr1-3 Ta1-8 0.1-0.3 によって表わされる概略原子比のチタン、アルミニウ
    ム、クロム、ホウ素およびタンタルから成る合金を鋳造
    し、次いで、得られた鋳造体にHIP処理を施すことに
    よって製造されることを特徴とするクロム−ホウ素−タ
    ンタル含有チタン−アルミニウム合金の鋳造体。
  2. 【請求項2】 式 Ti−Al45-50 Cr1-3 Ta2-4 0.1-0.3 によって表わされる概略原子比のチタン、アルミニウ
    ム、クロム、ホウ素およびタンタルから成る合金を鋳造
    し、次いで、得られた鋳造体にHIP処理を施すことに
    よって製造されることを特徴とするクロム−ホウ素−タ
    ンタル含有チタン−アルミニウム合金。
  3. 【請求項3】 式 Ti−Al45-50 Cr2 Ta1-8 0.1-0.3 によって表わされる概略原子比のチタン、アルミニウ
    ム、クロム、ホウ素およびタンタルから成る合金を鋳造
    し、次いで、得られた鋳造体にHIP処理を施すことに
    よって製造されることを特徴とするクロム−ホウ素−タ
    ンタル含有チタン−アルミニウム合金。
  4. 【請求項4】 式 Ti−Al45-50 Cr2 Ta2-4 0.1-0.3 によって表わされる概略原子比のチタン、アルミニウ
    ム、クロム、ホウ素およびタンタルから成る合金を鋳造
    し、次いで、得られた鋳造体にHIP処理を施すことに
    よって製造されることを特徴とするクロム−ホウ素−タ
    ンタル含有チタン−アルミニウム合金。
  5. 【請求項5】 式 Ti−Al46-48 Cr2 Ta1-8 0.1-0.3 によって表わされる概略原子比のチタン、アルミニウ
    ム、クロム、ホウ素およびタンタルから成る合金を鋳造
    し、次いで、得られた鋳造体にHIP処理を施すことに
    よって製造されることを特徴とするクロム−ホウ素−タ
    ンタル含有チタン−アルミニウム合金。
  6. 【請求項6】 式 Ti−Al46-48 Cr2 Ta2-4 0.1-0.3 によって表わされる概略原子比のチタン、アルミニウ
    ム、クロム、ホウ素およびタンタルから成る合金を鋳造
    し、次いで、得られた鋳造体にHIP処理を施すことに
    よって製造されることを特徴とするクロム−ホウ素−タ
    ンタル含有チタン−アルミニウム合金。
  7. 【請求項7】 式 Ti−Al46-48 Cr1-3 Ta2-4 0.1-0.3 によって表わされる概略原子比のチタン、アルミニウ
    ム、クロム、ホウ素およびタンタルから成るようなクロ
    ム−ホウ素−タンタル含有γチタン−アルミニウム合金
    を鋳造し、次いで、得られた鋳造体にHIP処理を施す
    ことによって製造されることを特徴とする、高温下で使
    用するための高強度構造部材。
  8. 【請求項8】 ジェットエンジンの構成部品である請求
    項7記載の構造部材。
JP4337732A 1991-12-20 1992-12-18 鋳造およびHIP処理により製造されたクロム−ホウ素−タンタル含有γ型チタン−アルミニウム合金 Pending JPH05279774A (ja)

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