JPH0362982B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ 本発明は風呂装置、詳しくは浴槽内の湯が減少
した場合に貯湯式給湯器からの温水を自動的に補
給するようにした風呂装置に関する。

＜従来の技術＞ 浴槽内の湯が減少した場合に給湯器の貯湯部か
ら自動的に温水を浴槽に補給するようにした風呂
装置における問題点は、浴槽への温水補給時に、
前記給湯器の給湯設定温度が浴槽への補水に適し
た温度、例えば38℃に切換えられても、既に貯湯
されている高温水が先に浴槽内へ給湯されてしま
うことである。したがつて入浴者は補水されてく
る高温水によつて不快な経験をする欠点があつ
た。このような欠点を解消するために、例えば本
出願人が先に実願昭61−053406号明細書で提供し
た装置の如く、ミキシングバルブや水混合用電磁
弁を設けた温水補給装置が提供されている。この
ミキシングバルブや水混合用電磁弁を用いた装置
では、給湯器から出湯されてきた高温水を前記ミ
キシングバルブや水混合用電磁弁によつて水道の
水と混合させ、浴槽に補水するのに適当な温度に
して浴槽に送込むことによつて、不快な高温水が
いきなり送込まれないように構成されていた。

＜発明が解決しようとする問題点＞ ところが上記ミキシングバルブや水混合用電磁
弁を用いるものでは、該ミキシングバルブや水混
合用電磁弁の構造上圧力損失が大きく、大量出湯
ができない欠点があり、またそれらの付加、及び
それにともなう部品点数の増大によるコストアツ
プや装置の大型化の問題があつた。

＜目的＞ そこで本発明は上記従来技術の欠点を解消し、
ミキシングバルブ等を使用しなくても、高温水が
いきなり浴槽へ補給されるような不都合のない風
呂装置の提供を目的とし、またこれにより、安価
で、大量出湯が可能な風呂装置の提供を目的とす
る。

＜問題点を解決するための手段＞ 本発明は、浴槽と、該浴槽とは別体に設けられ
る風呂釜と、該風呂釜に前記浴槽の湯を循環させ
るための循環路及び循環ポンプと、貯湯式給湯器
からの温水を前記循環路を介して浴槽へ補給する
温水補給手段とを備え、前記浴槽内の湯が減少す
ると自動的に前記温水補給手段の開閉弁を開いて
温水を補給するようにした風呂装置であつて、風
呂運転が前記自動温水補給のモードに入つた場合
には、前記開閉弁の開放に先立つてまず前記循環
ポンプの駆動による温水循環を開始し、しかる後
に前記開閉弁を開放すると共に、前記給湯器の貯
湯温度が一定温度以上の高温の場合には前記開閉
弁の開放を間欠的に行うよう構成したことを基本
的特徴としている。

＜作用＞ 自動温水補給運転がなされている場合に、水位
スイツチにより浴槽水の低下が確認されると、ま
ず循環ポンプの駆動が開始され、浴槽内の湯が風
呂釜へ循環を開始する。しかる後に開閉弁が開放
され、給湯器からの温水が循環路内に送込まれ
る。そしてこの場合、給湯器に貯湯されている湯
の温度が一定以上の高温の場合には、給湯器から
の高温水は間欠補給される。よつて給湯器から高
温水が補給される場合であつても、その高温水が
浴槽に流れ込む前に循環されている浴槽水によつ
て十分温度が低下せられ、浴槽へ不快な高温水が
流入せられる不都合が確実に防止せられる。

ミキシングバルブ等を付加する必要がないの
で、部品点数の低減が図られ、またコストの大幅
な低下を図ることができる。

また循環ポンプによる浴槽水の循環を、給湯器
からの温水補給開始から、給湯器内の貯湯温度が
循環ポンプによつて浴槽へ送込まれる循環水の温
度以下になつてから一定時間経過するまでの間、
行うようにすれば、循環ポンプを補水中常時駆動
することなく、省エネルギーで、しかも不快な高
温水の浴槽への流入が防止できる。

＜実施例＞ 第１図は本発明の実施装置の構成図で、第２図
は実施装置における自動温水補給運転の制御動作
のフローチヤートである。

浴槽１０に対して別体に風呂釜２０が設けられ
ている。また浴槽１０およびそれ以外の場所への
給湯を行う貯湯式の給湯器３０が設けられてい
る。そして前記風呂釜２０及び給湯器３０の運転
を制御するコントローラ４０と、該コントローラ
４０に使用者が指令を行うための遠隔操作器５０
が設けられている。

前記風呂釜２０は燃焼部２１の周囲が熱交換室
２２になつており、浴槽１０との間が往き管２３
と戻り管２４で接続されている。前記熱交換室２
２の途中からバイパス管２５が設けられ、その途
中に循環ポンプ２６が設けられている。バイパス
管２５の先端２５ａは前記往き管２３内に二重管
状に臨み、その結果エジエクタ効果を発揮せしめ
ている。すなわち循環ポンプ２６の駆動によりバ
イパス管２５を通つた湯がその先端２５ａから勢
いよく流出するので、その周囲の湯が吸引され、
結果として、浴槽１０内の湯が戻り管２４、風呂
釜２０、往き管２３で構成される循環路を通つて
浴槽１０に大量に循環される。循環路の一部であ
る風呂釜２０の熱交換室２２に前記給湯器３０か
らの温水の落込みを受けるホツパ２７が設けられ
ている。２８は浴槽１０の水位を検出する水位ス
イツチである。また２９は浴槽１０へ送込まれる
湯の温度検出器である。

前記給湯器３０は、燃焼室３１、貯湯室３２を
有し、水道等から入水管３３を経て貯湯室３２に
入つた水が、該貯湯室３２で加熱、貯湯され、出
湯管３４から出湯される。出湯された湯は浴槽専
用の給湯管３５を経て、電磁開閉弁３６を介して
前記ホツパ２７に落込まれる。３７は貯湯温度を
検出する温度スイツチである。

前記コントローラ４０は、例えばマイコンが内
蔵されており、浴槽４０への給湯、追焚き、保
温、保水に関する自動運転の制御ソフトウエアが
組込まれており、遠隔操作器５０からの指令、及
び前記水位スイツチ２８、温度スイツチ３７、温
度検出器２９等からの入力情報により、前記風呂
釜２０のバーナ、循環ポンプ２６、給湯器３０の
バーナー、電磁開閉弁３６等の制御を前記ソトフ
トウエアに従つて行う。この場合コントローラ４
０による電磁開閉弁３６の開放はタイマーにより
間欠開放ができるようになされている。

前記遠隔操作器５０には、例えば浴槽１０への
給湯から焚上げまで及び焚上がり後の保温保水を
自動的に行う全自動運転スイツチ５１、浴槽１０
への給湯から焚上げまでを行う半自動運転スチツ
チ５２、焚上がり後の保温保水を自動的に行う保
温保水運転スイツチ５３が設けられている。

今、全自動運転スイツチ５１が押されている場
合の焚上がり後の保温保水運転、或いは保温保水
運転スイツチ５３が押されて保温保水運転が行わ
れる場合における自動保水のための制御動作につ
いて第２図のフローチヤートに従つて説明する。

今、浴槽１０内の水位が所定の水位以下になる
と、水位スイツチ２８が作動し、これがコントロ
ーラ４０に入力されて自動温水補給モードが開始
される。するとコントローラ４０により給湯器３
０の温調が浴槽１０への温水補給に適した温度、
例えば38℃に自動設定され、と同時に循環ポンプ
２６の駆動が開始される。これにより浴槽１０の
湯が風呂釜２０へ循環を開始する。浴槽１０の湯
が風呂釜２０へ大量に循環され始めるまでの時間
を予め設定しておき、その時間が経過すると電磁
開閉弁３６が開放される。そして、その場合、前
記温度スイツチ３７で検出される給湯器３０内の
貯湯温度が、一定温度、例えば55℃を越える場合
には、コントローラ４０により電磁開閉弁３６の
間欠開放が選択される。間欠開放は、例えば10秒
毎に10秒間電磁開閉弁３６を開放するようにして
行われる。貯湯温度が一定温度以下の場合は電磁
開閉弁３６が連続開放される。給湯器３０から電
磁開閉弁３６を経てホツパ２７に落込まれた温水
は、風呂釜２０内で浴槽１０から循環してくる大
量の湯と混合し、浴槽１０へ送込まれる。よつて
給湯器３０の貯湯室３２に高温水が残つていて
も、また低温水が残つていても、それらの高温
水、低温水は浴槽１０から循環してくる大量の湯
で希釈され、不快感のない温度になつて浴槽１０
へ送込まれることになる。

前記電磁開閉弁３６の間欠開放は給湯器３０内
の貯湯温度が55℃以下まで低下すると終了し、連
続開放に移行する。給湯器３０からの湯を間欠給
湯或いは連続給湯中に浴槽１０の水位が一定以上
に回復すると、前記電磁開閉弁３６が閉止し、循
環ポンプ２６が停止する。

電磁開閉弁３６開放中に、給湯器３０の貯湯温
度が風呂釜２０から浴槽１０への送込み温度より
低下した場合、例えば給湯器３０内の貯湯温度が
自動設定された浴槽１０への給湯温度38℃まで低
下し、前記温度検出器２９で測定された浴槽１０
への送込み温度が45℃である場合、この様な状態
まで給湯器３０内の湯温が低下した場合には、一
定時間後に循環ポンプ２６が停止される。一定時
間というのは安全を考慮したもので、10秒乃至数
10秒程度の短い時間である。

浴槽１０内の水位が一定以上まで回復すると、
電磁開閉弁３６が閉止し、補水運転が終了する。

＜効果＞ 本発明は以上の構成よりなり、給湯器から浴槽
への温水補給に際して、該給湯器からの温水給湯
に先立つて循環ポンプを駆動すると共に、給湯器
の貯湯温度が一定以上の高温の場合には、さらに
給湯が間欠的に行われるよう構成しているので、
高温水が給湯される場合でも十分温度が低下せら
れ、浴槽へ不快な高温水が流入せられる不都合が
確実に防止される。

またミキシングバルブやその付属部品など、専
用部品を付加する必要もなく、部品点数の低減、
コストの大幅低下を図ることができる。

また、給湯器の貯湯温度が循環ポンプによつて
風呂釜側から浴槽へ送込まれる循環水の温度以下
になると、一定時間後に前記循環ポンプを停止す
るようにすれば、循環ポンプを補水運転中常時駆
動することなく、省エネルギーで、しかも不快な
高温水の浴槽への流入が防止できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施装置の構成図、第２図は
実施装置における自動温水補給運転の制御動作の
フローチヤートである。 １０：浴槽、２２：風呂釜の熱交換室、２３：
往き管、２４：戻り管、２６：循環ポンプ、２
８：水位スチツチ、２９：温度検出器、３０：貯
湯式給湯器、３２：貯湯室、３５：給湯管、３
６：電磁開閉弁、４０：コントローラ、５０：遠
隔操作器。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 浴槽と、該浴槽とは別体に設けられる風呂釜
   と、該風呂釜に前記浴槽の湯を循環させるための
   循環路及び循環ポンプと、貯湯式給湯器からの温
   水を前記循環路を介して浴槽へ補給する温水補給
   手段とを備え、前記浴槽内の湯が減少すると自動
   的に前記温水補給手段の開閉弁を開いて温水を補
   給するようにした風呂装置であつて、風呂運転が
   前記自動温水補給のモードに入つた場合には、前
   記開閉弁の開放に先立つてまず前記循環ポンプの
   駆動による温水循環を開始し、しかる後に前記開
   閉弁を開放すると共に、前記給湯器の貯湯温度が
   一定温度以上の高温の場合には前記開閉弁の開放
   を間欠的に行うよう構成したことを特徴とする風
   呂装置。 ２ 給湯器の貯湯温度が循環ポンプによつて風呂
   釜から浴槽へ送込まれる循環水の温度以下になる
   と、一定時間後に前記循環ポンプを停止する特許
   請求の範囲第１項記載の風呂装置。