JPH0362441A - Ｘ線管陽極の製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 工発明の目的コ （産業上の利用分野） この発明はＸ線管陽極の製造方法に係り、特にターゲッ
ト材を陽極基体に鋳込む場合にターゲット材を治具に保
持する方法の改良に関する。

（従来の技術） 一般に、固定陽極型Ｘ線管は第２図に示すように構成さ
れ、ガラスからなる外囲器１内の一方に陽極基体２が配
設され、この陽極基体２は金属からなる封止リング３を
介して外囲器１に支持されている。そして、陽極基体２
の傾斜面には、ターゲット材４が埋設されている。

又、外囲器１内の他方には、陽極基体２に対向してカッ
プ６が設けられ、このカップ６は支持リング８を介して
外囲器１に支持されている。そして、カップ６内には陰
極フィラメント５が設けられ、この陰極フィラメント５
はカップ６を貫通したフィラメント端子７に接続されて
いる。

このようなＸ線管においては、動作時に陰極フィラメン
ト５はフィラメント端子７から供給された電流により加
熱されて電子を放出する。この電子はカップ６により集
束されながら陽極基体２に印加される高電圧によって加
速され、目的の分布とエネルギをもってターゲット材４
に衝突し、このターゲット材４からＸ線を発生する。

通常、ターゲット材は陰極フィラメントから電子衝撃を
受けて高温に熱せられるので、タングステンのような難
溶性金属を用い、陽極基体はターゲット材の熱を逃がす
ため、熱伝導の良い銅を使用している。又、熱をターゲ
ット材から陽極基体に効果的に逃がすには、ターゲット
材と陽極基体との間の密着を強力にすることが必要であ
る。

従来、このような条件を満たすため、陽極基体にターゲ
ット材を固着する方法として、真空鋳込み法が最も多く
行なわれている。即ち、第３図に示すように、ターゲッ
ト材４を保持させたカーボンからなる治具９とカーボン
からなる中空円筒１０とが組合わされて被加熱円筒体１
２が構成されている。そして、この被加熱円筒体１２の
中空円筒１０内に陽極基体２となる銅材１１を配置し、
数Ｔｏｒｒの水素ガスを流入した低圧還元雰囲気下で、
且つ高温下で溶融し、ターゲット材４を埋込む（詳細方
法は特公昭５８−５６９４５号公報参照）。

ところで、治具にターゲット材を保持させるには、第４
図（ａ）、（ｂ）に示すように、治具９の傾斜面のうち
ターゲット材４が保持される周囲に、複数のピン孔加工
を施す。そのピン孔にモリブデンピン１３を差込み、そ
の間にターゲット材４を挿入後、モリブデンピン１３を
折曲げてターゲット材４を固定する。このようにして、
銅材１１の高温溶融時にもターゲット材４は所定位置に
保持されており、結果として陽極基体２の正位置に固着
されることになる。

（発明が解決しようとする課題） 上記従来の保持方法の欠点は、治具は何回か使用するう
ちにピン孔が大きくなり、ターゲット材の固定位置がず
れてしまうことである。更には、毎回、モリブデンピン
をハンマーで叩くため、ピン孔は深くなったりして破損
し、使用不能となる。

又、この固定作業はターゲット材位置出しを修正しなが
ら行なわれるため、可成り技巧のいる難作業となる。

更に、第５図（ａ）　、（ｂ）は上述のようにして鋳込
まれた後、仕上げ加工された陽極の部分断面図であるが
、図に示されるように複数のモリブデンピン１３はター
ゲット材４を囲むように接触するため、銅より３倍も熱
伝導の悪いモリブデンは管球動作時の熱放散をその分だ
け阻害する。

この発明は、ターゲット材を保持する難溶性金属を使用
することなく、ターゲット材を治具に正確且つ容易に固
定出来るＸ線管陽極の製造方法を提供することを目的と
する。

［発明の構成］ （課題を解決するための手段） この発明は、治具の一面にターゲット材を耐熱性無機接
着剤により固定し、陽極基体となる銅材に鋳込み後、無
機接着剤を剥がしてターゲット材の表面処理を施すＸ線
管陽極の製造方法である。

（作　用） この発明によれば、ターゲット材を保持する難溶性金属
を使用しないで、ターゲット材を治具に正確にして且つ
容易な作業で固定出来る。又、陽極基体に鋳込まれたタ
ーゲット材の周囲に熱伝導の悪い難溶性金属がないため
、動作時の熱発散を効率良く行なえる高品位のＸ線管陽
極が得られる。

（実施例） 以下、図面を参照して、この発明の一実施例を詳細に説
明する。

この発明によるＸ線管陽極の製造方法は、第１図（ａ）
、（ｂ）に示すように構成され、従来例（第３図）と同
一箇所は同一符号を付すことにする。

先ず、第１図（ａ）に示すように、カーボンからなる治
具９の傾斜面に耐熱性無機接着剤１４を垂らした後、タ
ングステンからなるターゲット材４を軽く押付は接着す
る。その後、３０分自然乾燥すれば、最終強度の７０％
程度となる。二のままで１日放置するか、１００℃、１
時間の加熱乾燥をすると、はぼ最終接着強度となる。

この場合、無機接着剤１４の役割は溶融高温時の鋳込み
工程（後述）で治具９からターゲット材４が剥がれず、
溶融固着後は治具９とターゲット材４との接着界面から
剥がすことを可能とするものである。

この実施例に使用した耐熱性無機接着剤１４は、市販の
シリケート系である。硬化方法は、既述のように自然乾
燥か又は１００℃、１時間の加熱乾燥を行なえば良い。

治具９の傾斜面に接着したターゲット材４は、３０分の
自然乾燥時点で、ラジオペンチで剥離出来ない程の接着
強度を持ち、熱膨脹係数はグラファイト、タングステン
のそれに近い。

次に、第１図（ｂ）に示すように、ターゲット材４を固
定した治具９と中空円筒１０とを組合わせて被加熱円筒
体１２を構成する。そして、加熱溶融の鋳込み作業を行
なう。

即ち、被加熱円筒体１２の中空円筒１０内に、陽極基体
２となる銅材１１を配置する。そして、数Ｔｏｒｒの水
素ガスを流入した低圧還元雰囲気下で、且つ高温下で加
熱溶融し、ターゲット材４を埋込む。

このようにして鋳込まれたターゲット材４は、軽いショ
ック程度で無機接着剤１４の界面から剥離することが出
来る。又、鋳込んだターゲット材の剥離試験を行なった
結果、銅材とターゲット材との界面では剥離せず、安定
な接合が得られた。

従来は、鋳込み前のターゲット材を銅との虞れ性改善の
ため、予め高温ブレージングで銅被覆を行なっていたが
、この発明の実施例では数Ｔｏｒｒの水素ガスを流入し
た低圧還元雰囲気での鋳込み工程により、タングステン
生地での確実な鋳込みが可能となった。

尚、鋳込み後、無機接着剤を剥がしてターゲット材の表
面処理を施す。

［発明の効果］ 以上詳述したように、この発明の製造方法によれば、治
具の一面にターゲットを耐熱性無機接着剤により固定し
、陽極基体となる銅材に鋳込み後、無機接着剤を剥がし
てターゲットの表面処理を施しているので、作業性が容
易である。

即ち、既述のように、従来は治具に複数のビン孔加工を
施し、そのビン孔にモリブデンピンを差込み、その間に
ターゲット材を挿入後、モリブデンピンを折曲げてター
ゲットを保持しているため、作業性が悪い。しかし、こ
の発明では無機接着剤により固定しているため、作業性
が優れている。

更にこの発明では、従来のように治具にピン孔加工し、
モリブデンピンをハンマーで打ち込むことがないので、
活貝の消耗破損が極端に少ない。

又、この発明により製造された陽極は、陽極基体に鋳込
まれたターゲット材の周囲には熱伝導の悪い難溶性金属
がないため、管球動作時の熱放散を効率良く行なうこと
が出来、高品質である。

【図面の簡単な説明】

第１図（ａ）、（ｂ）はこの発明の一実施例に係るＸ線
管陽極の製造方法を示す断面図、第２図は一般的な固定
陽極型Ｘ線管を示す断面図、第３図は従来のＸ線管陽極
の製造方法を示す断面図、第４図（ａ）、（ｂ）は従来
のターゲット材を治具へ保持させる固定方法を示す平面
図と断面図、第５図は従来の製造方法により得られたＸ
線管陽極を示す平面図と断面図である。 ４・・・ターゲット材、９・・・治具、１０・・・中空
円筒、１１・・・銅材、１２・・・被加熱円筒体、１４
・・・耐熱性無機接着剤。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 一面にターゲット材を保持させた治具と鋳込み用難溶性
   中空円筒とを組合わせ、この中空円筒内に陽極基体とな
   る銅材を配置して所定雰囲気で加熱溶融し、該銅材に上
   記ターゲット材を鋳込むＸ線管陽極の製造方法において
   、 上記治具の一面に上記ターゲット材を耐熱性無機接着剤
   により固定し、上記鋳込み後、該無機接着剤を剥がして
   上記ターゲット材の表面処理を施すことを特徴とするＸ
   線管陽極の製造方法。