JP2971077B2 - 分析用x線管の製造方法 - Google Patents

分析用x線管の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) この発明は分析用X線管の製造方法に係り、特にその
陽極の製造方法の改良に関する。
(従来の技術) 一般に分析用X線管は第4図に示すように構成され、
真空外囲器1内に陰極2と陽極3が対向して配設されて
いる。この陽極3は、陽極母材4とその一面(陰極対向
面)に設けられたタ−ゲツト層(図示せず)とからなっ
ている。
動作時には、陰極2より発生した電子5を陰極2−陽
極3間に印加した電圧により加速し、タ−ゲツト層の電
子衝突面6に衝突させる。この電子衝突面6より発生し
たX線7を、X線放射窓8より取出して被分析物質に照
射し、そこより発生するX線により物質の分析を行な
う。
このような分析用X線管より発生するX線7の波長
は、タ−ゲツト層の材質と印加する高電圧により決まる
が、軽元素の分析等特に長波長のX線を必要とする場合
には、タ−ゲツト層の材質としてロジウム等を使用す
る。
一方、陽極母材4は電子5の衝突により発生する熱を
効率良く管球外部に導くため、一般に熱伝導の良い銅又
は銅合金を使用している。
従って、銅の陽極母材4の一面にロジウム膜を形成し
たターゲット層を使用している。このロジウム膜は、例
えば電気めっき法により形成する。
(発明が解決しようとする課題) ところが、従来の方法では、陽極3の組立て工程又は
真空ガス出し工程中に500〜820℃の高温に晒されること
により、銅からなる陽極母材4とその表面に形成したタ
−ゲツト層の熱膨脹差及び銅の再結晶によりタ−ゲツト
層に割れが生じたり、剥がれるものが発生することがあ
る。
そして、従来のタ−ゲツト層形成方法では、銅からな
る陽極母材4の再結晶により部分的隆起が起こり、ロジ
ウム膜に割れが発生し、又はその凹凸によるX線取出し
量の低下が生じることが判った。
この発明は、再結晶によるタ−ゲツト層の割れ・剥が
れを防止すると共に、付着強度を増した分析用X線管の
製造方法を提供することを目的とする。
[発明の構成] (課題を解決するための手段) この発明は、銅からなる陽極母材を予め800℃以上、
融点以下の温度で加熱処理して再結晶化し、その後、そ
の表面に直接もしくは5ないし20μmの範囲のニッケル
膜からなる中間層を介して厚さ40±10μmの膜厚のロジ
ウム膜を被膜して陽極構体を得、その後、前記陽極母材
の熱処理温度よりも低い温度で真空ガス出しすることを
特徴とする分析用X線管の製造方法である。
(作 用) この発明によれば、ターゲット層であるロジウム膜の
割れがなくなり、陽極母材または中間層のニッケルの特
性線が発生せず、必要とする純ロジウムのX線のみを長
時間安定して発生させることができる。
(実施例) 以下、図面を参照して、この発明の一実施例を詳細に
説明する。
この発明は陽極の製造方法を改良したもので、その製
造方法についてのみ述べることにする。尚、従来例(第
4図)と同一箇所は同一符号を付すことにする。
既述のように、分析用X線管における陽極は陽極母材
の表面にタ−ゲツト層を形成して構成されているが、こ
の発明でも第1図に示すように、陽極を構成する陽極母
材4の表面にタ−ゲツト層となる例えばロジウム膜9を
形成し、必要な波長のX線を発生させる。
先ず第1図に示す陽極母材4の表面に脱脂・化学エッ
チングを施した後、水素中において800℃以上、融点以
下の温度、例えば860℃で10分間、加熱処理する。この
熱処理により銅素材は再結晶する。
加熱処理後に、母材表面にロジウム膜9を形成する
が、一般に電解めっきを使用する。この場合、ロジウム
膜9の厚さは、銅からなる陽極母材4の特性線を吸収す
るのに必要な厚さを確保するために下限が決まる。又、
厚過ぎると陽極母材4との熱膨脹差のため、応力による
ロジウム膜9の割れ・剥がれが生じ易くなる点から上限
が決まり、40±10μmの厚さの範囲でロジウム膜6を形
成する。
尚、ロジウム膜9の陽極母材4への付着強度を増すた
めと、熱膨脹差による割れを防止するために、銅とロジ
ウムの中間の熱膨脹差を有するニッケル膜(図示せず)
を中間層として設けることも有効である。この場合も一
般に電解めっきを使用する。このニッケル膜の膜厚は、
5〜20μmで行なう。
尚、中間層のニッケル膜は、必要に応じて形成すれば
良い。
こうして、陽極母材4の表面にロジウム膜9を形成し
た後、第4図に示すような銀ろう付け等により陽極3を
組立て、陰極2と共に真空外囲器1内に封着後、真空ガ
ス出しすれば、分析用X線管が得られる。
上記の工程中、高温に晒さらされる銀ろう付けの工程
は温度780℃で10分間、又、真空ガス出しの工程は温度7
00℃で1時間であり、いずれもロジウム膜9形成前の陽
極母材の熱処理温度よりも低い。
又、実際に使用中の陽極温度は、一番高い電子衝突面
でも500℃にしかならない。従って、ロジウム膜形成後
に再結晶化による隆起が起こらず、その結果、陽極母材
4とタ−ゲツト層であるロジウム膜9の剥がれ・割れは
発生しない。
さて、この発明におけるロジウム膜9の状態を、従来
の製造方法による場合と比較すると、次のようになる。
第2図は、従来のロジウム膜形成前の母材の加熱処理が
ないものにロジウム膜を形成し、陽極組立て銀ろう付け
を行なった後の表面状態を示しているが、ロジウム膜表
面に割れが縦横に走っている状態が確認された。
これに対し、第3図はこの発明の場合であり、再結晶
した母材上にロジウム膜が形成されているため、従来の
ような割れは発生していないことが確認された。尚、両
方の顕微鏡写真は同じ50倍である。
[発明の効果] この発明によれば、銅からなる陽極母材を予め800℃
以上の温度で加熱処理し、その後、その表面に直接また
はニッケルの中間層を介してロジウム膜を形成している
ので、ロジウム膜の割れ・剥がれがなくなり、陽極母材
または中間層のニッケル膜の特性線が発生せず、必要と
するロジウムの特性X線のみを長時間安定して発生させ
ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の分析用X線管の製造方法を説明する
ために用いる陽極を示す断面図、第2図はこの発明の製
造方法によるロジウム膜の形成後における表面状態の粒
子構造を50倍拡大して示す顕微鏡写真、第3図は従来の
製造方法によるロジウム膜の形成後における表面状態の
粒子構造を50倍拡大して示す顕微鏡写真、第4図は一般
的な分析用X線管を示す断面図である。 4……陽極母材、9……ロジウム膜(タ−ゲツト層)。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】陽極母材を予め800℃以上、融点以下の温
    度で加熱処理して再結晶化し、その後、その表面に直接
    もしくは5ないし20μmの範囲のニッケル膜からなる中
    間層を介して厚さ40±10μmの膜厚のロジウム膜を被膜
    して陽極構体を得、その後、前記陽極母材の熱処理温度
    よりも低い温度で真空ガス出しすることを特徴とする分
    析用X線管の製造方法。
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