JPH0360994A - シート材料を切断する方法およびその装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 この発明は、織物生地等の柔軟なシート材料を切断する
方法と、この方法を実施するために用いる切断装置に関
するものである。

〈従来の技術〉 織物生地や合成樹脂シート等の柔軟なシート材料を多数
枚重ね合わせた状態で同時に裁断するため、空気透過性
の剛毛体を用いてシート材料を吸引固定し、垂直に往復
運動する裁断刃をシート材料に対して移動させるように
した裁断装置が使用されている。

上記のシート材料裁断装置は、第４図と第５図に示すよ
うに、空気透過性の剛毛体１を一対のエンドレス走行体
２と２で支持して吸引ボックス３上を移動するように並
べて配置し、この剛毛体１群で吸引ボックス３上に裁断
支持面を形成し、裁断支持面の上部に任意の方向に移動
自在となる切断装置４の裁断刃５を配置し、前記裁断支
持面上にシート材料Ａを載置し、これを吸引装置６と吸
引ダクト７により吸引ボックス３から剛毛体１の表面に
作用させた吸引力で剛毛体１上に固定し、この状態で切
断装置４の裁断刃５を垂直往復運動させつつ予め設定さ
れた条件でＸ方向、Ｙ方向に移動させ、シート材料Ａを
所定の形状に裁断するようになっている。

上記のようなシート材料の切断装置に用いられている従
来の切断装置は、モータによって駆動されるクランク機
構の回転で裁断刃に垂直の往復運動を与える構造になっ
ている。

しかし、裁断刃にクランク機構で一般の往復運動を与え
てシート材料を裁断する切断装置は、裁断刃の速度がサ
インカーブを描いて加減速正逆運動をしているため、上
下両死点付近の裁断刃の垂直運動速度は「零」に等しく
、裁断のための運動の空洞化現象が生じている。

その結果、切断装置によるシート材料の裁断作業時にお
いて、上下両死点付近では裁断刃の駆動装置を搭載した
キャリッジの水平移動による裁断刃の押し切り状態だけ
となり、シート材料に対する裁断圧の増加を招き、この
ため低速裁断を余儀なくされると共に、シート材料保持
用バキューム装置の大容量化および裁断精度の悪化と裁
断刃の刃先寿命の低下を招くという不都合が生じる。

このような裁断刃を一段往復運動させる切断装置の不都
合を解消させるため、特開昭６０−９９６００号によっ
て裁断刃を往復運動させながら、超音波装置で微振動を
加え、裁断刃の上下両死点付近における押し切り状態の
発生を防ぐ切断装置が提案されている。

この切断装置は、クランク機構の往復駆動手段内に、例
えば振動数３０．０００サイクル毎秒、極微少振幅０．
０２５〜０．１５ｍｍ程度の超音波振動を付加するよう
、ピエゾ超音波発生器と音響インピーダンス・トランス
フォーマからなる超音波変換器手段を備え、超音波振動
の助けにより裁断を行なうものである。

〈発明が解決しようとする課題〉 しかし、上記切断装置は、クランク機構の回転支持連結
部および裁断刃旋回支持連結部等の機械的バックラッシ
ュが存在する箇所では、超音波振動の振動エネルギーが
大きく減衰され、必要とする裁断刃先への振動エネルギ
ーの伝達は不可能である。

又、超音波変換器手段は、クランク機構の往復駆動手段
内に設けられ、それ自体が数千回毎分もの往復運動をす
るため、超音波変換器手段への配線、配管等は非常に困
難である。

そこで、この発明の課題は、上記のような問題点を解決
するため、裁断刃に対して垂直往復運動と垂直微振動運
動の二重の運動を、超音波変換器手段のような特別な装
置、配線、配管等を用いることなく、単一の駆動源から
機械的に付与することができ、振動裁断の長所を取り入
れて切断運動の空洞化現象を防止できる安価で実用的な
シート材料を切断する方法と切断装置とを提供すること
にある。

〈課題を解決するための手段〉 上記のような課題を解決するため、第１の発明は、駆動
源によって駆動される回転体の偏心位置でクランク軸を
回転自在に支持し、遊星歯車機構を用いて回転体の回転
でクランク軸に公転と自転を付与し、クランク軸の偏心
軸部に枢止連結した裁断刃に、クランク軸の公転による
垂直往復運動とクランク軸の自転による垂直微振運動を
同時に付加し、裁断刃に二重の垂直往復運動を与えてシ
ート材料を切断するようにしたものである。

上記の課題を解決する第２の発明は、ハウジングで回転
自在に支持され、駆動源によって駆動される回転体の偏
心位置でクランク軸を回転自在に支持し、クランク軸に
設けた太陽歯車とハウジングに設けた固定内歯歯車の間
に回転体に枢止した遊星歯車を噛合させ、回転体の回転
によりクランク軸に公転と自転を生じさせる遊星歯車機
構を形成し、前記クランク軸の偏心軸部に上下動自在と
なる裁断刃をロッドで枢止連結した構成としたものであ
る。

〈作用〉 駆動源によって回転体を回転させると、この回転体の偏
心位置で支持したクランク軸は回転体の回転軸心を中心
とする公転を行ない、ロッドを介して枢止連結した裁断
刃に垂直往復運動を与える。

回転体に枢止した遊星歯車は、ハウジングに固定した内
歯車と噛合しているため、回転体と一体に回転する公転
によって自転が生じ、遊星歯車の自転が太陽歯車を介し
てクランク軸に伝達され、従って、クランク軸は公転と
同時に自転が与えられ、クランク軸は自転によって偏心
軸部が旋回し、この偏心軸部にロッドを介して連結した
裁断刃に垂直微振運動を付加する。

このように裁断刃は、クランク軸の公転による垂直往復
運動と自転による垂直微振運動の二重の運動が付加され
、裁断刃は垂直往復運動の上下両死点付近においても垂
直微振運動を行なっているため、シート材料の押し切り
状態がなくなり、垂直往復運動の空洞化現象の発生を防
止する。

〈実施例〉 以下、この発明の実施例を添付図面の第１図乃至第３図
に基づいて説明する。

第１図と第２図は切断装置の構造を示しており、第４図
と第５図で説明したシート材料裁断装置における裁断支
持面の上部にＸ方向とＹ方向に移動自在となるよう配置
される。

第１図と第２図において、ハウジングｌｌ内に軸受１２
を介して回転自在に支持された回転体１３は、軸部１４
の先端に円板状で大径となるフライホイル兼ギヤケース
１５が設けられ、軸部１４がハウジング１１に固定した
駆動モータ１６の出力軸１７とキーで連結され、上記回
転体１３は駆動モータ１６の起動により軸部１４の軸心
を中心に回転することになる。

前記回転体１３におけるギヤケース１５の前面に切欠部
分１８を設けたバランサーを兼ねるケースカバー１９が
固定され、該ギヤケース■５とケースカバー１９を貫通
するクランク軸２０が軸受２１．２２を介して回転自在
に取付けられている。

上記クランク軸２０は、軸部１４の軸心と偏心量ｅだけ
偏心した位置に軸部１４と平行するよう支持され、ケー
スカバー１９から突出する先端に軸心に対して偏心量ｅ
３だけ偏心する偏心軸部２３が設けられている。

前記クランク軸２０は、回転体１３の回転により偏心量
ｅを半径とする公転が与えられると同時に遊星歯車機構
２４によって自転が付与されるようになっている。

この遊星歯車機構２４は、クランク軸２０の途中に設け
た太陽歯車２５と、ハウジング１１の前面に固定した内
歯歯車２６と、太陽歯車２５と内歯歯車２６の各々に噛
み合うように軸２７でギヤケース１５に配置した遊星歯
車２８とで構成され、回転体１３が回転すると一体に公
転する遊星歯車２８は内歯歯車２６との噛合によって自
転し、この自転が太陽歯車２５でクランク軸２０に伝達
されるようになっている。

従って、クランク軸２０の偏心軸部２３は遊星歯車機構
２４によって、回転体１３が回転したとき偏心量ｅを半
径とする公転と偏心１ｔｅｓを半径とする自転とを行な
うことになる。

上記遊星歯車２８は例えばナイロンを用いて形成し、騒
音防止を図るようにするのが好ましく、この場合、ナイ
ロンの強度を補強するため、第１図のように、２個の遊
星歯車２８を太陽歯車２５の両側に配置し、バランスを
とるようにするとよい。

第１図のように、シート材料Ａを切断する裁断刃２９は
、スピンドルベアリング３０内を上下に貫通し、スライ
ディングキー３１によって上下動が誘導されるスピンド
ル３２の下端部に固定され、スピンドル３２の上端にス
イベルジヨイント３３を介して連結したロッド３４の上
端が前記クランク軸２０の偏心軸部２３に枢止連結され
ている。

これによりスピンドル３２は別の駆動源（図示省略）に
よって裁断刃旋回のためのθ軸運動を付加することがで
きる。

上記裁断刃２９は、クランク軸２０の公転により、この
公転の直径に等しい上下ストロークの垂直往復運動が付
与されると同時に、クランク軸２ｏの自転による偏心軸
部２３の回転直径に等しいストロークの垂直微振運動が
付加され、この二重の垂直往復運動とＸ方向およびＹ方
向への移動並びにθ軸旋回によって、シート材料Ａを予
め設定されたパターンに裁断して行くことになる。

この発明の切断装置は上記のような構成であり、駆動モ
ータ１６を起動して回転体１３を回転させると、この回
転体１３に取付けたクランク軸２０は偏心量ｅを半径と
して公転すると共に、回転体１３と一体に公転する遊星
歯車２８の自転によってクランク軸２０は回転が与えら
れて自転する。

従って、クランク軸２０の偏心軸部２３にロッド３４と
スピンドル３２等を介して連結した裁断刃２９はクラン
ク軸２０の公転による垂直往復運動と、偏心軸部２３の
回転による垂直微振運動とが同時に付与される。

第３図はクランク軸２０の公転と自転によって裁断刃２
９に付加する垂直往復運動のサイクルを示しており、同
図において大きなカーブａはクランク軸２０の公転によ
る裁断刃２９の運動を、また小さなカーブｂはクランク
軸２０の自転による裁断刃２９の垂直微振運動を示して
いる。

クランク軸２０の公転による裁断刃２９の垂直往復運動
は偏心量ｅの２倍のストロークで上下動し、上下動の中
間部分は裁断刃２９が早く動いているが、上死点ａ１と
下死点ａ２の付近では裁断刃２９が略停止のような状態
になっている。

これを補うため、クランク軸２０の自転により小さなカ
ーブｂで示すように偏心量ｅ３の２倍のストロークで上
下に垂直微振運動を与え、切断装置の水平移動による裁
断刃２９の押し切り状態の発生を防止し、振動裁断の長
所を生かして裁断速度の高速化を可能にしている。

上記したクランク軸２０の公転による垂直往復運動に対
して自転による垂直微振運動のサイクル数は遊星歯車機
構２４の歯数比によって任意に決定することができる。

二重の垂直往復運動のサイクル数比は、遊星歯車機構２
４の増速比に等しく となる。

例えば、そのサイクル数及び振幅は、垂直往復運動では
ｎ　＝　１．０００〜１０．０００サイクル毎分、スト
ロークは１０〜５０ｍｍ程度、垂直微振運動ではｎ　Ｓ
　＝　１０．０００〜１００．０００サイクル毎分、ス
トロークは０．１〜３．０ｍｍ程度となる。

尚、上式における記号は下記の如くである。

ｎ・・・垂直往復運動サイクル数 ｎ３・・・垂直微振運動サイクル数 Ｚ１・・・内歯車歯数（固定） Ｚ２・・・遊星歯車歯数 Ｚ３・・・太陽歯車歯数（二重偏心クランク軸）ｅ・・
・垂直往復運動用クランク軸偏心量ｅ３・・・垂直微振
運動用クランク軸偏心量上記のように、垂直往復運動の
１サイクルに対して垂直微振運動を何すイクル動かせる
かは、遊星歯車機構２４の歯数比によって任意に決り、
ちなみに垂直往復運動の１サイクルに対して垂直微振運
動を８サイクルさせた場合、駆動モータが１分間に３．
０００回転しているとすると垂直微振運動は２４、００
０サイクル運動することになる。

〈効果〉 以上のように、この発明によると、回転体の偏心位置で
クランク軸を支持し、このクランク軸に遊星歯車機構を
用いて公転と同時に自転を与え、クランク軸の偏心軸部
に連結した裁断刃に、クランク軸の公転による垂直往復
運動とクランク軸の自転による垂直微振運動とを同時に
付与するようにしたので、単一の駆動源によって裁断刃
に二重の垂直往復運動を与えることができ、構造が簡略
化できコスト的にも安価で実用的である。

又、遊星歯車機構の使用により、裁断刃に垂直往復運動
と垂直微振運動を確実に付加することができ、シート材
料の切断時における押し切り状態の発生がなくなって裁
断圧が低下し、生産性向上を目的とした裁断速度の高速
化とシート材料保持用バキューム装置の小容量化、節エ
ネルギー化及び裁断精度の向上と裁断刃先の長寿命化を
図ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発、明に係るシート材料切断装置の縦断面
図、第２図は同上の要部の縦断側面図、第３図は裁断刃
の垂直往復運動と垂直微振運動の関係を示すサイクル図
、第４図はシート材料裁断装置の縦断正面図、第５図は
同上の縦断側面図である。 １１・・・ハウジング １６・・・駆動モータ ２３・・・偏心軸部 ２５・・・太陽歯車 ２８・・・遊星歯車 ３４・・・ロッド １３・・・回転体 ２０・・・クランク軸 ２４・・・遊星歯車機構 ２６・・・内歯歯車 ２９・・・裁断刃

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. （１）駆動源によって駆動される回転体の偏心位置でク
   ランク軸を回転自在に支持し、遊星歯車機構を用いて回
   転体の回転でクランク軸に公転と自転を付与し、クラン
   ク軸の偏心軸部に枢止連結した裁断刃に、クランク軸の
   公転による垂直往復運動とクランク軸の自転による垂直
   微振運動を同時に付加し、裁断刃に二重の垂直往復運動
   を与えてシート材料を切断することを特徴とするシート
   材料を切断する方法。
2. （２）ハウジングで回転自在に支持され、駆動源によっ
   て駆動される回転体の偏心位置でクランク軸を回転自在
   に支持し、クランク軸に設けた太陽歯車とハウジングに
   設けた固定内歯歯車の間に回転体に枢止した遊星歯車を
   噛合させ、回転体の回転によりクランク軸に公転と自転
   を生じさせる遊星歯車機構を形成し、前記クランク軸の
   偏心軸部に上下動自在となる裁断刃をロッドで枢止連結
   したシート材料を切断する装置。