JPH0359767B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、熱間圧延ラインにおいて、圧延成形
されたばかりの形鋼を、断面形状測定機に適正に
導く形鋼ガイド装置に関するものである。

〔従来の技術〕

建築物、土木工事さらには橋梁等に使用されて
いるＨ形鋼や鋼矢板および一般形鋼（以下、単に
形鋼と云う）の製造は、熱間孔型圧延やユニバー
サルミルより圧延成形されるのが一般的な製造方
法である。

この形鋼が圧延成形される過程において、形鋼
の断面形状が所定の寸法に仕上がつているかどう
かを知るには、作業者が冷間の仕上がつた状態の
形鋼の寸法を直接測定し、その結果を熱間圧延機
のコントロールセンタにフイードバツクして圧延
機のロール隙調整、ロール軸方向調整等の成形品
である形鋼の形状に影響を与える要素を調整する
ことにより形鋼の寸法精度を高めている。

〔発明が解決しようとする問題点〕

このような作業者による冷間の形鋼の寸法測定
方式では、タイミングロスにより多くの不良品を
出す恐れがあるので、通常は第４図に示す如く、
仕上げ圧延機１１の後方に配置されたホツトソー
１４で成形された形鋼１の一部をテストピース５
として鋸断して水で冷却した後、寸法測定を行つ
て圧延機１１のコントロールセンタに情報を送
り、前記した圧延機の要素を調整するのが普通で
ある。

しかしながら、この方法では、鋸断されたテス
トピース５の寸法を測定して情報がコントロール
センタに伝送されるまでの間は、圧延作業を停止
させて圧延成形能率を低下させるか、その間は不
良品を出す危険を承知で圧延作業を続けるしかな
いので、膨大な不利益を生じる危険があつた。

この危険の発生を防止すべく、仕上げ圧延機の
直後のテーブル上で熱間状態の形鋼の断面形状を
オンラインのまま接触式または非接触方式で測定
する手段が考えられている。

熱間圧延されたばかりの形鋼は、上下非対称で
あり、左右に温度差があり、さらに厚みに差があ
る等により反りや曲がりを生じることが多いいの
であるが、非接触方式の断面形状測定装置により
圧延成形されたばかりの形鋼の断面形状を測定し
ようとする場合は、測定装置を測定精度との関係
上、形鋼の蛇行や変位範囲の許容値が非常に小さ
いために、第１図に示すごとく、形鋼１の水平面
上での左右方向への変位範囲を規制するための一
対のサイドガイド板２（第５図参照）の間隔は、
形鋼１の全幅Ｂに５〜10mm程度の許容値αをプラ
スした値に設定されており、このように両サイド
ガイド板２間隔を規制することによつて形鋼１の
幅方向への変位を一定範囲内に規制し、もつて形
鋼断面形状の測定精度を保証している。

形鋼１の左右方向への変位防止を上記した両サ
イドガイド板２によつて規制すると同様に、形鋼
１のローラテーブル１０上からの上反りによる浮
き上がりを抑えるために、形鋼１を搬送方向に沿
つて一定ピツチで複数のピンチロール３が設けら
れている。

このピンチロール３を設けた装置は、設備費が
高くなり、またピンチロール３を設置するために
両サイドガイド板２に切れ目Ａが形成されること
になると共に、ピンチロール３相互の間に大きな
間隔が形成されているので、このピンチロール３
や切れ目Ａへの形鋼１の突つ込みや衝突の恐れが
あり、この突つ込みや衝突により設備の損傷を生
じるばかりか、形鋼１の断面形状の正確な測定が
達成できなくなると云う不都合が生じる。

本発明は、上記した従来例における問題点およ
び不都合を解消すべく創案されたもので、熱間圧
延成形されたばかりの形鋼１の左右および浮き上
がり変位を連続的に規制し、もつて非接触方式に
よる形鋼１の断面形状測定装置による測定を円滑
にしかつ正確にそして安全に達成することを目的
としたものである。

〔問題点を解決するための手段〕

以下、本発明による形鋼ガイド装置を、本発明
の一実施例を示す図面の参照しながら説明する。

本発明の形鋼ガイド装置２０は、搬送中の形鋼
１のセンタリングを達成すべく形鋼１の搬送路を
挟んで平行にかつ接近、離反移動可能に対向配置
された一対のサイドガイド板２１と、下面の搬送
中の形鋼１上面に押付けてこの形鋼１の搬送路面
からの浮き上がりを阻止すべく昇降可能に設けら
れた押さえガイド板４１とを有し、この押さえガ
イド板４１をサイドガイド板２１に組付けて構成
されたものとなつている。

すなわち、本発明による形鋼ガイド装置２０
は、第４図に示すごとく、ローラテーブル１０が
形成する形鋼１の搬送路に沿つてユニバーサル圧
延機１１の下流に配置された平行ガイド１２の下
流側に、非接触方式の断面形状測定機１３と一緒
に設置されている。

形鋼１の左右への変位を規制する一対のサイド
ガイド板２１は、比較的長い規制通路を形鋼１の
搬送方向に沿つて連続して形成しているが、形鋼
１の浮き上がりを阻止すべく設けられた押さえガ
イド板４１は、サイドガイド板２１が形成する規
制通路の内の断面形状測定機１３を設置した箇所
を避けて配置されており、このため各サイドガイ
ド板２１がそれぞれ一体的に連続したものである
のに対し、押さえガイド板４１は断面形状測定機
１３の設置箇所で分断されたものとなつている。

それゆえ、断面形状測定機１３は、常に、上流
側および下流側を押さえガイド板４１で浮き上が
りを抑えられた形鋼１部分の断面形状の寸法を測
定することになる。

また、押さえガイド板４１では、サイドガイド
板２１に一体的に組付けられたものとなつている
ので、形鋼１に対する側方からの位置合わせは、
サイドガイド板２１の形鋼１に対する位置合わせ
により同時に達成されることになるので全く省略
することができ、このため押さえガイド板４１
は、サイドガイド板２１に対して単に昇降変位可
能に組付けられれば良いことになる。

〔作用〕

本発明による形鋼ガイド装置２０は、上記した
ごとき構成となつているので、断面形状測定機１
３の上流側および下流側のそれぞれにおいて設定
された長さ範囲にわたつて形鋼１のローラテーブ
ル１０上から浮き上がりを押さえガイド板４１で
確実に抑えているため、サイドガイド板２１の規
制作用と相成つて断面形状測定機１３に対向する
形鋼１部分はローラテーブル１０上での姿勢を常
に一定した状態にかつ安定して保持されることに
なる。

この発明による形鋼ガイド装置２０の動作状態
へのセツトは、まず押さえガイド板４１を上昇限
に位置させた状態で両サイドガイド板２１を相互
に接近する方向に前進させて設定した位置に位置
合わせする。

この両サイドガイド板２１の位置合わせによ
り、このサイドガイド板２１に組付けられた押さ
えガイド板４１は形鋼１に正確に直上から対向位
置することになるので、後は押さえガイド板４１
を設定された高さ位置まで下降変位させるだけで
装置の動作状態へのセツトが完了する。

また、押さえガイド板４１は、それぞれが設定
された長さを有し、この長さ全範囲にわたつて走
行している形鋼１をローラテーブル１０上に抑え
ていると共に、隣合つた押さえガイド板４１間の
間隔が小さいので、形鋼１に多少の反りや曲がり
があつたとしても、形鋼ガイド装置２０内に侵入
した形鋼１の先端の浮き上がりを確実に阻止する
ことができ、これによつて走行する形鋼１の先端
が形鋼ガイド装置２０の一部とか断面形状測定機
１３に衝突するような不都合な事態の発生を確実
に防止することができる。

同様に、両サイドガイド板２１は、それぞれが
途中で分割されることなく一体物として構成さて
連続したガイド面を形成しているので、形鋼１を
より安定して変位させることなくガイドすること
ができる。

〔実施例〕

第２図に示すごとく、サイドガイド板２１は、
敷設されたレール２９上を車輪３０によつて形鋼
１の搬送方向に直交する方向に前進後退移動可能
に設けられており、このサイドガイド板２１の前
進後退移動はモータ２５によつて達成されるよう
に構成されている。

すなわち、第１図に示すごとく、モータ２５の
モータ軸に、不動に設置された三つのギヤケース
２４に連結された連結シヤフト２３を結合し、各
ギヤーケース２４内に設けられたピニオン２６が
この連結シヤフト２３に固定されている。

このピニオン２６は、先端をピン２８によりサ
イドガイド板２１に結合したラツクバー２２の下
面に設けたラツク３１に噛み合つており、モータ
２５の駆動に従つて押さえローラ２７によつてそ
のラツク３１のピニオン２６との噛み合わせが保
持された各ラツクバー２２を同時に移動させ、も
つてサイドガイド板２１を形鋼１の幅方向に移動
させて両サイドガイド板２１の間隔を調整する。

サイドガイド板２１には、押さえガイド板４１
を昇降移動させるための昇降ガイド装置４０が一
体的に組付けられていて、両サイドガイド板２１
によるガイド幅がセツトされた後に押さえガイド
板４１の高さをセツトするようになつている。

すなわち、昇降ガイド装置４０は、第３図に示
すごとく、サイドガイド板２１に起立した姿勢で
スクリユー軸４２を上下両端で回転自在に取付
け、このスクリユー軸４２の上端を、サイドガイ
ド板２１の上面にモータ４６と一体的に取付けら
れた減速機４５の出力軸に結合し、またこのスク
リユー軸４２に螺合組付けされたナツト４３に押
さえガイド板４１を固定した構成となつており、
それゆえモータ４６の駆動に従つてスクリユー軸
４２が回転し、このスクリユー軸４２の回転に従
つて押さえガイド板４１がナツト４３と一体とな
つて昇降変位するのである。

図示実施例の場合、一つの押さえガイド板４１
に対して三本のスクリユー軸４２が設けらてい
て、この一つの押さえガイド板４１を三点支持し
た構造となつているが、これは押さえガイド板４
１による形鋼１に対する押さえ動作がより安定し
て達成できるようにするためである。

また、昇降ガイド装置４０がサイドガイド板２
１に内蔵された構成となつているので、形鋼ガイ
ド装置２０全体がコンパクトとなると共に、構造
が簡潔となり、さらにその取扱操作が容易とな
る。

さらに、第１図図示実施例の場合、断面形状測
定機１３が二台設けられているが、これは断面形
状を測定される形鋼１の断面形状の種類が数多く
あり、このため形鋼１の断面形状を測定するのに
必要な測定箇所の数が多くなつて、この測定箇所
を測定検出するのに数多くのセンサーを必要とす
ることになり、この数多くのセンサーを一台の断
面形状測定機１３に組込むことが物理的に不可能
となるため、多数のセンサーを二つのグループに
分けて配置したためである。

それゆえ、より多数の測定箇所を測定検出しな
ければならない場合には、当然のこととして使用
されるセンサーの数も増大することになり、この
場合には断面形状測定機１３の台数を増やすこと
になる。

〔発明の効果〕

以上の説明から明らかなごとく、本発明による
形鋼ガイド装置は、成形されたばかりの形鋼の搬
送路面上で左右方向への不要な変位と共に、搬送
路面からの不要な浮き上がり変位を確実にかつ強
力にそして安定して阻止することができ、これに
よつて断面形状測定機による形鋼断面形状の測定
を正確に達成させることができ、また両サイドガ
イド板はそれぞれが完全に連結した一つのガイド
面を形成すると共に、各押さえガイド板も充分な
長さを持つ押さえガイド面で形鋼を押さえるので
ガイドさる形鋼がこのサイドガイド板とか押さえ
ガイド板さらには断面形状測定機に衝突するよう
なことを確実に防止することができ、これによつ
て装置の損傷をなくすことができて安定した断面
形状測定操作を達成することができ、さらに押さ
えガイド板はサイドガイド板に一体的に組付けら
れているので、サイドガイド板の位置合わせによ
り押さえガイド板の位置合わせも同時に達成され
ることになり、これによつて押さえガイド板の操
作が簡単になると共に、押さえガイド板の操作機
構は単なる昇降機構だけで良いことになるので装
置全体の構成を簡単にすることができる等多くの
優れた効果を発揮するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明装置の一実施例を示す平面図
である。第２図は、第１図中ａ−ａ線に沿つて切
断矢視したサイドガイド板の駆動機構部分の詳細
を示す断面図である。第３図は、第１図中ｂ−ｂ
線に沿つて切断矢視した押さえガイド板の駆動機
構部分の詳細を示す断面図である。第４図は、圧
延機からホツトソーまでの圧延ラインの全体平面
図である。第５図は、従来の形鋼ガイド装置の一
例の構成を示す平面図である。 符号の説明、１；形鋼、１０；ローラテーブ
ル、１１；圧延機、１３；断面形状測定機、２
０；形鋼ガイド装置、２１；サイドガイド板、４
１；押さえガイド板。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 断面形状測定機に向かつて搬送中の形鋼のセ
   ンタリングを達成すべく前記形鋼の搬送路挟んで
   平行にかつ接近、離反移動可能に対向配置された
   一対のサイドガイド板と、下面を前記搬送中の形
   鋼上面に押付けて該形鋼の搬送路面からの浮き上
   がりを阻止すべく昇降可能に設けられた押さえガ
   イド板とを有し、該押さえガイド板および該押さ
   えガイド板の昇降装置を前記サイドガイド板に組
   付けたことを特徴とする形鋼ガイド装置。