JPH0358050B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は侵入検出装置、さらに詳しく言え
ば、保護スペース内の侵入者を検出する受動赤外
線装置に関する。

保護スペース内の侵入者の存在を検出し、侵入
者検出を表わす出力信号を発生する受動赤外線侵
入検出装置は周知である。受動赤外線侵入検出装
置の例を示す特許として特許第3036291号、第
3524180号、第3631434号、第3703718号および第
3886360号がある。

本発明の目的は、侵入者が保護施設（防護施
設）に接近するために通過しなければならない放
射線検出域を保護カーテンの形に作る受動赤外線
侵入検出装置であつて、天井に取り付けたり又は
高い壁に取り付けるのに特に適したものを提供す
ることにある。

簡単に言えば、本発明は、一方の平面では比較
的広い視界を、前記平面に対し横方向の平面では
比較的狭い視界を有する受動赤外線侵入検出装置
を提供する。

放射線検出を保護カーテンの形で行うように、
普通、広い視界は垂直平面に、狭い視界は水平面
に設けられる。保護カーテンは、侵入者が保護施
設に侵入するためにこれを通過しなければならな
いように、そしてこれにより警報を作動するよう
に、保護施設（モニタされる施設）内に配置され
る。本発明の変型実施例によれば２つ以上の視界
が設けられる。本装置は、集束ミラーと、この集
束ミラーと協同して、垂直平面では比較的広く水
平面では比較的狭い視界を得る少なくとも１つの
円筒形ミラーとを有するミラーアセンブリを備え
ている。赤外線検出器は集束ミラーの光軸に沿い
その焦点に設けられて、視界から受けた放射線に
応答して電気信号を発生する。検出信号は電子的
に処理されて侵入者存在の出力表示を行う。

以下、本発明を添付図面について詳細に説明す
る。

第１図および第２図には、受動赤外線侵入検出
器用ミラー・アセンブリが夫々絵図および正面図
で示され、このミラー・アセンブリは集束ミラー
１０と、ミラー１０の光軸に沿いその焦点に設け
られる赤外線検出器１２と、一定の視界が得られ
るようにまたミラー１０と協同して前記視界内の
赤外線放射をミラー１０へ向け、ミラー１０から
検出器１２へ向けるように配向される円筒形ミラ
ー１５とを有する。なるべく、ミラー１５の円筒
軸線はミラー１０の光軸に直交する。検出器１２
は受入れ赤外線放射に応答して電気信号を発生
し、これらは電子的に処理されて侵入者存在の出
力表示を行う。

典型的な使用態様を説明すると、ミラーアセン
ブリの配向において、ミラー１０の光軸は垂直
に、ミラー１５の軸線は水平にされる。円筒形ミ
ラーの視界は第２図に示すように垂直面でかなり
大きく、第３図に示すように水平面でかなり狭く
なつている。水平視界または水平方向広がり角Ｂ
は集束ミラー１０の焦点距離により制御される。
円筒形ミラーの曲率は集束ミラーの曲率にたいし
決定され所望の垂直視界または垂直方向広がり角
Ａ円得る。円筒形ミラーの前後縁は垂直視界の限
度または程度を決定する。前縁は視界の下方境界
を定め、一方、この視界の上方境界は後縁により
決定される。図示例においては、典型的な垂直方
向広がり角Ａは約80度で、一方、典型的な水平方
向広がり角Ｂは約５度である。図示例の垂直視界
は水平面下の約−５度から約−85度にわたる。ミ
ラーアセンブリは、垂直視界の下側の広がり限界
が検出装置の取付け壁に沿うように回転される。
その結果、取付け壁はさらに十分保護され、侵入
者は取付け壁の保護スペースのうしろに忍び込め
ない。

検出器には熱電対列またはパイロ電気型等任意
型式の赤外線放射検出器でよく、また、赤外線検
出素子１８ａと１８ｂを電気的位相反対に接続し
平衡二重検出器として働くようにした第７図に示
す二重素子検出器でよい。各検出器素子は第３図
のパターンで示すように、水平面での夫々視界を
得る。検出器素子は典型的に、長さが４ミリ、幅
が0.6ミリ、それらを隔てる距離は1.2ミリであ
る。入射放射線は素子の長軸線に沿う。

一方の検出器素子による侵入者検出は信号レベ
ルの第１転移を生じ、他の検出器素子による侵入
者検出は信号レベルの反対転移を生ずる。信号レ
ベル変化は第１５図の典型的で示す電子回路によ
り処理される出力警報表示を行う。第１５図にお
いて、検出器出力信号は、増幅器５０に送られ、
この増幅器の出力は双極閾値回路５２に送られ、
さらに前記信号はバツクグランド妨害表示回路５
４に送られる。閾値回路５２の出力は積分器５６
に送られ、その出力は閾値回路５８に送られる。
回路５８の出力は警報論理回路６０に送られ、そ
の出力は、警報器６２を駆動するのに使用される
警報出力信号である。警報論理回路６０はまた出
力信号をLEDその他表示器６４に送る。この表
示器はまたバツクグランド妨害表示回路５４から
信号を受信する。

作動を説明すると、視界を移動する侵入者は検
出器からの出力パルスをうけ、このパルスは増幅
後、双極閾値回路に送られ、ここで、正または負
のいずれかの閾値レベル以上の受信パルスに相当
する出力パルスを発生する。閾値回路５２からの
出力パルスは積分器５６により積分され、積分信
号が閾値回路５８により得られる閾値レベルをこ
えると、信号が警報論理回路６０に送られ、ここ
で警報出力信号を発生する。警報論理回路は
LED６４にパルス信号を送り、チカチカ点減し
て侵入者検出を示す。LEDはまた着実に通電さ
れ、回路５４により検出されるバツクグランド妨
害の存在を示す。周知のように、バツクグランド
妨害表示回路は、視界におけるバツクランド赤外
線放射の変化を比較的ゆつくり検出し、このバツ
クグランド放射が一定レベル以上になると、回路
５４はLEDを通電することによつて前記一定レ
ベル以上になつたことを示す。

検出器１２はまた、受け入れエネルギの大きさ
に応答し対応の電気出力信号を得る単一素子検出
器でよい。電気出力信号は処理されて、受け入れ
放射の一定変化に応答する警報出力を発生する。

円筒形ミラーの形状を変えて装置の入射開口
（アパーチユアー）を制御し視界の感度を変える
ことができる。例えば、円筒形ミラーは、検出器
の近くの目的物には底い感度を、検出器から遠く
離れた目的物には高い感度を得るように構成また
は形状にできる。円筒表面積が小さいほど入射開
口（アパーチユアー）は小さく、従つて感度は低
くなる。例えば、円筒形ミラー１５は、点線２０
で示すように、周囲を台形にして入射開口（アパ
ーチユアー）を小さく、従つて、ミラーアセンブ
リに接近した目的物には感度を低くする。検出器
での像は円筒形ミラーによりひずむが、このよう
なひずみは装置の性能に有害な材料によるもので
はなく、すなわち、侵入者検出は、検出器にたい
する侵入者の正確な結像よりはむしろ、視界の出
入りする動いている侵入者による受入れ放射の変
化にもとずくからである。

集束ミラーは球形または放物線形のいずれかで
よく、また、なるべく、視界を邪魔しないで円筒
形ミラーの全入射開口（アパーチユアー）をおさ
える大きさとする。集束ミラーの周囲は図示のよ
うに円形にするかまたは、円筒形ミラーの周囲と
合うよう方形または長方形でもよい。

２つの視界を有する変型例が第４図〜第６図に
示されている。この実施例は、集束ミラー１０
と、ミラー１０の光軸に沿いその焦点に配設され
る赤外線検出器１２と、第１，第２凹円筒形ミラ
ー１４，１６とを有し、凹円筒形ミラー各々は、
一定の視界が得られ、ミラー１０と協同して前記
視界内の放射線をミラー１０へ向け、ミラー１０
から検出器１２へ向けるように配向されている。
この実施例では２つの視界が得られ、各視界は第
５図に示すように垂直面で比較的大きく、第６図
に示すように水平面で比較的狭くなつている。こ
れら視界は上記と同じように制御される。従つ
て、水平視界はミラー１０の焦点距離により制御
され、垂直視界は円筒形ミラーにより制御され
る。第４図ないし第６図の実施例において、２つ
の視界は共通軸線に沿うように示されている。２
つの視界は共通軸線になくてもよく、２つの視界
の所定配向にたいし所定の傾斜状態になる夫々軸
線に沿うようにする。第４図ないし第６図に示す
実施例において、典型的は垂直方向広がり角は約
80度で、典型的な水平方向広がり角は約５度であ
る。この実施例の垂直視界は水平面下約−５度か
ら−85度にわたる。

第８図と第９図には、今述べた実施例の凹ミラ
ー１４，１６の代りに１対の凸円形ミラー２２，
２４を設けた他の実施例が示されている。これら
凸円形ミラーは図示のように広い垂直方向広がり
角を有するが、見降し角、すなわち、集束ミラー
１０の縁部付近における視界の広がり限界は上記
実施例の凹円筒形ミラー１４，１６のものほど大
きくはない。この実施例の作動は上記作動と同様
である。

第１０図および第１１図には、十字状の４つの
視界が４つの凹円筒ミラー２６，２８，３０，３
２により得られる。もう１つの実施例が示されて
いる。この変型は、第１１図に示すように水平面
に４つの狭い視界と垂直面に４つの比較的広い視
野とを有し、保護スペースに十字カーテンを効果
的に得る。第１２図には、各個検出器素子２３を
十字状シールド３４でおおつた２対の（相が互い
に反対になつている）二重検出器が示されてい
る。各対の検出器素子は第１２図の矢印で示す
夫々視界と連動し、シールド３４により、対向視
界からの放射がこの対の検出器素子に打ち当らな
いようにする。検出素子は第１３図に示すように
直列相対向に接続されている。典型的において、
素子２３は各々、１ミリ平方で、それらを隔てる
距離は２ミリである。

二重検出器を使用すると、二重検出器の検出素
子を両方とも同じ視界に露出しなければならない
ので、設けられる視界の数に検出器の形状による
制限がある。不平衡または単一検出器では、検出
器形状による視界数の制限はなく、集束ミラーと
協同する複数個の円筒形ミラーを使用して多種の
視界を設けて所定の列状に保護カーテンを作るこ
とができる。例として、第１４図は、１つの集束
ミラー１０とこの集束ミラーにたいし等間隔に設
けた８個の円筒形ミラー２５とを有するミラーア
センブリによる８つの視界を有するスポーク状方
位角パターンを示す。上記のように、各視界は水
平面で狭く、垂直面で広くなつている。

第１６図には、視界がかなり長く、例えば長い
廊下や広間の保護に有用な実施例が示されてい
る。この実施例は集束ミラー１０と、円筒形ミラ
ー３１と、図示のように配設された平面ミラー３
３とを有する。円筒形および平面ミラーは同じ反
射素子の部分でよく、または別個のミラー素子を
使用してもよい。第１８図および第１９図に示す
ように、集束ミラーと協同する平面ミラーによ
り、水垂両面に長くて狭い視界が得られる。集束
ミラーと協同する円筒形ミラーにより第１８図に
示すように垂直面で広い視界が、第１９図に示す
ように水平面で狭い視界が得られる。従つて、こ
の実施例において、ミラーアセンブリは、長い範
囲の視界と、垂直面でかなり堅固な検出器に近接
した距離の視界とが得られ、それでたとえ侵入者
が長い範囲の視界を避けて検出を計略にかけるこ
とができても広いパターンの計略は、保護スペー
スを実質的に取り囲む垂直視界により困難か不可
能になるようにされている。この実施例の変型と
して、第１７図に示すように多面ミラー３３ａ，
３３ｂを使用して長い範囲の多視界を作ることが
できる。

単一視界を有する第１図ないし第３図の実施例
における侵入検出器は典型的に、第２０図で示す
ような小型包囲体内に収容される。包囲体３５は
天井に近い高い所の壁に開口内に取付けられる。
包囲体は狭い水平窓３９を設けた前面パネル３７
を有する。この窓は所定周波数帯域内の放射に対
し透明で、その視界から入射した放射を検出器に
通過させる。視界を収容するだけの狭い窓面積が
必要なので、包囲体に種々多くの美的工作を施こ
してよい。

このように、本発明は、１つ以上の堅固な保護
カーテンを設けられるので、侵入者が保護スペー
スの下を這い込んだり、あるいは保護スペースの
上を飛び越えて逃れようとしても、なかなかでき
ないようにした、受動赤外線侵入検出装置を提供
する。光学入射開口（アパーチユアー）は円筒形
ミラーの面の形造により容易に制御して侵入者の
範囲に関係なく一様な検出感度を得ることができ
る。本発明は水垂両視界を設けた構成を説明した
が、本発明は任意の平面の広いパターンおよび横
断面の狭いパターンを設ける構成でも同等に有用
である。従つて、本発明は特に図示説明した構成
に限定されず特許請求の範囲に限定される。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明によるミラーアセンブリの絵
図、第２図は第１図のミラーアセンブリの正面
図、第３図は第１図のミラーアセンブリの平面
図、第４図は２つの視界を有する本発明によるミ
ラーアセンブリの他の実施例の絵図、第５図は第
４図のミラーアセンブリの正面図、第６図は第４
図のミラーアセンブリの平面図、第７図は本発明
に有用な二重検出器の略図、第８図は本発明によ
るミラーアセンブリの他の実施例の絵図、第９図
は第８図のミラーアセンブリの正面図、第１０図
は４つの視界を有する本発明による他のミラーア
センブリの絵図、第１１図は第１０図のミラーア
センブリの平面図、第１２図は第１０図の実施例
に有用な検出器アセンブリの絵図、第１３図は検
出器の電気結線略図、第１４図は８つの視界を有
する他の実施例の平面図、第１５図は本発明に有
用な信号処理回路のブロツク線図、第１６図は比
較的長い範囲の視界を有する他の実施例の正面
図、第１７図は第１６図の実施例の変型を示す正
面図、第１８図は第１６図の実施例により得られ
る垂直視界の線図、第１９図は第１６図の実施例
により得られる水平視界の線図、第２０図は本発
明による典型的ハウジング体の絵図である。 図面に示す符号において、１０…集束ミラー、
１２…赤外線検出器、１５，２５，３１…円筒形
ミラー、１４，１６…凹円筒ミラー、２２，２４
…凸円筒ミラー、２６，２８，３０，３２…凹円
筒ミラー、３４…シールド、５０…増幅器、５２
…双極閾値回路、５４…バツクグランド妨害表示
回路、５６…積分器、５８…閾値回路、６０…警
報論理回路、６２…警報器、６４…表示器、Ａ…
垂直漸開角、Ｂ…水平漸開角。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 集束ミラーと、視界から受けた放射線を集束
   ミラーへ反射するように内周面に反射面を有する
   円筒状面の少なくとも１つのミラーと、集束ミラ
   ーの焦点に配設され、視界から受けた放射線に応
   答しかつこれを表わす電気信号を発生するよう作
   動する検出器とからなり、前記集束ミラーによつ
   て得られる視界の広がり方向と前記少なくとも１
   つのミラーによつて得られる視界の広がり方向と
   が互いに直交し、前記集束ミラーによつて得られ
   る視界が、前記集束ミラーの焦点距離で決まり、
   比較的狭く、前記少なくとも１つのミラーによつ
   て得られる視界が、前記反射面で決まり、比較的
   大きくなつている、受動赤外線侵入検出装置。