JPH0357079B2 - - Google Patents
Info
- Publication number
- JPH0357079B2 JPH0357079B2 JP31614586A JP31614586A JPH0357079B2 JP H0357079 B2 JPH0357079 B2 JP H0357079B2 JP 31614586 A JP31614586 A JP 31614586A JP 31614586 A JP31614586 A JP 31614586A JP H0357079 B2 JPH0357079 B2 JP H0357079B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- gaas
- crystal
- added
- concentration
- melt
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired
Links
- 239000013078 crystal Substances 0.000 claims description 59
- 229910001218 Gallium arsenide Inorganic materials 0.000 claims description 36
- 238000000034 method Methods 0.000 claims description 34
- 239000002994 raw material Substances 0.000 claims description 15
- 238000004519 manufacturing process Methods 0.000 claims description 10
- VYPSYNLAJGMNEJ-UHFFFAOYSA-N Silicium dioxide Chemical compound O=[Si]=O VYPSYNLAJGMNEJ-UHFFFAOYSA-N 0.000 claims description 8
- 229910052814 silicon oxide Inorganic materials 0.000 claims description 8
- 239000000565 sealant Substances 0.000 claims description 7
- XUIMIQQOPSSXEZ-UHFFFAOYSA-N Silicon Chemical compound [Si] XUIMIQQOPSSXEZ-UHFFFAOYSA-N 0.000 claims description 6
- 239000007788 liquid Substances 0.000 claims description 6
- 239000000155 melt Substances 0.000 claims description 6
- 229910052710 silicon Inorganic materials 0.000 claims description 6
- 239000010703 silicon Substances 0.000 claims description 6
- RMAQACBXLXPBSY-UHFFFAOYSA-N silicic acid Chemical compound O[Si](O)(O)O RMAQACBXLXPBSY-UHFFFAOYSA-N 0.000 claims description 5
- 235000012239 silicon dioxide Nutrition 0.000 claims description 5
- JBRZTFJDHDCESZ-UHFFFAOYSA-N AsGa Chemical compound [As]#[Ga] JBRZTFJDHDCESZ-UHFFFAOYSA-N 0.000 claims 3
- 150000003377 silicon compounds Chemical class 0.000 claims 2
- 238000002425 crystallisation Methods 0.000 claims 1
- 230000008025 crystallization Effects 0.000 claims 1
- 238000006243 chemical reaction Methods 0.000 description 16
- 150000001875 compounds Chemical class 0.000 description 6
- XLYOFNOQVPJJNP-UHFFFAOYSA-N water Substances O XLYOFNOQVPJJNP-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 5
- 230000007246 mechanism Effects 0.000 description 3
- ZOXJGFHDIHLPTG-UHFFFAOYSA-N Boron Chemical compound [B] ZOXJGFHDIHLPTG-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 2
- 229910004298 SiO 2 Inorganic materials 0.000 description 2
- 229910052796 boron Inorganic materials 0.000 description 2
- 239000003638 chemical reducing agent Substances 0.000 description 2
- 238000009826 distribution Methods 0.000 description 2
- 239000008393 encapsulating agent Substances 0.000 description 2
- 238000002194 freeze distillation Methods 0.000 description 2
- 230000008018 melting Effects 0.000 description 2
- 238000002844 melting Methods 0.000 description 2
- 239000004065 semiconductor Substances 0.000 description 2
- LIVNPJMFVYWSIS-UHFFFAOYSA-N silicon monoxide Chemical compound [Si-]#[O+] LIVNPJMFVYWSIS-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 2
- 239000000126 substance Substances 0.000 description 2
- 208000005156 Dehydration Diseases 0.000 description 1
- 230000015572 biosynthetic process Effects 0.000 description 1
- 230000005587 bubbling Effects 0.000 description 1
- 238000011109 contamination Methods 0.000 description 1
- 230000018044 dehydration Effects 0.000 description 1
- 238000006297 dehydration reaction Methods 0.000 description 1
- 150000004677 hydrates Chemical class 0.000 description 1
- 239000011261 inert gas Substances 0.000 description 1
- 230000002401 inhibitory effect Effects 0.000 description 1
- 230000005764 inhibitory process Effects 0.000 description 1
- 239000002184 metal Substances 0.000 description 1
- 238000005204 segregation Methods 0.000 description 1
- -1 silicic acid Chemical class 0.000 description 1
- 239000013589 supplement Substances 0.000 description 1
- 230000001629 suppression Effects 0.000 description 1
- 238000005303 weighing Methods 0.000 description 1
Landscapes
- Crystals, And After-Treatments Of Crystals (AREA)
Description
本発明は、結晶原料融液に種結晶を接触させ引
上げる液体封止回転引上法(LEC法)により、Si
ドープn型GaAs単結晶を効率よく製造する方法
に関する。 −X族化合物半導体の単結晶は受発光素子、
高速演算素子、マイクロ波素子等に応用されてお
り、その用途により単結晶に種々の物質を添加
し、その濃度を変化させ、単結晶の物理的、化学
的性質を調整し、利用されている。 −V族化合物半導体の単結晶を育成する方法
には、水平ブリツジマン法(HB法)、グラージ
エント・フリーズ法(GF法)等の封管式ボート
成長法及び液体封止回転引上法(LEC法)があ
る。 n型導電性GaAs単結晶は、一般にシリコン
(Si)をドープしたものが使用されており、液体
封止剤(例えばB2O3)を使用しない封管式成長
法が、Si濃度を容易に制御出来ると言う理由から
用いられている。 LEC法は封管式ボート成長法に比べて単結晶
成長方位選択に自由度があり、(100)方位の結晶
育成が可能であるばかりか、円型で大口径の単結
晶が得られる利点がある。 しかしながら、B2O3を使用するLEC法におい
ては、原料GaAs中に添加されたSiの原料融液中
からの損失が多いことが知られている。このSi損
失の機構は数種類以上あるものと考えられるが未
だ完全には解明されていない。 公知となつているSi損失の機構の一つとして、
液体封止剤として用いられるB2O3とGaAs融液と
が高温で接触しているため、B2O3中に含有され
る水分及びB2O3とGaAs有益中に含まれているSi
とが反応してB2O3中に取り込まれることが挙げ
られる。この機構を利用して、SiがGaAs単結晶
中に混入すると特性上不都合な場合にGaAs融液
中のSiを除去するために含水率の高いB2O3を用
いることが公知となつている。また、逆に、導電
性のn型Si添加GaAs結晶を製造したい場合に
は、融液中のSi損失を低減するために極低水分の
B2O3を使用することが望ましいと考えられてい
る。 しかしながら、B2O3中の水分低減したのみで
はGaAs融液中に添加したSiの損失はさほど効果
的には防止することができない。これは、Siが強
還元剤であるためにB2O3そのものをも還元して
しまうため、その結果、SiがB2O3によつて酸化
され、シリコン酸化物としてB2O3中に吸い取ら
れてしまうからである。したがつて、GaAs単結
晶中に比較的高濃度(1018cm-3のオーダー)のSi
を添加するためには、損失分を補足するようにSi
を原料GaAsに多量に添加する必要があつた。 しかし、原料融液中にSiを多量に添加すると、
B2O3中に一般にスカムと称される異物が多量に
発生し、これがGaAs融液とB2O3の界面に漂い、
GaAs結晶成長時に双晶や多結晶形成の核又は刺
激材となり、単結晶成長を著しく阻害し、歩留り
を低下させることが知られている。例えば、J.B.
MullinらのJ.Crystal.Growth,50(1980),P.625
−637には、高いSi濃度で結晶の成長を行うとス
カムが生成することが示されている。該文献にお
いては、スカムの化合物組成は不明であるが、い
ずれにせよ、スカム発生による単結晶成長の阻害
を避けるためには、GaAs融液中へのSi添加量を
1000ppma以下に抑える必要があり、その結果、
得られるSi添加GaAs結晶のキヤリア濃度は5×
1017〜1.5×1018cm-3が上限であると報告されてい
る。Mullinらは更に、LEC法によるSi添加GaAs
単結晶成長においては、Siの分配係数が他の
B2O3を使用しない方法(例えばHB法等のボート
成長法)に比べて約1桁小さくなることを報告し
ている。 LEC法においては、Siの初期添加量から見積も
つた分配係数が他の方法よりも1桁程度小さくな
る理由は、Mullinらによれば、Siが強力な還元
剤であるために、GaAsの成長条件下(GaAsの
融点が約1238℃であるのでその温度の近傍という
高温状態)においてはSiがB2O3と反応してしま
うためであるとしている。 本発明の目的は、LEC法を用いてSiドープn型
GaAs単結晶を製造する際に、SiをGaAs単結晶
中に再現性良くドープ出来、又Siを高濃度に添加
しても単結晶の歩留りが高いSiドープn型GaAs
単結晶の製造方法を提供する事である。 本発明者等は前述の様にLEC法におけるSiドー
プn型GaAs単結晶製造の欠点を解決すべく、添
加したSiの損失について検討を行なつた。 GaAsの融点は1238℃前後と高温であり、LEC
法に於ては、GaAs融液は封止剤B2O3と接触して
いる。 従つて、融液中に添加されたSiは次式の反応に
より融液中から消費される。 3Si+B2O33SiO+2B …(1) 3Si+2B2O33SiO2+4B …(2) 単結晶育成中に上記反応が進行し続けるなら
ば、ノーマル・フリージングによる偏析現象によ
り、Siの融液中への濃縮と上記反応による損失が
競合する事になる。しかしこの競合を制御する事
は実質不可能であるから単結晶中のSi濃度を再現
性よく制御する事も困難となる。 別に、封止剤として用いられるB2O3中の水分
は、原料融液と接触する事によりGaと次の様な
反応を起こす。 2Ga+H2O→Ga2O+H2 …(3) Si+Ga2O→2Ga+SiO …(4) Si+2Ga2O→4Ga+SiO2 …(5) 又水分単独でも次の反応を起こす。 Si+H2O→SiO+H2 …(6) 従つて、B2O3中の水分によつても原料融液中
のSi損失が生じる。 本発明者等は前記複数の反応の中からSi損失の
主反応を以下の研究により見い出した。 まず、水分を可能な限り除去した(100wt
ppm以下)封止剤B2O3とSiを添加したGaAs原料
とを、共にチヤージし、通常のLEC法で3本
(A、B、C)の結晶を引上げた。Siの初期添加
量はA、B、Cそれぞれ0.1wt%、0.4wt%、
0.6wt%とした。 3本の結晶とも双晶もしくは多結晶であつた
が、結晶頭部から試料を調整し、キヤリア濃度及
びボロン(B)濃度を測定し第1表の結果を得た。
上げる液体封止回転引上法(LEC法)により、Si
ドープn型GaAs単結晶を効率よく製造する方法
に関する。 −X族化合物半導体の単結晶は受発光素子、
高速演算素子、マイクロ波素子等に応用されてお
り、その用途により単結晶に種々の物質を添加
し、その濃度を変化させ、単結晶の物理的、化学
的性質を調整し、利用されている。 −V族化合物半導体の単結晶を育成する方法
には、水平ブリツジマン法(HB法)、グラージ
エント・フリーズ法(GF法)等の封管式ボート
成長法及び液体封止回転引上法(LEC法)があ
る。 n型導電性GaAs単結晶は、一般にシリコン
(Si)をドープしたものが使用されており、液体
封止剤(例えばB2O3)を使用しない封管式成長
法が、Si濃度を容易に制御出来ると言う理由から
用いられている。 LEC法は封管式ボート成長法に比べて単結晶
成長方位選択に自由度があり、(100)方位の結晶
育成が可能であるばかりか、円型で大口径の単結
晶が得られる利点がある。 しかしながら、B2O3を使用するLEC法におい
ては、原料GaAs中に添加されたSiの原料融液中
からの損失が多いことが知られている。このSi損
失の機構は数種類以上あるものと考えられるが未
だ完全には解明されていない。 公知となつているSi損失の機構の一つとして、
液体封止剤として用いられるB2O3とGaAs融液と
が高温で接触しているため、B2O3中に含有され
る水分及びB2O3とGaAs有益中に含まれているSi
とが反応してB2O3中に取り込まれることが挙げ
られる。この機構を利用して、SiがGaAs単結晶
中に混入すると特性上不都合な場合にGaAs融液
中のSiを除去するために含水率の高いB2O3を用
いることが公知となつている。また、逆に、導電
性のn型Si添加GaAs結晶を製造したい場合に
は、融液中のSi損失を低減するために極低水分の
B2O3を使用することが望ましいと考えられてい
る。 しかしながら、B2O3中の水分低減したのみで
はGaAs融液中に添加したSiの損失はさほど効果
的には防止することができない。これは、Siが強
還元剤であるためにB2O3そのものをも還元して
しまうため、その結果、SiがB2O3によつて酸化
され、シリコン酸化物としてB2O3中に吸い取ら
れてしまうからである。したがつて、GaAs単結
晶中に比較的高濃度(1018cm-3のオーダー)のSi
を添加するためには、損失分を補足するようにSi
を原料GaAsに多量に添加する必要があつた。 しかし、原料融液中にSiを多量に添加すると、
B2O3中に一般にスカムと称される異物が多量に
発生し、これがGaAs融液とB2O3の界面に漂い、
GaAs結晶成長時に双晶や多結晶形成の核又は刺
激材となり、単結晶成長を著しく阻害し、歩留り
を低下させることが知られている。例えば、J.B.
MullinらのJ.Crystal.Growth,50(1980),P.625
−637には、高いSi濃度で結晶の成長を行うとス
カムが生成することが示されている。該文献にお
いては、スカムの化合物組成は不明であるが、い
ずれにせよ、スカム発生による単結晶成長の阻害
を避けるためには、GaAs融液中へのSi添加量を
1000ppma以下に抑える必要があり、その結果、
得られるSi添加GaAs結晶のキヤリア濃度は5×
1017〜1.5×1018cm-3が上限であると報告されてい
る。Mullinらは更に、LEC法によるSi添加GaAs
単結晶成長においては、Siの分配係数が他の
B2O3を使用しない方法(例えばHB法等のボート
成長法)に比べて約1桁小さくなることを報告し
ている。 LEC法においては、Siの初期添加量から見積も
つた分配係数が他の方法よりも1桁程度小さくな
る理由は、Mullinらによれば、Siが強力な還元
剤であるために、GaAsの成長条件下(GaAsの
融点が約1238℃であるのでその温度の近傍という
高温状態)においてはSiがB2O3と反応してしま
うためであるとしている。 本発明の目的は、LEC法を用いてSiドープn型
GaAs単結晶を製造する際に、SiをGaAs単結晶
中に再現性良くドープ出来、又Siを高濃度に添加
しても単結晶の歩留りが高いSiドープn型GaAs
単結晶の製造方法を提供する事である。 本発明者等は前述の様にLEC法におけるSiドー
プn型GaAs単結晶製造の欠点を解決すべく、添
加したSiの損失について検討を行なつた。 GaAsの融点は1238℃前後と高温であり、LEC
法に於ては、GaAs融液は封止剤B2O3と接触して
いる。 従つて、融液中に添加されたSiは次式の反応に
より融液中から消費される。 3Si+B2O33SiO+2B …(1) 3Si+2B2O33SiO2+4B …(2) 単結晶育成中に上記反応が進行し続けるなら
ば、ノーマル・フリージングによる偏析現象によ
り、Siの融液中への濃縮と上記反応による損失が
競合する事になる。しかしこの競合を制御する事
は実質不可能であるから単結晶中のSi濃度を再現
性よく制御する事も困難となる。 別に、封止剤として用いられるB2O3中の水分
は、原料融液と接触する事によりGaと次の様な
反応を起こす。 2Ga+H2O→Ga2O+H2 …(3) Si+Ga2O→2Ga+SiO …(4) Si+2Ga2O→4Ga+SiO2 …(5) 又水分単独でも次の反応を起こす。 Si+H2O→SiO+H2 …(6) 従つて、B2O3中の水分によつても原料融液中
のSi損失が生じる。 本発明者等は前記複数の反応の中からSi損失の
主反応を以下の研究により見い出した。 まず、水分を可能な限り除去した(100wt
ppm以下)封止剤B2O3とSiを添加したGaAs原料
とを、共にチヤージし、通常のLEC法で3本
(A、B、C)の結晶を引上げた。Siの初期添加
量はA、B、Cそれぞれ0.1wt%、0.4wt%、
0.6wt%とした。 3本の結晶とも双晶もしくは多結晶であつた
が、結晶頭部から試料を調整し、キヤリア濃度及
びボロン(B)濃度を測定し第1表の結果を得た。
【表】
第1表より、A結晶の場合、初期Si添加量は
0.1wt%(≒1.1×1020/cm3であり、Si損失が全く
無くノーマル・フリージングによつて結晶中にSi
が全て取り込まれたとすると、結晶頭部では
1019/cm3程度のSi濃度とならなければならない。
しかしながら第1表に示す様にキヤリア濃度は
2.0×1017/cm3と2桁少なくなつている。すなわ
ち、添加したSiの大部分が損失してしまつたこと
になる。(結晶B、Cも同様) 又、Siの添加量を多くするとB濃度が増加する
事から融液中に遊離されたBが多量に混入してい
る事がわかる。すなわち、水分100ppm以下の
B2O3を使用した場合には、前述の反応式(3)〜(6)
の反応ではなく、Bを遊離する反応式(1)、(2)の反
応が支配的である事が判明した。 そこで、本発明者等は反応式(1)、(2)の反応が右
に進行する事を防げばSiの損失は防止出来ると考
え、種々の研究を行ない、以下の結論を得た。 (1)、(2)式の反応が右に進むことを抑制し、か
つ、B2O3並びに原料融液中の金属硼素汚染を
防止するためには、封止剤であるB2O3中に、
予め、B2O3を還元しない方法によりシリコン
の酸化物を存在させる必要がある。 Si酸化物の添加は、B2O3とSi酸化物を高温
にて分散・混合したり、又、けい酸等の水和物
を添加し、高温で分散・混合した後、脱水処理
を施す必要がある。 結晶中のキヤリア濃度を1016〜5×1018/cm3
の範囲で任意に制御しようとする場合、原料
GaAs融液中のSi損失を制御するために、B2O3
中のシリコン酸化物の濃度が、Si濃度換算で
0.001〜5重量%の範囲とするのが最適である。
即ち、シリコンの酸化物の濃度がSi濃度換算で
0.001重量%未満の場合には反応抑制効果が認
められず、5重量%を超えると、均一にガラス
化することが困難であるという理由による。従
つて、本発明によれば、結晶原料融液に種結晶
を接触させ引上げる液体封止回転引上法により
Siドープn型GaAs単結晶を製造する場合、結
晶原料融液としてSiを添加したGaAs融液と、
液体封止剤として、B2O3中に、予め、B2O3を
還元しない方法によりシリコンの形態としてシ
リコン酸化物又はケイ酸([(SiO2)n・(H2O)
o]:(m、nは整数である))である非還元性Si
化合物を高温にて分散混合し、その後脱水処理
(不活性ガスバブリング等による)を施したも
のを同時に使用し、結晶引上げを行なう事によ
り、SiをGaAs単結晶中に再現性良く、しかも
高濃度のSiドープGaAs単結晶が歩留り良く得
られる。 実施例 1 B2O3中に、Si化合物の濃度がSi濃度換算で0.2
重量%となるようにシリコン酸化物又はケイ酸の
形態で添加し、十分に脱水処理を施したB2O3600
g、GaAs原料3000gに対して0.3gのSiを添加
し、LEC法で引上げを行ない、直径80mmφ、重
量2900gの単結晶を育成した。 単結晶は双晶、多結晶等は全く認められなかつ
た。結晶頭部及び尾部のキヤリヤ濃度はそれぞれ
1.2×1018/cm3、3.5×1018/cm3であつた。 実施例 2 実施例1と同一条件で合計10回の結晶育成を行
ない、その再現性を確認した。全ての結晶が、双
晶及び多結晶を含まず単結晶であつた。 又結晶頭部及び尾部のキヤリヤ濃度もそれぞ
れ、1.0〜1.2×1018/cm3、2.9〜3.5×1018/cm3とな
りSiの制御性も確認出来た。 実施例 3 B2O3中に、Si化合物の濃度がSi濃度換算で0.05
重量%となるようにシリコン酸化物又はケイ酸の
形態で添加し、十分に脱水処理を施したB2O3200
g、Siを20wt ppm添加したGaAs融液1000gを
用いて、LEC法で引上げを行ない、直径54mmφ、
重量940gの単結晶を育成した。頭部と尾部のキ
ヤリヤ濃度はそれぞれ2×1017/cm3、6×1017/
cm3であつた。 さらに同一条件で5回の結晶育成を行つた。頭
部、尾部のキヤリヤ濃度はそれぞれ1.7〜2.4×
1017/cm3、4.8〜6.2×1017/cm3となり、実施例2
と同様な再現性が確認出来た。 上記のごとき本発明によるSiドープn型GaAs
単結晶を製造する方法によると、従来のLEC法
に較べ、わずかなSi添加量で高いキヤリヤ濃度が
得られる為、キヤリヤ濃度の制御性が向上すると
共に、スカム発生量が減少し単結晶の歩留りが改
善される経済性の優れた製造方法である。
0.1wt%(≒1.1×1020/cm3であり、Si損失が全く
無くノーマル・フリージングによつて結晶中にSi
が全て取り込まれたとすると、結晶頭部では
1019/cm3程度のSi濃度とならなければならない。
しかしながら第1表に示す様にキヤリア濃度は
2.0×1017/cm3と2桁少なくなつている。すなわ
ち、添加したSiの大部分が損失してしまつたこと
になる。(結晶B、Cも同様) 又、Siの添加量を多くするとB濃度が増加する
事から融液中に遊離されたBが多量に混入してい
る事がわかる。すなわち、水分100ppm以下の
B2O3を使用した場合には、前述の反応式(3)〜(6)
の反応ではなく、Bを遊離する反応式(1)、(2)の反
応が支配的である事が判明した。 そこで、本発明者等は反応式(1)、(2)の反応が右
に進行する事を防げばSiの損失は防止出来ると考
え、種々の研究を行ない、以下の結論を得た。 (1)、(2)式の反応が右に進むことを抑制し、か
つ、B2O3並びに原料融液中の金属硼素汚染を
防止するためには、封止剤であるB2O3中に、
予め、B2O3を還元しない方法によりシリコン
の酸化物を存在させる必要がある。 Si酸化物の添加は、B2O3とSi酸化物を高温
にて分散・混合したり、又、けい酸等の水和物
を添加し、高温で分散・混合した後、脱水処理
を施す必要がある。 結晶中のキヤリア濃度を1016〜5×1018/cm3
の範囲で任意に制御しようとする場合、原料
GaAs融液中のSi損失を制御するために、B2O3
中のシリコン酸化物の濃度が、Si濃度換算で
0.001〜5重量%の範囲とするのが最適である。
即ち、シリコンの酸化物の濃度がSi濃度換算で
0.001重量%未満の場合には反応抑制効果が認
められず、5重量%を超えると、均一にガラス
化することが困難であるという理由による。従
つて、本発明によれば、結晶原料融液に種結晶
を接触させ引上げる液体封止回転引上法により
Siドープn型GaAs単結晶を製造する場合、結
晶原料融液としてSiを添加したGaAs融液と、
液体封止剤として、B2O3中に、予め、B2O3を
還元しない方法によりシリコンの形態としてシ
リコン酸化物又はケイ酸([(SiO2)n・(H2O)
o]:(m、nは整数である))である非還元性Si
化合物を高温にて分散混合し、その後脱水処理
(不活性ガスバブリング等による)を施したも
のを同時に使用し、結晶引上げを行なう事によ
り、SiをGaAs単結晶中に再現性良く、しかも
高濃度のSiドープGaAs単結晶が歩留り良く得
られる。 実施例 1 B2O3中に、Si化合物の濃度がSi濃度換算で0.2
重量%となるようにシリコン酸化物又はケイ酸の
形態で添加し、十分に脱水処理を施したB2O3600
g、GaAs原料3000gに対して0.3gのSiを添加
し、LEC法で引上げを行ない、直径80mmφ、重
量2900gの単結晶を育成した。 単結晶は双晶、多結晶等は全く認められなかつ
た。結晶頭部及び尾部のキヤリヤ濃度はそれぞれ
1.2×1018/cm3、3.5×1018/cm3であつた。 実施例 2 実施例1と同一条件で合計10回の結晶育成を行
ない、その再現性を確認した。全ての結晶が、双
晶及び多結晶を含まず単結晶であつた。 又結晶頭部及び尾部のキヤリヤ濃度もそれぞ
れ、1.0〜1.2×1018/cm3、2.9〜3.5×1018/cm3とな
りSiの制御性も確認出来た。 実施例 3 B2O3中に、Si化合物の濃度がSi濃度換算で0.05
重量%となるようにシリコン酸化物又はケイ酸の
形態で添加し、十分に脱水処理を施したB2O3200
g、Siを20wt ppm添加したGaAs融液1000gを
用いて、LEC法で引上げを行ない、直径54mmφ、
重量940gの単結晶を育成した。頭部と尾部のキ
ヤリヤ濃度はそれぞれ2×1017/cm3、6×1017/
cm3であつた。 さらに同一条件で5回の結晶育成を行つた。頭
部、尾部のキヤリヤ濃度はそれぞれ1.7〜2.4×
1017/cm3、4.8〜6.2×1017/cm3となり、実施例2
と同様な再現性が確認出来た。 上記のごとき本発明によるSiドープn型GaAs
単結晶を製造する方法によると、従来のLEC法
に較べ、わずかなSi添加量で高いキヤリヤ濃度が
得られる為、キヤリヤ濃度の制御性が向上すると
共に、スカム発生量が減少し単結晶の歩留りが改
善される経済性の優れた製造方法である。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 結晶原料融液に種結晶を接触させ引上げる液
体封止回転引上げ法によるガリウム砒素単結晶製
造方法に於いて、結晶原料融液としてシリコン
(Si)を添加したガリウム砒素融液と、液体封止
剤であるB2O3中に、予め、B2O3を還元しない方
法によりシリコン酸化物又はケイ酸の形態のシリ
コン化合物を添加したものとを同時に使用して結
晶引上げを行うことを特徴とするSiドープ型ガリ
ウム砒素単結晶の製造方法。 2 液体封止剤であるB2O3中に添加されるシリ
コンの化合物の濃度がシリコン濃度換算で0.001
〜5重量%の範囲である特許請求の範囲第1項記
載の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31614586A JPS63166799A (ja) | 1986-12-27 | 1986-12-27 | Siド−プn型ガリウム砒素単結晶の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31614586A JPS63166799A (ja) | 1986-12-27 | 1986-12-27 | Siド−プn型ガリウム砒素単結晶の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS63166799A JPS63166799A (ja) | 1988-07-09 |
JPH0357079B2 true JPH0357079B2 (ja) | 1991-08-30 |
Family
ID=18073766
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP31614586A Granted JPS63166799A (ja) | 1986-12-27 | 1986-12-27 | Siド−プn型ガリウム砒素単結晶の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS63166799A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012246156A (ja) * | 2011-05-25 | 2012-12-13 | Dowa Electronics Materials Co Ltd | GaAs単結晶の製造方法およびGaAs単結晶ウェハ |
US8986446B2 (en) | 2005-03-31 | 2015-03-24 | Dowa Electronics Materials Co., Ltd. | Si-doped GaAs single crystal ingot and process for producing the same, and Si-doped GaAs single crystal wafer produced from Si-doped GaAs single crystal ingot |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4586154B2 (ja) * | 2006-06-22 | 2010-11-24 | Dowaエレクトロニクス株式会社 | ガリウム砒素単結晶の製造装置 |
-
1986
- 1986-12-27 JP JP31614586A patent/JPS63166799A/ja active Granted
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8986446B2 (en) | 2005-03-31 | 2015-03-24 | Dowa Electronics Materials Co., Ltd. | Si-doped GaAs single crystal ingot and process for producing the same, and Si-doped GaAs single crystal wafer produced from Si-doped GaAs single crystal ingot |
JP2012246156A (ja) * | 2011-05-25 | 2012-12-13 | Dowa Electronics Materials Co Ltd | GaAs単結晶の製造方法およびGaAs単結晶ウェハ |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS63166799A (ja) | 1988-07-09 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US6273948B1 (en) | Method of fabrication of highly resistive GaN bulk crystals | |
US4040895A (en) | Control of oxygen in silicon crystals | |
JPS5914440B2 (ja) | CaAs単結晶への硼素のド−ピング方法 | |
JP3201305B2 (ja) | Iii−v族化合物半導体結晶の製造方法 | |
JP3924604B2 (ja) | ガリウム砒素単結晶 | |
CN114232069B (zh) | 一种Ⅱ族元素掺杂GaAs单晶硅及其制备方法 | |
JP4586154B2 (ja) | ガリウム砒素単結晶の製造装置 | |
Gershenzon et al. | Vapor phase preparation of gallium phosphide crystals | |
JPH0357079B2 (ja) | ||
JP4120016B2 (ja) | 半絶縁性GaAs単結晶の製造方法 | |
JPH10259100A (ja) | GaAs単結晶の製造方法 | |
CA1159652A (en) | Semiconductor materials | |
US4483734A (en) | Method for the preparation of single crystals of gadolinium gallium garnet | |
Von Neida et al. | Liquid encapsulated growth of GaP from non-stoichiometric melts | |
US5259916A (en) | Process for improved doping of semiconductor crystals | |
JP2527718B2 (ja) | 液体カプセル引き上げ法用封止剤及び単結晶の成長方法 | |
CN114214720B (zh) | 二价金属离子掺杂的β-三氧化二镓晶体生长的助熔剂及基于该类助熔剂的晶体生长方法 | |
JP2001151600A (ja) | Iii−v族化合物半導体単結晶の製造方法 | |
RU2534106C1 (ru) | Способ получения крупногабаритных малодислокационных монокристаллов антимонида галлия | |
JPH08756B2 (ja) | 無機化合物単結晶の成長方法 | |
JPS589797B2 (ja) | 3−5族化合物半導体単結晶への強還元性不純物のド−ピング方法 | |
RU1809847C (ru) | Способ получени кристаллического арсенида галли | |
RU2400574C1 (ru) | Способ получения монокристаллов a3b5 | |
JPS5912639B2 (ja) | 結晶成長法 | |
JP2593148B2 (ja) | 化合物半導体の単結晶の育成方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |