JPH0356737Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、炎孔の並設群に臨む燃焼用気体供給
室、及び、その燃焼用気体供給室に対して燃焼用
気体を前記炎孔の並び方向に向けて噴出供給する
噴出供給路を設けたバーナにおいて、炎孔の並設
群に供給する燃焼用気体から、それが含むダスト
（ほこり等の微細異物）を捕捉する構造に関する。

〔従来の技術〕

従来、炎孔の目詰まり等の原因となる燃焼用気
体のダストを捕捉するに、燃焼用気体の供給経路
にフイルタを設けていた。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながら、フイルタを設けるにしても、未
だかなりの量のダストがフイルタを通過して炎孔
の並設群にまで至るのが実情であり、そのため
に、炎孔に目詰まりを生じて不完全燃焼が発生す
る等の種々のトラブルを招く危険性があつた。

そして、これを防止するためにフイルタに目の
細かい高性能のものを用いると、流路抵抗が大き
くなつて燃焼用気体供給に大きな動力が必要とな
つたり、フイルタの目詰まりにより燃焼用気体の
充分な供給そのものが不能となるような事態を招
いたり、更には、フイルタの掃除や交換等のメン
テナスが頻繁に必要となるといつた問題を派生し
た。

又、上記の如き問題派生を回避しながら燃焼用
気体中のダストを捕捉するものとして、炎孔の並
設群に臨む燃焼用気体供給室、及び、その燃焼用
気体供給室に対し燃焼用気体を炎孔の並び方向に
向けて噴出供給する噴出供給路を設けるというバ
ーナ構成において、燃焼用気体供給室を形成する
容器状体のうち、噴出供給路からの噴出燃焼用気
体が衝突する一端側内面部分に形成される屈曲案
内面部分（すなわち、容器状体の一端側内面部分
に衝突した燃焼用気体を炎孔並設群側へ変向案内
する部分）や、その一端側屈曲案内面部分を含め
た容器状体の内面に、多孔状、又は、多数凹凸形
状のダスト捕捉部を設けて、そのダスト捕捉部の
多孔形状又は多数凹凸形状に引つ掛ける状態で燃
焼用気体中のダストを捕捉するといつた構造も考
えた。

しかし、この構造においても多孔状、又は、多
数凹凸形状のダスト捕捉部そのものはダストを効
果的に捕捉するものの、燃焼用気体供給室へ供給
する燃焼用気体の全体、すなわち、炎孔並設群へ
供給する燃焼用気体の全体から見れば、ダスト捕
捉率が低く（殊に、噴出供給路の噴出方向におけ
る炎孔並設群、及び、燃焼用気体供給室の長さが
大きい場合に特に低い）、いまだ充分なダスト捕
捉を達成できない問題があつた。

本考案の目的は、炎孔の並設群に臨む燃焼用気
体供給室に対し燃焼用気体を炎孔の並び方向に向
けて噴出供給路から噴出供給するというバーナ構
成を利用した合理的な改良により、先述の如き問
題派生を回避しながら燃焼用気体の全体からダス
トを効果的に捕捉できるようにする点にある。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案によるバーナ用ダスト捕捉構造の特徴構
成は、炎孔の並設群に臨む燃焼用気体供給室、及
び、その燃焼用気体供給室に対して燃焼用気体を
前記炎孔の並び方向に向けて噴出供給する噴出供
給路を設けたバーナにおいて、 前記噴出供給路の噴出方向における前記炎孔並
設群の各部に分散させる前記噴出供給路からの噴
出燃焼用気体を前記炎孔並設群の側へ変向案内す
る複数の屈曲案内面部分を、前記燃焼用気体供給
室において前記噴出供給路の噴出方向に並設し、
それら複数の屈曲案内面部分の夫々に多孔状又は
多数凹凸形状のダスト捕捉部を設けたことにあ
り、その作用、効果は次の通りである。

〔作用〕

つまり、先述の如く、燃焼用気体供給室を形成
する容器状体の内面に多孔状や多数凹凸形状のダ
スト捕捉部を設ける構造においても、噴出供給路
からの噴出燃焼用気体が衝突して変向案内される
容器状体一端側内面部分の屈曲案内面部分に設け
るダスト捕捉部そのものは、容器状体の他の内面
部分に設けるダスト捕捉部に比べても極めて高い
ダスト捕捉効果を奏する。

したがつて、噴出供給路からの噴出燃焼用気体
を炎孔並設群の側へ変向案内する屈曲案内面部分
を、燃焼用気体供給室において噴出供給路の噴出
方向に複数並設して、これら複数屈曲案内面部分
の変向案内作用により、噴出供給路の噴出方向に
おける炎孔並設群の各部に対し噴出供給路からの
噴出燃焼用気体を効果的に分散させるようにし、
そして、この構造において、それら複数の屈曲案
内面部分の夫々に多孔状又は多数凹凸形状のダス
ト捕捉部を設けることにより、それら複数の屈曲
案内面部分の夫々において多孔状又は多数凹凸形
状のダスト捕捉部が、噴出供給路からの噴出燃焼
用気体のうち、各屈曲案内面部分が変向案内対象
とするものの夫々に対して（すなわち、炎孔並設
群の各部に対し分散させる変向案内分散気流の
夫々に対して）、極めて高いダスト捕捉効果を奏
する。

〔考案の効果〕

以上作用の結果、本発明によれば、燃焼用気体
の供給経路に目の細かい高性能のフイルタを設け
る形式で生じていた派生的問題、すなわち、燃焼
用気体供給に大きな動力が必要となつたり、フイ
ルタの目詰まりにより燃焼用気体供給にトラブル
を生じたり、また、フイルタのメンテナスが頻繁
に必要となるといつた問題の発生を伴うことな
く、炎孔並設群に供給する燃焼用気体の全体につ
いて極めて効果的に燃焼用気体中のダストを捕捉
でき、これによつて、炎孔の目詰まりによる不完
全燃焼等のバーナトラブルを効果的に防止し得る
に至つた。

〔実施例〕

次に実施例を説明する。

第４図はフアンヒータの装置構成を示し、ケー
シング１の背面に形成した空気取り入れ口２から
の取り入れ空気の一部を燃焼用空気として、その
燃焼用空気とガス供給管３からの燃料ガスとの混
合気をバーナ４で燃焼させ、そして、高温燃焼ガ
スを取り入れ空気の残部と混合させて希釈した温
風を、フアン５によりケーシング１前面の吹き出
し口６から吹き出すようにしてある。

空気取り入れ口２は燃焼用空気を取り入れる部
分と混合希釈用空気を取り入れる部分とに区画し
てあり、いずれの部分にも、例えば30メツシユ程
度の金網で構成したプレフイルタ７を張設してあ
る。

第１図及び第２図に示すように、バーナ４は、
混合気供給室ｆを形成する容器状体８の開口部
に、多数の小炎孔ａを形成したセラミツクス製の
多孔板９を張設して構成してある。

容器状体８の内部への混合気供給、すなわち、
小炎孔ａ並設群に臨む混合気供給室ｆへの混合気
供給については、ガスノズル１０からの燃料ガス
噴出に伴うエゼクタ作用により燃焼用空気を吸入
する吸入口１１を設け、そして、噴出燃料ガスと
吸入燃焼用空気とを混合気噴出供給路としての混
合管１２内の流動過程において混合させて、その
混合管１２から炎孔ａの並び方向（すなわち、小
炎孔群形成用多孔板９の板面方向）に沿う方向に
向けて容器状体８の内部へ混合気を噴出供給する
ようにしてある。

混合管１２の噴出方向において容器状体８内の
ほぼ中央部には、混合管１２からの噴出混合気の
ほぼ半分を、容器状体８の内部のうち混合管１２
の噴出向きとは反対側に位置する半部の側に分流
する屈曲ガイド板１３を設けてあり、この屈曲ガ
イド板１３の板面のうち混合管１２の噴出向きと
は反対向きの板面部分、及び、容器状体８の内面
のうち屈曲ガイド板１３の配置部を通過した噴出
混合気の残部が衝突する一端側コーナー部の内面
部分の夫々は、混合管１２からの噴出混合気を炎
孔ａ並設群側へ変向案内する屈曲案内面Ａとして
ある。

つまり、混合管１２の噴出方向における小炎孔
ａ並設群の各部に分散させる混合管１２からの噴
出混合気を小炎孔ａ並設群の側へ変向案内する複
数の（二つの）屈曲案内面部分Ａを、容器状体８
内部の混合気供給室ｆにおいて混合管１２の噴出
方向に並設してあり、そして、これら屈曲案内面
部分Ａの夫々には、それらの屈曲面に沿つて例え
ば30メツシユ程度の金網１５を張設することをも
つて、混合気中のダスト（主には燃焼用空気の取
り入れの際にプレフイルタ７を通過したダスト）
を引つ掛ける状態で捕捉する多孔状ないし多数凹
凸形状のダスト捕捉部を形成してある。

尚、各屈曲案内面部分Ａに金網１５を張設して
多孔状ないし多数凹凸形状のダスト捕捉部を構成
するにあたつては、前述の第１図に示す如く金網
１５を屈曲案内面部分Ａの面に接触させる状態に
張設するに代えて、第３図に示すように、屈曲案
内面部分Ａの面との間に若干の隙間を形成する状
態に金網１５を張設してもよい。

〔別実施例〕

次に別実施例を列記する。

各屈曲案内面部分Ａに多孔状又は多数凹凸形状
のダスト捕捉部１５を設けるに、金網に代えて多
孔体や三次元網構造体等を屈曲案内面部分Ａに張
設して多孔状又は多数凹凸形状のダスト捕捉部１
５を構成してもよい。

又、屈曲案内面部分Ａの面そのものを多数凹凸
形状に形成してダスト捕捉部１５を構成してもよ
い。

多孔状又は多数凹凸形状のダスト捕捉部１５
を、各屈曲案内面部分Ａ以外の燃焼用気体供給経
路内面にも設けるようにしてもよい。

尚、実用新案登録請求の範囲の項に図面との対
照を便利にするため符号を記すが、該記入により
本考案が添付図面の構成に限定されるものではな
い。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第４図は、本考案の実施例を示
し、第１図は縦断面図、第２図は第１図における
−線矢視図、第３図は変形構造を示す拡大断
面図、第４図はフアンヒータの構造図である。 ａ……炎孔、ｆ……燃焼用気体供給室、１２…
…噴出供給路、Ａ……屈曲案内面部分、１５……
ダスト捕捉部（網体）。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 炎孔ａの並設群に臨む燃焼用気体供給室ｆ、
   及び、その燃焼用気体供給室ｆに対して燃焼用
   気体を前記炎孔ａの並び方向に向けて噴出供給
   する噴出供給路１２を設けたバーナにおいて、 前記噴出供給路１２の噴出方向における前記
   炎孔ａ並設群の各部に分散させる前記噴出供給
   路１２からの噴出燃焼用気体を前記炎孔ａ並設
   群の側へ変向案内する複数の屈曲案内面部分Ａ
   を、前記燃焼用気体供給室ｆにおいて前記噴出
   供給路１２の噴出方向に並設し、それら複数の
   屈曲案内面部分Ａの夫々に多孔状又は多数凹凸
   形状のダスト捕捉部１５を設けたバーナ用ダス
   ト捕捉構造。 ２ 前記ダスト捕捉部が、前記の屈曲案内面部分
   Ａに網体１５を張設して構成されている実用新
   案登録請求の範囲第１項に記載のバーナ用ダス
   ト捕捉構造。