JPH0356073B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、スキーブレーキであつて、ベースプ
レートが、スキーバインデイング部分、特にヒー
ルピースを案内するために働きかつスキー板に固
定されたガイドレールに配置されていて、この場
合該ガイドレールが少なくとも、互いに向かい合
つて位置していてスキー板に固定された２つの緊
定爪状部材によつてスキー板に固定可能であり、
この場合ベースプレートにブレーキ装置が旋回可
能に配置されており、該ブレーキ装置が、１つの
ペダルと、それぞれブレーキシヤベルを備えた２
つのブレーキ心棒とを有していて、第１のばね
（起立ばね）によつて有効なブレーキ位置に強い
られるようになつており、該ブレーキ位置におい
て個々のブレーキ心棒が、スキー板の側面のそば
を延びていて、スキー板の滑走面の平面の下に突
出しており、この場合ブレーキ心棒のブレーキシ
ヤベルが、不作用の準備位置（滑走位置）におい
ては別のばねの力に抗して、スキー板表面の上で
スキー板の縦軸線に向かつて内方旋回して、スキ
ー板の輪郭線のほぼ内側に位置するようになつて
いる形式のものに関する。

従来の技術 上記形式の公知のスキーブレーキには次のよう
な欠点、すなわち、ブレーキシヤベルが引込み動
作時にスキー板の上縁をしばしば損傷し、スキー
ヤの転倒時、つまりブレーキシヤベルが解放され
るべき時にスキー板の上縁に引つ掛かつたままに
なるという欠点がある。これは特に氷結時に生じ
る。

発明の課題 本発明の課題は、上述の欠点を回避すべく冒頭
に述べた形式のスキーブレーキを改良して、スキ
ー板上縁における損傷並びに両スキーシヤベルの
引掛かりを回避することができるスキーブレーキ
を提供することである。この場合さらに、ガイド
レールを固定するために既に設けられている緊定
爪状部材を同時にブレーキシヤベルの案内のため
に利用することが望ましい。

課題を解決するための手段 この課題を解決するために本発明の構成では、
スキーブレーキのブレーキシヤベルをスキー板の
縦軸線に対して直角に案内するために、両緊定爪
状部材がその長手方向長さの１部分にわたつて案
内面を有しており、各案内面が平らな面として構
成されていて、スキー板の表面と20°と65°との間
の角度αをなしており、各緊定爪状部材の上側面
が支持面によつて形成されていて、該支持面がス
キー板の表面対してスキーブレーキに向かつて
10°までの角度δをなして傾いて延びている。

発明の効果 本発明のように構成されていると、両緊定爪状
部材に設けられた案内面によつて、両ブレーキシ
ヤベルがその基準位置からもしくは準備位置への
運動時に所定の運動軌道を通ることが、簡単な構
造手段で保証される。また、案内面を平らな面と
して構成することによつて、緊定爪状部材の構成
をより簡単にすることができ、そかも緊定爪状部
材における支持面の本発明のように構成すること
によつて、ブレーキ装置の基準位置におけるブレ
ーキシヤベルの確実な位置が保証される。

スキーブレーキのスキーシヤベルを基準位置か
らブレーキ位置への運動時に、スキー板表面に固
定された滑りブロツクによつて案するという思想
自体は、例えばUS−PS3715126（第７図〜第９図
参照）に示されているように既に公知である。こ
の公知の構成では、ペダルとして働き起立ばねの
影響下にありしかも脚端部がケーシングに支承さ
れた平面図で見てＵ字形の線材ヨークが、ケーシ
ングと共に、スキー板に固定された横軸に所定の
角度だけ旋回可能に支承されている。ケーシング
には、ヨークの両脚によつて形成されかつスキー
ブレーキの基準位置においてスキー板長手方向に
延びた軸に、ブレーキシヤベルが90°だけ旋回可
能に支承されている。両ブレーキシヤベルはその
軸線方向で見てＬ字形をしており、基準位置にお
いてそれぞれ一方の端部範囲で、各１つの傾斜面
を備えたプリズム状の滑りブロツクに、かつ他方
の端部範囲で、同時にスキー板表面に固定された
所属の支持ブロツクに位置している。

スキーヤの転倒時、つまりスキー靴がスキーバ
インデイングから離れた場合に、ペダルとして働
くヨークはその基準位置からまず初めに上方旋回
させられ、この際に個々のブレーキシヤベルはそ
れぞれ所属の傾斜面に沿つて外方に向かつてスキ
ー板の輪郭線を越えて滑る。同時に、部分的にプ
レート状に構成された両ブレーキシヤベルは90°
だけ旋回させられ、この結果プレート平面はスキ
ー板長手方向に対して直角に延びている。

このスキーブレーキは、その構造が複雑なだけ
でなく、組立てもまた面倒である。それというの
は全部で４つのブロツクが互いに別々にスキー板
表面に固定されねばならないからである。これに
対して本発明による構造では、スキーバインデイ
ング部分特にヒールピースのためのガイドレール
を固定するために既に設けられている緊定爪状部
材が、ブレーキシヤベルを案内するように構成さ
れており、従つてこの場合緊定爪状部材は同時に
２つの異なつた目的のために使用される。

DE−OS3624598に記載されたスキーブレーキ
では、確かにスキー板表面にくさび状部材が固定
されていて、該くさび状部材の制限面が、曲げら
れた２つのブレーキ心棒のための案内面として働
いているが、しかしながらこの場合案内面は、ス
キー板長手方向におけるブレーキ心棒のシフトを
生ぜしめるペダルの踏込み時に、ブレーキ心棒の
中央区分を持ち上げるという働きしか有していな
い。スキーブレーキの鉛直縦中心平面への両スキ
ーシヤベルの運動のためには、シエル状のペダル
の縁部に、制御縁によつて制限された切欠きが設
けられている。

DE−AS2605506に開示されたスキーブレーキ
は両ブレーキ羽根のための２つの案内面を側部に
有しているが、これらの案内面は、スキー靴のた
めの支持平面を不都合に持ち上げる保持体に配置
されている。同様な構成はUS−PS4687221及び
PCT−WO80／01759に開示されている。

請求項２に記載の構成によつて、緊定爪状部材
の２つの機能を有利に分割することができる。

請求項３に記載の手段によつて形状安定性が高
められ、かつ同時に組立ても簡単になり、特にこ
のように構成された保持体は、ユニツトとしてガ
イドレールにばね弾性的に装着することができ
る。

請求項４に記載の構成には、両緊定爪状部材に
おける雪の付着を回避することができるという利
点がある。

請求項６に記載の特微によつて、スキーブレー
キの製造並びに組立てをさらに簡単化することが
できる。

実施例 次に図面につき本発明の実施例を説明する。

図面には符号１でスキー板が示されており、こ
のスキー板１の表面１ａにはガイドレール２が固
定されている。このガイドレール２はその前端部
に後で詳説するスキーブレーキ３を有しており、
このスキーブレーキは、ガイドレール２の基部２
ａのエンボス加工部２ｃに設けられた孔を貫通す
るねじ４を用いて固定されている。この場合スキ
ーブレーキをガイドレール２に対して移動可能に
配置することも可能である。ガイドレール２はそ
の後方半部においては、ねじを用いて固定されて
おらず、２つの緊定爪状部材５によつて不動に保
持されている。この緊定爪状部材は、ガイドレー
ル２の側部の切欠き２ｄをも寒中するねじ４によ
つてスキー板１に固定されている。この構成によ
つて凹部を通過滑走する場合におけるスキー板１
の撓みが容易になる。両緊定爪状部材５はプラス
チツクから製造されていて、両緊定爪状部材を互
いに結合する0.5〜１mmの厚さのウエブ５ａと一
体に構成されている。

各緊定爪状部材５は、スキー板長手方向に延び
ていてスキーブレーキ２から離れた後方範囲５ｂ
を有しており、この後方範囲はねじ４によつて貫
通されていて、ガイドレール２の本来の保持部を
形成している。この後方範囲５ｂには、スキーブ
レーキ３に隣接した範囲が接続し、この範囲は延
長部５ｃとして構成されていて、平らな案内面５
ｄを有している。この案内面５ｄはスキー板１の
表面１ａと、第５図の横断面図で見て、20°と65°
との間の角度有利には45°の角度αを成している。
スキーブレーキ３に向かつて案内面５ｄは幾分傾
いており、この結果、案内面５ｄと外側の制限面
５ｅとによつて形成された縁部５ｆはスキー板１
の表面１ａに対して10°までの有利には5°の鋭角
βを成している。同様に、案内面５ｄに接続する
支持面５ｉは、スキー板１の表面１ａに対して角
度δを成して傾いており、この角度の値は角度β
の範囲に位置していて、この角度βの値に相当し
ている。各緊定爪状部材５の端面５ｇは同様にス
キー板１の表面１ａに対して、45°と75°との間の
角度有利には60°の角度γを成して傾いている。
符号５ｈでは端面５ｇと案内面５ｄとの間の縁部
が示されている。

スキーブレーキ３自体は公知の構造形式を有し
ている。スキーブレーキ３のベースプレート３ａ
の縁部には、複数回屈曲されたスチールワイヤ製
の２つのブレーキ心棒３ｄが支承されており、こ
のブレーキ心棒の、鉛直縦中心平面に向かつて延
びた上端部は、ペダル３ｃに取り付けられてい
る。ブレーキ心棒３ｄの自由端部はブレーキシヤ
ベル３ｄを有している。ペダル３ｃはその一端で
ベースプレート３ａに旋回可能に支承されてい
る。

ガイドレール２に沿つては、自体公知の図示さ
れていないヒールピースが摺動可能に案内されて
いる。このヒールピースは係止装置を有し、係止
装置の係止部材は選択的に、ガイドレール２の基
部２ａに設けられた切欠き２ｂの内の１つに係合
することができる。これによつてヒールピースは
シフトされた位置で固定される。符号６で示され
たスキー靴によつてペダル３ｃは、ヒールピース
のステツプ・インに際して押し下げられる。

スキーブレーキ３のブレーキ位置ではすべての
構成要素は第１図及び第２図に示された位置を占
める。スキーヤがスキー靴でスキーブレーキ３の
ペダル３ｃを踏むと、全ブレーキ装置はばね（起
立ばね）の力に抗してまず初め鉛直な縦中心平面
に対して平行な平面で旋回し、この旋回運動はブ
レーキシヤベル３ｄがスキー板２の表面１ａの上
を延びる平面に達するまで続く。この後でこの旋
回運動には付加的な旋回運動、つまり両ブレーキ
心棒３ｂのブレーキシヤベル３ｄを鉛直な縦中心
平面に向かつて移動させる旋回運動が重畳され
る。この旋回運動は別のばねに抗して行われ、通
常「ブレーキ心棒の引込み」と呼ばれる。この際
に両ブレーキシヤベル３ｄは緊定爪状部材５の案
内面５ｄを越えて支持面５ｉに達し、この場合両
ブレーキ心棒３ｂのブレーキシヤベル３ｄはほぼ
スキー板１の輪郭線の内側に位置している（第３
図〜第５図参照）。

スキー靴６のステツプ・アウト時には、それが
意志的な行動であろうとも又は例えばスキーヤの
転倒時のような不本意なものであろうとも、まず
初めに、両ブレーキ心棒３ｂのブレーキシヤベル
３ｄをスキー板１の輪郭線の外側の位置に旋回さ
せようとする別のばねが作用する。緊定爪状部材
５に対するブレーキシヤベル３ｄのような中間位
置は第６図に示されている。同時に起立ばねは全
ブレーキ装置を第１図及び第２図に示されたブレ
ーキ位置に強いる。ブレーキ装置のこの起立動作
中に、公知の解決策ではたとえ両方のばね力が互
いに正しく調和されていたとしても、ブレーキ心
棒３ｂのブレーキシヤベル３ｄが緊定爪状部材５
に引掛かつたままになることがあつた。このよう
な場合にはまさに臨界状態において、つまりスキ
ーブレーキ３が働いて欲しい場合に、ブレーキ作
用が発揮されないか、又はこのブレーキ作用が遅
れて生じ、これによつてスキーヤのいなくなつた
スキー板が自由滑走して別のスキーヤを危険にさ
らすことがある。しかもたとえば事故が発生しな
くとも、急傾斜において離れたスキー板を見つけ
ることは面倒であり、スキーヤ自身にとつても危
険なことである。本発明の解決策によつてこのよ
うな危険はなくなつた。

本発明は図示及び記載の実施例に限定されるも
のではなく、本発明の枠を逸脱することなしに、
種々様々な変化実施例が可能である。例えば両緊
定爪状部材はウエブによつて互いに結合されてお
らず、それぞれ別個にスキー板に固定されていて
もよい。また緊定爪状部材の延長部はガイドレー
ルに上から係合してもよい。

【図面の簡単な説明】

第１図はスキーブレーキをブレーキ位置で示す
側面図、第２図は第１図に示されたスキーブレー
キを上から見た平面図、第３図は準備位置におけ
るスキーブレーキを示す側面図、第４図は第３図
に示されたスキーブレーキを上から見た平面図、
第５図は第４図の−線に沿つた断面図、第６
図は、両方のブレーキ心棒のブレーキシヤベルが
内方又は外方旋回中においてスキーブレーキの準
備位置の直前ないし直後に占める位置を示す、第
５図に相当する断面図である。 １……スキー板、１ａ……表面、２……ガイド
レール、２ａ……基部、２ｂ……切欠き、２ｃ…
…エンボス加工部、３……スキーブレーキ、３ａ
……ベースプレート、３ｂ……ブレーキ心棒、３
ｃ……ペダル、３ｄ……ブレーキシヤベル、４…
…ねじ、５……緊定爪状部材、５ａ……ウエブ、
５ｂ……後方範囲、５ｃ……延長部、５ｄ……案
内面、５ｅ……制限面、５ｆ……縁部、５ｇ……
端面、５ｈ……縁部、５ｉ……支持面、６……ス
キー靴。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ スキーブレーキであつて、ベースプレート
   が、スキーバインデイング部分を案内するために
   働きかつスキー板に固定されたガイドレールに配
   置されていて、この場合該ガイドレールが少なく
   とも、互いに向かい合つて位置していてスキー板
   に固定された２つの緊定爪状部材によつてスキー
   板に固定可能であり、この場合ベースプレートに
   ブレーキ装置が旋回可能に配置されており、該ブ
   レーキ装置が、１つのペダルと、それぞれブレー
   キシヤベルを備えた２つのブレーキ心棒とを有し
   ていて、第１のばね（起立ばね）によつて有効な
   ブレーキ位置に強いられるようになつており、該
   ブレーキ位置において個々のブレーキ心棒が、ス
   キー板の側面のそばを延びていて、スキー板の滑
   走面の平面の下に突出しており、この場合ブレー
   キ心棒のブレーキシヤベルが、不作用の準備位置
   （滑走位置）においては別のばねの力に抗して、
   スキー板表面の上でスキー板の縦軸線に向つて内
   方旋回して、スキー板の輪郭線のほぼ内側に位置
   するようになつている形式のものにおいて、スキ
   ーブレーキ３のブレーキシヤベル３ｄをスキー板
   １の縦軸線に対して直角に案内するために、両緊
   定爪状部材５がその長手方向長さの１部分５ｃに
   わたつて案内面５ｄを有しており、各案内面５ｄ
   が平らな面として構成されていて、スキー板１の
   表面１ａと20°と65°との間の角度αをなしてお
   り、各緊定爪状部材５の上側面か支持面５ｉによ
   つて形成されていて、該支持面がスキー板１の表
   面１ａに対してスキーブレーキ３に向かつて10°
   までの角度δをなして傾いて延びていることを特
   徴とするスキーブレーキ。 ２ 緊定爪状部材５が、スキーブレーキ３に向か
   つて延びる延長部５ｃを有していて、該延長部
   が、ガイドレール２の両側に支持されており、該
   延長部５ｃに、個々の案内面５ｄが構成されてい
   る、請求項１記載のスキーブレーキ。 ３ 緊定爪状部材５の両延長部５ｃがガイドレー
   ル２の下で結合ウエブ５ａを用いて互いに結合さ
   れている、請求項２記載のスキーブレーキ。 ４ 各緊定爪状部材５の各案内面５ｄと外側と制
   限面５ｅとによつて形成された縁部５ｆがスキー
   板１の表面１ａに対してスキーブレーキ３に向か
   つて10°までの鋭角βをなして傾いて延びている、
   請求項１又は２記載のスキーブレーキ。 ５ 各緊定爪状部材５の端面がスキー板表面１ａ
   とスキーブレーキ３に向かつて45°〜75°の鋭角を
   なしている、請求項１から４までのいずれか１項
   記載のスキーブレーキ。 ６ 両緊定爪状部材５がスキーブレーキ３のベー
   スプレート３ａと一体に構成されていて、両部材
   の間の結合部がプラスチツク材料から成つてい
   る、請求項１から５までのいずれか１項記載のス
   キーブレーキ。