JPH0355695Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は畳床にコルク板を用い、これに綿ネ
ツトを介装して畳表を装着した畳に関する。

（従来の技術） 従来の藁製畳床に用いた畳は、重く取扱が困難
であり、湿気を吸収し易くカビや家ダニ等が発生
し易い。そこで斯る問題点を解決するものとして
畳床に発泡合成樹脂板を用いた畳や畳床に木片チ
ツプ等を固化したものを用いた畳（実公昭57−
27868号）が提案されている。

（考案が解決すべき問題点） 上記発泡合成樹脂製の畳床を用いた畳にあつて
は、軽量であるものの強度、復元力が小さく、し
かも燃え易く、燃焼時に有害ガスを発生するとい
う問題点があつた。

また、畳上へ水をたらすと畳床が膨張し、灯油
をたらすと畳床が溶けてしまうという問題点もあ
つた。

また上記木片チツプ等を固化した畳床を用いた
畳にあつては、畳床の剛性が大きく畳表とのなじ
みの点で問題があり、剛性を下げる為には発泡合
性樹脂と複合させる構造とする等、構造の複雑化
が免れなかつた。

（問題点を解決する為の手段） この考案の畳は、コルク板製の畳床に畳表を層
着して構成してある。コルク板は剛性が小さいた
めにコルク板へ直に畳表を層着しても十分使用に
耐え得るが、コルク板と畳表との間に綿ネツトを
介装することにより、より良好ななじみを得るこ
とができる。

即ちこの考案は、コルク板製の畳床に綿ネツト
を介装して、畳表を層着してなり、前記綿ネツト
は、綿テープで前記畳床に取り付けてなる畳であ
る。

（作用） この考案におけるコルク板製の畳床は、断熱、
吸音、防湿、防虫等の作用を奏する。したがつ
て、軽量でかつ湿気の吸収もなく害虫の発生のお
それもない難燃性の畳となる。また、綿ネツトを
介装することによつてコルク板を十分補強すると
共に、畳表とのなじみを良好にする。

以下この考案の実施例を図面に基いて説明す
る。

（実施例） コルク板１の上綿に綿テープ２を介して綿ネツ
ト３を添着し、該綿ネツト３の上側に畳表４を通
常の要領で層着して畳としてある。

前記コルク板１の厚さは通常20mm以上とする。
また前記綿ネツト３は網目５cm程度とし、荒縒で
偏平な糸を用いることにより、大きな弾性を得る
ことができる。

尚、綿テープ２も荒縒の糸で編んだ目の荒い布
を用いることが好ましい。

（考案の効果） この考案によれば、畳床にコルク板を用いたの
で、次の効果を得ることができる。

(1) コルク板が極めて大きな断熱性を有する為、
断熱効果の高い畳となる。コルク板厚20mm程度
であつても下面からの熱伝導をほぼ完全に断つ
ことができるので、マンシヨン等においてはコ
ンクリート上へ畳を直接敷設することも可能と
なる。

(2) コルク板は極めて大きな吸音性を有する為、
防音効果の高い畳となる。したがつて衝撃音が
階下に伝わることもなく、またステレオ等の聴
取にも適した音響効果を得ることができる。

しかもコルク板は耐振性、弾力性が大きいの
で、ガラスコツプを落しても割れるおそれがな
く、また衝撃をよく吸収するので室内が静かで
落着くこととなる。

(3) コルク板は嫌水性であつて吸湿性がない為、
高湿度の際にも畳が湿気を含むとはなく、常に
乾燥状態が維持される。したがつてカビが発生
するおそれもない。湿気によるカビの発生は従
来特に新築マンシヨンで問題となつていたとこ
ろであり、この考案の畳によれば斯る問題を解
決することができる。

(4) コルク板は、それ自体防虫効果をもつので、
昆虫、寄生虫、微生物に侵されることがない。
したがつて、従来大きな問題とされていた家ダ
ニの発生を未然に防止することができる。

(5) コルクは可燃物であるが、燃えるとき表面が
炭化して膨脹硬化し、空気を通さなくなるので
延焼を防ぐと共に、火源がなくなつた後、５秒
程度で自然に消化する。したがつてこの考案の
畳によれば、階下の火災が上の階に延焼するこ
とを防止することができる。また有毒ガスの発
生がないこと勿論である。

(6) コルク板は、強度が大きくかつ復元力があ
る。したがつて20mm程度の厚さの畳床で十分な
強度が得られる。またこの畳の上に家具等を長
期間載置して局部的に凹みができた場合にも、
短期間で自然に復元することとなる。

(7) コルク板は断熱性、強度が大きいので、この
考案の畳床は厚さ20mm程度で足りる。しかもコ
ルク自体が軽量であるから、畳を著しく軽量化
（従来のわら床畳の1/3、12Kg程度）することが
でき、持ち運びその他の取扱上便利である。

(8) コルク板への針の挿通は、従来の藁製の畳床
とほぼ同じ力で可能であるから、畳表の層着は
通常の要領で行なうことができる。しかもコル
ク板は復元力が大きいので、畳表の縫着糸はコ
ルクによつて強く固定され、緩むおそれがな
い。したがつて畳表の縫着作業も容易となる。

(9) コルク板と畳表との間に綿ネツトを介装した
ので、コルク板の脆性を補強すると共に、畳表
とコルク板とのなじみを良好にし、感触良好な
畳を得る効果がある。更に、綿ネツトをテープ
でコルク板に取り付けたので綿ネツトがコルク
板上でずれるおそれを生じないと共に、更に感
触良好な畳となる効果がある。

以上に示すように、この考案の畳は畳床にコル
ク板を用いることにより、軽量かつ衛生的でしか
も断熱性に富む等の効果を得ることができるもの
である。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案実施例の畳床の斜視図、第２
図は同じく畳の断面図である。 １……コルク板、２……綿テープ、３……綿ネ
ツト、４……畳表。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. コルク板製の畳床に綿ネツトを介装して、畳表
   を層着してなり、前記綿ネツトは綿テープで前記
   畳床に取り付けてなる畳。