JPH0355692Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は順次張込まれる化粧パネル材、就中
周縁に所要幅寸の立上り壁と、この立上り壁縁に
所要形状の鍔縁を有するパネル材の張込みに際
し、組付けられるパネル材間に於いて生ずる間隙
部分を確実に閉塞し、コーキング用のバツクアツ
プ材の効果的な脱落防止をなし、確実なシーリン
グを意図したものである。

而して、従前に於けるこの種のパネル材の張設
による壁面構成に於いては、パネル材の衝き合せ
縁に改良を施し、張設パネル材相互間にバツクア
ツプ材等を効果的に支承する構造を作り出し、あ
るいは現場施工に際して、コーキング処理時にこ
れ等バツクアツプ材の脱落を防止する工夫が別途
なされたものである。

しかし乍ら、パネル隅縁相互間に於いて生ずる
間隙の閉塞は、パネル相互の重なりが比較的複雑
な重なり縁構成とされ、又パネルの成形に於い
て、これ等の隅縁に向けて大きく鍔縁の延設をな
すことが難しいことゝ併せてパネル隅縁相互の衝
き合せ部に内外に通ずる間隙の発生を余儀なくさ
れていたものである。

この為、通常パネルの張設に際して逐一、この
発生間隙を詰物ないしは鈑金処理をもつて閉塞
し、バツクアツプ材の填装、シーリング材の埋付
けをなしたものである。

しかし乍ら、かゝる手法に於いては現場で多く
の作業手順を要すると共に閉塞面にバラつきを生
じ、往々にしてバツクアツプ材の脱落あるいはシ
ーリング部分への波打ちを誘起し、シーリング効
果が極端に損じられ易い傾向を有したものであ
る。

本考案に係る張設パネル間に於けるシーリング
受構造は、かゝる従前例に於ける不都合に鑑み、
特に案出されたものであつて、組付けられるパネ
ル材の上縁にキヤツチバンを懸吊の上、止着する
ことのみによりパネル隅縁相互間に於いて生ずる
間隙が確実に閉塞され、効果的なバツクアツプ材
の支承によるシーリング効果の半永久的な保障
と、コーキング処理の簡便化を期したものであ
る。又、本考案に係るキヤツチバンに於いては、
それ自体が水受けの機能を有し、支承したバツク
アツプ材の損傷あるいはシーリング材の毀損に伴
う雨水の浸潤に際しても充分な漏水防止をなし得
たものである。

本考案に係るシーリング受構造は、かゝる諸特
性の効果的な奏効を期すべく、特に、その構成の
要旨を周縁に立上り壁を有し、且つ該立上り壁の
少なくとも張設パネル上側に位置する壁縁には該
張設パネルの上方に向けて起立する鍔縁を有する
パネル材の張設に於いて、該パネル張設間の目地
部に納まる細幅の鈑部１ａと、該鈑部１ａに対向
して設けられる拡幅の鈑部１ｂと、該鈑部１ａ，
１ｂとの間の側方に伸び、且つ上縁に折曲げ係合
部１c′，１d′を有する鈑部１ｃ，１ｄとよりなる
キヤツチバン１を、張設された一対のパネル材上
側に位置する鍔縁に該係合部１c′，１d′が係合さ
れ、且つ鈑部１ａが該並設パネル材間に介装する
ごとくなして、鈑部１ｂが下地材に固定され、鈑
部１ｃ，１ｄ上に次順位のパネル材が添装された
点に置いたものである。又かゝる構成の要旨に付
随する以下の具体的な実施例と、これに伴う相当
の設計変更が予定されたものである。

以下、本考案に係るシーリング材受構造の典型
的な一実施例を添付の図面について説明するに、
１はキヤツチバンであつて、組付け時に折曲げ得
る鈑構造とし、下方に細幅の鈑部１ａを、又上方
に拡幅の鈑部１ｂを有し、その中心基線ｎ−ｎに
沿つた鈑部１ｂに取付け孔１ｅを開設するように
なすと共に左側に短寸の鈑部１ｃを、又右側に比
較的長い鈑部１ｄを夫々一体に設け、鈑部１ｃと
１ｄの上縁に折曲げ代１c′，１d′を用意し、これ
を第１３図並びに第１４図に於けるように折曲げ
て係合部１c′，１d′として使用するようにしたも
のである。

尚、叙上に於けるキヤツチバン１は、以下に述
べるパネル材の形状に対応して構成されたもので
あつて、これ等パネル材に於ける組付け縁の形状
に合せて、適宜その形状変更をなして使用するこ
とが予定されたものである。

而して、張込まれるパネル材Ｐは、基版２の四
周をプレスあるいはプレスベンダー等の手法をも
つて絞り折りつけて、所要幅寸の立上り壁３と
し、この壁３の上縁を側方に延設して鍔縁４とし
たものである。

尚、この立上り壁３の立上り寸法と、鍔縁４の
突き出し幅とは第１図〜第６図に於いて明らかと
されるように相互の重なり合せに適するように適
宜寸法幅を異にしたものである。かゝる立上り壁
３と鍔縁４とは、基本的にパネル材の一つの隅縁
を挟む二辺の壁３ａ，３ａを比較的長寸とし、又
この壁上縁から伸びる鍔縁４ａ，４ａをも拡幅と
したものであり、他方の隅縁を挟む二辺の壁３
ｂ，３ｂの立上り壁を短寸とし、又この壁上縁か
ら伸びる鍔縁４ｂ，４ｂの伸び幅を短か目とした
ものである。

かゝる立上り壁３と鍔縁４とを有するパネル材
Ｐ〜Ｐを衝き合せた場合の鍔縁４相互の関係は第
７図Ａの通りであり、この衝き合せパネル相互間
の衝き合せ断面は、同図Ｂ−Ｅの通りとされたも
のであり、コーキング目地５がパネルＰ−Ｐ相互
間に構成されたものである。

かゝる構成よりなるパネル材Ｐを鍔縁４ａを上
縁にして下地材６に順次取付けた場合、左側に位
置するパネル材P′の拡幅をなす鍔縁４ａに右側の
パネルP″の短寸状をなす鍔縁４ｂが重なり合う
ようにされたものであり、前記キヤツチバン１に
於ける鈑部１ｃ，１ｄの長短は、かゝるパネル材
P′，P″の鍔縁４ａ，４ｂの関係に由来したもの
である。

かくして下地材６に並列に取付けられたパネル
材P′，P″の衝き合せ隅縁に第８図に於いて示さ
れるように、キヤツチバン１を該キヤツチバン１
の係合部１c′，１d′を夫々のパネル材P′，P″の鍔
縁４ａ，４ａに係合し、且つ鈑部１ａをパネル材
P′，P″の衝き合せ目地５内に落し込むようにし
て取付け、孔１ｅに於いて第１１図に示すように
鈑部１ｂを折り曲げた状態で下地材６にビスその
他の手段をもつて止着７したものである。

かくしてキヤツチバン１の取付けのなされた鈑
部１ｃ，１ｄ上に、次順位のパネル材Ｐを重ね
合せることによつて、キヤツチバン１は上部パネ
ル材Ｐの下面より下部のパネル材P′，P″の上
面に到るように重ね合されたものであり、これ等
のキヤツチバン１面上に雨水が浸潤された場合に
於いても、受けた雨水を再度下部のパネル材P′，
P″面上に誘出するように機能したものである。

かくして衝き合せ隅縁間にキヤツチバンの介装
されたパネル材Ｐ−Ｐ相互間の目地５内に通例発
泡素材よりなるバツクアツプ材８とシーリング材
９が充填され、目地処理を終了したものである。

尚、叙上に於けるキヤツチバン１は、これを裏
返してパネルＰ−Ｐ間に取付けて使用することも
可能であり、この場合に於いて係合部１c′，１
d′は叙上キヤツチバン１の使用例に対し、反対の
側に折曲げて使用したものである。この結果、同
一形状のキヤツチバン１を、左右いずれの側より
するパネルの張込みに使用し得たものである。

本考案に係るシーリング受構造は叙上に於ける
特長ある構成、就中張込まれるパネル材Ｐ，Ｐの
衝き合せ隅縁の上縁にキヤツチバン１を単に懸装
し、これに次順位のパネル材の張込みをなすこと
によつて、即パネル材Ｐ−Ｐ隅縁相互間に於いて
発生を余儀なくされていた間隙の閉塞をなし、バ
ツクアツプ材８の確実な支承をなすと共にシーリ
ング材９の半永久的なシーリング効果の奏効を保
障するようにしたものである。

又、かゝるシーリング受構造自体に於ける雨仕
舞的要素をも有し、シーリング材９よりの侵入雨
水をキヤツチバン１に於いて捕捉し、これを再度
下部パネル材の表面上に誘出するようになしたも
のである。

本考案に係るシーリング受構造は、施工が特に
容易、迅速になし得るものとして、シーリング施
工に伴う施工コストの削減を可能になすと共に従
前難を有したパネル衝き合せ隅縁に於ける完全な
シーリング処理を可能としたものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るパネル材の正面図、第２
図は同底面図、第３図は同側面図、第４図Ａ−Ｃ
は第１図Ａ部の拡大正面、底面、側面図、第５図
Ａ−Ｃは第１図Ｂ部の拡大正面、底面、側面図、
第６図Ａ−Ｃは第１図Ｃ部の拡大正面、底面、側
面図、第７図Ａはパネルの衝き合せ隅縁の正面
図、同Ｂ−Ｅは夫々の方向から見た衝き合せ縁の
断面図、第８図〜第１０図はパネル材の取付け状
態を示す正面図、第１１図は同断面図、第１２図
はキヤツチバンの展開平面図、第１３図は同断面
図、第１４図はキヤツチバンの斜視図である。 尚、図中１……キヤツチバン、２……基版、３
……立上り壁、４……鍔縁、５……目地、６……
下地材、７……止着、８……バツクアツプ材、９
……シーリング材を示したものである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 周縁に立上り壁を有し、且つ該立上り壁の少な
   くとも張設パネル上側に位置する壁縁に該張設パ
   ネルの上方に向けて起立する鍔縁を有するパネル
   材の張設に於いて、該パネル張設間の目地部に納
   まる細幅の鈑部１ａと、該鈑部１ａに対向して設
   けられる拡幅の鈑部１ｂと、該鈑部１ａ，１ｂと
   の間の側方に伸び、且つ上縁に折曲げ係合部１
   c′，１d′を有する鈑部１ｃ，１ｄとよりなるキヤ
   ツチバン１を、張設された一対のパネル材上側に
   位置する鍔縁に該係合部１c′，１d′が係合され、
   且つ鈑部１ａが該並設パネル材間に介装するごと
   くなして、鈑部１ｂが下地材に固定され、鈑部１
   ｃ，１ｄ上に次順位のパネル材が添装されたこと
   を特徴とする張設パネル間に於けるシーリング材
   受構造。