JPH0355192B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は機械部品、医療用具、その他種々の目
的物を洗浄する洗浄装置に係るものであつて、蒸
気洗浄、冷却乾燥を１つの洗浄空間にて行うこと
が出来るように、小型化することを目的としたも
のである。

従来の技術 従来、蒸気洗浄と冷却乾燥を１つの洗浄装置に
て行うことが出来るようにしたものには、種々の
ものが存在するが、大別するとその１つは、蒸気
洗浄槽、冷却乾燥槽を横方向に位置するものであ
るが、この装置は床面の占有面積を極めて大きな
ものとする欠点を有している。またこの欠点を除
去する目的で、蒸気洗浄部と冷却乾燥部を上下方
向に２つの空間を別個に位置したものが、実開昭
57−39684号等として知られている。この上下方
向に蒸気洗浄部と冷却乾燥部を位置する方法は、
装置の占有面積を小さくする点で優れたものであ
るが、上下方向の高さが大きなものとなり、装置
場所、操作性の面からも好ましいものではなかつ
た。

発明が解決しようとする問題点 本発明は上述のごとき問題点を解決しようとす
るものであつて、蒸気洗浄部と冷却乾燥部とを一
つの洗浄空間にて行なうことにより、装置の占有
面積および上下方向の高さを小さくすることを可
能にしようとするものである。

問題点を解決するための手段 本発明は上述のごとき問題点を解決するため、
被洗浄物の蒸気洗浄および冷却乾燥を行う洗浄部
を、環状壁で被覆することにより形成し、この洗
浄部の下方に洗浄用の蒸気を発生する蒸気発生槽
を設けるとともに、被洗浄物の洗浄時には、前記
蒸気発生槽に洗浄液を供給してその洗浄液の液面
を環状壁の下端よりも上昇させ、被洗浄物の冷却
乾燥時には、蒸気発生槽から洗浄液を排出し環状
壁の下端と洗浄液の液面間に、蒸気流通間隔を形
成する洗浄液の供給・排出用のポンプが設けられ
て成るものである。

作 用 本発明は上述のごとく構成したものであるか
ら、まず蒸気洗浄を行うには、洗浄部の下方に設
けた蒸気発生槽に、ポンプを駆動して洗浄液を供
給することにより、環状壁の下端は洗浄液中に挿
入され、蒸気凝縮用の冷却部と環状壁内面との連
通が遮断されるものと成るから、蒸気洗浄部の下
方に設けられた蒸気発生槽内の洗浄液を加熱すれ
ば、洗浄蒸気は環状壁内の洗浄部に充満し、被洗
浄物と接触して蒸気洗浄を行うことができる。こ
の蒸気洗浄完了後は、再びポンプを駆動して蒸気
発生槽から洗浄液を排出することにより、環状壁
の下端と、洗浄液の液面との間に、蒸気流通間隔
が形成され、環状壁内の空気よりも比重の重い洗
浄蒸気は、蒸気流通間隔を介して冷却部に導かれ
凝縮液化されるから、環状壁内の洗浄蒸気は消失
するとともに冷却部の冷気によつて、環状壁内の
洗浄部は冷却され、被洗浄物の冷却乾燥が可能と
なるものである。

実施例 以下本発明の一実施例を図面に於いて説明すれ
ば、１は洗浄槽本体で、その下方部は蒸気発生槽
２となつており、この蒸気発生槽２内には、トリ
クロールエチレン等の適宜の洗浄液３を充填し、
その洗浄液３中に、洗浄蒸気を発生させるための
ヒーター４を挿入する。前記洗浄槽本体１の上半
部は、洗浄部５が形成されるもので、被洗浄物６
を載置する洗浄台７を、上下動可能に挿入してい
る。この洗浄台７は洗浄槽本体１の外部に位置す
る昇降シリンダー８と連動して、洗浄槽本体１内
を上下動する上下動体１０の下端に、固定される
とともに後に説明する、内蓋１１押し上げ用の押
上枠１２を上面に突出している。また洗浄槽本体
１の隣には、ポンプ１３と洗浄液３を収容してな
る予備槽１４を位置し、この予備槽１４とポンプ
１３とは管路１５によつて接続され、また、ポン
プ１３と蒸気発生槽２とは供給排出管１６を介し
て接続される。また、洗浄槽本体１のほぼ上半部
を、環状壁１７を位置して被覆し、この環状壁１
７内を、蒸気洗浄部と冷却乾燥部とを兼用する洗
浄部５とするとともに環状壁１７の下端を、前記
蒸気発生槽２内に開口する供給排出管１６よりも
上方に位置している。また、この環状壁１７と洗
浄槽本体１間には、冷却水を流通するコイル状パ
イプにて形成した、蒸気凝縮用の冷却部１８を設
けている。また、この冷却部１８と環状壁１７に
よつて形成される、洗浄部５の上部に設けた被洗
浄物６の昇降口２０は、洗浄槽本体１の上面に載
置した内蓋１１によつて被覆され、この内蓋１１
は洗浄台７の上昇に伴なつて前記押上枠１２にて
押し上げ開放される。またこの内蓋１１の上面は
フード２１にて被覆され、シヤツター２２を設け
た出入口２３には載置台２４を形成している。

上述のごとく構成したものに於いて、昇降シリ
ンダー８によつて上下動可能な洗浄台７上に被洗
浄物６を載置して、洗浄部５内に挿入し、蒸気洗
浄を行う。この蒸気洗浄を行うには、ポンプ１３
を駆動し、予備槽１４の洗浄液３を供給排出管１
６を介して、蒸気発生槽２内に充填することによ
り、環状壁１７の下端は蒸気発生槽２の洗浄液３
中に挿入され、蒸気凝縮用の冷却部１８と、環状
壁１７内面との連通が遮断されるものと成るか
ら、蒸気発生槽２で発生した洗浄用の蒸気が環状
壁１７内の洗浄部５に充満し、被洗浄物６と接触
して蒸気洗浄を行うことができる。この蒸気洗浄
完了後は、ポンプ１３を作動し、供給排出管１６
および管路１５によつて該供給排出管１６よりも
上方位置の洗浄液３を予備槽１４に戻すことによ
り、環状壁１７の下端と、蒸気発生槽２の洗浄液
３の液面との間に、蒸気流通間隔２５が形成さ
れ、環状壁１７内の空気よりも比重の重い洗浄蒸
気は、蒸気流通間隔２５を介して冷却部１８に導
かれ、凝縮液化されるから、環状壁１７内の洗浄
部５の洗浄蒸気は消失するとともに冷却部１８の
冷気によつて、環状壁１７内の洗浄部５は冷却さ
れ、被洗浄物６の冷却乾燥が可能となる。この冷
却乾燥完了後は、昇降シリンダー８を作動して洗
浄台７を更に上昇させることにより、洗浄蒸気の
外部への流出を防止していた内蓋１１を押上枠１
２によつて押し上げ開放し、シヤツター２２を開
放して出入口２３から、被洗浄物６を載置台２４
上に取り出すものである。またつぎの被洗浄物６
を、出入口２３から挿入して洗浄台７上に載置
し、昇降シリンダー８を降下すれば、被洗浄物６
は洗浄部５内に挿入されるとともに内蓋１１は、
洗浄槽本体１の昇降口２０を閉止し、洗浄蒸気の
外部への流出を防止するものである。

発明の効果 本発明は上述のごとく構成したものであるか
ら、従来、蒸気洗浄部と冷却乾燥部とを別個の空
間にて形成していたものが、蒸気洗浄部と冷却乾
燥部とを同一の空間で兼用することが可能とな
り、洗浄装置の高さを従来よりも著しく低いもの
とでき、設置場所を任意に決定することが出来る
とともに操作性も良好なものとなる。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の一実施例を示すものであつて、
第１図は蒸気洗浄状態を示す断面図、第２図は冷
却乾燥状態を示す断面図である。 １……洗浄槽本体、２……蒸気発生槽、３……
洗浄液、５……洗浄部、６……被洗浄物、７……
洗浄台、８……昇降シリンダー、１１……内蓋、
１２……押上枠、１３……ポンプ、１７……環状
壁、１８……冷却部、２０……昇降口、２５……
蒸気流通間隔。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 被洗浄物の蒸気洗浄および冷却乾燥を行う洗
   浄部を、環状壁で被覆することにより形成し、こ
   の洗浄部の下方に、洗浄用の蒸気を発生する蒸気
   発生槽を設けるとともに、被洗浄物の洗浄時には
   前記蒸気発生槽に洗浄液を供給して、その洗浄液
   の液面を、環状壁の下端よりも上昇させ、被洗浄
   物の冷却乾燥時には、蒸気発生槽から洗浄液を排
   出し環状壁の下端と洗浄液の液面間に蒸気流通間
   隔を形成する洗浄液の供給・排出用のポンプが設
   けられていることを特徴とする洗浄装置。 ２ 環状壁の外周には蒸気冷却用の冷却パイプが
   巻回されて冷却部となつていることを特徴とする
   特許請求の範囲第１項記載の洗浄装置。 ３ 環状壁の位置する洗浄槽本体の上端には昇降
   口を設け、この昇降口は、下方からの押し上げに
   よつて解放される内蓋にて被覆されたものである
   ことを特徴とする特許請求の範囲第１項記載の洗
   浄装置。 ４ 内蓋の押し上げは、被洗浄物を載置する洗浄
   台に押上枠を突出し、洗浄槽本体の外部に位置す
   る昇降シリンダーを洗浄台に接続して行なうもの
   であることを特徴とする特許請求の範囲第３項記
   載の洗浄装置。