JPH0355122B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、ジユーサに係り、回転体の上面に配
設されて被調理材料投入口より投入された被調理
材料を切削、粉砕する切削部に関する。

〔従来の技術〕

従来、この種のジユーサにおいては、回転体の
上面に配設されて被調理材料投入口より投入され
た被調理材料を蓋体との間隙内で切削、粉砕する
カツターは、例えば、前記回転体上面と同形状の
金属板に、この金属板より切り起こした略三角形
状の小切削刃を回転軸近傍より放射状に多数突設
するとともに、被調理材料の繊維質切断および回
転体の回転バランス安定化用の小突起を複数突設
した一対の補助カツターを前記カツターの上面に
回転軸と対称位置に固着する構造が提案されてい
る（特願昭59−3067号）。

〔発明が解決しようとする問題点〕

上記従来の構造では、カツターの上面に鋭い先
端部を有する切削刃が多数突設されているため、
カツターの洗浄を行なう際に人体等を傷つける危
険性が高く、また、前記切削刃の切り欠いた基部
や補助カツターの突起の基部などに貯留した被調
理材料の果肉かすなどの洗浄が困難であり、さら
に多数の切削刃を切り起こして形成したり、或い
は小突起を突設した補助カツターを別部材により
形成して前記カツターの上面に固着したりしなけ
ればならないため、コスト高になるという問題点
があつた。

本発明の目的は、被調理材料の切削、粉砕用の
切削部の構造を簡略化することによつて、洗浄性
が良好で、洗浄時に人体等を傷つける危険性が少
なく、かつ安価なジユーサを得ることである。

〔問題点を解決するための手段〕

本発明は、螺旋状の搾り部を周面に形成しかつ
垂直軸を中心として回転する回転体と、この回転
体の搾り部を小間隙をもつて囲繞して調理室を形
成するとともにこの調理室に開口されたジユース
流出口とかす排出口とを有する調理ケースと、こ
の調理ケースを着脱自在に嵌合保持するジユーサ
本体と、この本体に回転により着脱自在に取着さ
れ前記調理ケースの上面開口部を覆い前記回転体
の上面に対向する被調理材料投入口を形成した蓋
体とを具備し、前記回転体の上面には厚みを有す
る板金によつて前記回転体上面の周縁一側から回
転軸を通つて他側に至る細長板形状に形成した切
削板を設け、この切削板の回転方向側の上側縁エ
ツジ部にて被調理材料を切削、粉砕する切削縁と
したことを特徴とするものである。

〔作用〕

本発明は、被調理材料投入口より投入された被
調理材料が押し棒による圧力を受けて回転体上面
に圧接され、前記投入口の下面開口部より突出し
た前記材料が、回転する切削板の回転方向側の上
側縁エツジ部にて形成された切削縁によつて、こ
の切削縁が前記開口部の下方を通過する際に前記
切削板の材厚分だけ切削され、このとき切削板は
高速で回転してるため、前記材料は細かく粉砕さ
れるものである。

〔実施例〕

本発明の一実施例の構成を第１図および第２図
について説明する。

１はジユーサ本体で、この本体１の一側にはケ
ース嵌合部２が上面に開口して形成され、このケ
ース嵌合部２の上部は上面開口部に向つて拡開さ
れた拡径部３を有し、この拡径部３の上端開口縁
に係合凹段部４が形成されている。

またこのケース嵌合部２には支持ケース５が着
脱自在に嵌合されるようになつている。この支持
ケース５の底部は前記ケース嵌合部２の底部に当
接支持されている。そしてこの支持ケース５の一
側には透明な搾りかす収納部６が一体に形成さ
れ、このかす収納部６には仕切壁７にて仕切られ
たジユース流出室８が形成され、このジユース流
出室８の底部にはジユース吐出口９が開口されて
いる。またこの支持ケース５のかす収納部６とジ
ユース流出室８の下方に位置して前記本体１には
ジユース容器１０を載置する基台部１１が形成さ
れ、この基台部１１と、前記支持ケース５のかす
収納部６とジユース流出室８との間にジユース容
器１０を配設するようになつている。

次に１２は前記支持ケース５に挿脱自在に嵌合
される調理ケースで、この調理ケース１２の底部
は前記支持ケース５の底部に支持されるようにな
つている。この調理ケース１２の上部は拡開され
た調理材料を送り込む送り込み案内部１３が形成
され、この調理ケース１２の開口縁部は前記支持
ケース５の上面開口縁部１４に嵌合支持されるよ
うになつている。またこの調理ケース１２の開口
縁部には上面に開放したシールパツキング嵌合凹
溝１５が形成されている。またこのパツキング嵌
合凹溝１５を形成する外側の環状突縁上部にてイ
ンロー部１６が形成されている。またこの調理ケ
ース１２には前記支持ケース５のジユース流出室
８に連通するジユース流出口１７が形成され、こ
のジユース流出口１７にはフイルタ１８が調理ケ
ースの内面と略同一面となるように嵌合固定され
ている。さらにこの調理ケース１２には支持ケー
ス５の搾りかす収納部６に連通するかす排出口
（図示せず）が開口されている。

次に２０は回転体で、前記調理ケース１２の内
周調理室２１に嵌合できるように下端側がやや径
小の円柱状体にて構成され、この回転体２０には
回転軸２２が貫通固定され、この回転軸２２の上
端は回転体２０の上面２０ａに突出され、さらに
この回転軸２２の回転体２０の下面に開口させた
部分に駆動軸２３が挿通固着され、この駆動軸２
３は調理ケース１２の底部の通穴２４と支持ケー
ス５の底部の通穴２５から下方に突出され、この
駆動軸２３の下端にはカツプリング２６が固着さ
れ、この駆動軸２３は前記支持ケース５の通穴２
５に設けた軸受２７に回転自在に支持されてい
る。また前記本体１のケース嵌合部２の底部に挿
通突出され電動機に連動して回転するカツプリン
グ２９に前記駆動軸２３のカツプリング２６が係
脱自在に結合されるようになつている。そして前
記支持ケース５の底部の通穴２５はパツキング３
０にて液密に保持されている。

また前記回転体２０の外周面上部は、前記調理
ケース１２の送り込み案内部１３と少許の間隔を
保持して対向されるように上方に向つて拡径され
た送り込み部３１に形成され、この送り込み部３
１の下部には螺旋状の搾り部３２が形成され、こ
の搾り部３２は調理ケース１２の内壁によつて小
間隙を保持して囲繞され、まだ回転体２０の底面
も調理ケース１２の底部と小間隙を保持されるよ
うになつている。

３３は略長方形板状の切削板で、若干の厚みを
有する板金によつて、長手方向の両端が前記回転
体上面２０ａの周縁に合せて円弧状に形成され、
長手方向に沿つた両側が直線状に形成されてい
る。そして、この切削板３３の中央部には挿通孔
が穿設され、この挿通孔に回転軸２２の上端部が
挿通されて、ねじ３４，３４などの固着具によ
り、或いは接着により、前記切削板３３は回転体
上面２０ａに長手方向がこの回転体２０の直径方
向に一致するように固着されている。また、第２
図の矢指で示す回転体２０の回転方向側の切削板
３３の上側縁エツジ部にて被調理材料を切削、粉
砕する切削縁３５，３５に形成されている。

また、前記切削板３３の切削縁３５，３５は、
この切削板３３のプレス形成時に側縁に発生する
抜きバリを切削縁３５，３５とすることによつ
て、研磨などによつて形成する必要がなくなり、
より容易かつ安価に切削板３３を得ることができ
る。

また３６はシールパツキングで、環状に形成さ
れ、このシールパツキング３６は前記調理ケース
１２のパツキング嵌合凹溝１５に嵌合され、この
シールパツキツング３６には内径方向に傾斜され
このシールパツキング３６の上縁より上方に突出
する環状のリツプ部３７が形成されている。

次に３８は蓋体で、前記本体１の上面開口部と
支持ケース５のかす収納部６の上面開口部を前記
切削板３３と少許の間隙をもつて覆うように本体
１に着脱自在に取り着される。この蓋体３８の内
面には前記調理ケース１２のインロー部１６に嵌
合されるインロー壁３９が環状に突出されてい
る。またこの蓋体３８の内面には、前記インロー
壁１６の中心に位置して前記回転体２０の回転軸
２２の突出部を軸支する軸受４０が設けられてい
る。

またこの蓋体３８には前記切削板３３に対向し
てインロー壁３９の内側に位置して被調理材料投
入口４１が筒状に形成され、この投入口４１に被
調理材料を回転体上面２０ａに押圧する押棒４２
が挿脱自在に設けられている。

次にこの実施例の作用について説明する。

本体１のケース嵌合部２に支持ケース５を嵌合
して係合凹段部４に支持ケース５の開口縁を係合
する。次いでこの支持ケース５に調理ケース１２
を嵌合し、調理ケース１２の開口縁部を支持ケー
ス５の開口縁部１４に係合支持し、調理ケース１
２のかす排出口を支持ケース５のかす収納部６に
連通開口させる。さらにこの調理ケース１２に回
転体２０を嵌合し、この回転体２０の下端に突設
した駆動軸２３を調理ケース１２の通穴２４と支
持ケース５の通穴２５から突出させてカツプリン
グ２６を電動機に連動するカツプリング２９に結
合する。

次いで蓋体３８を本体１の上面に配置して回転
体２０の回転軸２２を軸受４０に軸支し、本体１
の上面の図示しない係止穴に蓋体３８に設けた突
起を係合し、この状態で蓋体３８を回動すると、
係合穴に突起が係止され、蓋体３８は本体１に取
着されるとともに調理ケース１２のインロー部１
６に蓋体３８のインロー壁３９が嵌合され、シー
ルパツキング３６のリツプ部３７は蓋体３８の内
面に密接され、この状態で調理ケース１２と支持
ケース５とを蓋体３８と本体１のケース嵌合部２
との間に挟着保持し、この蓋体３８の内面は切削
板３３との間に少許の間隙をもつて対向される。

そしてスイツチ操作によつて電動機を駆動する
と回転体２０は回転される。この状態で第３図に
示すように、投入口４１から被調理材料４３を投
入して押棒４２にて被調理材料４３を矢指の方向
に回転されている回転体上面２０ａに押付ける。
投入口４１の下面開口部４４から突出した被調理
材料４３の下端部は、回転する切削板３３の切削
縁３５により、この切削縁３５が前記開口部４４
の下方を通過する際に前記切削板３３の材厚分ａ
だけ切削されて、矢指の方向に運び去られる。こ
のとき、切削板３３は高速で回転しているので、
前記材料４３は細かく粉砕される。そして、この
ようにして切削、粉砕された被調理材料４３は回
転体上面２０ａの外周方向に送り出され、この上
面２０ａの周縁から調理ケース１２の送り込み案
内部１３に順次送り込まれて回転体２０の搾り部
３２と調理ケース１２との間に導入される。次い
で回転体２０の搾り部３２と調理ケース１２の内
周面との間に送り込まれた被調理材料４３は圧搾
されてジユース分が抽出され、ジユース分はフイ
ルタ１８にて濾過され、ジユース流出室８に流入
されてこのジユース流出室８のジユース吐出口９
からジユース容器１０内に流入される。

また被調理材料４３の搾りかす分は調理室２１
の下部まで送り込まれ、調理ケース１２のかす排
出口からかす収納部６に収納される。

また切削板３３にて切削された被調理材料４３
から分離されたジユース分が遠心力で飛散しても
シールパツキング３６のリツプ部３７が蓋体３８
の内面に圧接され、シールパツキング３６のリツ
プ部３７は内部圧力の増大でシール効果が高めら
れ、ジユース分が蓋体３８から漏洩することがな
い。

このように、簡単な構造の切削板３３によつて
被調理材料４３の切削、粉砕を可能としてので、
前記切削板３３の洗浄の際には、円盤状のカツタ
ーに小切削刃を多数切り起し形成した場合などと
異なり、人体等を傷つける危険性が減るととも
に、切削板３３の洗浄性も良好となる。また、切
削板３３の構造が簡略化される結果、この切削板
３３の成形が容易になり、したがつてコストの低
下を計ることができる。

なお、上記実施例では、切削板３３を略長方形
状に形成し、切削縁３５を直線状とした構造につ
いて説明したが、切削板３３はこの形状に限るも
のではなく、第４図に示すように、略長方形状の
切削板３３の矢指で示す回転方向側の縁面を階段
状の凹凸状面に形成した切削縁３５とし、或いは
第５図に示すように、矢指で示す回転方向側の縁
面を凸状に彎曲させた略Ｓ字形状の切削板３３の
回転方向側の縁面を波形状の凹凸状面の切削縁３
５とし、切削板３３をこのような形状とすること
によつて、被調理材料の切削縁３５への接触面積
が増大し、その結果切削効率が高められて、前記
材料の投入速度を速めることができる。

また、別の実施例を第６図および第７図につい
て説明する。

回転体２０の上面は、切削板３３の矢指の回転
方向と反対側の縁面側が上面と段差を形成しない
同一面とし、略回転軸２２の位置から周縁の間に
おいて、切削板３３の下面と同一面となる位置２
０ａまで下向きに傾斜した傾斜面４６，４６とす
る。この構造では、第３図に示すように人の手に
よつて押棒４２を介して押し込まれている被調理
材料４３が、切削板３３によつて切削されてこの
切削板３３の上面を通過した後、回転方向と反対
側の側縁４５の段差ａがないため、人の手により
把持されている押棒４２がそれに伴つて下方へ急
激に移動することがなく、回転体２０の上面の傾
斜面４６，４６によつて、被調理材料は切削板３
３により切削された後、傾斜面４６上を摺動して
緩やかに降下し、前記材料やそれを押圧する押棒
４２が急激に移動することがなくなり、したがつ
て押棒４２を把持する人の手に不快な振動が伝わ
るようなことがなくなる。

〔発明の効果〕

本発明によれば、回転体の上面に固着されて被
調理材料投入口より投入された被調理材料を切
削、粉砕する切削板は、厚みを有する細長板金に
よつて形成し、この切削板の回転方向側の上側縁
エツジ部を前記材料を切削、粉砕する切削縁とし
たから、前記切削板の構造を簡略化することがで
き、したがつて切削板の洗浄時に人体等を傷つけ
る危険性が減り、しかも切削板の洗浄性が良好
で、また、成形が容易になるのでコストの低下を
計ることができ、さらに、前記切削板のプレス形
成時に側縁に発生する抜きバリをエツジ状の切削
縁とすれば、研磨などによるこの切削縁の形成を
省くことができ、安価に前記カツターを得ること
ができるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示すジユーサの側
縦断面図、第２図は同上回転体および切削板の斜
視図、第３図は同上被調理材料の切削状況を示す
断面図、第４図は本発明の第２の実施例を示す回
転体上部および切削板の斜視図、第５図は第３の
実施例を示す回転体上部および切削板の斜視図、
第６図は第４の実施例を示す回転体上部および切
削板の斜視図、第７図は同上傾斜面の断面図であ
る。 １……ジユーサ本体、１２……調理ケース、１
７……ジユース流出口、２０……回転体、２０ａ
……回転体上面、２１……調理室、２２……回転
軸、３２……搾り部、３３……切削板、３５……
切削縁、３８……蓋体、４１……被調理材料投入
口、４３……被調理材料、４６……傾斜面。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 螺旋状の搾り部を周面に形成しかつ垂直軸を
   中心として回転する回転体と、この回転体の搾り
   部を小間隙をもつて囲繞して調理室を形成すると
   ともにこの調理室に開口されたジユース流出口と
   かす排出口とを有する調理ケースと、この調理ケ
   ースを着脱自在に嵌合保持するジユーサ本体と、
   この本体に回転により着脱自在に取着され前記調
   理ケースの上面開口部を覆い前記回転体の上面に
   対向する被調理材料投入口を形成した蓋体とを具
   備し、前記回転体の上面には厚みを有する板金に
   よつて前記回転体上面の周縁一側から回転軸を通
   つて他側に至る細長板形状に形成した切削板を設
   け、この切削板の回転方向側の上側縁エツジ部に
   て被調理材料を切削、粉砕する切削縁としたこと
   を特徴とするジユーサ。 ２ 切削板は回転方向側の縁面を凹凸状面に形成
   したことを特徴とする特許請求の範囲第１項記載
   のジユーサ。 ３ 回転体の上面は、切削板の回転方向と反対側
   の上側縁と段差を形成しない傾斜面を有すること
   を特徴とする特許請求の範囲第１項または第２項
   記載のジユーサ。 ４ 切削板のプレス形成時に側縁に発生する抜き
   バリをこの切削板の切削縁としたことを特徴とす
   る特許請求の範囲第１項記載のジユーサ。