JPH0354135B2 - - Google Patents

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JPH0354135B2
JPH0354135B2 JP6092282A JP6092282A JPH0354135B2 JP H0354135 B2 JPH0354135 B2 JP H0354135B2 JP 6092282 A JP6092282 A JP 6092282A JP 6092282 A JP6092282 A JP 6092282A JP H0354135 B2 JPH0354135 B2 JP H0354135B2
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ethylene
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は耐衝撃性に代表される機械的性質と耐
候性が均衡してすぐれ、かつ外観良好な成形品を
与え得る熱可塑性樹脂組成物に関するものであ
る。 代表的な耐衝撃性樹脂として知られている
ABS樹脂は、グラフトゴム基質たるジエン系ゴ
ムが劣化しやすいことに起因して耐候性が劣ると
いう重大な欠点が有している。この欠点を改良
し、耐衝撃性と耐候性の両者がすぐれた熱可塑性
樹脂の取得を目的とした探索が従来より行なわれ
ており、例えばグラフトゴム基質として(1)エチレ
ン−プロピレン−非共役ジエン系三元共重合ゴム
を用いる方法や(2)アクリル酸エステル系ゴム質重
合体を用いる方法などが提案されている。しかし
ながら、上記(1)法においては塊状重合法や溶液重
合法を採用しているため、高ゴム含量の重合体が
得られないことおよび溶媒の除去プロセスが繁雑
であることなどの問題があり、また上記(2)法にお
いても乳化重合法を採用しているため、ゴム質重
合体の粒子径コントロールが難かしく、重合体回
収プロセスが繁雑であることなどの問題がある。
したがつて上記従来法では製造プロセス上いくつ
かの問題があるばかりか、得られる熱可塑性樹脂
の耐衝撃性も十分満足できるものではない。 そこで本発明者らは上記従来の問題点を解消
し、耐衝撃性と耐候性が均衡してすぐれた熱可塑
性樹脂組成物を効率的に得ることを目的としてい
わゆるビニル系重合体に対するゴムブレンドの観
点から検討を行なつた結果、ビニル系重合体とし
て分子中にカルボキシル基を含有する連鎖移動剤
および/または開始剤の存在下でビニル系モノマ
を重合せしめた変性ビニル系重合体を用い、さら
にゴム質重合体としてエチレンとα、β−不飽和
カルボン酸グリシジルエステルからなる変性ポリ
エチレンを用いることにより最良の効果が得られ
ることを見出し本発明に到達した。すなわち、本
発明は(A)分子中にカルボキシル基を有する連鎖移
動剤および/または開始剤の存在下で芳香族ビニ
ル系モノマ、シアン化ビニル系モノマおよび(メ
タ)アクリル酸エステル系モノマよりなる群から
選ばれた少なくとも1種のビニルモノマを重合し
てなる変性ビニル系重合体、(B)エチレンに対し
α、β−不飽和カルボン酸グリシジルエステルの
少なくとも1種を0.5〜30重量%共重合してなる
変性ポリエチレン、(C)ポリエチレンおよび/また
はエチレンに対し共重合可能な他のビニルモノマ
(ただしα、β−不飽和カルボン酸グリシジルエ
ステルは除く)を共重合してなるエチレン共重合
体および(D)芳香族ビニル系モノマ、シアン化ビニ
ル系モノマおよび(メタ)アクリル酸エステル系
モノマよりなる群から選ばれた少なくとも1種の
ビニルモノマからなるビニル系重合体を、(A)が1
〜99重量部、(B)+(C)が1〜50重量部、(D)が0〜98
重量部(合計100重量部)で、かつ(B)/(B)+(C)が
20重量%以上となる割合で配合したことを特徴と
する熱可塑性樹脂組成物を提供するものである。 本発明の熱可塑性樹脂組成物は上記従来法の如
くグラフト重合プロセスを経ることなく単純なブ
レンドコンパウンドとして得られるため、製造プ
ロセス上の種々の問題点が解消される。また本発
明においては各重合体同志の親和性、相溶性が良
好なため、すぐれた耐衝撃性と耐候性を具備して
組成物が得られる。 本発明で用いる変性ビニル系重合体(A)とは分子
中にカルボキシル基を有する連鎖移動剤および/
または開始剤を存在せしめ、スチレン、α−メチ
ルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルス
チレン、p−メチルスチレン、o−クロロスチレ
ン、m−クロロスチレンおよびp−クロロスチレ
ンなどの芳香族ビニル系モノマ、アクリロニトリ
ルおよびメタクリロニトリルなどのシアン化ビニ
ル系モノマおよびメタクリル酸メチル、メタクリ
ル酸エチルおよびアクリル酸メチルなどの(メ
タ)アクリル酸エステル系モノマよりなる群から
選ばれた少なくとも1種のビニル系モノマを重合
したものである。上記ビニル系モノマの中ではと
くにスチレン、α−メチルスチレン、アクリロニ
トリルおよびメタクリル酸メチルが好適であり、
これらは1種または2種以上を組合せて使用でき
る。 また、変性ビニル系重合体(A)には少割合のアク
リル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、マレイン
酸、フマル酸などのα、β−不飽和カルボン酸を
1種以上共重合せしめてもよい。 またここでいう分子中にカルボキシル基を有す
る連鎖移動剤および/または開始剤としてはメル
カプトルグリコール酸、α、β−メルカプトプロ
ピオン酸、メルカプト酪酸、α−メルカプト−イ
ソ酪酸、メルカプトバレリアン酸、メルカプト−
イソ−バレリアン酸、メルカプトカプロン酸、メ
ルカプト−イソ−カプロン酸、メルカプトカプリ
ル酸、メルカプト−イソ−カプリル酸、メルカプ
トカプリン酸、メルカプト−イソ−カプリン酸、
2、3または4−メルカプト安息香酸などの連鎖
移動剤および3,3′−アゾビス(3−シアノバレ
リアン酸)、1、1′−アゾビス(1−シアノメチ
ル−パラ−安息香族)、過酸化サクシン酸などの
開始剤が挙げられるが、メルカプトグリコール
酸、α、β−メルカプトプロピオン酸、メルカプ
ト酪酸が好ましく使用される。また、上記の連鎖
移動剤および開始剤は2種類以上併用してもよ
い。更に一般の連鎖移動剤および開始剤を併用す
ることができる。なお従来ビニル系重合体の重合
に用いられている他の連鎖移動剤や開始剤を使用
する場合には(B)変性ポリエチレンとの親和性が不
十分で、すぐれた耐衝撃性を有する組成物を得る
ことができない。この変性ビニル系重合体(A)にお
ける分子中にカルボキシル基を有する連鎖移動剤
および/または開始剤の量はビニルモノマ100重
量部に対し、0.01〜10重量部、好ましくは0.05〜
5.0重量部が好適であり、0.01重量部以下では下
記に説明する(B)変性ポリエチレンとの親和性が不
十分で望ましい耐衝撃性が得られず、また10重量
部以上では変性ビニル系重合体自体の重合度が著
しく低下し、十分な耐衝撃性が得られず好ましく
ない。 変性ビニル系重合体(A)が塊状重合法、塊状−懸
濁重合法などの公知の重合法により製造すること
ができる。 一方、本発明で使用する変性ポリエチレン(B)と
は、エチレンに対し、α、β−不飽和カルボン酸
グリシジルエステルを0.5〜30重量%共重合して
なるグリシジル基含有エチレン系共重合体であ
る。ここでα、β−不飽和カルボン酸グリシジル
エステルとは一般式
【式】(式中、R は水素原子、低級アルキル基あるいはグリシジル
エステル基で置換された低級アルキル基である。)
で示され、具体的にはアクリル酸グリシジル、メ
タクリル酸グリシジル、エタクリル酸グリシジジ
ル、イタコン酸グリシジルなどが挙げられるが、
なかでもメタクリル酸グリシジルが好ましく使用
できる。変性ポリエチレン(B)におけるα、β−不
飽和カルボン酸グリシジルエステルの共重合量は
0.5〜30重量%、とくに1〜20重量%の範囲が適
当であり、0.5重量%以下では変性ビニル系重合
体(A)との親和性が十分発揮できず、また30重量%
以上では変性ポリエチレン自体の柔軟性が損なわ
れ、いずれもすぐれた機械的性質を有する組成物
が得られないため好ましくない。 また、変性ポリエチレン(B)には、少割合の他の
共重合可能な不飽和モノマ、たとえばピロプレ
ン、1−ブデンなどのα−オレフイン類、ビニル
エーテル類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルな
どのビニルエステル類、メチル、エチル、プロピ
ル、ブチルなどのアクリル類およびメタクリル酸
エステル類、アクリロニトリル、スチレン、一酸
化炭素などを一種以上共重合せしめてもよい。 変性ポリエチレン(B)の具体例としては、エチレ
ン/メタクリル酸グリシジル共重合体、エチレ
ン/酢酸ビニル/メタクリル酸グリシジル共重合
体、エチレン/一酸化炭素/メチクリレル酸グリ
シジル共重合体、エチレン/アクリル酸グリシジ
ル共重合体、エチレン/アクリル酸グリシジル/
酢酸ビニル共重合体などが挙げられ、これらは公
知の重合法により製造することができる。 また、本発明で使用する重合体(C)におけるエチ
レンと共重合可能なビニルモノマ(但し、α、β
−不飽和カルボン酸グリシジルエステルは除く)
とはプロピレン、1−ブデン、1−ペンテン、1
−ヘキセンなどのα−オレフイン類、ビニルエー
テル類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどの
ビニルエステル類、メチル、エチル、プロピル、
プチルなどのアクリル酸およびメタクリル酸エス
テル類、1、4−ヘキサジエン、ジシクロペンタ
ジエン、5−エチリデンノルボルネンなどの非共
役ジエン類、などが挙げられ、少なくとも1種を
特定量用いることができる。 重合体(C)の具体例としてはポリエチレン、エチ
レン/プロピレン共重合体、エチレン/1−ブテ
ン共重合体、エチレン/プロピレン/酢酸ビニル
共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、エチ
レン/アクリル酸ブチル共重合体、エチレン/プ
ロピレン/ジシクロペンタジエン共重合体などが
挙げられ、これらは1種または2種以上併用する
ことができる。またこれらのエチレン共重合体(C)
は公知の重合法により製造することができる。 本発明組成物において、全組成物100重量部中
に占める変性ポリエチレン(B)とポリエチレンまた
はエチレン共重合体(C)との合計量は1〜50重量
部、とくに5〜40重量部が好ましく、1重量部以
下では組成物の耐衝撃性が不十分であり、50重量
部以上では、かえつて引張特性などの機械的性質
や流動性が低下するため好ましくない。また重合
体(B)と(C)において、(B)/(B)+(C)は20重量%以上、
とくに30重量%以上が好ましく、20重量%以下で
は変性ビニル系重合体(A)との親和性が不十分で望
ましい耐衝撃性が得られないため好ましくない。
なお本発明の組成物は重合体(C)を全く含有しない
場合を含むが、重合体(C)が共存する場合には一層
すぐれた耐衝撃性が得られる。また、本発明で使
用する重合体(D)とはスチレン、α−メチルスチレ
ン、などの芳香族ビニル系モノマ、アクリロニト
リルなどのシアン化ビニル系モノマおよびメタア
クリル酸メチルなどの(メタ)アクリル酸エステ
ル系モノマから選ばれた少なくとも1種を重合し
てなる重合体であり、具体的にはポリスチレン、
ポリメタアクリル酸メチル、スチレン/アクリロ
ニトリル共重合体、スチレン/メタアクリル酸メ
チル共重合体、スチレン/アクリロニトリル/メ
タアクリル酸メチル共重合体などが挙げられ、こ
れらは乳化重合法、懸濁重合法、塊状重合法、塊
状−懸濁重合法などの公知の重合方法により製造
される。 本発明においては変性ビニル系重合体(A)と変性
ポリエチレン(B)および必要に応じて重合体(C)を上
記の割合で配合することにより目的とする耐衝撃
性と耐候性を具備した熱可塑性樹脂組成物を得る
ことができるが、さらにはこの変性ビニル系重合
体(A)とビニル系重合体(D)の混合物に対し変性ポリ
エチレン(B)および必要に応じて重合体(C)を上記の
割合で配合した熱可塑性樹脂組成物においても同
様の目的を達成することができる。この場合のビ
ニル系重合体(D)の配合量は全組成物100重量部当
り98重量部以下が適当である。したがつてビニル
系重合体(D)を使用する場合は、変性ビニル系重合
体(A)の重合時に分子中にカルボキシル基を有する
連鎖移動剤および/または開始剤の添加量をやや
多くし、これをビニル系重合体(D)で希釈するとい
ういわゆるマスターバツチ法を採用することがで
きる。 なお本発明の熱可塑性樹脂組成物に対し、所望
により有機スルホン酸塩および硫酸エステル塩か
ら選ばれた少なくとも1種を添加する場合には、
耐衝撃性および耐候性が一層向上した組成物を得
ることができる。ここでいう有機スルホン酸塩お
よび硫酸エステル塩とは、一般式R(SO3M)n
およびR(OSO3M)nで示されるものである。
ただし、式中Mは金属原子をRは有機基を、ま
た、nは1以上の整数を示す。Mの好ましい例と
してはリチウム、ナトリウム、カリウムなどのア
ルカリ金属類、マグネシウム、カルシウム、スト
ロンチウム、バリウムなどのアルカリ土類金属、
あるいは亜鉛、アルミニウムなどが挙げられる。
Rの好ましい例としてはフエニル、α−ナフチ
ル、β−ナフチル、ドデシルフエニル、ドデシル
ナフチル、アリル、メタクリルなど、あるいは高
分子量体であるポリスチレン、ポリエチレングリ
コールなどである。有機スルホン酸塩の好ましい
例としては一般式 (ただし、式中Mはリチウム、ナトリウム、カリ
ウム、カルシウム、R′およびR″はメチル、エチ
ル、フエニル、2−ヒドロキシエチル、4−ヒド
ロキシブチルである)で示される化合物、ドデシ
ルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルナフ
タレンスルホン酸ナトリウム、メタクリルスルホ
ン酸ナトリウム、1、5−ナフタレンジスルホン
酸カリウム、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮
合物、スルホン化ポリスチレンのナトリウム塩な
どである。硫酸エステル塩の好ましい例としては
ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウ
ム、ステアリル硫酸カルシウム、ステアリル硫酸
バリウム、ポリオキシエチレンエーテル硫酸ナト
リウム、ポリオキシエチレンドデシルフエニルエ
ーテル硫酸ナトリウムなどである。これらの有機
スルホン酸塩および硫酸エステル塩は2種類以上
併用してもよい。これらの有機スルホン酸塩およ
び硫酸エステル塩の添加量は熱可塑性樹脂組成物
100重量部に対し10重量部以下、好ましくは0.01
〜5重量部が適当であり、10重量部以上では組成
物の色調が低下するため好ましくない。 また、本発明の熱可塑性樹脂組成物には、本発
明の目的を損なわない範囲の通常の添加剤、たと
えば酸化防止剤、紫外線吸収剤、熱安定剤、滑
剤、離型剤、染料および顔料を含む着色剤、繊維
状および粒状の充填剤(たとえば、ガラス繊維、
ガラスビーズ、炭素繊維、炭酸カルシウム、炭酸
マグネシウム、硫酸バリウム、微粉ケイ酸、ワラ
ステナイト、タルク、クレー、マイカ、セリサイ
ト、ゼオライト、ベンナイト、ドロマイト、カオ
リンなど)および強化剤、核化剤、難燃剤などで
変性されていてもよい。これらの添加剤は1種ま
たは2種以上を併用して添加し得る。 また少量の他の熱可塑性樹脂(たとえば、ポリ
プロピレン、アクリル樹脂、フツ素樹脂、ポリア
ミド、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリ
スルホン、ポリフエニルレンオキサイドなど)、
熱硬化性樹脂(たとえば、フエノール樹脂、メラ
ミン樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、
エポキシ樹脂など)、軟質熱可塑性樹脂(たとえ
ば、ポリエステルエラストマー、ポリウレタンな
どを添加してもよい。 これらの樹脂は1種のみでなく2種以上を併用
してもよい。 本発明の熱可塑性樹脂組成物の製造方法には特
に限定がないが、二者、三者もしくは四者の重合
体混合物および必要に応じ添加されるその他の添
加剤を、変性ビニル系共重合体(A)の軟化点以上の
温度で溶融混合する方法が好ましい。具体的には
重合体(A)と重合体(B)を溶融混合する方法、重合体
(A)、(B)および(C)を溶融混合する方法、重合体(A)お
よび(C)の溶融混合物にさらに重合体(B)を溶融混合
する方法、重合体(B)および(C)の溶融混合物にさら
に重合体(A)を溶融混合する方法、重合体(A)、(B)、
(C)および(D)を溶融混合する方法、重合体(A)および
(D)の溶融混合物にさらに重合体(B)と(C)の溶融混合
する方法、重合体(A)、(D)および(C)の溶融混合物に
さらに重合体(B)を溶融混合する方法などが挙げら
れ、重合体の溶融混合の組合せは任意に変えるこ
とができる。 また、所望の添加剤の添加を上記の重合体の溶
融混合においていずれの段階でもよい。好ましく
は最終組成物の段階の溶融混合に加えることが適
当であり、この場合には耐衝撃性および耐候性が
一層向上した組成物を得ることができる。 なお、溶融混合手段としてはバンバリーミキサ
ーおよび押出機などの任意の手段が採用し得る。 かくして得られる本発明の熱可塑性樹脂組成物
は耐衝撃性や引張特性などの機械的性質と耐候性
が均衡してすぐれるものであり、この特性を生か
した種々の用途に適用が期待できる。 以下に実施例を挙げて本発明の効果をさらに詳
述する。 なお、実施例における機械的質性の評価は
ASTM規格に準じて測定した値である。 実施例1〜6および比較例1〜6 第1表に示した変性ビニル系共重合体(A)、変性
ポリエチレン(B)、重合体(C)および添加剤をそれぞ
れ第1表の割合で混合し、220℃に設定したスク
リユー押出機で溶融混練−ペレタイズした。 各ペレツトから射出成形により試験片を成形
し、その機械的性質、耐候性および成形品外観を
評価した結果を第1表に示す。 なお、1/4″アイゾツト衝撃試験片については、
ウエーザーメーター100時間照射前(a)および照射
後(b)の衝撃強さを測定し、照射後の衝撃強さの低
下の程度を知ることにより、耐衝撃性と耐候性を
同時に評価した。 成形品外観にいつては試験片を目視で判定する
ことにより行ない、◎〜光沢があり極めて良好、
○〜良好、×〜光沢が損なわれ不良を判定基準と
した。 また、下記第1表および第2表中の略記号の内
容は次のとおりである。 ST:スチレン AN:アクリロニトリル MMA:メタクリル酸メチル TGA:チオグリコール酸 β−TPA:β−チオプロピオン酸 β−TBA:β−チオ酪酸 パーロイルSA:過酸化サクシン酸 E:エチレン P:プロピレン D:非共役ジエン GMA:メタクリル酸グリシジル VA:酢酸ビニル SDBS:ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム SSIL:3、5−ジカルボキシベンゼンスルホン
酸ナトリウム LSN:ラウリル硫酸ナトリウム PSEA:エチレンビスステアリルアミド
【表】
【表】 第1表の結果から明らかなように、本発明の熱
可塑性樹脂組成物(実施例1〜6)は耐衝撃性お
よび引張特性が極めてすぐれ、かつ耐候性および
成形品外観をも均衡して満足するものである。 一方、分子中にカルボキシル基を有する連鎖移
動剤および/または開始剤の不存在で重合したビ
ニル系重合体をベースとする場合(比較例1)や
変性ビニル重合体にエポキシ基を含有しないポリ
エチレンを配合する場合(比較例2)および変性
ポリエチレン(B)と重合体(C)の合計量において(B)の
割合が20%以下の場合(比較例3)は重合体同志
の親和性が悪いため、耐衝撃性が極めて小さい組
成物しか得られない。また、変性ポリエチレン(B)
と重合体(C)の合計配合量が1.0重量部以下(比較
例3)では十分な耐衝撃性が得られず、50重量部
以上(比較例4)では組成物の引張特性の低下が
著しくなるため好ましくない。 更に、分子中にカルボキシル基を有する連鎖移
動剤および/または開始剤の量を10重量部以上使
用した変性ビニル重合体(A)の場合(比較例6)は
変性ビニル重合体の重合度が低下し十分な衝撃強
度を発揮しないばかりか、成形品の外観も極めて
悪化し、好ましくない。 実施例7〜12および比較例7〜9 第2表に示した変性ビニル系共重合体(A)、変性
ポリエチレン(B)、重合体(C)ビニル系重合体(D)およ
び添加剤をそれぞれ第2表の割合にし、まず重合
体(A)と重合体(D)および重合体(C)を混合し、220℃
に設定したスクリユー押出機により溶融混練ペレ
タイズした。さらにこの混合物と重合体(B)および
添加剤を混合し、220℃に設定したスクリユー押
出機により溶融混練ペレタイズした。 各ペレツトから射出成形により試験片を成形
し、その機械的性質、耐候性および形品外観を評
価した結果を第2表に示す。
【表】
【表】 第2表の結果から明らかなように、本発明にお
ける変性ビニル系重合体(A)と変性ポリエチレン(B)
およびビニル重合体(D)の三成分系熱可塑性樹脂組
成物(実施例7)および上記組成物に重合体(C)を
加えた四成分系熱可塑性樹脂組成物(実施例8〜
12)もまた耐衝撃性に代表される機械的性質、耐
候性および成形品外観を均衡に満足した成形品を
与える。 一方、変性ビニル重合体(A)において分子中にカ
ルボキシル基を有する連鎖移動剤および/または
開始剤の添加量が0.01重量部以下(比較例7)お
よび10重量部以上(比較例8)の場合は重合体同
志の親和性が向上せず、十分な耐衝撃性が得られ
ない。 また、変性ポリエチレン(B)と重合体(C)との合計
量において、重合体(B)が20重量%以下(比較例
9)の場合においても重合体同志の親和性が向上
ぜず、十分な耐衝撃性の組成物を得ることができ
ない。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 (A)分子中にカルボキシル基を有する連鎖移動
    剤および/または開始剤の存在下で芳香族ビニル
    系モノマ、シアン化ビニル系モノマおよび(メ
    タ)アクリル酸エステル系モノマよりなる群から
    選ばれた少なくとも1種のビニルモノマを重合し
    てなる変性ビニル系重合体、(B)エチレンに対し
    α、β−不飽和カルボン酸グリシジルエステルの
    少なくとも1種を0.5〜30重量%共重合してなる
    変性ポリエチレン、(C)ポリエチレンおよび/また
    はエチレンに対し共重合可能な他のビニルモノマ
    (ただし、α、β−不飽和カルボン酸グリシジル
    エステルは除く)を共重合してなるエチレン共重
    合体および(D)芳香族ビニル系モノマ、シアン化ビ
    ニル系モノマおよび(メタ)アクリル酸エステル
    系モノマよりなる群から選ばれた少なくとも1種
    のビニルモノマからなるビニル系重合体を、(A)が
    1〜99重量部、(B)+(C)が1〜50重量部、(D)が0〜
    98重量部(合計100重量部)で、かつ(B)/(B)+(C)
    が20重量%以上となる割合で配合したことを特徴
    とする熱可塑性樹脂組成物。
JP6092282A 1982-04-14 1982-04-14 熱可塑性樹脂組成物 Granted JPS58179251A (ja)

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NL1017503C2 (nl) * 2001-03-06 2002-09-09 Dsm Nv Ketenvertakkingsmiddel en polyamidesamenstelling die dit bevat.

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