JPH0354057Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、クーラーボツクスやウオータジヤグ
等の断熱層を有する保温容器に関する。

〔従来の技術〕

底部近傍に自然落下式の排水口を有するクーラ
ーボツクスやウオータジヤグでは、排水を容易に
するため、本体の上部開口部を覆う蓋あるいは蓋
に設けられる栓等に大気連通流路を形成してい
る。

〔考案が解決しようとする問題点〕

この大気連通流路は、排水を容易に行なえるよ
うにある程度の径で形成されているので、容器の
転倒時等に、収容された液体が大気連通流路から
漏出することがあり、また、ホコリ、ゴミ等が内
部に侵入する恐れがある。さらには断熱性の問題
で保温上好ましくなかつた。

そこで本考案は、容器の転倒時に収容された液
体の漏出をなくし、かつ、容器内にホコリ、ゴミ
等の侵入を低減するとともに保温性を劣化せしめ
ることのない大気連通流路を有する保温容器を提
供することを目的としている。

〔問題点を解決するための手段〕

上記目的達成のため本考案は、断熱性を有する
本体の底部近傍に排水口を備え、該本体の上部開
口部を覆う断熱性蓋を有する保温容器において、
前記蓋に、本体内に開口し、かつ、該開口内壁に
複数の突起リブを有する大径流路と、該大径流路
にＬ字状に連通して端部が蓋の上外面で外気に開
口した小径流路とからなる大気連通流路を形成す
るとともに、該大気連通流路の前記突起リブ上に
大径流路径よりは小径で小径流路径よりは大径の
球体を配設したことを特徴としている。

〔実施例〕

以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説明
する。

保温容器１の本体２は、内容器３と外容器４と
の間に断熱層５を有し、本体２の底部近傍には、
内容器３内より排水口６が断熱層５を貫通して設
けられており、排水口６には、止水栓７が取付け
られ、該止水栓７に排水操作レバー８が設けられ
ている。

また、本体２の上部には、断熱層９を有する蓋
１０が着脱可能に装着され、この蓋１０は、本体
２内に液体を注入する栓１１が螺着されている。

蓋１０はパツキン１２を介して本体２内を密閉
し、また、栓１１は栓パツキン１３にて本体２内
を密閉している。

栓１１は、栓上部体１４と、この栓上部体１４
に嵌着される栓下部体１５との間に断熱層１６を
配して形成されており、栓下部体１５の外周に設
けたねじ部１７により蓋１０に螺着されている。

また、栓１１には、本体２の内容器３内と外部
とを連通する大気連通流路１８が設けられてい
る。この大気連通流路１８は、栓下部体１５に形
成されて内容器３内に開口する大径流路１８ａ
と、該大径流路１８ａに連通し、Ｌ字状に屈曲し
てその端部を栓上部体１４の側方に開口する小径
流路１８ｂとからなり、該小径流路１８ｂは蓋１
０と栓１１の隙間を介して蓋１０の上外面で外気
に連通しており、また栓下部体１５の形成された
大径流路１８ａにステンレス等の金属製の球体１
９が配設されている。

この球体１９は、大径流路１８ａの径よりやや
小径で、前記小径流路１８ｂの径よりは大径で大
径流路１８ａ内を上下に移動できる。そして、大
径流路１８ａ下部の内容器３への開口内壁には、
球体１９が下方へ抜け落ちるのを規制するための
複数の突起リブ１８ｃが設けられている。

一方、小径流路１８ｂの大径流路１８ａとの連
結部は、球体１９を受けとめるようラツパ状拡径
部１８ｄを形成している。

以上の構造は、栓下部体１５と栓上部体１４と
の間に断熱層１６を狭着して、これらを嵌合する
ときに同時に大径流路１８ａに球体１９を配して
挟み込むことによつて、容易に大気連通流路１８
を形成することができる。

このように構成することにより、容器１を立て
た通常の使用状態で排水操作レバー８を操作して
本体２内の液体を排水口６から排水すると、大気
連通流路１８内の球体１９がその自重でリブ１８
ｃ上にあるので、大気連通流路１８は大気と連通
した開状態となり、本体２の内容器３内が減圧に
ならず、排水容易に行なえる。

そして、容器１が転倒した場合には、球体１９
は、第２図に二点鎖線で示されるように、小径流
路１８ｂ側へ移動し、内容器３内の液体の圧力で
小径流路１８ｂのラツパ状拡径部１８ｄに密着し
て受けとめられ、小径流路１８ｂを塞ぎ、液体が
漏出することを防止する。

また、大気連通流路１８の外気との開口側は、
栓１１の側面に開口した横方向流路を形成し、つ
いで蓋１０と栓１１との隙間を経て狭いＬ字状の
小径流路１８ｂを形成して外気に開口することか
ら、大気連通流路１８からごみやホコリの侵入す
る虞れがないとともに熱の逃散が低減される。

尚、上記実施例では、蓋に螺着される栓に大気
連通流路を形成したもので説明したが、蓋に直接
大気連通流路を形成しても同様の効果を得ること
ができる。

〔考案の効果〕

本考案は以上のように、底部近傍に排水口を有
する保温容器の蓋に逆止弁を備えた大気連通流路
を形成したので、容器が転倒しても収容された液
体が漏出することがなく、また、大気連通流路に
横方向流路を有する細いＬ字状の小径流路を配し
たので、容器内にゴミやホコリ等が侵入しにくい
とともに保温性を劣化せしめることがない。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の一実施例を示すもので、第１図は
保温容器の半断面正面図、第２図は蓋に設けられ
る栓の断面図である。 １……保温容器、２……本体、３……内容器、
４……外容器、５，９，１６……断熱層、６……
排水口、７……止水栓、８……排水操作レバー、
１０……蓋、１１……栓、１４……栓上部体、１
５……栓下部体、１８……大気連通流路、１８ａ
……大径流路、１８ｂ……小径流路、１８ｃ……
突起リブ、１８ｄ……ラツパ状拡径部、１９……
球体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 断熱性を有する本体の底部近傍に排水口を備
   え、該本体の上部開口部を覆う断熱性蓋を有する
   保温容器において、前記蓋に、本体内に開口し、
   かつ該開口内壁に複数の突起リブを有する大径流
   路と、該大径流路にＬ字状に連通して端部が蓋の
   上外面で外気に開口した小径流路とからなる大気
   連通流路を形成するとともに、該大気連通流路の
   前記突起リブ上に大径流路径よりは小径で小径流
   路径よりは大径の球体を配設したことを特徴とす
   る保温容器。