JPH035365Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、ドリル、エンドミル等の回転切削工
具を把持するチヤツクに関する。

（従来の技術） 自動切削装置にあつては、切削工具を把持した
チヤツクをスピンドル装置の主軸に取付け、スピ
ンドル装置の回転駆動力を切削工具に伝えるよう
にしている。

このチヤツクの構造は第９図に示すように、チ
ヤツク本体１００の先部に外周面が先細の円錐面
をなすスリーブ１０１を形成し、このスリーブ１
０１の外側にニードルベアリング１０２を介して
内周面がスリーブ１０１外周面と平行な内円錐面
をなす回転筒１０３を挿嵌し、ニードルベアリン
グ１０２の軸をチヤツク本体１００の軸線に対し
て傾斜せしめ、回転筒１０３を廻すことで回転筒
１０３を軸方向に移動させ、この移動でスリーブ
１０１外周面を押圧し、スリーブ１０１の内径を
縮径せしめ、スリーブ１０１内に挿入した切削工
具１０４の基部１０５を強固に把持するようにし
ている。

そして、切削工具１０４の基部１０５をスリー
ブ１０１内に挿入するにあたり、挿入量が深過ぎ
たり浅過ぎたりしないように、チヤツク本体１０
０内にストツパネジ１０６を設け、このストツパ
ネジ１０６を廻すことで工具１０４の挿入量を調
節している。

（考案が解決しようとする問題点） 上述した従来のチヤツクにあつては、工具のチ
ヤツクへの挿入量を調節するには、一旦工具をス
リーブから引き抜いた後、ストツパネジを廻さな
ければならず面倒である。

また、ストツパネジを廻してもどれだけ調節し
たか確認することができず、勘に頼るしかなかつ
た。

（問題点を解決するための手段） 上記問題点を解決すべく本考案に係るチヤツク
は、外周部に雄ネジ部を刻設したストツパネジを
チヤツク本体内にその回転を規制しつつ軸方向に
螺進可能に挿入し、このストツパネジと螺合する
雌ネジを内周面に刻設した中間歯車と噛合う駆動
歯車を先端に固着した上記ストツパネジを螺進せ
しめる調節ロツドをチヤツク本体内に回転自在に
設けるとともに、この調節ロツドの頭部をチヤツ
ク本体の外周面に露出せしめ、更に調節ロツドの
頭部表面には該調節ロツドの回転量を目視するた
めの目印を付したものである。

（作用） 上記構成の本考案によれば、調節ロツドを回す
とこの先端に固着した駆動歯車を介して中間歯車
が回転する。すると、この中間歯車に設けた雌ネ
ジに螺合するストツパネジは、その回転が規制さ
れているため軸方向に螺進する。この時、調節ロ
ツドの頭部表面には、この回転量を目視するため
の目印が付されているため、この回転量を目視す
ることによつてストツパネジの突出量を目視する
ことができる。

（実施例） 以下に本考案の実施例を添付図面に基いて説明
する。

第１図は本考案の第１実施例に係るチヤツクの
一部を破断した側面図、第２図は第１図のＡ−Ａ
線断面図、第３図は第１図のＢ方向矢視図、第４
図は調節ロツド頭部の平面図であり、チヤツク本
体１の基部はスピンドルの主軸内に差込まれるテ
ーパ部２となつており、このテーパ部２内にはプ
ルスタツドが取付けられる孔３が形成され、また
チヤツク本体１の先部には外周面が先細の円錐面
をなすスリーブ４が一体的に形成されている。

スリーブ４の外側にはリテーナ５に保持された
ニードルベアリング６……６を介して回転筒７が
回転自在に挿嵌されている。この回転筒７の内周
面スリーブ４の外周面と平行な内円錐面をなし、
外周面には回転治具が係止する凹部８が形成され
ている。また、ニードルベアリング６……６の軸
はチヤツク本体の軸に対し傾斜しており、回転筒
７を一方向に廻すことで回転筒７が軸方向に移動
し、この移動でスリーブ４の外周面を押圧し、ス
リーブ４内径を縮径してスリーブ４内に挿入した
切削工具を把持するようにしている。

また、チヤツク本体１内にはストツパネジ９が
設けられている。このストツパネジ９の外周面に
は雄ネジ部が刻設され、更に後部には軸方向にキ
ー溝１０が形成され、このキー溝１０にチヤツク
本体１に螺着したキー１１が係合し、ストツパネ
ジ９の回転を規制するとともに軸方向の移動を許
容している。

更に、チヤツク本体１には径方向に調節ロツド
１２を挿入している。この調節ロツド１２はチヤ
ツク本体１内に回転自在に保持され、且つ小径部
にピン１３を係合することで抜け止めとしてい
る。そして調節ロツド１２にはウオーム１４が一
体的に設けられ、このウオーム１４はスリーブ４
内のウオームホイール１５に螺合している。ウオ
ームホイール１５はスペーサ１６及びガタ防止用
のスナツプリング１７を介してスリーブ４内に回
転自在に設けられるとともに、内周面に刻設した
雌ネジ部が前記ストツパネジ９の雄ネジ部に螺合
している。

また、調節ロツド１２の頭部上面はチヤツク本
体１の外周面に露出するとともに、第４図に示す
ように周方向に等間隔で切込み１８……１８を形
成し、調節ロツド１２の回転量をこの切込みとチ
ヤツク本体１に形成した指標１９との位置関係で
知り得るようにしている。

以上において、調節ロツド１２を廻すと、調節
ロツド１２の回転がウオームホイール１５に伝達
しウオームホイール１５が回転する。そして、ウ
オームホイール１５はストツパネジ９に螺合して
いるため、ストツパネジ９も回転しようとする
が、ストツパネジ９はキー溝１０とキーとの嵌合
により回転せず、その代り軸方向に進退し、スリ
ーブ４内への突出量が調節される。

第５図乃至第８図は第２実施例を示す図であ
り、このうち第５図は第１図と同様に側面図、第
６図は第５図のＬ方向矢視図、第７図は第５図の
Ｄ−Ｄ線断面図、第７図は調節ロツド頭部の平面
図であり、第１実施例と同一の部材については同
一の番号を付している。即ち、この実施例ではチ
ヤツク本体１内に抜け止めピン１３を介して回転
自在に設けた調節ロツド２２の一部にヘリカルギ
ヤ２３を一体的に設け、このヘリカルギヤ２３を
ストツパネジ９に螺合するヘリカルギヤ２４に螺
合せしめ、チヤツク本体１の外周面に露出する調
節ロツド２２の頭部を六角ナツト等で廻すことで
ストツパネジ９がスリーブ４内に進退動をなすよ
うにしている。

（考案の効果） 以上詳述した如く本考案によれば、切削工具を
スリーブ内に装着したままの状態で、外部に露出
させた頭部を介して調節ロツドを回すといつた簡
単な作業で、ストツパネジを軸心に沿つて前進ま
たは後退させることができる。

しかも、調節ロツドの頭部表面に付した目印を
介してこの回転量、ひいてはストツパネジの突出
量を目視して調節することができ、これによつて
従来の如くストツパネのスリーブ内への突出量を
勘によつて推測することなく、正確に知ることが
できるといつた効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は第１実施例に係るチヤツクの一部破断
側面図、第２図は第１図のＡ−Ａ線断面図、第３
図は第１図のＢ方向矢視図、第４図は調節ロツド
頭部の平面図、第５図は第２実施例に係るチヤツ
クの一部破断側面図、第６図は第５図のＬ方向矢
視図、第７図は第５図のＤ−Ｄ線断面図、第８図
は調節ロツド頭部の平面図、第９図は従来のチヤ
ツクの断面図である。 １……チヤツク本体、４……スリーブ、６……
ニードルベアリング、７……回転筒、９……スト
ツパネジ、１０……キー溝、１１……キー、１
２，２２……調節ロツド、１４……ウオーム、１
５……ウオームホイール、２３，２４……ヘリカ
ルギヤ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 外周部に雄ネジ部を刻設したストツパネジをチ
   ヤツク本体内にその回転を規制しつつ軸方向に螺
   進可能に挿入し、このストツパネジと螺合する雌
   ネジを内周面に刻設した中間歯車と噛合う駆動歯
   車を先端に固着した上記ストツパネジを螺進せし
   める調節ロツドをチヤツク本体内に回転自在に設
   けるとともに、この調節ロツドの頭部をチヤツク
   本体の外周面に露出せしめ、更に調節ロツドの頭
   部表面に該調節ロツドの回転量を目視するための
   目印を付したことを特徴とするチヤツク。