JPH0353078A

JPH0353078A - 耐食性に優れた絶縁皮膜を電磁鋼板の表面に形成する方法

Info

Publication number: JPH0353078A
Application number: JP18631289A
Authority: JP
Inventors: Tsutomu Watanabe; 勉渡辺; Masaaki Yamashita; 正明山下; Akihiko Furuta; 彰彦古田; Yasuhiro Shigeta; 康弘重田; Takatoshi Ono; 小野　隆俊
Original assignee: NKK Corp; Nippon Kokan Ltd
Current assignee: JFE Engineering Corp
Priority date: 1989-07-19
Filing date: 1989-07-19
Publication date: 1991-03-07
Anticipated expiration: 2012-12-17
Also published as: JP2692279B2

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】［産業上の利用分野］この発明は．耐食性に優れた總縁皮膜を電磁鋼板の表面
レこ形戒する方法に関するものである。

［従来の技術］電磁鋼板は，モータやトランス等の電気機器用鉄心材と
して使用されている．電気機器用鉄心は，絶縁皮膜が形
成された電磁鋼板を所望の形状に打抜き、次いで．所望
形状の電磁鋼板を積層し，その側面を溶接することによ
って組み立てられる。

また，場合によっては，打抜いた後の電磁鋼板に，加工
歪を除去して磁気特性を向上させるために、歪取り焼鈍
を施こす。

従って、電磁鋼板の表面に形成される皮膜は，優れた電
気絶縁性を有することは勿論、優れた打抜性，溶接性．
耐食性等を有していることが必要である。

従来から、これ等の特性の向上を図るために、種々の提
案がなされている。特に、打抜性に関しては、重クロム
酸塩および有機樹脂を主成分とする処理液によって絶縁
皮膜（以下、単に皮膜という）を形成して、打抜性の向
上を図るという提案がなされている。

しかしながら、上記処理液によって皮膜が形成された電
磁鋼板は、優れた打抜性を有するものの、前記皮膜は、
歪取り焼鈍後の耐食性に劣るという問題があった．そこで、この問題を解決するために、特開昭５９−１１
６３８２号公報には、上記処理液中に所定量のりん酸塩
を添加することが開示されている。以下、先行技術とい
う。

［発明が解決しようとする課題］ところが，上記先行技術は、次のような問題を有してい
る．即ち、本発明者らの実験結果によれば皮膜の焼付け
温度を高くしないと皮膜の吸湿性が高くなって、歪取り
焼鈍前の耐食性が劣化する。

なお、焼付け温度を高くすると、有機成分が熱分解して
皮膜の密着性が低下する．従って、この発明の目的は，優れた打抜性および密着性
を有していることは勿論、歪取り焼鈍前後の耐食性に優
れた絶縁皮膜を電磁鋼板の表面に形成する方法を提供す
ることにある。

［課題を解決するための手段］本願発明者等は、優れた打抜性および密着性を有してい
ることは勿論、歪取り焼鈍前後の耐食性に優れた絶縁皮
膜を電磁鋼板の表面に形成することができる方法を開発
すべく、鋭意研究を重ねた。

その結果、皮膜の耐食性は、皮膜の緻密性に左右される
こと、そして、クロム酸の還元剤として、ポリエチレン
グリコールと、コハク酸および／またはアジピン酸とか
らなるものを使用すれば、クロム酸の還元過程で発生す
る反応ガス量が少なく，この結果、皮膜が緻密になって
、耐食性が向上するといった知見を得た。

この発明は、上述した知見に基づいてなされたものであ
って，無水クロム酸および重クロム酸塩の少なくとも一
種と、２価または３価の金属の酸化物、水酸化物または
炭酸塩とが主成分として含まれている無機系水溶液に、
前記水溶液中のＣｒ○，換算量１００重量部に対して、
１５から３０重量部のボリエチレングリコール、および
、５から２０重量部のコハク酸および／またはアジピン
酸からなる還元剤と、固形分として５から１００重量部
の相溶性のある有機樹脂とが添加されているものからな
る処理液を、電磁鋼板の表面に塗布し、次いで、焼付け
ることに特徴を有するものである．次に、この発明において、還元剤の或分範囲の限定理由
について説明する。

この発明の処理液中に含まれる還元剤は、ポリエチレン
グリコールと、コハク酸および／またはアジピン酸とか
らなるが、それらの配合割合およびクロム酸の還元作用
は複雑な関係を示し、たとえば、コハク酸および／また
はアジピン酸の配合量を、ポリエチレングリコールと同
量かそれ以下にした場合、その配合量に見合うクロム酸
の還元作用は得られず、ポリエチレングリコールの添加
量によってクロム酸の還元力が決まるといった現象が認
められた。

そこで、皮膜の耐食性の向上と、クロム酸の還元に適正
なポリエチレングリコールとコハク酸との配合割合を、
以下のようにして調べた。

Ｑ　．　３　ｗｔ．％のＳｉを含有した電磁鋼板の表面
に、ポリエチレングリコールとコハク酸との配合割合が
異なる種々の処理液を塗布し，４００℃の温度で８０秒
間焼付け処理を施こして、電磁鋼板の表面に１．５ｇ／
ｒｒｒの量の皮膜を形成した。そして，このようにして
皮膜を形成した電磁鋼板を５０℃の温度で９５％以上の
湿度を有する槽内に１０日間放置し、発錆面積とＣｒ’
＋の溶出による皮膜の変色の有無について調べた．この
結果を第１図に示す。

なお，上記処理液は、下記或分からなっている。

（１）無水クロム酸：１００重量部、（２）酸化マグネシウム　　　　：３０重量部、（３）ポリエチレングリコール　：Ｏから３５重量部、（４）コハク酸　　：Ｏから２５重量部、（５）アクリ
ル系樹脂エマルジョン（固形分として）　　　：３０重量部、（６）　　　　水　　　：　１０００重量部。

第ｌ図において、各印は、以下の意味を示す。

◎印：錆が全くない，０印：錆の面積が５％未満， ×印：錆の面積が５％以上、 Δ印：皮膜からＣｒ”＋が溶出して変色。

また，第ｌ図において（　）は、処理液を、４０℃の温
度に保持された恒温槽内に静置したところ、５日未満で
、変色あるいは沈澱物が生じたことを示す。

第ｌ図から明らかなように、還元剤として、１５から３
０重量部のボリエチレングリコールおよび５から２０重
量部のコハク酸からなるものを使用すれば、皮膜の耐食
性が向上することがわかる。

ボリエチレングリコールにアジピン酸を配合したもの，
および，ポリエチレングリコールにコハク酸とアジピン
酸とを配合したものを還元剤として使用した場合にも、
第１図とほぼ同様な結果が得られた。

従って、この発明においては、還元剤として、１５から
３０重量部のポリエチレングリコール、および、５から
２０重量部のコハク酸および／またはアジピン酸からな
るものを使用する。

この発明においては、アクリル系、酢ビ系、スチレン系
、フェノール系等のエマルジョン樹脂および水溶性樹脂
の少なくとも１種を、有機樹脂として使用する。

有機樹脂の添加量が５重量部未満では、打抜性が低下し
５一方．１００重量部を超えると耐熱性が低下する。従
って，有機樹脂の添加量は、固形分として、５から１０
０重量部に限定した。

次に、この発明を実施例により更に説明する。

失Δ銖よ０　，　３　ｗｔＪのＳｉを含有する電ａ鋼板の表面に
、下記或分からなる処理液を塗布し、４００℃の温度で
８０秒間焼付け処理を施こして、電磁鋼板の表面に１．
Ｏｆ／ｒｒｒの量の皮膜を形成した。

（１）重クロム酸マグネシウム　：１００重量部、（２）無水クロム酸：１７重量部、（３）酸化カルシウム　　　　　：１５重量部、（４）ポリエチレングリコール　：２５重量部、（５）コハダ酸　　：１５重量部，（６）アクリル系樹脂エマルジョン（固形分として）　　　：３０重量部、（７）　　　　水　　：　ｉｏｏｏ重量部。

Ｘ厳社え０　．　３　ｗｔ．％のＳｉを含有する電磁鋼板の表面
に、下記成分からなる処理液を塗布し、４６０℃の温度
で１００秒間焼付け処理を施こして、電磁鋼板の表面に
２．５ｋｇ／ｒｄの量の皮膜を形成した。

（１）無水クロム酸：１００重量部、（２）酸化マグネシウム　　　　：３０重量部、（３）ポリエチレングリコール　：２２重量部、（４）アジピン酸　：１ｌ重量部、（５）水溶性フエノール系樹脂（固形分として）：４５重量部、（６）　　　水　　　：　１０００重量部。

失意量主０．３ｗｔ．％のＳｉを含有する電磁鋼板の表面に、下
記成分からなる処理液を塗布し、４００℃の温度で８０
秒間焼付け処理を施こして，電磁鋼板の表面に１．５ｇ
／ｒｒｒの量の皮膜を形成した。

（１）無水クロム酸：１００重量部、（２）酸化マグネシウム　　　　：３０重量部、（３）ホウ酸　　　＝２５重量部、（４）ポリエチレングリコール　：２２重量部、（５）コハダ酸　　：１１重量部、（６）アクリル系樹脂−フエノール系樹脂混合エマルジョン（固形分として）　　　　　：３５重量部、（７）　　　水　　　：　１０００重量部．夫笈鮭土Ｑ，３ｗｔ．％のＳｉを含有する電磁鋼板の表面に、下
記成分からなる処理液を塗布し、４６０℃の温度で８０
秒間焼付け処理を施こして，電磁鋼板の表面に１．５ｇ
／ｒｒｉの量の皮膜を形成した。

（１）重クロム酸マグネシウム　：１００重量部、（２）無水クロム酸＝１７重量部、（３）ホウ酸　　　：２０重量部、（４）第１リン酸マグネシウム　：２５重量部、（５）ポリエチレングリコール　：２５重量部，（６）コハク酸　　＝１５重量部、（７）アクリル系樹脂一フエノール系樹脂混合エマルジョン：（固形分として）　　　　　４２重量部、（８）　　　　水　　　：１０００重量部。

次に，比較例について説明する。

裏校園よ０．３ｗｔ．％のＳｉを含有する電磁鋼板の表面に、下
記成分からなる処理液を塗布し、４００’Ｃの温度で８
０秒間焼付け処理を施こして、電ｒＪ！ｉ鋼板の表面に
、１．０ｇ／ｒｎ’の量の皮膜を形成した。

（１）重クロム酸マグネシウム　：１００重量部、（２）無水クロム酸：１７重量部、（３）酸化カルシウム　　　　　：１５重量部、（４）エチレングリコール　　　：２５重量部、（５）アクリル系樹脂エマルジョン（固形分として）　　　：３０重量部、（６）　　　水　　　：１０００重量部。

生笠鼻主０．３υｔ．％のＳｉを含有する電磁鋼板の表面に、下
記成分からなる処理液を塗布し、４６０℃の温度で８０
秒間焼付け処理を施こして、電磁鋼板の表面に１．５ｇ
ｌｒｄの量の皮膜を形成した。

（１）重クロム酸マグネシウム　：　１００重量部、（２）無水クロム酸＝１７重量部、（３）ホウ酸　　　：２０重量部、（４）第１リン酸マグネシウム　：３５重量部、（５）エチレングリコール　　　：２５重量部、（６）アクリル系樹脂一フエノール系樹脂混合エマルジョン（固形分として）：４２重量部、（７）　　　　水　　　：　１０００重量部。

このようにして皮膜を形威した１ｔ磁鋼板の、層間抵抗
、密着性、打抜性、耐食性、歪取り焼鈍後の耐食性、歪
取り焼鈍後の耐フレオン性を，下記試験条件に従って調
べた。この結果を第ｌ表に示す。

（１）層間抵抗　：　Ｊ　Ｉ　Ｓ　Ｃ２５５０　　第２
法。

（２）密着性　：試験片を１８０゜曲げ、皮膜が剥離し
ない最小曲げ径。

二下記条件下で、打抜油を使用して連続打抜きしたときの、ブランクのかえり高さが５０μｍに達するまでの打抜き回数。

打抜形状：　１　０　＋ｍ＋φ丸型、（３）打抜性金型材質：ＳＫＤ１１。

（４）耐食性　：温度５０℃，湿度９５％以上の湿潤槽
内に試験片を１０日間放置したときの発錆面積。

（５）歪取り焼鈍二Ｎ２雰囲気中で、７５０℃，２時間
焼鈍。

（６）歪取り焼鈍後の耐食性　：（７）歪取り焼鈍後の耐フレオン性　　：温度５０℃、湿度８０％の恒温恒湿試験槽内に試験片を２０日間放置したときの発錆面積。

下記条件下で、オートクレープ試験後の皮膜の重量変化と冷凍機油の外観変化。

冷媒／冷凍機油：フロン２２／スニ試験条件８／１：オートクレープ、１５０ ℃×５３ａｔｎ＋，　１０日間。

第１表から明らかなように、この発明の方法によって形
成された皮膜は、密着性、打抜性に優れていることは勿
論、歪取り焼鈍前後の耐食性および歪取り焼鈍後の耐フ
レオン性に優れていることがわかる。

［発明の効果］以上説明したように、この発明によれば、耐食性に優れ
た絶縁皮膜を電磁鋼板の表面に形成することができると
いった有用な効果がもたらされる

【図面の簡単な説明】

第ｌ図は、ポリエチレングリコールとコハダ酸との適正
混合割合を示すグラフである。

Claims

【特許請求の範囲】

１　無水クロム酸および重クロム酸塩の少なくとも一種
と、２価または３価の金属の酸化物、水酸化物または炭
酸塩とが主成分として含まれている無機系水溶液に、前
記水溶液中のＣｒＯ＿３換算量１００重量部に対して、
１５から３０重量部のポリエチレングリコール、および
、５から２０重量部のコハク酸および／またはアジピン
酸からなる還元剤と、固形分として５から１００重量部
の相溶性のある有機樹脂とが添加されているものからな
る処理液を、電磁鋼板の表面に塗布し、次いで、焼付け
ることを特徴とする、耐食性に優れた絶縁皮膜を電磁鋼
板の表面に形成する方法。