JPH0352634Y2 - - Google Patents

Description

請求の範囲 主船室及びこれの外部に取付けられたゴムチユ
ーブからなる組立式ボートにおいて、前記主船室
はその底面、両側面及び後面が剛性材料で一体に
形成された主船室からなり、前記主船体の両側面
の上、下縁に長手方向に各１個の溝を設け、前記
ゴムチユーブは前記主船体の両側面とほぼ同じ高
さに設けられ、その内側面の前記主船体の両側面
の上、下縁に設けられた溝の位置に対応した位置
に組立ステムを設け、これら前記各溝と前記組立
ステムを係合させることにより前記主船体と前記
ゴムチユーブとを一体化させるようにしたことを
特徴とする組立式ボート。

技術分野 この発明は、合成樹脂の主船体と、この主船体
に係合したＵ形のゴムチユーブとを有する組立式
ゴムボートに関する。このようなボートには船外
モータを搭載することができる。

背景技術 在来のゴムボートは、角の尖つた物によつて簡
単に穴をあけられてこのボートを浸水させてしま
うゴム材料製の底を有している。さらに、乗員の
バランスを維持するのに別体の剛性床材を前記ゴ
ム製の底の上に敷かなければならない。

剛性床材を使用しないで前記ゴムチユーブを十
分に膨張させていない場合には、在来のゴムボー
トは中央で屈曲しやすく、沈没の危険が生じる。

発明の開示 本発明は、既知のゴムボートの上述の欠点を克
服することを目的とする。このボートの各部品は
組み立て式となつているので、このボートは運搬
及び保管を簡便とすべく容易に組立／分解するこ
とができる。また、このボートの主船体部分は剛
性の合成樹脂製であるので、穴のあく危険、ひい
ては浸水の危険が在来のゴムボートに比して著し
く減少するし、剛性の床材をボートの底に敷く必
要がない。

さらに、本発明のゴムボートは、大気に触れる
Ｕ形構成の外チユーブとこの外チユーブの両方の
脚部分に内蔵された棒型の補助内チユーブとから
なる二重構造のゴムチユーブを具備している。従
つて、この外チユーブに穴があいて完全にしぼん
でしまつても、このボートは前記主船体及び前記
内チユーブの浮力によつて沈むことがないので、
在来のゴムボートよりもそれだけ高レベルの乗員
の安全性を提供することになる。

【図面の簡単な説明】

ここで本発明を、例としてのみ、添付図面を参
照して、説明する。添付図面において、第１図は
本発明による組立式ゴムボートの分解斜視図であ
り、第２図は第１図の全部品を完全に組立てたと
ころを示す斜視図であり、第３図は第２図のＡ−
Ａ線でとつた鉛直断面図であり、第４図は第２図
のゴムボートの平面図であり、第５図は本発明に
よるゴムチユーブを示しており、第６図は第２図
のゴムボートの後面図であり、第７図は第４図の
Ｂ−Ｂ線でとつた横断面図であり、第８図は第７
図からとつた係合した主要部の拡大断面図であ
り、第９図はゴムチユーブに固定された鉤が主船
体の後板に係止されたところを示す拡大部分断面
図である。 好ましい実施例の詳細な説明 第１図を参照すると、本発明のゴムボートは主
船体１及びＵ形ゴムチユーブ７からなる。 主船体１は補強合成樹脂製で、軽量かつ剛性で
耐衝撃性である。主船体１の両側の上、下縁に
は、第１図及び第７図に示すように、４個の溝
２，３が主船体１の長手方向にそれぞれ設けられ
ている。第３図及び第６図において、船外モータ
（図示せず）を搭載するための厚肉部分５が主船
体１の後面に形成されている。さらに、第１図に
見られるように主船体１の上部周辺にフランジ４
が設けられている。 Ｕ形のゴムチユーブ７には４本の組立ステム９
が上述の溝２，３の位置に対応した位置に支持パ
ツド８によつて取付けられている。このステム９
はそれぞれ溝２，３と係合するようにされてい
る。支持パツド８及び組立ステム９はゴムチユー
ブ７のゴム材料と類似のものから作ることができ
る。第５図を参照すると、Ｕ形チユーブ７の踵に
隣接する両脚部分の対向面に、２個の鉤１５が補
強ベース１２を介して固定されている。さらに、
各補強ベース１２にはダイアフラム１４（点線で
示す）の一端が埋設されるとともに、ダイアフラ
ム１４の他端は前記脚部分の外側面に固定され
て、前記鉤１５が引張られるときに補強ベース１
２の周辺部分が膨張しすぎないように制限してい
る。第９図に示すように、鉤１５は、船外モータ
の搭載用の厚肉後部５に形成された凹部６に係止
される。 Ｕ形チユーブ７の脚部分には、第５図で点線の
円で示される補助内チユーブ１０がそれぞれ内蔵
されている。第７図では、この補助チユーブ１０
がチユーブ７に内接して示されている。 補強片１３がＵ形チユーブ７の全外側面に取付
けられ、また、チユーブ７の踵は保護キヤツプ１
１で覆われている。参照番号１６Ａ，１６Ｂはチ
ユーブ７の空気注入口を指し、また、参照番号１
７は、主船体１の前方曲面と適合する曲率を持つ
フランジ付き基部１８（第１図）を備えた風防を
指している。 本発明によるゴムボートの組立手順をここで説
明する。 まず、主船体１をチユーブ７と組付けるため
に、主船体１の頭部をふくらませていないチユー
ブ７の後側に置き、そして、チユーブ７の両脚部
分に形成された組立システム９のそれぞれの端部
を主船体１の対応する溝２，３に挿入する。次い
で、チユーブ７を主船体１の長手方向に平行に引
張つて、組立ステム９を前記溝２，３に第８図に
示すように係合させる。 さらに、風防１７のフランジ付き基部１８をチ
ユーブ７及び主船体１の対向する端部の間に設け
ることによつて、その組立を完了する前に、風防
を、必要ならば、搭載してこのゴムボートの乗員
に加わる空気抵抗を軽減するようにできる。 チユーブ７及び主船体１の対向端部を嵌合した
後に、チユーブ７の２個の鉤１５を船外モータ搭
載用の厚肉部５の凹部６に係入する。 最後に、チユーブ７及び補助内チユーブ１０を
空気注入口１６Ａ，１６Ｂからふくらませて、こ
のふくらんだチユーブ７と主船体１とを互いに係
合させる。 ここに開示したこのゴムボートによれば、Ｕ形
チユーブ７が海上で損傷を受けても、すなわち裂
けても、補助内チユーブ１０及び主船体１が浮遊
の非常手段として作用するから、沈没の危険を最
小に減じることができる。さらに、主船体１は剛
性であるので、ゴムチユーブが完全にふくらんで
いなくとも、このボートは中央で屈曲することが
決してなく、乗員の安全度は改善されている。 本発明はまた、組立やすく運搬及び保管に便利
な組上げ構成のゴムボートを提供するので、この
ゴムボートの普及は一般のユーザに期待できる。 当業者が、理解できるように、上述の説明は開
示された構成の好ましい実施例にすぎず、また、
多くの変更や修正が本発明の精神及び範囲から逸
脱することなく本発明に対してなし得る。