JPH035262Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、鮎の友釣りの仕掛け用として、オト
リの鮎に掛けるハナカンに関する。

〔従来の技術〕

従来この種のハナカン(イ)は、第４図に示す如く
アルミニウム等の可撓性を有する金属製の棒材を
円還状に屈曲形成して切れ目(ロ)形成している。ま
た、この切れ目(ロ)の近傍にはハリス調整糸(ハ)の一
旦を止着し、仕掛けに装着している。

そして、このハナカン(イ)をオトリの鮎の鼻口に
掛ける際には、まず予め切れ目(ロ)から実線で示す
如く開いた状態にしておき、鮎の鼻口に通した後
に二点鎖線で示すように切れ目(ロ)を合わせて閉じ
ることにより鮎を掛けていた。

〔考案が解決しようとする問題点〕

かかる従来のハナカン(イ)は目立たなくさせるた
めに近年次第に小型になつており、生きたオトリ
鮎の鼻口に通すことは相当の熟錬が必要であつ
た。また、通すための時間が長くなると鮎が弱ま
り、オトリとしての役目を失う問題点があつた。

〔考案の目的〕

本考案の目的は、上記問題点に鑑み、簡単な構
成で、しかもオトリの鮎の鼻口に容易に掛けるこ
とのできるハナカンを提供することにある。

〔考案の特徴〕

本考案は、略環状に形成した弾性を有する環状
体の一部を分離し、この分離部分により分離した
上記環状体の一方端には外方に突出する導入部を
延出すると共に、他方端に透孔を有する握部を一
体に形成し、この握部に上記導入部が常時は互い
に相寄らせてなるハナカンにある。

〔実施例〕

第１図において、本考案によるハナカン１は、
弾性を有する例えばピアノ線等の金属製線部材を
略円環状に屈曲形成して環状体２を形成してい
る。この環状体２は一部が分離され、この分離部
分により分離された環状体２の一方端には、やや
湾曲しながら外方に突出させた導入部３が延出さ
れている。また、他方端は線材を略々三角形状に
…屈曲し、図示の如く頂部外周を円弧状とした小
径のリング形に形成して…内方に透孔４を形成し
た握部５が一体に形成されている。そして、この
握部５の図示左方に位置する円弧状頂部外周と導
入部３の基端とを常時は互いに相寄らせるように
している。さらに、握部５の上方にはハリス調整
糸６の一端を止着している。

両して、かかるハナカン１を用いて図示しない
オトリの鮎を掛けるには、まず、握部５を親指と
人差指等で持つと共に、導入部３を弾性に抗して
矢示の方向に拡開する。この状態からオトリの鼻
口に導入部３の先端から挿通し、環状体２の下方
部分に到達させる。その後、指を離せばハナカン
１自体の弾性により当初の状態に復帰してオトリ
掛けが完了する。また他の方法としては、握部５
を持つた状態で、そのままオトリの鼻口に導入部
３を挿通しようとすると、リング形の握部５に相
寄らせた導入部３が鼻口によつて自動的に拡開
し、上述と同様の状態にオトリ掛けを行う。さら
にまた、オトリを取り外す場合は、前述とは逆の
順序で操作を行えばよいが、このとき、リング形
の握部５の外周が円弧となつているので、握部５
を持つた状態でスムースに離脱ができる。

ここで、７は軟質のプラスチツク製の鼻切れ防
止用のパイプであり、このパイプ７は図示の状態
に挿通した後に両端を溶着或いは接着によつて固
定されている。このパイプ７によつて、オトリの
鼻口の部分が太くなると共に、軟質であるために
鼻口が切れる恐れがなくなる。但し、環状体２の
線径とオトリの鼻口の強度によつては必ずしも必
要でない。

第２図は本考案の他の実施例を示し、弾性を有
する合成樹脂によりハナカン１を成型した例であ
り、実質的な構成は前述した第１図のハナカン１
と同様である。この例においては、各部分の径を
適宜に設定でき、特に環状体２の鼻口対応個所を
他の部分より太くすれば、前記パイプ７等の装着
は不要になる。

第３図はさらに他の実施例を示し、ハナカン１
の導入部３を握部５側に湾曲させて、全体として
略６字状に屈曲形成した例である。オトリ掛けの
操作は第１図の例と同様であり、導入部３の先端
をオトリの鼻口に挿通して行けば、前述の例と同
様に外周を円弧状に形成したリング形の握部５と
導入部３との間が拡開し、環状体２にオトリの鼻
口が移行する。

尚、上述の説明では、ハナカン１をオトリの鼻
口に挿通するようにしているが、背ビレに差すよ
うにしてもよい。また、導入部３や握部５の形状
は他に変更してもよい。

〔考案の効果〕

以上説明した本考案によれば、弾性を有する環
状体の一方端に導入部を延出すると共に、他方端
に透孔を有するリング形の握部を一体に形成し、
握部と導入部の基端とを互いに相寄らせるように
してハナカンを構成したので、導入部をオトリの
鼻口に挿通して行えば、リング形に形成した握部
との間が弾性に抗して自動的に拡開し、挿通後は
弾性により自動的に復帰していることから、オト
リ掛け操作が極めて容易にワンタツチでできる。
このため短時間に完了し、オトリが弱まることも
なくなる。また、オトリを取り外すときも、握部
がリング形に形成しているから、オトリの鼻口に
引掛けることなくスムースに離脱でき、次のオト
リ掛けへの移行が短時間にできるので、活きたオ
トリ鮎が弱らぬことを防止できる。さらに、握部
が透孔を有するリング形に形成しているので、握
部を指で掴めば滑ることなく確実にオトリ掛け操
作が着実にでき、かつ握部の透孔にハリスが止着
できるので、ハリスが移動することなく、ハナカ
ンの姿勢が安定する。構成が簡単であり、安価に
製作できる等の実用的効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第３図は本考案の一実施例を示し、
第１図は第１の実施例を示す正面図、第２図は第
２の実施例を示す正面図、第３図は第３の実施例
を示す正面図、第４図は従来例を示す斜視図であ
る。 １……ハナカン、２……環状体、３……導入
部、４……透孔、５……握部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 略環状に形成した弾性を有する環状体の一部を
   分離し、この分離部分により分離した上記環状体
   の一方端には外方に突出する導入部を延出すると
   共に、他方端に透孔を有するリング形の握部を一
   体に形成し、このリング形握部に上記導入部の基
   端を常時は互いに相寄らせてなるハナカン。