JPH0352395B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は２輪、３輪、４輪等の軽車両に関す
る。

２輪、３輪、４輪等の軽車両に車室を仮装する
試みは従来から行なわれているが、何れも車体フ
レームと一体形であつたり、或いはルーフの着脱
が自在としては構成されず、ルーフの着脱作業性
やルーフの収納スペース等については考慮されて
いない。

従つて、ルーフを仮に脱着できたとしても車両
にはルーフを収納するスペースがなく、結局ルー
フを取付けたまま走行するか、或いは取外したま
ま走行せざるを得ず、出先で雨天になつた場合等
にはルーフを取付けることができない等の不便が
あり、この事は軽車両の利点である軽量、小型、
コンパクト或いはとり廻しや扱いの手軽さ等を損
なうものである。

本発明は前記不具合を解消すべく案出されたも
ので、本発明の目的とする処は、必要に応じてル
ーフの着脱、収納を簡易に行ない得、しかもルー
フ収納時、該ルーフを利用してトランクスペース
を画性し、以つて軽車両の実用性を拡充するにあ
る。

以上の目的を達成するため本発明は、運転席の
後方寄りに案内部材を上下方向に設け、前記案内
部材に上下滑動自在且つ揺動自在に連結され所要
長さを有する基部と、該基部から屈曲部を介して
所要長延出しルーフが取着されたルーフ部とから
なる側面視略Ｌ字形のルーフパイプを設け、前記
ルーフ前端をウインドシールド上端に係止させ運
転席上方へのルーフの着脱と、運転席後方におけ
るルーフの起立により運転席後方へのルーフの収
納とトランクスペースの画成を自在としたことを
特徴とする。

本発明の一実施例を自動三輪車に適用した場合
につき説明する。

第１図は本発明に係る車両の側面図、第２図は
ルーフ収納時における同斜視図、第３図はルーフ
の作動を示す同斜視図、第４図はルーフ装着時に
おける同斜視図を示す。

自動三輪車１は前車体２の後車体３とを備え、
前車体２の最前部には一輪の操向輪をなす前輪４
が、また後車体３の後部には二輪の駆動輪をなす
後輪５，５が設けられ、パワーユニツトにより前
記後輪５，５は駆動され、ローリング動、スイン
グ動自在なジヨイント及びリヤクツシヨンを介し
後車体３は前車体２に懸架されている。

前記前車体２には、前記前輪４の上方に位置す
るフロントフロア１１と、フロントフロア１１後
端から斜め下方で且つ後方へ延出する傾斜フロア
１２と、傾斜フロア１２下端から低床式で平担状
に後方へ延出する足載せフロア１３とが形成さ
れ、前記フロントフロア１１の前端下縁はフロン
トフエンダ１４に形成され、前記傾斜フロア１２
には斜め後方へ向けてハンドル１５が起設されて
いる。

前記足載せフロア１３の後端には、該足載せフ
ロア１３の左右幅より小なる幅を有するシートポ
ストカバー１６が起設され、シートポストカバー
１６上部にはシートバツク１７を備えるシート１
８が付設され運転席を形成してあり、前記シート
ポストカバー１６の左右両側部位における足載せ
フロア１３後端は、斜め上方で且つ後方へ延出し
て傾斜面部２１に形成され、該傾斜面部２１と傾
斜面部２１上端から僅か上方へ傾斜しつつ後方へ
延出する後面部２２とでリヤカバー２３が形成さ
れ、前記傾斜面部２１上端は前記シートバツク１
７の略下端に位置し、前記リヤカバー２３の下方
には前記後車体３が配設され、後車体３には後輪
５，５等を覆うカバー２４が設けられている。

前記フロントフロア１１の前端縁及び左右側縁
からは、斜め後方へ向けてウインドシールド３１
が立設され、該ウインドシールド３１の上端はウ
インドトツプモール３２で被覆され、ウインドシ
ールド３１の上端部は第１図に示すようにシート
１８に着座する運転者の頭部よりも僅か高位に位
置するよう形成されている。

前記リヤカバー２３の後面部２２の左右両側に
は、第１図乃至第４図に示すように斜め後方へ向
けてタルガパイプ４１が立設されている。

前記タルガパイプ４１は、リヤカバー２３の後
面部２２からシートバツク１７の側部を沿うよう
に起立する左右の起立部４２，４２と、起立部４
２，４２の上端を接続する接続部４３とからな
り、起立部４２，４２の上端及び接続部４３は、
第１図に示すように、シート１８に着座する運転
者の肩部より僅かに高位に位置するよう形成さ
れ、起立部４２，４２の適宜箇所にはラバー焼付
けによりグリツプ４４が形成され、該グリツプ４
４により乗車降車時及びとり廻し時における適宜
が図られる。

前記起立部４２は第５図及び第６図に示すよう
に断面〓状を呈し、内部には上下方向に案内溝４
５が形成され、該案内溝４５はスリツト４６によ
り外方へ開口され、起立部４２の上端部位には、
前方側と後方側とに夫々係止孔４７，４８が欠設
されている。

前記タルガバー４１の起立部４２，４２には、
上下滑動自在及び揺動自在に左右一対のルーフパ
イプ５１，５１が設けられる。

前記ルーフパイプ５１，５１は、基端に回動プ
レート５２が溶着され略直杆状に延出する基部５
３と、基部５３から屈曲部５４を介して略直杆状
に延出するルーフ部５５とから構成され、側面視
略Ｌ字形を呈し、夫々のルーフ部５５，５５に亘
りルーフ５６が取着され、ルーフ部５５の先端は
係止部５７に形成されている。

前記回動プレート５２は、第５図及び第６図に
示すように、一対の爪部６１，６２を有し、前記
案内溝４５に上下滑動自在に嵌装されたスライド
ピース６３に回動自在に取着されている。

そして、第５図に仮想線で示すように、ルーフ
パイプ５１の基部５３を後傾させた状態でタルガ
パイプ４１の起立部４２下端に滑動させると、第
１図及び第２図に示すように、基部５３は前記後
面部２２上に載置され、屈曲部５４は後面部２２
後端に位置し、ルーフ部５５は後面部５５後端か
ら起立し、先端係止部５７がタルガパイプ４１の
接続部４３に係止して、ルーフ５６はシートバツ
ク１７の後方に収納されるとともに、シートバツ
ク１７と後面部２２とルーフ５６とでトランクス
ペース７１を画成するよう形成してある。更ら
に、この状態からルーフパイプ５１を上方へ滑動
させ、タルガパイプ４１の起立部４２の上端でル
ーフパイプ５１を前方へ揺動させ、回動プレート
５２の爪部６１，６２を夫々タルガパイプ４１の
係止孔４７，４８に係止させると、第１図に仮想
線で示すように、基部５３はシート１７に座着す
る運転者の頭部の両側方且つ後方で起立状とな
り、ルーフ部５５は運転者の頭上に位置し、先端
係止部５７が前記ウインドトツプモール３２に係
止して、運転席の上方にルーフ５６が装着される
よう形成されている。

本発明は前記のように構成するので、タルガパ
イプ４１の起立部４２，４２を案内としたルーフ
パイプ５１，５１の上下滑動と、起立部４２，４
２上端でのルーフパイプ５１，５１の前後揺動に
より、運転席上方へのルーフ５６の着脱と、シー
トバツク１７後方へのルーフ５６の収納及びトラ
ンクスペース７１の画成が自在となり、しかもル
ーフ５６の運転席上方への装着作業やシートバツ
ク１７後方への収納作業は、ルーフパイプ５１の
上下滑動及び前後揺動により簡易、迅速になし
得、またルーフ５６の収納はコンパクトになさ
れ、しかも収納時にはトランクスペース７１とし
て活用し得る。

以上の説明で明らかなように、本発明によれ
ば、運転席上方へのルーフの着脱と運転席後方へ
のルーフの収納及びトランクスペースの画成を自
在としたので、必要に応じてルーフの装着、収納
を何時でも何処でも行なうことができ、ルーフ使
用時には運転席後方を荷台として使用し得、また
ルーフ収納時にはトランクスペースを活用し得、
しかもルーフの装着、収納作業は簡易になし得、
構造も簡易で、軽量、コンパクトにして軽車両の
取扱い性を一段と拡充せしめる等、幾多の優れた
効果を発揮する。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の一実施例を示し、第１図は本発
明に係る車両の側面図、第２図はルーフ収納時に
おける同斜視図、第３図はルーフの作動を示す同
斜視図、第４図はルーフ装着時における同斜視
図、第５図はタルガパイプとルーフパイプとの結
合を示す要部側面図、第６図は第５図線視相当
断面図である。 尚図面中、２は前車体、３は後車体、４は前
輪、５は後輪、３１はウインドシールド、４１は
タルガパイプ、５１はルーフパイプ、５６はルー
フである。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 運転席の前方に立設されたウインドシールド
   を備える軽車両において、運転席の後方寄りに案
   内部材を上下方向に設け、前記案内部材に上下滑
   動自在且つ揺動自在に連結され所要長さを有する
   基部と、該基部から屈曲部を介して所要長延出し
   ルーフが取着されたルーフ部とからなる側面視略
   Ｌ字形のルーフパイプを設け、前記ルーフ前端を
   前記ウインドシールド上端に係止させ運転席上方
   へのルーフの着脱と、運転席後方におけるルーフ
   の起立により運転席後方へのルーフの収納とトラ
   ンクスペースの画成を自在としたことを特徴とす
   る軽車両。