JPH0352345Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は竪樋を建屋の壁面等に配設する為の控
金具に関する。

（従来の技術） 竪樋を建屋の壁面などに配設する為に用いられ
る従来の控金具の一例を第３図にて説明する。図
の控金具は取付板a₁を含むＬ型の基杆部ａの先端
に半円弧状の保持杆部ｂが中央において対称に溶
接一体とされ、該保持杆部ｂの一端にこれと同曲
率の半円弧状止金部ｃがピンc₁にて軸着され、該
止金部ｃは上記保持杆部ｂの他端においてピンc₂
により着脱自在に止着可能とされている。この止
金部ｃをピンc₂にて保持杆部ｂに止着したときに
は、該保持杆部ｂとにより環状体Ａが形成され
る。従つて止具ｄ……にて取付板a₁を壁面（不図
示）に止着固定すると、上記環状体Ａにより竪樋
ｔを掴持状態で配設することができる。

（考案が解決しようとする問題点） 然し乍ら、上記控金具を壁面に止着固定する
際、保持杆部ｂが一部（半分）取付板a₁側に突出
しているために、工具が該保持杆部ｂに当たり作
業が極めてしずらいと云う欠点があつた。また、
竪樋ｔを保持杆部ｂに受容させた後止金部ｃをピ
ンc₂にて保持杆部ｂに止着させる作業も少なから
ず煩わしいものであつた。更に、上記控金具を製
するにおいては、基杆部ａ、保持杆部ｂ及び止金
部ｃの都合３個の部材と、２本のピンc₁，c₂とを
準備しなければならず、しかも溶接と云つた煩わ
しい作業も必要とされ、部品点数或は製造作業の
面でも不利益もあつた。

本考案は上記に鑑みなされたものであり、壁面
への止着固定が円滑になされ配樋の作業性を向上
し且つ安価に製造し得る新規な竪樋用控金具を提
供せんとするものである。（問題点を解決する為
の手段） 上記目的を達成する為の本考案の構成を添付の
実施例図に基づき述べるに、第１図は本考案の一
実施例を示す斜視図、第２図は他の実施例を示す
斜視図である。即ち、本考案控金具は、建屋の壁
面等に止具１３……にて止着固定される取付板１
１及び該取付板１１に対し直交状態で延設された
直状杆１２を含むＬ型基杆部１と、上記直状杆１
２先端より延設され上記取付板１１と反対方向に
半円弧状に湾曲された帯状保持杆部２と、該保持
杆部２の先端に擺動自在に軸着されると共に該保
持杆部２と同じ曲率で半円弧状に湾曲された帯状
止金部３とより成り、該止金部３の先端部を前記
直状杆１２に弾性掛止させることによつて該止金
部３と上記保持杆部２とをして環状体２３とな
し、これにより竪樋ｔの外周を掴持し得るように
し、止金部３の先端部と当該直状杆１２との間の
弾性掛止手段は、当該止金部３の先端と直状杆１
２とのいずれか一方に掛止爪片３２が曲設され、
他方に当該掛止爪辺３２を弾性受止し得る座孔１
２１が穿設されてなるようにしたことを要旨とす
るものである。第１図及び第２図における控金具
はＬ型基杆部１の取付板１１を止具１３……（図
例では、ビスを示すが釘やアンカーボルトなども
使用される）にて壁面等に止着させることによ
り、適宜間隔をもつて壁面等に固定される。この
基杆部１の先端に延設された保持杆部２は取付板
１１と反対方向に湾曲されて半円弧状とされ、そ
の先端にピン３１を介し同じ曲率の半円弧状止金
部３が擺動自在に軸着されている。そしてこの止
金部３はその先端部において、後記の実施例で示
す弾性掛止手段４によつて上記基杆部１の直状杆
１２に弾性掛止可能とされ、これにより竪樋ｔの
外周を掴持し得る環状体２３が形成される。

（作用） 上記控金具においては、保持杆部２が取付板１
１と反対方向に湾曲され、しかも止金部３が保持
杆部２に対し擺動自在とされているから、壁面に
止着固定するに際して止金部３を第１図の鎖線の
ごとく開いておけば、工具の操作に何等邪魔にな
らず円滑な取付施工が約束される。そして竪樋ｔ
を保持杆部２に受容させた後止金部３を基杆部１
の直状杆１２に、当該掛止爪片３２と当該座孔１
２１とからなる弾性掛止手段により、弾性掛止さ
せ環状体２３を形成すればワンタツチで竪樋ｔの
壁面に対する配設保持がなされる。

（実施例） 次に実施例について述べる。

（実施例 １） 第１図において、止金部３の先端部が円弧の外
側に屈曲され更にその先端に掛止爪片３２が曲成
されている。一方基杆部１の直状杆１２には該掛
止爪片３２を弾性受止し得る座孔１２１が穿設さ
れている。この座孔１２１と掛止爪片３２とによ
り弾性掛止手段４が構成され、掛止爪片３２を座
孔１２１に弾性的に挿入し掛止させればワンタツ
チで環状体２３が掛止され竪樋ｔの安定保持が達
成される。

（実施例 ２） 第２図における控金具は、上記第１の実施例と
は逆に直状杆１２に掛止爪片１２２を止金部３に
座孔３３を夫々設け、この両者によつて弾性掛止
手段４を構成している。従つて該弾性掛止手段４
の機能は上記と何等異なるものではなく、奏する
作用は同様である。

これら両実施例共に保持杆部２が取付板１１と
は反対方向に湾曲されているから、上述のごとく
止具１３……で止着固定する際に工具が邪魔にな
ることがなく円滑な配樋施工が約束されることは
自明である。

尚、上記実施例における弾性掛止手段４に代え
ボルト・ナツトなどを用いることも可能である
が、斯かるボルト・ナツトなどによる止着固定は
竪樋を保持杆部２に受容させた後に行われるた
め、壁面との間の狭い空間での作業となり極めて
煩雑となるので好ましくない。

（考案の効果） 叙上のごとく、本考案の控金具は竪樋を受容す
る保持杆部が、基杆部の取付板とは反対方向に湾
曲されており、しかも該保持杆部の先端に止金部
が擺動自在に軸着されているから、止具にて壁面
等に止着固定する際に止金部を開いておけば工具
が止金部に当たることなく操作され、円滑な施工
が保証される。また、止金部は保持杆部に対し当
該掛止爪片と当該座孔とからなる弾性掛止手段に
より、ワンタツチで弾性掛止されるから、壁面と
竪樋との狭い空間でも作業が簡易である。更に、
実質上基杆部と、保持杆部と、止金部との３部品
で済み、しかも、溶接などの煩わしい作業を必要
としないので、部品点数或は製造上の利益も得ら
れる。このように至便な本考案控金具は有用性極
めて大である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案竪樋用控金具の一実施例を示す
斜視図、第２図は他の実施例の斜視図、第３図は
従来の控金具を示す斜視図である。 符号の説明、１……Ｌ型基杆部、１１……取付
板、１２……直状杆、１３……止具、２……帯状
保持杆部、３……帯状止金部、２３……環状体、
ｔ……竪樋。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 建屋の壁面等に止具にて止着固定される取付板
   及び該取付板に対し直交状態で延設された直状杆
   を含むＬ型基杆部と、上記直状杆先端より延設さ
   れ上記取付板と反対方向に半円弧状に湾曲された
   帯状保持杆部と、該保持杆部の先端に擺動自在に
   軸着されると共に該保持杆部と同じ曲率で半円弧
   状に湾曲されて先端部が当該円弧の外側に屈曲さ
   れた帯状止金部とよりなり、当該帯状止金部の先
   端部と直状杆とのいずれか一方に掛止爪片が曲成
   され、他方に当該掛止爪片を弾性受止し得る座孔
   が穿設されて、該止金部の先端部を前記直状杆に
   弾性掛止させることによつて、該止金部と上記保
   持杆部とをして環状体となし、これにより竪樋の
   外周を掴持し得るようにした竪樋用控金具。