JPH0351807Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「考案の目的」 （産業上の利用分野） 本考案は可撓性の磁気デイスクの記録トラツク
に対応した数のヘツド素子を選択的に切り換えて
記録、再生できるようにした可撓性磁気デイスク
記録、再生装置に係り、特に、記録、再生時にお
いて固定多素子磁気ヘツドに磁気デイスクをトラ
ツクずれ等を生ずることなく確実に当接できるよ
うにした可撓性磁気デイスク記録再生装置に関す
るものである。

（従来技術） 従来の可撓性磁気デイスク記録再生装置は、例
えば、第７図に示すような構成のものがあつた。

この、従来の装置は、磁気デイスク１の記録ト
ラツク数に対応した数のヘツド素子を選択的に切
り換えて記録、再生を行なう固定多素子磁気ヘツ
ド２と、その固定多素子磁気ヘツド２に磁気デイ
スク１を当接させるためのパツド機構３等で構成
されている。

上記したパツド機構３には、磁気デイスク１を
固定多素子磁気ヘツド２に当接させるための複数
個の分割パツド３ａ〜３ｄが設けられていた。こ
の分割パツド３ａ〜３ｄは、ソレノイド４、支点
３ｅを有するアーム３ｆ等からなる作動機構によ
つて、それぞれ独立して作動できるように構成さ
れ、固定多素子磁気ヘツド２のヘツド素子のう
ち、記録または再生を行なうヘツド素子に対し
た、例えば、パツド３ａを作動し、磁気デイスク
を当接させるように構成されていた。

（考案が解決しようとする問題点） しかし、上記した従来のものにおいては、磁気
デイスク１の上面側に、分割パツド３ａ〜３ｄお
よび分割パツド作動用のソレノイド４等を有する
作動機構が設置されていたため、動作時間がかか
る上に、分割パツド３ａ〜３ｄを、それぞれ独立
して作動させるため、その分割パツド個数分だ
け、ソレノイド４等を有する作動機構を必要と
し、構造が複雑となり、高価な装置となる欠点が
あつた。また、上記したように、作動機構が、高
さ方向に大きくなるという欠点があつた。

本考案は上記した点に鑑みてなされたものであ
り、その目的とするところは、固定多素子磁気ヘ
ツドのヘツド素子のうち、記録、再生するヘツド
素子に磁気デイスクを確実に当接することができ
るようにした可撓性磁気デイスク記録再生装置を
提供することにある。

「考案の構成」 （問題を解決するための手段） 本考案に係る可撓性磁気デイスク記録再生装置
は、固定多素子磁気ヘツドを装着した第１のスタ
ビライザと、パツドを装着した第２のスタビライ
ザとを、磁気デイスクの半径方向に対向させて設
け、固定多素子磁気ヘツドとパツドとで磁気デイ
スクを挟み込むように配置させると共に、前記第
１および第２のスタビライザの両側に磁気デイス
クの回転方向に対向させてスライダを設け、その
スライダで磁気デイスクを挟み込むように構成す
ることによつて、問題の解決を図つている。

（作用） 第１および第２のスタビライザの両側に磁気デ
イスクの回転方向に対向させて設けたスライダに
よつて、回転する磁気デイスクの半径方向の中心
附近と外周附近の両上、下面を挟み込み磁気デイ
スクの面ブレを押えることができ、また、それと
同時に、両スライダの内側に装着した固定多素子
磁気ヘツドとパツドとによつて、磁気デイスクの
全記録トラツクを固定多素子磁気ヘツドに当接さ
せることができる。

（実施例） 本考案に係る可撓性磁気デイスク記録再生装置
の実施例を第１図乃至第６図に基づいて説明す
る。

まず、第１図乃至第３図に示す本考案に係る可
撓性磁気デイスクの記録再生装置の第１の実施例
について説明する。

第１図は全体の構成を示す一部分切欠した斜視
図、第２図は磁気デイスクを挟み込んだ状態を示
す正面図、第３図は第２図の中央部分を断面した
側面図である。

図中、１１は複数の記録トラツクを有する可撓
性の磁気デイスクで、磁気デイスクセンタクラン
プ機構Ａによつてクランプされ、所定の速度で時
計方向に回転されている。１２は第１のスタビラ
イザで、磁気デイスク１１の下面側においてその
磁気デイスク１１の半径方向配置されている。こ
の第１のスタビライザ１２の両端部には、磁気デ
イスク１１の回転方向に上向きに突出したスライ
ダ１２ａ，１２ｂが形成されている。スライダ１
２ａおよび１２ｂの磁気デイスク１１の下面と接
触するスライド面１２ａ１，１２ｂ１には、それ
ぞれ磁気デイスク１１の回転方向に複数本の溝１
２ｃが形成されている。１３は円筒形状の固定多
素子磁気ヘツドで、その両端部分の上面１３ａお
よび１３ｂを円弧状に形成し、磁気デイスク１１
の下面の記録トラツク数に対応した数のヘツド素
子を選択的に切り換えて、磁気デイスク１１の下
面に記録、再生を行なうものである。この固定多
素子磁気ヘツド１３は、そのヘツド素子部分を、
第１のスタビライザ１２のスライダ１２ａおよび
１２ｂのスライド面１２ａ１および１２ｂ１の高
さよりやや高く磁気デイスク１１の下面方向に突
出させ、両スライダ１２ａ，１２ｂ間に装着され
ている。更に、この固定多素子磁気ヘツド１３
は、磁気デイスク１１の下面に記録、再生を行な
う時、装着した第１のスタビライザ１２を上下移
動する作動機構（図示しない）を働かせることに
より、そのヘツド素子を磁気ヘツド１１の下面に
当接できるように構成されている。なお、上記し
た固定多素子磁気ヘツド１３は、固定状態で使用
できるように構成することも可能である。

１４は第２のスタビライザで、磁気デイスク１
１の上面側においてその磁気デイスク１１の半径
方向で、かつ第１のスタビライザ１２と対向する
位置に配置されている。この第２のスタビライザ
１４の両端部には、磁気デイスク１１の回転方向
に下向きでかつ第１のスタビライザ１２のスライ
ダ１２ａ，１２ｂと対向する位置に突出させたス
ライダ１４ａ，１４ｂが形成されている。スライ
ダ１４ａおよび１４ｂの磁気デイスク１１の上面
と接触するスライド面１４ａ１，１４ｂ１には、
それぞれ磁気デイスク１１の回転方向に複数本の
溝１４ｃが形成されている。１５はパツドで、磁
気デイスク１１の半径方向中央部分を押圧接触す
るよう第２のスタビライザ１４のスライダ１４
ａ，１４ｂ間に装着されている。このパツド１５
は、磁気デイスク１１の上面と接触する面を、ス
ライダ１４ａおよび１４ｂのスライド面１４ａ１
および１４ｂ１の高さより低い位置に形成してい
る。更に、このパツド１５は、固定多素子磁気ヘ
ツド１３が磁気デイスク１１の下面に記録、再生
を行なう時、第２のスタビライザ１４を上下移動
する作動機構（図示しない）を働かせることによ
り、そのパツド１５を磁気デイスク１１の半径方
向の中央部分に押圧接触させ、第２図および第３
図に示すような状態とすることができる。

上記のように構成することによつて、次のよう
に、磁気デイスク１１の下面に記録、再生を行な
うことができる。まず、第１のスタビライザ１２
および第２のスタビライザ１４を、磁気デイスク
１１の両面に接近させ、第２図に示すように、対
向させて設けたスライダ１２ａと１４ａとで、回
転する磁気デイスク１１の半径方向の中心に近い
部分を挟み込むと共に、スライダ１２ｂと１４ｂ
とで、磁気デイスク１１の半径方向の外周に近い
部分を挟み込む。この対向するスライダ１２ａ，
１４ａとスライダ１２ｂ，１４ｂによる磁気デイ
スク１１の半径方向の中心に近い部分と外周に近
い部分の挟み込み動作によつて、磁気デイスク１
１の面ブレ等を押えることができる。

また、上記した第１のスタビライザ１２と、第
２のスタビライザ１４の磁気デイスク１１の両面
への接近動作によつて、固定多素子磁気ヘツド１
３は、そのヘツド素子を設けた上面が、スライダ
１２ａ，１２ｂのスライド面１２ａ１，１２ｂ１
の高さよりやや高く磁気デイスク１１の下面方向
に突出させて第１のスタビライザ１２に装着され
ているから、磁気デイスク１１の下面に当接しつ
つ、その磁気デイスク１１をパツド１５方向に押
し上げる。一方、パツド１５は、磁気デイスク１
１の上面に接触する面を、スライダ１４ａ，１４
ｂのスライド面１４ａ１，１４ｂ１より低い位置
に設けられているため、第２図および第３図に示
すように、固定多素子磁気ヘツド１３のヘツド素
子面に磁気デイスク１１の下面が完全に密着した
状態で、押し当てることができる。更に、固定多
素子磁気ヘツド１３の両端部分の上面１３ａおよ
び１３ｂを円弧状に形成すると共に、パツド１５
を磁気デイスク１１の半径方向の中心部分に装着
したから、磁気デイスク１１の半径方向に対して
も固定多素子磁気ヘツド１３を透き間なく磁気デ
イスク１１に密着させることができる。従つて、
記録、再生時における固定多素子磁気ヘツド１３
のスペーシングロスを著しく少なくすることがで
き、高密度記録、再生が総ての記録トラツクにお
いて可能となる。

第４図に示す本考案に係る可撓性磁気デイスク
記録再生装置の第２の実施例は、上記した第１の
実施例の場合とは逆に、固定多素子磁気ヘツド１
３を第２のスタビライザに装着し、パツド１５を
第１のスタビライザ１２に装着したものである。

なお、第１の実施例と同一部分は同一符号で示
している。

第５図に示す本考案に係る可撓性磁気デイスク
記録再生装置の第３の実施例は、磁気デイスク１
１の両面に記録再生できるように構成したもので
あつて、第１のスタビライザ１２および第２のス
タビライザ１４に固定多素子磁気ヘツド１３およ
びパツド１５をそれぞれ対向させて装着させたも
のである。

第６図に示す本考案に係る可撓性磁気デイスク
記録再生装置の第４の実施例は、第１のスタビラ
イザ１２の平面図（第２のスタビライザ１４の場
合は底面図となる）で、スライダ１２ａ，１２ｂ
のスライド面１２ａ１，１２ｂ１に、磁気デイス
ク１１の回転方向に形成した漏斗形状をした複数
本の溝１２ｄを設けたものである。このように、
スライド面１２ａ１，１２ｂ１に漏斗形状をした
溝１２ｄを設けることによつて、その入口、すな
わち、磁気デイスク１１が初めに当る上流部分は
幅広であるため、磁気デイスク１１の回転によつ
て生ずる空気の流れは遅いので、その部分での圧
力は大気圧に近く、また溝１２ｄの出口の下流部
分は狭く形成されているので空気の流れは速く、
大気圧に対して負圧となり、磁気デイスク１１を
スライド面１２ａ１，１２ｂ１に吸い着ける。従
つて、スライダ１２ａ，１４ａおよび１２ｂ，１
４ｂによる磁気デイスク１１の挟み込みをより確
実なものとすることができ、磁気デイスク１１の
面ブレ等を著しく小さく押えることが可能とな
る。

「考案の効果」 本考案に係る可撓性磁気デイスク記録再生装置
によれば、可撓性磁気デイスクの記録トラツク数
に対応した数のヘツド素子を組み込んだ固定多素
子磁気ヘツドに、磁気デイスクを面ブレ等するこ
となく確実に当接させることができ、また、機械
的動作部分を用いることなく磁気デイスクの総て
の記録トラツクに固定多素子磁気デイスクのヘツ
ド素子を当接できるから、応答速度が早く、しか
も両面記録再生ができるので、高密度化、マルチ
チヤンネル化および小形化が可能となる等の優れ
た特長がある。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第６図は本考案に係る可撓性磁気デ
イスク記録再生装置の実施例を示すものであつ
て、第１図は全体の構成を示す一部分切欠した斜
視図、第２図は正面図、第３図は第２図の中央部
分を断面した側面図、第４図は正面図、第５図は
断面側面図、第６図は第１のスタビライザの平面
図である。第７図は従来の可撓性磁気デイスク記
録再生装置の平面図である。 １１……可撓性の磁気デイスク、１２……第１
のスタビライザ、１３……固定多素子磁気ヘツ
ド、１４……第２のスタビライザ、１５……パツ
ド、１２ａ，１２ｂ，１４ａ，１４ｂ……スライ
ダ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 可撓性の磁気デイスクの記録トラツク数に対
   応した数のヘツド素子を選択的に切り換えて記
   録、再生を行なう固定多素子磁気ヘツドを備え
   た可撓性磁気デイスク記録再生装置において、 固定多素子磁気ヘツドを装着した第１のスタ
   ビライザと、パツドを装着した第２のスタビラ
   イザとを、磁気デイスクの半径方向に対向させ
   て設け、固定多素子磁気ヘツドとパツドとで磁
   気デイスクを挟み込むように配置させると共
   に、前記第１および第２のスタビライザの両側
   に磁気デイスクの回転方向に対向させてスライ
   ダを設け、該スライダで磁気デイスクを挟み込
   むように構成したことを特徴とする可撓性磁気
   デイスク記録再生装置。 (2) 固定多素子磁気ヘツドのヘツド素子面は、ス
   ライダの磁気デイスクとの接触面より高く磁気
   デイスク方向に突出されていることを特徴とす
   る実用新案登録請求の範囲第１項記載の可撓性
   磁気デイスク記録再生装置。 (3) 固定多素子磁気ヘツドは、その両端部分の上
   面を円弧状に形成されていることを特徴とする
   実用新案登録請求の範囲第１項記載の可撓性磁
   気デイスク記録再生装置。 (4) スライダの磁気デイスクとの接触面は、磁気
   デイスクの回転方向に複数本の溝が形成されて
   いることを特徴とする実用新案登録請求の範囲
   第１項記載の可撓性磁気デイスク記録再生装
   置。 (5) スライダの磁気デイスクとの接触面は、磁気
   デイスクの回転方向に複数本の漏斗形状をした
   溝が形成されていることを特徴とする実用新案
   登録請求の範囲第１項記載の可撓性磁気デイス
   ク記録再生装置。 (6) 第２のスタビライザに装着したパツドは、磁
   気デイスクの半径方向中央部分を押圧接触する
   位置に装着されていることを特徴とする実用新
   案登録請求の範囲第１項記載の可撓性磁気デイ
   スク記録再生装置。