JPH0351765Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、摺動可能なヘツド基板上に記録及
び／又は再生用のヘツドと、上記ヘツドがトラツ
ク切換えのために上下方向に移動し得るように載
置されたヘツド基板とを備え、上記ヘツドをテー
プ走行路に対して接離させるために、上記ヘツド
基板が往復動し得るように構成されたオートリバ
ース式テープレコーダに関する。

背景技術とその問題点 従来、リバース機能を有するテープレコーダに
おけるヘツドのトラツク切換えスイツチは、メカ
シヤーシか又はキヤビネツトに取付けられてい
て、ヘツドとトラツク切換えスイツチとの間は、
少なくとも５本のリード線で結ばれていた。この
ため長い線材が必要となつて不経済であるばかり
でなく、メカシヤーシか又はキヤビネツトに取り
付けられた切換えスイツチと、ヘツド基板上に記
載されこのヘツド基板の往復動に伴つて往復動す
るヘツドとの間に接続された線材は、ヘツド基板
の往復動に伴つて常に動くから、疲労による断線
等の故障を起こす確率が高いものであつた。ま
た、トラツク切換え時に切換えスイツチとヘツド
とを夫々動作させるために複雑な機構を使用する
必要があるから、トラツク切換え動作の信頼性に
欠け、また、スペースフアクタも悪いものであつ
た。

考案の目的 本考案は上記の実情に鑑みなされたもので、そ
の目的は、トラツク切換えスイツチとヘツドとの
間の接続に使用される線材を短くし、線材の疲労
による断線を低減し、かつ、ヘツドのトラツク切
換えスイツチのトラツク切換えのためのスイツチ
切換え動作とを行うための機構が簡素化され、ト
ラツク切換え動作の信頼性が高く、スエースフア
クタの良好なオートリバース式テープレコーダを
提供することにある。

考案の概要 本考案は上記の目的を達成するため、記録及
び／又は再生用のヘツドをテープ走行路に対して
接離させるために往復動し得るヘツド基板上の上
記ヘツドの近傍に配置された切換えスイツチと、
上記切換えスイツチを上記ヘツドに接続する線材
と、上記ヘツド基板の平面にほゞ沿つて回動自在
にこのヘツド基板に軸支された切換えレバーとを
備え、上記切換えレバーの一端側が上記ヘツド基
板からさらに外方に延在してトラツク切換え動作
部材に関連され、上記トラツク切換え動作部材の
動作により上記切換えレバーが回動したとき、上
記切換えレバーの他端側の動作によつて上記ヘツ
ドの上下方向への動作と上記切換えスイツチのス
イツチ切換え動作とがそれぞれ行われるように構
成したものである。

以上のように構成することにより、高い取付け
精度や面倒な調整を必要としない市販の切換えス
イツチを使用することができ、トラツク切換えス
イツチとヘツドとの間の接続に使用される線材を
短くすることができ、線材の疲労による断線を低
減することができ、かつ、ヘツドのトラツク切換
えのための上下方向への動作と、切換えスイツチ
のトラツク切換えのためのスイツチ切換え動作と
を行うための機構を簡素化することができ、スペ
ースフアクタを良好にすることができる。

実施例 以下本考案の一実施例を図面に基づき説明す
る。

先ず第１図〜第４図により、トラツク切換えス
イツチの取付けと同スイツチの切換え機構につい
て説明する。第１図において符号１は、操作レバ
ー（図示せず）の往復動によつてメカシヤーシ
（図示せず）上を矢印ａ方向にに往動し、矢印ｂ
方向にに復動するヘツド基板である。又符号２は
図示されていない方向切換え駆動機構によつて矢
印ｃ方向に摺動してテープの走行方向をノーマル
方向に切換え、矢印ｄ方向に摺動してリバース方
向に切換えるスライドレバーである。

ヘツド基板１上の一対の支柱３上に、フレキシ
ブルプリント基板４が固着された基板５が固定さ
れており、この基板５の下部にはトラツク切換え
用のスライドスイツチ６が吊設されている。そし
てこのスライドスイツチ６の端子７は夫々、基板
５及びフレキシブルプリント基板４を貫通して、
フレキシブルプリント基板４の所要のパターンに
接続されている。又このフレキシブルプリント基
板４の端部は、基板５のすぐ前方に配置される磁
気ヘツド８の背面に溶着されて所要の端子に夫々
接続され、この磁気ヘツド３とスライドスイツチ
６との間には、線材に相当する５本のパターンが
使用されている。そして図示されていないが、ス
イツチ６とメカシヤーシ側のアンプとの間には、
３本のリード線が使用されている。

即ち、トラツク切換え用のスイツチ６を、この
スイツチ６との間に使用される線材の多い磁気ヘ
ツド８の近傍に配置し、スイツチ６をヘツド基板
１と一緒に移動する構造としたから、使用される
線材が短くなると共に、大部分の線材はヘツド基
板１の移動によつても動かないから、疲労による
断線が低減される。

一方、ヘツド基板１の上部には、その所定の位
置に設けられた支点軸９に、切換えレバー１０が
回動自在に取付けられている。そしてこの切換え
レバー１０は、先端の折曲げ片１１が前記スライ
ドレバー２の角孔１２に挿入され、この折曲げ片
１１がスライドレバー２と共に矢印ｃ方向又はｄ
方向に移動することにより、支点軸９を中心とし
て回動する。又切換えレバー１０の後端部には、
第４図に示すように、上方に突出した一対の突出
片から成る箱ばね１３が設けられており、この箱
ばね１３が前記スライドスイツチ６の垂直な操作
杆１４を挟持している。そして切換えレバー１０
が回動することによつてこの操作杆１４を左右に
摺動し、スライドスイツチ６に無理な力を加える
ことなくスイツチ６の切換えを行うように構成さ
れている。そして切換えレバー１０の後端部は更
にＵ字状に形成されており、このＵ字状の先端部
には矩形状の貫通孔１５が設けられている。

次に第３図〜第６図により、ヘツドの垂直調整
機構について説明する。磁気ヘツド８は、底板１
７と一対の側板１８とから成るヘツド保持フレー
ム１９に固定されて一体になつており、このフレ
ーム１９の底板１７の一端部は、ヘツド基板１上
の支柱２０上に圧縮ばね２１によつて押圧された
状態で載置されている。そしてフレーム１９の底
板１７の他端部は、ヘツド基板１に固定された垂
直軸２２に挿通され、同じくこの垂直軸２２に挿
通された上部回動板２３上に載置され、垂直軸２
２上部の押え金２４との間に嵌装された圧縮ばね
２５によつて、第６図において下方に付勢されて
いる。

上部回動板２３は、所定の位置にＬ字状の折曲
げ片２６を有し、この折曲げ片部２６上に設けら
れた貫通孔２７が上記垂直軸２２に挿通され、又
この折曲げ片部２６上に上記ヘツド保持フレーム
１９の底板１７の一端部が載置されている。この
上部回動板２３の所定の位置には、ねじ孔２８，
２９及び下方への折曲げ片３０が夫々形成されて
おり、この折曲げ片３０は、下部の下部回動板３
１の係合部３２に嵌入され、更に前記切換えレバ
ー１０の矩形状の貫通孔１５に挿入されている。
一方、下部回動板３１の所定の位置には、垂直軸
２２に挿通される貫通孔３３が形成されており、
又上記上部回動板２３のねじ孔２８，２９に対応
する位置に、半球状の凹部３４，３５を有する半
球状の下方への突部３６，３７が形成されてい
る。そして上部回動板２３のねじ孔２８，２９に
ゆるみ止め用の圧縮ばね３８，３９を介して調節
ねじ４０，４１が螺入され、この調整ねじ４０，
４１の下方への突出端は下部回動板３１の凹部３
４，３５に夫々係合するように構成されている。

又ヘツド基板１上の所定の位置には、上記下部
回動板３１の突部３６，３７が乗り上がる半球状
の上方の突部４３が設けられており、又上記上部
回動板２３の下方への折曲げ片３０が自由に移動
できる切抜き４４が形成されている。

次に上記のように構成されたヘツドのトラツク
切換え機構と、垂直調整機構の動作について説明
する。第１図に示す如く、スライドレバー２が矢
印ｃ方向に摺動すると、テープの走行方向はノー
マルモードとなる。と同時に、折曲げ片１１を介
してこのスライドレバー２に係合している切換え
レバー１０が支点軸９を中心として矢印ｅ方向に
回動する。従つて、第５図に示す如く、この切換
えレバー１０の箱ばね１３によつて挟持されたス
ライドスイツチ６の操作杆１４が右方向に摺動
し、磁気ヘツド８のトラツクがノーマルモードに
切換えられる。

また同時に、切換えレバー１０と矩形状の貫通
孔１５を介して係合している上部回動板２３が垂
直軸２２を中心として矢印ｅ方向に回動する。と
ころがこの上部回動板２３はその下方への折曲げ
片３０を介して下部回動板３１に係合しているか
ら、下部回動板３１も上部回動板２３と共に垂直
軸２２を中心として同じ方向に回動し、この下部
回動板３１の突部３６がヘツド基板１の突部４３
上に乗り上げられた第５図及び第６図の状態とな
つて停止する。ところが乗り上げられた突部３６
の凹部３４には上部回動板２３の調整ねじ４０が
係合しているから、上部回動板２３はこの調整ね
じ４０の高さに応じた高さ位置に押し上げられ
る。このためこの上部回動板２３上に付勢ばね２
５を介して載置されている磁気ヘツド８の保持フ
レーム１９も、付勢ばね２５に抗して垂直軸２２
に沿つて押し上げられる。一方、保持フレーム１
９の他端部は圧縮ばね２１によつて支柱２０上に
押し付けられているから、保持フレーム１９従つ
て磁気ヘツド８は、この圧縮ばね２１側をヒンジ
として傾動する。ところが調整ねじ４０の高さ
は、予め所定の高さ位置に微調整されているか
ら、磁気ヘツド８は所定の垂直位置に調整される
ことになる。

次に第５図の状態からスライドレバー２が矢印
ｄ方向に摺動すると、今度はテープの走行方向は
リバースモードとなる。そして切換えレバー１０
が支点軸９を中心として矢印ｆ方向に回動し、ス
ライドスイツチ６の操作杆１４が左に摺動して磁
気ヘツド８のトラツクがリバースモードに切換え
られる。又上下の回動板２３，３１も垂直軸２２
を中心として矢印ｆ方向に回動し、今度は下部回
動板３１の突部３７がヘツド基板１上の突部４３
上に乗り上げられて、第７図及び第８図の状態と
なる。この時、突部３７の凹部３５には調整ねじ
４１が係合しており、この調節ねじ４１は予め所
定の高さに微調整されているから、上部回動板２
３はこの調整ねじの高さ位置に応じた高さに押し
上げられ、これに伴い磁気ヘツド８は所定の垂直
位置に調整されることになる。

このように本実施例によれば、テープの走行方
向の切換えに応じて、切換えレバー１０が所定の
方向に回動することによりスライドスイツチ６が
切換えられ、磁気ヘツド８のトラツクが切換えら
れると同時に、これに連動して磁気ヘツド８の垂
直位置の調整が行われる。

考案の効果 以上説明したように、本考案は、記録及び／又
は再生用のヘツドをテープ走行路に対して接離さ
せるために往復動し得るヘツド基板上の上記ヘツ
ドの近傍に、このヘツドのトラツク切換えを行う
ための切換をスイツチを配置し、この切換スイツ
チを線材によりヘツドに接続するようにした。従
つて、切換えスイツチとして市販のものを使用し
得るから、その取付け精度を特に高くする必要が
なく、また、面倒な調整も特に必要ない。しか
も、ヘツドを切換えスイツチに接続する線材が短
くて経済的であると共に、ヘツド基板の往復動に
伴つて動く線材も少なくて疲労による線材の断線
が低減される。

また、ヘツド基板の平面にほゞ沿つて回動自在
にこのヘツド基板に軸支された切換えレバーの一
端側をヘツド基板からさらに外方に延在させてト
ラツク切換え動作部材に関連させ、このトラツク
切換え動作部材の動作により切換えレバーが回動
したとき、この切換えレバーの他端側の動作によ
つてヘツドのトラツク切換えのための上下方向へ
の動作との切換えスイツチのトラツク切換えのた
めのスイツチ切換え動作とがそれぞれ行われるよ
うに構成した。従つて、ヘツドのトラツク切換え
のための上下方向への動作と切換えスイツチのト
ラツク切換えのためのスイツチ切換え動作とを行
う機構が簡素化され、また、トラツク切換え動作
の信頼性が高いとともに、切換えレバーをヘツド
基板上に嵩張らないように配置し得るから、スペ
ースフアクタが良好である。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の一実施例を示したもので、第１図
はヘツドのトラツク切換えスイツチの取付けと同
スイツチの切換え機構とを拡大して示した部分平
面図、第２図及び第３図は第１図の−線及び
−線矢視図、第４図はヘツドの垂直調整機構
の分解斜視図、第５図〜第８図はヘツドの垂直調
整機構の説明図で、第５図及び第７図は夫々ノー
マルモード及びリバースモードにおけるスイツチ
を除いて示した第１図と同様の部分平面図、第６
図及び第８図は夫々第５図及び第７図の−線
及び−線矢視断面図である。 なお図面に用いられた符号において、１……ヘ
ツド基板、２……スライドレバー（トラツク切換
え動作部材）、４……フレキシブルプリント基板
（線材）、６……スライドスイツチ（トラツク切換
えスイツチ）、８……磁気ヘツド、１０……切換
えレバー、２３……上部回動板、３１……下部回
動板である。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 記録及び／又は再生用のヘツドと、 上記ヘツドがトラツク切換えのために上下方向
   に移動し得るように記載されたヘツド基板とを備
   え、 上記ヘツドをテープ走行路に対して接離させる
   ために、上記ヘツド基板が往復動し得るように構
   成されたオートリバース式テープレコーダにおい
   て、 上記ヘツド基板上の上記ヘツドの近傍に配置さ
   れた切換えスイツチと、 上記切換えスイツチを上記ヘツドに接続する線
   材と、 上記ヘツド基板の平面にほゞ沿つて回動自在に
   このヘツド基板に軸支された切換えレバーとをさ
   らに備え、 上記切換えレバーの一端側が上記ヘツド基板か
   らさらに外方に延在してトラツク切換え動作部材
   に関連され、 上記トラツク切換え動作部材の動作により上記
   切換えレバーが回動したとき、上記切換えレバー
   の他端側の動作によつて上記ヘツドのトラツク切
   換えのための上下方向への動作と上記切換えスイ
   ツチのトラツク切換えのためのスイツチ切換え動
   作とがそれぞれ行われるように構成したオートリ
   バース式テープレコーダ。