JPH0351607Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は固体燃料燃焼装置に係り、詳しくは銭
湯やプールの温水を作り出す小型の温水ボイラと
して使用するに好適な固体燃料ボイラに関するも
のである。

［従来の技術］ 従来、銭湯やプールの温水を作り出す小型の温
水ボイラとしては、小型環流ボイラ等の各種の小
型のボイラが知られている。このような従来の小
型環流ボイラは、重油を燃料とすることが多く、
燃料の取り扱いも容易であり、しかも燃焼灰も出
ることがなくメンテナンスが容易である。

［考案が解決しようとする問題点］ しかしながら、近年廃棄物を混合、成形した固
体燃料や石炭等を燃焼する小型温水ボイラの提供
が期待されている。このような固体燃料を燃焼す
る小型温水ボイラにおいては、上記の重油燃焼方
式のボイラに比べ燃料の取り扱いに難があり、し
かも粉塵が出るという問題がある。また、固体燃
料ボイラでは、ロータリバルブ装置などの燃料供
給用機構が必要とされていた。

［問題点を解決するための手段］ 本考案の固体燃料ボイラは、燃料を充填できる
と共に燃料を放出した後は灰受器として使用可能
なカートリツジ容器と、ボイラ本体とを備えて構
成される。

このボイラ本体は、堅筒状の胴体の下部を空気
分散板で仕切つて燃焼室を画成し、この燃焼室内
に伝熱管を配設してある。また燃焼室内には上下
方向に燃料供給管が設置され、該燃料供給管の上
端は胴体の天蓋部から上方に突出する。この燃料
供給管には燃料供給制御用の弁装置が設けられ
る。

また、胴体の上部には燃焼ガス排出用の排気口
が設けられ、燃焼室の下部には燃焼灰の排出シユ
ートが接続される。また、分散板上を回転可能に
スクレーパが設けられ、このスクレーパの駆動装
置が付設される。

上記カートリツジ容器は、燃料供給管の上端及
び排気シユートの上端がそれぞれ挿入可能な開口
を有している。

［作 用］ この固体燃料ボイラでは、カートリツジ容器内
に固体燃料を充填し、燃料供給管の上端に該容器
の開口を挿入させて該カートリツジ容器を胴体上
部に載置する。また、空のカートリツジ容器を胴
体側方に配置し、該容器開口に排出シユート先端
を挿入する。

送風機を作動させ空気室から燃焼室内に空気を
供給しつつ、燃料供給管から固体燃料を投入し、
スクレーパを回転させる。そうすると、分散板上
を回転するスクレーパにより、固体燃料は安息角
を保持しつつ燃料供給管下端から燃焼室内に投入
され、スクレーパの回転に伴つて徐々に外方向に
移動され、その途中にて燃焼される。燃え尽きて
生じた灰は排出シユートに至り、カートリツジ容
器内に収容される。

［実施例］ 以下図面を参照して実施例について説明する。

第１図は本考案の実施例に係る固体燃料ボイラ
の縦断面図（第２図−線に沿う断面図）、第
２図は同平面図、第３図は第１図−線に沿う
概略的な断面図、第４図はカートリツジ容器の形
状説明図である。

符号１０は堅筒状の胴体であり、その上部がロ
ート形に窄まる天蓋部１２にて封じられている。
胴体１０の下部には空気分散板１４が該胴体１０
の下部を仕切るように設置され、またこの空気分
散板１４の下方には仕切板１６が配設され、該分
散板１４と仕切板１６との間に空気室１８を画成
している。なお空気分散板１４の上方は燃焼室２
０として画成されている。

空気室１８には送風機２２が接続されており、
燃焼室２０の上方（本実施例では天蓋部１２）に
は燃焼排ガス排出用の排気口２４が開設されてい
る。また、燃焼室２０内には伝熱管２６，２８が
配設され、給水管３０と温水ドラム３２が該伝熱
管に接続されている。本実施例において、伝熱管
２６，２８はそれぞれチユーブを螺旋状に巻回し
たものであり、外側の伝熱管２６は胴体内壁面に
沿つて設けられており、内側の伝熱管２８は胴体
１０の中心部に設置されている。

符号３４は燃料供給管であり、内側のコイル状
の伝熱管２８内部を上下方向に延設され、その上
端は天蓋部１２を突出している。本実施例ではこ
の燃料供給管３４の上端は三つ又に分岐し、後述
するカートリツジ容器への差込み部３４ａとなつ
ている。また、この差込み部３４ａの分岐部に
は、燃料供給制御用の弁装置３６が設けられてい
る。この弁装置３６は燃料供給管３４の鉛直部上
端に接離可能な弁体３６ａと、該弁体３６ａに接
続された弁軸３６ｂと、該弁軸３６ｂの上方に配
設された弁軸３６ｂの上下作動用の駆動装置（図
示せず）とを備えて構成されている。

なお弁軸３６ｂの駆動装置としては例えばソレ
ノイド等を用いることができる。

燃料供給管３４の下端は空気分散板１４の直上
位置にまで延在されている。この空気分散板１４
の中心部分には駆動軸３８が挿通され、該駆動軸
３８の上端にスクレーパ４０がが取り付けられて
いる。符号４２はこの駆動軸３８に接続されたス
クレーパ駆動用のモータである。

また、空気分散板１４直上の側方には、燃焼灰
を排出するためのシユート４４が接続されてい
る。

符号４６はカートリツジ容器であり、第４図に
示す如く開口４６ａと、該開口４６ａの裏側に接
離自在な蓋４６ｂを備えている。この蓋４６ｂは
枢軸４６ｃによつて枢支されると共に、該枢軸４
６ｃに巻き付けられたコイルばねによつて該開口
４６ａを塞ぐ方向に付勢されている。

このように構成された固体燃料燃焼装置におい
て、カートリツジ４６内にペレツト状の固体燃料
を充填し、これを上下逆さまとして天蓋部１２上
に載置し、開口４６ａに差込み部３４ａを挿入す
る。また、別の空のカートリツジ容器４６を胴体
１０側部に載置し、同様に開口４６ａにシユート
４４を挿入する。そして、送風機２２を作動させ
て空気を空気室１８、分散板１４を通して燃焼室
２０内に供給すると共に、弁体３６ａを持ち上げ
てカートリツジ容器４６内のペレツト状の固体燃
料を燃料供給管３４内に供給する。更に、モータ
４２を駆動させスクレーパ４０を回転させる。そ
うすると、ペレツト状の固体燃料はその安息角に
従つて分散板１４上に流出し、これに着火するこ
とにより燃焼が開始する。スクレーパ４０をゆつ
くりと回転すると、固体燃料は燃焼しながら空気
分散板１４上を燃料供給管３４から離れる方向に
移動する。やがて、燃え尽きて灰となると、この
灰はシユート４４から空のカートリツジ４６内に
収納される。なお、燃焼排ガスは排気口２４から
排出される。

このスクレーパ４０内の回転数を変更すること
により、燃料供給管３４から安息角を保持しつつ
流出するペレツト状固体燃料の供給量を変更する
ことができ、ボイラ出力の変更が行える。なお、
燃焼熱は伝熱管２６，２８内の水に伝えられ、給
水管３０からの水は温水となつて温水ドラム３２
内に導入される。

このボイラの燃焼を停止するには、弁体３６ａ
を降下させ、燃料供給管３６内へのカートリツジ
容器４６からの固体燃料の供給を停止する。

このように、本考案の固体燃料ボイラにおいて
は、燃料の供給及び燃焼灰の排出共にカートリツ
ジ容器を載置するだけでよく、極めて容易かつ迅
速に行え、かつ灰が飛散する恐れも全くない。ま
た、燃料供給用のロータリバルブ装置等の特別な
装置が不要である。

また、燃焼灰はスクレーパで連続的に掻き出さ
れるので、燃料灰の排出が良好に行われ、その堆
積によつて燃焼灰が抑制されることが防止され
る。

なお、上記実施例では燃料を充填した３個のカ
ートリツジ容器４６が天蓋部１２上に載置されて
いるが、このカートリツジの載置個数は図示以外
の任意の個数とできる。また、排出シユートの設
置個数も図では１個であるが、２以上としてもよ
い。

［考案の効果］ 以上の通り、本考案の固体燃料ボイラは、燃料
の供給及び灰の排出が極めて容易であり、灰の飛
散の恐れも全くなく、従つて、清潔で環境を汚す
恐れがない。更に、燃料供給機構も簡易であり、
装置構成コストも廉価である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例に係るボイラの縦断面
図、第２図は同平面図、第３図は第１図の−
線に沿う概略的な断面図、第４図はカートリツジ
容器の形状説明図であり、ａは平面図、ｂは縦断
面図、ｃは正面図である。 １０……胴体、１２……天蓋部、１４……空気
分散板、１８……空気室、２０……燃焼室、２２
……送風機、２６，２８……伝熱管、３０……温
水ドラム、３４……燃料供給管、４０……カクレ
ーパ、４４……シユート、４６……カートリツジ
容器。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 頂部が天蓋部で封じられた堅筒状の胴体、該胴
   体の下部に設けられその上方の胴体内に燃焼室を
   画成する空気分散板、該燃焼室内に配設された伝
   熱管、該空気分散板の下側に形成された空気室、
   該空気室に接続された送風機、該空気分散板上面
   上を回転自在なスクレーパ、該スクレーパの駆動
   軸に接続された駆動装置、該胴体内に上下方向に
   設置されその上端が前記天蓋部から突出する燃料
   供給管、該燃料供給管に設けられた燃料供給制御
   用の弁装置、該胴体の上部に設けられた排気口、
   及び該胴体の燃焼室下端に接続された燃焼灰の排
   出シユートを備えた固体燃料ボイラ本体と、 前記燃料供給管の上端及び該排出シユートの先
   端がそれぞれ挿入可能な開口を有するカートリツ
   ジ容器と、を備えた固体燃料ボイラ。