JP3660295B2 - 暖房装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、暖めた空気を用いて室内等の暖房を行う暖房装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、室内を暖房する暖房装置として、実開昭59−18115号公報に記載されているものが知られており、その概略図が図7に示されている。
前記暖房装置50は、炉本体52と、その炉本体52を囲むケーシング54とから構成されている。炉本体52は、燃焼室52aと二次燃焼室52bとを備えており、燃焼室52aの下部側面に複数の燃焼空気供給孔55が形成されている。燃焼室52a内で、固形燃料(図示されていない)が燃焼することで発生した燃焼ガスは燃焼空気供給孔55から吹き込まれた燃焼空気の働きで上昇し、二次燃焼室52b内で二次燃焼する。そして、二次燃焼後の排気ガスが熱交換器53を通った後、煙突53kから排出される。
【0003】
ケーシング54には、空気流入口56と空気流出口58とが形成されており、空気流入口56に流入ファン56fが設けられている。ケーシング54内に流入した空気は熱交換器53及び炉本体52から熱を吸収した後、空気流出口58から外部に放出される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記暖房装置50では、炉本体52の燃焼室52a内の燃焼ガスは下方から上方に流れるだけであるため、燃焼室52a内での滞留時間が短い。また、ケーシング54内の空気は、燃焼室52aの周囲を空気流入口56から空気流出口58の方向に流れるだけであるため、燃焼室52aの周囲を通過する時間は短い。このため、燃焼室52a内の燃焼ガスの熱がケーシング54内の空気に十分に伝わらず、燃焼ガスと空気との間の熱交換効率が低くなる。
本発明は、上記問題点に鑑みなされたものであり、熱交換効率が高い暖房装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記した課題は、各請求項の発明によって解決される。
請求項1の発明は、燃焼室の周囲に形成された空気通路から放散される空気で室内暖房を行う暖房装置であって、燃焼室内に、その燃焼室の側壁に沿って螺旋状に旋回しながら上昇するガスの流れを作るガス誘導手段と、前記空気通路内に吹き込まれた空気を、その空気通路の周方向に導くことで、前記ガスと逆回りに旋回しながら上昇する空気の流れを作る空気誘導手段とを有しており、前記空気誘導手段は、燃焼室の側壁の外面に突出した状態で、その外面に沿って周方向に延びるように設けられた多数の伝熱板から構成されており、前記多数の伝熱板は、ほぼ同一高さ位置で周方向に間隔をおいて設けられた複数枚を一組として、複数の組が高さ方向に間隔をおいて配置されていること特徴とする。
【0006】
本発明によると、燃焼室内のガスは、ガス誘導手段の働きで燃焼室の側壁に沿って螺旋状に旋回しながら上昇するため、燃焼室内におけるガスの滞留時間が長くなる。一方、空気通路内の空気は、空気誘導手段の働きで前記ガスの流れ方向に対してほぼ逆向きに流れるため、前記空気は空気通路内を前記ガスと逆方向に旋回しながら上昇する。このため、空気通路内における空気の滞留時間も長くなる。したがって、燃焼室内のガスの熱が空気通路内の空気に伝わり易くなり、前記ガスと空気との熱交換効率が高くなる。
また、燃焼室内のガスの流れ方向と空気通路内の空気の流れ方向とがほぼ逆向きであるため、前記ガスと前記空気とを同方向あるいは交差する方向に流すときより、熱交換効率が向上する。
なお、「加熱ガスと被加熱ガスとを逆向に流す場合は、それらのガスを同方向あるいは交差する方向に流す場合より、熱交換効率が高くなる。」ということは、周知事実である。
【0007】
請求項2の発明によると、伝熱板の周方向における端部には、同じ組の隣り合う伝熱板間の隙間から空気を斜め上方に導くことが可能な傾斜面が設けられていることを特徴とする。
請求項3の発明は、下の組における隣り合う伝熱板間の隙間の位置と、上の組における隣り合う伝熱板間の隙間の位置とが空気通路の周方向においてずれていることを特徴とする。
【0008】
また、請求項4に示すガス誘導手段のように、燃焼空気を燃焼室内にほぼ水平方向から吹き込んで前記燃焼室の側壁に沿う燃焼空気の流れを作ることで、その燃焼空気の流れによりガスを螺旋状に旋回させながら上昇させる構成にすれば、構造が簡素化し、コスト的に有利になるとともに、耐久性も高くなる。
【0009】
また、請求項5に示すように、螺旋状に旋回しながら上昇するガスの旋回中心に煙突の入口を配置すれば、遠心力の影響を受けないガス中の軽い成分(ガス分)のみが煙突から外部に排出される。このため、ガス中の重い成分、例えば、火の粉等の未燃物が煙突から外部に排出されるような不都合がない。
また、請求項6に示すように、暖房装置の燃料に木質ペレットを使用することにより、ダイオキシンの発生を抑えることができる。
また、請求項7に示すように、燃焼室の床面よりも低い位置からその燃焼室内に木質ペレットを供給するのが、煙等の発生を抑える点で好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図1から図6に基づいて、本発明の実施形態1に係る暖房装置の説明を行う。ここで、図1は本実施形態の暖房装置の全体縦断面図(図3のIA-IA矢視断面図)等であり、図2は暖房装置の全体側面図(図3のII- II矢視断面図)、図3は暖房装置の全体平面図である。また、図4は暖房装置の内胴の縦断面図、図5は図4のV- V矢視断面図、図6は図4のVIA- VIA矢視断面図等である。ここで、暖房装置の幅方向をX方向、暖房装置の前後方向をY方向及び高さ方向をZ方向として以下の説明を行う。
【0011】
本実施形態に係る暖房装置1は、固形燃料、例えば、木質ペレットを燃料にする暖房装置であり、図1から図3に示すように、暖房装置本体10と、その暖房装置本体10に木質ペレットPを供給する燃料供給機構30と、暖房装置本体10に空気を供給する空気供給機構40とから構成されている。
暖房装置本体10は、燃焼室11を構成する内胴12を備えている。
【0012】
内胴12は、図4に示すように、円板状の底板13を有しており、その底板13の周縁上に円筒形の外側板14が同軸に固定されている。また、底板13の上側と外側板14の内側には所定の厚み寸法で耐火材K(1400℃対応)の層が形成されており、この耐火材Kによって燃焼室11の下部が構成されている。
燃焼室11の底部、即ち、底板13上に積層された耐火材Kには、図4及び図1(B)に示すように、後記する燃料供給機構30のスクリュー32を収納するスクリュー溝13mが形成されている。スクリュー溝13mは、外側板14の底部開孔14hの位置から燃焼室11の中心位置まで一定幅で前後方向(Y方向)に形成されている。なお、図1(A)において左側を前方、右側を後方とする。
【0013】
また、燃焼室11の下部の側壁には、図4、図5に示すように、燃焼空気を燃焼室11内に吹き込むためのエアノズル15が複数個形成されている。エアノズル15は、燃焼空気を吹き込むことで燃焼室11内に気流を形成し、その燃焼室11内のガスを側壁に沿って螺旋状に旋回(図5において右旋回)させながら上昇させる働きをする。
エアノズル15は、図5に示すように、円周方向に等間隔で、例えば8本配置されており、8本のエアノズル15を一組とした場合に、例えば三組のエアノズル15が燃焼室11の高さ方向に等間隔で設けられている。エアノズル15は、燃焼室11の壁面に沿って水平方向に燃焼空気を吹き込めるように、燃焼室11の中心よりも左側を指向した状態で配置されている。
【0014】
内胴12の外側板14の周囲は、横断面形状が略コ字形の空気ダクト16によって被われており、その空気ダクト16の内側に燃焼空気通路16aが形成されている。空気ダクト16の前端部には、図5に示すように、配管接続口16cが形成されており、その配管接続口16cに後記する空気供給機構40の燃焼空気配管42が接続される。空気供給機構40によって空気ダクト16に供給された燃焼空気はエアノズル15によって燃焼室11内に吹き込まれ、図5に示すように、燃焼室11の側壁に沿って右回りに旋回する(←参照)。
即ち、エアノズル15及び空気ダクト16が本発明のガス誘導手段に相当する。
【0015】
燃焼室11の下部側面には、その燃焼室11内で燃焼した木質ペレットPの灰を出すための灰出し口17が形成されており、その灰出し口17が耐火材Kを備える横蓋17fによって閉じられている。なお、横蓋17fは灰出し時に開放可能に構成されている。
【0016】
内胴12の外側板14及び耐火材Kの上には、図4に示すように、燃焼室11の中央部と上部とを構成する円筒板18がその外側板14等と同軸に固定されている。円筒板18には、上端部と下端部とにフランジ18u,18dが形成されており、その下側フランジ18dが耐火材Kの上端面Kuを被った状態で外側板14の上端に例えば溶接等により固定される。円筒板18の内径は、燃焼室11の上部及び中央部と燃焼室11の下部とが連続するように、燃焼室11の下部の内径と同一寸法に設定されている。なお、図4において円筒板18の上部に形成された円形の開孔18eは煙突29の取付け孔である。
【0017】
円筒板18の外壁面には、複数の伝熱板19が例えば溶接等により固定されている。伝熱板19は、円筒板18の熱を放散するとともに、後記するように、円筒板18の周囲を流れる空気の流れ方向を決める平板であり、図6(A)に示すように、円筒板18の円周方向に等間隔で、例えば6枚配置されている。さらに、円筒板18の円周方向に形成された6枚の伝熱板19を一組とした場合に、その円筒板18の高さ方向には、例えば、13組(図4参照)の伝熱板19が等間隔で設けられている。
【0018】
伝熱板19は、図6(A)に示すように、一定幅(フランジ18u,18dより若干狭い幅)で平面円弧形に形成されており、その伝熱板19の白抜き矢印方向における先端部分に傾斜面19kが形成されている。傾斜面19kは、伝熱板19の先端部を約15°折り曲げることにより形成される。また、伝熱板19の後端と隣の伝熱板の先端との間には一定幅の隙間19sが形成されている。
【0019】
ここで、図6(B)に示すように、所定の高さ位置にある伝熱板19とその下の段あるいは上の段にある伝熱板19とは隙間19sの位置が水平方向においてずれるように設置されている。このため、隙間19sが円筒板18の上下方向において連続して同位置に並ぶことはない。
【0020】
内胴12の円筒板18の外周は、図1、図2等に示すように、外胴25によって被われている。外胴25は円筒形の板であり、上端が円筒板18の上側フランジ18uの外周面に例えば溶接等により固定され、下端が円筒板18の下側フランジ18dの外周面に同じく溶接等により固定される。これによって、内胴12の円筒板18と外胴25との間には一定厚み(伝熱板19の幅にほぼ等しい寸法)の筒状の空間20(以後、空気通路20という)が形成される。
【0021】
外胴25の下部には、その外胴25と内胴12の円筒板18とによって形成された空気通路20に空気を吹き込むための吹き込み口25e(図3参照)が形成されている。吹き込み口25eは、外胴25の後端部(図3において右側部)の近傍に形成されており、その吹き込み口25eに空気供給機構40の空気主配管41が、図6(A)に示すように、空気通路20内に白抜き矢印方向の空気の流れを形成できるように水平方向から接続される。
外胴25の上部には、図2、図3に示すように、空気通路20内に吹き込まれた空気を放散するための空気放散部25aがその外胴25の幅方向(X方向)両側に形成されている。
【0022】
外胴25の吹き込み口25eから空気通路20の下部に吹き込まれた空気は、内胴12の円筒板18に設けられた最下段の伝熱板19(第一伝熱板19)にガイドされて、その円筒板18の下部周囲を図6(A)において左旋回する。旋回中の空気は各々の第一伝熱板19の傾斜面19kに当接することで、第一伝熱板19間の隙間19sからその第一伝熱板19の上に導かれ、次の段の伝熱板19(第二伝熱板19)にガイドされて円筒板18の周囲を左旋回する。
【0023】
さらに、その旋回中の空気は第二伝熱板19の傾斜面19kに当接することで、第二伝熱板19間の隙間19sから第二伝熱板19の上に導かれ、第三伝熱板19にガイドされて円筒板18の周囲を左旋回する。このように、外胴25の吹き込み口25eから空気通路20に吹き込まれた空気は、螺旋状に左旋回しながらその空気通路20内を上昇し、外胴25の上部の空気放散部25aから外部に放散される。即ち、空気通路20内の空気は、燃焼室11内のガスと逆方向に流れるようになる。
このように、伝熱板19が本発明の空気誘導手段に相当する。
【0024】
外胴25には、内胴12の円筒板18の開孔18eに相当する位置に煙突29の取付け孔25z(図3参照)が形成されている。
煙突29は、煙突本体29mと、その煙突本体29mにフランジ29fを介して接続される導入管部29sとから構成されている。煙突本体29mは、その煙突本体29mの入口部が外胴25の取付け孔25z及び円筒板18の開孔18eに通された後、例えば溶接等されることにより、暖房装置本体10に取付けられる。煙突本体29mの入口部の先端は、燃焼室11内に突出しており、その入口部にフランジ29fを介して導入管部29sが接続される。
【0025】
導入管部29sは、図1(A)に示すように、略逆L字形に形成されており、その導入管部29sの入口29cが燃焼室11のほぼ中央、即ち、螺旋状に旋回して上昇するガスの旋回中心に配置される。ここで、円筒板18の開孔18eと煙突29との間は、排ガスが空気通路20内に侵入しないように、確実にシールが施されている。
また、外胴25の前側面には、燃焼室11内を覗くための、覗窓22が形成されている。ここで、内胴12の円筒板18には、覗窓22に対応する位置に開口(図示されていない)が形成されており、その開口と覗窓22との間が確実にシールされて、排ガスが空気通路20内に侵入しないように構成されている。
【0026】
外胴25及び内胴12の円筒板18の上端部には、燃焼室11の天井部を開閉するための天井蓋27が取付けられている。
暖房装置本体10の外胴25、内胴12及び天井蓋27の材料には、例えば、厚さ約2mm以上の鉄板が使用される。また、煙突本体29mの材料には、例えば、鋼管が使用され、導入管部29sの材料には耐久性を考慮してステンレスパイプ等が使用される。
【0027】
暖房装置本体10に空気を供給する空気供給機構40は、図3に示すように、押込送風機45を備えている。押込送風機45には、空気主配管41の一端が接続されており、その空気主配管41の他端が前述のように暖房装置本体10の外胴25の吹き込み口25eに接続されている。空気主配管41の途中からは、燃焼空気配管42が分岐されており、その燃焼空気配管42の先端が前述のように空気ダクト16の配管接続口16cに接続されている。また、燃焼空気配管42には、その燃焼空気配管42内を流れる空気の流量を調節する流量調節弁42vが取付けられている。即ち、押込送風機45によって圧送された空気は、一部分が燃焼空気として使用され、残りが空気通路20内を流れる空気(以下、温風という)として使用される。
【0028】
暖房装置本体10に木質ペレットPを供給する燃料供給機構30は、図1等に示すように、木質ペレットPを貯留する貯留槽34を備えている。貯留槽34は上部に蓋34yを有する例えば角形の容器であり、暖房装置本体10の後方に配置されている。貯留槽34の底部には、木質ペレットPを供給する供給配管34hがその貯留槽34の前後(Y方向)に突出して形成されている。そして、供給配管34hの前端が暖房装置本体10の外側板14の底部開孔14hに同軸に接続されることで、その供給配管34hが燃焼室11の底部に形成されたスクリュー溝13mの延長線上に配置される。
【0029】
貯留槽34の供給配管34hから燃焼室11のスクリュー溝13mにかけては、燃料供給機構30のスクリュー32が同軸に挿入されている。スクリュー32は、貯留槽34内の木質ペレットPをスクリュー溝13mから燃焼室11の底部に供給する部材であり、中心軸32jとその中心軸32jの回りに螺旋状に形成された送り羽根32fとから構成されている。スクリュー32の中心軸32jの基端部は、貯留槽34の供給配管34hの後端部に設けられた軸受け35によって支持されており、その軸受け35から後方に突出した中心軸32jの端部が減速機付きモータ36の回転軸(図示されていない)に接続されている。
【0030】
このため、減速機付きモータ36の働きでスクリュー32が一定速度で回転すると、スクリュー32の送り羽根32fの働きで貯留槽34内の木質ペレットPが一定量づつスクリュー溝13mから燃焼室11の底部に供給される。減速機付きモータ36の近傍には、制御盤(図示されていない)が設置されており、前記制御盤に減速機付きモータ36の駆動を制御して室内温度を調節するコントローラが取付けられている。
なお、速機付きモータ36の回転軸及びスクリュー32と、貯留槽34の供給配管34h及び燃焼室11のスクリュー溝13mとを同じ高さ位置に保持するため、暖房装置本体10と貯留槽34とは所定高さ寸法のベース2上に設置されている。
【0031】
次に、上記した暖房装置1の動作説明を行う。
先ず、準備段階で燃料供給機構30の貯留槽34に木質ペレットPを供給する。次に、暖房装置本体10の天井蓋27を開けて燃焼室11内に紙あるいは木片等を収納し、着火する。着火後に天井蓋27を閉じ、押込送風機45を作動させる。これによって、押込送風機45から空気主配管41、吹き込み口25eを介して暖房装置本体10の空気通路20、即ち、外胴25と内胴12の円筒板18との間に形成された空気通路20に空気が吹き込まれる。また、空気主配管41から分岐した燃焼空気配管42、空気ダクト16及びエアノズル15を介して燃焼室11内に燃焼空気が吹き込まれる。
【0032】
燃焼室11内の着火が良好に行われた状態で、次に、減速機付きモータ36が駆動し、スクリュー32の回転によって貯留槽34内の木質ペレットPが供給配管34h、スクリュー溝13mを通って燃焼室11の底部に供給される。なお、木質ペレットPの燃焼の様子は覗窓22から確認することができ、その燃焼状況に応じて燃焼空気の流量を流量調節弁42vにより適正量に調整する。
【0033】
木質ペレットPは、燃焼室11の床上に山積みされた状態で、その山の表面から順番に燃焼する。このため、床下に位置するスクリュー32の温度は燃焼室11内の温度(約300℃〜500℃)と比べて低温になる。したがって、スクリュー32の材料は、例えば、鋼材等でも十分可能である。
木質ペレットPが燃焼することにより発生したガスは、燃焼空気の流れに乗ってその燃焼空気と共に、図1(A)、図5等に示すように、燃焼室11の側壁に沿って螺旋状に旋回しながら上昇する。このとき、ガス中の比較的重い成分(燃焼成分)は遠心力で燃焼室11の側壁の近傍に位置しており、上昇過程で燃焼する。そして、遠心力の影響を受けない軽い排ガスが暖房装置本体10の天井蓋27の位置から旋回中心側に移動しながら下降し、煙突29の入口29cからその煙突29によって外部に排出される。
【0034】
このように、煙突29の入口29cはガスの旋回中心位置に配置されているため、遠心力の影響を受けない排ガスのみがその煙突29から外部に排出される。したがって、ガス中の重い成分、例えば、火の粉等の未燃物が煙突29から外部に排出されるようなことがない。
【0035】
空気主配管41によって外胴25と内胴12の円筒板18との間の空気通路20に吹き込まれた空気は、燃焼室11を構成する円筒板18の熱を吸収しながら、伝熱板19等の働きで、図6(A)に示すように、ガスとは逆向きに旋回しながら上昇し、外胴25の空気放散部25aから室内に放散される。これによって、室内の暖房が行われる。ここで、空気放散部25aから放散される温風の温度は、約40℃〜80℃の範囲である。
【0036】
燃料供給機構30は、減速機付きモータ36を定速回転で使用し、その減速機付きモータ36の一回の駆動時間をタイマ等で一定時間に制限している。そして、室内温度と設定温度との温度差に応じて単位時間当たりの減速機付きモータ36の駆動回数を増減できるようにしている。このため、例えば、室内温度と設定温度との温度差が大きい場合(室内が冷えている場合)には、単位時間当たりの減速機付きモータ36の駆動回数が多くなり、燃焼室11内には多量の木質ペレットPが供給されるようになる。また、室内温度と設定温度との温度差が小さい場合(室内が暖まってきた場合)には、単位時間当たりの減速機付きモータ36の駆動回数が少なくなり、燃焼室11内には小量の木質ペレットPが供給される。なお、減速機付きモータ36の一回の駆動時間及び単位時間当たりの駆動回数は、前記コントローラで自動設定しても良いし、手動で設定しても良い。
【0037】
上記したように本実施形態に係る暖房装置1では、燃焼室11内のガスは、燃焼室11の側壁に沿って螺旋状に旋回しながら上昇するため、燃焼室11内におけるガスの滞留時間が長くなる。一方、燃焼室11を構成する円筒板18と外胴25とによって形成される空気通路20内の空気は、その空気通路20内を燃焼室11内のガスと逆方向に旋回しながら上昇する。このため、空気通路内における空気の滞留時間も長くなる。したがって、燃焼室11内のガスの熱が空気通路20内の空気に伝わり易くなり、前記ガスと空気との間の熱交換効率が高くなる。
また、燃焼室11内のガスの流れ方向と空気通路20内の空気の流れ方向とがほぼ逆向きであるため、前記ガスと前記空気とを同方向あるいは交差する方向に流す場合に比して、熱交換効率が向上する。
【0038】
また、燃焼室11内のガスの熱を燃焼室11の外側の空気に伝える伝熱板19がその空気のガイド手段として兼用されているため、部品点数が減少してコスト的に有利となる。
また、燃焼空気を燃焼室11内にほぼ水平方向から吹き込んで燃焼室11の側壁に沿う燃焼空気の流れを作ることで、その燃焼空気の流れによりガスを螺旋状に旋回させながら上昇させる構成のため、構造が簡素化してコスト的に有利になるとともに、耐久性も向上する。
【0039】
また、暖房装置の燃料に木質ペレットPを使用するため、ダイオキシンの発生を抑えることができる。さらに、燃焼室11の床面よりも低い位置から木質ペレットPをその燃焼室11内に供給する構造のため、煙等の発生を抑えることができる。
なお、本実施形態では、減速機付きモータ36を定速回転させ、その減速機付きモータ36の一回の駆動時間をタイマ等で一定時間に制限する例を示したが、減速機付きモータ36の速度制御を可能にすれば、運転条件に応じてそのモータ36の回転速度を制御しながら連続運転することも可能である。
【0040】
また、押込送風機45の回転速度についても種々の態様で制御することができる。
また、本実施形態では、燃焼室11を構成する円筒板18の外壁面に伝熱板19を円周方向に6枚、高さ方向に13段設ける例を示したが、一枚の伝熱板19を円筒板18の外壁面に螺旋状に取付けることも可能である。
また、燃焼室11の形状等は種々に変更可能である。
【0041】
【発明の効果】
本発明によると、燃焼室内のガスの熱が空気通路内の空気に伝わり易くなり、前記ガスと空気との間の熱交換効率が高くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1に係る暖房装置の全体縦断面図(図3のIA -IA矢視図)(A図)、燃焼室の底部の斜視図である(B図)。
【図2】暖房装置の全体側面図である(図3のII-II矢視図)。
【図3】暖房装置の全体側面図である。
【図4】暖房装置の内胴の縦断面図である。
【図5】図4のV-V矢視断面図である。
【図6】図4のVIA-VIA矢視断面図(A図)、A図のB-B矢視図(B図)である。
【図7】従来の燃焼装置を表す縦断面図である。
【符号の説明】
P 木質ペレット
1 暖房装置
11 燃焼室
12 内胴
15 エアノズル(ガス誘導手段)
16 空気ダクト(ガス誘導手段)
18 円筒板
19 伝熱板(空気誘導手段)
20 空間(空気通路)
25 外胴
40 空気供給機構
41 空気主配管
【発明の属する技術分野】
本発明は、暖めた空気を用いて室内等の暖房を行う暖房装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、室内を暖房する暖房装置として、実開昭59−18115号公報に記載されているものが知られており、その概略図が図7に示されている。
前記暖房装置50は、炉本体52と、その炉本体52を囲むケーシング54とから構成されている。炉本体52は、燃焼室52aと二次燃焼室52bとを備えており、燃焼室52aの下部側面に複数の燃焼空気供給孔55が形成されている。燃焼室52a内で、固形燃料(図示されていない)が燃焼することで発生した燃焼ガスは燃焼空気供給孔55から吹き込まれた燃焼空気の働きで上昇し、二次燃焼室52b内で二次燃焼する。そして、二次燃焼後の排気ガスが熱交換器53を通った後、煙突53kから排出される。
【0003】
ケーシング54には、空気流入口56と空気流出口58とが形成されており、空気流入口56に流入ファン56fが設けられている。ケーシング54内に流入した空気は熱交換器53及び炉本体52から熱を吸収した後、空気流出口58から外部に放出される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記暖房装置50では、炉本体52の燃焼室52a内の燃焼ガスは下方から上方に流れるだけであるため、燃焼室52a内での滞留時間が短い。また、ケーシング54内の空気は、燃焼室52aの周囲を空気流入口56から空気流出口58の方向に流れるだけであるため、燃焼室52aの周囲を通過する時間は短い。このため、燃焼室52a内の燃焼ガスの熱がケーシング54内の空気に十分に伝わらず、燃焼ガスと空気との間の熱交換効率が低くなる。
本発明は、上記問題点に鑑みなされたものであり、熱交換効率が高い暖房装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記した課題は、各請求項の発明によって解決される。
請求項1の発明は、燃焼室の周囲に形成された空気通路から放散される空気で室内暖房を行う暖房装置であって、燃焼室内に、その燃焼室の側壁に沿って螺旋状に旋回しながら上昇するガスの流れを作るガス誘導手段と、前記空気通路内に吹き込まれた空気を、その空気通路の周方向に導くことで、前記ガスと逆回りに旋回しながら上昇する空気の流れを作る空気誘導手段とを有しており、前記空気誘導手段は、燃焼室の側壁の外面に突出した状態で、その外面に沿って周方向に延びるように設けられた多数の伝熱板から構成されており、前記多数の伝熱板は、ほぼ同一高さ位置で周方向に間隔をおいて設けられた複数枚を一組として、複数の組が高さ方向に間隔をおいて配置されていること特徴とする。
【0006】
本発明によると、燃焼室内のガスは、ガス誘導手段の働きで燃焼室の側壁に沿って螺旋状に旋回しながら上昇するため、燃焼室内におけるガスの滞留時間が長くなる。一方、空気通路内の空気は、空気誘導手段の働きで前記ガスの流れ方向に対してほぼ逆向きに流れるため、前記空気は空気通路内を前記ガスと逆方向に旋回しながら上昇する。このため、空気通路内における空気の滞留時間も長くなる。したがって、燃焼室内のガスの熱が空気通路内の空気に伝わり易くなり、前記ガスと空気との熱交換効率が高くなる。
また、燃焼室内のガスの流れ方向と空気通路内の空気の流れ方向とがほぼ逆向きであるため、前記ガスと前記空気とを同方向あるいは交差する方向に流すときより、熱交換効率が向上する。
なお、「加熱ガスと被加熱ガスとを逆向に流す場合は、それらのガスを同方向あるいは交差する方向に流す場合より、熱交換効率が高くなる。」ということは、周知事実である。
【0007】
請求項2の発明によると、伝熱板の周方向における端部には、同じ組の隣り合う伝熱板間の隙間から空気を斜め上方に導くことが可能な傾斜面が設けられていることを特徴とする。
請求項3の発明は、下の組における隣り合う伝熱板間の隙間の位置と、上の組における隣り合う伝熱板間の隙間の位置とが空気通路の周方向においてずれていることを特徴とする。
【0008】
また、請求項4に示すガス誘導手段のように、燃焼空気を燃焼室内にほぼ水平方向から吹き込んで前記燃焼室の側壁に沿う燃焼空気の流れを作ることで、その燃焼空気の流れによりガスを螺旋状に旋回させながら上昇させる構成にすれば、構造が簡素化し、コスト的に有利になるとともに、耐久性も高くなる。
【0009】
また、請求項5に示すように、螺旋状に旋回しながら上昇するガスの旋回中心に煙突の入口を配置すれば、遠心力の影響を受けないガス中の軽い成分(ガス分)のみが煙突から外部に排出される。このため、ガス中の重い成分、例えば、火の粉等の未燃物が煙突から外部に排出されるような不都合がない。
また、請求項6に示すように、暖房装置の燃料に木質ペレットを使用することにより、ダイオキシンの発生を抑えることができる。
また、請求項7に示すように、燃焼室の床面よりも低い位置からその燃焼室内に木質ペレットを供給するのが、煙等の発生を抑える点で好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図1から図6に基づいて、本発明の実施形態1に係る暖房装置の説明を行う。ここで、図1は本実施形態の暖房装置の全体縦断面図(図3のIA-IA矢視断面図)等であり、図2は暖房装置の全体側面図(図3のII- II矢視断面図)、図3は暖房装置の全体平面図である。また、図4は暖房装置の内胴の縦断面図、図5は図4のV- V矢視断面図、図6は図4のVIA- VIA矢視断面図等である。ここで、暖房装置の幅方向をX方向、暖房装置の前後方向をY方向及び高さ方向をZ方向として以下の説明を行う。
【0011】
本実施形態に係る暖房装置1は、固形燃料、例えば、木質ペレットを燃料にする暖房装置であり、図1から図3に示すように、暖房装置本体10と、その暖房装置本体10に木質ペレットPを供給する燃料供給機構30と、暖房装置本体10に空気を供給する空気供給機構40とから構成されている。
暖房装置本体10は、燃焼室11を構成する内胴12を備えている。
【0012】
内胴12は、図4に示すように、円板状の底板13を有しており、その底板13の周縁上に円筒形の外側板14が同軸に固定されている。また、底板13の上側と外側板14の内側には所定の厚み寸法で耐火材K(1400℃対応)の層が形成されており、この耐火材Kによって燃焼室11の下部が構成されている。
燃焼室11の底部、即ち、底板13上に積層された耐火材Kには、図4及び図1(B)に示すように、後記する燃料供給機構30のスクリュー32を収納するスクリュー溝13mが形成されている。スクリュー溝13mは、外側板14の底部開孔14hの位置から燃焼室11の中心位置まで一定幅で前後方向(Y方向)に形成されている。なお、図1(A)において左側を前方、右側を後方とする。
【0013】
また、燃焼室11の下部の側壁には、図4、図5に示すように、燃焼空気を燃焼室11内に吹き込むためのエアノズル15が複数個形成されている。エアノズル15は、燃焼空気を吹き込むことで燃焼室11内に気流を形成し、その燃焼室11内のガスを側壁に沿って螺旋状に旋回(図5において右旋回)させながら上昇させる働きをする。
エアノズル15は、図5に示すように、円周方向に等間隔で、例えば8本配置されており、8本のエアノズル15を一組とした場合に、例えば三組のエアノズル15が燃焼室11の高さ方向に等間隔で設けられている。エアノズル15は、燃焼室11の壁面に沿って水平方向に燃焼空気を吹き込めるように、燃焼室11の中心よりも左側を指向した状態で配置されている。
【0014】
内胴12の外側板14の周囲は、横断面形状が略コ字形の空気ダクト16によって被われており、その空気ダクト16の内側に燃焼空気通路16aが形成されている。空気ダクト16の前端部には、図5に示すように、配管接続口16cが形成されており、その配管接続口16cに後記する空気供給機構40の燃焼空気配管42が接続される。空気供給機構40によって空気ダクト16に供給された燃焼空気はエアノズル15によって燃焼室11内に吹き込まれ、図5に示すように、燃焼室11の側壁に沿って右回りに旋回する(←参照)。
即ち、エアノズル15及び空気ダクト16が本発明のガス誘導手段に相当する。
【0015】
燃焼室11の下部側面には、その燃焼室11内で燃焼した木質ペレットPの灰を出すための灰出し口17が形成されており、その灰出し口17が耐火材Kを備える横蓋17fによって閉じられている。なお、横蓋17fは灰出し時に開放可能に構成されている。
【0016】
内胴12の外側板14及び耐火材Kの上には、図4に示すように、燃焼室11の中央部と上部とを構成する円筒板18がその外側板14等と同軸に固定されている。円筒板18には、上端部と下端部とにフランジ18u,18dが形成されており、その下側フランジ18dが耐火材Kの上端面Kuを被った状態で外側板14の上端に例えば溶接等により固定される。円筒板18の内径は、燃焼室11の上部及び中央部と燃焼室11の下部とが連続するように、燃焼室11の下部の内径と同一寸法に設定されている。なお、図4において円筒板18の上部に形成された円形の開孔18eは煙突29の取付け孔である。
【0017】
円筒板18の外壁面には、複数の伝熱板19が例えば溶接等により固定されている。伝熱板19は、円筒板18の熱を放散するとともに、後記するように、円筒板18の周囲を流れる空気の流れ方向を決める平板であり、図6(A)に示すように、円筒板18の円周方向に等間隔で、例えば6枚配置されている。さらに、円筒板18の円周方向に形成された6枚の伝熱板19を一組とした場合に、その円筒板18の高さ方向には、例えば、13組(図4参照)の伝熱板19が等間隔で設けられている。
【0018】
伝熱板19は、図6(A)に示すように、一定幅(フランジ18u,18dより若干狭い幅)で平面円弧形に形成されており、その伝熱板19の白抜き矢印方向における先端部分に傾斜面19kが形成されている。傾斜面19kは、伝熱板19の先端部を約15°折り曲げることにより形成される。また、伝熱板19の後端と隣の伝熱板の先端との間には一定幅の隙間19sが形成されている。
【0019】
ここで、図6(B)に示すように、所定の高さ位置にある伝熱板19とその下の段あるいは上の段にある伝熱板19とは隙間19sの位置が水平方向においてずれるように設置されている。このため、隙間19sが円筒板18の上下方向において連続して同位置に並ぶことはない。
【0020】
内胴12の円筒板18の外周は、図1、図2等に示すように、外胴25によって被われている。外胴25は円筒形の板であり、上端が円筒板18の上側フランジ18uの外周面に例えば溶接等により固定され、下端が円筒板18の下側フランジ18dの外周面に同じく溶接等により固定される。これによって、内胴12の円筒板18と外胴25との間には一定厚み(伝熱板19の幅にほぼ等しい寸法)の筒状の空間20(以後、空気通路20という)が形成される。
【0021】
外胴25の下部には、その外胴25と内胴12の円筒板18とによって形成された空気通路20に空気を吹き込むための吹き込み口25e(図3参照)が形成されている。吹き込み口25eは、外胴25の後端部(図3において右側部)の近傍に形成されており、その吹き込み口25eに空気供給機構40の空気主配管41が、図6(A)に示すように、空気通路20内に白抜き矢印方向の空気の流れを形成できるように水平方向から接続される。
外胴25の上部には、図2、図3に示すように、空気通路20内に吹き込まれた空気を放散するための空気放散部25aがその外胴25の幅方向(X方向)両側に形成されている。
【0022】
外胴25の吹き込み口25eから空気通路20の下部に吹き込まれた空気は、内胴12の円筒板18に設けられた最下段の伝熱板19(第一伝熱板19)にガイドされて、その円筒板18の下部周囲を図6(A)において左旋回する。旋回中の空気は各々の第一伝熱板19の傾斜面19kに当接することで、第一伝熱板19間の隙間19sからその第一伝熱板19の上に導かれ、次の段の伝熱板19(第二伝熱板19)にガイドされて円筒板18の周囲を左旋回する。
【0023】
さらに、その旋回中の空気は第二伝熱板19の傾斜面19kに当接することで、第二伝熱板19間の隙間19sから第二伝熱板19の上に導かれ、第三伝熱板19にガイドされて円筒板18の周囲を左旋回する。このように、外胴25の吹き込み口25eから空気通路20に吹き込まれた空気は、螺旋状に左旋回しながらその空気通路20内を上昇し、外胴25の上部の空気放散部25aから外部に放散される。即ち、空気通路20内の空気は、燃焼室11内のガスと逆方向に流れるようになる。
このように、伝熱板19が本発明の空気誘導手段に相当する。
【0024】
外胴25には、内胴12の円筒板18の開孔18eに相当する位置に煙突29の取付け孔25z(図3参照)が形成されている。
煙突29は、煙突本体29mと、その煙突本体29mにフランジ29fを介して接続される導入管部29sとから構成されている。煙突本体29mは、その煙突本体29mの入口部が外胴25の取付け孔25z及び円筒板18の開孔18eに通された後、例えば溶接等されることにより、暖房装置本体10に取付けられる。煙突本体29mの入口部の先端は、燃焼室11内に突出しており、その入口部にフランジ29fを介して導入管部29sが接続される。
【0025】
導入管部29sは、図1(A)に示すように、略逆L字形に形成されており、その導入管部29sの入口29cが燃焼室11のほぼ中央、即ち、螺旋状に旋回して上昇するガスの旋回中心に配置される。ここで、円筒板18の開孔18eと煙突29との間は、排ガスが空気通路20内に侵入しないように、確実にシールが施されている。
また、外胴25の前側面には、燃焼室11内を覗くための、覗窓22が形成されている。ここで、内胴12の円筒板18には、覗窓22に対応する位置に開口(図示されていない)が形成されており、その開口と覗窓22との間が確実にシールされて、排ガスが空気通路20内に侵入しないように構成されている。
【0026】
外胴25及び内胴12の円筒板18の上端部には、燃焼室11の天井部を開閉するための天井蓋27が取付けられている。
暖房装置本体10の外胴25、内胴12及び天井蓋27の材料には、例えば、厚さ約2mm以上の鉄板が使用される。また、煙突本体29mの材料には、例えば、鋼管が使用され、導入管部29sの材料には耐久性を考慮してステンレスパイプ等が使用される。
【0027】
暖房装置本体10に空気を供給する空気供給機構40は、図3に示すように、押込送風機45を備えている。押込送風機45には、空気主配管41の一端が接続されており、その空気主配管41の他端が前述のように暖房装置本体10の外胴25の吹き込み口25eに接続されている。空気主配管41の途中からは、燃焼空気配管42が分岐されており、その燃焼空気配管42の先端が前述のように空気ダクト16の配管接続口16cに接続されている。また、燃焼空気配管42には、その燃焼空気配管42内を流れる空気の流量を調節する流量調節弁42vが取付けられている。即ち、押込送風機45によって圧送された空気は、一部分が燃焼空気として使用され、残りが空気通路20内を流れる空気(以下、温風という)として使用される。
【0028】
暖房装置本体10に木質ペレットPを供給する燃料供給機構30は、図1等に示すように、木質ペレットPを貯留する貯留槽34を備えている。貯留槽34は上部に蓋34yを有する例えば角形の容器であり、暖房装置本体10の後方に配置されている。貯留槽34の底部には、木質ペレットPを供給する供給配管34hがその貯留槽34の前後(Y方向)に突出して形成されている。そして、供給配管34hの前端が暖房装置本体10の外側板14の底部開孔14hに同軸に接続されることで、その供給配管34hが燃焼室11の底部に形成されたスクリュー溝13mの延長線上に配置される。
【0029】
貯留槽34の供給配管34hから燃焼室11のスクリュー溝13mにかけては、燃料供給機構30のスクリュー32が同軸に挿入されている。スクリュー32は、貯留槽34内の木質ペレットPをスクリュー溝13mから燃焼室11の底部に供給する部材であり、中心軸32jとその中心軸32jの回りに螺旋状に形成された送り羽根32fとから構成されている。スクリュー32の中心軸32jの基端部は、貯留槽34の供給配管34hの後端部に設けられた軸受け35によって支持されており、その軸受け35から後方に突出した中心軸32jの端部が減速機付きモータ36の回転軸(図示されていない)に接続されている。
【0030】
このため、減速機付きモータ36の働きでスクリュー32が一定速度で回転すると、スクリュー32の送り羽根32fの働きで貯留槽34内の木質ペレットPが一定量づつスクリュー溝13mから燃焼室11の底部に供給される。減速機付きモータ36の近傍には、制御盤(図示されていない)が設置されており、前記制御盤に減速機付きモータ36の駆動を制御して室内温度を調節するコントローラが取付けられている。
なお、速機付きモータ36の回転軸及びスクリュー32と、貯留槽34の供給配管34h及び燃焼室11のスクリュー溝13mとを同じ高さ位置に保持するため、暖房装置本体10と貯留槽34とは所定高さ寸法のベース2上に設置されている。
【0031】
次に、上記した暖房装置1の動作説明を行う。
先ず、準備段階で燃料供給機構30の貯留槽34に木質ペレットPを供給する。次に、暖房装置本体10の天井蓋27を開けて燃焼室11内に紙あるいは木片等を収納し、着火する。着火後に天井蓋27を閉じ、押込送風機45を作動させる。これによって、押込送風機45から空気主配管41、吹き込み口25eを介して暖房装置本体10の空気通路20、即ち、外胴25と内胴12の円筒板18との間に形成された空気通路20に空気が吹き込まれる。また、空気主配管41から分岐した燃焼空気配管42、空気ダクト16及びエアノズル15を介して燃焼室11内に燃焼空気が吹き込まれる。
【0032】
燃焼室11内の着火が良好に行われた状態で、次に、減速機付きモータ36が駆動し、スクリュー32の回転によって貯留槽34内の木質ペレットPが供給配管34h、スクリュー溝13mを通って燃焼室11の底部に供給される。なお、木質ペレットPの燃焼の様子は覗窓22から確認することができ、その燃焼状況に応じて燃焼空気の流量を流量調節弁42vにより適正量に調整する。
【0033】
木質ペレットPは、燃焼室11の床上に山積みされた状態で、その山の表面から順番に燃焼する。このため、床下に位置するスクリュー32の温度は燃焼室11内の温度(約300℃〜500℃)と比べて低温になる。したがって、スクリュー32の材料は、例えば、鋼材等でも十分可能である。
木質ペレットPが燃焼することにより発生したガスは、燃焼空気の流れに乗ってその燃焼空気と共に、図1(A)、図5等に示すように、燃焼室11の側壁に沿って螺旋状に旋回しながら上昇する。このとき、ガス中の比較的重い成分(燃焼成分)は遠心力で燃焼室11の側壁の近傍に位置しており、上昇過程で燃焼する。そして、遠心力の影響を受けない軽い排ガスが暖房装置本体10の天井蓋27の位置から旋回中心側に移動しながら下降し、煙突29の入口29cからその煙突29によって外部に排出される。
【0034】
このように、煙突29の入口29cはガスの旋回中心位置に配置されているため、遠心力の影響を受けない排ガスのみがその煙突29から外部に排出される。したがって、ガス中の重い成分、例えば、火の粉等の未燃物が煙突29から外部に排出されるようなことがない。
【0035】
空気主配管41によって外胴25と内胴12の円筒板18との間の空気通路20に吹き込まれた空気は、燃焼室11を構成する円筒板18の熱を吸収しながら、伝熱板19等の働きで、図6(A)に示すように、ガスとは逆向きに旋回しながら上昇し、外胴25の空気放散部25aから室内に放散される。これによって、室内の暖房が行われる。ここで、空気放散部25aから放散される温風の温度は、約40℃〜80℃の範囲である。
【0036】
燃料供給機構30は、減速機付きモータ36を定速回転で使用し、その減速機付きモータ36の一回の駆動時間をタイマ等で一定時間に制限している。そして、室内温度と設定温度との温度差に応じて単位時間当たりの減速機付きモータ36の駆動回数を増減できるようにしている。このため、例えば、室内温度と設定温度との温度差が大きい場合(室内が冷えている場合)には、単位時間当たりの減速機付きモータ36の駆動回数が多くなり、燃焼室11内には多量の木質ペレットPが供給されるようになる。また、室内温度と設定温度との温度差が小さい場合(室内が暖まってきた場合)には、単位時間当たりの減速機付きモータ36の駆動回数が少なくなり、燃焼室11内には小量の木質ペレットPが供給される。なお、減速機付きモータ36の一回の駆動時間及び単位時間当たりの駆動回数は、前記コントローラで自動設定しても良いし、手動で設定しても良い。
【0037】
上記したように本実施形態に係る暖房装置1では、燃焼室11内のガスは、燃焼室11の側壁に沿って螺旋状に旋回しながら上昇するため、燃焼室11内におけるガスの滞留時間が長くなる。一方、燃焼室11を構成する円筒板18と外胴25とによって形成される空気通路20内の空気は、その空気通路20内を燃焼室11内のガスと逆方向に旋回しながら上昇する。このため、空気通路内における空気の滞留時間も長くなる。したがって、燃焼室11内のガスの熱が空気通路20内の空気に伝わり易くなり、前記ガスと空気との間の熱交換効率が高くなる。
また、燃焼室11内のガスの流れ方向と空気通路20内の空気の流れ方向とがほぼ逆向きであるため、前記ガスと前記空気とを同方向あるいは交差する方向に流す場合に比して、熱交換効率が向上する。
【0038】
また、燃焼室11内のガスの熱を燃焼室11の外側の空気に伝える伝熱板19がその空気のガイド手段として兼用されているため、部品点数が減少してコスト的に有利となる。
また、燃焼空気を燃焼室11内にほぼ水平方向から吹き込んで燃焼室11の側壁に沿う燃焼空気の流れを作ることで、その燃焼空気の流れによりガスを螺旋状に旋回させながら上昇させる構成のため、構造が簡素化してコスト的に有利になるとともに、耐久性も向上する。
【0039】
また、暖房装置の燃料に木質ペレットPを使用するため、ダイオキシンの発生を抑えることができる。さらに、燃焼室11の床面よりも低い位置から木質ペレットPをその燃焼室11内に供給する構造のため、煙等の発生を抑えることができる。
なお、本実施形態では、減速機付きモータ36を定速回転させ、その減速機付きモータ36の一回の駆動時間をタイマ等で一定時間に制限する例を示したが、減速機付きモータ36の速度制御を可能にすれば、運転条件に応じてそのモータ36の回転速度を制御しながら連続運転することも可能である。
【0040】
また、押込送風機45の回転速度についても種々の態様で制御することができる。
また、本実施形態では、燃焼室11を構成する円筒板18の外壁面に伝熱板19を円周方向に6枚、高さ方向に13段設ける例を示したが、一枚の伝熱板19を円筒板18の外壁面に螺旋状に取付けることも可能である。
また、燃焼室11の形状等は種々に変更可能である。
【0041】
【発明の効果】
本発明によると、燃焼室内のガスの熱が空気通路内の空気に伝わり易くなり、前記ガスと空気との間の熱交換効率が高くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1に係る暖房装置の全体縦断面図(図3のIA -IA矢視図)(A図)、燃焼室の底部の斜視図である(B図)。
【図2】暖房装置の全体側面図である(図3のII-II矢視図)。
【図3】暖房装置の全体側面図である。
【図4】暖房装置の内胴の縦断面図である。
【図5】図4のV-V矢視断面図である。
【図6】図4のVIA-VIA矢視断面図(A図)、A図のB-B矢視図(B図)である。
【図7】従来の燃焼装置を表す縦断面図である。
【符号の説明】
P 木質ペレット
1 暖房装置
11 燃焼室
12 内胴
15 エアノズル(ガス誘導手段)
16 空気ダクト(ガス誘導手段)
18 円筒板
19 伝熱板(空気誘導手段)
20 空間(空気通路)
25 外胴
40 空気供給機構
41 空気主配管
Claims (7)
- 燃焼室の周囲に形成された空気通路から放散される空気で室内暖房を行う暖房装置であって、
燃焼室内に、その燃焼室の側壁に沿って螺旋状に旋回しながら上昇するガスの流れを作るガス誘導手段と、
前記空気通路内に吹き込まれた空気を、その空気通路の周方向に導くことで、前記ガスと逆回りに旋回しながら上昇する空気の流れを作る空気誘導手段とを有しており、
前記空気誘導手段は、燃焼室の側壁の外面に突出した状態で、その外面に沿って周方向に延びるように設けられた多数の伝熱板から構成されており、
前記多数の伝熱板は、ほぼ同一高さ位置で周方向に間隔をおいて設けられた複数枚を一組として、複数の組が高さ方向に間隔をおいて配置されていること特徴とする暖房装置。 - 請求項1記載の暖房装置であって、
伝熱板の周方向における端部には、同じ組の隣り合う伝熱板間の隙間から空気を斜め上方に導くことが可能な傾斜面が設けられていることを特徴とする暖房装置。 - 請求項1又は請求項2のいずれかに記載の暖房装置であって、
下の組における隣り合う伝熱板間の隙間の位置と、上の組における隣り合う伝熱板間の隙間の位置とが空気通路の周方向においてずれていることを特徴とする暖房装置。 - 請求項1〜請求項3のいずれかに記載の暖房装置であって、
ガス誘導手段は、燃焼空気を燃焼室内にほぼ水平方向から吹き込んで前記燃焼室の側壁に沿う燃焼空気の流れを作り、その燃焼空気の流れによりガスを螺旋状に旋回させながら上昇させることを特徴とする暖房装置。 - 請求項1〜請求項4のいずれかに記載の暖房装置であって、
螺旋状に旋回しながら上昇するガスの旋回中心に、煙突の入口が配置されていることを特徴とする暖房装置。 - 請求項1〜請求項5のいずれかに記載の暖房装置であって、
燃料には、木質ペレットが使用されることを特徴とする暖房装置。 - 請求項6記載の暖房装置であって、
燃焼室の床面よりも低い位置からその燃焼室内に木質ペレットを供給できるように構成されていることを特徴とする暖房装置。
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