JPH0351494B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は丸棒矯正機における上下の矯正ロール
を軸架するロール軸受固定装置に関するものであ
る。

［従来の技術］ 従来この種の丸棒矯正機は丸棒素材、管材の曲
がりの矯正を目的として、第１２図に示すように
矯正ロール３０，３０は一対の凹、凸ロール、又
は凹、凹ロールを上下に組み合わせて、素材の進
行線に対し上下の矯正ロールの軸中心線を交叉す
るようにロール角度及び圧下度を加減して保持さ
れるもので、上下のそれぞれの矯正ロールのロー
ル軸受３１，３１はロール受け、又は軸受ハウジ
ング３２，３２上に数本の取り付けボルト３３で
取り付けられており、通常、一つの軸受に対し４
本から６本の取り付けボルトで締め付け固定され
ていた。

［発明が解決しようとする課題］ 従来の前記丸棒矯正機においては、上下一対と
なる矯正ロールの軸受を複数本の取り付けボルト
で回動自在な軸受ハウジングに固定し、定位置に
それぞれ矯正ロールを軸支させるようにしていた
ため、大型矯正機の場合はもとより、中型矯正機
の場合でも、その取付けボルト本数が多く、取り
付け、取り外しが非常に面倒で手間のかかるもの
であつた。

本発明は、このような丸棒矯正機における矯正
ロールを軸支させるロール軸受を、油圧を用いて
即時簡単に固定又は取り外しできるロール軸受固
定装置を提供することを目的としたものである。

［課題を解決するための手段］ 上下の矯正ロールを、圧下装置及びそのロール
軸心を交叉すべくロール角度調整装置により回動
可能に支持されたロール受けに取付けるにあた
り、丸棒矯正機における回動自在な円形のロール
受け１上の左右に、下部両側に上面に係合テーパ
面４を有するチヨツク５を設けた矯正ロールのロ
ール軸受３，３を挟むように、長方形板状のチヨ
ツククランプ台２，２を取り付け、これらチヨツ
ククランプ台２，２間にロール軸受３，３，を配
置し、チヨツククランプ台２，２の両端内側に、
それぞれ前記軸受３，３のチヨツクの係合テーパ
面４上に係合する抑止用テーパ部６を有したクラ
ンパー７を夫々進退自在に内蔵させ、これらクラ
ンパー７に、チヨツククランプ台２に穿つた穴１
９を通じコイルバネ１７と座金１８に嵌挿した六
角ボルト１６の先端を螺着し、更に各クランパー
７を前記チヨツククランプ台２とラムカバー１０
で内蔵した油圧ラム１２の油圧力で押圧するよう
にし、油圧ラム１２の前進動作と、その油圧路の
開放及びコイルバネ１７の復元力により後退させ
て、クランパー７の抑止用テーパ面をロール軸受
３のチヨツク５の係合テーパ面４に係合又は離脱
させて、ロール軸受３，３を固定又はロール受け
１上に着脱自在としてなる丸棒矯正機におけるロ
ール軸受固定装置の構成である。

また、本発明の変形として、丸棒矯正機の上下
矯正ロールを支持する回動可能な軸受ハウジング
に油圧シリンダ２３のピストン２４を連結し、そ
の油圧シリンダ２３に抑止用テーパ部２６を有す
るクランパー２８を取付けて、油圧シリンダ２３
の前進、後退運動でクランパー２８の抑止用テー
パ部２６をロール軸受３の外側面に設けたチヨツ
ク５の係合テーパ面４に係止抑止、離脱自在とす
ることができる。

［作用］ ロール軸受３，３を固定する場合は、電磁弁に
より油圧回路を開いて圧油を圧油路１４から圧油
室１５に送り込むと、油圧ラム１２が前進し、ク
ランパー７がチヨツククランプ台２の中を前進
し、クランパー７の先端の抑止用テーパ部６が、
ロール軸受３，３の外側面に形成されたチヨツク
５の上面の係合用テーパ面４上に係合し抑圧する
ので、ロール軸受３，３は抑止され、その両側面
が同様の手段で抑えられることにより、チヨツク
クランプ台２，２の間に配置されたロール軸受
３，３は固定される。又、ロール軸受３，３を取
り外すときは、圧油路の回路を開くことにより、
クランパー７に先端を螺着したボルト１６が、座
金１８とコイルバネ１７の反発力で後退され、そ
れぞれのクランパー７がチヨツククランプ台２，
２内を後退するので、各クランパー７の先端の抑
止用テーパ部６はロール軸受３，３の各チヨツク
５の係合テーパ面４より後退して係合が外れ、ロ
ール軸受３，３はクレーン等で矯正ロールと共に
取り外すことができる。

［実施例］ 本発明の実施例について図面を参照して説明す
る。

第１図〜第１０図において、１は丸棒矯正機に
おける上下のそれぞれの矯正ロール３０を、互い
にロール軸心を所定の角度に交叉すべく旋回並び
に圧下調整自在に支持させる矯正機の回動可能な
ロール受け、２はロール受け１上に間隔をおいて
平行に取り付けた台板状のチヨツククランプ台
で、六角穴付きボルト２１によりロール受け１上
に固定してある。

このチヨツククランプ台２，２の間の左右に
は、軸受の両側面に係合テーパ面４を有したチヨ
ツク５が設けられたロール軸受３，３を配置し、
前記チヨツククランプ台２，２の両端部に内蔵し
たクランパー７，７のそれぞれ先端に形成したく
さび状の抑止用テーパ部６によりロール軸受３，
３のチヨツク５の係合テーパ面４を抑え、ロール
軸受３，３をロール受け１上に固定するようにし
てある。

このクランパー７，７は、第６図〜第８図に示
すように、偏平な四角形に形成され、それぞれ先
端に第８図のＡ，Ｂに示す通り一方は45゜、他方
は30〜35゜にテーパ角度を変えた抑止用テーパ部
６を有している。

このクランパー７は、各チヨツククランプ台
２，２の両端部の軸受側の内側に形成した偏平な
空室８に進退自在に収納され、このクランパー７
の背面側には、チヨツククランプ台２の外側に向
かつて開口した円形穴９と、その外側端に取付け
たラムカバー１０で構成されたラム室１１を備
え、このラム室１１内に片バツクアツプリング付
Ｏリング１３を嵌入した油圧ラム１２が嵌装して
ある。

前記ラムカバー１０には、圧油室１５とこれに
連絡する圧油路１４を設け、圧油の送り込みによ
り油圧ラム１２を押動し、クランパー７をロール
軸受３側に推進させ、その先端の抑止用テーパ部
６がロール軸受３のチヨツク５の係合テーパ面４
上に係合し抑止するようにしてある。

チヨツククランプ台２，２の油圧ラム１２の両
側には、第９図〜第１０図に示すように円形穴１
９，１９が形成され、これ等の穴にはそれぞれ六
角ボルト１６をコイルバネ１７と座金１８を通じ
て嵌装すると共に、先端ネジ部１６′をクランパ
ー７に螺着し、圧油路１４の開放と同時にコイル
バネ１７の弾力によりクランパー７を原位置に復
帰して、クランパー７のテーパ部６がロール軸受
３の外側面に設けられたチヨツク５の係合用テー
パ面４上から後退し離脱するようにしてある。

第３図中、２０は片方のチヨツククランプ台２
を軸受３側に接近するように位置決めする調節用
押しボルトである。

第１１図は本発明の丸棒矯正機におけるロール
軸受固定装置の他の実施例であつて、左半分はロ
ール交換時の軸受取り付け又は取り外しの途中を
示し、右半分はロール軸受３の取付け固定状態を
示すもので、上下矯正ロール３０，３０のそれぞ
れの軸受ハウジング２２に、直接油圧シリンダ２
３のピストン２４先端のねじ部２５を螺合挿着
し、油圧シリンダ２３に、先端に抑止用テーパ部
２６を有するクランパー２８をガイド２９に沿う
て進退するよう一体に取付け、ロール軸受３の外
側面に設けたチヨツク５の係合用テーパ面４とク
ランパー２８の先端の抑止用テーパ部２６との係
合、離脱をピストン２４の動作に伴う油圧シリン
ダ２３自身の移動で行うようにしたものである。

この場合、前記実施例の如くチヨツククランプ
台をロール受け、即ち軸受ハウジングに取付けた
り、油圧ラム及びクランパーの摺動案内部をクラ
ンプ台に設ける必要がないので、構成が簡単で、
中型、小型の丸棒矯正機等には最適で、矯正ロー
ルのロール軸受を即時、簡単に固定又は離脱する
ことができる。

［発明の効果］ 本発明は上記のように、丸棒矯正機の上下の矯
正ロールを軸支するロール軸受の両側面に形成し
た係合用テーパ面を有するチヨツクに、ロール軸
受を挟んでロール受けに取付けたチヨツククラン
プ台に内蔵せるクランパーの先端の抑止用テーパ
部が、油圧ラムの進退動作と、チヨツクに先端を
ねじ込んだボルトに巻装したコイルバネの反発力
とにより、瞬時に進、退して両者が係合、離脱し
て、ロール軸受を即時に簡単且つ容易に固定、又
は外脱することができ、ベアリング交換及び矯正
ロールの研磨の為の取外し、再取付け作業、操作
が簡単にできる等の効果を有するものである。

又、請求項２のロール軸受固定装置では、チヨ
ツククランプ台が不要で、油圧シリンダのピスト
ン先端の軸受ハウジングに螺着し、油圧シリンダ
に抑止用テーパ部を有するクランパーを固定する
ことによつて、油圧シリンダと共にクランパーが
進退して、ロール軸受のチヨツクと係合、離脱で
きるので、構成が簡単で中型、小型の丸棒矯正機
のロール軸受固定装置として最適で、従来の多数
本の取付けボルトで軸受を着脱するものに比べ、
その取付け、取外しの手間、労力を大幅に削減で
き、作業性に優れたロール軸受固定装置を提供で
きる。

【図面の簡単な説明】

第１図は丸棒矯正機における矯正ロールのロー
ル軸受固定装置を示す断面説明図、第２図は側面
図、第３図は第２図の平面的説明図、第４図は本
発明のロール軸受固定装置の一部の断面図、第５
図はラムカバーの正面図、第６図はロール軸受の
クランパーの平面図、第７図は同正面図、第８図
は同側面図でＡ，Ｂはテーパ角度の異なる２種の
クランパーを示す、第９図はチヨツククランプ台
の要部の断面図、第１０図は同正面図、第１１図
は本発明の丸棒矯正機におけるロール軸受固定装
置の他の実施例を示す説明図、第１２図は従来の
丸棒矯正機における軸受固定装置を示す説明図。 １……丸棒矯正機の上下矯正ロールのロール受
け、２……チヨツククランプ台、３……ロール軸
受、４……係合テーパ面、５……チヨツク、６，
２６……抑止用テーパ部、７，２８……クランパ
ー、１０……ラムカバー、１２……油圧ラム、１
４……圧油路、１５……圧油室、１６……六角ボ
ルト、１７……コイルバネ、１８……座金、２２
……軸受ハウジング、２３……油圧シリンダ、２
４……ピストン。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 上下の矯正ロールを、互いにロール軸心を所
   定の角度に交叉すべく旋回並びに圧下調整自在に
   支持させる矯正機の回動可能なロール受け上の左
   右に、夫々両側面に係合用テーパ面を有するチヨ
   ツクを設けたロール軸受を配置し、これらロール
   軸受を挟みロール受け上にチヨツククランプ台を
   並設し、該チヨツククランプ台の両側に、それぞ
   れ前記ロール軸受のチヨツクのテーパ面に係合す
   る抑止用テーパ部を先端に有したクランパーをチ
   ヨツククランプ台に嵌装し、これらクランパー
   を、チヨツククランプ台に内蔵した油圧ラムの作
   動で前進して前記チヨツクのテーパ面を係合抑止
   し、油圧ラムの圧油路の開放とバネの反発力で後
   退させて、その係合を離脱するようにしてなる丸
   棒矯正機におけるロール軸受固定装置。 ２ 上下の矯正ロールを、互いにロール軸心を所
   定の角度に交叉すべく旋回並びに圧下調整自在に
   支持させる矯正機の軸受ハウジングの左右に、両
   側面に係合テーパ面を有するチヨツクを設けたロ
   ール軸受を嵌置させ、油圧シリンダのピストンを
   軸受ハウジングに取付け、その油圧シリンダに先
   端に抑止用テーパ部を有するクランパーを取付
   け、油圧による油圧シリンダの前進、後退によ
   り、該クランパーの抑止用テーパ部を前記ロール
   軸受のチヨツクの係合テーパ面に係着、離脱可能
   としてなる丸棒矯正機におけるロール軸受固定装
   置。