JPH0351427B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は風呂用気泡発生装置に関するものであ
る。

（従来の技術） 例えば第３図に示すように、送湯ポンプａ及び
熱交換器ｂを設けた給湯器ｃと浴槽ｄとから構成
し、送湯ポンプａの吐出側から熱交換器ｂを経て
浴槽ｄの湯流入部材ｅに至る往き管ｆと、浴槽ｄ
の湯流出部材ｇから前記送湯ポンプａの吸込側に
戻る戻り管ｈを構成して浴槽ｄ内の湯を送湯ポン
プａにより強制的に循環し得るようにした強制循
環式風呂装置に於いては、近来、前記湯流入部材
ｅにエゼクタ等を利用した気泡発生機構ｉを設け
て、ここから浴槽ｄ内に気泡を混入して湯を噴出
可能としたものがある。

かかる気泡発生機構ｉとして例えば第４図に示
すものがある。この装置は前記往き管ｆを接続し
た外筒部材ｊ内に、後方側に球面支持部ｋを形成
した混合流ノズル本体１を、前後の球面支持環状
部材ｍにより方向転換可能に支持すると共に、該
混合流ノズル本体１には前記往き管ｆの噴出側に
駆動流ノズル部ｎとその下流側に、二次流として
の空気を混合する混合空間ｏ、そしてこの混合空
間ｏに空気を流入するための空気吸込口ｐを構成
し、この空気吸込口ｐに対応して外筒部材ｊに空
気室ｑ、そしてこの空気室ｑに空気管ｒを接続し
たものである。この機構ｉは、外筒部材ｊの前側
に締付筒部材ｓを螺合し、該締付筒部材ｓのフラ
ンジ部ｔと外筒部材ｊの前端部間に浴槽ｄの壁を
狭んで締め付けて固定するものである。

（発明が解決しようとする課題） 従来の気泡発生装置はこのように、駆動流ノズ
ル部ｎとその下流側に、二次流としての空気を混
合する混合空間ｏ、そしてこの混合空間ｏに空気
を流入するための空気取付口ｐ並びに混合流の噴
出部ｔを混合流ノズル本体１として一体に構成し
て、これを一体に方向転換させる構成であるの
で、方向転換させた状態に於いては往き管ｆから
噴出した湯は駆動流ノズル部ｎに至る前に、その
導入部ｕの壁面に衝突して減速されてしまい、方
向転換させない状態と比較して、空気吸い込み量
が減少してしまう。

加えて、このような従来の気泡発生装置では混
合流ノズル本体１は、往き管ｆを接続する外筒部
材ｊに設けているので、浴槽ｄへの突出長は浴槽
ｄへの外筒部材ｊの取付位置が基準となり、この
取付位置が異なると上記突出長も変わつてしま
い、また混合流ノズル本体１を取り替える場合に
は、外筒部材ｊも外さなければならないという課
題がある。

更に、従来の気泡発生装置では、単一の駆動流
ノズル部ｎを前記混合空間ｏの中心軸上に構成し
ているので、噴出流が混合空間ｏの内壁に近接し
難くく、従つて空気の吸引に寄与する部分に於い
て十分な流速の湯の噴出流が得られないので十分
な空気吸引効果が得られていない。

本発明は以上の課題を解決することを目的とす
るものである。

（課題を解決するための手段） 本発明の構成を実施例に対応する図面を参照し
て説明すると、本発明の風呂用気泡発生装置は、
前述した課題を解決するために、内筒部材１の一
方側に駆動流ノズル部２を構成し、該駆動流ノズ
ル部２の上流側に給湯装置３に連なる往き管４を
接続すると共に、該内筒部材１と他方側に混合流
ノズル部５を方向転換可能に支持し、該内筒部材
１の外側に、それとの間に空気室６を構成する外
筒部材７を装着すると共に、該外筒部材７に空気
管８を接続し、前記内筒部材１には、前記駆動流
ノズル部２の近傍下流側空間１９と前記空気室６
とを連通させる吸込口９を形成し、前記外筒部材
７の他方側には締付筒部材１０を螺合する構成と
すると共に、前記内筒部材１は、一方側筒体１ａ
と他方側筒体１ｂを摺動自在に嵌合して構成し、
該一方側筒体１ａは外筒部材７に対して固定する
と共に他方側筒体１ｂは締付筒部材１０に対して
固定する構成としたものである。

かかる構成に於いて、混合流ノズル部５は、そ
の後方側に球面支持部１１を形成し、この球面支
持部１１を、内筒部材１の他方側に球面に沿つて
摺動可能に支持することにより内筒部材１の他方
側に方向転換可能に支持する構成とすることがで
きる。

（作用及び実施例） 本発明の作用を図示の実施例と共に説明する。

まず本発明の装置は、浴槽１２の壁に締付筒部
材１０の筒部１３の外径よりも僅かに大きな取付
口１４を予め形成し、外筒部材７を浴槽１２の外
側から該取付口１４に対応させた状態に於いて、
締付筒部材１０の筒部１３を浴槽１２の内側から
前記取付口１４内に挿入し、前記外筒部材７に螺
合して締め付ける。この後、浴槽１２の内側か
ら、混合流ノズル部５を支持している他方側筒体
１ｂの嵌合部を上記外筒部材７に固定している一
方側筒体１ａに嵌合することにより、一方側筒体
１ａと他方側筒体１ｂが摺動自在に嵌合して混合
流の流路としての内筒部材１が構成される。そし
て、駆動流ノズル部２の上流側に給湯装置３に連
なる往き管４を接続すると共に、浴槽１２には湯
流出部材１５を介して前記給湯装置３への戻り管
１６を接続する。尚、往き管４は、その一部を成
す短管１７を予め内筒部材１の所定位置にロー付
等により固着しておき、この短管１７に、給湯装
置３に連なる往き管４を接続する構成としても良
いし、この他、内筒部材１の所定位置に予め往き
管接続部材を設けて、この接続部材により往き管
４を接続する構成としても良い。

しかして、給湯装置３の送湯ポンプ１８により
往き管４を経て内筒部材１の一方側に流入した湯
は、駆動流ノズル部２からその近傍下流側の混合
空間１９内に噴出し、この際空気室６の空気を吸
込口９を介して吸い込む。

かかる際、本発明に於いて、駆動流ノズル部２
は前記下流側空間１９に対して偏心させて構成し
ているので、湯の噴出流は該下流側空間の偏心さ
せた側の内壁に当接し、その後に拡がるので、偏
心させていない場合と比較してより大きな速度で
上記内壁に当接し、しかもこの駆動流ノズル部２
は複数に分割して設けているので、大きな流速の
噴出流に対応する前記下流側空間１９の範囲が広
く、従つて十分なる空気吸引効果が得られる。

こうして駆動流たる湯と二次流たる空気は次第
に混合しながら内筒部材１の他方側方向に流れ、
十分に混合した後、混合流ノズル部５から浴槽１
２内に噴出する。また浴槽１２内の湯は、湯流出
部材１５から戻り管１６を経て給湯装置３の送湯
ポンプ１８の吸込側に戻り、循環に供される。そ
して該送湯ポンプ１８で昇温された湯は熱交換器
２０で適宜昇温され、再び往き管４を経て前述し
たように浴槽１２を流入する。かかる際、空気室
６には空気管８を経て外気が流入し、前記混合に
供される。該空気管８には開閉弁２１を設け、必
要に応じて閉とすれば、空気を混入させずに、湯
だけの循環を行うことができる。

以上の動作に於いて、第２図の仮想線で示すよ
うに混合流ノズル部５を方向転換するとにより、
湯と空気の混合流の噴出方向を適宜に調節するこ
とができるのであるが、このように混合流ノズル
部５を方向転換しても、内筒部材１自体は方向が
変化せず、該内筒部材１と往き管４との相対関係
が変化しないので、該駆動流ノズル部２から噴出
する湯は減速されず、空気の吸い込み量は変化し
ない。従つて、混合流ノズル部５の方向に影響さ
れずに、空気を十分に混合した湯を噴出すること
ができる。

特に本発明に於いては、上述したように混合流
ノズル部５の、浴槽１２への取り付けは、浴槽１
２の内側から行うので、浴槽１２の壁の厚さが異
なり、締付筒部材１０のフランジ状締付部２９と
外筒部材７の締付部３０間の距離が異なる場合に
於いても、混合流ノズル部５の取付位置、即ち浴
槽１２内壁からの混合流ノズル部５の突出長は変
わらず、常時適切な突出長とすることができる。
即ち、かかる浴槽１２の壁厚の差異により距離の
差は一方側筒体１ａと他方側筒体１ｂの嵌合部が
摺動して吸収するとができる。また以上の構成に
於いては、混合流ノズル部５を、必要に応じて容
易に交換することができる。

次に図示の実施例の詳細を説明すると、まず一
方側筒体１ａは、例えば螺子部２２や、ロー付等
により外筒部材７に固定する。また他方側筒体１
ｂは、一方側を前記一方側筒体１ａへの嵌合部に
構成すると共に、他方側には混合流ノズル部５の
後方側に形成した球面支持部１１を支持する径大
部２３を構成している。この径大部２３のフラン
ジ部２４には、混合流ノズル部５の噴出部の外径
よりも径大の支持口２５を形成した支持蓋２６を
固定し、該支持蓋２６により前記球面支持部１１
の全面を支持すると共に、該球面支持部１１の後
面を、それと内筒部材１の他方側の径大部２３間
に介装したＯリング２７により支持している。

以上の構成に於ける前記締付筒部材１０のフラ
ンジ状締付部２９と浴槽１２の内壁との間にはパ
ツキン３１やワツシヤー等を適宜介装するのであ
るが、図示例に於いては、キヤツプ３２の取付部
材３３の一部がワツシヤーを兼用している。そし
て該取付部材３３の前方側にはキヤツプ３２を取
り付け、このキヤツプ３２は他方側筒体１ｂの押
さえ部材を兼用している。このキヤツプ３２は弾
性的に取付部材３３の前方側に取り付けるように
する他、螺合により取り付けるように構成するこ
とができる。

一方、図示例に於いては、空気室６は、締付筒
部材１０を外筒部材７に螺合して締め付けると共
に他方側筒体１ｂの嵌合部を一方側筒体１ａに嵌
合した状態に於いて内筒部材１と外筒部材７間に
構成されるのであるが、この他、図中に仮想線で
示すように、内筒部材１と外筒部材７間に構成し
た仕切壁３４により、常時空気室６を構成するよ
うにしても良いことは勿論である。

（発明の効果） 本発明は以上の通り、内筒部材の一方側に駆動
流ノズル部を設けて、その周囲の空気室から空気
を吸い込んで混合すると共に、混合流ノズル部
を、前記内筒部材の他方側に方向転換可能に支持
することにより、湯と空気の混合流を浴槽内に適
宜の方向に調節して噴出するように構成したの
で、駆動流ノズル部と混合流の噴出部を一体に構
成して、これを一体に方向転換させる従来の構成
のように、方向転換させた状態に於いて、往き管
から噴出した湯の減速による空気吸い込み量の減
少がなく、即ち、混合流ノズル部を方向転換して
も、内筒部材自体は方向が変化せず、該内筒部材
と往き管との相対関係が変化しないので、駆動流
ノズル部からの噴出速度は変化せず、従つて混合
流ノズル部の方向に影響されず、空気を十分に混
合した湯を噴出することができるという効果があ
る。

また本発明は上記混合流ノズル部を浴槽の内側
から取り付ける構成としたので、浴槽と壁の厚さ
が異なつても混合流ノズル部の取付位置、即ち浴
槽内壁からの混合流ノズル部の突出長は変わら
ず、常時適切な突出長に取付けることができると
共に、混合流ノズル部を、必要に応じて容易に交
換することができるという効果がある。

更に本発明は、駆動流ノズル部を複数に分割し
てその下流側の混合空間に対して偏心させて構成
しているので、空気の吸引に寄与する部分の湯の
噴出流の流速を従来よりも大きくすることがで
き、従つて十分なる空気吸引効果が得られ、十分
なる気泡発生を行えるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の風呂用気泡発生装置を用いた
風呂装置の全体構成を表した説明図、第２図は本
発明の風呂用気泡発生装置の全体構成を表した一
部断面説明図、第３図は従来の風呂用気泡発生装
置を用いた風呂装置の全体構成を表した説明図、
第４図は従来の風呂用気泡発生装置の全体構成を
表した一部断面説明図である。 符号、１……内筒部材、１ａ，１ｂ……筒体、
２……駆動流ノズル部、３……給湯装置、４……
往き管、５……混合流ノズル部、６……空気室、
７……外筒部材、８……空気管、９……吸込口、
１０……締付筒部材、１１……球面支持部、１２
……浴槽、１３……筒部、１４……取付口、１５
……湯流出部材、１６……戻り管、１７……短
管、１８……送湯ポンプ、１９……混合空間、２
０……熱交換器、２１……開閉弁、２２……螺子
部、２３……径大部、２４……フランジ部、２５
……支持口、２６……支持蓋、２７……Ｏリン
グ、２８……ストツパー部、２９，３０……フラ
ンジ状締付部、３１……パツキン、３２……キヤ
ツプ、３３……取付部材、３４……仕切壁。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 内筒部材の一方側に駆動流ノズル部を複数に
   分割して偏心させて構成し、該駆動流ノズル部の
   上流側に給湯装置に連なる往き管を接続すると共
   に、該内筒部材の他方側に混合流ノズル部を方向
   転換可能に支持し、該内筒部材の外側に、それと
   の間に空気室を構成する外筒部材を装着すると共
   に、該外筒部材に空気管を接続し、前記内筒部材
   には、前記駆動流ノズル部の近傍下流側空間と前
   記空気室とを連通させる吸込口を形成し、前記外
   筒部材の他方側には締付筒部材を螺合する構成と
   すると共に、前記内筒部材は、一方側筒体と他方
   側筒体を摺動自在に嵌合して構成し、該一方側筒
   体は外筒部材に対して固定すると共に他方側筒体
   は締付筒部材に対して固定する構成としたことを
   特徴とする風呂用気泡発生装置。 ２ 第１項記載の混合流ノズル部は、その後方側
   に球面支持部を形成し、この球面支持部を、内筒
   部材の他方側に摺動可能に支持する構成としたこ
   とを特徴とする風呂用気泡発生装置。